JP4014397B2 - 覆工板の舗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開削部の上面や桟橋等に設置する覆工板の舗装構造及び覆工板の舗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から地下鉄などを構築するための開削工の上面を塞ぐ目的や、桟橋や仮設橋梁の上床版として、鋼製の覆工板aが使用されてきた。
覆工板aは、車道、歩道又は作業路として使用される場合がほとんどである。ところで、覆工板aは、通常、2〜3mの長さに揃えたH型鋼を4〜5本溶接により接合し、側面を平板で補剛して矩形の床版に形成する。こうして形成した覆工板aの表面は、鋼材であるため滑りやすく、降雨などにより濡れた場合は滑りやすさはさらに増すことになる。
そこで、通常、覆工板aに使用する鋼材には、フランジの上面に格子模様などの凹凸を熱間圧延した縞H型鋼等を使用する。
さらに、滑り止め効果を向上させるために厚さ10mm程度の滑り止め舗装を施す場合もある。
滑り止め舗装には、樹脂系舗装、アスファルト舗装又はセメントコンクリート舗装などがある。
樹脂系舗装では、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などの樹脂材bに、硅砂cや短繊維などを混合して塗布する方法がある。また、覆工板aの表面に樹脂材bを塗布してその上から硅砂c等を塗布又は散布する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の覆工板の舗装構造及び覆工板の舗装方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>樹脂材に硅砂などを混合して覆工板の舗装を行う場合、硅砂などの骨材が覆工板の表面まで沈降し、樹脂材と覆工板の接触面積が減少する。この結果、付着力が弱くなり、舗装が覆工板から剥がれることがある。
<ロ>覆工板の表面付近に沈降した硅砂などが集中すると、樹脂材と硅砂の境界面に発生する微小な亀裂によって舗装が剥離することがある。
<ハ>上述したような亀裂や剥離が原因となって、樹脂材が部分的に割れて、舗装面に穴が開くことがある。
<ニ>短繊維を混合しただけの樹脂系舗装では滑り止め効果が弱い。また、短繊維と硅砂の両方を混合した樹脂系舗装では、硅砂が覆工板の表面付近に沈降して上述したように剥がれやすくなる。
<ホ>アスファルト舗装は接着性が弱いため剥がれやすい。また、磨耗が生じやすく耐久性に問題がある。
<ヘ>セメントコンクリート舗装は、薄いと割れたり欠けたりし易く、長期的な耐久性に問題がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、耐久性に優れ、覆工板から剥離しにくい覆工板の舗装方法を提供することを目的とする。 また、高い滑り止め機能を有する覆工板の舗装方法を提供することを目的とする。本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の覆工板の舗装方法は、覆工板の表面に短繊維を混入した樹脂系結合材を塗布し、前記樹脂系結合材が硬化する前に、その上から粒子を塗布又は散布し、前記粒子をその自重によって沈降させ、沈降した粒子や移動した樹脂系結合材に押されて前記短繊維を沈降させ、覆工板の直上に短繊維が集中する繊維層と、前記繊維層の上部に粒子が分散した粒子層とを形成してなることを特徴とする。すなわち、覆工板の表面から順に繊維層、粒子層を形成する。また、上記発明において、硬質な粒子を使用し、粒径を0.5mm〜5mmとするのが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
<イ>覆工板
本発明で使用する覆工板1は、その表面11が比較的滑りやすく、滑り止め舗装を必要とする床版である。
覆工板1は、所定の長さのH型鋼、溝型鋼、鋼板などを溶接などにより繋ぎ合わせて一枚の床版とする。そして、覆工板1を複数並べて設置することで、開削部の上面や桟橋、仮設橋梁の床版などを構築する。
覆工板1の表面には、格子状などの凹凸の滑り止め加工が予め施されていてもよい。期待する滑り止め効果を得るために本発明の舗装構造を必要とする覆工板1であればよい。
【0009】
<ロ>樹脂系結合材
樹脂系結合材2は、後述する粒子41や短繊維31を覆工板1に定着させるバインダーとなる材料である。
樹脂系結合材2として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが使用できる。また、総称してエンジニアリングプラスチックと呼ばれる公知の材料も使用することができる。
樹脂系結合材2として使用する材料は、流動性及び接着性に優れた材料が好ましい。また、粘土調整、硬化調整が容易に行える材料も適用しやすい。
樹脂系結合材2を使用することで、騒音の低減効果を期待することもできる。
【0010】
<ハ>粒子
粒子41は、すべり抵抗を向上させるために樹脂系結合材2に混入する骨材である。
粒子41には、硅砂、セラミック粒子、砕石、鉄粉、ガラス球などの硬質粒子を使用することができる。
粒子41としては、粒径が0.5mm〜5mmの粒子を使用するのが好ましい。すなわち、0.5mm未満では充分な滑り止め効果が期待できず、5mm以上では走行する自動車のタイヤ等を傷めるおそれがあるからである。
覆工板の舗装構造のうち、粒子41が分散して配置される層を粒子層4と呼ぶ。
【0011】
<ニ>短繊維
短繊維31は、繊維長が短い繊維又は短く切断した繊維をいう。繊維の長さは、目標とする舗装構造の強度などの性能や、充填性などによって適宜選択することができるが、例えば1〜10mm程度の長さのものが使用できる。
短繊維31には、例えばビニロン繊維、ガラス繊維、鋼繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維などが使用できる。
短繊維31を混入することによって、舗装の引張り強度や延性を向上させることができる。
覆工板の舗装構造のうち、短繊維31が集中して配置される層を繊維層3と呼ぶ。
【0012】
以下図面を参照しながら本発明の覆工板の舗装方法について説明する。
【0013】
<イ>結合材の塗布
短繊維31を混入した樹脂系結合材2を、覆工板1の表面11に塗布する。ここで、混入する短繊維31の種類及び量は、充填性、目標とする舗装構造の性能、使用する樹脂系結合材2との適合性によって適宜選択できる。
樹脂系結合材2を塗布した直後は、短繊維31は舗装構造内にほぼ均等に分散して配置されている(図2参照)。
【0014】
<ロ>粒子の配置
樹脂系結合材2が硬化する前に、塗布した樹脂系結合材2の上から粒子41を塗布又は散布する(図2参照)。
樹脂系結合材2の表面に配置された粒子41は、その重みによって沈降を始める。すなわち、粒子41を表面に配置した時点では、樹脂系結合材2は流動体であり、配置した粒子41はその重みによって樹脂系結合材2の内部に侵入することができる。
粒子41が沈降すると、最初に配置されていた短繊維31は粒子41や移動した樹脂系結合材2に押されて沈降する(図2の左端上部参照)。この結果、覆工板1の表面11付近に短繊維31が集中した繊維層3が形成される(図1参照)。
【0015】
<ハ>2層構造による作用
本発明の覆工板の舗装構造は、繊維層3と粒子層4の2層構造となる。
覆工板1の表面11付近に形成される繊維層3によって、表面11付近の舗装の延性が特に向上する。このため、覆工板1と舗装の間に亀裂や剥離が生じることを抑えることができる。この結果、樹脂系結合材2が部分的に割れて穴が開くようなことも抑えることができる。
また、舗装構造に短繊維31が一体として含まれるため、舗装構造全体の引張り強度などの耐力が向上する。
そして、短繊維31は軽量であるため、沈降しても樹脂系結合材2を完全に排除することはなく、覆工板1の表面11と樹脂系結合材2の接触面積も充分に確保できる。また、粒子41は繊維層3によって、直接覆工板1の表面11に接触することができない。この結果、舗装の接着力が確保される。
更に、硬質の粒子41が樹脂系結合材2の表面及び内部に分散して配置されるため、滑り止め材料としての機能を充分に発揮することができる。
なお、本発明の覆工板の舗装構造は、短繊維31を混入するため、その分高価な樹脂系結合材2の使用量を減らすことができ、材料費を抑えることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の覆工板の舗装構造及び覆工板の舗装方法は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>覆工板の表面付近に繊維層を形成する。このため、舗装構造に亀裂が生じにくく、覆工板から剥離しにくい。この結果、樹脂系結合材が部分的に割れて穴が開くようなことも抑えることができる。
<ロ>樹脂系結合材に粒子を分散させる。このため、高い滑り止め機能を確保できる。
<ハ>短繊維を混入した樹脂系結合材を塗布した後に、粒子を塗布又は散布するだけでよい。このため、簡単に舗装をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の覆工板の舗装構造の実施例の断面図。
【図2】覆工板の舗装方法の実施例の説明図。
【図3】舗装した覆工板の実施例の斜視切断図。
【図4】従来の覆工板の舗装構造の断面図。
【符号の説明】
1・・・覆工板
11・・表面
2・・・樹脂系結合材
3・・・繊維層
31・・短繊維
4・・・粒子層
41・・粒子
Claims (2)
- 覆工板の表面に短繊維を混入した樹脂系結合材を塗布し、
前記樹脂系結合材が硬化する前に、その上から粒子を塗布又は散布し、
前記粒子をその自重によって沈降させ、
沈降した粒子や移動した樹脂系結合材に押されて前記短繊維を沈降させ、
覆工板の直上に短繊維が集中する繊維層と、前記繊維層の上部に粒子が分散した粒子層とを形成してなることを特徴とする、
覆工板の舗装方法。 - 請求項1に記載の覆工板の舗装方法において、前記粒子は硬質であって、粒径を0.5mm〜5mmとすることを特徴とする、覆工板の舗装方法。
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