JP4013862B2 - 線状発光構造体 - Google Patents
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一方,カラー塗装をしたワイヤや、着色した樹脂をコーティングしたワイヤなどを用いた装飾体が知られている。このような装飾体は強度に優れるため、例えばショールームや飲食店などにおけるパーティションとして、又は手摺などを加飾することに利用されている。しかしながら、このような装飾体を用いて効果的な加飾を行おうとすれば外部から別途照明する必要があり、即ち外部光源の設置が必要となる。従って、自ずとその用途が制限されることとなる。また、その装飾的効果についても外部光源の光を受けて発色することによるのみであって高いものとはいえない。
その他、線状の装飾体として、直線状に配置した発光ダイオード(LED)をシリコーンなどの透明樹脂で封止したものも提案されているが、このような構成では光が点状に観察され、意匠性ないし装飾性に乏しいものであった。また、強度も低く、使用できる用途が限られていた。
スリーブ部と保持部とを有する複数の導光体接続部と、及び該導光体接続部に対応する数の光源が内蔵される本体部と、を有する少なくとも一つのコネクタと、
複数の線状導光体であって、各線状導光体が、前記コネクタにおいて対応する前記導光体接続部の前記スリーブ部にその一端が挿入され、且つ挿入された状態で前記保持部によって保持される、複数の線状導光体と、を備える線状発光構造体である。
また、本発明は他の態様として以下の構成を提供する。即ち、
スリーブ部と保持部とを有する導光体接続部と、ジョイント連結部と、及び前記導光体接続部に対応する数の光源が内蔵される本体部と、を有する少なくとも一つのコネクタと、
コネクタ連結部を介して前記ジョイント連結部に連結される、少なくとも一つのジョイントと、
複数の線状導光体であって、各線状導光体が、前記コネクタにおいて対応する前記導光体接続部の前記スリーブ部にその一端が挿入され、且つ挿入された状態で前記保持部によって保持される、複数の線状導光体と、を備える線状発光構造体である。
本発明の一態様ではコネクタに加えてジョイントが使用される。ジョイントの使用によって、一層様々な形状の発光構造体を構成することができ、デザインの自由度及び装飾効果がさらに向上する。一方、ジョイントの使用によって、本発明の線状導光体を設置して使用する際の作業性が向上する。また、設置場所(設置対象)の自由度が高まり、汎用性に優れた発光体となる。
本発明におけるコネクタは、線状導光体が接続される導光体接続部と、光源を内蔵する本体部とを備える。コネクタは重量や成形性を考慮して樹脂製であることが好ましいが、コネクタの材料は特に限定されず、ゴムや金属等を用いることもできる。特に金属を用いると耐久性が上がる効果のほか、内蔵された光源から発生する熱を熱伝導率の高い金属を用いることで積極的に逃がすことができるという効果が得られる。コネクタの材料としては強度に優れ、かつ耐久性に優れたものを採用することが好ましい。かかる観点から、好適な材料の例としてはステンレス鋼又はナイロン等を挙げることができる。また、コネクタの形状を任意に変形できるように、形状記憶合金や軟質樹脂などを採用することもできる。
コネクタの形状は直線状、L字型、T字型、X字型、Y字型などの二次元形状を採用することができる。また、互いに直行するX軸、Y軸、Z軸の座標系で表現される3次元形状、例えばテトラポットのような立体形状を採用することもできる。典型的には、コネクタの端部(一つ又は二つ以上の端部)に導光体接続部が配置される。
一方、LEDは応答速度が速いといった利点も有し、点灯・非点灯の切り換えや輝度の調節、発光色の変化(2色以上を発光可能なLEDを用いる場合)を容易かつ瞬時に行える。このようなLEDの特性を利用することにより変化に富んだ発光態様や意外性のある発光態様など、様々な発光態様を作り出すことができる。LEDのタイプは特に限定されず、砲弾型、チップ型等、種々のものを採用できる。また、線状導光体に効率よく光を入射するためにレンズを用いて指向性を持たせたLEDを用いることが好ましい.
強度が低い場合には導光体は変形し易いことから、スリーブ部を比較的長くなるようにスリーブ部を設計し、導光体の形状(ひいては線状発光構造体全体の形状)の維持を図ることが好ましい。
スリーブ部は、線状導光体の端部を内包することができる形状を有し、好ましくはその横断面形状が、線状導光体の横断面形状と相似形(略相似形を含む)である。特に、その内径が、線状導光体端部の内径よりもわずかに大きくなるようにスリーブ部を設計することが好ましい。このようにすることによって、線状導光体が挿入されたときに線状導光体とスリーブ部との間に形成される空隙が小さくなり、導光体接続部において線状導光体を一層良好に保持することが可能となる。また、線状導光体の位置決めが容易となることから、導光体挿入時(取り付け時)の作業性が向上する。
例えば、線状導光体の横断面形状に対応させて、スリーブ部の横断面形状を円、楕円、三角形、長方形、正方形、ひし形、台形、星形、その他の多角形などとすることができる。スリーブ部の長さは接続する線状導光体の形状及び強度により決められる。
線状導光体の材質は光源の光に対して透過性であれば特に限定されない。好ましくは透明(無色透明、有色透明を含む)な材料により線状導光体を構成する。また、加工が容易で耐久性に優れた材料により線状導光体を構成することが好ましい。例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の光透過性樹脂やガラス等を線状導光体の材料として採用することができる。二以上の異なる材料を組み合わせて線状導光体を形成することもできる。
線状導光体の側周面に凹部又は凸部を形成し、その側周面からの光の放出態様を変化させることもできる。例えば、線状導光体側周面の一部を凸レンズ状とし、レンズ効果による集光を行うことができる。
線状導光体内に顔料などの着色剤を含有させてもよい。このようにすれば、線状導光体が着色されて観察されることによる装飾的効果が得られ、特に光源の光が導入されない状態における装飾性が向上する
蛍光体を用いる場合には、例えば蛍光体を含む層を線状導光体側周面上に設けることができる。このような蛍光体を含む層は蛍光体含有インク若しくは塗料の印刷、塗布などにより、又は蛍光体を含むシートの貼着などによって形成することができる。また、蛍光体を線状導光体内に含有させることができる。このような構成では線状導光体内で蛍光が生じ、この蛍光が線状導光体の側周面から放射される。蛍光体を線状導光体内に含有させる場合には、特に有機系の蛍光体を用いることが好ましい。有機系の蛍光体を用いれば線状導光体の透明性を維持でき、クリアー感のある照明効果が得られるからである。
線状導光体内に反射性の材料を含有させた場合には、線状導光体の一部が高輝度で光って観察されるような変化に富んだ発光態様が得られる。
例えば、直線状、一部又は全部が曲折、屈曲又は湾曲などした線状導光体が使用される。屈曲等した形状の具体例としては、らせん状や一定間隔で規則的に屈曲した形状を挙げることができる。また、所望の位置で分岐した形状の線状導光体を使用することもできる。
本発明の一態様では、コネクタと連結可能なジョイントが使用される。ジョイントの材料は特に限定されない。コネクタと同様に、樹脂、ゴム、金属等から任意に選択した材料によってジョイントを形成することができる。ジョイントの材料としては強度に優れ、かつ耐久性に優れたものを採用することが好ましい。また、ジョイントの形状を任意に変形できるように、形状記憶合金や軟質樹脂などを採用することもできる。コネクタとジョイントの一体感を高めるために、コネクタと同質の材料を採用することが好ましい。
複数のコネクタ連結部を備えたジョイントを使用することで、それぞれコネクタに接続した複数の線状導光体を連結することができる。また、ジョイントが複数のコネクタ連結部を備える場合において、各コネクタ連結部の形成位置、角度などを適宜設計することによって、コネクタ及びジョイントを介して接続される複数の導光体間の角度を目的に応じたものにすることができる。これによって加飾効果の高い線状発光構造体を構成することができる。線状のジョイントを採用し、その長手方向に略沿うようにコネクタ連結部を形成することによって、コネクタ連結部がレール状に配置されるようにすることも可能である。
例えば、ネオンサインの代わりに、LED光源を用いた本発明を適用した文字広告を使用すれば、省電力かつ高寿命といったLED光源の特徴を活かすとともに、フルカラー化することでより高い広告効果を得ることができる。また、コネクタによって、或いはコネクタ及びジョイントによって三次元的な立体構造を形成することができるので、装飾を目的とした複雑な形状のオブジェを作ることができる。
以下、実施例を用いて本発明の構成をより詳細に説明する。
各光源ユニット20内にはコネクタ10の接続部12の数に応じた数のLED21が内蔵されている。本実施例では、LED21として、青色発光素子を一つ備えたLEDを使用した。光源ユニット20内のLED21は、そこから放出される光が線状導光体30の端面を照射するように配置される。
各LED21へは基板(図示せず)表面に形成された配線パターン及び電源線(図示せず)を介して電力が供給される。また、光源ユニット20は制御線(図示せず)によってコントローラ(図示せず)に接続されており、その点灯状態が制御される。尚、基板(図示せず)上には保護抵抗などの素子(図示せず)が設置されている。
線状導光体30は光拡散剤としてシリカを含有したシリコーン樹脂からなる円柱状部剤である。
接続部12は図4で示されるように、線状導光体30の端部を内包することとなるスリーブ部13と、スリーブ部13に連続するように(当該実施例では、スリーブ部13内にその一部が位置する)設けられた保持部14からなる。保持部14は線状導光体30が嵌入された際に線状導光体30と係合するストッパー15と、線状導光体30を脱着する際にストッパー15を拡径して係合を解除するピストンリング16で構成される。
図5(a)は接続部12に線状導光体30を嵌入する際の図である。線状導光体30をピストンリング16により形成される開口部に挿入すると、線状導光体30がストッパー15の爪17に当たって一時的に係止されるが、爪17が開口側にテーパーしているため、線状導光体30を押し入れることによりストッパー15が拡径し、その結果、線状導光体30は爪17を越えてスリーブ内へと進入する。また、図5(b)に示されるようにピストンリング16をコネクタ10方向へ押し込むと、ピストンリング16の先端テーパー部がストッパー15のテーパー状部に作用してストッパー15が拡径するので、抵抗なく線状導光体30を嵌入することができる。また、図5(c)に示されるように、線状導光体30を突き当たるまで嵌入した後にピストンリング16を放すことにより、爪17が線状導光体30に係合して抜け止めとして作用し、線状導光体30の端部がスリーブ部13に保持されることとなる。
線状導光体30をコネクタ10から抜き取る際には、図5(b)で示される嵌入時と同様に、ピストンリング16をコネクタ10方向へ押し込み、爪17の係合を解除して線状導光体30を抜き取る。
図6に本実施例の線状発光構造体6の斜視図を示す。図6では、線状導光体300が接続部120でコネクタ100に接続される。コネクタ100はコネクタ連結部400でジョイント600と連結される。さらに、もう一つの線状導光体301が、線状導光体300と直角をなすように、コネクタ101を介してジョイント600に連結される。
コネクタ100は光源ユニット200を内蔵する。接続部120は線状導光体300が挿入される開口部180と、線状導光体300を保持する筒形状のスリーブ部130と、挿入した線状導光体300が脱落するのを防止する保持部(抜け止め部)140からなる。
LED210は、そこから放出される光が線状導光体300の端面に照射されるように光源ユニット200内に配置されている。LED210へは基板220表面に形成された配線パターン及び電源線(図示せず)を介して電力が供給される。また、光源ユニット200は制御線(図示せず)によってコントローラ(図示せず)に接続されており、その点灯状態が制御される。尚、基板220上には保護抵抗などの素子(図示せず)が設置されている。また、コネクタ100はジョイントと連結可能なジョイント連結部400を備える。
一つのコネクタ連結部に複数のコネクタを連結してもよい。線状ジョイントを使用した場合においても、複数のコネクタ連結部を備えることも可能である。図12にコネクタ連結部900を2つ備える線状ジョイント620の斜視図を示す。
尚、コネクタ連結部900はジョイントの長手方向に略沿っていればよく、直線状以外にも、らせん状、蛇行状などを採用してもよい。
ジョイントの光源用電極接点640へは電源線(図示せず)を介して電力が供給される。また、電力の供給は制御線(図示せず)によって接続されたコントローラ(図示せず)に制御される。尚、LED210は基板220上に設置され、基板220上には保護抵抗などの素子(図示せず)が設置されている。電源線230はコネクタの光源用電極接点660から基板220へ接続されており、電力を供給し得る。
コネクタ650は線状ジョイント630のコネクタ連結部上の任意の位置へ移動できる。移動の際、電極の接触または非接触が起こるため、様々な点灯状態を作り出すことができる。かかる構成により、所望の位置で光源の点灯状態を制御することが可能なため、意匠性に優れた線状発光構造体を実現することができる。
11.線状導光体が接続されるコネクタであって、
スリーブ部と保持部とを有する複数の導光体接続部と、及び該導光体接続部に対応する数の光源が内蔵される本体部と、を有するコネクタ。
12. 前記複数の導光体接続部がそれぞれ異なる方向に向かって開口している、ことを特徴とする、11.に記載のコネクタ。
13. スリーブ部と保持部とを有する導光体接続部と、ジョイント連結部と、及び前記導光体接続部に対応する数の光源が内蔵される本体部と、を有するコネクタ。
14. 前記接続部の前記保持部が、ストッパーとピストンリングを備え、該ピストンリングを押し込むことによって該ストッパーが拡径し、前記導光体の着脱が可能となる、11.〜13.のいずれかに記載のコネクタ。
15. 前記光源が少なくとも一つのLEDを含む、ことを特徴とする、11.〜14.のいずれかに記載のコネクタ。
16. 前記光源が互いに波長の異なる2種以上のLEDを含む、ことを特徴とする、11.〜15.のいずれかに記載のコネクタ。
17. 前記光源が、そこから放出される光が前記線状導光体の端面に照射するように配置されている、ことを特徴とする、11.〜16.のいずれかに記載のコネクタ。
21. 11.〜17.のいずれかのコネクタが連結されるジョイントであって、
多面体形状であり、その少なくとも二つの面にそれぞれ前記コネクタ連結部を備えるジョイント。
22. 11.〜17.のいずれかのコネクタが連結されるジョイントであって、
直方体形状であり、表裏一対の二面を除く四面のそれぞれに前記コネクタ連結部を備えるジョイント。
23. 11.〜17.のいずれかのコネクタが連結されるジョイントであって、
前記ジョイントが線状であり、長手方向に略沿って連続するように前記コネクタ連結部が形成されているジョイント。
24. 11.〜17.のいずれかのコネクタが連結されるジョイントであって、
前記コネクタの前記ジョイント連結部が第1電極接点を備え、
前記ジョイントの前記コネクタ連結部が、長さ方向に連続する第2電極接点、又は間隔を置いて配される複数の第2電極接点を備える、ジョイント。
25. 11.〜17.のいずれかのコネクタが連結されるジョイントであって、
前記ジョイントが、他のジョイントとの連結を可能とするジョイント連結部を備える、ジョイント。
10 100 650 コネクタ
3 30 300 線状導光体
600 610 620 630 ジョイント
700 ジョイント連結具
800 ジョイント固定部材
Claims (4)
- スリーブ部と保持部とを有する導光体接続部と、ジョイント連結部と、前記導光体接続部に対応する数のLED光源が内蔵される本体部と、を有する少なくとも一つのコネクタと、
コネクタ連結部を介して前記ジョイント連結部に連結される、少なくとも一つのジョイントと、
複数の線状導光体であって、各線状導光体が、前記コネクタにおいて対応する前記導光体接続部の前記スリーブ部にその一端が挿入され、且つ挿入された状態で前記保持部によって保持される、複数の線状導光体と、を備え、
前記保持部が、ストッパーとピストンリングを備え、該ピストンリングを押し込むことによって該ストッパーが拡径し、前記導光体の着脱が可能となり、
前記LED光源が、そこから放出される光が前記線状導光体の端面に照射するように配置されており、
前記ジョイントが直方体形状であって、表裏一対の二面を除く四面のそれぞれに前記コネクタ連結部を備え、
前記コネクタ連結部が、前記コネクタの連結と、H字型のジョイント連結具を使用したジョイント同士の連結に兼用される、
線状発光構造体。 - 前記コネクタ連結部が形成される面同士が合わさるようにしてジョイント同士を連結するH字型のジョイント連結具を更に備える、請求項1に記載の線状発光構造体。
- 前記複数の線状導光体のうちの少なくとも一つにおいて、その両端にそれぞれ前記コネクタが接続され、該両端面を介して光の導入が行なわれる、請求項2に記載の線状発光構造体。
- 前記LED光源が互いに波長の異なる2種以上のLEDを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の線状発光構造体。
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