JP2006249702A - 床版および既設床版の補強方法 - Google Patents

床版および既設床版の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 短期間で構築することが可能な床版を提供することを課題とし、加えて、既設床版を短期間で補強することが可能な既設床版の補強方法を提供することを課題とし、さらに、既設床版が鋼床版である場合にあっては、防錆塗装を損なうことがない既設床版の補強方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 床版本体1(既設床版10)と、床版本体1の上面に設けられたずれ止め部材2と、床版本体1の上面と隙間をあけて対向する板状部材3と、床版本体1と板状部材3との間に充填された充填材4とを備える床版Sであって、板状部材3の裏面に、ずれ止め部材2の配置に対応して凹部31を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、床版および既設床版の補強方法に関する。
例えば道路橋の床版は、コンクリート床版と鋼床版とに大別される。鋼床版は、厚さ12〜16mmの表面鋼板(デッキプレート)と、その裏面に配置された複数条の縦リブと、この縦リブと交差するように配置された横リブ(あるいはダイヤフラム)とを溶接により互いに接合してなるものが一般的である。
ところで、主として過積載のトラック荷重に起因して、表面鋼板と縦リブとの溶接部分や縦リブと横リブとの溶接部分などに疲労亀裂が発生する虞がある場合には、鋼床版を補強して疲労亀裂の進展を防止する必要がある。
既設の鋼床版を供用後に補強する方法としては、例えば、非特許文献1に記載された方法が知られている。この既設床版の補強方法は、表面鋼板上のグースアスファルト舗装を剥ぎ取り、表面鋼板の上面にサンドブラストを施して付着物を取り除いたうえで、鋼繊維が混入されたコンクリート(いわゆる鋼繊維補強コンクリート)を打設して既設の鋼床版と一体にするものである。このようにすると、いわゆる合成床版が形成され、コンクリートによって既設の鋼床版の変形が低減されるので、鋼床版の溶接部分における疲労亀裂の進展を防止することが可能となる。
なお、表面鋼板とコンクリートとの付着を確実ならしめるためには、スタッドジベルなどのずれ止め部材を表面鋼板に溶接するのが一般的であるが、特許文献1に記載されているように、プラスチック製のずれ止め部材を接着剤により接着するものも提案されている。
高森博之,「横浜ベイブリッジ鋼床版舗装検討」,JICE REPORT,財団法人国土技術研究センター,2004年11月,第6号,p.46−51 特開2005−36498号公報
ところが、従来の既設床版の補強方法においては、既設床版の上面にコンクリートを現場打ちする必要があることから、コンクリート表面の敷均し作業や養生の分だけ工期が長期化してしまう。工期が長期化すると、例えば道路橋の場合にあっては、全面通行止め等の大規模な交通規制が必要となるので、多大な経済損失を被ることとなる。加えて、コンクリートを現場打ちすると、乾燥収縮に起因するひび割れが発生することから、その耐久性に悪影響を及ぼす虞もある。なお、この問題については、プラスチック製のずれ止め部材を表面鋼板に接着するという特許文献1の手法を採用したとしても、コンクリートを現場打ちする以上、解決することはできない。
なお、コンクリートを現場打ちした場合に発生する上記の問題は、既設の鋼床版の上面にコンクリートを打設して補強する場合に限らず、既設のコンクリート床版の上面にコンクリートを打設して補強する場合にも共通して当てはまる問題であり、さらには、供用が開始された既設床版をコンクリートで補強する場合に限らず、合成床版を新設する場合にも共通して当てはまる問題でもある。
また、補強すべき既設床版が鋼床版である場合に、スタッド溶接によって鋼床版の表面鋼板にずれ止め部材を固着すると、表面鋼板の裏面にまで達する溶接熱によって、表面鋼板の裏面や縦リブ等に施した防錆塗装が損傷し、当該部分が腐食してしまうという問題がある。このような問題に対処するためには、スタッド溶接を行った後に表面鋼板の裏面などに防錆塗装を施す必要があるが、作業に手間と時間とを費やすことからコストの増大を招来することとなる。なお、鋼床版の裏側に立ち入れない場合や縦リブの断面が閉断面である場合においては、そもそも防錆塗装を行うことができない。
このような観点から、本発明は、短期間で構築することが可能な床版を提供することを課題とし、加えて、既設床版を短期間で補強することが可能な既設床版の補強方法を提供することを課題とし、さらに、既設床版が鋼床版である場合にあっては、防錆塗装を損なうことがない既設床版の補強方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決すべく創案された本発明に係る床版は、床版本体と、当該床版本体の上面に設けられたずれ止め部材と、前記床版本体の上面と隙間をあけて対向する板状部材と、前記床版本体と前記板状部材との間に充填された充填材とを備える床版であって、前記板状部材の裏面に、前記ずれ止め部材の配置に対応して凹部が形成されていることを特徴とする。
ここで、床版本体とは、本発明に係る床版が既設床版を補強したことによって得られる場合には「既設床版」のことを意味し、本発明に係る床版が新設されたものである場合には、支点間に架設された底鋼板(従来の鋼製型枠に相当するもの)やプレキャストコンクリート部材(従来の埋込み型枠に相当するもの)を意味する。なお、既設床版には、鋼床版だけでなくコンクリート床版も含まれる。
本発明に係る床版は、床版本体の上方に板状部材を敷設するとともに、床版本体と板状部材との間を充填材で満たすだけで構築することができる。つまり、本発明に係る床版によれば、コンクリートを現場打ちする必要がないので、コンクリート表面の敷均し作業や養生を省略することができ、その結果、工期を短縮することが可能となる。また、床版本体上にコンクリートを現場打ちするのではなく、管理の行き届いた工場等で製作される板状部材を床版本体に敷設するので、板状部材に乾燥収縮に起因するひび割れが発生することがなく、したがって、その耐久性が損なわれることもない。なお、本発明においては、床版本体の上面にずれ止め部材を設けるとともに、板状部材の裏面にずれ止め部材の配置に対応して凹部を形成し、この凹部にずれ止め部材の周囲にある充填材が入り込むようにしたので、床版本体と板状部材とが一体化し、床版本体と板状部材との間に作用するずれせん断力(ずれようとする力)に対して高い抵抗力を発揮することとなる。
また、本発明においては、前記板状部材の凹部を、前記ずれ止め部材を覆い隠すことができるような形状に成形するとよい。このようにすると、床版本体と板状部材との間に作用するずれせん断力(ずれようとする力)に対してより高い抵抗力を発揮することとなる。
なお、前記板状部材の凹部に、前記板状部材の表面に連通する透孔を形成しておくと、床版本体と板状部材との間に存在していた空気が排出されるので、充填材を密実に充填することが可能となる。
前記板状部材は、例えば、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入してなるプレキャストコンクリートであって硬化後の圧縮強度が150〜200N/mm2の範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mm2の範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25Nmm2の範囲にあるプレキャストコンクリートからなるものであってもよい。
このような超高強度の繊維補強コンクリートで板状部材を構成すると、従来の繊維補強コンクリートよりも弾性係数が高く(例えばE=55kN/mm2程度)、引張力に対する抵抗力も期待できるので、板厚の小さいものであっても、床版本体との合成効果を期待することができ、さらに、例えば、供用を開始している既設床版を補強する場合には、補強の前後において既設床版に作用する死荷重を同等に維持しつつ既設床版の剛性を向上させることが可能となる。
本発明においては、前記ずれ止め部材を、接着剤によって前記床版本体の上面に固着するとよい。このようにすると、現場での溶接作業が不要となるので、例えば、供用を開始している既設の鋼床版を補強する場合(すなわち、床版本体が鋼床版である場合)においては、鋼床版に施されていた防錆塗装が損なわれることがない。
前記ずれ止め部材を接着する場合には、例えば、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入してなるプレキャストコンクリートであって圧縮強度が150〜200N/mm2の範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mm2の範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25Nmm2の範囲にあるプレキャストコンクリートでずれ止め部材を形成してもよい。
このような超高強度の繊維補強コンクリートでずれ止め部材を構成すると、接着剤と同等以上のせん断耐力を得ることができるので、床版本体と板状部材との間に作用するずれせん断力に対して高い抵抗力を発揮することとなる。
なお、本発明においては、前記床版本体の上面に粒状部材を固着してもよい。このようにすると、床版本体と充填材との付着強度が増大するので、床版本体と板状部材との間に作用するずれせん断力に対してより一層高い抵抗力を発揮することとなる。
また、前記した課題を解決すべく創案された既設床版の補強方法は、補強すべき既設床版の上面にずれ止め部材を固着する工程と、前記既設床版の上面に充填材を打設する工程と、前記充填材が硬化する前に、前記ずれ止め部材の配置に対応する凹部が裏面に形成された補強部材を、前記凹部が前記ずれ止め部材の直上に位置するように前記充填材の上面に敷設する工程と、を含むことを特徴とする。
このような既設床版の補強方法によると、コンクリートを現場打ちした際に必要となる敷均し作業や養生を省略することができるので、工期を短縮することが可能となる。また、既設床版上にコンクリートを現場打ちするのではなく、管理の行き届いた工場等で製作される板状部材を既設床版に敷設するので、板状部材に乾燥収縮に起因するひび割れが発生することがなく、したがって、その耐久性が損なわれることもない。なお、本発明によって既設床版を補強すると、ずれ止め部材の配置に対応して形成した板状部材の凹部に、ずれ止め部材の周囲にある充填材が入り込むので、既設床版と板状部材とが一体化し、既設床版と板状部材との間に作用するずれせん断力に対して高い抵抗力を発揮することとなる。
また、前記した課題を解決すべく創案された他の既設床版の補強方法は、補強すべき既設床版の上面にずれ止め部材を固着する工程と、前記ずれ止め部材の配置に対応する凹部が形成された補強部材を、前記凹部が前記ずれ止め部材の直上に位置するように前記既設床版の上方に敷設する工程と、前記既設床版と前記補強部材との間に充填材を注入する工程とを含むことを特徴とする。
このような既設床版の補強方法によると、コンクリートを現場打ちした際に必要となる敷均し作業や養生を省略することができるので、工期を短縮することが可能となる。また、既設床版上にコンクリートを現場打ちするのではなく、管理の行き届いた工場等で製作される板状部材を既設床版に敷設するので、板状部材に乾燥収縮に起因するひび割れが発生することがなく、したがって、その耐久性が損なわれることもない。なお、本発明によって既設床版を補強すると、ずれ止め部材の配置に対応して形成した板状部材の凹部に、ずれ止め部材の周囲にある充填材が入り込むので、既設床版と板状部材とが一体化し、既設床版と板状部材との間に作用するずれせん断力に対して高い抵抗力を発揮することとなる。なお、この既設床版の補強方法では、板状部材を敷設した後に既設床版と板状部材と間に充填材を注入するという手順を採用していることから、既設床版の上面が傾斜していたとしても、充填材が思わぬ方向に流動してしまうという不具合が生じ難く、したがって、既設床版の上面が大きく傾斜している場合であっても、短期間で既設床版を補強することが可能となる。
なお、前記した既設床版の補強方法においては、前記既設床版の上面に粒状部材を固着する工程をさらに含めてもよい。このようにすると、既設床版と充填材との付着強度が増大するので、既設床版と板状部材との間に作用するずれせん断力に対してより一層高い抵抗力を発揮することとなる。
また、前記既設床版が鋼床版からなる場合には、前記ずれ止め部材を接着剤によって前記鋼床版の上面に固着するとよい。このようにすると、現場での溶接作業が不要となるので、鋼床版に施されていた防錆塗装が損なわれることがない。また、板状部材を配置することによって鋼床版に発生する撓みが低減されることになので、溶接部分などに発生する疲労亀裂を抑制することが可能となる。
本発明に係る床版のような構成を採用すると、これを短期間で構築することが可能となる。
また、本発明に係る既設床版の補強方法によると、既設床版を短期間で補強することが可能となり、さらに、既設床版が鋼床版である場合において、ずれ止め部材を鋼床版に接着すると、鋼床版に施されていた防錆塗装が損なわれることがない。
以下、本発明に係る床版を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る床版Sは、図1に示すように、既設床版10からなる床版本体1と、この床版本体1の上面に設けられた複数のずれ止め部材2,2,…と、床版本体1の上面と隙間をあけて対向する板状部材3と、床版本体1と板状部材3との間に充填された充填材4とを備えて構成されている。つまり、床版Sは、既設床版10を板状部材3で補強したことにより得られたものである。
床版本体1は、本実施形態では、供用されていた既設床版10からなる。既設床版10は、表面鋼板(デッキプレートとも言われる)11と、その裏面に配置された複数条の縦リブ12,12,…と、この縦リブ12と交差するように配置された図示せぬ横リブ(あるいはダイヤフラム)とを溶接により互いに接合してなる鋼床版である。
ずれ止め部材2は、充填材4と既設床版10との付着を確実ならしめるものであって、接着剤により床版本体1の上面に固着されている。なお、ずれ止め部材2の個数や配置は、設計により算出されるずれせん断力の大きさを考慮して設定すればよい。ずれ止め部材2は、円板状を呈し、その底面(床版本体1側の面)が平坦に成形されている。ずれ止め部材の材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックス(モルタル)に、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維(本実施形態においては鋼製のもの)を1〜4容積%混入してなるプレキャストコンクリートであって圧縮強度が150〜200N/mm2の範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mm2の範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25Nmm2の範囲にあるプレキャストコンクリートからなる。つまり、ずれ止め部材2は、繊維の混入率が1〜4容積%であるセメント系マトリックスを硬化させてなる超高強度の繊維補強コンクリートからなる。なお、ポゾラン系反応粒子とは、例えば、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグのほか、カオリンの誘導体から選定した化合物、沈降シリカ、火山灰、シリカゾル、石粉等からなる粒子のことである。
接着剤としては、アクリル樹脂系やエポキシ樹脂系のものが好適であるが、これらに限らず、ウレタン樹脂系、フェノール樹脂系、シアノアクリート系その他のものを使用することができる。接着剤の具体的な配合は、施工現場の温度・湿度や可使時間(硬化時間)を考慮して決定すればよい。
板状部材3は、本実施形態においては、既設床版10の曲げ剛性等を向上させる補強部材としての役割を担っている。板状部材3の裏面には、図2の(a)に示すように、ずれ止め部材2,2,…の配置に対応して複数の凹部31,31,…が形成されている。凹部31は、本実施形態では、椀状を呈しており、その中央部には、板状部材3の表面に連通する透孔32が形成されている。図2の(b)にも示すように、凹部31は、ずれ止め部材2を覆い隠すことができるような寸法形状に成形されている。すなわち、凹部31は、その周縁31aの直径がずれ止め部材2の直径よりも大きくなっていて、凹部31をずれ止め部材2の上方に位置させると、その周縁31aがずれ止め部材2よりも外周側に位置することとなる。
なお、図示は省略するが、充填材4との付着強度を向上させるために、板状部材3の裏面に空気溜まりが形成されない程度の大きさの凹凸(凸条、突起、凹溝、窪み等)を形成してもよいし、粗面加工(目粗し等)を施してもよい。また、板状部材3の表面は、床版Sの用途に応じて適宜な形状・粗度に成形すればよい。すなわち、例えば、床版Sが道路橋を構成するものであり、床版Sの上面(すなわち、板状部材3の上面)にアスファルト舗装を施す場合には、板状部材3とアスファルトとの付着強度を増大させるべく、板状部材3の上面に凹凸を形成すればよいし、板状部材3の上面を舗装面とする場合(すなわち、アスファルト舗装を施さない場合)には、自動車の走行に好適な摩擦係数を保持できる程度の凹凸を形成するか、あるいは粗面加工を施せばよい。
板状部材3の材質は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入してなるプレキャストコンクリートであって硬化後の圧縮強度が150〜200N/mm2の範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mm2の範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25Nmm2の範囲にあるプレキャストコンクリートからなる。つまり、板状部材3は、繊維の混入率が1〜4容積%であるセメント系マトリックスを硬化させてなる超高強度の繊維補強コンクリートからなる。
板状部材3は、前記の材料を混練してなるフレッシュなコンクリートを所定の寸法形状に成形された型枠に打設し、所定の強度が発現した後に、脱型した状態で熱養生を行うことにより製造される。熱養生を行うと、セメント中の遊離石灰とポゾラン系反応粒子のシリカやアルミナが結合して安定的で硬い物質が早期に形成され、セメント系マトリックスの組織が緻密になるので、乾燥収縮がなく、したがって、乾燥ひび割れ等もほとんど発生しない。なお、型枠の底面に凹部31および透孔32と同形状の中子を取り付けておけば、フレッシュなコンクリートを型枠に打設して硬化させるだけで、板状部材3に凹部31および透孔32が成形されることになる。
なお、本実施形態では、高強度の繊維補強コンクリートで板状部材3を形成したが、所定の強度を有するものであれば、通常の繊維補強コンクリートで板状部材3を形成してもよく、さらには、鉄板やアルミニウム合金板その他の板材で板状部材3を形成してもよい。
充填材4は、床版本体1と板状部材3との間の隙間に充填可能な程度の流動性を有し、かつ、硬化後においてずれ止め部材2から板状部材3へずれせん断力を伝達可能な程度の強度を発現するものであれば、その材質等は問わないが、例えば、流動性の高いセメント系グラウト材のほか、セメント系モルタル材、繊維が混入されたセメント系モルタル材などを使用することができる。なお、前記したセメント系材料に、カルシウムアルミネートやシリカ質微粉末を主体とする結合材、凝結促進剤、膨張性物質等を混入すると、材齢1〜2時間程度で実用的な強度(30〜50N/mm2)を発現させることが可能となる。なお、膨張性物質を混入すると、実質的に無収縮な状態を長期間に亘って維持することができる。
次に、床版Sの第一の構築方法(すなわち、既設床版10の第一の補強方法)を、図3乃至図5を参照して説明する。
なお、既設床版10の使用状況によっては、以下で説明する各工程に先立って、既設床版10の上面にある付着物や錆等を除去し、既設床版10の上面を露出させておく。例えば、既設床版10上にグースアスファルト舗装が施されている場合であれば、グースアスファルト舗装を剥ぎ取り、既設床版10の上面にサンドブラストを施して付着物や錆等を除去しておく。
まず、図3の(a)に示すように、補強すべき既設床版10の上面に所定数のずれ止め部材2,2,…を接着剤により固着する。
続いて、図3の(b)に示すように、板状部材3(図4の(a)参照)が敷設される領域の外縁に沿って型枠5をしたうえで、既設床版10の上面に充填材4を必要量だけ打設する。なお、型枠5は、既設床版10の上面の形状になじむように、柔軟性のある材料で構成するとよい。
そして、図4の(a)および(b)に示すように、充填材4が硬化する前に、凹部31がずれ止め部材2の直上に位置するように充填材4の上面に板状部材3を敷設し、既設床版10と板状部材3との間を充填材4で満たす。より詳細には、凹部31を下に向けた状態で板状部材3を充填材4の上面に載置したうえで(図4の(a)参照)、板状部材3と充填材4との間に入り込んだ空気と余分な充填材4とを透孔32から外部へ排出させつつ板状部材3を既設床版10側に押し付けると、充填材4が凹部31に入り込み、既設床版10と板状部材3との間が実質的に完全に充填材4で満たされることとなる。なお、板状部材3の四隅に、例えばボルトナットを組み合わせてなる高さ調節手段6を設けておけば、簡易迅速に板状部材3を所定の高さ位置に設置することが可能となる。
その後、充填材4が所定の強度に達した段階で、必要に応じて型枠5および高さ調節手段6を撤去し、さらに、前記した一連の作業を適宜繰り返して既設床版10の上面全体を板状部材3で覆うと、既設床版10の補強が完了し、床版Sが形成される(図5の(b)参照)。なお、型枠5および高さ調節手段6は、撤去せずに埋め殺してもよい。
なお、図5の(a)に示すように、敷設された板状部材3に隣接して他の板状部材3を敷設する場合には、先に敷設された板状部材3の側面を型枠として利用する。
なお、図6に示すように、床版Sが道路橋を構成するものであれば、板状部材3の上面をアスファルトAで舗装する。
このような手順で既設床版10を補強すると、コンクリートを現場打ちする従来工法の場合に必要となる敷均し作業や養生を省略することができるので、工期を1/3〜1/4程度に短縮することも可能である。したがって、例えば、道路橋の場合であれば、片側通行程度の小規模な交通規制で既設床版10を補強することが可能となり、ひいては、交通規制に伴う経済損失を低減することが可能となる。
また、既設床版10の第一の補強方法においては、既設床版10上にコンクリートを現場打ちするのではなく、管理の行き届いた工場等で製作される板状部材3を既設床版10の上方に敷設するので、板状部材3に乾燥収縮に起因するひび割れが発生することがなく、したがって、その耐久性が損なわれることもない。
しかも、ずれ止め部材2を鋼床版である既設床版10の上面に接着剤によって固着するので、現場での溶接作業が不要となり、その結果、鋼床版に施されていた防錆塗装が損なわれることもない。
そして、このようにして構築された床版Sによると、図1に示すように、板状部材3の裏面に形成した凹部31にずれ止め部材2の周囲にある充填材4が入り込んだ状態で、床版本体1(既設床版10)と板状部材3とが一体化するので、床版本体1と板状部材3との間に作用するずれせん断力(ずれようとする力)に対して高い抵抗力を発揮することとなる。
また、本実施形態に係る床版Sにおいては、板状部材3の凹部31を、ずれ止め部材2を覆い隠すことができるような形状に成形したので(図2参照)、ずれ止め部材2の一部とずれ止め部材2の作用によって付着力が増大された充填材4とが凹部31に入り込むことになり、その結果、床版本体1(既設床版10)と板状部材3との間に作用するずれせん断力(ずれようとする力)に対してより高い抵抗力を発揮することとなる。
既設床版10が鋼床版である本実施形態においては、板状部材3を配置することによって鋼床版に発生する撓みが低減されることになので、溶接部分などに発生する疲労亀裂を抑制することが可能となる。
また、本実施形態においては、板状部材3が高強度の繊維補強コンクリートからなることから、板状部材3を薄板としても補強効果が高く、したがって、補強の前後において既設床版10に作用する死荷重を同等に維持しつつ既設床版10の剛性を向上させることが可能となる。なお、補強の前後で既設床版10に作用する死荷重が大きく変化しないことから、橋脚等を補強する必要もない。
次に、床版Sの第二の構築方法(すなわち、既設床版10の第二の補強方法)を、図7を参照して説明する。
なお、既設床版10の上面にある付着物や錆等を除去して既設床版10の上面を露出させる工程、および、補強すべき既設床版10の上面に所定数のずれ止め部材2,2,…を接着剤により固着する工程(図3の(a)参照)については、前記した第一の方法と同様である。
既設床版10の上面にずれ止め部材2を固着したら、図7の(a)に示すように、既設床版10の上面であって板状部材3が敷設される領域の周縁に沿って、スペーサを兼ねた止水部材7を配置したうえで、凹部31がずれ止め部材2の直上に位置するように既設床版10の上方に板状部材3を敷設する。つまり、既設床版10の上面との間に隙間を設けつつ板状部材3を既設床版10に対向させる。なお、板状部材3の四隅に、高さ調節手段6を設けておけば、簡易迅速に板状部材3を所定の高さ位置に設置することが可能となる。
続いて、図7の(b)に示すように、板状部材3の一の透孔32から既設床版10と板状部材3との間に充填材4を注入する。充填材4の充填状況は、その他の透孔32を利用して確認し、さらに、充填が確認された位置にある透孔32を、図示せぬ木栓やゴム栓等で閉塞して充填材4の漏出を防止する。なお、既設床版10と板状部材との間にある空気は、充填が完了していない位置にある透孔32から外部へ排出される。また、既設床版10が傾斜している場合には、低い位置にある透孔32から充填材4を注入するとよい。
なお、充填材4の注入圧力等によって、板状部材3の浮き上がりが懸念される場合には、板状部材3の上面に図示せぬ錘を載置するか、あるいは、透孔32に挿入した図示せぬアンカーによって板状部材3を既設床版10あるいはずれ止め部材2に固定するとよい。
その後、充填材4が所定の強度に達した段階で、高さ調節手段6や図示せぬ錘あるいはアンカーを撤去し、さらに、必要に応じて前記した一連の作業を適宜繰り返して既設床版10の上面全体を板状部材3で覆うと、既設床版10の補強が完了し、床版Sが形成される(図5の(b)参照)。
なお、充填材4の注入作業は、板状部材3を一枚敷設するごとに行ってもよいし、複数枚を敷設した後にまとめて行ってもよい。
このような手順で既設床版10を補強しても、コンクリートを現場打ちする従来工法の場合に必要となる敷均し作業や養生を省略することができるので、工期を1/3〜1/4程度に短縮することも可能である。したがって、例えば、道路橋の場合であれば、片側通行程度の小規模な交通規制で既設床版10を補強することが可能となり、ひいては、交通規制に伴う経済損失を低減することが可能となる。
また、既設床版10の第二の補強方法においても、既設床版10上にコンクリートを現場打ちするのではなく、管理の行き届いた工場等で製作される板状部材3を既設床版10に敷設するので、板状部材3に乾燥収縮に起因するひび割れが発生することがなく、したがって、その耐久性が損なわれることもない。なお、このような手順で構築された床版Sであっても、板状部材3の裏面に形成した凹部31にずれ止め部材2の周囲にある充填材4が入り込んだ状態で、床版本体1(既設床版10)と板状部材3とが一体化するので、床版本体1と板状部材3との間に作用するずれせん断力(ずれようとする力)に対して高い抵抗力を発揮することとなる。
また、既設床版10の第二の補強方法においては、板状部材3を敷設した後に既設床版10と板状部材3と間に充填材4を注入するという手順を採用していることから、既設床版10の上面が傾斜していても充填材4が思わぬ方向に流動してしまうという不具合が生じ難く、したがって、既設床版10の上面が大きく傾斜している場合であっても、短期間で既設床版10を補強することが可能となる。
なお、床版Sを構成する各部材は、図示のものに限らず、適宜変更しても差し支えない。例えば、本実施形態では、円板状を呈するずれ止め部材2を使用したが(図8の(a)参照)、例えば、図8の(b)に示すずれ止め部材21のように、その上面に円板状の隆起部21aが形成されているものを使用してもよいし、図8の(c)に示すずれ止め部材22のように、上面に複数の突起22a,22a,…が形成されているものを使用してもよい。このようにすると、充填材4(図1参照)との付着強度が向上するため、ずれせん断力に対してより一層高い抵抗力を発揮する床版Sを構築することが可能となる。さらに、図8の(d)に示すずれ止め部材23のように、その側面を傾斜させて、その底面の直径を上面の直径よりも小さくすると、ずれ止め部材23と充填材4とが強固に結合することになる。なお、図8の(e)に示すずれ止め部材24のように、円板状の隆起部24aがある場合には、その側面を傾斜させてもよい。また、円板形状を基調としたずれ止め部材に限定されることはなく、例えば、図8の(f)に示すずれ止め部材25のように、円環状を呈するものであってもよく、さらには、図示は省略するが、上面視して多角形を呈するようなずれ止め部材を使用してもよいことは言うまでもない。なお、本実施形態においては、高強度の繊維補強コンクリートでずれ止め部材2を形成したが、鉄板等で形成してもよい。
ここで、円板状を呈するずれ止め部材2に対して実施した一面のずれせん断実験の結果を図9に示す。なお、実験に用いたずれ止め部材2は、その直径が150mmおよび100mmの2種類とし、それぞれ厚さ10mmに成形されたものであり、圧縮強度が200N/mm2、曲げ引張強度が35N/mm2、割裂引張強度が20N/mm2である高強度の繊維補強コンクリートからなる。接着剤は、20℃における引張せん断接着強さが21〜22N/mm2であるアクリル系接着剤を使用した。ずれ止め部材2を接着剤により鋼板に接着し、20℃の室温下で一面のずれせん断実験を行ったところ、ずれ止め部材2の直径(150mmと100mm)の大きさには関係なく、平均ずれせん断応力(=ずれせん断力/接着面積)は13.5〜14.5N/mm2であった。なお、ずれせん断破壊面は、鋼板とずれ止め部材2の界面で生じた。
なお、前記した床版Sにおいては、床版本体1(既設床版10)の上面にずれ止め部材2のみを固着したが、図10に示すように、ずれ止め部材2,2,…に加えて、粒状部材8を固着してもよい。粒状部材8としては、例えば、砂や硅砂などを使用することができる。なお、粒状部材8を既設床版10の上面に固着するには、既設床版10の上面に接着剤を塗布したうえで、当該接着剤状に粒状部材8を散布すればよい。なお、粒状部材8を固着する工程は、好適には、ずれ止め部材2を既設床版10の上面に固着した後に行われるが、ずれ止め部材2を固着する前に行ってもよい。
このようにすると、既設床版10と充填材4との付着強度が増大するので、既設床版10と板状部材3との間に作用するずれせん断力に対してより一層高い抵抗力を発揮することとなる。
最後に、既設床版10に施した補強の効果を確認するために行った実験の結果を紹介する。この実験においては、表面鋼板11の裏面に三条のU字型の縦リブ12,12,12が配置されてなる幅2100mm、奥行き1800mmの鋼床版を既設床版10とした。既設床版10の上面を厚さ75mmのアスファルトAで舗装しただけの補強前の既設床版10(図11の(a)参照)の中央にT25荷重に相当する10トンの輪荷重を作用させた場合には、既設床版10の中央部の撓みが1.35mmであったのに対し、既設床版10をプレキャストコンクリート(高強度の繊維補強コンクリート)からなる厚さ45mmの板状部材3で補強し、その上面を厚さ30mmのアスファルトAで舗装したもの(図11の(b)参照)に10トンの輪荷重を作用させた場合には、既設床版10の中央部の撓みが0.37mmであった。この実験結果から、板状部材3で既設床版10を補強すると、補強の前後において死荷重を同等に維持しつつ、既設床版10に発生する撓みを30%程度に抑制できることが確認できた。
なお、前記した実施形態においては、床版本体1が鋼床版からなる既設床版10である場合を例示したが、既設床版10はコンクリート床版であってもよい。
また、前記した実施形態においては、床版本体1が既設床版10である場合を例示したが、例えば、床版を新設する場合には、支点間に架設された底鋼板(従来の鋼製型枠に相当するもの)やプレキャストコンクリート部材(従来の埋込み型枠に相当するもの)が床版本体となる。
本発明の実施形態に係る床版を示す破断斜視図である。 (a)は実施形態に係る床版の板状部材を示す断面図、(b)は(a)のX−X矢視図である。 (a)および(b)は、既設床版の第一の補強方法の各工程を示す断面図である。 (a)および(b)は、図3に続く工程を示す断面図である。 (a)および(b)は、図4に続く工程を示す断面図である。 板状部材の上面にアスファルト舗装を施した状況を示す断面図である。 (a)および(b)は、既設床版の第二の補強方法の各工程を示す断面図である。 (a)〜(f)は、ずれ止め部材の形態例を示す斜視図である。 ずれ止め部材に対して実施した二面のずれせん断実験の結果を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る床版を示す斜視図である。 本発明に係る既設床版の補強方法による補強効果を確認するために行った実験条件を説明するための図であって、(a)は補強前の既設床版を示す断面図、(b)は補強後の既設床版を示す断面図である。
符号の説明
S 床版
1 床版本体
10 既設床版
2 ずれ止め部材
3 板状部材
31 凹部
32 透孔
4 充填材

Claims (11)

  1. 床版本体と、
    当該床版本体の上面に設けられたずれ止め部材と、
    前記床版本体の上面と隙間をあけて対向する板状部材と、
    前記床版本体と前記板状部材との間に充填された充填材とを備える床版であって、
    前記板状部材の裏面に、前記ずれ止め部材の配置に対応して凹部が形成されていることを特徴とする床版。
  2. 前記板状部材の凹部が、前記ずれ止め部材を覆い隠すことができるような形状に成形されていることを特徴とする請求項1に記載の床版。
  3. 前記板状部材の凹部に、前記板状部材の表面に連通する透孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床版。
  4. 前記板状部材が、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入してなるプレキャストコンクリートであって圧縮強度が150〜200N/mm2の範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mm2の範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25Nmm2の範囲にあるプレキャストコンクリートからなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の床版。
  5. 前記ずれ止め部材は、接着剤によって前記床版本体の上面に固着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の床版。
  6. 前記ずれ止め部材が、セメントとポゾラン系反応粒子と最大粒径2.5mm以下の骨材とを含む紛体に高性能減衰剤と水とを混入して得られるセメント系マトリックスに、直径が0.1〜0.3mmで長さが10〜30mmの形状を有する繊維を1〜4容積%混入してなるプレキャストコンクリートであって圧縮強度が150〜200N/mm2の範囲にあり、曲げ引張強度が25〜45N/mm2の範囲にあり、かつ、割裂引張強度が10〜25Nmm2の範囲にあるプレキャストコンクリートからなることを特徴とする請求項5に記載の床版。
  7. 前記床版本体の上面に粒状部材が固着されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の床版。
  8. 補強すべき既設床版の上面にずれ止め部材を固着する工程と、
    前記既設床版の上面に充填材を打設する工程と、
    前記充填材が硬化する前に、前記ずれ止め部材の配置に対応する凹部が形成された板状部材を、前記凹部が前記ずれ止め部材の直上に位置するように前記充填材の上面に敷設する工程と、を含むことを特徴とする既設床版の補強方法。
  9. 補強すべき既設床版の上面にずれ止め部材を固着する工程と、
    前記ずれ止め部材の配置に対応する凹部が形成された板状部材を、前記凹部が前記ずれ止め部材の直上に位置するように前記既設床版の上方に敷設する工程と、
    前記既設床版と前記板状部材との間に充填材を注入する工程とを含むことを特徴とする既設床版の補強方法。
  10. 前記既設床版の上面に粒状部材を固着する工程が含まれていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の既設床版の補強方法。
  11. 前記既設床版が鋼床版からなり、前記ずれ止め部材が接着剤によって前記鋼床版の上面に固着されることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の既設床版の補強方法。
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