JP4008824B2 - 多孔質材料の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)HIPEを形成する工程、
(b)該HIPEを重合して多孔質重合体を得る工程、
(c)該多孔質重合体を脱水して多孔質材料を得る工程とを順に含み、かつ上記工程(b)の工程以降で重合率が70%以上の該HIPE、該多孔質重合体および/または該多孔質材料に重合開始剤と反応し得る化合物および/または不飽和二重結合と反応し得る化合物を添加する。
HIPEの使用原料は、(a)重合性単量体(以下、単に「モノマー」ともいう)、(b)架橋性単量体および(c)界面活性剤を油相を構成する必須成分として含有し、(d)水を、水相を構成する必須成分として含有するものであればよい。さらに、必要に応じて、(e)重合開始剤、(f)塩類、(g)その他の添加剤を油相および/または水相を構成する任意成分として含有するものであってもよい。
上記重合性単量体としては、分子内に1個の重合性不飽和基を有するものであればよく、分散またはHIPE中で重合可能であって気泡を形成できれば特に制限されるものではない。好ましくは少なくとも一部は(メタ)アクリル酸エステルを含むものであり、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを20質量%以上を含むものであり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを35質量%以上を含むものである。重合性単量体として、(メタ)アクリル酸エステルを含有することにより、柔軟性や強靭性に富む多孔質材料を得ることができるため望ましい。
上記架橋性単量体としては、分子内に少なくとも2個の重合性不飽和基を有するものであればよく、上記重合性単量体と同様に、分散またはHIPE中で重合可能であって気泡を形成できれば特に制限されるものではない。
上記界面活性剤としては、HIPEを構成する油相中で水相を乳化し得るものであれば特に制限はなく、従来公知のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を使用することができる。
上記水は、水道水、純水、イオン交換水の他、廃水の再利用を図るべく、多孔質材料を製造して得た廃水をそのまま、または所定の処理を行ったものを使用することができる。上記水の使用量は、連続気泡を有する多孔質材料の使用目的、例えば、吸水剤、衛材、吸油材、防音材、フィルター等によって適宜選択できる。
本発明の目的である非常に短時間でのHIPEの重合を達成するためには、重合開始剤を用いる。該重合開始剤としては、逆相乳化重合で使用できるものであればよく、水溶性、油溶性の何れも使用することができる。
上記塩類としては、HIPEの安定性を改良するために必要であれば使用してもよい。
さらに、他の各種添加剤をこれらが有する性能・機能を付加することにより、製造条件や得られるHIPE特性や多孔質材料の性能の向上につながるものであれば適当に使用しても良く、例えば、pH調整のために、塩基および/または緩衝剤を加えても良い。これらの他の添加剤の使用量については、それぞれの添加の目的に見合うだけの性能・機能、さらには経済性を十分に発揮できる範囲内で添加すればよい。このような添加剤としては、活性炭、無機粉末、有機粉末、金属粉末、消臭剤、抗菌剤、防かび剤、香料、各種高分子などが例示できる。
HIPEの形成方法については、特に制限されるものではなく、従来既知のHIPEの形成方法を適宜利用することができる。以下にその代表的な調製法につき、具体的に説明する。
HIPEの形成装置としては、特に制限されるものではなく従来公知の製造装置を利用することができる。例えば、水相と油相とを混合撹拌するために使用する撹拌機(乳化器)としては、公知の撹拌機、混練機が使用できる。例えば、プロペラ型、櫂型、タービン型などの羽根の撹拌機、ホモミキサー類、ラインミキサー、ピンミルなどが例示でき、これらの何れでもよい。
一般には、少なくとも重合性単量体、架橋性単量体および界面活性剤とを含む油相を構成する成分を所定温度で撹拌し均一の油相を調製し、乳化機に仕込む。一方、水に必要に応じて添加し得る塩類からなる水相を構成する成分を加えながら撹拌し、30〜95℃の所定温度に加温して均一の水相を調製し、乳化機に仕込む。後記する所定温度で効率良く混合撹拌して適度のせん断力をかけ、乳化することによってHIPEを安定に形成することができる。HIPE形成用の水相および油相には、必要に応じて他の成分を添加してもよい。
HIPEの形成温度(以下、乳化温度ともいう。)は、70〜110℃の範囲、より好ましくは80〜110℃の範囲である。HIPEの形成温度が70℃未満の場合には、硬化温度によっては加熱に長持間を有する場合があり、一方、HIPEの形成温度が110℃を超える場合には、形成したHIPEの安定性に劣る場合がある。なお、本明細書における乳化温度とは、重合開始剤の添加によってHIPEが重合を開始する際のHIPEの温度をいうものとする。従って、HIPEの調整時に水相および油相の温度が常に70〜110℃の範囲にある必要はない。このため、油相および/または水相の温度を予め所定の乳化温度に調整しておいて撹拌・混合して乳化し、最終的に上記温度範囲のHIPEを形成することができる。
こうして得られるHIPEの水相/油相(W/O)比(質量比)は、連続気泡を有する多孔質材料の使用目的(例えば、吸水材、吸油材、防音材、フィルターなど)等によって適宜選択することができるものであり、特に制限されるものではなく、先に規定したとおり3/1以上のものであればよいが、好ましくは10/1〜250/1、特には10/1〜100/1である。なお、W/O比が3/1未満の場合には、多孔質材料の水やエネルギーを吸収する能力が不充分で、開口度も低くなり、得られる多孔質材料の表面の開口度が低くなり、十分な通液性能等が得られないおそれがある。但し、W/O比を変化させることによって多孔質材料の空孔比率が決定される。したがって、用途、目的に合致する空孔比率になるようにW/O比を選択することが望ましい。例えば、オムツや衛生材料等その他各種吸収材として使う場合、W/O比は10/1〜100/1程度とするのが好ましい。なお、水相と油相との撹拌・混合により得られるHIPEは、通常、白色、高粘度のエマルションである。
HIPEは重合開始剤の添加後に重合を開始する。本発明では、温度70℃以上のHIPEに重合開始剤を添加して重合を開始させる。このため、HIPEの安定性の観点から、所定温度にHIPEを形成させた後に重合開始剤を添加させることが好ましい。
(a)HIPEの賦形および重合
本発明においては、HIPEを賦形し重合するには、HIPEの形成において連続的に水相および油相を乳化機に供給してHIPEを形成し、得られたHIPEを重合して多孔質重合体を得、その後に多孔質重合体を脱水する工程を連続的に行う「連続法」や、適当な量の水相および油相を乳化機に供給し、乳化機内のHIPEを用いて多孔質重合体を得、次いでこれを脱水する「バッチ法」のいずれでもよい。しかしながら、HIPEを連続的に重合する連続重合法は生産効率が高く、重合時間の短縮効果と重合装置の短縮化とを最も有効に利用できるので好ましい方法である。すなわち、HIPEの形成、多孔質重合体を得る工程、多孔質材料を得る工程が連続的に行われることが好ましい。
本発明に用いることのできる重合装置は、特に制限されるものではなく、例えば、温度調整装置を備えたベルトコンベア方式の連続重合機、連続式注型重合機などを使用できる。もちろん、バッチ式重合槽やバッチ式注型重合機を用いることもできる。
HIPEは従来公知の方法で重合させることができる。従って、上記重合装置にHIPEを供給し、加熱することで多孔質重合体を得ることができる。
また、HIPEの重合時間は、1分〜20時間の範囲である。好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内、特に好ましくは1〜20分の範囲である。重合時間が20時間を超える場合には、生産性に劣り工業的に好ましくない場合がある。特に、重合は賦形後に行われることから、賦形後の重合槽の効率化をはかることができ、重合時間を短くすることで連続的なシート状物の製造においては重合台長さを短くすることができる。なお、1分未満の場合には、多孔質材料の強度が十分でない場合がある。勿論上記より長い重合時間を採用することを排除するものではない。なお、重合後は、所定の温度まで冷却ないし徐冷されるが、特に限定されず、重合された多孔質材料を冷却することなく、後述する脱水や圧縮などの後処理工程に移行しても良い。
重合完結により形成された多孔質重合体は、通常、圧縮、減圧吸引およびこれらの組み合わせによって脱水して多孔質材料とする。一般に、こうした脱水により、使用した水の50〜98質量%の水が脱水され、残りは多孔質材料に付着して残る。
本発明では、上記HIPEを重合して多孔質重合体を得る工程以降、すなわち該工程の途中またはその後のいずれかの工程において重合開始剤と反応し得る化合物および/または不飽和二重結合と反応し得る化合物を添加する。具体的には、重合率が70%以上のHIPEに重合開始剤と反応し得る化合物および/または不飽和二重結合と反応し得る化合物を添加することを特徴とする。
本発明で使用する重合開始剤と反応し得る化合物としては、重合開始剤の作用機序にかかわらず、重合開始剤の作用を低減し、または該化合物と反応し得ることができる化合物であればよい。従って、重合開始剤として過酸化物を使用した場合には還元剤を使用し、還元剤としては、水溶性還元剤、油溶性還元剤の双方を使用することができる。
不飽和二重結合と反応し得る化合物としては以下の化合物がある。例えば、アンモニア、アンモニア塩、アルキルアミンもしくはその塩、ヒドロキシルアミン、リジンもしくはその塩等のアミノ基含有化合物;ハロゲン化水素、ブロモスクシンイミド、臭化ピリジウム、過臭化ジオキサン等のハロゲン含有化合物、アセチルアセトネート等のアセチル基含有化合物、活性水素を含むマクロネート等の活性水素含有化合物、過マンガン酸、重クロム酸、クロム酸、二酸化セレニウム、オゾン等のビニル二重結合を酸化する化合物、亜硫酸アルカリ、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸などの硫黄含有化合物、アルキルもしくはアリール、または置換アルキルもしくは置換アリールスルフィン酸等、またはその水溶性塩等のスルフィン含有化合物、ジ亜リン酸のアルカリ金属塩等のジ亜リン酸含有化合物、システインまたはその水溶性塩等の硫黄含有アミノ酸、L−ヒスチジン、5−アミノ−4−(アミノカルボニル)−イミダゾール塩、4−ヒドロキシメチルイミダゾール塩酸塩、4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール塩、イミダゾール−4−酢酸、イミダゾール−4,5−ジカルボキシアミド、2−イソプロピルイミダゾール、2−メチル−4−ニトロイミダゾール、4−ニトロイミダゾール、2−エチル−4−ニトロイミダゾール、2−エチルイミダゾール、ウロカニン酸、ヒスタミン等のイミダゾール誘導体、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾ−ル等のピラゾール誘導体、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、4−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、4−ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、ピペラジン、1−ピペラジンエタノール、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、トランス2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン誘導体、モルホリン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、モルホリン脂肪酸等のモルホリン誘導体、3−ニトロピロール、3−アミノピロール等ピロール誘導体が例示できる。本発明では、これらの1種を単独で使用するほか、2種以上を併用することができる。
上記重合開始剤と反応し得る化合物や不飽和二重結合と反応し得る化合物を添加するには、これらの化合物を水やアルコール、アセトンその他のこれらの化合物を溶解できかつHIPEや多孔質重合体、多孔質材料の品質に影響を及ぼさない溶媒に溶かして使用することが簡便である。このような溶媒としては、水、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、エーテル、THF等の水溶性の溶媒がある。本発明では、特に水溶性の重合開始剤と反応し得る化合物や不飽和二重結合と反応し得る化合物を溶解する場合には水を使用することが好ましく、油溶性の還元剤や不飽和二重結合と反応し得る化合物を使用する場合には、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類のほか、鉱物油、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素などを使用することが好ましい。
本発明で重合開始剤と反応し得る化合物および/または不飽和二重結合と反応し得る化合物を添加するのは、HIPEの重合途中でもよく、HIPEを重合して多孔質重合体を得た後、またはこれを脱水して多孔質材料を得る工程またはその後の工程のいずれでもよい。少なくともHIPEの一部が重合を開始し、過剰に添加された重合開始剤を除去しても多孔質重合体または多孔質材料が得られる段階であればよい。最終的に得られる多孔質材料の物性面から前記化合物の添加は、重合率が70%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
(a)圧縮
本発明の多孔質材料は、元の厚みの数分の1に圧縮した形態にすることができる。圧縮したシート状などの形態は、元の多孔質材料に比べて容積が小さく、輸送や貯蔵のコストを低減できる。圧縮形態の多孔質材料は、多量の水に接すると吸水して元の厚みに戻る性質があり、吸水速度は元の厚みのものより速くなる特徴がある。輸送や在庫スペースの節約、取り扱いやすさの点から、元の厚みの1/2以下に圧縮するのが効果的である。より好ましくは元の厚みの1/4以下に圧縮するのがよい。
多孔質材料の表面状態を改良するなどの目的で、多孔質材料を純水や任意の添加剤を含む水溶液、溶剤で洗浄してもよい。
以上の工程で得られた多孔質材料は、必要であれば、熱風、マイクロ波などで加熱乾燥してもよく、また加湿して水分を調整してもよい。
以上の工程で得られた多孔質材料は、必要であれば、所望の形状、サイズに切断して各種用途に応じた製品に加工してもよい。
洗浄剤、芳香剤、消臭剤、抗菌剤などの添加剤を含浸加工して機能性を付与することもできる。
多孔質材料を約10g切り出し、減圧乾燥機(TABAI,VACUUME OVEN LHV−122)を用いて150℃で2時間減圧乾燥した。乾燥前後の質量(g)を精秤し、含水率は下式より算出した。
多孔質材料15gに対して1200gのイオン交換水を加え1時間放置した。その後、ホモジナイザー(特殊機化工業(株)製 製品番号DH−L)中で30秒間800rpmで攪拌した。攪拌後、ろ過してろ液を回収した。
1mm角程度に細かく裁断した多孔質材料1gをアセトニトリル50g中に1時間攪拌し分散させた。攪拌後、0.2μmのろ紙で吸引ろ過しろ液を得た。ろ液を高速液体クロマトグラフィー((株)東ソー社製 LC−8020、カラム:ODS−80Ts)、キャリアー:アセトニトリル/イオン交換水=80/20、流速:1.0ml/min、温度:40℃、検出器:UV−8020)を用いて残存モノマー量を測定し、該多孔質材料の含水率から固形分当たりの残存モノマー質量%を算出した。また、重合率については下式に従って計算した。
製造直後と60℃1ケ月間放置後の多孔質材料の吸水倍率を測定して保存安定性の評価をした。
2−エチルヘキシルアクリレート5.1質量部(以下、単に「部」と称する)、42%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)3.1部、1,6−へキサンジオールジアクリレート1.1部からなる単量体成分、界面活性剤としてグリセリンモノオレエート0.6部、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート0.1部を均一に溶解して、油相混合物溶液(以下、「油相」と称する)を調整した。一方、塩化カルシウム18部をイオン交換水425部溶解して、水相水溶液(以下、「水相」と称する)を調整し、95℃に加温した。油相と水相を上記比で連続的に乳化機である攪拌混合機内に供給し連続的にHIPEを形成させた。なお、水相と油相の比は44.3/1であった。
多孔質材料(1)を10g切り出し0.2質量%のL−アスコルビン酸ナトリウム水溶液を1gをスプレーで噴霧した。噴霧後、25℃、相対湿度40%で16時間風乾し多孔質材料(2)を得た。多孔質材料(2)の含水率は19質量%で、残存重合開始剤量は5.5ppm、重合率は99(%)、残存モノマー量は150(ppm)であった。なお、以下の実施例及び比較例で製造した多孔質材料について、製造直後と1ヶ月後の吸水倍率、および保存安定性を表1に示す。
実施例1で0.2質量%のL−アスコルビン酸ナトリウム水溶液を1gスプレーで噴霧後、130℃で2分間熱風乾燥する他は、実施例1と同じ操作を行い、多孔質材料(3)を得た。多孔質材料(3)の含水率は18質量%で、残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は140(ppm)であった。
実施例1で0.2質量%のL−アスコルビン酸ナトリウム水溶液を1gスプレーで噴霧後、90℃で3分間熱風乾燥する他は、実施例1と同じ操作を行い、多孔質材料(4)を得た。多孔質材料(4)の含水率は21質量%で、残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は170(ppm)であった。
実施例1で0.2質量%のL−アスコルビン酸ナトリウム水溶液の変わりに、0.2質量%のエリソルビン酸ナトリウム水溶液に変える他は実施例1と同じ操作を行い、多孔質材料(5)を得た。多孔質材料(5)の含水率は20質量%で、残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は120(ppm)であった。
実施例4で0.2質量%のエリソルビン酸ナトリウム水溶液を1gスプレーで噴霧後、130℃で2分間熱風乾燥する他は、実施例4と同じ操作を行い、多孔質材料(6)を得た。多孔質材料(6)の含水率は19質量%で残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は150(ppm)であった。
実施例5で0.1質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液に変える他は実施例5と同じ操作を行い、多孔質材料(7)を得た。多孔質材料(7)の含水率は20質量%で残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は70(ppm)であった。
2−エチルヘキシルアクリレート5.1部、42%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)3.1部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.1部からなる単量体成分、界面活性剤としてグリセリンモノオレエート0.6部、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート0.1部を均一に溶解して、油相混合物溶液を調整した。一方、塩化カルシウム18部をイオン交換水425部溶解して、水相水溶液を調整し、95℃に加温した。油相と水相を上記比で連続的に乳化機である攪拌混合機内に供給し連続的にHIPEを形成させた。なお、水相と油相の比は44.3/1であった。
実施例7で5.8質量%のL−アスコルビン酸ナトリウム水溶液を連続噴霧量を100g/分から50g/分に変える他は実施例7と同じ操作をし、多孔質材料(9)を得た。多孔質材料(9)の含水率は68%で残存重合開始剤量は25ppm、重合率は99(%)、残存モノマー量は150(ppm)であった。
多孔質材料(9)を25℃・相対湿度40%で16時間風乾し、多孔質材料(10)を得た。多孔質材料(10)の含水率は18%で残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は110(ppm)であった。
多孔質材料(9)を120℃で3分間熱風乾燥し、多孔質材料(11)を得た。多孔質材料(11)の含水率は15%で残存重合開始剤量は検出されず、重合率は99(%)、残存モノマー量は100(ppm)であった。
2−エチルヘキシルアクリレート5.1部、42%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)3.1部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.1部からなる単量体成分、界面活性剤としてグリセリンモノオレエート0.6部、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート0.1部を均一に溶解して、油相混合物溶液を調整した。一方、塩化カルシウム18部をイオン交換水425部溶解して、水相水溶液を調整し、95℃に加温した。油相と水相を上記比で連続的に乳化機である攪拌混合機内に供給し連続的にHIPEを形成させた。なお、水相と油相の比は44.3/1であった。得られたHIPEを連続的に攪拌混合機より抜き出し、あらかじめ95℃に加熱し、周囲に加熱、保温部材を具備したスタティックミキサーの入口より別途重合開始剤としての過硫酸ナトリウム0.5部を6部のイオン交換水に溶解した液を送りHIPEと重合開始剤を連続的に混合した。これにより最終的に水相と油相の比は45/1になった。このHIPEを、あらかじめ95℃に加熱し周囲に加熱・保温部材を具備したフレキシブルチューブを通して、95℃に加熱され、かつ水平に設置された1.2m/分で走行するベルト上に幅約50cm、厚み約5mmのシート状に連続的に成形した。続いて重合温度が95℃に制御された重合ゾーンを通過させた。ベルト上のHIPEが重合ゾーンに入って5分後に通過したところで、3.0質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を重合ゾーンの中で100g/分で連続噴霧した。重合ゾーン通過5分直後の亜硫酸水素ナトリウム噴霧前の重合率は93%であり、残存重合開始剤は980ppmであった。噴霧後さらに5分間重合ゾーンを通過させた後、圧縮脱水し、多孔質材料(12)を得た。
多孔質材料(1)を25℃・相対湿度40%で16時間風乾し、比較多孔質材料(1)を得た。比較多孔質材料の含水率は21%で残存重合開始剤量は750ppm、重合率は99(%)、残存モノマー量は320(ppm)であった。
多孔質材料(1)を120℃で3分間熱風乾燥し、比較多孔質材料(2)を得た。比較多孔質材料(2)の含水率は18%で残存重合開始剤量は380ppm、重合率は99(%)、残存モノマー量は280(ppm)であった。
多孔質材料(1)を150℃で1分間熱風乾燥し、比較多孔質材料(2)を得た。比較多孔質材料(2)の含水率は14%で残存重合開始剤量は230ppm、重合率は99(%)、残存モノマー量は270(ppm)であった。
2−エチルヘキシルアクリレート5.1部、42%ジビニルベンゼン(他成分はp−エチル−ビニルベンゼン)3.1部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.1部からなる単量体成分、界面活性剤としてグリセリンモノオレエート0.6部、ジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェート0.1部を均一に溶解して、油相混合物溶液を調整した。一方、塩化カルシウム18部をイオン交換水425部溶解して、水相水溶液を調整し、95℃に加温した。油相と水相を上記比で連続的に乳化機である攪拌混合機内に供給し連続的にHIPEを形成させた。なお、水相と油相の比は44.3/1であった。得られたHIPEを連続的に攪拌混合機より抜き出し、あらかじめ95℃に加熱し、周囲に加熱、保温部材を具備したスタティックミキサーの入口より別途重合開始剤としての過硫酸ナトリウム0.5部を6部のイオン交換水に溶解した液を送りHIPEと重合開始剤を連続的に混合した。これにより最終的に水相と油相の比は45/1になった。このHIPEを、あらかじめ95℃に加熱し周囲に加熱・保温部材を具備したフレキシブチューブを通して、95℃に加熱され、かつ水平に設置された1.2m/分で走行するベルト上に幅約50cm、厚み約5mmのシート状に連続的に成形した。成形直後に10質量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を100g/分で連続噴霧した。成形直後のHIPEの重合率は37%であった。続いて重合温度が95℃に制御された重合ゾーン10分間で通過させた。重合ゾーンを通過したHIPEの重合率は70%で、硬化状態が不十分のため多孔質材料が製造できなかった。このため、含水率、残存重合開始剤、残存モノマー、吸水倍率の測定を行うことはできなかった。
Claims (8)
- 分子内に1個の重合性不飽和基を有する重合性単量体とアゾ化合物、過硫酸塩および過酸化物からなる群から選択される1種または2種以上の重合開始剤とを含む油中水型高分散相エマルションを70〜150℃にて重合して多孔質重合体を得る工程を含む多孔質材料の製造方法であり、重合率が70%以上である該エマルション、該多孔質重合体および/または該多孔質材料に、還元剤および/またはアミノ基含有化合物、ハロゲン含有化合物、アセチル基含有化合物、活性水素含有化合物、ビニル二重結合を酸化する化合物、硫黄含有化合物、スルフィン含有化合物、ジ亜リン酸含有化合物、硫黄含有アミノ酸、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体及びピロール誘導体からなる群から選択される1種もしくは2種以上の不飽和二重結合と反応し得る化合物を添加する工程を含む多孔質材料の製造方法。
- 該還元剤が、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸塩、亜ジチオン酸またはその塩、L−アスコルビン酸またはその塩、エリソルビン酸またはその塩、2価の鉄塩、1価の銅塩、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、グルコース、デキストロース、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、シュウ酸、有機アミン化合物および有機酸遷移金属塩からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1記載の製造方法。
- 該重合開始剤が過硫酸塩である、請求項1または2記載の製造方法。
- 前記重合開始剤が、前記エマルションを70〜110℃に加熱した後に前記エマルションに添加される、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記重合に要する重合時間が1分間〜1時間である、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
- 該添加方法が、該エマルション、該多孔質重合体、および/または該多孔質材料に、該重合開始剤と反応し得る化合物および/または該不飽和二重結合と反応し得る化合物を液状で噴霧するものである、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
- 該添加方法が、該エマルション、該多孔質重合体、および/または該多孔質材料を、該重合開始剤と反応し得る化合物および/または該不飽和二重結合と反応し得る化合物を含有する溶液への浸漬である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
- 油中水型高分散相エマルションの形成、多孔質重合体を得る工程、多孔質材料を得る工程が連続的に行われることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の製造方法。
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