以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1には、本発明の実施形態に係る点検支援システムの構成を示し説明する。
同図に示されるように、本実施形態に係る点検支援システムは、サーバ装置等からなる点検支援装置1と、点検作業員又はユーザ(例えば、不動産物件の保有者)等の端末装置2と、管理会社の端末装置3とを備える。点検支援装置1と端末装置2、3は、インターネット等の通信網4を介して無線又は有線で接続されている。
このような構成において、点検支援装置1は、端末装置3での操作入力に基づいて、点検種別と点検時期を少なくとも登録する点検登録と、点検対象のフロア及びエリア名を登録するフロア・エリア登録と、点検項目と点検ポイントを少なくとも登録する点検項目登録と、前記エリア名と前記点検項目とを関係付けるエリア・点検項目割当とを少なくとも行う。点検支援装置1は、これら登録された内容を端末装置2に送信し、各フロアのエリア毎に、登録された点検項目について点検を行うようにガイドする。端末装置2では、エリアごとに点検項目、及びその点検基準が表示されるので、そのガイドに従って、点検結果を入力していく。点検支援装置1は、端末装置2で入力された、ガイドに従って実行された点検の結果に基づいて、レポートを生成する。
図2には、点検支援システムにおける点検支援装置の構成を示し説明する。
同図に示されるように、点検支援装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信部12と、記憶部13とは、バスを介して通信可能に接続されている。これら構成のほか、キーボードやマウス等の入力部や、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部を有してもよい。
通信部12は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC;Network Interface Card)等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、端末装置2、3等との間で通信を行う通信インタフェースである。
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(HDD;Hard Disc Drive)、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。また、記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、物件情報記憶部15、登録情報記憶部16、及び点検情報記憶部17を有する。
ユーザ情報記憶部14は、ユーザIDと紐付けて、ユーザ(不動産物件の所有者)の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、メールアドレス等の属性情報、所有している不動産物件の物件ID等が記憶されている。物件情報記憶部15には、物件IDと紐付けて、物件の所在地、レイアウト、所有者のユーザID等が記憶されている。登録情報記憶部16には、登録IDと紐づけて、登録情報(点検登録、フロア・エリア登録、点検項目登録、エリア・点検項目割当等の情報)、対応する物件IDとが記憶されている。そして、点検情報記憶部17には、点検IDと紐づけて、点検対象の物件の物件ID、当該物件の所有者のユーザID、点検結果等が記憶されている。尚、点検エリアは点検ID、点検項目は点検項目IDにより特定されるようになっている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等で実現される。制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Array)等の集積回路で構成される。制御部11は、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、受付部11a、登録部11b、点検ガイド部11c、レポート生成部11d、画面生成部11e、送信部11f、及び契約書生成部11gとして機能する。
受付部11aは、管理会社の端末装置3側での、点検登録、フロア・エリア登録、点検項目登録、及びエリア・点検項目割当等の入力情報を受け付ける。登録部11bは、点検種別と点検時期を少なくとも登録する点検登録と、点検対象のフロア及びエリア名を登録するフロア・エリア登録と、点検項目と点検ポイントを少なくとも登録する点検項目登録と、前記エリア名と前記点検項目とを関係付けるエリア・点検項目割当と、を登録情報記憶部16に対して行う。点検ガイド部11cは、登録部11bにより登録された内容を点検作業員等の端末装置2に送信し、各フロアのエリア毎に、登録された点検項目について点検を行うようにガイドする。レポート生成部11dは、端末装置2で入力された、点検ガイド部11cのガイドに従って実行された点検の結果に基づいてレポートを生成し、点検情報記憶部17に記憶する。画面生成部11eは、例えば、上記レポートの表示画面のデータをHTML形式等で生成する。送信部11fは、例えば、生成されたHTMLデータ等を、通信部12を介して端末装置3等に送信する。契約書生成部11gは、登録部11bにより登録された点検種別、及びエリア・点検項目割当等の情報に基づいて、ユーザとの間で締結する契約書を自動生成する。この契約書生成部11gにより生成される契約書は、業者側が説明責任を果たしたことを事後的に証明する上でも効果的である。さらに、契約書生成部11gは、保証規約の自動転用により保証契約書の自動生成も行うことが可能である。
点検項目登録では、点検項目について点検ポイントに係る詳細な点検基準を登録することができ、点検実行時には、点検基準のデータを端末装置2に送信し、点検基準に従った点検を促すようにしている。端末装置2において、点検実行時に点検ポイントが撮像されたときは、レポート生成部11dは、レポートに画像データを取り入れる。
図3には、点検支援システムにおける端末装置の構成を示し説明する。
同図に示されるように、端末装置2(3)は、制御部21と、通信部22と、撮像部23、操作部24と、表示部25と、記憶部26とを有する。各部21~26は、バスを介して通信自在に接続されている。通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、コンテンツ配信装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。
撮像部23は、物件の点検エリア等において撮影を行う。操作部24は、マウスやキーボード等で実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部25は、液晶ディスプレイ等により実現されるもので、各種表示を行う。尚、操作部24と表示部25とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。記憶部26は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを記憶している。
制御部21は、CPUやMPU等で実現されるもので、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよい。制御部21は、記憶部26に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、送信部21a、受信部21b、閲覧部21c、及び表示制御部21dとして機能する。
より詳細には、送信部21aは、端末装置2であれば、点検結果等の情報を、通信部22を介して送信し、端末装置3であれば、登録情報を、通信部22を介して送信する。受信部21bは、点検支援装置1から送信されたHTMLデータ等を、通信部22を介して受信する。閲覧部21cは、HTMLデータ等を閲覧する。このとき、表示制御部21dは、表示部25によるHTMLデータの表示を制御する。
以下、図4のフローチャートを参照して、点検支援システムによる登録の手順を詳細に説明する。ここでは、図5乃至図10の画面表示例を適宜参照しつつ説明を進める。
登録の処理を開始すると、点検支援装置1の登録部11bは、先ず点検登録の処理を実行する(S1)。詳細には、端末装置3の表示部25に、図5に示されるような画面100が表示される。端末装置3では、操作部24の操作の下、領域100aに点検対象物件の属性情報が入力される。更に、操作部24の操作の下、領域100bに、点検IDと対応付けて、点検名、アポイントメントの開始時期、点検時期が点検ごとに設定される。端末装置3の送信部21aは、これら入力された情報を、通信部22を介して、点検支援装置1に送信する。点検支援装置1では、受付部11aが、これら情報を受付け、登録部11bが、点検対象物件の属性情報等は物件情報記憶部15に登録し、点検名等の情報は登録情報記憶部16に登録する。
続いて、点検支援装置1の登録部11bは、フロア・エリア登録の処理を実行する(S2)。詳細には、端末装置3の表示部25に、図6に示されるような画面101が表示される。端末装置3では、操作部24の操作の下、領域101aにてフロア(この例では、1階、2階、外部)の詳細が設定され、領域101bに、エリア名の詳細が設定される。端末装置3の送信部21aは、これら設定された情報を、通信部22を介して、点検支援装置1に送信する。点検支援装置1では、受付部11aが、これら情報を受付け、登録部11bが、登録情報記憶部16に登録する。
次いで、点検支援装置1の登録部11bは、点検項目登録の処理を実行する(S3)。詳細には、端末装置3の表示部25に、図7に示されるような画面102が表示される。端末装置3では、操作部24の操作の下、領域102aにて、点検項目IDと対応付けて点検項目名、点検レベル、点検ポイントが設定される。点検ポイントについては、「詳細」ボタンが選択されると、図8に示されるように、画面103がポップアップ表示され、点検ポイントの詳細、即ち点検基準をテキスト入力することができる。端末装置3の送信部21aは、これら設定、入力された情報を、通信部22を介して、点検支援装置1に送信する。点検支援装置1では、受付部11aが、これら情報を受付け、登録部11bが、登録情報記憶部16に登録する。
続いて、点検支援装置1の登録部11bは、エリア・点検項目割当の処理を実行する(S4)。詳細には、端末装置3の表示部25に、図9に示されるような画面104が表示される。端末装置3では、操作部24の操作の下、領域104aにて項目登録を行うエリアを選択すると、領域104bに選択されたエリア名が表示され、領域104cにて項目登録を行うことになる。端末装置3の送信部21aは、これら設定された情報を、通信部22を介して、点検支援装置1に送信する。点検支援装置1では、受付部11aが、これら情報を受付け、登録部11bが、登録情報記憶部16に登録する。以上で、登録に係る一連の処理を終了することになる。
尚、本実施形態では、端末装置3に、図10に示されるような画面105を適宜表示して、顧客・点検名別の点検ポイント調整が可能となっている。すなわち、画面105において、領域105aで調整を所望とする点検名が選択され、領域105bで調整を所望とするエリア名が選択されると、それらに対応する点検項目が領域105cに一覧表示される。そして、調整を所望とする項目について、「詳細」ボタンを選択すると、画面105dがポップアップ表示され、点検基準を再設定可能となる。
ここで、図11には、点検作業レポートの一例を示し説明する。
前述したような登録がなされると、点検ガイド部11cの作用により、点検作業者の端末装置2に、登録された内容が送信されると、各フロアのエリア毎に、登録された点検項目について点検を行うようにガイドがなされる。レポート生成部11dは、端末装置2で入力された、点検ガイド部11cのガイドに従って実行された点検の結果に基づいてレポートを生成する。その一例が図11である。同図では、領域106aに、点検項目名と指摘事項、写真等が示され、配列された写真の一つが選択されると、領域106bに拡大表示されるようになっている。管理会社の端末装置3では、このようなレポートを随時確認することができるので、点検の進捗をリモートで管理できる。
次に、図12のフローチャートを参照して、点検支援システムによる点検作業時のガイドについて詳細に説明する。ここでは、図13乃至図15のガイド画面を適宜参照しつつ説明を進める。
点検作業を開始すると、点検作業員は、端末装置2で、点検支援装置1に対してログイン要求を行う(S11)。このとき、端末装置2は、点検対象物件の物件IDを併せて送信する。点検支援装置1は、受付部11aが、このログイン要求を受付け(S12)、点検ガイド部11cが、物件IDに基づいて点検対象物件を特定し(S13)、点検ガイド部11cが、登録情報記憶部16より、物件IDに対応付けられている登録情報を読み出し(S14)、画面生成部11eが、画面データをHTML形式等で生成し、送信部11fが画面データを端末装置2に送信する(S15)。
点検作業員の端末装置2では、画面データを受信部21bが受信し、表示制御部21dの制御の下、表示部25に点検画面を表示する(S16)。この表示の一例は、図13に示される通りである。同図に示されるように、領域200aに、点検項目が列挙され、点検開始ボタンを選択すると、図14に示されるような画面201に切り替わり、該当項目にチェックを入れられるようになっている。また、対応の緊急度(例えば、A:至急、B:早めに、C:順次等、但し、これに限定されない)も設定することができ、点検箇所の写真を撮像部23により撮像し、画像データを対応付けることもできる。さらに、ここでは不図示であるが、対応の重要度の入力領域も設けて、当該重要度を設定するようにしてもよい。ここで、対応の緊急度とは、補修対応の緊急性を示すものであるのに対して、対応の重要度とは、指摘の程度及び当該指摘の症状以外の問題の大きさを表すものである。例えば、顧客の要望の程度(強く対応を望んているならAなど)を判断して入力することになる。顧客の指摘の程度については、緊急度は低い指摘項目となるが、長く放置されて問題が大きくなっている場合、放置したままでは住宅の損害や被害が重大になると予想される場合などにも、重要度はAとなる。
こうして、操作部24の操作により、点検結果を順次入力し(S17)、全ての点検を終了すると(S18をYに分岐)、図15に示されるような画面202が表示され、点検終了確認サインがなされた後、点検結果として、送信部21aが点検支援装置1に送信する(S19)。点検支援装置1では、受付部11aが、点検結果の情報を受付け(S20)、登録部11bが、点検情報記憶部17に登録する(S21)。こうして、点検作業のガイドに係る一連の処理を終了する。この点検結果に係る画面202では、総括的な対応の重要度と緊急度についても提示されるようになっている。
以上説明したように、本発明の第1実施形態によれば、管理会社側で予め点検項目を点検対象に合わせて登録可能とし、点検作業時には、これら登録された点検項目を点検作業員等に順次提示し、各項目に係る点検内容を記録可能とし、点検作業を的確にガイドし、レポートも作成可能とする点検支援装置、システム、及び方法を提供できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る点検支援システムの構成は、図1に示した構成と同じであるので、ここでは重複した説明は省略する。また、端末装置の構成も図3に示した構成と同じであるので、ここでは重複した説明は省略する。
図16には、本発明の第2実施形態に係る点検支援装置の構成を示し説明する。ここでは、図2と同一構成、同種構成については、同一符号を付して説明する。
図16(a)に示されるように、点検支援装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信部12と、記憶部13とは、バスを介して通信可能に接続されている。これら構成のほか、キーボードやマウス等の入力部や、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部を有してもよい。
通信部12は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、端末装置2、3等との間で通信を行う通信インタフェースである。
記憶部13は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを予め記憶している。また、記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、物件情報記憶部15、登録情報記憶部16、点検情報記憶部17、及び点検結果記憶部18を有する。
ユーザ情報記憶部14は、ユーザIDと紐付けて、ユーザ(不動産物件の所有者)の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、メールアドレス等の属性情報、所有している不動産物件の物件ID等が記憶されている。物件情報記憶部15には、物件IDと紐付けて、物件の所在地、レイアウト、所有者のユーザID等が記憶されている。登録情報記憶部16には、登録IDと紐づけて、登録情報(点検登録、フロア・エリア登録、点検項目登録、エリア・点検項目割当等の情報)、対応する物件IDとが記憶されている。
また、点検情報記憶部17には、点検IDと紐づけて、点検対象の物件の物件ID、当該物件の所有者のユーザID、チェックリスト情報、登録ID、個別ガイド情報、点検手順ガイド情報、図面情報、商品購入ガイド情報等が記憶されている。点検結果記憶部18には、結果IDと紐づけて、物件ID、ユーザID、点検結果、図面上のピン付け情報、及び商品購入情報等が記憶されている。
制御部11は、CPUやMPU等で実現される。制御部11は、ASICやFPGA等の集積回路で構成される。制御部11は、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、受付部11a、登録部11b、点検ガイド部11c、レポート生成部11d、画面生成部11e、送信部11f、契約書生成部11g、点検結果出力部11h、及び決済部11iとして機能する。
受付部11aは、管理会社の端末装置3側での、点検登録、フロア・エリア登録、点検項目登録、及びエリア・点検項目割当等の入力情報を受け付ける。登録部11bは、点検種別と点検時期を少なくとも登録する点検登録と、点検対象のフロア及びエリア名を登録するフロア・エリア登録と、点検項目と点検ポイントを少なくとも登録する点検項目登録と、エリア名と点検項目とを関係付けるエリア・点検項目割当と、を登録情報記憶部16に対して行う。
点検ガイド部11cは、登録部11bにより登録された内容を点検作業員等の端末装置2に送信し、各フロアのエリア毎に、登録された点検項目について点検を行うようにガイドする。より詳細には、点検ガイド部11cは、図16(b)に示されるように、チェックリストガイド部11c-1と、点検項目ガイド部11c-2と、個別ガイド部11c-3と、点検手順ガイド部11c-4と、図面ガイド部11c-5と、商品購入ガイド部11c-6とを少なくとも有している。
チェックリストガイド部11c-4は、点検情報記憶部17を参照して、チェックリスト情報を特定し、チェックリスト情報に基づくガイドを行うよう制御する。このチェックリストガイド部11c-4による制御を受けて、画面生成部11eは、特定されたチェックリスト情報に基づいて画面データを生成し、送信部11fは、画面データを端末装置2に送信する。ユーザの端末装置2側でのチェックリストの表示の様子は、例えば、図18に示される通りである。この画面では、点検を行う前の身だしなみや道具、安全等の観点からのチェックリストを提示することができる。
点検項目ガイド部11c-2は、点検情報記憶部17を参照して、物件IDに基づいて点検IDを特定し、更に点検IDと紐づけられている登録IDを特定し、登録情報記憶部16を参照して、当該登録IDに対応する登録情報を特定し、登録情報に基づくガイドを行うよう制御する。この点検項目ガイド部11c-2による制御を受けて、画面生成部11eは、特定された登録情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データを端末装置2に送信する。ユーザの端末装置2側での点検項目の表示の様子は、例えば、図19(a)に示される通りである。この画面では、点検対象ごとに、点検項目、点検ガイド開始ボタンなど、各種のボタン等を提示し、点検対象ごと、点検項目ごとの点検ガイドにしたがった点検を点検作業員に促すことが可能となる。
この図19(a)の画面においては、点検の結果について、対応の重要度と対応の緊急度を設定できるようになっている。例えば、予め決められた点検項目実施において、水漏れ、ガス漏れ 、外装の破損、設備の故障など、その症状が生活環境に著しく不具合を生じさせている場合、又はその症状が住宅保守に著しく悪影響を与える可能性が高いと判断された場合、その点検項目の結果入力時に、症状の報告や写真などの添付と同時に、その対応の必要性によって緊急度(A/B/C/D/E)と重要度(A/B/C/D/E)のフラグを立てて、レベル付して報告することが可能となっている。
前述したように、対応の「緊急度」とは、補修対応の緊急性を示すものであるのに対して、対応の「重要度」とは、指摘の程度及び当該指摘の症状以外の問題の大きさを表すものである。例えば、顧客の要望の程度(強く対応を望んているならAなど)を判断して入力することになる。顧客の指摘の程度については、緊急度は低い指摘項目となるが、長く放置されて問題が大きくなっている場合、放置したままでは住宅の損害や被害が重大になると予想される場合などにも、重要度はAとなる。
個別ガイド部11c-3は、点検情報記憶部17を参照して、個別ガイド情報を特定し当該個別ガイド情報に基づくガイドを行うよう制御する。この個別ガイド部11c-3による制御を受けて、画面生成部11eは、特定された個別ガイド情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する。ユーザの端末装置2側での個別ガイドの表示の様子は、例えば図19(b)に示される通りである。この画面では、各点検項目について点検を実施する際の留意点等を提示し、注意を喚起することが可能となる。
点検手順ガイド部11c-4は、点検情報記憶部17を参照して、点検手順情報を特定し当該点検手順情報に基づくガイドを行うよう制御する。この点検手順ガイド部11c-4による制御を受けて、画面生成部11eは、特定された点検手順情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する。ユーザの端末装置2側での点検手順ガイドの表示の様子は、例えば、図19(c)に示される通りである。この画面では、点検項目について、点検手順を、イラスト等を交えて提示し、点検作業員に適正な点検を促すことが可能となる。
図面ガイド部11c-5は、点検情報記憶部17を参照して、図面情報を特定し、図面上への点検箇所のピン付けを促す。画面生成部11eは、特定された図面情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する。ユーザの端末装置2側での図面への点検箇所のピン付けの表示の様子は、例えば、図20に示される通りである。この画面では、図面上に点検箇所をピン付けし、点検箇所と点検項目や点検結果を紐づけることが可能となる。
商品購入ガイド部11c-6は、点検情報記憶部17を参照して、商品購入ガイド情報を特定し、点検箇所と関連する商品の購入をガイドするよう制御する。この商品購入ガイド部11c-6による制御を受けて、画面生成部11eは、特定された商品購入ガイド情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する。ユーザの端末装置2側での商品購入ガイドの表示の様子は例えば、図21に示される通りである。この画面では、点検項目に関係のある商品の名称、及び見積金額が提示され、関連商品の購入を促すことが可能となる。尚、端末装置2側で購入のリクエストがあった場合には、決済部11iが電子決済を行う。
レポート生成部11dは、端末装置2で入力された、点検ガイド部11cのガイドに従って実行された点検結果に基づいてレポートを生成し、レポート情報を点検結果記憶部18に記憶する。画面生成部11eは、例えば、上記レポートの表示画面のデータをHTML形式等で生成する。送信部11fは、例えば、生成されたHTMLデータ等を、通信部12を介して端末装置3等に送信する。
契約書生成部11gは、登録部11bにより登録された点検種別、及びエリア・点検項目割当等の情報に基づいて、ユーザとの間で締結する契約書を自動生成する。この契約書生成部11gにより生成される契約書は、業者側が説明責任を果たしたことを事後的に証明する上でも効果的である。さらに、契約書生成部11gは、保証規約の自動転用により保証契約書の自動生成も行うことが可能である。
点検項目登録では、点検項目について点検ポイントに係る詳細な点検基準を登録することができ、点検実行時には、点検基準のデータを端末装置2に送信し、点検基準に従った点検を促すようにしている。端末装置2において、点検実行時に点検ポイントが撮像されたときは、レポート生成部11dは、レポートに画像データを取り入れる。
点検結果出力部11hは、点検結果記憶部18を参照して、点検結果情報を抽出し、出力する。画面生成部11eは、点検結果情報に基づき画面のデータをHTML形式等で生成する。送信部11fは、生成されたHTMLデータ等を、通信部12を介して端末装置3等に送信する。端末装置3側での表示の様子は、図22(a)、図22(b)に示される通りである。図22(a)に示される画面では、点検結果を閲覧可能な物件が一覧で表示され、点検結果の閲覧を所望とする物件名等が選択されると、図22(b)に示される画面に遷移し、当該物件についての点検情報を閲覧することが可能となる。
より詳細には、図22(b)に示す画面では、点検の項目名ごとに、所在フロア、点検エリア、点検の詳細内容、対応の要否、対応種類、対応の重要度、対応の緊急度、進行状況、写真、動画が一覧で示される。このとき、対応の要否が「要」のものが上位に表示されるので、より注意を喚起することが可能となる。書面ベースの報告であれば、全ての点検項目について、対応の要否を1つ1つ確認する手間がかかっていたが、このように一覧で、且つ対応の要否が「要」のものが上記に表示されるようにすることで、瞬時に点検結果を確認することができると共に、対応が必要な項目を把握することができる。また、対応の重要度や対応の緊急度についても、併せて表示されるので、緊急度からも、業者が即時的に対応すべき、点検項目を把握することが可能となる。対応の重要度、対応の緊急堂が高い項目についてはハイライト表示するなどして注意を喚起するようにしてももよいことは勿論である。
以下、図17のフローチャートを参照して、本発明の第2実施形態に係る点検支援システムによる点検支援の処理手順を詳細に説明する。ここでは、図18乃至図21を適宜参照しつつ説明を進める。
点検作業を開始すると、点検作業員は、端末装置2で、点検支援装置1に対してログイン要求を行う(S31)。このとき、端末装置2は、点検対象物件の物件IDを併せて送信する。点検支援装置1は、受付部11aが、このログイン要求を受付け(S32)、点検ガイド部11cが、物件IDに基づいて点検対象物件を特定し(S33)、点検ガイド部11cが、登録情報記憶部16より、物件IDに対応付けられている登録情報等を読み出し(S34)、画面生成部11eが、先ずはチェックリストに係る画面データをHTML形式等で生成し、送信部11fが画面データを端末装置2に送信する(S55)。
点検作業員の端末装置2では、画面データを受信部21bが受信し、表示制御部21dの制御の下、表示部25にチェックリストを表示する(S36)。チェックリストの表示例は図18に示される通りであり、身だしなみ、道具、安全の3つの視点から点検作業員が留意すべき事項がチェック項目として提示される。このチェックリストの確認が完了し確信完ボタンが選択されると、送信部21aが、その旨を点検支援装置1に送信する(S37)。点検支援装置1では、受付部11aがこれを受付け(S38),点検項目ガイド部11c-2が、点検情報記憶部17を参照して、物件IDに基づいて点検IDを特定し、更に点検IDと紐づけられている登録IDを特定し、登録情報記憶部16を参照して、当該登録IDに対応する登録情報を特定し、登録情報に基づくガイドを行う。このとき、画面生成部11eは、特定された登録情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データを端末装置2に送信する(S39)。
点検作業員の端末装置2では、この画面データを受信部21bが受信し、表示制御部21dの制御の下、表示部25に点検項目画面を表示する(S40)。
この点検項目画面の表示例は、図19(a)に示される通りである。同画面では、点検対象箇所ごとに、点検項目名と、それぞれのガイド開始ボタン(NAVIと表記)、ヘルプボタン、例外記載ボタン、アナウンス記載ボタン、状況選択欄、重要度選択欄、緊急度選択欄、図面ピンボタン、写真/動画ボタン、メモボタンが設けられている。ガイド開始ボタンを選択すると、個別ガイドが開始される。ヘルプボタンを選択すると補足説明がポップアップで表示される。例外記載ボタンを選択すると、ポップアップでテキストボックスが表示され、例外が記載可能となる。アナウンス記載ボタンを選択すると、ポップアップでテキストボックスが表示されアナウンス事項が記載可能となる。状況選択欄では、状況が選択可能である。重要度選択欄では、重要度(A~E)が選択可能である。緊急度選択欄では、緊急度(A~E)が選択可能である。図面ピンボタンを選択すると図面ガイドが開始される。写真/動画ボタンを選択すると、写真/動画の撮影画面が表示され撮影可能となる。メモボタンを選択すると、ポップアップでテキストボックスが表示され、メモが記載可能となる。
ガイド開始ボタンが選択されると(S41をYesに分岐)、送信部21aは個別ガイドのリクエストを点検支援装置1に送信する(S42)。点検支援装置1では、このリクエストを受付部11aが受付け(S43)、個別ガイド部11c-3が、点検情報記憶部17を参照して、個別ガイド情報を特定し、当該個別ガイド情報に基づくガイドを行う。このとき、画面生成部11eは、特定された個別ガイド情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する(S44)。
点検作業員の端末装置2では、この画面データを受信部21bが受信し、表示制御部21dの制御の下、表示部25に個別ガイド画面を表示する(S45)。端末装置2側での個別ガイドの表示の様子は、例えば、図19(b)に示される通りである。同図に示されるように、選択された点検項目に関わる個別の留意点等が画面表示される。この例では、「脚立の天板には乗ってはいけません」と注意がなされている。
続いて、点検作業員の端末装置2の送信部21aは点検手順ガイドのリクエストを点検支援装置1に送信する(S46)。点検支援装置1では、このリクエストを受付部11aが受付け(S47)、点検手順ガイド部11c-4が、点検情報記憶部17を参照して、点検手順情報を特定し当該点検手順情報に基づくガイドを行う。このとき、画面生成部11eは、特定された点検手順情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する(S48)。
点検作業員の端末装置2では、この画面データを受信部21bが受信し、表示制御部21dの制御の下、表示部25に個別ガイド画面を表示する(S49)。端末装置2側での点検手順の表示の様子は、例えば、図19(c)に示される通りである。同図に示されるように、点検箇所の点検手順を、イラストなども交えて説明するポップアップ画面が表示部25に表示される。この例では、換気扇の点検に関わる点検手順が例示されている。
続いて、点検作業員の端末装置2では、点検項目表示画面(図19(a))で、点検結果の入力を受け付ける(S50)。例えば、例外記載ボタン、アナウンス記載ボタン、状況選択欄、重要度選択欄、緊急度選択欄等を選択して、各事項を入力する。このとき、図面ピンボタンが選択された場合には、図20に示されるような画面に遷移し、点検箇所を指し示すピンを図面上に設定することが可能となる。この場合、図面ガイド部11c-5により、図20に示されるような図面が特定され、画面生成部11eにより画面イメージが生成され、送信部11fにより、点検作業員の端末装置2側に送信される。図面上のピンの位置は、当該位置が指し示す箇所に関わる点検結果と紐づけられる。
次いで、点検作業員の端末装置2では、購入ガイドを所望とするか否かが判断され、所望とする場合には(S51をYesに分岐)、送信部21aが、購入ガイドリクエストを点検支援装置1に送信する(S52)。点検支援装置1では、受付部11aが、このリクエストを受付け(S53)、商品購入ガイド部11c-6が、点検情報記憶部17を参照して商品購入ガイド情報を特定し、点検箇所と関連する商品の購入をガイドする。このとき、画面生成部11eは、特定された商品購入ガイド情報に基づいて画面データを生成し、送信11fは、画面データをユーザの端末装置2に送信する(S54)。
点検作業員の端末装置2では、この画面データを受信部21bが受信し、表示制御部21dの制御の下、表示部25に個別ガイド画面を表示する(S55)。ユーザの端末装置2側での商品購入ガイドの表示の様子は、例えば、図21に示される通りである。同図に示されるように、点検箇所に関連する商品の商品名、イメージ、見積価格等が提示され、そのまま購入を進めることも可能となる。その場合には、点検支援装置1では、決済部11iが電子決済を行うことになる。
こうして、端末装置2では、全ての点検が終了したか否かを制御部21が判断し、全ての点検を終了していない場合には(S56をNoに分岐)、ステップS40に戻り、上記処理を繰り返す。一方、全ての点検を終了している場合には(S56をYesに分岐)、点検結果を送信部21aが点検支援装置1に送信する(S57)。点検支援装置1では、受付部11aが、点検結果の情報を受付け(S58)、登録部11bが、点検結果記憶部18に登録する(S59)。こうして、点検作業のガイドに係る一連の処理を終了する。
以上説明したように、本発明の第2実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本発明の第2実施形態によれば、端末装置2と通信自在な点検支援装置1であって、端末装置2からのリクエストを受け付ける受付部11aと、物件情報、登録情報、点検情報、及び点検結果を少なくとも記憶する記憶部13と、リクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検物件に対応する登録情報を特定し、登録情報に基づくガイドを行うよう制御する点検項目ガイド部11c-2と、リクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検情報に含まれる、点検項目に対応する個別ガイド情報を特定し、個別ガイド情報に基づくガイドを行うよう制御する個別ガイド部11c-3と、リクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検情報に含まれる、点検項目に対応する点検手順情報を特定し、点検手順情報に基づくガイドを行うよう制御する点検手順ガイド部11c-4と、これらの制御に基づいて画面データを生成する画面生成部11eと、画面データを端末装置2に送信する送信部11fとを備えた点検支援装置1が提供される。従って、点検項目ガイド、個別ガイド、点検手順ガイドを端末装置2側で実行し、点検作業が適正に行われるようにサポートすることが可能となる。
ここで、リクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検情報に含まれる図面情報を特定し、図面上への点検箇所のピン付けを促すよう制御する図面ガイド部11c-5を更に備えてよい。したがって、図面上に点検箇所をピン付けし、図面上の点検箇所と点検項目、点検結果等を紐づけることが可能となる。
さらに、リクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検情報に含まれるチェックリスト情報を特定し、チェックリスト情報に基づくガイドを行うよう制御するチェックリストガイド部11c-1を更に備えてよい。したがって、点検作業に取り組む前に身だしなみ等のチェックリストを提示し、万全の準備の下で、点検を開始できるように効果的に導くことが可能となる。
さらに、リクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検項目に対応した商品購入ガイド情報を特定し、商品購入ガイド情報に基づいて、点検項目と関連する商品の購入をガイドするよう制御する商品購入ガイド部11c-6を更に備えてよい。したがって、点検項目に関連する商品の購入を適正にガイドし、必要な商品を点検作業の過程で購入できるような仕組みを提供することが可能となる。
また、管理者の端末装置3からのリクエストに応じて、記憶部13を参照して、点検結果情報を特定し、点検の項目名ごとに、所在フロア、点検エリア、点検の詳細内容、対応の要否、対応種類、対応の重要度、対応の緊急度、進行状況、写真、動画を一覧で、特に緊急度が高いものが上位表示となるように出力する点検結果出力部11hを更に備えてよい。したがって、点検結果を一見して把握することが可能となり、特に緊急度の高いものが上位に表示されるので、その点でも管理者に注意を喚起することが可能となる。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
例えば、点検作業において、点検結果を入力するときに、対応の緊急度も入力するようになっているが、緊急性が高い旨の入力(選択)がなされた場合には、管理会社に当該緊急性が高い旨を物件IDと併せて、通知するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、現地での点検実施画面の一例を示し、説明したが、現地での点検実施時の表示画面については、点検実施者(入居者/専門点検員など)により表示態様を変えることにより、入居者の指摘が多方面に及ばないようにすることができると共に、専門点検員による確実な確認/修正/指摘ができるようになる。