JP4009811B2 - 電子写真装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やレーザビームプリンタ等の電子写真装置に関するものであり、特に静電潜像を現像して用紙に可視化するエンジン部を備えた本体筐体と用紙の給紙を行なうキャビネット部筐体の筐体連結部に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般的に電子写真装置は大容量の用紙を収納する給紙装置等を内蔵したキャビネット部筐体の上部にレーザビームなどよって書かれた感光体の潜像を現像し用紙に転写する印写機構やその転写した用紙上の画像を熱圧力等により用紙に定着させる定着機構などを内蔵する電子写真の本体部筐体が積載されている構造となっている。その２つの筐体連結部には下方のキャビネット部筐体が受けた衝撃を上部の電子写真装置本体部筐体に伝達しないようにゴムなどの防振部材により２つの筐体を連結支持する構造となっている。
【０００３】
従来の構造を図４と図５を用いて説明する。
【０００４】
従来では、図４のように連結支持部には水平方向の支持がないため、防振ゴムの連結支持部１３が変形し上部の電子写真本体部筐体２が矢印の方向に倒れ込んだりずれたりしやすい。
【０００５】
また、図５のように連結支持構造体１３の水平方向を直接固定すると下方キャビネット部筐体１で用紙収納時など水平方向に衝撃を受けた場合、上部電子写真装置本体部筐体２に振動を伝えて印刷障害をおこしてしまう。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従来の筐体連結支持構造体では、円盤状または半球状の単一ゴム部材で上部筐体を支持し上下筐体を連結する構造となっており、下部のキャビネット部で用紙補給動作時の用紙収納用引き出し部の開閉操作などにより大きな衝撃がキャビネット部筐体で発生した場合、その振動が上部の電子写真本体部筐体へ伝わり印刷位置ずれなどの印刷品質に影響を及ぼすといった課題がある。
【０００７】
そのためワッシャ状鋼板と円筒状防振ゴムを多層重ねた構造の支持部材とすることにより、上部の電子写真本体部筐体への振動の伝達を防止する構造が考えられる。 近年の印刷速度の高速化に伴って用紙収納容量が増大するにつれ、用紙補給動作時に用紙収納用引き出し部から受けるキャビネット部への衝撃は大きくなり、それに対応するため連結支持材の厚みはその衝撃を吸収しやすいように大きくする傾向にある。しかし、連結支持部材の厚みが増大するにつれ、その部材は変形しやすくなり、特に上部の筐体電子写真本体の重心が構造上偏っていたり、電子写真装置を設置する床部が不均一の場合、その連結支持部材の変形は著しくなり、その結果支持上部の筐体電子写真本体が傾いたりずれたりすることがある。このような場合、キャビネット部から電子写真本体に接続する用紙搬送路上で用紙通過空間を確保出来なかったり、ペーパガイド変形など不具合が発生し、用紙送行障害を起こしやすいなどの課題がある。
【０００８】
本発明の目的は、これらの従来技術の課題をなくし、高印刷品質を実現するとともに、用紙搬送に影響のない筐体連結部を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、筐体連結部のその多層円筒部の周辺に放射状の防振ゴムのリブを複数配置し、下方キャビネット筐体部から水平方向を支持することにより達成できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図１〜図３により説明する。
【００１１】
図３のように大容量の用紙を収納する給紙装置１０等を内蔵したキャビネット部筐体１の上に４つの連結支持構造体１３により電子写真本体部筐体２を支持している。連結支持構造体１３の構造は図１および図２のように大小のワッシャ状鋼板５とブチルゴムなどの円筒状防振ゴム部材４を交互に層をなしている。その円筒状防振ゴム部材外周に放射状の防振ゴムのリブ６を６箇所以上設置しその防振ゴムのリブ６はカップ状部材３を介してキャビネット部筐体１に接している。なお、防振ゴムのリブ６を６個以上配置することで、強度が保たれる。
【００１２】
なお、ブチルゴムとしてはゴム硬度６０度前後が強度を保つうえで好ましい。
【００１３】
またリブ６に上記ブチルゴムを用いてもよい。
【００１４】
本発明では、水平方向を防振ゴムのリブ６により支持しているので円筒状防振ゴム部材４が変形したり倒れこむことがない。また、キャビネット筐体１が大きな衝撃を受けても、リブ６が若干変形して衝撃を和らげ、更に円筒状防振ゴム部材４で振動が減衰されるので電子写真本体部筐体２に振動が伝わりにくい。
【００１５】
本実施例ではリブ外周にカップリングの部材を介してキャビネット筐体１に接したが直接筐体に接しても同様の効果が得られる。また、リブの設置数や厚みは上下筐体の大きさや重量に応じてかえてもよい。
【００１６】
【発明の効果】
本発明によれば、連結支持部の変形や傾きによる電子写真本体部筐体のずれや倒れを生じることなく、下方キャビネット部筐体からくる水平方向の衝撃を電子写真本体部筐体への振動の伝達を防止して正常な印刷品質を保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例である連結支持部を上面から見た模式図である。
【図２】本発明の一実施例である連結支持部の断面を示す模式図である。
【図３】本発明の電子写真装置の模式図である。
【図４】従来の連結支持部の断面を示す模式図である。
【図５】水平方向を直接固定した連結支持部の模式図である。
【符号の説明】
１…キャビネット部筐体、２…電子写真本体部筐体、３…カップ状部材、４…円筒状防振ゴム部材、５…ワッシャ状鋼板、６…防振ゴムのリブ、７…用紙収納用引き出し部、8…感光体、9…定着機、10…給紙装置、11…ペーパガイド、12…フィードローラ、13…連結支持部。

Claims (2)

1. 大容量の用紙を収納補給する給紙機構を備えたキャビネット部筐体の上に印写機構および定着機構等を内蔵している電子写真本体部筐体を積載している構造の電子写真装置において、
   キャビネット部筐体と電子写真装置本体部筐体との連結部に垂直方向にワッシャ状鋼板と円筒状防振ゴム部材を複数層交互に重ね、その多層円筒構造物の外周に防振ゴムでできた放射状リブを複数配置し、下方のキャビネット部筐体が放射状リブを介して円筒状防振ゴム部材を支持する筐体連結部を設けたことを特徴とする電子写真装置。
2. 円筒状防振ゴムにゴム硬度６０度前後のブチルゴムを用いたことを特徴とする請求項１記載の電子写真装置。

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