JPH0665682U - ワイヤハーネス用バンド型クランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスの主幹線１０から分岐電線束
９を分岐する電線分岐部分の外周に取り付けるワイヤハ
ーネス用バンド型クランプにおいて、ワイヤハーネスへ
の取り付け性の向上とクランプ品質の安定、ならびに、
クランプの部品点数の低減を図る。 【構成】 係止部６を突設した基部１から巻着バンド２
を伸設すると共に、その巻着バンド２を幅中間で分岐し
て先拡がりのＹ字形をなす分岐巻着バンド２Ａ２Ｂにな
すと共に、基部１に、分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂを個別
に挿通係止する挿通係止孔３Ａ・３Ｂを貫設して並設
し、さらに、その挿通係止孔３Ａ・３Ｂの幅を、挿通す
る分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂの幅Ｗの概ね１．５倍以上
になし、その分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂの中間に分岐電
線束９を入れてワイヤハーネスの主幹線１０に巻き付け
緊締する構造が特徴である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ワイヤハーネスの外周に巻着バンドによって固定し、突設した係止 部を車体・機器に係止して、ワイヤハーネスの車体・機器への配設姿勢を整えて 保持するのに使用するワイヤハーネス用バンド型クランプに関するものであり、 詳しくは、ワイヤハーネスの主幹線から分岐電線束を分岐した電線分岐部分に用 いるワイヤハーネス用バンド型クランプに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電線分岐部分に用いるワイヤハーネス用バンド型クランプは、実開昭６３ー９ ７２７９号公報の公知例があり、巻着バンドを通して係止する挿通係止孔を有す る基部から、平行２条の巻着バンドを伸設すると共に、その基部または基部近傍 に係止部を立設した構造を有し、その２条の巻着バンドの中間に分岐電線を入れ て、巻着バンドをワイヤハーネスの主幹線に巻き付け、先端部分を該挿通係止孔 に挿通係止して、電線分岐部分の外周に取り付けられる。そして、突出した係止 部を車体・機器の嵌着孔等に嵌着係止して、ワイヤハーネスの配設姿勢を整えて 保持するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上の公知例のものは、平行２条の巻着バンドを主幹線に巻き付けた後、共通 の挿着係止孔に通して緊締するので、その作業がやりづらく手数がかかると共に 、その作業の困難性から、巻着バンドが的確に係止されない場合が生じ、係止力 不足によって、使用中のクランプの外れ・位置ずれを生ずる品質上の不具合があ る。さらに、巻着バンドが平行２条にしてワイヤハーネスの分岐電線束を入れる 間隔が限定されるので、分岐電線束の径の変化に対する対応性が乏しく、間隔サ イズの異なる多品種のものを準備する必要があるので、部品点数が増加して部品 管理が煩雑になると共に、コスト高になる。本考案は、以上の従来技術の不具合 点を解消するワイヤハーネス用バンド型クランプを提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以上の技術課題を解決する本考案の電線分岐部分に用いるワイヤハーネス用バ ンド型クランプは、「２条の巻着バンドを伸設すると共に、車体・機器への係止 部を突設し、ワイヤハーネスの外周に巻き付けた該巻着バンドを、該巻着バンド の基部に貫設した挿通係止孔に挿通係止するワイヤハーネス用バンド型クランプ において、前記巻着バンドを、バンド幅の中間で分岐して先拡がりのＹ字形にな すと共に、前記基部に、分岐した該巻着バンドを個別に挿通する挿通係止孔を並 設し、さらに、該挿通係止孔は、挿通する巻着バンドの概ね１．５倍以上の幅広 形状を有し、前記Ｙ字形の分岐部分に分岐電線束を入れて、前記巻着バンドをワ イヤハーネスの主幹線に巻き付け緊締する構造」が特徴である。

【０００５】

【作用】

以上の構成の本考案のワイヤハーネス用バンド型クランプは、Ｙ字形に分岐し た巻着バンドを個別に挿通する挿通係止孔が並設され、その上、その挿通係止孔 は、それぞれ挿通する巻着バンドの概ね１．５倍以上の幅広形状を有して、挿入 する巻着バンドの幅方向に充分な遊空間が存在するので、主幹線へ巻き付けて緊 締する巻着バンドの挿通係止孔への挿通がし易くなる。そして、巻着バンドは、 その挿通作業性の向上に伴って、的確な係止がし易くなる。さらに、そのＹ字形 の分岐巻着バンドの中間へ分岐電線束を入れるので、同一サイズのバンド型クラ ンプが、径サイズの異なる分岐電線束に共用可能となり、電線束の径変動に対す る対応性が向上する。

【０００６】

【実施例】

以下、実施例に基づいて詳しく説明する。自動車用ワイヤハーネスに応用した 本考案一実施例を示す図１を参照して、本考案のバンド型クランプは、基部１か ら伸設する巻着バンド２が、基部２の近傍位置で幅方向に分岐して同一幅Ｗを有 する分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂとなり、その分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂは先拡が りとなるＹ字形をなしている。そして、基部１には、分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂ を個別に挿通する２個の挿通係止孔３Ａ・３Ｂが、一体に貫設して並設されてい る。

【０００７】 そして、挿通係止孔３Ａ・３Ｂのそれぞれは、挿入する分岐巻着バンド２Ａ・ ２Ｂの幅Ｗに対して、概ね１．５Ｗ〜２Ｗの幅広形状を有し、挿通した分岐巻着 バンド２Ａ・２Ｂの幅方向に、相当の遊空間が存在するようになっている。そし て、図１の（Ｃ）（Ｄ）参照、挿通係止孔３Ａ・３Ｂの底には、先端に係止爪１ １を有する弾性片持梁の弾性片８が群をなして幅方向に分設されると共に、巻着 バンド２Ａ・２Ｂの内面には、係止爪１１と逆止状にかみ合う係止溝７が細かい ピッチで横設され、弾性片８のいずれかと係止溝７が係合して巻着バンド２Ａ・ ２Ｂを抜け止め係止するようになっている。なお、基部１の中央には係止柱４の 上端に開脚状の弾性係止片５を有する公知形状の係止部６が立設されている。

【０００８】 そして、図１の（Ｂ）参照、ワイヤハーネスの主幹線１０の中間から分岐電線 束９を分岐した電線分岐部分において、分岐電線束９を分岐巻着バンド２Ａ・２ Ｂの中間に入れ、分岐巻着バンド２Ａ・２Ｂを主幹線１０に巻き付けて挿通係止 孔３Ａ・３Ｂに通して緊締係止し、係止部６を突出姿勢になしてワイヤハーネス の外周に取り付け固定される。

【０００９】 以上の実施例のものは、前記の作用があり、従来構造のものに対比して、分岐 巻着バンド２Ａ・２Ｂを挿通係止孔３Ａ・３Ｂに通して緊締係止する作業がし易 くなると共に、同一サイズのバンド型クランプが、分岐電線束９の径が異なるも のに共用できる。

【００１０】 なお、本考案は前記の実施例に限定されず、係止部６を基部１近傍の巻着バン ド２の基端部位に立設したり、係止部６を他の公知形状のものになす等の変化が ある。

【００１１】

【考案の効果】 以上の説明のとおり、本考案のワイヤハーネス用バンド型クランプは、電線分 岐部分における取り付けがし易く、ワイヤハーネスへのクランプの取付け作業性 を向上すると共に、その作業性の向上に伴って、巻着バンドの係止が的確となっ て係止機能が安定し、バンド型クランプの外れ・位置ずれ不良が防止されてクラ ンプ品質が安定する。さらに、同一サイズのワイヤハーネス用バンド型クランプ が、径サイズのことなる分岐電線束への共用が可能となるので、クランプの部品 点数を低減して部品管理性の向上とコスト低減を図る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例のワイヤハーネス用バンド型ク
ランプを示し、図中の（Ａ）はその斜視図、図中の
（Ｂ）はその作用状態の斜視図、図中の（Ｃ）はその挿
通係止孔の平面図、図中の（Ｄ）はその巻着バンドの係
止状態の側面図

【符号の説明】

１ 基部 ２ 巻着バンド ２Ａ・２Ｂ 分岐巻着バンド ３Ａ・３Ｂ 挿通係止孔 ６ 係止部 ７ 係止溝 ８ 弾性片 ９ 分岐電線束 １０ ワイヤハーネスの主幹線 １１ 係止爪

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０５Ｋ 7/00 Ｈ 9266−4Ｅ Ｑ 9266−4Ｅ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２条の巻着バンドを伸設すると共に、車
   体・機器への係止部を突設し、ワイヤハーネスの外周に
   巻き付けた該巻着バンドを、該巻着バンドの基部に貫設
   した挿通係止孔に挿通係止するワイヤハーネス用バンド
   型クランプにおいて、前記巻着バンドを、バンド幅の中
   間で分岐して先拡がりのＹ字形になすと共に、前記基部
   に、分岐した該巻着バンドを個別に挿通する挿通係止孔
   を並設し、さらに、該挿通係止孔は、挿通する巻着バン
   ドの概ね１．５倍以上の幅広形状を有し、前記Ｙ字形の
   分岐部分に分岐電線束を入れて、前記巻着バンドをワイ
   ヤハーネスの主幹線に巻き付け緊締する構造を特徴とす
   るワイヤハーネス用バンド型クランプ。