JP4013403B2 - ワイヤハーネスの組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネスの組立方法に関し、詳しくは、余剰線の処理操作を簡素化すると共に、幹線に対し整然と束ねることができるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にワイヤハーネスW/Hは、図5に示すように、組立作業台1に立設された電線保持具2によって、電線Wを所要経路に布線すると共に、端末に取り付けたコネクタCを所要位置に配置することで組み立てられる。特別な場合で、ヘッドランプの回路となるワイヤハーネスW/Hにおいて、電圧を下げる必要がある場合、必要回路の電線長を意図的に長くすることがある。これによって生じる余剰線3は、図6に示すように、作業者が任意の長さに折り重ねてワイヤハーネスW/Hの幹線Waと一緒に束ねられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、余剰線3の処理、即ち、折り重ねる長さ、回数等は各作業者により任意に行われていたので、折り重ね位置にばらつきが生じ易く、多くの箇所をテープTで固定しなければならない。また、余剰線3を折り重ねた束が団子状になって、コルゲートチューブ等の外装品を装着し難いという問題や、コルゲートチューブからはみ出した部分への他部材の引っ掛かりが生じる等の問題があった。
【0004】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、組立作業台に立設された所要の2本の引掛け治具を利用して、余剰線を効果的に整然と吸収処理することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、組立作業台上に立設された電線保持具に沿って、所要経路に電線を布線することでワイヤハーネスの組立を行う工程中に余剰線を処理する工程を含むワイヤハーネスの組立方法であって、
上記電線保持具間に分岐させることなく直線状に布線される電線を上記余剰線が束ねられる幹線の処理領域とし、該幹線の処理領域から一方側の側方にズレた位置で、かつ、幹線の布線方向に対し直交する方向に所要間隔を有するようにして一対の引掛け治具を立設し、上記処理領域において余剰線をループ状に引き出して、該余剰線のみを上記引掛け治具の間に所要回数巻回し、
次いで、引掛け治具に保持された余剰線の中間部分にテープを巻き付けて束状形態を保持し、該束状形態の余剰線を引掛け治具から取り外すと共に、上記幹線の処理領域に沿わせてテープで巻き付けて束ねるようにしたことを特徴とするワイヤハーネスの組立方法を提供している。
【0006】
上記方法によれば、余剰線の処理に際し、引掛け治具に巻回するのみで容易に整然とまとめることができる。また、引掛け治具に巻回された状態で中間部分をテープ止めしてその束状形態を保持できるため、その後の幹線に沿わせる操作も効率良く行うことができると共に、幹線へのテープ止めによる合体化に際し、必要最小限のテープ使用にてまとめることができる。幹線に束ねられた余剰線は、整然と処理されているため団子状となることはなく、コルゲートチューブからのはみ出しや、他の部材との引っ掛かりを生じることもない。
また、上記余剰線を重ならないように上記引掛け治具の間に巻回して、上記束状形態の余剰線を扁平形状としていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は組立作業台11上で、余剰線13を有するワイヤハーネスW/Hを組み立てる状態を示し、組立作業台11には、ワイヤハーネスW/Hの布線経路に沿って配置された電線保持具12と、余剰線13を処理するための一対の引掛け治具14a、14bを立設している。
【0008】
上記電線保持具12は、支軸12aの上端にU字状の保持部12bを備え、該保持部12bに沿って電線Wを布線することにより、電線Wを、テープ巻き、部品の取付に適した所要高さに保持するようにしている。上記引掛け治具14a、14bは電線保持具12と同等の高さを有する丸棒からなっている。一方の引掛け治具14aは、余剰線13が束ねられる幹線Waの処理領域15に隣接して立設され、他方の引掛け治具14bは、幹線Waの布線方向に対し直交する方向に所要間隔Laを有する位置に立設している。
【0009】
上記組立作業台11によりワイヤハーネスW/Hを組み立てる工程において、余剰線13を処理するには、通常の組立操作と同様に電線保持具12に沿って電線Wを布線した後、先ず、図2(A)に示すように、幹線Waの処理領域15において余剰線13をループ状に引っ張り出す。そして、引掛け治具14aを基点として他方の引掛け治具14bの方向、即ち、幹線Waに直交する方向へ余剰線13を延ばして引掛け治具14bに引っ掛けるようにして巻回する。次いで、図2(B)に示すように、引掛け治具14a、14b間で余剰線13を吸収できるまで所要回数巻回する。このとき、巻回される余剰線13が互いに重ならないように巻回することで巻回部13aを扁平化すれば、後の幹線Waへの合体処理時に幹線Waの外周に馴染ませ易い。
【0010】
続いて、図2に示すように、引掛け治具14a、14bに保持された余剰線13の巻回部13aの中間部分にテープTaを巻き付けてその束状形態を保持する。次いで、図3に示すように、テープTaにより保持された巻回部13aを引掛け治具14a、14bから取り外すと共に、幹線Waの処理領域15に沿わせ、テープTb、Tcを巻き付けることで幹線Waに合体して束ねるようにしている。このようにして、処理された余剰線13は、整然とまとめられた状態で合体されるので、幹線Waの外周に馴染んで必要以上に出っ張ることがない。よって、幹線Waへのコルゲートチューブ等の外装品取付時に余剰線13がはみ出て、ワイヤハーネスW/Hの運搬中および車体への取り付け作業中における他部材との干渉を防止できる。また、見栄えよく仕上げることができる。
【0011】
図4は、余剰線13の余長Lと、引掛け治具14a、14b間の所要間隔Laとの関係を示し、図4(A)は引掛け治具14a、14bへの引掛け回数n=1の場合、図4(B)はn=2、図4(C)はn=3の場合を示している。これにより、組立作業台11上で設定すべき引掛け治具14a、14b間の所要間隔は、La=L/2×(n+1)となる。なお、引掛け治具14a、14bへの巻回回数nは、幹線Waで吸収すべき処理領域15の範囲と、引掛け治具14a、14b間の間隔Laとの関係で決定される。
【0012】
【発明の効果】
以上の説明より明かなように、本発明に係わるワイヤハーネスの組立方法によれば、ワイヤハーネスの組立工程中において、簡易な操作により余剰線を整然とした巻回状態にまとめることができ、かつ、その処理状態は作業者によりばらつきを生じることもない。巻回処理された余剰線は、幹線に合体した状態で均一に馴染ませることができるため、大きく出っ張ることがなく、コルゲートチューブ等の外装品からのはみ出しや、他部材との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワイヤハーネスの組立作業台上での余剰線の処理状態を示す斜視図である。
【図2】 (A)乃至(C)は余剰線の処理工程を示す図である。
【図3】 幹線への余剰線の合体処理状態を示す図である。
【図4】 (A)乃至(C)は余剰線の余長と引掛け治具の間隔との関係を示す図である。
【図5】 従来例を示す図である。
【図6】 従来例を示す図である。
【符号の説明】
W 電線
Wa 幹線
11 組立作業台
12 電線保持具
13 余剰線
14a、14b 引掛け治具
15 処理領域
Claims (2)
- 組立作業台上に立設された電線保持具に沿って、所要経路に電線を布線することでワイヤハーネスの組立を行う工程中に余剰線を処理する工程を含むワイヤハーネスの組立方法であって、
上記電線保持具間に分岐させることなく直線状に布線される電線を上記余剰線が束ねられる幹線の処理領域とし、該幹線の処理領域から一方側の側方にズレた位置で、かつ、幹線の布線方向に対し直交する方向に所要間隔を有するようにして一対の引掛け治具を立設し、上記処理領域において余剰線をループ状に引き出して、該余剰線のみを上記引掛け治具の間に所要回数巻回し、
次いで、引掛け治具に保持された余剰線の中間部分にテープを巻き付けて束状形態を保持し、該束状形態の余剰線を引掛け治具から取り外すと共に、上記幹線の処理領域に沿わせてテープで巻き付けて束ねるようにしたことを特徴とするワイヤハーネスの組立方法。 - 上記余剰線を重ならないように上記引掛け治具の間に巻回して、上記束状形態の余剰線を扁平形状としている請求項1に記載のワイヤハーネスの組立方法。
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JP7283364B2 (ja) * | 2019-12-12 | 2023-05-30 | 住友電装株式会社 | プロテクタ及びワイヤハーネス |
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