JP4013675B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受装置に係り、詳しくは、回転輪に設けられたフランジに、ディスクブレーキ装置のディスクロータ等を固定するためのボルトを取り付ける取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、自動車などの車輪を支持する転がり軸受装置では、内輪を有する回転輪側ハブ軸または外輪の外周部にフランジが形成され、このフランジの円周数ヶ所に貫通孔が設けられる。この貫通孔に対して車輪およびブレーキ用ディスクロータを固定するためのボルトが圧入により取り付けられる。
【0003】
なお、上記ハブ軸または外輪は、鍛造加工によりフランジを有する形に成形され、そのフランジに、ディスクロータが当接される面(取り付け面)が切削加工により形成される。フランジの貫通孔は、ハブ軸もしくは外輪の中心軸を基準にして、この中心軸と平行の軸線に沿ってドリルにより穿設される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フランジの貫通孔へのボルトの取り付けの際、ボルトの頭部は、フランジ側のボルト座面に大きな加圧力で圧接する。この場合、ボルト座面が基準のボルト座面(回転輪の中心軸と直交する平面)に対して傾いていると、ボルト頭部とフランジ側のボルト座面との圧接に伴い、ボルト頭部がボルト座面に沿って傾き、ボルトには、これを貫通孔の中心軸に対して傾ける力が作用する。この力によりボルトのフランジに対する取り付け角度が傾き、いわゆる「ボルト倒れ」が生じる。
【0005】
このように、ボルト倒れによりボルトの中心軸がハブ軸等の中心軸に対して傾斜していると、車輪やディスクロータをハブ軸等のフランジに円滑に取り付けることができなくなる。
【0006】
このため、自動車などに使用される転がり軸受装置では、ボルトの傾きを許容範囲内に収める必要がある。しかし、それには、フランジのボルト座面を旋削加工したり、鍛造の精度を上げる等、ボルト座面を基準の座面に近づけるための何らかの加工が必要で、製造上の負担が大きかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、上記の問題点について種々検討した結果、ボルトの頭部と、フランジ側の部分とが、フランジの背面のような、ボルト挿入方向と直角に近い角度で交差する面で接触しないようにすれば、ボルト倒れを回避しうることに気付き、この知見に基づき、以下の発明を創案するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、固定輪と、この固定輪に対して同心状に配置される回転輪と、この回転輪と前記固定輪との間に介装される複数の転動体とを含み、前記回転輪に、ブレーキ用ディスクロータや車輪が取り付けられるフランジが径方向外向きに設けられ、このフランジの円周数ヶ所に貫通孔が設けられ、この貫通孔に、前記ディスクロータや車輪を固定するためのボルトがそれぞれ圧入により回り止めかつ抜け止めされた状態で装着されており、前記ボルトは、頭部と、該頭部側にセレーションが形成された軸部とからなり、前記ボルトの頭部と、前記貫通孔において前記ボルト頭部と対面する開口周縁とに、前記フランジに対するボルトの装着姿勢を規制するためのテーパ面が設けられ、前記ボルトのテーパ面と前記セレーションとの間に環状の溝が形成されている転がり軸受装置を構成している。
【0009】
上記構成において、フランジへのボルトの取り付けの際、フランジの貫通孔にボルトを圧入すると、ボルト頭部と貫通孔の開口周縁とは、テーパ面を介して接触し、ボルト頭部は、従来のようにボルト挿入方向と直角に近い角度で交差する面でフランジ側と接触しない。ボルト頭部は、テーパ面により貫通孔と芯合わせされる状態でフランジ側に受け止められて、貫通孔の中心軸に沿った姿勢に保たれる。そのため、フランジの背面が回転輪の中心軸と直交する平面に対して傾いていても、ボルトには、これを貫通孔の中心軸に対して傾けるような力が作用しない。したがって、ボルトは、貫通孔の中心軸と同心となった状態で貫通孔に固定され、ボルト倒れは生じない。
【0010】
上記の構成のうち、ボルト側のテーパ面の形成範囲は、ボルト頭部の外周より小さいものであってもよいが、ボルト頭部のテーパ面が、該頭部の外周縁に及ぶ大きさのものである場合、ボルト頭部には、ボルトの中心軸と直交する座面が存在しなくなるから、ボルト頭部と、貫通孔の周囲部分とが、ボルト挿入方向と直角に近い角度で交差する面で接触することはない。
【0011】
ボルトの頭部に設けられたテーパ面には、セレーションを設けてもよい。このセレーションがあると、ボルトの回り止め効果が増す。
【0012】
テーパ面の貫通孔もしくはボルトの中心軸に対する角度は、30度以上の鋭角に設定されていることが望ましく、前記角度が30度未満であると、楔効果が生じ、ボルト頭部が貫通孔内に深く食い込み、貫通孔の周囲部分を変形させるおそれがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1から図3に本発明の第1実施形態を示しており、図1は、第1実施形態に係る転がり軸受装置の軸方向に沿った断面図、図2は、図1のイーイ線に沿った断面図で、フランジの背面を示している。図3は、ボルト取り付け部分の拡大断面図で、ボルトの圧入前の状態を示している。本実施形態では、自動車の駆動輪側に用いられる転がり軸受装置を例に挙げる。
【0014】
図示の転がり軸受装置1は、内輪回転型で、中空形状のハブ軸2と、複列転がり軸受3とを有している。
【0015】
ハブ軸2は、内軸部4と、この内軸部4の軸方向一端側(図において右側で、車体のアウター側)から径方向外方に延びるフランジ5とからなる。フランジ5は、ブレーキ用ディスクロータ6や車輪7を取り付けるためのもので、車体アウター側の面が取り付け面5aとなっている。フランジ5の円周数ヶ所には、貫通孔8が穿設されており、この貫通孔8に対してはボルト9が圧入固定される。このボルト9は、フランジ5の取り付け面5aにディスクロータ6や車輪7を固定するためのものである。ボルト9は、頭部91と軸部92とからなり、軸部92の付け根側にセレーション9aが、それより先端側にはセレーション9aより小径のねじ溝9bがそれぞれ形成されている。
【0016】
前記貫通孔8の各部分のうち、フランジ5の背面側、すなわちボルト頭部91と対面する側の開口周縁には、図3に明示されるように、外方ほど開いたテーパ面8aが形成されている。このテーパ面8aは、貫通孔8の中心軸Pを軸とする円錐面となっている。テーパ面8aは、後に説明するボルト頭部91側のテーパ面との共働により、フランジ5に対するボルト9の装着姿勢を規制するもので、ボルト頭部91を貫通孔8の中心軸Pと同心となる状態に受け止める。
【0017】
貫通孔8の中心軸Pに対するテーパ面8aの開き角度θ1は、図示のものでは45度であるが、30度以上の鋭角が採用可能である。開き角度θ1が30度未満であると、ボルト頭部91に対して楔効果が生じ、ボルト頭部91がそれに加わる加圧力により、貫通孔8を押し広げるようにして貫通孔8内に入り込み、貫通孔8の周囲部分を変形させるおそれがある。開き角度θ1としては、45度以上、75度以下の範囲の角度が好適である。
【0018】
テーパ面8aの形成深さDは、図面では発明を明瞭に示すために、大きな値のものにしているが、実際には、0.5mm〜3.0mmの深さが許容範囲である。ただし、その形成深さDの値は、フランジ5の肉厚の40%以内に収める必要がある。形成深さDが0.5mm未満であると、テーパ面8aの面積が小さく、テーパ面としての所期の効果が得られない。形成深さDが3.0mmを超えるか、フランジ5の肉厚の40%以内に収まっていないと、セレーション9aと貫通孔8内周面との噛み合い幅が不足し、ボルト9の固定強度が低下したり、所期の周り止め効果が得られなくなるおそれがある。1.0mm〜2.0mmの形成深さDが好適である。
【0019】
なお、テーパ面8aの形成深さDを深くすれば、テーパ面8aの形成範囲(フランジ5の背面側から見た場合のテーパ面8aの広がり)S1は広くなり、形成深さDが浅ければ、形成範囲S1は狭くなるから、形成深さDを設定することで、形成範囲S1を決めることができる。
【0020】
テーパ面8aの形成については種々の方法が可能で、例えば、貫通孔8がフランジ5の取り付け面5a側からの切削により形成される場合、前記のように形成された貫通孔8に、フランジ5の背面側からの面取り加工によりテーパ面8aが形成される。貫通孔8がフランジ5の背面側からの切削で形成される場合は、段付きドリルを用いることで、貫通孔8の切削と同時的にテーパ面8aが形成される。また、従来より、貫通孔8の開口周縁には、いわゆる「バリ取り」のために面取り加工が施されているから、その加工条件を適宜調整することにより、本発明におけるテーパ面8aが形成されるようにしてもよい。
【0021】
一方、ボルト9にはその頭部91から軸部92にかけて、貫通孔8側のテーパ面8aに対応して、ボルト9の先端側ほど小径となるテーパ面9cが形成されている。このテーパ面9cは、ボルト9の中心軸Qを軸とする円錐面となっている。テーパ面9cが貫通孔8側のテーパ面8aと面接触するよう、そのボルト中心軸Qに対する角度θ2は、貫通孔8側のテーパ面8aの開き角度θ1と同一に設定されており、図示のものでは、45°である。なお、貫通孔8側のテーパ面8aの開き角度θ1の設定が変われば、これに応じてボルト頭部91側のテーパ面9cのボルト中心軸Qに対する角度θ2の設定も変更されることは、言うまでもない。
【0022】
このテーパ面9cの形成範囲S2は、ボルト頭部91の外周より狭くてもよいが、その場合は、テーパ面9cの外側に、ボルト9の中心軸Qと直交する座面が存在することになる。本実施形態では、テーパ面9cは、貫通孔8側のテーパ面8aの形成範囲S1より大きい形成範囲S2で、かつボルト頭部91の外周縁に及ぶ大きさとなっており、ボルト頭部91は、ボルト9の中心軸Qと直交する座面がない形となっている。
【0023】
ボルト頭部91のテーパ面9cは、例えば、ボルト9の素体を鍛造加工により製作する際、その鍛造により形成される。あるいは、ボルト9の素体を旋削加工することで形成されることもある。
【0024】
前記のボルト9は、その頭部91側のテーパ面9cが貫通孔8側のテーパ面8aに圧接するまで、貫通孔8内に圧入される。貫通孔8内では、その内周面にボルト9のセレーション9aが噛み合うことで、ボルト9は貫通孔8に回り止めされた状態で、かつ先端部がフランジ5の取り付け面5aから軸方向外方に突出する形で固定される。
【0025】
また、ボルト9において、セレーション9aとテーパ面9cとの間に形成されている逃がし溝9dは、セレーション9aを貫通孔8の内周面に食い込ませたときに発生する金属片の逃げ溝としての効果があり、前記の金属片が貫通孔8のテーパ面8aとボルト9のテーパ面9aの間に入り込むことでボルト9が貫通孔8に対して傾斜することがないよう、テーパ面8a、9aどうしを安定した状態で圧接させるのに重要な役割をもつ。
【0026】
このようにボルト5が突設されたフランジ5の取り付け面5aに対して、ブレーキ用ディスクロータ6や車輪7が、ボルト9を貫通させた状態で当接される。ディスクロータ6と車輪7とを貫通しているボルト9の先端部にはナット10が螺合されて締め付けられる。この締め付けにより、ナット10とフランジ5との間に、ディスクロータ6と車輪7とが挟圧固定される。
【0027】
図1に戻って、複列転がり軸受3は、ここでは複列外向きアンギュラ玉軸受であって、ハブ軸2の内軸部4の外周に、内軸部4の一部を共有する形で設けられている。
【0028】
すなわち、複列転がり軸受3は、二列の軌道溝を有する単一の外輪11と、外周部に外輪11の車体インナー側(図1において左側)の軌道溝と対向する軌道溝を有する内輪12と、内軸部4の大径外周部で構成されて外輪11の車体アウター側(図1において右側)の軌道溝と対向する内軸軌道部4aと、外輪11、内輪12および内軸軌道部4a間に二列に配設される複数の玉13,13…と、二つの冠形保持器14,14とからなる。なお、他方の内輪12はハブ軸2とは別部材で、内軸部4の小径外周部4bに嵌合され、小径外周部4bの外端を拡開することでその嵌合位置に固定されている。外輪11の外周部で車体インナー側(図において左側)にはキャリア15等の取り付け用のフランジ16が形成されている。
【0029】
なお、ハブ軸2の中空部内にはドライブシャフト17が挿入される。ドライブシャフト17は、その挿入端に螺合されるナット18の締め付けにより、ハブ軸2に固定される。外輪11のフランジ16には、車体側の部材であるキャリア15がボルト19により取り付けられる。
【0030】
上記の構成において、ハブ軸2のフランジ5の貫通孔8にボルト9を圧入すると、ボルト9のセレーション9aが貫通孔8の内周面に食い込むとともに、ボルト頭部91のテーパ面9cが貫通孔8側のテーパ面8aに圧接する。この場合、テーパ面8a,9cどうしの接触により、ボルト頭部91は、貫通孔8と芯合わせされる状態でフランジ5側に受け止められて、貫通孔8の中心軸Pに沿った姿勢に保たれる。そのため、フランジ5の背面がハブ軸2の中心軸Oと直交する平面Rに対して傾斜していても、ボルト9には、これを貫通孔8の中心軸Pに対して傾けるような力が作用しない。したがって、ボルト9は、貫通孔8の中心軸Pと同心となった状態で貫通孔8に固定される。これにより、ボルト倒れの発生が防止される。
【0031】
なお、本実施形態では、ボルト9側のテーパ面9cは、ボルト頭部91の外周縁に及ぶ大きさで、ボルト頭部91は、ボルト9の中心軸Qと直交する座面がない形となっているが、このテーパ面9cは、ボルト頭部91の外周より小さい広がりのものであってもよい。
【0032】
ボルト9側のテーパ面9cが、ボルト頭部91の外周より小さい広がりのものである場合、そのテーパ面9cの外側に、ボルト9の中心軸Qと直交する座面が存在することになる。ボルト頭部91に上記のような座面がある場合は、図3にも示したように、貫通孔8側のテーパ面8aの形成範囲S1を、ボルト9側のテーパ面9cの形成範囲S2より狭くすることで、ボルト頭部91が貫通孔8内に深く入り込まないようにし、ボルト頭部91側にある座面が、貫通孔8の周囲部分と接触しないようにする必要がある。
【0033】
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係る転がり軸受装置の軸方向に沿った断面図である。ここでは、自動車の従動輪側に用いられる転がり軸受装置を例に挙げる。図示の転がり軸受装置20は、外輪回転型であって、複列転がり軸受21を備えている。
【0034】
複列転がり軸受21は、この実施形態では複列外向きアンギュラ玉軸受であって、二列の軌道溝を有する単一の外輪22と、2個一組でそれぞれに一列の軌道溝を有する内輪23,23と、内外両輪22,23間に二列に配設される複数の玉24,24…と、二つの冠形保持器25,25とからなる。
【0035】
複列転がり軸受21の回転輪である外輪22の軸端側(図において右側で、車体のアウター側)の外周部には、径方向外方に延びるフランジ26が一体に形成されている。このフランジ26は、ブレーキ用ディスクロータ6や車輪7を取り付けるためのものである。フランジ26の円周数ヶ所には、貫通孔27が穿設されている。この貫通孔27に対しては、ディスクロータ6等を固定するためのボルト28が軸方向外方に突出する形で圧入固定されている。ボルト28は、頭部281と軸部282とからなり、軸部282の付け根側にセレーション28aが、それより先端側にはセレーション28aより小径のねじ溝28bがそれぞれ形成されている。
【0036】
前記貫通孔27の各部分のうち、フランジ26の背面側、すなわちボルト頭部281と対面する側の開口周縁には、第1実施形態と同様に、外方ほど開いた円錐面形状のテーパ面27aが形成されている。このテーパ面27aの貫通孔27の中心軸Pに対する開き角度や、テーパ面27aの形成深さ等についての許容条件、好適条件は、第1実施形態の貫通孔8のテーパ面8aと変わらない。
【0037】
ボルト28には、その頭部281から軸部282にかけて、貫通孔27側のテーパ面27aに対応して、ボルト28の先端側ほど小径となるテーパ面28cが形成されている。このテーパ面28cは、貫通孔27側のテーパ面27aと面接触するよう、ボルト28の中心軸Qに対する角度は、貫通孔27側のテーパ面27aの開き角度と同一に設定されている。
【0038】
このテーパ面28cは、本実施形態では、貫通孔27側のテーパ面27aの形成範囲より大きい形成範囲で、かつボルト頭部281の外周縁に及ぶ大きさとなっており、ボルト頭部281は、ボルト28の中心軸Qと直交する座面がない形となっている。
【0039】
また、ボルト28のセレーション28aとテーパ面28cとの間の外周面には、環状の逃がし溝28dが形成されている。この逃がし溝28dは、ボルト28を貫通孔27に圧入した際にセレーション28aが貫通孔27の内周面を削ることで生じる金属片を収容するもので、金属片がボルト28側のテーパ面28cと貫通孔27側のテーパ面27aとの間に侵入して、ボルト28が貫通孔27に対して傾斜して取り付けられてしまうことを防止する。
【0040】
なお、固定輪である内輪23の内周には、特に図示しないが、通常は中空のハブ軸が挿入されて、内輪23に固定される。そのハブ軸には、車体インナー側(図において左側)で径方向外方に延びるフランジが形成されており、このフランジにキャリアのような車体側の固定部材が取り付けられる。
【0041】
上記の構成において、フランジ26の貫通孔27にボルト28を圧入すると、ボルト頭部281のテーパ面28cが貫通孔27側のテーパ面27aに圧接する。この場合、ボルト頭部281は、テーパ面27a,28cどうしの接触により、貫通孔27と芯合わせされる状態でフランジ26側に受け止められて、貫通孔27の中心軸Pに沿った姿勢に保たれる。そのため、ボルト28には、これを貫通孔27の中心軸Pに対して傾けるような力が作用しない。したがって、ボルト28は、貫通孔27の中心軸Pと同心となった状態で貫通孔27に固定される。
【0042】
〔その他の実施形態〕
図5は、ボルトの他の実施形態を示すものである。この実施形態のボルトは、第1実施形態のボルト9や第2実施形態のボルト28と同じように使用されるもので、第1実施形態に準じて説明すると、頭部91と軸部92とからなり、軸部92の付け根側にセレーション9aが、それより先端側にはセレーション9aより小径のねじ溝9bがそれぞれ形成され、頭部91から軸部92にかけて、テーパ面9cが形成されている。そして、テーパ面9cには、放射状にセレーション9eが形成されている。このセレーション9eを有するテーパ面9cが、貫通孔8側のテーパ面8aに圧接することで、その間に食い込みが生じるから、回り止め効果が増大する。
【0043】
また、ボルト9において、セレーション9aとテーパ面9cとの間に逃がし溝9dが形成されている。この逃がし溝9dは、セレーション9aを貫通孔8の内周面に食い込ませたときに発生する金属片の逃げ溝としての効果があり、前記の金属片が貫通孔8のテーパ面8aとボルト9のテーパ面9aの間に入り込むことでボルト9が貫通孔8に対して傾斜することがないよう、テーパ面8a、9aどうしを安定した状態で圧接させるのに重要な役割をもつ。
【0044】
本発明は、各実施形態に示した自動車用の転がり軸受装置に限らず、他の同構造の転がり軸受装置、すなわち回転輪にフランジが設けられ、そのフランジの貫通孔にボルトが圧入固定される構造を有する転がり軸受装置にも適用可能である。
【0045】
本発明の転がり軸受装置に含まれる転がり軸受は、各実施形態におけるような複列外向きアンギュラ玉軸受に限らず、他のタイプの玉軸受でもよいし、ころ軸受でもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明では、フランジの貫通孔へのボルトの圧入の際、ボルトの頭部は、テーパ面を介して貫通孔の開口周縁に接触して、貫通孔の中心軸に芯合わせされる状態で受け止められるから、ボルト頭部が貫通孔の中心軸に対して傾くようなことがなく、ボルトには、これを傾ける力が作用しない。したがって、ボルトは、貫通孔の中心軸と同心の所要の向きで固定されることになり、いわゆる「ボルト倒れ」が未然に防止され、フランジへのディスクロータや車輪の取り付けを支障なく行える。
【0047】
また、貫通孔側のテーパ面の形成については、従来、貫通孔の開口周縁に対して施されている「バリ取り」のための面取り加工を利用し、その加工条件を適宜調整することで、テーパ面が形成されるから、製造上の負担の増加を抑えて、容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の軸方向に沿った断面図。
【図2】 図1のイーイ線に沿った断面図で、上半部はボルトを取り付けたフランジの背面を、下半部はボルト取り付け前のフランジの背面をそれぞれ示している。
【図3】 図1の装置のボルト取り付け部分の拡大断面図で、ボルトの圧入前の状態を示している。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る転がり軸受装置の軸方向に沿った断面図。
【図5】 ボルトの他の実施形態を示す側面図。
【符号の説明】
2 ハブ軸
3 複列転がり軸受(転がり軸受)
4 中空軸部(回転輪)
5 フランジ
6 ディスクロータ
7 車輪
8 貫通孔
8a テーパ面
9 ボルト
91 ボルト頭部
9c テーパ面
11 外輪(固定輪)
13 玉(転動体)

Claims (4)

  1. 固定輪と、この固定輪に対して同心状に配置される回転輪と、この回転輪と前記固定輪との間に介装される複数の転動体とを含み、
    前記回転輪に、ブレーキ用ディスクロータや車輪が取り付けられるフランジが径方向外向きに設けられ、このフランジの円周数ヶ所に貫通孔が設けられ、この貫通孔に、前記ディスクロータや車輪を固定するためのボルトがそれぞれ圧入により回り止めかつ抜け止めされた状態で装着されており、
    前記ボルトは、頭部と、該頭部側にセレーションが形成された軸部とからなり、
    前記ボルトの頭部と、前記貫通孔において前記ボルト頭部と対面する開口周縁とに、前記フランジに対するボルトの装着姿勢を規制するためのテーパ面が設けられ
    前記ボルトのテーパ面と前記セレーションとの間に環状の溝が形成されている転がり軸受装置。
  2. 請求項1に記載の転がり軸受装置において、
    前記ボルトの頭部に、該頭部の外周縁に及ぶ大きさのテーパ面が設けられている転がり軸受装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の転がり軸受装置において、
    前記ボルトの頭部に設けられたテーパ面に、セレーションが形成されている転がり軸受装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の転がり軸受装置において、
    前記テーパ面の前記貫通孔もしくは前記ボルトの中心軸に対する角度は、30度以上の鋭角に設定されている転がり軸受装置。
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