JP4010480B2 - 多光軸光電センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光軸方向の調整が可能な多光軸光電センサに関し、特に、投光器及び受光器の保護カバーの形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば多光軸光電センサは、複数の投光素子が配列された投光器1と、それらの複数の投光素子のそれぞれと対をなす複数の受光素子が配列された受光器2とを、検出領域を挟んで対向した状態で配置した構成をなす。投光器1及び受光器2間に物体が存在すると、その物体により投光器1から出射され受光器2に向う光が遮られるため、物体が存在しないときに比べて受光器2での受光量レベルが低下する。従って、受光器2での受光量レベルを測定することで所定の検出領域内を通過する物体を検出することが可能になる。
【0003】
ここで、投光器1は、図4に示すように、投光ユニット2機1a,1aを縦列状態で角筒状のケース部3に収容してなる。前記ケース部3のうち一側面は、透明部材で形成され、収容された各投光ユニット1a,1aの各投光素子が向けられる投光面3aをなす。そして、投光器1の背面から平断面コの字状の保護カバー7が装着され、保護カバー7のうち前記コの字の両端に相当する部分が投光器1の投光面3aより突設するよう構成されている。これは、検出領域を通過する物体が投光器1の投光面3aに衝突することがあり、これにより、それらを構成する主要部品(例えばレンズ等)が破損されてしまうのを抑制するためである。なお、受光器2側を上記投光器1と同様の構造をなし、やはり保護カバーが装着され受光面が保護されている。
【0004】
また、投光器1及び受光器2は、一対のL字型の取付板4,4を介して、ケース部3の長手方向を中心に回動可能な状態で取付壁5に取付けられている。これは、取付壁5に取付けた状態で、投光器1及び受光器2の光軸方向を調整できるようにするためである。より詳しくは、ケース部3の開口両端にそれぞれキャップ部6,6が閉止され、各キャップ部6,6のうちケース部3と反対側の面には一対の突起部6a,6aが突設されている。これに対して、前記各取付板4,4のうち一方の壁部には、前記各突起部6a,6aをそれぞれ挿通可能な円弧状の一対の溝部4a,4aが貫通形成されると共に、他方の壁部には止めねじが挿通される溝4b,4bが形成されている。この溝4b,4bに止めねじを通して取付壁5に螺着することで、投光器1及び受光器2を取付壁5に回動可能な状態で設置でき、もって投光器1の各投光素子の光軸と、受光器2の各受光素子の光軸とが一致するように光軸方向の調整が可能になる(図5参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多光軸光電センサにおいて、投光器1及び受光器2の、取付壁5からの出っ張り量はできるだけ小さくするのが望ましい。これは、出っ張り量が小さければそれだけ物体の衝突を回避することができると共に、例えば投光器1及び受光器2がそれぞれ取付けられる取付壁5間の幅が狭い場所でも十分な検出領域を確保することが可能になるからである。
【0006】
こうした事情を考慮して、図6(A)に示すように上記の投光器1及び受光器2を取付壁5に近接させて出っ張り量(同図でd)を極力小さくなるように取り付ける。すると、同図(B)に示すように、それらを回動する際に、保護カバー7のうち取付壁5側の壁面の両側端が取付壁5に干渉することになり、投光器1及び受光器2の回動範囲(θ1)、即ち投光器1及び受光器2の光軸方向の調整範囲が規制されてしまうといった問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、取付箇所に対する投光器及び受光器の出っ張り量を極力小さくしつつ、光軸方向の調整範囲が狭くなるのを抑制することが可能な多光軸光電センサを提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る多光軸光電センサは、ケース部及び当該ケース部内に一列状に配列された複数の投光素子を有する投光器と、この投光器に対向して配され、ケース部及び前記複数の投光素子のそれぞれと対をなし当該ケース部内に一列状に配列された複数の受光素子を有する受光器とを備えてなり、前記投光器のケース部又は前記受光器のケース部は、保護カバーが装着されると共に、当該保護カバーが装着されたまま前記各素子の配列方向に沿った回動軸心を中心に回動可能な状態で取付壁に取付けられる多光軸光電センサにおいて、前記保護カバーは、前記投光器のケース部又は前記受光器のケース部のうち前記各素子が相手側の投光器又は受光器に向けられる検出面側を、前記各素子に対応する部分に開口部を有する壁面で覆い、かつ、前記投光器のケース部又は前記受光器のケース部のうち取付壁側に対向する背面の全体を露出させた形状であるところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
本発明の構成によれば、保護カバーは、投光器のケース部又は受光器のケース部のうち各素子が相手側の投光器又は受光器に向けられる検出面側を、各素子に対応する部分に開口部を有する壁面で覆い、かつ、投光器のケース部又は受光器のケース部のうち取付壁側に対向する背面の全体を露出させた形状をなす。投光器又は受光器の検出側は、それらの各素子に対応する部分のみ開口してそれ以外の部分は保護カバーの壁面で覆われているから、投光器の投光面又は受光器の受光面を物体の衝突等から保護することができる。また、投光器のケース部又は受光器のケース部の取付壁側は保護カバーの壁面がないから、取付壁側が保護カバーで覆われた従来の構成に比べて、その保護カバーの厚み分だけ投光器又は受光器を保護カバーが装着されたまま回動させる際の回動範囲、即ち光軸方向の調整範囲を広くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図3によって説明する。
本実施形態に係る多光軸光電センサ10は、図1に示すように、複数の投光素子11が一列状に配列された投光器12と、それらの複数の投光素子11のそれぞれと対をなす複数の受光素子13が一列状に配列された受光器14とを、検出領域を挟んで対向配置した構成をなす。投光器12及び受光器14間に物体が存在すると、その物体により投光器12から出射され受光器14に向う光が遮られるため、物体が存在しないときに比べて受光器14での受光量レベルが低下する。従って、受光器14での受光量レベルを測定することで所定の検出領域内を通過する物体を検出することが可能になる。投光器12及び受光器14は、取付壁20に対して、各素子11,13の配列方向に沿った回動軸心を中心に回動可能に取付けられると共に、投光面又は受光面を保護するための保護カバー21がそれぞれ装着される。以下、これらの構成について詳説する。
【0011】
まず、投光器12は、図1に示すように、例えば4つの投光素子11が一列に配された2機の投光ユニット16,16を縦列状態で角筒状のケース部15内に収容されてなる。そのケース部15のうち一側面は、透明部材で形成され、収容された各投光ユニットの各投光素子が向けられる投光面15aをなす。また、ケース部15の両開放端に略四角形のキャップ板18,18がそれぞれ閉止され、その四隅に形成された各貫通孔に止めねじが通されてケース部15の端部に形成されたねじ穴に螺合され固着される。これにて各投光ユニット16,16がケース部15内に固定されることになる。
【0012】
また、キャップ板18,18のうちケース部15側とは反対側の面に一対の突起部18a,18aがそれぞれ形成されている。これに対し、前記各キャップ板18,18と、取付壁20との間に配される一対のl字状の各取付板19,19のうち一方の壁部には、キャップ板18,18の各突起部18a,18aをそれぞれ挿通可能な円弧状の一対の溝部19a,19aが貫通形成されている。一方、他方の壁部には止めねじが挿通される溝19b,19bが形成されている。ケース部15の両開放端を前記一対の取付板19,19で挟み込みつつこの取付板19,19の溝19b,19bに止めねじを通して取付壁20に螺着することで、ケース部15を回動可能な状態で取付壁20に設置することができる。
【0013】
さて、保護カバー21は、図1に示すように、長尺の板状部材の両端側を同方向に屈曲させた形状をなし、それら両屈曲部21a,21aで投光器12の両開放端を閉止する両キャップ部18,18を挟み込みつつ、両屈曲部21a,21aに挟まれた中央壁21 bで投光器12の投光面15aを覆うように装着される。また、前記中央壁21bうち前記各投光ユニット16,16の各投光素子11群に対向する部分には一対の開口部17,17が貫通形成されている。また、投光器12の前記屈曲部21a,21aには、その先端から中央付近まで保護カバー21の長手方向に沿って一対のスリット部20c,20cがそれぞれ形成されている。このスリット部20c,20c内に、前記キャップ部18,18の各突起部18a,18aそれぞれを通しつつ、投光器12の側方から保護カバー21を装着した後に、取付板19,19を取付壁20に取付けることで投光器に固着されることになる。(図2参照)
なお、受光器14側も上記投光器12と同様の構造で取付壁20に回動可能な状態で設定され、もって投光器12の各投光素子11の光軸と、受光器14の各受光素子13の光軸とが一致するように光軸方向の調整が可能になる。
【0014】
このように、各投光器12の投光面15aは、保護カバー21の前記一対の開口部17,17を有する中央壁21 bで覆われているから、検出領域内を通過する物体の衝突に対して投光面15aを保護することができる。一方、図3(A)に示すように、各投光器12の取付壁20側には、それを覆う壁面がなく投光器12の背面全体が露出した状態となっている。従って、同図(B)に示すように、投光器の背面をも保護カバーで覆った従来のものに比べて、取付壁20からの出っ張り量d'(=図6のd)を大きくすることなく、投光器12の回動範囲θ2(>図6のθ1)、即ち投光器の光軸方向の調整範囲を広くすることができる(図6と比較参照)。
【0015】
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、保護カバー21は断面コの字状のものを使用したが、これに限らず、例えば断面C字状の形状などであってもよい。つまり、少なくとも投光器12又は受光器14の検出面側を、各素子11,13に対応する部分に開口部を有する壁面で覆い、かつ、投光部12又は受光部14のうち取付壁20側に対向する背面の全体を露出させた形状であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る多光軸光電センサの斜視図
【図2】その分解斜視図
【図3】その回動範囲を説明するための側面図
【図4】従来の多光軸光電センサの分解斜視図
【図5】投光器及び受光器が取付壁に設置された状態を示す斜視図
【図6】その回動範囲を説明するための側面図
【符号の説明】
10…多光軸光電センサ
11…投光素子
12…投光器
13…受光素子
14…受光器
17…開口部
18a…突起部
18…キャップ板
19a…溝部
19…取付板
20…取付壁
21…保護カバー

Claims (1)

  1. ケース部及び当該ケース部内に一列状に配列された複数の投光素子を有する投光器と、この投光器に対向して配され、ケース部及び前記複数の投光素子のそれぞれと対をなし当該ケース部内に一列状に配列された複数の受光素子を有する受光器とを備えてなり、
    前記投光器のケース部又は前記受光器のケース部は、保護カバーが装着されると共に、当該保護カバーが装着されたまま前記各素子の配列方向に沿った回動軸心を中心に回動可能な状態で取付壁に取付けられる多光軸光電センサにおいて、
    前記保護カバーは、前記投光器のケース部又は前記受光器のケース部のうち前記各素子が相手側の投光器又は受光器に向けられる検出面側を、前記各素子に対応する部分に開口部を有する壁面で覆い、かつ、前記投光器のケース部又は前記受光器のケース部のうち取付壁側に対向する背面の全体を露出させた形状であることを特徴とする多光軸光電センサ。
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