JP4014125B2 - リードフレーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子を搭載して半導体装置を製造するために用いられるリードフレーム、特に絶縁層をベースにしてリードが形成されたリードフレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化及び小型化の傾向から、それに用いられる半導体装置は、LSIのASICに代表されるようにますます高集積化、高機能化が進んでいる。高集積化、高機能化された半導体装置においては、信号の高速処理のためにパッケージ内のインダクタンスが無視できない状況となるので、そのインダクタンスの低減のために電源及びグランドの接続端子数を多くし、実質的なインダクタンスを下げることで対応してきた。このため、半導体の高集積化、高機能化は外部端子(pin)の総数の増加を促すことになり、ますますの多ピン化が求められ、これに対応して先端のファインなL/F等やBGA、CSPに代表されるようなパッケージが普及してきた。
【0003】
上記の如き技術分野でリードフレームの製造方法として、特開平9−246445号公報に記載のものが知られている。具体的には、厚い層と薄い層とをエッチングストップ層を介して積層した金属積層板を準備し、その薄い層側に複数のリードを形成した後、金属積層板のリード形成面側に該リードを覆う厚さの絶縁層を少なくともリードを露出させる開口を有するように選択的に形成し、さらに厚い層における複数のリードが形成されたリード形成領域に当たる部分をエッチングストップ層に対して浸食性の弱いエッチング液によって選択的にエッチングし、リードをマスクとして少なくともエッチングストップ層をエッチングして各リード間を互いに電気的に分離独立させるものである。このような製造方法により得られるリードフレームを使用すれば、高集積化、高機能化の進んだLSIを組み立てることが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、LSIの高機能化に伴い、LSIの発熱が原因で電気信号にノイズが入って誤動作を起こす危険性が出てくる。そのため、LSIの高集積化を図るに際しては放熱、冷却等の対策を行わなければならず、このことは、従来技術で述べた製造方法で得られるリードフレーム、すなわち小型化、多ピン化が可能で、マイグレーション等の問題に対して電気的に高い信頼性を有するリードフレームにおいても例外ではない。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、放熱板を貼り付けるなど二次的工程を行うことなく、簡単な構造で放熱機能を持たせたリードフレームを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のリードフレームは、導電性基板上にメッキにより少なくとも二次元的な形状のリードを形成し、そのリードを覆って絶縁層を形成し、その絶縁層には各リードに対応してその一部分を露出させる開口部を形成し、各開口部にリードの外部端子を形成した後、導電性基板を選択的にエッチングすることにより、絶縁層に支持された独立したリードと、半導体素子を支持するダイパッドを形成してなるリードフレームにおいて、ダイパッドは選択的にエッチングされた導電性基板の一部で形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
上記の構成からなるリードフレームにおいて、ダイパッドは絶縁層により支持され、かつ半導体素子搭載側と反対側は絶縁層が少なくとも一部分で開口しているように構成するのが好ましい。さらに、ダイパッドにおける半導体素子搭載側と反対側の絶縁層の開口にはメッキにより形成された凸部が設けられているのが好ましい。そしてこの凸部はリードの形成時に同時に形成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るリードフレームを模式的に示したものである。
【0009】
図1において1は導電性基板、2はメッキにより形成されたリード(半導体素子との接続部及び配線)、3はリード2を覆って形成された絶縁層、4は絶縁層3の開口部に形成された外部端子、5は導電性基板1の一部からなるダイパッド、6はダイパッド5に設けられた凸部である。導電性基板1は、リードフレームの製造工程においてメッキの際の給電層として機能するとともに補強板としての役割を果たす。導電性基板1は元々は一枚ものであるが、製造工程で選択的にエッチングされて図示のような形状となる。そしてこのエッチングによりリード2は絶縁層3に支持された独立した状態になり、また半導体素子を支持するダイパッド5を有した構造になる。また、ダイパッド5の凸部6は、リード2の形成時に同時に形成される。
【0010】
図2は図1のリードフレームを使用した半導体装置である。
【0011】
組立ての手順としては、まずリードフレームにおけるダイパッド5の上にダイアタッチ剤等を用いて半導体素子7を搭載する。次に、Auワイヤ8により電気的接続を施す。続いて、導電性基板1の一部からなる補強リング1aに囲まれたエリアに対してポッティング樹脂、モールド樹脂等の樹脂9による封止を行う。これにより得られた半導体装置は、図示のようにダイパッド5における半導体素子搭載側と反対側の面が露出した状態となる。また、そのダイパッド5の露出面に凸部6が設けられた形態となる。
【0012】
図3は上記構成のリードフレームの製造手順を示す工程図である。
【0013】
まず、図3(A)に示す如き三層構造の金属積層板10を用意する。この金属積層板10、例えば厚さ0.1〜0.2mmのCuからなる厚い金属層11と、例えば厚さ2μm程度のNiからなるエッチングストップ層12と、例えば厚さ1μm未満のCuからなるメッキ下地層13を積層したものである。なお、厚い金属層11は導電性基板に対応しており、最終的に補強用リング又は補強用枠を構成するものである。
【0014】
次に、金属積層板10におけるメッキ下地層13にリード及び吊り部を形成する。具体的には、まずメッキ下地層13の上にレジスト14を塗布し、マスクを介しての露光とそれに続く現像により、図3(B)に示す如くリード及び吊り部を形成すべきパターンに製版する。このパターニング時に、半導体素子搭載箇所の反対面に凸部を形成するための凸部対応パターン14aを形成しておく。次いで、図3(C)に示すように、パターニングされたレジスト14をマスクとしてCuメッキ或いはNiメッキの単層又はこれらを含む多層メッキをすることによりリード15及び吊り部を形成し、同時に凸部16も形成する。メッキの厚さは、例えばレジスト14の厚みが25μmの場合には全体に渡って25μm以下とする。メッキ後、図3(D)に示すようにレジスト14を剥離する。
【0015】
このようにリード部15をメッキで形成する際に、半導体素子を囲む補強用リング又は補強用枠、さらにはそれを支持するための吊り部を同時に形成するが、図示の例では凸部16も同時に形成する。したがって、吊り部や凸部16はリード15と同じ層構成からなる。なお、前記リング又は枠は今の段階では形成されておらず、後の工程において回路部材の主部の外側に一体に形成されるものであり、例えばCu,Ni等からなる積層構造を有する。
【0016】
次いで、図4(A)に示すように、金属積層板10のリード形成面にレジスト層20を形成し、マスクを介してこのレジスト層20を露光して現像することよりパターニングし、図4(B)に示すようにリード15の一部を露出させる開口を有するように絶縁層21を形成する。そして、図4(C)に示すように、その絶縁層21をマスクとしてリード15の表面に外部端子22となる半田ボールを形成する。この半田ボールの代わりにNiメッキとAuメッキにより形成しても構わない。このメッキ工程では、絶縁層21に半田ボール形成のための開口部が形成されており、他の部分にメッキが付かないようにあらかじめマスキングしておく。
【0017】
続いて、図5(A)に示すように、金属積層板10におけるリード形成面と反対側の面にレジスト層30を形成し、マスクを介してこのレジスト層30を露光して現像することよりパターニングし、図5(B)に示すようにリード形成領域に対応する部分を除いて絶縁部分31を形成する。そして、図4(C)に示すように、その残った絶縁部分31をマスクとして、Cuからなる厚い金属層11を選択的にエッチングして外形リング又は外形枠となる部分よりも内側を除去し、さらにNiからなるエッチングストップ層12及びCuからなるメッキ下地層13を順次エッチングして除去する。
【0018】
厚い金属層11のエッチングは、例えば有機アルカリ系のエッチング液を用いて行う。なぜならば、このエッチング液はCuを侵すがNiは侵さないので、Ni層がエッチングストップ層としての役割を果たすことができるからである。また、エッチングストップ層12のエッチングは、Cuを溶かさないHNO3 /H2 SO4 /H2 2 系のエッチング液を使用してNi層を選択的に溶解することで行う。また、メッキ下地層13は、厚さが0.01〜1μm程度と薄いため、フラッシュエッチングにより除去する。
【0019】
このようにエッチングストップ層であるNi層を剥離し、メッキ下地層である薄いCu層を除去することにより、リード部ではCuが現れ、電極部など部分的にAuが現れ、半導体素子とのワイヤーボンディング等の電気的接続が可能となる。ここで、各リード及び吊り部が独立し、はじめて互いに電気的にショートした状態ではなくなる。最後に絶縁部分31を剥離除去して、図1に示すリードフレームが得られる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリードフレームは、半導体素子を搭載するダイパッドを導電性基板の一部で構成したことにより、半導体素子搭載部に放熱作用を持たせられることから、LSIの高性能化に伴う熱誤動作の問題を部材の面から軽減することができ、しかも放熱板を貼り付けるなど二次的工程を必要としないので、価格を押さえることができる。
【0021】
また、ダイパッドにおける半導体素子搭載側と反対側で絶縁層を開口させることにより、ダイパッドを外部雰囲気に接するので、放熱作用をより高くすることができる。
【0022】
また、ダイパッドにおける半導体素子搭載側と反対側の絶縁層の開口にメッキにより形成された凸部を設け、しかもこの凸部をリードの形成時に同時に形成するようにしたことにより、リードフレームを製造する同様の工程で、放熱効果を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリードフレームを模式的に示す断面図である。
【図2】図1のリードフレームを使用した半導体装置の断面図である。
【図3】本発明に係るリードフレームの製造手順の一例を示す工程図である。
【図4】図3に続く工程図である。
【図5】図4に続く工程図である。
【符号の説明】
1 導電性基板
2 リード
3 絶縁層
4 外部端子
5 ダイパッド
6 凸部
7 半導体素子
8 ワイヤ
9 樹脂
10 金属積層板
11 厚い金属層
12 エッチングストップ層
13 メッキ下地層
14 レジスト
14a 凸部対応パターン
15 リード
16 凸部
20 レジスト層
21 絶縁層
22 外部端子
30 レジスト層
31 絶縁部分

Claims (4)

  1. 導電性基板上にメッキにより少なくとも二次元的な形状のリードを形成し、そのリードを覆って絶縁層を形成し、その絶縁層には各リードに対応してその一部分を露出させる開口部を形成し、各開口部にリードの外部端子を形成した後、導電性基板を選択的にエッチングすることにより、絶縁層に支持された独立したリードと半導体素子を支持するダイパッドを形成してなるリードフレームにおいて、ダイパッドは選択的にエッチングされた導電性基板の一部で形成されていることを特徴とするリードフレーム。
  2. ダイパッドは絶縁層により支持され、かつ半導体素子搭載側と反対側は絶縁層が少なくとも一部分で開口している請求項1に記載のリードフレーム。
  3. ダイパッドにおける半導体素子搭載側と反対側の絶縁層の開口にはメッキにより形成された凸部が設けられた請求項2に記載のリードフレーム。
  4. ダイパッドにおける半導体素子搭載側と反対側の絶縁層の開口にメッキにより形成された凸部はリードの形成時に同時に形成されたものである請求項3に記載のリードフレーム。
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