JP4012667B2 - ポンプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジャーポット装置等に用いられるような小型でかつキャビテーション対策が要求されるものに適したポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電動のポンプ装置を内蔵した給湯用のジャーポット装置が種々提案されている。なお、旧来、ポンプ装置内蔵型のジャーポット装置は、外装ケースの底面とこの外装ケース内に配置された貯水タンクの底面との間のスペース(貯水タンクの下側の部分)に、上述のポンプ装置を横置きに配置したものが主流であった。しかし、近年は、省スペース化等の理由によりジャーポット装置の全丈を低く抑える傾向があり、貯水タンク下部を薄型化するために貯水タンクの下部にポンプを配置せずに、貯水タンクの側壁の外側の部分にポンプ装置を縦置きにするものも種々提案されている。
【0003】
このようなポンプ装置の主な構成は、駆動源となるモータと、モータの駆動力によってポンプ室内で回転するインペラと、このインペラを回転自在に格納するポンプ室からなっている。そして、ポンプ室には、貯水タンク内の液体を吸い込むための吸入口と、吸い込んだ液体をジャーポット装置の外部へ吐出するための吐出口が設けられている。吸入口には、貯水タンクの底面に一端が連結されたU字状の連結パイプの他端が連結されている。吐出口は、給湯口に一端が連結された管の他端が連結されている。このように構成されたポンプ装置は、インペラを回転させるとインペラの回転中心部に負圧が発生し、この負圧によって貯水タンク内の湯がポンプ室内に吸い込まれるようになっている。そして、吸い込まれた湯は、吐出口より吐出され、上述の管を介して給湯口からジャーポット装置の外部に吐出するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
給湯用のジャーポット装置は、用途上、貯水タンク内で沸騰させた湯を上述のポンプ装置によって外部へ吐出させるものとなっている。そのため、沸騰直後にすぐに給湯しようとすると、沸騰直後の湯が気化し、この気化されたものがインペラ中心で発生する負圧によって大きな気泡となる、いわゆるキャビテーション現象が発生する。この大きな気泡がインペラを包んでしまうと、インペラは空回りしてしまって湯が汲み上げられず、湯が給湯口から出なくなってしまうという問題がある。
【0005】
なお、ポンプ装置のインペラの外径を小さく構成すると、上述の気泡がインペラの外側に逃げ易くなるため、気泡が吐出口から管を伝ってジャーポット装置の外部へ吐出され易くなることが経験的に知られている。このため、インペラの外径を小さくすれば、上述のキャビテーションの問題を軽減することが可能とはなる。しかしながら、インペラの外径を小さくすると、ポンプ効率が低くなり、湯の吐出量が低くなるという問題が生じる。なお、小さいインペラとし回転数を多くすれば、キャビテーションの問題を解消しつつ湯の吐出量を向上させることも可能となる。しかし、このようにすると消費電力が増大してしまい、近年の低電力化のニーズに応えられないものとなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、上述した問題に鑑みて、省電力で効率よく給湯するために外径の大きいインペラを低速回転させる構成とした場合においても、キャビテーション現象によるインペラの空回りが発生しにくい構成のポンプ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明のポンプ装置は、湯を貯める貯水タンクから湯を外部へ吐出させる給湯用装置に用いられるポンプ装置であって、ポンプ装置は、その回転水平面が吸入及び吐出される液体の液面と平行となるように回転し、その回転中心部の半径方向外側に放射状に延びる複数の羽根を有するインペラと、このインペラを回転自在に収納するポンプ室とを備え、このポンプ室には、インペラが回転することにより当該ポンプ室内に液体を吸入する吸入口と、吸入した液体を吐出させるためにインペラの半径方向外側に配置された吐出口とが設けられ、ポンプ室のインペラの上端側に配置された面に、沸騰直後に気化し、この気化されたものがインペラの回転中心に発生する負圧によって大きくなる気泡を排出するための、半径方向外側に行くにしたがい重力と反する方向に傾斜し、この傾斜を伝わってインペラの半径方向外側へ気泡が移動できる傾斜部が設けられ、傾斜部は、ポンプ室のインペラの上端側に配置された面の吐出口近傍に設けられたことを特徴としている。
【0008】
上述の発明によれば、このポンプ装置をジャーポットの給湯用装置としてジャーポット内の貯水タンクの外側のスペースに縦置き配置した場合に、沸騰直後に発生するキャビテーション現象によるインペラの空回りを最小限に食い止めることが可能となる。すなわち、沸騰直後の湯をジャーポットの外部へ吐出させる場合に、インペラの回転中心に発生する負圧によって成長する気泡が、インペラの裏側、すなわちポンプ室の天板とインペラとの間のスペースに回り込むが、この気泡が傾斜部を伝ってインペラの外側へ移動する。このため、この気泡がインペラを包み込むように作用せず、吐出口より排出されることとなる。この結果、インペラの空回りによる湯の供給不全を防止することができる。
【0010】
また、他の発明は、上述のポンプ装置において、ポンプ室の上方にインペラに対して隔壁によって隔てられた状態で対向するように回転マグネットが配置され、インペラは回転マグネットの回転に伴い隔壁を通した磁気吸引力によって回転マグネットに従動する従動マグネットを備えると共に、両マグネットは、回転水平面に対して略平行な面同士で隔壁を隔てて平面的に対向配置されている。
【0011】
上述の発明によれば、両マグネットを、隔壁と対向する部位を共に平面とする同形状のマグネットで構成することが可能となる。そのため、両マグネットを同じ型構造で構成することができ、製造コストを低く抑えることができる。しかも、このような構成としても、両マグネットの隔壁に対する配置位置は上述の傾斜部の影響を受けないため、両者の軸方向における距離が増大することとはならない。したがって、両者間のマグネットカップリング力を低下させることなくエネルギー効率のよいポンプ装置とすることができる。
【0012】
また、他の発明は、上述のポンプ装置において、傾斜部は、ポンプ室のインペラの上端側に配置された面のインペラの回転中心近傍からインペラの外側に対応する部位にかけて形成されている。そのため、キャビテーション現象によって発生しインペラの回転中心近傍に留まろうとする気泡を、より効率的にインペラの外側へ移動させることが可能となる。
【0013】
また、他の発明は、上述のポンプ装置において、ポンプ室の上方にインペラに対して隔壁によって隔てられた状態で対向するように回転マグネットが配置され、インペラは回転マグネットの回転に伴い隔壁を通した磁気吸引力によって回転マグネットに従動する従動マグネットを備え、回転マグネットおよび従動マグネットの一方もしくは双方の隔壁との対向面には、隔壁に形成された傾斜部に平行となるような傾斜面が形成され、この傾斜面が形成されたマグネットを隔壁に対して軸方向に近接配置している。
【0014】
そのため、隔壁に傾斜部が形成されることによる両マグネット同士の軸方向における距離の増大を防止できる。すなわち、上述の傾斜面を利用して回転マグネットおよび従動マグネットの一方もしくは双方を隔壁に対して軸方向に近接配置することにより両マグネット間の距離を近づけることができ、マグネットカップリング力をより発揮させることが可能となる。この結果、駆動源の力を効率よくインペラに伝達することができ、エネルギー効率のよいポンプ装置とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態におけるポンプ装置を図1に基づき説明する。
【0016】
本発明の第1の実施の形態のポンプ装置は、図1に示すように、駆動源となるモータ1と、このモータ1の駆動力によって回転するインペラ2と、このインペラ2を回転自在に収納するポンプ室3を有している。このポンプ装置は、液体を貯めるための容器(図示省略)の側壁の外側に配置されるタイプのものとなっている。より具体的には、このポンプ装置は、ジャーポットの給湯用としての使用に適したものであり、ジャーポットの貯水タンクの側壁と外装ケースの側壁の間のスペースに配置されるように想定されたものとなっている。そのため、図1に示すように、このポンプ装置は、立てた状態とし、モータ1の下部に配置されたインペラ2の回転水平面Lが図示しない貯水タンク内に充填される液体の液面と平行となるように配置されることにより使用される。
【0017】
モータ1は、当該ポンプ装置を上述したジャーポット(図示省略)の所定位置に固定するための固定用部材4に、出力軸1aが下方に回転自在に突出するように保持されている。そして、この状態におけるモータ1の上方には、電源供給部となる端子1bが突出され、この端子1bに電源(図示省略)との接続線5が接続されている。
【0018】
そして、出力軸1aの下端部、すなわちこのモータ1の最下部には、円盤状部材6aの回転中心部が固定されており、この円盤状部材6aの下面にはリング状の回転マグネット6bが固定されている。これら出力軸1a、円盤状部材6a及び回転マグネット6bは、モータケース1cの下端面に固定された収納ケース7内に収納されている。
【0019】
この収納ケース7は、この取り付け状態において、カップを裏返したような形状となっており、出力軸1aを支承する軸受け1dを内周に保持すると共に出力軸1aを下方に挿通させるための穴を中央に備えた上底面7aがモータケース1cの下端面に固定されている。そして、この上底面7aの外周端部分には、出力軸1a、円盤状部材6a及び回転マグネット6bを径方向外側から覆うために、下方に延出された筒状部7bが形成されている。このように構成されたモータ1は、接続線5を介して電力が供給されると、上述の収納ケース7内で出力軸1aと共に円盤状部材6a及び回転マグネット6bが回転するようになっている。
【0020】
上述の収納ケース7の下方には、インペラ2を収納するポンプ室3が配置されている。このポンプ室3は、インペラ2の軸方向両側からインペラ2を挟むように配置された略円盤状の平面部が設けられると共に、この両平面部の外周端縁を略円筒状の壁部で連結するような形状となっている。ポンプ室3の上側の平面部は、当該ポンプ室3の内部空間とモータ1側とを隔絶する隔壁31となっている。この隔壁31は、収納ケース7の筒状部7bの最下端に溶着されることにより当該ポンプ室3の内部空間とモータ1側とを隔絶するようになっている。
【0021】
この隔壁31のインペラ2の上端側と対向する部位の中央には、軸嵌合部31aが設けられている、この軸嵌合部31aにインペラ2を回転自在に支持するインペラ軸21の上端がはめ込まれて固定されており、このインペラ軸21を回転中心としてインペラ2がポンプ室3内で回転するようになっている。
【0022】
インペラ2は、インペラ軸21の下端方向からこのインペラ軸21に被せられるキャップ状の回転中心部22を有すると共に、この回転中心部22の半径方向外側に放射状に伸びる複数の羽根を有する羽根部23とを有している。そして、羽根部23には、上述の隔壁31を隔てて駆動源側の回転マグネット6bと対向する従動マグネット24が備えられている。このため、モータ1の駆動力により回転マグネット6bが回転すると、インペラ2は隔壁31を通して磁気吸引力により回転マグネット6bに従動し回転する。
【0023】
上述したように構成されたインペラ2を収納するポンプ室3の下側の平面部の中央には、インペラ2が回転することにより容器(図示省略)内から当該ポンプ室3内に液体を吸入する吸入口32が設けられている。この吸入口32の中央には、インペラ2のスラスト下降を受けるスラスト受け部32aがポンプ室3を囲むケースに一体的に設けられている。このスラスト受け部32aは、液体を吸引した際に受ける圧力等によりインペラ2が下降した際に、インペラ2の回転中心部22がこのスラスト受け部32aに当接しそれ以上下降させない機能を有するものとなっている。
【0024】
また、インペラ2の半径方向外側となるポンプ室3の外周壁部には、インペラ2の回転によりポンプ室3内に吸入した液体を吐出させるための吐出口33が設けられている。そして、この吐出口33には、当該ポンプ室3の径方向外側に突出されかつ上方へ延出された吐出管34が連設されている。このように構成されたポンプ室3は、内部でインペラ2が回転することにより上述の吸入口32から液体が流れ込み、この流れ込んだ液体が吐出口33から吐出管34へ吐出されるようになっている。
【0025】
なお、上述したポンプ室3は、収納ケース7側に配置される第1のケーシング37と、この第1のケーシング37の下部に配置される第2のケーシング38によって形成されている。第1のケーシング37は、上述した隔壁31と、この隔壁31の外周縁部分から下方に延出されインペラ2の半径方向外側を囲む外周壁部35を有している。また、さらに第1のケーシング37には、上述した吐出口33の一部と吐出管34も一体的に形成されている。そして、この筒状壁部35の下端縁部分は、解放端となっており、この解放端部分を塞ぐように第2のケーシング38が被せられ溶着されている。これによって、第1のケーシング37と第2のケーシング38とが一体化されている。なお、第2のケーシング38には、吐出口33の一部を構成する部分と、吐出口33から吐出管34側へ液体をスムーズに移動させるために上方へ傾斜させた傾斜部38aが設けられている。
【0026】
以下に、上述した隔壁31についてさらに詳述する。
【0027】
隔壁31は、径方向における寸法がインペラ2のインペラ2の外径より若干大きく構成されている。そのため、インペラ2の上端と対向する対向部位Xと、この対向部位Xよりさらに径方向外側に配置されインペラ2の上端と対向しない非対向部位Yとを備えていることとなる。対向部位Xのうち上述の吐出口33の近傍部分には、半径方向外側に行くにしたがい重力と反する方向、すなわち図1において上方に徐々に傾斜する傾斜部36が設けられている。なお、この第1の実施の形態では、傾斜部36は、上述の対向部位Xの吐出口33近傍からさらに吐出口33の近傍となる非対向部位Y側にも連続して形成され、さらにその外側の吐出管34との連設部位39まで連続した傾斜となっている。
【0028】
このように、上述した本発明の第1の実施の形態のポンプ装置は、インペラ2の上端側に配置される隔壁31における吐出口33の近傍となる部分に、半径方向外側に行くにしたがい重力と反する方向に傾斜する傾斜部36が設けられている。そのため、このポンプ装置を、上述したようにジャーポットの給湯用装置として縦置き配置した場合に、沸騰直後に発生するキャビテーション現象によるインペラの空回りを最小限に食い止めることが可能となる。すなわち、沸騰直後の湯をジャーポットの外部へ吐出させる場合に、インペラ2の回転中心に発生する負圧によって成長する気泡が、インペラ2の裏側、すなわちポンプ室3の隔壁31とインペラ2との間のスペースSに回り込むが、この気泡が上述の傾斜部36を伝ってインペラ2の径方向外側へスムーズに移動する。このため、この気泡がインペラ2を包み込むように作用せず、吐出口33より排出されることとなる。この結果、インペラ2の空回りによる湯の供給不全を防止することができる。
【0029】
なお、このように上述の第1の実施の形態では、傾斜部36を設けることにより、従来構造のポンプ装置と比べて、沸騰直後の給湯時におけるインペラ2の空回りが起こりにくい構造となっている。このため、従来構造のポンプ装置よりインペラ2の外径Rを大きめに構成し、この大きめのインペラ2を低速回転させることにより、小電力で効率よく給湯をすることが可能となる。なお、この効果は、後述する第2および第3の実施の形態においても同様である。
【0030】
なお、図1に示すように、この第1の実施の形態では、両マグネット6a,6bは上述したインペラ2の回転水平面Lに対して略平行な面同士で隔壁31を隔てて平面的に対向配置されている。上述の隔壁31には、傾斜部36が形成されているが、この傾斜部36は両マグネット6a,6bとの対向部位Xが外周端近傍付近からその外側にかけて形成されたものとなっている。そのため、隔壁31を隔てて対向配置される両マグネット6a,6bは、その対向面同士を平面形状としても傾斜部36があることによる影響をそれ程受けずに軸方向において近接配置することができる。この結果、両マグネット6a,6b間は、磁気吸引力が効率良く伝達されるようになっている。加えて、このような構造としたことにより、両マグネット6a,6bを同じ型構造で製造することが可能となり、製造コストを低く抑えることも可能となる。
【0031】
なお、上述の第1の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。たとえば、上述の第1の実施の形態では、傾斜部36は、隔壁31の吐出口33の近傍部位において、インペラ2の上端との対向部位Xから始まり、さらにその外側の非対向部位Yを経て吐出管34との連設部位39まで延出されている。しかし、傾斜部36は、吐出管34との連設部位39までは延出されていなくとも良い。また、傾斜部36は、対向部位Xのみに形成されていても良いし、あるいは非対向部位Yのみに形成されていても良い。加えて、対向部位X部分に形成され、非対向部位Yに相当する部分は傾斜部を設けず平面として、吐出管34との連設部位39には対向部位Xと同様な傾斜部を設けるようにしても良い。さらに、傾斜部36は、非対向部位Yから始まり、吐出管34との連設部位39までそのまま延出されていても良い。
【0032】
またさらに、図2に示す第2の実施の形態のような構成としても良い。すなわち、ポンプ室3の内部空間とモータ1側とを隔絶する隔壁31の中央側(上述した第1の実施の形態における傾斜部36より半径方向内側)を平面とせず、頂点部31Aがインペラ2側に突出する円錐形状とし、上述した傾斜部36を吐出口33近傍のみならず隔壁31の全周に形成するようにしても良い。このように傾斜部36をインペラ2との対向部位Xの中央付近からインペラ2の外側に対応する部位に向かって大きく形成すると、キャビテーション発生時にインペラ2の上端縁中央に回り込んだ気泡がインペラ2の半径方向外側により移動しやすいものとなる。したがって、この第2の実施の形態は、キャビテーションによるインペラ2の空転をより確実に防止できるものとなっている。
【0033】
なお、この図2に示した第2の実施の形態では、対向部位Xの外側に配置される非対向部位Yまで、傾斜部36が連続し、さらにその外側の吐出管34との連設部位39まで傾斜部36が延出されているが、この傾斜部36は対向部位Xのみに形成されていても良いし、あるいは対向部位Xおよび吐出管34との連設部位39のみ(非対向部位Yには形成せずに)に形成されていても良い。
【0034】
なお、図2に示した第2の実施の形態では、隔壁31を略円錐形状とした構成により、モータ1側の回転マグネット6bとインペラ2の従動マグネット24との距離H1が、上述の第1の実施の形態における回転マグネット6bと従動マグネット24間の距離Hに比べて大幅に広がっている(この第2の実施の形態では、上述の第1の実施の形態に比べて実際には3倍程度に広がる)。このため、第2の実施の形態は、第1の実施の形態に比べて、キャビテーションによるインペラ2の空転防止対策としてはよりよい効果を発揮するものの、両マグネット6b,24間に発生する磁気力を効率よく伝えられないという問題を抱える。しかしながら、ポンプ効率をそれ程追求しない場合は、このような構成であっても問題とならない。
【0035】
なお、図3に示す第3の実施の形態は、上述したような第2の実施の形態における両マグネット6b,24間の距離H1を狭めポンプ効率を向上させたものとなっている。すなわち、第3の実施の形態では、隔壁31の形状を上述の第2の実施の形態と同様とし、この隔壁31の傾斜部36の傾斜角に合わせて、隔壁31の両側に配置される両マグネット6b,24にも傾斜面6c,24cがそれぞれ形成される。これにより、両マグネット6b,24間の距離H2は、上述した第1の実施の形態の両マグネット間の距離Hとほぼ同様のレベルとなる。この結果、この第3の実施の形態は、第2の実施の形態の効果、すなわちキャビテーション発生時に気泡がインペラ2の半径方向外側により移動しやすいという効果を奏しつつ、磁気力の伝達効率も良いものとなる。
【0036】
なお、この第3の実施の形態では、各マグネット6b,24のそれぞれの隔壁31との対向面を共に傾斜させた構成となっているが、傾斜面を備えるマグネットはいずれか一方でも良い。このように隔壁31を略円錐形状とした場合、第2の実施の形態のように両マグネット6b,24共に傾斜面のない構成に比べれば、両マグネット6b,24のいずれか一方でも隔壁31の傾斜角に対応する傾斜面を備える構成とすることにより、両マグネット6b,24間の距離が縮まり磁気効率を高めることができる。
【0037】
なお、上述の各実施の形態は、それぞれ本発明の好適な実施の形態の一例であるが、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。たとえば、上述の各実施の形態では、ポンプ室3のインペラ2の上端側に配置された面、すなわち隔壁31,31Aに形成された傾斜部36はいずれも、他の部分まで含めて形成されているか否かに関係なく、少なくとも吐出口33近傍に形成されているが、この傾斜部36は吐出口33近傍部分に形成せず、たとえば中央付近のみに形成しても良い。このように構成しても、キャビテーション現象により発生しインペラ2の回転中心付近に留まろうとする気泡が、傾斜部36を伝ってインペラ2の外側方向へ移動可能となるためである。
【0038】
また、上述の各実施の形態では、隔壁31を隔てた状態で両マグネット6b,24が対向配置され、モータ1の駆動力をこれら両マグネット6b,24間の磁気吸引力を利用してインペラ2に伝達する、いわゆるマグネットカップリング方式を採用したものとなっている。しかし、本発明は、このようなマグネットカップリング方式ではなく、例えばモータ出力軸をポンプ室内に直接突出させ、このモータ出力軸を挿通させるための穴部分にシール部材がはめ込まれたような構造のポンプ装置にも適用できる。
【0039】
また、上述の各実施の形態では、モータ1がポンプ室3の上方に縦型に配置される例を示したが、モータ1をポンプ室3の下方に設ける構成としても良い。さらに、モータ1を縦型ではなく横置きし、その出力軸に歯車を係合させ、直交する方向に出力を取り出す構造としても良い。例えば、出力軸にウォームを設け、そのウォームに係合する歯車の軸に回転マグネット6bを設けるようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポンプ装置は、ポンプ室のインペラの上端側に配置された面に、半径方向外側に行くにしたがい重力と反する方向に傾斜し、この傾斜を伝わってインペラの半径方向外側へ気泡が移動できる傾斜部を設けている。そのため、このポンプ装置をジャーポットの給湯用装置としてジャーポット内の貯水タンクの外側のスペースに配置した場合に、沸騰直後のキャビテーション現象により発生する気泡をインペラの半径方向外側へ追いやることができる。そのため、気泡にインペラが包まれることが防止され、沸騰直後の給湯時におけるインペラの空回り現象を必要最小限とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるポンプ装置を示した縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるポンプ装置を示した縦断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態におけるポンプ装置を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 モータ(駆動源)
2 インペラ
3 ポンプ室
6b 回転マグネット
6c 傾斜面
24 従動マグネット
24c 傾斜面
31 隔壁
32 吸入口
33 吐出口
34 吐出管
36 傾斜部
39 連設部位
L 回転水平面
X 対向部位
Y 非対向部位
Claims (5)
- 給湯用装置に用いられるポンプ装置であって、
上記ポンプ装置は、その回転水平面が吸入及び吐出される液体の液面と平行となるように回転し、その回転中心部の半径方向外側に放射状に延びる複数の羽根を有するインペラと、このインペラを回転自在に収納するポンプ室とを備え、このポンプ室には、上記インペラが回転することにより当該ポンプ室内に液体を吸入する吸入口と、吸入した液体を吐出させるために上記インペラの半径方向外側に配置された吐出口とが設けられ、上記ポンプ室の上記インペラの上端側に配置された面に、沸騰直後に気化し、この気化されたものが上記インペラの回転中心に発生する負圧によって大きくなる気泡を排出するための、上記半径方向外側に行くにしたがい重力と反する方向に傾斜し、この傾斜を伝わって上記インペラの上記半径方向外側へ上記気泡が移動できる傾斜部が設けられ、上記傾斜部は、上記ポンプ室の上記インペラの上端側に配置された面の上記吐出口近傍に設けられたことを特徴とするポンプ装置。 - 前記ポンプ室の上方に前記インペラに対して隔壁によって隔てられた状態で対向するように回転マグネットが配置され、前記インペラは上記回転マグネットの回転に伴い上記隔壁を通した磁気吸引力によって上記回転マグネットに従動する従動マグネットを備えると共に、上記両マグネットは、前記回転水平面に対して略平行な面同士で上記隔壁を隔てて平面的に対向配置されたことを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
- 前記傾斜部は、前記ポンプ室の前記インペラの上端側に配置された面の前記インペラの回転中心近傍から前記インペラの外側に対応する部位にかけて形成されたことを特徴とする請求項1記載のポンプ装置。
- 前記ポンプ室の上方に前記インペラに対して隔壁によって隔てられた状態で対向するように回転マグネットが配置され、前記インペラは上記回転マグネットの回転に伴い上記隔壁を通した磁気吸引力によって上記回転マグネットに従動する従動マグネットを備え、上記回転マグネットおよび上記従動マグネットの一方もしくは双方の上記隔壁との対向面には、上記隔壁に形成された前記傾斜部に平行となるような傾斜面が形成され、この傾斜面が形成されたマグネットを上記隔壁に対して軸方向に近接配置したことを特徴とする請求項3記載のポンプ装置。
- 前記吐出口に連通すると共に上方へ延出された吐出管を有し、前記吐出口の上記吐出管との連設部位であって前記ポンプ室と連続する部位に、前記ポンプ室に形成された傾斜部を半径方向外側に延長した傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のポンプ装置。
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