JP4010065B2 - ソレノイド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば電磁弁などに備えるソレノイドであって、特に消音機能を備えたソレノイドの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のソレノイドの中には、たとえば図8に示すように、通電時、符号1で示すプランジャを矢示方向に吸引したときその基端1aを受け入れる筒状のプランジャ受け2を備え、そのプランジャ受け内に、プランジャ1の基端1aが突き当たったときその衝撃を緩衝するゴム材3を設ける構成としたものがある。
【0003】
そのようなソレノイドでは、プランジャ受け2の内周に円周突部2aを設け、一方、ゴム材3は、たとえば適宜ゴム成形により、たとえば図9に示すようにプランジャ受け2ごと成形して円周突部2aに嵌め合うように配設していた。
【0004】
そして、作動時、プランジャ1を、図8に示すように吸引したときは、その基端1aをゴム材3で受けて衝撃を緩衝して騒音の発生を防止する。一方、プランジャ1を逆向きに突出するときは、先の吸引時にプランジャ1の基端面がゴム材3に例え強く密着していたとしても、円周突部2aで引き止めてゴム材3がプランジャ1と一緒にプランジャ受け2内から引き抜かれることを防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来では、上述のように消音用のゴム材3を、ゴム成形によりプランジャ1に設ける構成とするため、その成形時、ゴム材料が型から漏れ出ることがあり、成形後いちいち漏れ出たゴム材料を取り除く必要があり、面倒であった。
【0006】
また、そのときに取り残したゴム成形バリがプランジャ1とその外周のコイルボビンとの間に入り込み、それが原因でプランジャ1の動作不良を招くという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に記載の発明は、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、通電によりプランジャ12を吸引したときそのプランジャ12の基端を受け入れるプランジャ受け13を備えるソレノイドSにおいて、一端側に前記プランジャ12を吸引したときその基端が突き当たる受け部20aを設ける一方、他端側に前記プランジャ12を突出したとき前記プランジャ受け13の一部、たとえば円周凸部13bに掛け止める掛止め部20bを設ける樹脂製のストッパ部材20を、前記プランジャ受け13内に配置するとともに、そのプランジャ受け13と前記ストッパ部材20との間に、前記プランジャ12を吸引したときの衝撃を緩衝する弾性体25を配置し、杆状をなす前記プランジャ12の基端に前記ストッパ部材20の前記受け部20aに突き当たるすり鉢状の突当て部12bを設け、筒状をなす前記プランジャ受け13の内周のほぼ中間に前記ストッパ部材20の前記掛止め部20bが掛け止められる円周凸部13bを設け円周凸部13bの他端側に前記プランジャ12の前記突当て部12bの形状に合わせて順次幅広に開口した他端開口13cを設けてなる、ことを特徴とする。
【0008】
そして、作動時、プランジャ12を吸引したときは、その基端をストッパ部材20の受け部20aに突き当て、その衝撃を弾性体25で緩衝する。一方、プランジャ12を突出したときは、ストッパ部材20の掛止め部20bをプランジャ受け13の一部に掛け止める。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のソレノイドSにおいて、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、前記ストッパ部材20の前記掛止め部20bの先端をテーパ状に形成し長手方向に掛止め部20bを撓み可能にする割溝20cを設けてなる、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のソレノイドSにおいて、たとえば以下の図面を用いて説明する実施の形態のとおり、前記弾性体25をリング状に形成し、該弾性体25を、それに前記テーパ状先端を通して前記ストッパ部材20の外周に嵌め付けてなる、ことを特徴とする。
【0011】
そして、プランジャ受け13を組み付けるときは、弾性体25を、それにテーパ状の先端を通してストッパ部材20の外周に嵌め付け、同ストッパ部材20を、そのテーパ状先端からプランジャ受け13内に挿入し、その円周凸部13bに掛止め部20bを掛け止める。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図5および図6に、この発明によるソレノイドを備える電磁弁の一例を示す。
【0014】
図示電磁弁は、たとえばガス器具に備え、図中符号10で示すヨークで支持するコイル11内に、プランジャ12と、その基端を受けて保持するプランジャ受け13を組み込んで構成するソレノイドSを備える。
【0015】
ソレノイドSには、プランジャ12の先端に弁ゴム14とスプリング受け15を取り付け、そのスプリング受けとヨーク10間でコイルスプリング16を巻き付けて設ける。そして、プランジャ12を、弁ゴム14とともに図中上向きの突出方向に常時付勢する一方、その付勢力でプランジャ12が抜け出ないようにコイル11のボビン11aの先端に、抜け止め凸部11bを設けてなる。なお、図中符号17は、電気接続用端子である。
【0016】
そして、図示電磁弁では、周知のとおり、通電時、コイル11に流れる電流によりプランジャ12をコイルスプリング16に抗して吸引し、これに連動する弁ゴム14を動作し、たとえば図示しないガス等の流体の流路を開く。一方、通電をオフにすると、コイルスプリング16によりプランジャ12を突出して弁ゴム14で前記流路を遮断する。
【0017】
ところで、上述したプランジャ12は、たとえば図4に示すように、全体に杆状をなし、図中左の先端に円板部12aを設け、基端にすり鉢状の突当て部12bを設け、中間部外周に段部12cを形成し、さらに円板部12a近くを細径に形成してそこに弁ゴム取付部12dを設けてなる。
【0018】
一方、プランジャ受け13は、筒状をなし、図3に示すように、図中右の一端を細径に形成し、そこに前記ヨーク10に取り付ける取付筒部13aを設ける。また、他端内周のほぼ中間に円周凸部13bを設け、その図中左の他端側を、プランジャ12の突当て部12bの形状に合わせて漸次幅広に開口した他端開口13cを設けてなる。
【0019】
そして、このプランジャ受け13内に、消音手段として、ストッパ部材20および弾性体25を配置してなる。
【0020】
ストッパ部材20は、樹脂製で、たとえば図2でも示すように、図中左の一端側に円板状の受け部20aを設け、他端側に、右端をテーパ状に形成した掛止め部20bを設ける。そして、ストッパ部材20は、その掛止め部20bからる長手方向に割溝20cを設けて掛止め部20bを撓み可能に形成してなる。
【0021】
弾性体25は、この例では、ゴム製で、図3に示すようにリング状に形成する。そして、この弾性体25を、それに掛止め部20bを通してストッパ部材20の外周に嵌め付けてなる。しかして、プランジャ受け13内にその他端開口13cから、弾性体25を嵌め付けたストッパ部材20を挿入して掛止め部20bを円周凸部13bに掛け止めてなる。
【0022】
そうして、このプランジャ受け13を取り付けるときは、たとえば図7に示すように、その他端開口13cにプランジャ12の突当て部12bを受け入れた状態で、反対側の前記円板部12aを、図示しないが、適宜他部材に突き当てる一方、取付筒部13aをカシメ具26でカシメてヨーク10に固定する。
【0023】
そして、図示電磁弁では、その作動時、図1に示すように、ソレノイドSのプランジャ12を吸引したときは、その突当て部12bがストッパ部材20の受け部20aに突き当たる。このとき、その突き当ての衝撃を、ストッパ部材20を介して弾性体25により吸収し、騒音の発生を防止する。
【0024】
一方、プランジャ12を逆方向に突出するときは、先の吸引時にプランジャ12の突当て部12bの端面が受け部20aに例え強く密着していたとしても、ストッパ部材20の掛止め部20bがプランジャ受け13の円周凸部13bに引っ掛かり、円周凸部13bで引き止めてスットパ部材20と弾性体25がプランジャ12と一緒にプランジャ受け12内から引き抜かれることを防止する。
【0025】
ところで、上述した弾性体25は、ゴム製であったが、弾性を有するものであれば、たとえばスプリング等を用いることもできる。
【0026】
【発明の効果】
したがって、請求項1に記載の発明によれば、消音手段をそれぞれ予め製造した弾性体とストッパ部材とで構成し、従来のようにゴム材料を用いて成形によりプランジャに設ける構成ではないため、そのゴム材料が型から漏れ出るような問題を発生する余地がなく、その結果、その漏れ出たゴム材料をいちいち取り除く面倒な作業をなくすことができる。また、従来のように取り残したゴムの成形バリがプランジャとその外周のコイルボビンの間に入り込んでプランジャの動作不良を招くことを防止することもできる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、ストッパ部材の前記掛止め部の先端をテーパ状に形成し前記掛止め部を撓み可能にする割溝を設けるため、ストッパ部材をプランジャ受け内に取り付けるとき、その内周の円周凸部間を通してそれに簡単に掛止め部を掛け止めることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、弾性体をリング状に形成するため、該弾性体を、前記掛止め部のテーパ状先端を通して嵌め付けることにより、簡単にストッパ部材に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるソレノイドのプランジャ吸引時における衝撃緩衝状態を示す部分縦断面図である。
【図2】 そのソレノイドに備えるストッパ部材を示す側面図である。
【図3】 そのストッパ部材と弾性体を組み込んだプランジャ受けを示す縦断面図である。
【図4】 そのソレノイドに備えるプランジャを示す側面図である。
【図5】 そのソレノイドを備える電磁弁を示す側面図である。
【図6】 その電磁弁の右半分を断面で示す部分縦断面図である。
【図7】 その電磁弁の組み立て時にプランジャ受けをカシメる状態を示す部分縦断面図である。
【図8】 従来のソレノイドのプランジャ吸引時における衝撃緩衝状態を示す部分縦断面図である。
【図9】 そのソレノイドに備えるプランジャ受けを示す縦断面図である。
【符号の説明】
12 プランジャ
13 プランジャ受け
13b 円周凸部
13c 他端開口
20 ストッパ部材
20a 受け部
20b 掛止め部
20c 割溝
25 弾性体

Claims (3)

  1. 通電によりプランジャを吸引したときそのプランジャの基端を受け入れるプランジャ受けを備えるソレノイドにおいて、
    一端側に前記プランジャを吸引したときその基端が突き当たる受け部を設ける一方、他端側に前記プランジャを突出したとき前記プランジャ受けの一部に掛け止める掛止め部を設ける樹脂製のストッパ部材を、前記プランジャ受け内に配置するとともに、そのプランジャ受けと前記ストッパ部材との間に、前記プランジャを吸引したときの衝撃を緩衝する弾性体を配置し、
    杆状をなす前記プランジャの基端に前記ストッパ部材の前記受け部に突き当たるすり鉢状の突当て部を設け、
    筒状をなす前記プランジャ受けの内周のほぼ中間に前記ストッパ部材の前記掛止め部が掛け止められる円周凸部を設け円周凸部の他端側に前記プランジャの前記突当て部の形状に合わせて順次幅広に開口した他端開口を設けてなる、ソレノイド。
  2. 前記ストッパ部材の前記掛止め部の先端をテーパ状に形成し長手方向に掛止め部を撓み可能にする割溝を設けてなる、請求項1に記載のソレノイド。
  3. 前記弾性体をリング状に形成し、該弾性体を、それに前記テーパ状先端を通して前記ストッパ部材の外周に嵌め付けてなる、請求項2に記載のソレノイド。
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