JP4008397B2 - グリル - Google Patents
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Description
コンロ本体(1)に形成された焼成庫(2)内の上部には加熱源たるグリルバーナ(21)が配設されていると共に、その下方には下扉(23)と共に引き出し可能なグリルパン(22)と、これに載置された焼き網(24)が位置している。
『加熱源を備えた焼成庫(2)と、
前記焼成庫(2)の庫内入口(25)を開閉する開閉扉と、
前記焼成庫(2)内の排気を排出する排気通路(31)と、
前記排気の流れを抑制する排気抑制部材とを備えたグリル』において、調理後に開閉扉を開放した際に、焼成庫(2)に溜まった排気が庫内入口(25)から溢れて使用者に不快感を与えることを防止することをその課題とする。
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の技術的手段は、
『前記排気抑制部材は、前記排気の流れを抑制する排気抑制状態と該排気抑制状態に比べて前記排気の流れを増加させる排気非抑制状態との2つの状態に変化するものであり、
前記開閉扉と前記排気抑制部材を連動させる排気抑制部材連動手段が設けられ、
前記排気抑制部材連動手段は、前記排気抑制部材を、前記開閉扉の開放動作に連動して前記排気抑制状態から前記排気非抑制状態に変化させる』ことである。
上記技術的手段によれば、調理中は、既述従来のものと同様に、排気抑制部材が排気の流れを抑制し、これにより、焼成庫(2)に高温の排気が溜まり易くなり、焼成物(4)となる食材を効率的に加熱することができる。
従って、焼成庫(2)に溜まった高温の排気は、排気通路(31)を経由して円滑に大気に排出され、高温の排気が庫内入口(25)から器具使用者側に溢れる不都合を防止できる。
請求項1に係る発明に於いて、
『前記排気抑制部材は、
前記開閉扉の開放動作に連動して、排気の流れに与える抵抗が大きい姿勢から前記抵抗が小さい姿勢に回動する回動板である』ものでは、開閉扉を開放操作すると、回動板が排気の流れに与える抵抗が小さくなり(排気非抑制状態)、排気が排気通路(31)から大気中に円滑に排出される。
又、排気抑制部材として回動板を採用したから、該回動板の回動角度を変化させるだけで排気の流れに対する抵抗を変化させることができ、簡単な構成で排気抑制状態と排気非抑制状態との間で状態を変化させることができる。
請求項2に係る発明に於いて、
『前記回動板は、前記焼成庫(2)の後側開口上部を閉塞する奥壁であり、起立した排気抑制状態から倒れるように回動することにより前記後側開口上部を開放した前記排気非抑制状態になる』ものでは、開閉扉の開放動作に連動して回動板が起立状態(焼成庫(2)の後側開口上部を閉塞した排気抑制状態)から倒れるように回動して開放動作し、これにより、焼成庫(2)に溜まった排気が排気通路(31)を経て外部に排出される。
請求項3に係る発明に於いて、
『前記開閉扉の開放動作に連動して前記焼成庫(2)の庫内入口(25)から脱出する方向に移動するグリルパンが設けられており、
前記回動板は、前記排気抑制状態から前記排気非抑制状態になるときは前記起立した状態から後方へ倒れるように回動するものであり、
前記回動板には、前記起立した状態で前記グリルパンに対して後方から当接する垂下脚が連設されており、
前記グリルパン及び垂下脚が前記排気抑制部材連動手段である』ものでは、開閉扉を閉じた調理中には、焼成庫(2)の後側開口上部を閉塞する回動板に連設された垂下脚がグリルパンに対して後方から当接しており、これにより、前記回動板が起立した排気抑制状態に維持されている。又、この排気抑制状態では、焼成庫(2)に於ける前記回動板の下端より上方空間には高温の排気が溜まり、該空間に貯留し切れなくなった余剰排気が前記回動板の下端から溢れて排気通路(31)側へ排出される。
請求項3に係る発明に於いて、
『前記開閉扉の裏面には、グリルパンを下方から支持する支持体が連設されており、
前記回動板は、前記排気抑制状態から前記排気非抑制状態になるときは前記起立した状態から後方へ倒れるように回動するものであり、
前記回動板には、前記起立した状態で前記支持体に対して後方から当接する垂下脚が連設されており、
前記支持体及び垂下脚が前記排気抑制部材連動手段である』ものでは、グリルパンを下方から支持する支持体が、前記請求項4の発明のグリルパンの代わりに前記回動板の垂下脚に前方から当接して該回動板を起立させた排気抑制状態に維持する。
請求項3から請求項5に係る発明に於いて、
『前記回動板で開閉される前記焼成庫(2)の後側開口上部の外周壁後面には、前記起立した回動板の上辺とこれに連なる両側辺から更に外周側に張り出した重なり代が後方から重なる構成である』ものでは、前記重なり代を設けたから、重なり代を設けない場合(例えば、前記後側開口上部より回動板が小さい場合)のように、回動板が起立した排気抑制状態で回動板の外周域から排気通路(31)側に排気が漏出することがなく、熱効率の低下を防止することができる。
請求項3から請求項6に係る発明に於いて、
『前記焼成庫(2)の天井壁は、前方から前記後側開口に向かって高くなるように傾斜している』ものでは、排気抑制部材たる回動板が起立した排気抑制状態では、焼成庫(2)内の排気は、前記回動板の下端より上方の空間に滞留し、余剰排気が回動板の下端から排気通路(31)側に漏れて排気される。
調理終了後に庫内入口(25)の開閉扉を開放すると、これに連動して排気抑制部材が排気抑制状態から排気非抑制状態になるから、焼成庫(2)に溜まった高温の排気が排気通路(31)を経由して円滑に大気に排出され、高温の排気が庫内入口(25)から器具使用者側に溢れる不都合が防止できる。
図1は本発明のグリルを備えたテーブルコンロの断面図であり、コンロ本体(1)内には、加熱源たるグリルバーナ(21)で加熱される焼成庫(2)が形成されていると共に、該焼成庫(2)の庫内入口(25)は開閉扉(29)で開閉されるようになっている。又、焼成庫(2)の後側開口(41)の上部(41A)は排気抑制部材を構成する既述回動板たる奥壁(48)で開閉されるようになっている。尚、後側開口(41)のうち、奥壁(48)で開閉されない下部(41B)は開放状態となっている。又、前記後側開口(41)の後方には上端の排気口(32)に繋がる排気通路(31)が形成されており、図1のように奥壁(48)が起立して前記後側開口(41)の上部(41A)が閉じられた排気抑制状態では、焼成庫(2)から溢れた排気は奥壁(48)の下方である後側開口(41)の下部(41B)を通過して排気通路(31)側に移動するようになっている。
尚、本実施の形態では、上記加熱庫(2),グリルバーナ(21),開閉扉(29),奥壁(48),排気通路(31)及び後述するグリルパン(44)等によって本願発明の対象たるグリルが構成されている。
[焼成庫(2)の構造]
焼成庫(2)は、上下に扁平な直方体状に形成されており、その天井壁(20)には多数の炎孔(a)(a)が穿設された燃焼プレート(210)を備えたグリルバーナ(21)が設けられている。又、天井壁(20)は焼成庫(2)の庫内入口(25)から後側開口(41)に向かって次第に高くなるように傾斜しており、これにより、後述する奥壁(48)が後方へ回動して後側開口(41)の上部(41A)が開いた排気非抑制時に焼成庫(2)内の排気が天井壁(20)の傾斜に案内されて円滑に排気されるようになっている。
焼成庫(2)の庫内入口(25)を覆う開閉扉(29)には、庫内底壁(43)上を前後に摺動する矩形皿状のグリルパン(44)が連設されており、該グリルパン(44)には焼き網(24)が載置されている。
図1〜図3に示すように、焼成庫(2)の更に奥には上下に延びる排気通路(31)が連続していると共に、該排気通路(31)の排気口(32)は、透孔(50)(50)を備えた排気ガード(5)で閉塞されている。
又、排気通路(31)には、後述する奥壁(48)を最大開度位置に保持する丸棒状のストッパ(49)が水平配設されている。
焼成庫(2)の後側開口(41)の略上半分である上部(41A)を開閉する排気抑制部材たる奥壁(48)の下端の両側側部からは下方に垂下脚(53)(54)(請求項1、4の発明特定事項たる「排気抑制部材連動手段」の一部)が延長していると共に、前記奥壁(48)の下端部の両側部からは側方に支軸(56)が突出しており、該支軸(56)で奥壁(48)が排気通路(31)の両側壁(33)(33)に回動自在に支持されている。そして、開閉扉(29)が閉じられてグリルパン(44)が焼成庫(2)内に押し込まれた状態では、該グリルパン(44)の後辺フランジ(440)(請求項1、4の発明特定事項たる「排気抑制部材連動手段」の一部)で前記垂下脚(53)(54)が奥側に押されて奥壁(48)が起立され、これにより、排気抑制状態になっている。
尚、コンロ本体(1)の上面には、コンロ用ガスバーナ(12)とこれを包囲する五徳(13)が配設されている。
次に、本実施の形態に係るグリルの動作の実際を説明する。
先ず、図1の想像線で示すように、焼き網(24)に焼成物(4)となる食材を載置してグリルバーナ(21)を燃焼させると、該グリルバーナ(21)からの排気は、排気抑制状態たる起立姿勢にある奥壁(48)の下端(481)より上方の焼成庫(2)内に滞留し、これにより、焼成庫(2)に熱気が篭って焼成物(4)を効率的に加熱調理することができる。又、グリルバーナ(21)の燃焼継続によって、焼成庫(2)に収容し切れなくなった余剰排気は奥壁(48)の下端(481)の下方を通って排気通路(31)から外部に排出される。
従って、開閉扉(29)の開放時に、焼成庫(2)内の高温排気が庫内入口(25)から吐出されず、器具使用者に不快感を与える心配がない。
1.上記実施の形態では、開閉扉(29)の裏面に連設したグリルパン(44)で奥壁(48)の下端の垂下脚(53)(54)を後方へ押して排気抑制状態に維持するようにしたが、図5に示すように、グリルパン(44')を下方から支持する支持体(61)を開閉扉(29)の裏面に連設し、該支持体(61)で奥壁(48)の垂下脚(53)(54)を後方へ押し込むようにしてもよい。このものでは、前記支持体(61)及び垂下脚(53)(54)の組み合わせが、請求項1、5の発明特定事項たる「排気抑制部材連動手段」に対応している。
そして、図5の(A)に示すように、支持体(61)の後方突出部(61b)(61b)で奥壁(48)に連設された垂下脚(53)(54)を後方に押し込み得るように構成する。
(22)・・・天井壁
(25)・・・庫内入口
(29)・・・開閉扉
(31)・・・排気通路
(41)・・・後側開口
(44)・・・グリルパン
(48)・・・奥壁
Claims (7)
- 加熱源を備えた焼成庫(2)と、
前記焼成庫(2)の庫内入口(25)を開閉する開閉扉と、
前記焼成庫(2)内の排気を排出する排気通路(31)と、
前記排気の流れを抑制する排気抑制部材とを備えたグリルにおいて、
前記排気抑制部材は、前記排気の流れを抑制する排気抑制状態と該排気抑制状態に比べて前記排気の流れを増加させる排気非抑制状態との2つの状態に変化するものであり、
前記開閉扉と前記排気抑制部材を連動させる排気抑制部材連動手段が設けられ、
前記排気抑制部材連動手段は、前記排気抑制部材を、前記開閉扉の開放動作に連動して前記排気抑制状態から前記排気非抑制状態に変化させる、グリル。 - 請求項1に記載のグリルに於いて、
前記排気抑制部材は、前記開閉扉の開放動作に連動して、排気の流れに与える抵抗が大きい姿勢から前記抵抗が小さい姿勢に回動する回動板である、グリル。 - 請求項2に記載のグリルに於いて、
前記回動板は、前記焼成庫(2)の後側開口上部を閉塞する奥壁であり、起立した排気抑制状態から倒れるように回動することにより前記後側開口上部を開放した前記排気非抑制状態になる、グリル。 - 請求項3に記載のグリルに於いて、
前記開閉扉の開放動作に連動して前記焼成庫(2)の庫内入口(25)から脱出する方向に移動するグリルパンが設けられており、
前記回動板は、前記排気抑制状態から前記排気非抑制状態になるときは前記起立した状態から後方へ倒れるように回動するものであり、
前記回動板には、前記起立した状態で前記グリルパンに対して後方から当接する垂下脚が連設されており、
前記グリルパン及び垂下脚が前記排気抑制部材連動手段である、グリル。 - 請求項3に記載のグリルに於いて、
前記開閉扉の裏面には、グリルパンを下方から支持する支持体が連設されており、
前記回動板は、前記排気抑制状態から前記排気非抑制状態になるときは前記起立した状態から後方へ倒れるように回動するものであり、
前記回動板には、前記起立した状態で前記支持体に対して後方から当接する垂下脚が連設されており、
前記支持体及び垂下脚が前記排気抑制部材連動手段である、グリル。 - 請求項3から請求項5の何れかに記載のグリルに於いて、
前記回動板で開閉される前記焼成庫(2)の後側開口上部の外周壁後面には、前記起立した回動板の上辺とこれに連なる両側辺から更に外周側に張り出した重なり代が後方から重なる構成である、グリル。 - 請求項3から請求項6の何れかに記載のグリルに於いて、
前記焼成庫(2)の天井壁は、前方から前記後側開口に向かって高くなるように傾斜している、グリル。
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