JP2013159953A - 橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造 - Google Patents

橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明はフィンガージョイントに代表される非連結継手を排し、圧壊を有効に防止しつつ曲げ応力を適切に吸収する連結継手構造を提供する。
【解決手段】 コンクリート床版1,2端間に形成された遊間3、又はコンクリート床版1端と橋台2´間に形成された遊間3の上部に段落ち部5を形成し、該断落ち部5に補強繊維入りのセメントモルタル8を打設して剛結合継手9を形成し、該剛結合継手9に加わる曲げ応力に対し補強繊維入りのセメントモルタル8の表面層8aに無数の微細ひび割れ10を誘起し且つ該微細ひび割れ10内を補強繊維11で架橋接続して上記曲げ応力を吸収する構造としたことを特徴とする橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造。
【選択図】 図2

Description

本発明は例えば河川橋、陸橋、高架橋等の橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造に関する。
一般に、図1に示すように、コンクリート床版1,2端間に形成された遊間3、又はコンクリート床版1端と橋台2´間に形成された遊間3の上部にはフィンガージョイントと称する、波形板4aを噛み合わせる非連結継手4を配設し、該波形板4aの噛合間隔の範囲内で上記遊間3における伸縮を自在にする構造が主流となっている。
しかし、上記フィンガージョイントでは周囲のコンクリートの磨耗が著しく、該フィンガージョイントが路面に突出してしまい、走行車両による騒音や振動を誘発する問題点を有している。
近年、この問題点に対処する手段として、下記特許文献1,2は、コンクリート床版端間に形成された遊間、又はコンクリート床版端と橋台間に形成された遊間の上部に段落ち部を形成し、該段落ち部に高伸縮性の充填材を打設して弾性継手を形成する構造を提案している。
下記特許文献1は高伸縮性舗装材を上記段落ち部に充填して弾性継手部を形成し、同様に下記特許文献2は高弾性セメントモルタルを上記段落ち部に充填して弾性継手部を形成し、上記弾性継手部で曲げ応力を吸収する継手構造としているが、現実には何れも車両走行による繰り返し荷重によって上記高伸縮性舗装材又は高弾性セメントモルタルが圧壊してしまう問題を内在している。
前者は高伸縮性舗装材を補強筋で補強してコンクリート床版と一体化する構造であるが、舗装材であるために既設床版コンクリートと同等の強度が得られず、上記繰り返し走行荷重による圧壊を有効に防止することができない。
同様に、後者は高弾性セメントモルタル内にひび割れ防止シートを埋設しているが、高弾性セメントモルタルであるために既設床版コンクリートと同等の強度が得られず、上記圧壊を有効に防止することができない。
又上記した特許文献1,2の問題を解消するために、下記特許文献3は伸縮性又は弾性のないコンクリートを上記段落ち部に打設し、該コンクリート内に遊間を跨ぐ連結鉄筋を埋設してコンクリート床版間又はコンクリート床版と橋台間を一体的に変位挙動可能な連動構造とする案を提示している。
然し乍ら上記鉄筋コンクリートで剛結する構造では、曲げ応力が上記連結鉄筋に集中し上記コンクリートのひび割れを禁じえず、遊間による伸縮吸収能に逆行する結果となっている。
尚下記特許文献1は高伸縮性舗装材で弾性継手部を構成することによりひび割れを発生させないこと、下記特許文献2は高弾性セメントモルタルで弾性継手部を構成し且つ該弾性継手部内にひび割れ防止シートを埋設することによりひび割れを抑止すること、下記特許文献3は短繊維補強材でひび割れ分散や靭性向上を図ることとしているが、ここでひび割れとは継手自身に発生するひび割れ、即ち割れ幅が大きく継手の深部に達する亀裂を意味する。
これに対して、後記する本発明はこれら亀裂を発生させずに、連結継手の表層部に限定した微細ひび割れを無数に発生させ、該無数の微細ひび割れ内を補強繊維で架橋接続して曲げ応力を吸収する継手構造であり、亀裂の発生を懸念する各特許文献とは技術的思想が全く異なる。
特許第2923586号公報 特開2011−162981号公報 特開2012−1979号公報
前記のように、上記特許文献1,2の継手構造は既設床版コンクリートと同等の強度が得られず、上記圧壊を有効に防止することができない。
又上記特許文献3の継手構造は上記特許文献1,2の問題を解消するために、上記鉄筋コンクリートで剛結する構造としているが、曲げ応力が上記連結鉄筋に集中し上記コンクリートのひび割れを禁じえず、遊間による伸縮吸収能に逆行する結果となっている。
以上のように、各先行例はフィンガージョイントの如く、コンクリート床版間又はコンクリート床版と橋台間を物理的に連結せずに伸縮を吸収する非連結継手を排する目的を有効に達成することが困難である。
本発明は上記フィンガージョイントに代表される非連結継手を排し、補強繊維を富配合したセメントモルタルの適用にて、圧壊を有効に防止しつつ曲げ応力を適切に吸収する連結継手構造を提供するものである。
要述すると、コンクリート床版端間に形成された遊間、又はコンクリート床版端と橋台間に形成された遊間の上部に遊間に沿う幅広の段落ち部を形成し、該断落ち部に補強繊維入りのセメントモルタルを打設して剛結合継手を形成し、該剛結合継手に加わる曲げ応力に対し補強繊維入りのセメントモルタルの表面層に無数の微細ひび割れを誘起し且つ該微細ひび割れ内を補強繊維で架橋接続して上記曲げ応力を吸収する構造とし、高強度でありながら曲げ応力を適切に吸収する、橋梁におけるコンクリート床版端の連結継手構造を提供する。
上記セメントモルタルとはポリマー樹脂を配合したセメントモルタル又はポリマー樹脂を配合しないセメントモルタルの双方を包含し、補強繊維入りのセメントモルタルとはこれら両セメントモルタルに補強繊維を富配合したセメントモルタルである。
好ましくは、上記補強繊維は長さが15mm以下の短繊維であり、上記セメントモルタル中に1.0〜3.0vol%配合する富配合にして上記架橋接続構造を構成し、確実に上記曲げ応力を吸収する。
又上記段落ち部の底面から立ち上がるアンカー筋を設け、該アンカー筋を上記補強繊維入りのセメントモルタルから成る剛結合継手内に埋設し、該アンカー筋上部の上記表面層で上記微細ひび割れを誘起する微細ひび割れ誘起層を形成し、上記剛結合継手を強固にコンクリート床版又は橋台に係留しつつ効果的に微細ひび割れを誘起することができる。
更に好ましくは、上記遊間内に間込材を挿入し該間込材の上端を上記段落ち部内に突出し、該突出部を上記補強繊維入りのセメントモルタルから成る剛結合継手の下層部に埋設し、該剛結合継手を上記間込材の上端突出部を埋設した部位において薄肉化し、該薄肉化した部位に対応する上記表面層において上記曲げ応力による微細ひび割れを積極的に誘起する構造とする。
又上記遊間を形成するコンクリート床版端の立ち上がり面又は橋台の立ち上がり面を削って削り部を形成し、該削り部を補強繊維入りのセメントモルタルで修復し、該修復部を上記剛結合継手を形成する補強繊維入りのセメントモルタルと一体化することにより、該剛結合継手をより強固にコンクリート床版又は橋台に係留することができる。
尚上記特許文献2は高弾性セメントモルタルに繊維を配合することを開示しているが(特許文献2の段落0037,0038)、該特許文献のセメントモルタルは弾性付与材としてアルファーゾル(商品名)を主材とし、この弾性付与材にセメントと繊維等を貧配合した高弾性セメントモルタルであり、上記繊維は上記圧壊防止に殆ど寄与せず、高弾性によって曲げ応力を吸収する発明であり、本発明の如く、補強繊維入りのセメントモルタル(補強繊維入りのポリマーセメントモルタル)から成る剛結合継手の表面層に浅い無数の微細ひび割れを誘起し該微細ひび割れ内を補強繊維で架橋接続する機能は全く有せず、想定していない。
本発明は補強繊維入りのセメントモルタルから成る剛結合継手によりコンクリート床版間又はコンクリート床版と橋台間を剛結合して一体化する構成と、該剛結合継手の表面層に多数の微細ひび割れを誘起し且つ該微細ひび割れ内を補強繊維で架橋接続して上記曲げ応力を吸収する構成との協働により、簡易構造でありながら高強度且つ高靱性の連結継手構造を実現することができる。
Aは既設の橋梁における遊間を介して隣接する一対のコンクリート床版、又は遊間を介して隣接するコンクリート床版と橋台を一部切欠して概示する斜視図、Bは上記遊間上部に段落ち部を形成した状態を示す断面図。 上記段落ち部に補強繊維入りのセメントモルタルを打設して剛結合継手を形成した状態を示す断面図及び微細ひび割れの拡大断面図。 コンクリート床版端又は橋台の立ち上がり面に削り部を形成し、該削り部を補強繊維入りのセメントモルタルで修復し、該修復部を上記剛結合継手を形成する補強繊維入りのセメントモルタルと一体化した状態を示す断面図及び微細ひび割れの拡大断面図。 A乃至Eは係止部を設けたアンカー筋の構造例を示し、Aはアンカー筋の上端にナットを螺合し係止部とした例を示す側面図、Bは同アンカー筋の上端を鉤状に成形し係止部を形成した例を示す側面図、Cは同アンカー筋を逆U字状に曲成して係止部を形成した例を示す側面図、Dは同アンカー筋の上端に横方向に延びる板材から成る係止部を設けた例を示す斜視図、Eは同アンカー筋の上端に横方向に延びる棒材から成る係止部を設けた例を示す斜視図。
以下本発明に係る橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造の最良の形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
図1Aは既設の橋梁において、コンクリート床版1,2端間に形成された遊間3、又はコンクリート床版1端と橋台2´間に形成された遊間3の上部に非連結継手であるフィンガージョイント4が配置されている状態を一部切欠して概示した斜視図である。図中15は上記コンクリート床版1,2又は橋台2´上にアスファルト等の舗装材で形成した舗装部である。
上記既設の橋梁に本発明に係る継手構造を実施する場合には、まず上記フィンガージョイント4をその周囲の取付部コンクリートと一緒に除去し、図1Bに示すように、上記遊間3の上部に段落ち部5を形成する。
又新設の橋梁に本発明に係る継手構造を実施する場合には、図1Bに示すように、コンクリート床版1,2端上部、又はコンクリート床版1の床版端及び橋台2´のそれぞれの上部に予め段落ち部5を形成するか、若しくは現場でコンクリート床版1,2端上部、又はコンクリート床版1の床版端及び橋台2´のそれぞれの上部を削って段落ち部5を形成する。
図1中6はコンクリート床版1,2又は橋台2´内に埋設の補強鉄筋であり、該鉄筋6は上記段落ち部5の底面5aから立ち上がる状態で該段落ち部5内に露出している。該鉄筋6を後記する剛結合継手9内に埋設することにより、該剛結合継手9をコンクリート床版1,2又は橋台2´に強固に係留する。
尚本願においてコンクリート床版1,2とは現場打ちコンクリートにて成形されるコンクリート床版、又は工場で成形されるPCコンクリート床版、又は鋼桁(H形鋼桁等)と打設コンクリート床版又はPCコンクリート床版で形成した複合橋等におけるコンクリート製の床版を全て包含する。
次に図2に示すように、上記遊間3内に発泡スチロール又はウレタン樹脂等から成る圧縮弾性を有する間込材7を圧入し、上方から上記段落ち部5内に補強繊維入りのセメントモルタル8を打設し、該補強繊維入りのセメントモルタル8から成る剛結合継手9を形成して両コンクリート床版1,2端上部、又はコンクリート床版1端上部及び橋台2´上部を剛結合する。
上記間込材7は下端側を上記遊間3内に挿入し該遊間3の上部開口を隙間なく塞ぐと共に、上端7aを上記遊間3から突出し、該上端突出部7aを上記補強繊維入りのセメントモルタル8から成る剛結合継手9の下層部に埋設し、該剛結合継手9を上記間込材7の上端突出部7aを埋設した部位において薄肉化する。
換言すると、図中Tで示す厚みを有する上記剛結合継手9の下層部に上記間込材7の上端突出部7aを埋設し、該上端突出部7aを埋設した部位において、図中T´で示すように薄肉化し、該薄肉化した部位に対応する上記補強繊維入りのセメントモルタル8の表面層8aにおいて曲げ応力による微細ひび割れ10を積極的に誘起する。
従って上記微細ひび割れ10は上記薄肉化した部位の表面層8a(後記する微細ひび割れ誘起層9a)において密に発生し、他の部位(厚みTを有する部位)の表面層8aにおいて租に発生するか又は殆ど発生しない。
又図1で図示する上記段落ち部5の底面5aには上記鉄筋6に加えて、図2に示すように、複数のアンカー筋6´を橋幅方向に沿い等間隔を置いて立ち上げて設け、上記鉄筋6及びアンカー筋6´を上記剛結合継手9内に埋設し該剛結合継手9をコンクリート床版1,2又は橋台2´に強固に係止する。該アンカー筋6´は上記段落ち部5の底面5aに穿設した孔17に充填した接着剤18により強固に立設する。
これにより両コンクリート床版1,2、又はコンクリート床版1及び橋台2´を確実に剛結合して一体化すると共に、上記アンカー筋6´の上部の上記補強繊維入りのセメントモルタル8の表面層8a、即ち上記剛結合継手9の表面層9aを微細ひび割れ誘起層9aとして、該微細ひび割れ誘起層9aに微細ひび割れ10を敢えて誘起し且つ該微細ひび割れ10内を補強繊維11で架橋接続して上記剛結合継手9に加わる曲げ応力を吸収する構成とする。
詳述すると、図中Tで示す厚みを有する上記剛結合継手9の下層部に上記アンカー筋6´の係止部16を図中T1で示す高さに限定して立設し、該アンカー筋6´の係止部16の上部、即ち図中T2で示す厚みの上記剛結合継手9の表面層9aを微細ひび割れ誘起層9aとして、該微細ひび割れ誘起層9aに積極的に微細ひび割れ10を誘起し且つ該微細ひび割れ10の内面10aを補強繊維11で架橋接続し上記曲げ応力を吸収する。尚各アンカー筋6´の上記係止部16はそれぞれ高さを揃えて配設し、上記微細ひび割れ誘起層9aを形成する。
又本発明に係る継手構造は上記したコンクリート床版1,2又は橋台2´の収縮により発生する引張力に対しても上記微細ひび割れ誘起層9aに微細ひび割れ10を生起し該微細ひび割れ10内を架橋接続して耐えることができる。
好ましくは、図4Aに示すように、上記アンカー筋6´の上端に雄ネジ部6´aを形成して該雄ネジ部6´aにナット14を螺合し、該ナット14を係止部16とし、該係止部16を有するアンカー筋6´を上記剛結合継手9内に埋設し、該剛結合継手9の浮きを防止する。
尚上記係止部16(ナット14)は上記雄ネジ部6´aが形成されている範囲内で自在に調整できる。
加えて、図4Dに示すように、上記ナット14に横方向に延びる板材から成る係止部16を単数又は複数形成し、又は図4Eに示すように、上記ナット14に横方向に延びる棒材から成る係止部16を単数又は複数形成し、確実に上記剛結合継手9の浮きを防止する。
上記アンカー筋6´の他例として、図4Bに示すように、上記アンカー筋6´の上端を鉤状に成形して係止部16を形成し、又は図4Cに示すように、上記アンカー筋6´を逆U字状に曲成して係止部16を形成し、上記剛結合継手9の浮きを防止する構成とすることも実施に応じ任意である。これら図4B,図4Cに示す構造例のアンカー筋6´にあっては立設高さを調整し、係止部16の高さを調整できる。
上記のように、本発明に係る継手構造は上記アンカー筋6´の係止部16による引き留め効果によって上記剛結合継手9をコンクリート床版1,2又は橋台2´に強固に係留するため、繰り返し走行荷重による上記剛結合継手9の圧壊を有効に防止する。
加えて上記剛結合継手9を構成する上記セメントモルタル8中の補強繊維11が上記係止部16に絡み合い、上記剛結合継手9をコンクリート床版1,2又は橋台2´に係留する効果を増大する。
又本発明は図3に示すように、図2で図示する上記遊間3を形成するコンクリート床版1,2端の立ち上がり面1a,2a又は橋台2´の立ち上がり面2´aに削り部12を形成し、該削り部12を補強繊維入りのセメントモルタル8で修復し、該修復部13を上記剛結合継手9を構成する補強繊維入りのセメントモルタル8と一体化して、両コンクリート床版1,2、又はコンクリート床版1及び橋台2´を剛結合し、上記補強繊維入りのセメントモルタル8の表面層8a、即ち上記剛結合継手9の表面層9aに無数の微細ひび割れ10を生じて上記曲げ応力を吸収する構成とすることができる。
即ち、まず上記削り部12に型枠を介して補強繊維入りのセメントモルタル8を充填し修復して修復部13を形成し、該修復部13の内端面間に上記間込材7を圧入し、次いで上記段落ち部5内に補強繊維入りのセメントモルタル8を打設して上記修復部13と一体化して上記剛結合継手9を形成する。上記修復部13により確実に上記剛結合継手9を両コンクリート床版1,2又はコンクリート床版1と橋台2´に係止する。
この場合にも上記段落ち部5の底面5aには上記鉄筋6に加えて、上記アンカー筋6´を立ち上げて設け、上記鉄筋6及びアンカー筋6´を上記剛結合継手9内に埋設し該剛結合継手9を両コンクリート床版1,2又はコンクリート床版1と橋台2´に強固に係止すると共に、上記アンカー筋6´の上部を上記微細ひび割れ誘起層9aとする。
尚本発明は上記遊間3を形成する一方の立ち上がり面に上記削り部12を形成し、該削り部12を補強繊維入りのセメントモルタル8で修復して上記修復部13を形成し、該修復部13を構成する補強繊維入りのセメントモルタル8を上記剛結合継手9を構成する補強繊維入りのセメントモルタル8と一体化する場合を排除しない。
前記したように、本発明に係る連結継手構造は、コンクリート床版1,2端間又はコンクリート床版1と橋台2´間に形成された遊間3の上部に該遊間3に沿う幅広の段落ち部5を形成し、一対のコンクリート床版1,2端上部間、又はコンクリート床版1及び橋台2´の上部間を上記断落ち部5に打設した補強繊維入りのセメントモルタル8から成る剛結合継手9で剛結合し、該剛結合継手9の表面層を微細ひび割れ誘起層9aとし、該微細ひび割れ誘起層9aに積極的に微細ひび割れ10を誘起し且つ該微細ひび割れ10内を補強繊維11で架橋接続して曲げ応力を吸収する構成とする。
上記微細ひび割れ10は幅0・05mm〜0.1mm、深さ10mm〜20mmの微細なひび割れであり、上記剛結合継手9にコンクリート床版1,2、橋台2´の収縮又は曲げ応力による引張力が加わると、該剛結合継手9の表面層9a、即ち微細ひび割れ誘起層9aに多数発生し、上記引張力を吸収して上記剛結合継手9の破壊を有効に防止する。
図2,図3に示すように、上記微細ひび割れ10内には上記セメントモルタル8に配合された補強繊維11が上記微細ひび割れ10の対向する内面10a間を架橋接続し、上記コンクリート収縮及び曲げ応力を効果的に吸収する。
又上記微細ひび割れ10の内面10aには上記補強繊維11がランダムに突出して現れ、上記架橋接続する補強繊維11と共に上記微細ひび割れ10内への雨水の浸入を効果的に防止する。
再述すると、上記微細ひび割れ10は上記剛結合継手9の表面層たる微細ひび割れ誘起層9aに限定して発生する。依って、図2,図3に示すように、上記アンカー筋6´はその係止部16をT1に示す高さに限定して設け、T2の厚みを有する微細ひび割れ誘起層9aを形成して上記微細ひび割れ10の発生を保障すると共に、既述したように剛結合継手9を強固にコンクリート床版1,2又は橋台2´に係留する。
又上記間込材7の上端突出部7aを上記剛結合継手9の下層部に埋設することにより該剛結合継手9を薄肉化し、該薄肉化した部位(図中T´の厚みを有する部位)における微細ひび割れ誘起層9aに積極的に微細ひび割れ10を誘起する。
<配合例1>
本発明に係る上記補強繊維入りのセメントモルタル8は、好ましい例示として、
水 250〜450kg/m
ポリマー樹脂 10〜100kg/m
セメント(ポルトランドセメント) 800〜1600kg/m
シリカフューム 20〜350kg/m
細骨材(最大粒径が1mm以下) 100〜700kg/m
高性能AE減水剤又は高性能減水剤 セメント重量の5%以下
補強繊維11(短繊維) 10〜40kg/m
消泡剤(粉体として) 0.2〜15kg/m
の配合から成る。
<配合例2>
又短期間で本発明に係る継手構造を形成する場合の上記補強繊維入りのセメントモルタル8は以下の配合が好ましい。
水 250〜450kg/m
セメント(超速硬セメント) 700〜1500kg/m
シリカフューム 10〜150kg/m
細骨材(最大粒径が1mm以下) 350〜750kg/m
高性能AE減水剤又は高性能減水剤 セメント重量の5%以下
補強繊維11(短繊維) 10〜40kg/m
消泡剤(粉体として) 0.2〜15kg/m
上記ポリマー樹脂としては、例えばスチレンブタジエン樹脂系、ポリアクリル酸エステル樹脂系(アクリル樹脂系)、エチレン酢ビ樹脂系、酢ビ・ベオバ樹脂系等のポリマー樹脂を使用する。
上記補強繊維11としては、高強度ポリエチレン繊維又はポリビニルアルコール繊維又は高強度ポリエチレン繊維とポリビニルアルコール繊維の混合繊維を使用し、好ましくは上記セメントモルタル中に1.0〜3.0vol%配合し、確実に上記微細ひび割れ10内を架橋接続する。
上記補強繊維11の長さは15mm以下、好ましくは6〜12mmとし、同直径は0.006〜0.05mmの範囲で夫々選択しばらの状態で配合する。又はばらの補強繊維11を200〜5000本の範囲で収束し、長さ6〜25mm、同直径0.5〜3mmの収束繊維として配合する。又は上記ばらの補強繊維11と上記収束した補強繊維11を混合して配合することも実施に応じ任意である。
上記配合例1,配合例2の配合による上記補強繊維入りのセメントモルタル8は性能試験の結果、弾性係数が20〜40GPA、引張強度が6〜15N/mm、圧縮強度が30N/mm以上であった。特に上記配合例2の配合による上記補強繊維入りのセメントモルタル8は打設後3時間で圧縮強度が24N/mm以上であった。
以上のように、本発明に係る連結継手構造は簡易な構造で高強度と高靱性の双方を達成できる。又配設作業や補修作業において複雑な作業を伴わず、費用と時間を効果的に削減できる。
又上記剛結合継手9の上面を両コンクリート床版1,2又は橋台2´上の舗装部15の上面と面一にすれば、車両走行による騒音の発生を有効に防止することができる。
尚本発明は上記剛結合継手9の上面に舗装部15を形成することを排除しない。
又本願において、下限値と上限値間を「〜」で示した数値範囲は、該下限値と上限値間の全ての数値(整数値と小数値)を表したものである。
1,2…コンクリート床版、2´…橋台、1a,2a,2´a…立ち上がり面、3…遊間、4…非連結継手(フィンガージョイント)、5…段落ち部、5a…底面、6…鉄筋、6´…アンカー筋、6´a…雄ネジ部、7…間込材、7a…上端(上端突出部)、8…補強繊維入りのセメントモルタル、8a…表面層、9…剛結合継手、9a…微細ひび割れ誘起層(表面層)、10…微細ひび割れ、10a…内面、11…補強繊維、12…削り部、13…修復部、14…ナット、15…舗装部、16…係止部、17…孔、18…接着剤、T…剛結合継手の厚み、T1…アンカー筋の係止部の高さ、T2…微細ひび割れ誘起層の厚み、T´…薄肉化した部位の厚み。

Claims (5)

  1. コンクリート床版端間に形成された遊間、又はコンクリート床版端と橋台間に形成された遊間の上部に段落ち部を形成し、該断落ち部に補強繊維入りのセメントモルタルを打設して剛結合継手を形成し、該剛結合継手に加わる曲げ応力に対し補強繊維入りのセメントモルタルの表面層に無数の微細ひび割れを誘起し且つ該微細ひび割れ内を補強繊維で架橋接続して上記曲げ応力を吸収する構造としたことを特徴とする橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造。
  2. 上記補強繊維は長さが15mm以下の短繊維であり、上記セメントモルタル中に1.0〜3.0vol%配合する富配合にし上記架橋接続構造を構成することを特徴とする請求項1記載の橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造。
  3. 上記段落ち部の底面から立ち上がるアンカー筋を設け、該アンカー筋を上記補強繊維入りのセメントモルタルから成る剛結合継手内に埋設し、該アンカー筋上部の上記表面層で上記微細ひび割れを誘起する微細ひび割れ誘起層を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造。
  4. 上記遊間内に間込材を挿入し該間込材の上端を上記段落ち部内に突出し、該突出部を上記補強繊維入りのセメントモルタルから成る剛結合継手の下層部に埋設し、該剛結合継手を上記間込材の上端突出部を埋設した部位において薄肉化し、該薄肉化した部位に対応する上記表面層において上記曲げ応力による微細ひび割れを積極的に誘起する構造としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造。
  5. 上記遊間を形成するコンクリート床版端の立ち上がり面又は橋台の立ち上がり面を削って削り部を形成し、該削り部を補強繊維入りのセメントモルタルで修復し、該修復部を上記剛結合継手を形成する補強繊維入りのセメントモルタルと一体化したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の橋梁におけるコンクリート床版端の継手構造。
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