JP4014047B2 - 建設工事検査システム - Google Patents

Description

本発明は、建物の新築、改築、増築等における施工内容を検査する建設工事検査システムに関するものである。

従来、建物の建築現場では、その工事の管理において、各種の検査情報、位置情報、現場状況の写真、備忘録としてのメモ等、を、検査帳票に手書きで書き込んだり、若しくは添付したりして検査帳票を作成している。

しかし、現場の状況写真は、フィルムの現像、プリント、更には、所定の欄への貼り付け作業と、多くの手間が掛かる。また、写真枚数が数百枚にもなると、写真管理に手間が掛かると共に、分厚い写真管理台帳では品質管理部門以外の人が利用しにくいという問題がある。更に、近年では、デジタルカメラを使用して、その画像をデータベースに蓄積して、手軽に利用するようにした工事現場管理システムが提供されている（特許文献１参照）。
特開２００３−３１７０７９号公報

しかしながら、前記現場写真のデータを保存するには、どこの工事の写真であるかを明確にするために、画像データの保存ファイル名称を重複しないように、区別して保存しなければならず、数多くの写真があると、そのファイル名称を付与すること自体が面倒になり、単なる順番でファイル保存すると、後になって、どこの工事のどの状況に置ける状況写真であったかが判然としなくなることがある。また、パーソナルコンピュータなどで帳票を作成すると、検査した検査者の名前を単に入力装置から文字入力するだけでは、だれでも簡単に前記名前を入力したり改ざんしたりできるので、その信用力に問題が生じる。

解決しようとする問題点は、多数の画像データが収集される検査項目に関して、効率的に画像データを配設して帳票を作成できない点である。

本発明に係る建設工事検査システムの上記課題を解決するための要旨は、建物の完成までの工事において所要の検査情報が入力される携帯情報端末と、検査箇所を撮影するデジタルカメラと、前記携帯情報端末とデジタルカメラとが接続されて検査情報と検査箇所の画像データを取り込み帳票を作成する検査用帳票作成プログラムを有するコンピュータと、該コンピュータに接続された表示装置と、該コンピュータに適宜に接続される印刷装置とからなる建設工事検査システムにおいて、
前記携帯情報端末の入力部から工事種別と選定された検査項目と検査実測値とを入力すると共に、前記検査項目に関連する箇所を前記デジタルカメラで撮影し、前記デジタルカメラの画像データにはそれぞれ撮影した時間が属性データとしてメモリーに記録され、
その後、前記コンピュータの記憶装置に前記携帯情報端末のメモリーから検査データと画像データとが転送され、その転送されたデータを前記検査用帳票作成プログラムによって、前記工事種別と検査項目とのデータを基にして帳票の欄に検査項目を時系列に沿って表示させ、その検査項目に前記時間の属性データによって時系列で対応する画像データを前記欄の隣の欄に自動割り付けで配設して帳票が作成されるものであり、
前記検査用帳票作成プログラムには差込み機能があり、該差し込み機能により前記帳票作成の際に、前記携帯情報端末においてある工事の差込みであることを当該携帯情報端末の入力部から入力するとその入力後から次の工事の検査情報の入力までに撮影された画像データが前記ある工事の対応写真として関連付けられて前記帳票の画像データを配設する欄に配設されることである。

また、携帯情報端末における表示装置には、工事種別の検査情報が入力部から入力されると検査対象の図面が当該端末のメモリーから呼び出されて表示されるとともに、検査項目を前記入力部から入力すると前記表示された図面に検査項目の番号が検査位置情報として表示され、同時に、前記検査箇所の管理基準が表示されることを含むものである。

本発明の建設工事検査システムは、検査箇所の画像データが時間系列によって管理されることで、例えば、ある工事箇所において、デジタルカメラで複数の写真を撮影した場合に、当該写真の画像ファイルの名称を区分けできるように特別に工夫する必要がなく、連番などの名称でかまわない。これらの画像ファイルは、ある工事箇所から次の工事箇所までの時間の間に存在する前記画像ファイルが、前記ある工事箇所に関連した画像ファイルとして関連付けられるからである。

また、画像データの差込み入力手段により、検査の途中でも、前の工事に係る検査項目の写真を画像ファイルとして撮影時間を属性データとして保存することで、その当該工事の画像データとして関連付けられる。更に、携帯情報端末の表示装置には、検査対象箇所の図面が表示されて、検査箇所が目視で明らかになるとともに、管理基準が示されるので、現場において容易に合否の判断ができる。

本発明の目的を、建物の検査項目と、この検査項目に関連する画像データを時間系列で管理して、帳票を作成するようにしたことで、効率的に作成できるようになったものである。図１に示すように、建物の完成までの工事において所要の検査情報が入力される携帯情報端末２と、検査箇所を撮影するデジタルカメラ３と、前記携帯情報端末２とデジタルカメラ３とが接続されて検査情報と検査箇所の画像データを取り込み帳票を作成する検査用帳票作成プログラムを有するコンピュータ（パーソナルコンピュータを含む、以下同じ）４と、該コンピュータ４に接続された表示装置５と、該コンピュータ４に適宜に接続される印刷装置６とからなる建設工事検査システム１である。

前記携帯情報端末（ＰＤＡ：Ｐｅｒｓｏｎａｌ Ｄｉｇｉｔａｌ Ａｓｓｉｓｔａｎｃｅ とも称される）２に入力される検査項目とは、建設工事における施工中の検査、竣工後の定期点検など、例えば、墨出や間仕切り、玄関石、雑金物等の検査項目である。
また、各所検査項目における検査時期，合否判定基準等の管理基準，図面等もあらかじめ検査情報としてこの携帯情報端末２のメモリーに登録されている。これらの管理基準は、検査する際に、検査項目がペンタッチ等の入力部から入力されたときに、当該携帯情報端末２の表示装置に表示される。更に、前記入力から担当者及び検査者のデータが入力され、しかも、検査者の署名には、更新用のパスワードが入力されて設定されるようになっている。

前記携帯上表端末２に蓄積された検査項目のデータ等は、無線もしくは有線で接続されるコンピュータ４に転送されるものである。前記デジタルカメラ３は、市販品であるが、画像データにはそれぞれ撮影した時間が属性データとして記録されるものである。

前記コンピュータ４は、その内部記憶装置に帳票を作成する検査用帳票作成プログラムを有して中央演算処理装置でそのプログラムを実行するものであり、液晶モニターなどの表示装置５と、印刷装置６とが接続されている。

前記検査用帳票作成プログラムは、図２に示すように、一例として、「住戸できばえ検査シート」として、左欄に検査項目７とその管理基準８，担当者・検査者９等を表示し、右欄にその検査項目に対応する画像データ１０を配設して、帳票を作成するものである。

前記画像データ１０は、図３に示すように、前記検査用帳票作成プログラムにより、写真が撮影された日時をもとにして、携帯情報端末２に入力された検査情報の日時と対比させ、例えば、「○○工事」から次の「××工事」までの間の時間における写真Ｎｏが、当該「○○工事」の対応写真であると関連付けられ、自動割り付けされる。

また、この検査用帳票作成プログラムでは、画像データ１０が時系列で管理された場合に、後に撮影した写真を前の工事の写真として関連付けしたい場合に対応できるように、差し込み機能がある。

これは、図４に示すように、前記画像データ１０が、検査用プログラムにおける差込み入力手段によって、例えば、「××工事差込」と入力部から入力し、所定の検査項目に対する差し込みに指定されたのちに撮影したことで、次の「□□工事」までの時間における写真Ｎｏ．００７の画像データ１０が、前記「××工事」の対応写真として関連付けられる。よって、「△△工事」に対応する写真は、「□□工事」までではなく、「××工事差込」までの時間における写真Ｎｏ．００６となる。

以上のような建設工事検査システム１により、建設工事の検査を行うには、図５に示すように、建設現場のサイトにおいて、建設計画に沿って、検査項目を選定し、その検査項目の管理基準と検査対象の図面の各データが携帯情報端末２に入力される。

そして、検査者が前記携帯情報端末２とデジタルカメラ３とを持って、建設現場に行って検査が開始される。前記携帯情報端末２の入力部に、「○○工事」等の工事種別の検査情報が入力される。すると、この携帯情報端末２の表示装置に、図６に示すような検査対象の図面が表示される。そして、検査項目を入力部から入力すると、その番号が検査位置情報として前記図面に表示され、それと同時に、管理基準が表示される。

そこで、検査者は、検査箇所とその管理基準とを確認して、検査実測値のデータを打ち込み、その箇所を前記デジタルカメラ３で撮影する。必要ならば、複数枚の撮影を行う。
また、検査した結果である「合・否」を前記入力部から入力し、検査者の氏名をペンタッチで署名して入力する。これらは、入力部から画像データとして入力されて、メモリー等に保存される。更に、更新用のパスワードを入力する。これにより、検査結果の不正な書き換えが防止される。

このように、工事種別を入力し、検査項目を入力し、検査実測値を入力し、署名して、関連する写真を撮影して、次の工事種別を打ち込んで検査箇所を変える。これを繰り返すものである。なお、画像データを差し込みする場合には、携帯情報端末２の入力部に「○○工事差込」を入力し、デジタルカメラ３で現場を撮影するものである。

こうして、工事現場での検査と、写真撮影とが終了したなら、事務所のコンピュータ４で検査用帳票作成プログラムを起動させて、該コンピュータ４に前記携帯情報端末２を接続してその検査データを送信させて取り込み、また、前記デジタルカメラ３のメモリーカード等から画像データを取り込む。

前記検査用帳票作成プログラムにより、例えば、「住戸できばえ検査シート」に、検査項目と管理基準値及び検査実測値、担当者、検査者の署名と合否の判定、及び、関連する画像データが時系列で整理されて、仕様に沿って配設され、液晶モニタ等の表示装置５に表示されるとともに、印刷指令により印刷装置６で印刷されるものである。

このように、各項目に対する関連した画像データを、時系列で配設することで、効率的に帳票などを作成することができるようになったものである。検査結果を実際の現場写真で確認することができて、理解が容易になるものである。

本発明に係る建設工事検査システム１の構成概略図である。 同本発明の建設工事検査システム１で作成する帳票の一例を示す説明図である。 検査情報の各工事ごとに関連付けるべき画像データが、時系列によって整理される様子を示す説明図である。 画像データを差し込みする様子を示す説明図である。 同本発明に係る建設工事検査システム１の検査フローを示す説明図である。 検査対象箇所の図面と、検査項目の番号が示される様子を示す説明図である。

符号の説明

１ 建設工事検査システム、
２ 携帯情報端末、
３ デジタルカメラ、
４ コンピュータ、
５ 表示装置、
６ 印刷装置。

Claims (2)

1. 建物の完成までの工事において所要の検査情報が入力される携帯情報端末と、検査箇所を撮影するデジタルカメラと、前記携帯情報端末とデジタルカメラとが接続されて検査情報と検査箇所の画像データを取り込み帳票を作成する検査用帳票作成プログラムを有するコンピュータと、該コンピュータに接続された表示装置と、該コンピュータに適宜に接続される印刷装置とからなる建設工事検査システムにおいて、
   前記携帯情報端末の入力部から工事種別と選定された検査項目と検査実測値とを入力すると共に、前記検査項目に関連する箇所を前記デジタルカメラで撮影し、前記デジタルカメラの画像データにはそれぞれ撮影した時間が属性データとしてメモリーに記録され、
   その後、前記コンピュータの記憶装置に前記携帯情報端末のメモリーから検査データと画像データとが転送され、その転送されたデータを前記検査用帳票作成プログラムによって、前記工事種別と検査項目とのデータを基にして帳票の欄に検査項目を時系列に沿って表示させ、その検査項目に前記時間の属性データによって時系列で対応する画像データを前記欄の隣の欄に自動割り付けで配設して帳票が作成されるものであり、
   前記検査用帳票作成プログラムには差込み機能があり、該差し込み機能により前記帳票作成の際に、前記携帯情報端末においてある工事の差込みであることを当該携帯情報端末の入力部から入力するとその入力後から次の工事の検査情報の入力までに撮影された画像データが前記ある工事の対応写真として関連付けられて前記帳票の画像データを配設する欄に配設されること、
   を特徴とする建設工事検査システム。
2. 携帯情報端末における表示装置には、工事種別の検査情報が入力部から入力されると検査対象の図面が当該端末のメモリーから呼び出されて表示されるとともに、検査項目を前記入力部から入力すると前記表示された図面に検査項目の番号が検査位置情報として表示され、同時に、前記検査箇所の管理基準が表示されること、
   を特徴とする請求項１に記載の建設工事検査システム。

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