JP2010273467A - 吊り上げフックの引っ掛け部を有するワイヤーハーネスの製造方法および配索治具 - Google Patents

吊り上げフックの引っ掛け部を有するワイヤーハーネスの製造方法および配索治具 Download PDF

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Abstract

【課題】吊り上げ用フックを引っ掛けるための部分を簡単に確保することのできるワイヤーハーネスの製造方法を提供する。
【解決手段】配索台上に設置したU字状のフォーク10の内部に複数の電線Waを収容しながら、所定の経路に沿って電線を配索して、必要箇所にテープ巻きを施すことにより、一体に束ねたワイヤーハーネスWを得るワイヤーハーネスの製造方法において、U字状のフォークを構成する上に突き出た2本のピン12の間に、それら外側のピンより背の低い第3のピン13を立設することで、三叉状のフォークを構成し、該三叉状のフォークの内部に複数の電線を収容する際に、第3のピンの両側に電線を振り分けて収容し、その状態を保ちながら必要箇所にテープ巻きを施して、束ねた電線をフォークから外すことにより、第3のピンの存在した箇所に吊り上げフックの引っ掛け可能なスリットSを確保する。
【選択図】図1

Description

本発明は、引上装置の吊り上げフックの引っ掛け部を有するワイヤーハーネスの製造方法、および、その製造方法の実施に使用する配索治具に関するものである。
自動車には大量のワイヤーハーネスが使用されており、資源の有効活用の点から、廃車時にはワイヤーハーネスの取り外しが行われている。
ワイヤーハーネスを車両から取り外す場合、一般的には、引上装置のフックをワイヤーハーネスに引っ掛けて強引に吊り上げることで引き剥がしを行っているが、フックを引っ掛ける箇所が見つからないことがある。
そこで、ワイヤーハーネスにフックを引っ掛けるための紐状体を予め取り付けておいたり、電線束の間にフックを引っ掛けるためのスリットを設けておいたりすることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
図6を用いて、フックを引っ掛けるための紐状体を有するワイヤーハーネスを製造する場合の工程を説明する。まず、(a)、(b)のような支持ベース111の支柱の上端にU字状のフォーク110を有する配索治具100を用意し、U字状フォーク110の上に突き出た2本のピン112の間に複数の電線Waを収容しながら、電線Waを所定の経路に沿って配索する。そして、テープ巻きにより結束して、一体のワイヤーハーネスWを作る際に、(c)のように、紐状体120を一緒に取り付けておき、紐状体120の輪の部分にフック200を引っ掛けられるようにしておく。
特開2003−219525号公報 特開2003−229025号公報
ところで、このように紐状体120を取り付けた場合は、ワイヤーハーネスWを梱包状態から取り出すときに紐状体120が絡まりやすいという問題がある。また、梱包する際には、小さく折り曲げて梱包することになるが、ワイヤーハーネスWを構成する電線Waが集中して収束されている場合には、その箇所が硬く太くなるため、図6(c)に示すように小さい曲率で曲げにくくなり、ワイヤーハーネスWに無理な負担を加えながら梱包せざるを得なくなっていた。
また、特許文献2には、電線束の間に予めフックを引っ掛けるためのスリットを設けておくことが提案されているが、スリットを電線束の間に設けること自体が難しかった。
本発明は、上記事情を考慮し、フックを引っ掛けるための部分を簡単に確保することのできるワイヤーハーネスの製造方法、および、その方法の実施に直接使用する配索治具を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、配索台上に設置したU字状のフォークの内部に複数の電線を収容しながら、所定の経路に沿って電線を配索して、必要箇所にテープ巻きを施すことにより、一体に束ねたワイヤーハーネスを得るワイヤーハーネスの製造方法において、前記U字状のフォークを構成する上に突き出た2本のピンの間に、それら外側のピンより背の低い第3のピンを立設することで、三叉状のフォークを構成し、該三叉状のフォークの内部に複数の電線を収容する際に、前記第3のピンの両側に電線を振り分けて収容し、その状態を保ちながら必要箇所にテープ巻きを施して、束ねた電線をフォークから外すことにより、前記第3のピンの存在した箇所に、吊り上げフックの引っ掛け可能なスリットを確保することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のワイヤーハーネスの製造方法に使用される配索治具であって、配索台上に固定される支持ベースの支柱の上端に、配索しようとする電線を収容するU字状のフォークが設けられ、該U字状のフォークを構成する上に突き出た2本のピンの間に、それら外側のピンより背の低い第3のピンが立設されることで、前記フォークが三叉状とされていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の配索治具であって、前記外側の2本のピンの間に立設された第3のピンの下端が、前記支持ベースの支柱の上端に上下方向回動可能に連結され、二叉状フォークとして利用するときは、前記第3のピンを下側に回動させて前記支持ベースの支柱に沿って保持し、三叉状フォークとして利用するときは、前記第3のピンを上側に回動させて、前記外側の2本のピンの間に保持することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、三叉状のフォークの内部に複数の電線を収容する際に、第3のピンの両側に電線を振り分けて収容し、その状態を保ちながら必要箇所にテープ巻きを施して、束ねた電線をフォークから外すことにより、第3のピンの存在した箇所に、吊り上げフックの引っ掛け可能なスリットを確保するので、電線束の間に簡単にフックの引っ掛け部分を用意することができる。従って、従来例の紐状体を取り付ける場合のように製造上の面倒がない上、梱包状態から取り出す際に絡まる心配もない。また、電線束の間にスリットが存在することにより、電線束が2つの細い束に分割されるので、その部分でワイヤーハーネスを曲げやすくなり、梱包時に余計な負担がかかることもない。
請求項2の発明によれば、簡単な構成により、請求項1の製造方法を実施することができる。
請求項3の発明によれば、通常の二叉状のフォークとして使うこともできるし、前記スリットを形成するための三叉状のフォークとして使うこともできる。そのため、使い勝手のよい配索治具となる。
本発明の実施形態の製造方法の説明図で、(a)は三叉状のフォークを有する配索治具に電線を収容している状態を示す正面図、(b)はその状態の上から見た図、(c)は出来上がったワイヤーハーネスのスリットにフックを引っ掛けようとしている状態を示す図である。 (a)は前記スリットを確保した部分を曲げた状態を示す斜視図、(b)はその状態を上から見た図である。 三叉状のフォークを有する配索治具のバリエーションを示す図で、(a)は正面図、(b)は上から見た平面図である。 三叉状のフォークを有する配索治具の他のバリエーションを示す図で、(a)は正面図、(b)は上から見た平面図である。 三叉状のフォークと二叉状のフォークを使い分けられるようにした配索治具の例を示す図で、(a)は二叉状にしたときの正面図、(b)は二叉状から三叉状に切り換える途中の状態を示す側面図、(c)は三叉状にして電線を配索しているときの状態を示す正面図である。 従来のワイヤーハーネスの製造方法の説明図で、(a)は二叉状のフォークに電線を配索しているときの状態を示す正面図、(b)はそのときの状態を上から見た平面図、(c)はワイヤーハーネスを作る際にフックを引っ掛けるための紐状体を一緒に取り付けた状態を示す側面図、(d)は従来のワイヤーハーネスの曲げにくさを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態のワイヤーハーネスの製造方法の説明図である。
このワイヤーハーネスWを製造する場合は、図示しない配索台上に配索治具1Aをセットする。
この配索治具1Aは、配索台上に固定される支持ベース11の支柱の上端に、配索しようとする電線Waを収容するU字状のフォーク10を設け、該U字状のフォーク10を構成する上に突き出た2本のピン12の間に、それら外側のピン12より背の低い第3のピン13を立設することで、フォーク10を三叉状に構成したものである。
ワイヤーハーネスWを製造する場合は、この配索治具1Aのフォーク10の内部に複数の電線Waを収容しながら、所定の経路に沿って電線Waを配索して、必要箇所にテープ巻きを施すことにより、一体に束ねたワイヤーハーネスを得る。
その際、三叉状のフォーク10の内部に複数の電線Waを収容するときに、(a)および(b)に示すように、第3のピン13の両側に電線Waを振り分けて収容し、その状態を保ちながら、必要箇所にテープ巻きを施して、束ねた電線をフォーク10から外すことにより、第3のピン13の存在した箇所に、(c)に示すように、吊り上げフック200の引っ掛け可能なスリットSを確保する。
このように配線治具1Aを用いることで、電線束の間に簡単にフック200の引っ掛け部分であるスリットSを確保することができる。従って、従来例の紐状体を取り付ける場合のように製造上の面倒がない上、梱包状態から取り出す際に絡まる心配もない。また、電線束の間にスリットSが存在することにより、図2に示すように、電線束が2つの細い束W1に分割されるので、その部分でワイヤーハーネスWを曲げやすくなり、梱包時に余計な負担がかかることもない。
なお、スリットSの幅を小さくとりたい場合と、スリットSの幅を大きくとりたい場合とで、図3および図4に示すような配索治具1B、1Cを使い分けてもよい。
図3の配索治具1Bでは、三叉状のフォーク20を構成する3本のピン12、23のうち、真ん中の第3のピン23を断面長円形の部材で構成し、長い寸法B1を有する方向を外側の2本のピン12の並び方向と直交する方向に向け、短い寸法A1を有する方向を外側の2本のピン12の並び方向と同一方向に向けている。従って、この配索治具1Bによれば、スリットSの幅を狭く設定することができる。
また、図4の配索治具1Cでは、三叉状のフォーク30を構成する3本のピン12、33のうち、第3のピン33を断面長円形の部材で構成し、短い寸法B2を有する方向を外側の2本のピン12の並び方向と直交する方向に向け、長い寸法A2を有する方向を外側の2本のピン12の並び方向と同一方向に向けている。従って、この配索治具1Cによれば、スリットSの幅を大きく設定することができる。
また、図3および図4の配索治具1B、1Cでは、断面長円形の第3のピン23、33を支持ベース11に対して固定的に設けているが、断面長円形の第3のピンの断面の向きを90度変えられるようにしてもよい。そうすれば、1種類の配索治具で、図3および図4と同等の2通りの配索治具を提供することができる。
図5は更に別の配索治具1Dを示している。
この配索治具1Dでは、三叉状のフォーク50を構成する3本のピン12、53のうち、外側の2本のピン12の間に立設した第3のピン53の下端を、支持ベース51の支柱の上端に上下方向回動可能に連結している。
そして、(a)に示すように、二叉状フォークとして利用するときは、第3のピン53を下側に回動させて支持ベース51の支柱の空洞52内に保持し、(c)に示すように、三叉状フォークとして利用するときは、第3のピン53を上側に回動させて、外側の2本のピン12の間に保持する。こうすることで、図1の製造方法をそのまま実施することができる。
1A〜1D 配索治具
10,20,30,50 フォーク
11,51 支持ベース
12 外側のピン
13,23,33,53 第3のピン
200 フック
W ワイヤーハーネス
Wa 電線
S スリット

Claims (3)

  1. 配索台上に設置したU字状のフォークの内部に複数の電線を収容しながら、所定の経路に沿って電線を配索して、必要箇所にテープ巻きを施すことにより、一体に束ねたワイヤーハーネスを得るワイヤーハーネスの製造方法において、
    前記U字状のフォークを構成する上に突き出た2本のピンの間に、それら外側のピンより背の低い第3のピンを立設することで、三叉状のフォークを構成し、該三叉状のフォークの内部に複数の電線を収容する際に、前記第3のピンの両側に電線を振り分けて収容し、その状態を保ちながら必要箇所にテープ巻きを施して、束ねた電線をフォークから外すことにより、前記第3のピンの存在した箇所に、吊り上げフックの引っ掛け可能なスリットを確保することを特徴とする吊り上げフックの引っ掛け部を有するワイヤーハーネスの製造方法。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネスの製造方法に使用される配索治具であって、
    配索台上に固定される支持ベースの支柱の上端に、配索しようとする電線を収容するU字状のフォークが設けられ、該U字状のフォークを構成する上に突き出た2本のピンの間に、それら外側のピンより背の低い第3のピンが立設されることで、前記フォークが三叉状とされていることを特徴とするワイヤーハーネス製造用の配索治具。
  3. 請求項2に記載の配索治具であって、
    前記外側の2本のピンの間に立設された第3のピンの下端が、前記支持ベースの支柱の上端に上下方向回動可能に連結され、二叉状フォークとして利用するときは、前記第3のピンを下側に回動させて前記支持ベースの支柱に沿って保持し、三叉状フォークとして利用するときは、前記第3のピンを上側に回動させて、前記外側の2本のピンの間に保持することを特徴とするワイヤーハーネス製造用の配索治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110011226A (zh) * 2019-03-29 2019-07-12 北京理工大学 布线装置

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