JP4010257B2 - 電気自動車およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車およびその制御方法に関し、詳しくは、発電可能な少なくとも一つの電動機からの動力に基づいて走行する電気自動車およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気自動車としては、燃料電池とキャパシタ(電気二重層キャパシタ)とを負荷としての走行用モータに対して並列に接続するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、燃料電池とキャパシタとの合成出力特性から負荷変動後の燃料電池の電圧を求めると共にこの電圧と燃料電池の電圧電流特性とからこの電圧に対応する電流値を求める。そして、求めた電流値に対応する反応ガス量以上の反応ガスが燃料電池に供給されるよう制御する。これにより、電力効率を高くすることができる、とされている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−216818号公報(図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした電気自動車では、キャパシタがその定格容量付近まで充電されているときには、これ以上充電を行なうことができないことから、走行用モータを回生制御することができない場合が生じる。車両に制動力を付与するときには、走行用モータを回生制御することができない場合が生じても、機械ブレーキを作動させればよいが、登坂路面で発進しようとするときに車重による後進方向の力がクリープトルクによる前進方向の力より大きくなって車両が後進するときには、走行用モータを回生制御することができないと発進することができない。即ち、車両が後進しているときに走行用モータから前進方向のトルクを作用させる制御は走行用モータを回生制御することになるから、回生制御により生じる回生電力をキャパシタで充電することができないと、回生制御そのものを実行することができない状態となり、車両の後進に対して走行用モータによるブレーキを作用させることすらできないのである。
【0005】
本発明の電気自動車およびその制御方法は、キャパシタなどの蓄電手段の状態に拘わらず、電動機の回生制御を可能にすることを目的の一つとする。また、本発明の電気自動車およびその制御方法は、キャパシタなどの蓄電手段の状態に拘わらず、登坂路面での発進をスムースに行なうことを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の電気自動車およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の電気自動車は、
発電可能な少なくとも一つの電動機からの動力に基づいて走行する電気自動車であって、
前記電動機と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、
該蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、
前記蓄電手段からの電力系統に接続され該系統からの電力を消費可能な電力消費機器と、
略停車状態の時に所定のトルクが出力されると共に運転者による操作に基づいて設定されるトルクが出力されるよう電動機を駆動する電動機駆動制御手段と、該電動機駆動制御手段により前記電動機が回生制御されているとき、前記蓄電状態検出手段により検出される前記蓄電手段の充電状態に基づいて前記電動機の回生制御により生じる回生電力の少なくとも一部が消費されるよう前記電力消費機器を制御する回生時制御を実行する回生時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の電気自動車では、発電可能な走行用の電動機を略停車状態の時に所定のトルクが出力されると共に運転者による操作に基づいて設定されるトルクが出力されるよう駆動制御し、電動機が回生制御されているときには電動機と電力のやりとりを行なう蓄電手段の充電状態に基づいて電動機の回生制御により生じる回生電力の少なくとも一部が消費されるよう電力消費機器を制御する。したがって、蓄電手段が満充電となったときでも電力消費機器により回生電力を消費することができるから、電動機を回生制御することができる。即ち、蓄電手段の状態に拘わらず、電動機を回生制御することができる。
【0009】
こうした本発明の電気自動車において、前記回生時制御手段は、前記車両が後進しているときに前記電動機から前進方向のトルクを出力するために該電動機が回生制御される際に前記回生時制御を実行する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段の状態に拘わらず、登坂路面で後進している状態から発進することができる。
【0010】
また、本発明の電気自動車において、前記回生時制御手段は、前記回生電力が大きいほど大きな電力が消費されるよう前記電力消費機器を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の回生制御の範囲を広くすることができる。この結果、登坂路面では、発進をスムースに行なうことができる。この態様の本発明の電気自動車において、前記回生時制御手段は、前記蓄電状態検出手段により前記蓄電手段の満充電状態が検出されたときには、前記電動機駆動制御手段による前記電動機の回生制御により生じる回生電力のすべてが前記電力消費機器により消費されるよう該電力消費機器を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、蓄電手段が満充電状態であっても、電動機を回生制御して電動機から所望のトルクを出力することができる。
【0011】
本発明の電気自動車において、前記電力消費機器は複数の機器であるものとしたり、前記蓄電手段はキャパシタであるものとすることもできる。こうすれば、二次電池などに比して容量の小さなキャパシタに適合したものとすることができる。
【0012】
本発明の電気自動車において、前記蓄電手段と並列に接続されて前記電動機に電力を供給可能な燃料電池を備えるものとすることもできる。この場合、前記電力消費機器は前記燃料電池の運転に用いられる補機であるものとすることもできる。そして、前記電力消費機器はエアコンプレッサであるものとすることもできる。
【0013】
本発明の電気自動車の制御方法は、
走行用の動力を出力する発電可能な少なくとも一つの電動機と、該電動機と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、該蓄電手段からの電力系統に接続され該系統からの電力を消費可能な電力消費機器と、を備える電気自動車の制御方法であって、
略停車状態の時に所定のトルクが出力されると共に運転者による操作に基づいて設定されるトルクが出力されるよう電動機を駆動し、
前記電動機が回生制御されているときには、前記蓄電手段の蓄電状態を検出すると共に該検出した蓄電状態に基づいて前記電動機の回生制御により生じる回生電力の少なくとも一部が消費されるよう前記電力消費機器を制御する
ことを要旨とする。
【0014】
この本発明の電気自動車の制御方法によれば、発電可能な走行用の電動機を略停車状態の時に所定のトルクが出力されると共に運転者による操作に基づいて設定されるトルクが出力されるよう駆動制御し、電動機が回生制御されているときには電動機と電力のやりとりを行なう蓄電手段の充電状態に基づいて電動機の回生制御により生じる回生電力の少なくとも一部が消費されるよう電力消費機器を制御するから、蓄電手段の状態に拘わらず、電動機を回生制御することができる。したがって、登坂路面で後進した状態から発進することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である電気自動車10の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車10は、図示するように、水素高圧タンク22から供給され循環ポンプ26により循環される燃料ガスとしての水素ガスとエアコンプレッサ28やアキュムレータ24から切替バルブ50を介して供給される空気中の酸素とにより発電する燃料電池30と、この燃料電池30に遮断器56を介して並列に接続されたキャパシタ32と、燃料電池30およびキャパシタ32からの直流電力を三相交流電力に変換するインバータ34と、インバータ34により変換された三相交流電力により駆動しデファレンシャルギヤ14を介して駆動輪12に動力を出力する走行用モータ36と、車両全体をコントロールする電子制御ユニット70とを備える。
【0016】
燃料電池30は、図示しないが、電解質膜とこの電解質膜を狭持するアノード電極およびカソード電極とからなる単セルをセル間の隔壁をなすセパレータと共に複数積層してなる燃料電池スタックにより構成されており、セパレータに形成されたガス流路を通じてアノード電極に供給された水素ガスとカソード電極に供給された空気による電気化学反応により発電する。燃料電池30には、図示しないが、冷却媒体(例えば、冷却水)が循環可能な循環路が形成されており、この循環路内の冷却媒体の循環により燃料電池30内の温度が適温(例えば、65℃〜85℃)に保持されるようになっている。
【0017】
キャパシタ32は、例えば、電気二重層キャパシタ(EDLC)として構成されており、実施例の電気自動車10には、使用電圧の最大値が燃料電池30の開放端子間電圧より高いものが用いられている。
【0018】
走行用モータ36は、例えば、電動機として機能すると共に発電機として機能する周知の同期発電電動機として構成されており、運転者のアクセルペダル83やブレーキペダル85の踏み込み量や車速Vに応じて電動機として又は発電機として駆動する。走行用モータ36にデファレンシャルギヤ14を介して接続された駆動輪12には、ディスクブレーキなどの機械的な作用により制動力を付与することができる機械ブレーキ13が取り付けられている。
【0019】
燃料電池30およびキャパシタ32からの電力ラインには燃料電池30およびキャパシタ32からの高電圧を低電圧(例えば、12V)に変換するDC/DCコンバータ54が取り付けられており、12V電源としての2次電池60や車両に搭載された補機62に電力を供給している。また、この電力ラインには、燃料電池30からのキャパシタ32への充電が可能な方向にダイオード58が取り付けられており、キャパシタ32側が高電圧になったときでも燃料電池30には逆電流が流れないようになっている。
【0020】
電子制御ユニット70は、CPU72を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラム等が記憶されたROM74と、一時的にデータを記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートとを備える。この電子制御ユニット70には、キャパシタ32とインバータ34との間に並列に取り付けられた電圧センサ52からの電源電圧Vpや走行用モータ36の回転子の位置を検出する回転位置検出センサ37からの回転位置,シフトレバー81のポジションを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジション,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度AP,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキポジションBP,車両の走行速度を検出する車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット70からは、機械ブレーキ13への駆動信号や循環ポンプ26への駆動信号,エアコンプレッサ28への駆動信号,インバータ34へのスイッチング信号,DC/DCコンバータ54への直流電力変換信号,遮断器56への開閉信号,切替バルブ50への切替信号等が出力ポートを介して出力されている。
【0021】
次に、こうして構成された実施例の電気自動車10の動作、特に登坂路面における発進時の動作について説明する。図2は、実施例の電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
【0022】
駆動制御ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度APや走行用モータ36の回転数Nm,車速センサ88からの車速V,電圧センサ52からの電源電圧Vpなどを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、走行用モータ36の回転数Nmについては、実施例では、図示しない回転数検出ルーチンにより回転位置検出センサ37によって検出される回転子の回転位置に基づいて算出されるものを入力するものとしたが、車速Vから換算するものとしてもよいし、走行用モータ36の回転数を直接検出するセンサを取り付けてこのセンサにより検出されるものを入力するものとしてもよい。
【0023】
続いて、読み込んだアクセル開度APや車速Vに基づいて車両に要求される要求トルクT*を設定する(ステップS110)。要求トルクT*は、実施例では、アクセル開度APと車速Vと要求トルクT*との関係を予め設定して要求トルク設定マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度APと車速Vとが与えられると、要求トルク設定マップから対応する要求トルクT*を導出して設定するものとした。要求トルク設定マップの一例を図3に示す。
【0024】
こうして要求トルクT*を設定すると、走行用モータ36が回生モードで駆動制御されるか否かを判定すると共に(ステップS120)、電源電圧Vpがキャパシタ32の使用電圧の最大電圧より若干低い電圧として設定された閾値Vref以上か否かを判定する(ステップS130)。ここで、回生モードか否かの判定は、走行用モータ36の回転方向と要求トルクT*の方向とにより行なうことができる。例えば、モータ回転数Nmの方向と要求トルクT*の方向とに基づいて判定したり、車速Vの方向と要求トルクT*の方向とに基づいて判定することができる。走行用モータ36が回生モードで駆動制御されないとき(力行モードで制御されるとき)や走行用モータ36が回生モードで駆動制御されても電源電圧Vpが閾値Vref未満のときには、補機を通常駆動で制御すると共に(ステップS140)、設定された要求トルクT*が走行用モータ36から出力されるよう走行用モータ36を駆動制御して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。
【0025】
一方、走行用モータ36が回生モードで駆動制御されると共に電源電圧Vpが閾値Vref以上のときには、要求トルクT*とモータ回転数Nmとに基づいて走行用モータ36から要求トルクT*を出力する際に回生される電力に相当する電力を補機消費電力Phとして設定すると共に(ステップS150)、設定した補機消費電力Phが消費されるよう補機を強制駆動し(ステップS160)、設定された要求トルクT*が走行用モータ36から出力されるよう走行用モータ36を駆動制御して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。このように補機を強制駆動するのは、以下の理由による。登坂路面での発進を考えると、走行用モータ36が回生モードで駆動制御される状態は、車重による後進方向の力が走行用モータ36から出力されるクリープトルクによる前進方向の力に打ち勝って車両が後進している状態となる。図3の要求トルク設定マップに示すように、車両が後進している状態では、運転者のアクセルペダル83の操作に拘わらず、車両を前進させる方向のトルクが走行用モータ36から出力されるため、走行用モータ36は回生制御されることになる。このとき、電源電圧Vpが閾値Vref未満であれば走行用モータ36を回生制御することにより生じる回生電力はキャパシタ32の充電に用いられるが、電源電圧Vpが閾値Vref以上のときには、キャパシタ32がすぐに満充電となり、回生電力をキャパシタ32による充電では消費することができなくなってしまう。回生電力を消費することができないことは、走行用モータ36を回生制御することができないことを意味するから、この場合、運転者がアクセルペダル83を踏み込んでも車両の後進を抑制するトルク(前進させるためのトルク)を走行用モータ36から出力することができなくなり、車両の後進速度を加速させてしまう。実施例の駆動制御ルーチンでは、こうした不都合を回避するために、電源電圧Vpが閾値Vref以上のとき、即ちキャパシタ32が満充電近傍のときには、走行用モータ36を回生制御することにより生じる回生電力を補機を強制駆動することにより消費するのである。実施例では、こうした処理により、キャパシタ32が満充電となっても走行用モータ36を回生制御して登坂路面における発進をスムースに行なうようにしているのである。なお、補機の強制駆動は、補機消費電力Phを消費できるように補機を駆動制御する共に補機に補機消費電力Phが供給されるようDC/DCコンバータ54を制御する処理となり、具体的には、燃料電池30やアキュムレータ24に空気を供給するエアコンプレッサ28を補機消費電力Phを消費する回転数で回転駆動させるのである。なお、補機としてはエアコンプレッサ28の他に循環ポンプ26や乗員室の空調装置のコンプレッサなどの機器も対象として強制駆動することもできるが、回生電力をアキュムレータ24への空気の蓄積という形態で蓄えることができることから、主としてエアコンプレッサ28を強制駆動することが好ましい。
【0026】
以上説明した実施例の電気自動車10によれば、走行用モータ36が回生モードで駆動制御されると共にキャパシタ32が満充電近傍のときには、走行用モータ36を回生制御することにより生じる回生電力を補機を強制駆動することにより消費することにより、走行用モータ36を回生制御できなくなるという不都合、特に車両が登坂路面で発進する際に若干後進している車両に対して前進方向にトルクを出力することができなくなるという不都合を回避することができる。しかも、走行用モータ36により回生される電力に応じて補機を強制駆動するから、運転者の操作に応じたトルクを走行用モータ36から出力することができる。また、実施例の電気自動車10では、強制駆動する補機として燃料電池30やアキュムレータ24に空気を供給するエアコンプレッサ28を主として用いるから、回生電力を有効に用いることができる。この結果、車両のエネルギ効率を向上させることができる。
【0027】
実施例の電気自動車10では、DC/DCコンバータ54を介して電力をエアコンプレッサ28などの補機に供給するものとしたが、エアコンプレッサ28などの補機のモータとして三相交流電動機を用い、インバータを介して補機のモータなど電力を供給するものとしてもよい。
【0028】
実施例の電気自動車10では、運転者の操作に応じて走行用モータ36により回生される電力が補機により消費されるよう補機消費電力Phを設定して補機をを強制駆動するものとしたが、走行用モータ36により回生される電力の最大値を設定しておき、その最大値の範囲内で走行用モータ36を駆動制御するものとしてもよい。こうすれば、運転者の操作に完全に一致するよう走行用モータ36を駆動制御することができないものの、強制的な補機駆動の範囲を設定したり、過剰な補機の強制駆動を抑制することができる。
【0029】
実施例の電気自動車10では、二つの駆動輪12にデファレンシャルギヤ14を介して取り付けられた走行用モータ36からの動力により走行するものとして構成したが、二つの駆動輪12の各々のホイールに取り付けられた二つのモータ(ホイールインモータ)からの動力により走行するものとして構成してもよいし、二つの駆動輪12以外の車輪の車軸に他のモータを取り付けてそのモータと走行用モータ36とからの動力により走行する四輪駆動の自動車として構成してもよい。
【0030】
実施例の電気自動車10では、電気二重層キャパシタを搭載するものとしたが、他のタイプのキャパシタ32を搭載するものとしてもよいし、他の蓄電可能な機器、例えば二次電池を搭載するものとしてもよい。この場合、図2の駆動制御ルーチンのステップS130の処理を電源電圧Vpによるキャパシタ32の満充電近傍の判定に代えて蓄電可能な機器の蓄電状態(例えば、二次電池における残容量(SOC)など)による満充電近傍の判定とすればよい。
【0031】
実施例の電気自動車10では、アクセル開度APが値0のときには停車を含む低車速の状態で前進方向のクリープトルクが出力されるものとしたが、停車状態のときには、停車状態を維持するためのトルク(ヒルホールド用のトルク)を出力するものとしてもよい。
【0032】
実施例の電気自動車10では、燃料電池30を搭載するものとしたが、燃料電池30以外のエネルギ源、例えば二次電池などを搭載するものとしてもよい。この場合、キャパシタ32と二次電池とが共に満充電近傍の状態のときに補機の強制駆動による走行用モータ36の回生制御を行なうものとすればよい。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である電気自動車10の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】 要求トルク設定マップの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 電気自動車、12 駆動輪、13 機械ブレーキ、14 デファレンシャルギヤ、22 水素高圧タンク、24 アキュムレータ、26 循環ポンプ、28 エアコンプレッサ、30 燃料電池、32 キャパシタ、34 インバータ、36 走行用モータ、37 回転位置検出センサ、54 DC/DCコンバータ、60 2次電池、62 補機、70 電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ。
Claims (5)
- 発電可能な少なくとも一つの電動機からの動力に基づいて走行する電気自動車であって、
前記電動機と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、
該蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄電状態検出手段と、
前記蓄電手段と並列に接続されて前記電動機に電力を供給可能な燃料電池と、
空気を蓄積すると共に該蓄積した空気を前記燃料電池に供給するアキュムレータと、
前記蓄電手段からの電力系統に接続され該系統からの電力を消費可能で、前記燃料電池と前記アキュムレータとに空気を供給するエアコンプレッサと、
略停車状態の時に所定のトルクが出力されると共に運転者による操作に基づいて設定されるトルクが出力されるよう前記電動機を駆動する電動機駆動制御手段と、
前記車両が後進しているときに前記電動機から前進方向のトルクを出力するために前記電動機駆動制御手段により該電動機が回生制御されているとき、前記蓄電状態検出手段により検出される前記蓄電手段の蓄電状態に基づいて前記電動機の回生制御により生じる回生電力の少なくとも一部が前記アキュムレータへの空気の蓄積を伴って消費されるよう前記エアコンプレッサを制御する回生時制御を実行する回生時制御手段と、
を備える電気自動車。 - 前記回生時制御手段は、前記回生電力が大きいほど大きな電力が消費されるよう前記エアコンプレッサを制御する手段である請求項1記載の電気自動車。
- 前記回生時制御手段は、前記蓄電状態検出手段により前記蓄電手段の満充電状態が検出されたときには、前記電動機駆動制御手段による前記電動機の回生制御により生じる回生電力のすべてが前記エアコンプレッサにより消費されるよう該エアコンプレッサを制御する手段である請求項2記載の電気自動車。
- 前記蓄電手段はキャパシタである請求項1ないし3いずれか記載の電気自動車。
- 走行用の動力を出力する発電可能な少なくとも一つの電動機と、該電動機と電力のやりとりを行なう蓄電手段と、前記蓄電手段と並列に接続されて前記電動機に電力を供給可能な燃料電池と、空気を蓄積すると共に該蓄積した空気を前記燃料電池に供給するアキュムレータと、前記蓄電手段からの電力系統に接続され該系統からの電力を消費可能で、前記燃料電池と前記アキュムレータとに空気を供給するエアコンプレッサと、を備える電気自動車の制御方法であって、
略停車状態の時に所定のトルクが出力されると共に運転者による操作に基づいて設定されるトルクが出力されるよう前記電動機を駆動し、
前記車両が後進しているときに前記電動機から前進方向のトルクを出力するために前記電動機駆動制御手段により該電動機が回生制御されているときには、前記蓄電手段の蓄電状態を検出すると共に該検出した蓄電状態に基づいて前記電動機の回生制御により生じる回生電力の少なくとも一部が前記アキュムレータへの空気の蓄積を伴って消費されるよう前記エアコンプレッサを制御する
電気自動車の制御方法。
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