JP6313542B2 - 既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造及びその補修・補強工法 - Google Patents
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図6は従来の既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法(下記非特許文献1参照)を示す図である。
また、従来の既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法としては、鋼桁の縦桁−横桁接合部をコンクリートと一体化させて複合構造とする提案はなかった。
そこで、本発明は、上記状況に鑑みて、面内・面外曲げの双方に対して抑制効果が期待される、既設鋼桁の補修・補強構造及びその補修・補強工法を提供することを目的とする。
〔1〕鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、縦桁ウェブにおける縦桁ウェブ端部を鉄筋コンクリートで一体化し複合構造とすることにより、疲労き裂の発生源となる部位周辺の剛性を高めて、面内・面外曲げの発生を抑制するようにしたことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、コンクリートの付着や鋼桁とのズレを考慮して、複合構造化する範囲の鋼材表面に急硬性セメント、細骨材、ゴムラテックスを含有するゴムラテックスモルタルが塗布されていることを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、前記鉄筋コンクリートが速硬軽量コンクリートであることを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、既設の鋼桁自体を改造することなく、終電から始発列車の時間内での作業が可能であることを特徴とする。
〔9〕上記〔5〕記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、前記既設鋼桁の縦桁−横桁接合部に配筋工・型枠工を行う工程は、剥落防止のためFRP型枠を配置し、ひび割れ防止のためひび割れ防止筋を設置することを特徴とする。
〔11〕上記〔5〕記載の既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法において、施工は分割施工が可能であり、夜間列車間合いで施工可能であることを特徴とする。
〔12〕上記〔5〕記載の既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法において、既設の鋼桁自体を改造することなく、終電から始発列車の時間内での作業が可能であることを特徴とする。
図1は本発明の対象となる縦桁−横桁接合部の斜視図、図2は本発明の実施例を示すゴムラテックスモルタル吹き付け工程を示す縦桁−横桁接合部の斜視図、図3は本発明の実施例を示す配筋工・型枠工を示す縦桁−横桁接合部の斜視図、図4は本発明の実施例を示す速硬軽量コンクリート打設の斜視図、図5は本発明の実施例を示す既設鋼桁の補修・補強フローチャートである。
以下、本発明の具体的な構成について説明する。
まず、図1に示すように、本発明の対象となる縦桁−横桁接合部は、1は縦桁、1Aは縦桁1のフランジ、2は縦桁1と交差する横桁、2Aは横桁2のフランジからなる。
(2)次に、図2に示すように、縦桁−横桁接合部に厚さ5mm程度、好ましくは3〜8mmに硬化時間2時間以内のゴムラテックスモルタルを用いて、その硬化時間内にゴムラテックスモルタル吹き付けを行う(ステップS2)。塗布したゴムラテックスモルタル塗布3は、鋼板・コンクリートの何れに対しても接着力が強い(剥落しない)。また、耐候性・耐水性・耐衝撃性に優れている。薄く塗布することが可能である(被覆材として活用できる)。
本発明に使用するゴムラテックスモルタルは、急硬性セメント、細骨材、ゴムラテックスを含有する硬化時間2時間以内のモルタルである。急硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、エコセメント、アルミナセメント等の凝結時間2時間を越える水硬性セメントから選ばれる1種又は2種以上に、急硬材又は急硬材を添加したセメント、超速硬セメント、上記水硬性セメント2種以上を併用することで急硬性セメントとなるもの等を用いることができる。また、細骨材としては、例えば砕砂、陸砂、川砂、海砂、人工細骨材、セメントクリンカ粒(セメントとして市販されているセメントクリンカ粉末よりも粗い粒状のもの)、スラグ細骨材等が好ましい例として挙げられる。また、ゴムラテックスとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体及びメチルメタクリレート・・ブタジエン共重合体等の合成ゴムや天然ゴムのラテックスが挙げられる。また、本発明に使用するゴムラテックスモルタルには、急硬性セメント、細骨材及びゴムラテックス以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の混和材料、粗骨材及び水から選ばれる1種又は2種以上が混加されていてもよい。
(3)次に、図3に示すように、縦桁−横桁接合部の縦桁−横桁接合部に配筋工・型枠工を行う(ステップS3)。この工程は、剥落防止のためFRP型枠4Aを配置し、ひび割れ防止のためひび割れ防止筋4Bを設置する。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
1A 縦桁のフランジ
2 横桁
2A 横桁のフランジ
3 塗布したゴムラテックスモルタル
4A FRP型枠
4B ひび割れ防止筋
5 速硬軽量コンクリート(鉄筋コンクリート)
Claims (9)
- 鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、縦桁ウェブにおける縦桁ウェブ端部を鉄筋コンクリートで一体化し複合構造とすることにより、疲労き裂の発生源となる部位周辺の剛性を高めて、面内・面外曲げの発生を抑制するようにしたことを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造。
- 請求項1記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、コンクリートの付着や鋼桁とのズレを考慮して、複合構造化する範囲の鋼材表面に急硬性セメント、細骨材、ゴムラテックスを含有するゴムラテックスモルタルが塗布されていることを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造。
- 請求項1記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、前記コンクリートへの配筋工・型枠工は、剥落防止のためFRP型枠と、ひび割れ防止のためひび割れ防止筋が設置されていることを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造。
- 請求項1記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化した既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造であって、前記鉄筋コンクリートが速硬軽量コンクリートであることを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強構造。
- 鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、縦桁−横桁接合部のブラスト作業を行い、塗装・さびの除去を行う工程と、前記縦桁−横桁接合部にゴムラテックスモルタル吹き付けを行う工程と、前記縦桁−横桁接合部の縦桁−横桁接合部に配筋工・型枠工を行う工程と、前記縦桁−横桁接合部に速硬軽量コンクリート打設を行う工程とを施すことを特徴とする鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法。
- 請求項5記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、施工は分割施工が可能であり、夜間列車間合いで施工可能であることを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法。
- 請求項5記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、既設の鋼桁自体を改造することなく、終電から始発列車の時間内での作業が可能であることを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法。
- 請求項5記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、前記ゴムラテックスモルタル吹き付けは、厚さ5mm程度に硬化時間2時間以内の急硬性セメント、細骨材、ゴムラテックスを含有するゴムラテックスモルタルを用いて行うことを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法。
- 請求項5記載の鋼桁の一部を鉄筋コンクリートで一体化する既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法であって、前記既設鋼桁の縦桁−横桁接合部に配筋工・型枠工を行う工程は、剥落防止のためFRP型枠を配置し、ひび割れ防止のためひび割れ防止筋を設置することを特徴とする既設鋼桁の縦桁−横桁接合部における補修・補強工法。
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