JP4008160B2 - スロットマシンの扉開放検出用ドアセンサ保護構造 - Google Patents
スロットマシンの扉開放検出用ドアセンサ保護構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機としてのスロットマシンに装備される扉開放検出用ドアセンサを保護するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スロットマシンにおいては、リール装置や制御ボックスなどを収納する筐体の前方開口部に、リール表示窓などの表示部及び操作部を有する前扉がその左側側辺部をヒンジ側として開閉可能に取り付けられており、この前扉には管理者以外の者が開放するのを防止するために施錠装置が設けられている。また、パチンコ機においては、遊技盤や操作ハンドルなどを備えた表板が機枠に対し開閉可能に取り付けられているとともに、表板の遊技盤を覆うガラス扉が表板に開閉可能に取り付けられており、上記表板及びガラス扉にも施錠装置が設けられている(実開平3−67686号公報参照)。
【0003】
しかし、上記スロットマシンの前扉あるいはパチンコ機の表板やガラス扉など遊技機の遊技面を構成する扉は、施錠装置を設けている場合でも不正目的のために無断で開放される虞があり、これを未然に防止するために、施錠装置とは別に不正警報装置を装備することが古くから提案され、実用化されている。例えば実公昭39−7581号公報及び同40−9157号公報には、パチンコ機における表板の向かって左側であるヒンジ側の側辺部又は右側である開放側の側辺部に対応する機枠の前縁部にドアセンサを設け、このドアセンサにより表板の開状態を検出したときには、遊技機自体又は遊技場の制御室などに設けたブザーやパイロットランプなどからなる警報器を作動させ、音や光で警報を発するようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、遊技機の扉開放検出用に一般に使用されるドアセンサは、所定の作動ストロークを有するプッシュ型センサや光センサなどからなり、扉が閉状態から所定量開かれるまでは作動しない不感帯領域を有していることから、その取付位置との関係で次のような問題がある。
【0005】
すなわち、ドアセンサが扉のヒンジ側側辺部又はこれと対向する遊技機の枠部(スロットマシンにおける筐体の前方開口部やパチンコ機における機枠の前縁部など)に取り付けられている場合、扉の開き度合いが比較的大きくないとドアセンサは扉の開状態を検出することができないため、扉を少しこじ開けて扉と枠部との隙間から不正行為が行われる虞がある。
【0006】
一方、ドアセンサが扉の開放側側辺部又はこれと対向する遊技機の枠部に取り付けられている場合、扉の開き度合いが小さくてもその開状態を検出することができる利点があるが、ドアセンサ自体が不正行為の目標に晒される虞がある。また、この場合にもドアセンサの不感帯領域の限度まで扉をこじ開け、その僅かの隙間から板状のものやワイヤを差し込んで、遊技機の内部スイッチやセンサ(例えばスロットマシンであればメダル検出センサなど、パチンコ機であれば遊技盤の玉入賞センサなど)を誤作動させたり、設定を変えたりする不正行為が行われる虞もある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、特に、スロットマシンにおけるドアセンサの取付位置が後者の場合、つまりドアセンサが前扉の開放側側辺部に取り付けられている場合の不正行為の防止対策の一環として、ドアセンサ自体の不正行為を防止し得るスロットマシンの扉開放検出用ドアセンサ保護構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、リール装置を収容する筐体の前方開口部に、遊技面を構成する前扉がその一側辺部にてヒンジなどの回動軸回りに開閉自在に取り付けられており、この前扉の開状態を検出するドアセンサが前扉の開放側側辺部の裏面に設けられたスロットマシンにおいて、以下のような構成にする。すなわち、上記ドアセンサは、前扉の閉状態のときその状態を外部に出力し、閉状態から所定量開かれるまでは閉状態の出力を保持する不感帯領域を有するものであり、上記筐体の側壁部に、上記前扉の閉状態でその開放側側辺部と筐体の側壁部とが当接する箇所に沿って、少なくとも上記ドアセンサの側方近傍を覆うカバー部材を取り付ける。また、上記カバー部材を、筐体の側壁部の内面に当接して固定された固定部と、この固定部の前縁から筐体の側壁部の前端面に沿って直角に折り曲げられかつ上記ドアセンサが当接可能な当接部と、この当接部の外縁から直角に折り曲げて前方へ突出する突出部とを有する構成にし、この突出部を、前扉の閉状態のとき上記ドアセンサの外側に位置させるとともに、このドアセンサの不感帯領域内で前扉を開いたときでもその開放側側辺部と筐体の側壁部との隙間を塞ぐのに十分な突出寸法に設定する構成にする。
【0009】
この構成では、前扉の閉状態ではその開放側側辺部と筐体の側壁部とが当接する箇所に沿って設けられたカバー部材によってドアセンサの側方近傍が覆われており、このドアセンサ自体に対する不正行為を防止できることになる。その上、たとえ前扉がドアセンサの不感帯領域の限度までこじ開けられた場合でも、前扉の開放側側辺部と筐体の側壁部との隙間がカバー部材によって塞がれているため、ドアセンサに対する不正行為だけでなく、スロットマシンの内部スイッチやセンサに対する不正行為をも防止できることになる。
【0010】
請求項2に係る発明は、上記ドアセンサの出力信号の利用形態を具体的に示すものである。すなわち、ドアセンサにより前扉の開状態を検出したときには、スロットマシン自体又は遊技場内の他の場所に設けた報知装置を作動させて前扉の開状態を報知する構成とする。ここで、報知装置とは、例えばスロットマシンの上部ランプ等の塔載ランプや島ランプなどの光学式報知装置、あるいはスロットマシンのスピーカなどの音声式報知装置などである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る扉開放検出用ドアセンサ保護構造を備えたスロットマシンAを示す。このスロットマシンAは、遊技面を構成する前扉1を有し、この前扉1は、リール装置やホッパー装置などの装置類(図示せず)を収納する筐体2の前方開口部に対し向かって左側側辺部でヒンジ3(図3参照)を介してそのヒンジ軸回りに開閉自在に取り付けられている。
【0012】
上記前扉1の表面側には3つのリール表示窓6,6,6、クレジット枚数表示部7、払出枚数表示部8、役物当選回数表示部9、メダル投入口10、スタートレバー11、3つの停止ボタン12a,12b,12c、1ベットボタン13、2ベットボタン14、3ベットボタン15、メダル返却ボタン16、精算スイッチ17、ドア施錠装置18、メダル払出口19及びメダル受け皿20、スピーカ孔群21、上部ランプ22、上パネル23、下パネル24などが設けられている。
【0013】
上記3つのリール表示窓6,6,6及びその周辺には横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインL1〜L5が表示されており、メダル投入口10に投入されたメダルの枚数が1枚であれば中央の入賞ラインL1のみが、2枚であれば横3本の入賞ラインL1〜L3が、3枚であれば5本全ての入賞ラインL1〜L5がそれぞれ有効化される。これらのリール表示窓6,6,6からは、筐体側のリール装置の3つの回転リール26a,26b,26cが見えるようになっている。各回転リール26a〜26cの外周面にはそれぞれ複数の図柄(図示せず)が描かれており、リール停止時には各回転リールの3駒分の図柄が各入賞ラインL1〜L5上に整列して並ぶようになっている。
【0014】
上記スタートレバー11は3つの回転リール26a〜26cを一斉に回転始動させるものであり、上記3つの停止ボタン12a〜12cはそれぞれ対応する回転リール26a〜26cの回転を個別に停止させるものである。そして、上述の如くメダルの投入枚数に応じて有効化された入賞ラインL1〜L5上に所定の図柄の組み合わせが揃うとその組み合わせに応じた獲得枚数が払出枚数表示部8に表示され、その枚数のメダルがメダル払出口19からメダル受け皿20に払い出されるようになっている。
【0015】
また、スロットマシンAは複数枚のメダルを予めメダル投入口10から投入して預けておき、この預けメダルを消費しつつゲームを行うことができるいわゆるクレジット形式のものであり、クレジット枚数表示部7には預けメダルの枚数が表示される。そして、スタートレバー11の操作に先立って1ベットボタン13を押すと1枚のメダルが、2ベットボタン14を押すと2枚のメダルが、3ベットボタン15を押すと3枚のメダルがそれぞれ投入された場合と同様に入賞ラインL1〜L5が有効化される。精算スイッチ17は、預けメダルを精算してメダル払出口19からメダル受け皿20に払い出すためのものである。
【0016】
一方、前扉1の裏面側には、図3に示すように、上部ランプ基板31や中間ランプ基板32等の各種基板、リール照明用蛍光灯33、セレクターユニット34及びスピーカ35などが設けられている。セレクターユニット34は、メダル投入口10から投入されたメダルを検査した後筐体2側のホッパー装置へ回収するとともに、ホッパー装置から供給されるメダルをメダル払出口19に導いて払い出しをするようになっており、このセレクターユニット34内の上部(つまりメダル投入口10寄りの位置)には投入メダルを検出するメダル検出センサ36が設けられている。
【0017】
上記ドア施錠装置18は管理者以外の者が前扉1を無断で開放するのを防止するためのものであるが、このドア施錠装置18とは別に前扉1の無断開放を未然に防止するために、前扉1の開状態を検出するドアセンサ41が前扉1のヒンジ側と反対側である開放側(図1で右側)側辺部の上部に設けられているとともに、このドアセンサ41の検出信号を受けて作動する報知装置(図示せず)が装備されている。
【0018】
上記ドアセンサ41は、図4ないし図6に詳示するように、プッシュ型スイッチからなるもので、スイッチケース41a内より最大5mm程度突出するスイッチボタン41bを筐体2の前端面に向けた状態で前扉1の裏面側に取付金具(図示せず)を介して取り付けられている。そして、前扉1の閉状態では図5(a)に示すようにスイッチボタン41bがスイッチケース41a内に略完全に埋没してONとなり、この閉状態から図4及び図5(b)に示すように前扉1が所定量開かれ、スイッチボタン41bがスイッチケース41a内より2mm程度突出するようになるまではOFFに切り替わらない、つまり前扉1の開状態の信号を出力しない不感帯領域を有している。尚、ドアセンサ41の出力信号を受ける報知装置は、図示していないが、光学式報知手段として、スロットマシンA自体の上部ランプ22やリール照明用蛍光灯33などの塔載ランプ類若しくは島ランプを用いて、それらの点灯又は点滅で前扉1の開状態を報知したり、あるいは音声式報知手段として、スロットマシンAのスピーカ35を用いてブザー音などの警報音若しくは人声音で「扉が開いています」を流すことで報知を行ったりするようになっている。
【0019】
そして、本発明の特徴点として、上記前扉1の閉状態でその開放側側辺部と筐体2の前方開口部の右側側壁部とが当接する箇所に沿って、ドアセンサ41の側方に位置する前扉1の上部から下部までの広い範囲を覆うカバー部材43が筐体2の前方開口部の右側側壁部に取り付けられている。このカバー部材43は、筐体2の右側側壁部の内側面に当接してビスなどにより固定された固定部43aと、この固定部43aの前縁から筐体2の右側側壁部の前端面に沿って直角に折り曲げられた当接部43bと、この当接部43bの外縁から直角に折り曲げて前方へ突出する突出部43cとを有しており、上記ドアセンサ41のスイッチボタン41bはカバー部材43の当接部43bに当接するようになっている。また、カバー部材43の突出部43cは、前扉1の閉状態のときドアセンサ41の外側に位置するとともに、このドアセンサ41の不感帯領域内で前扉1を開いたときでもその開放側側辺部と筐体2の右側側壁部との隙間を塞ぐのに十分な幅(突出寸法)に設定されている。
【0020】
従って、上記実施形態においては、前扉1の閉状態ではその開放側側辺部と筐体2の前方開口部とが当接する箇所に沿って設けられたカバー部材43によってドアセンサ41の側方が覆われているため、このドアセンサ41自体に対する不正行為を防止することができる。その上、前扉1がドアセンサ41の不感帯領域内で開かれたときにもドアセンサ41の側方に位置する前扉1の開放側側辺部と筐体2の右側側壁部との隙間が上記カバー部材43により塞がれているため、ドアセンサ41に対する不正行為の防止化をより確実に図ることができる。
【0021】
また、上記カバー部材43は、前扉1がドアセンサ41の不感帯領域内で開かれたときドアセンサ41の側方だけでなく、ドアセンサ41の側方に位置する前扉1の上部から下部までの広い範囲に亘って前扉1の開放側側辺部と筐体2の右側側壁部との隙間を塞ぐようになっているため、ドアセンサ41に対する不正行為だけでなく、スロットマシンAのメダル検出センサ36などの内部スイッチやセンサに対する不正行為をも防止することができ、不正行為の防止対策上非常に有効なものである。
【0022】
【0023】
【0024】
尚、ドアセンサとしては、実施形態の如きプッシュ型スイッチに限らず、光センサなどその他のセンサ類を用いた場合にも本発明を同様に適用することができ、特に、前扉が閉状態から所定量開かれるまでは作動しない不感帯領域を有するドアセンサの場合に適用するのが有効である。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明におけるスロットマシンの扉開放検出用ドアセンサ保護構造によれば、前扉の閉状態ではその開放側側辺部の裏面に設けられたドアセンサの側方近傍がカバー部材によって覆われているため、このドアセンサ自体に対する不正行為を防止することができ、スロットマシンの不正行為の防止対策上有効なものである。
【0026】
その上、たとえ前扉がドアセンサの不感帯領域の限度までこじ開けられた場合でも、前扉の開放側側辺部と筐体の側壁部との隙間がカバー部材によって塞がれているため、ドアセンサに対する不正行為だけでなく、スロットマシンの内部スイッチやセンサに対する不正行為をも防止することができ、不正行為の防止対策上非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】 同右側面図である。
【図3】 上記スロットマシンの前扉を取り外し、その裏側から見た背面図である。
【図4】 図2のドアセンサ取付箇所付近の拡大図である。
【図5】 図4のX−X線における断面図であり、(a)は扉閉状態を示し、(b)は扉開状態を示す。
【図6】 ドアセンサの拡大図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
A スロットマシン
1 前扉
2 筐体
3 ヒンジ
41 ドアセンサ
43 カバー部材
Claims (2)
- リール装置を収容する筐体の前方開口部に、遊技面を構成する前扉がその一側辺部にて回動軸回りに開閉自在に取り付けられており、この前扉の開状態を検出するドアセンサが前扉の開放側側辺部の裏面に設けられたスロットマシンにおいて、
上記ドアセンサは、前扉の閉状態のときその状態を外部に出力し、閉状態から所定量開かれるまでは閉状態の出力を保持する不感帯領域を有するものであり、
上記筐体の側壁部には、上記前扉の閉状態でその開放側側辺部と筐体の側壁部とが当接する箇所に沿って、少なくとも上記ドアセンサの側方近傍を覆うカバー部材が取り付けられており、
上記カバー部材は、筐体の側壁部の内面に当接して固定された固定部と、この固定部の前縁から筐体の側壁部の前端面に沿って直角に折り曲げられかつ上記ドアセンサが当接可能な当接部と、この当接部の外縁から直角に折り曲げて前方へ突出する突出部とを有しており、この突出部は、前扉の閉状態のとき上記ドアセンサの外側に位置するとともに、このドアセンサの不感帯領域内で前扉を開いたときでもその開放側側辺部と筐体の側壁部との隙間を塞ぐのに十分な突出寸法に設定されていることを特徴とするスロットマシンの扉開放検出用ドアセンサ保護構造。 - 上記ドアセンサにより前扉の開状態を検出したときには、スロットマシン自体又は遊技場内の他の場所に設けた報知装置が作動して前扉の開状態を報知するようになっている請求項1記載のスロットマシンの扉開放検出用ドアセンサ保護構造。
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