JP4007940B2 - 群ロボットシステム、当該群ロボットシステムに含まれるセンシングロボット、当該群ロボットシステムに含まれるベースステーション、および当該群ロボットシステムに含まれる制御ロボット - Google Patents

群ロボットシステム、当該群ロボットシステムに含まれるセンシングロボット、当該群ロボットシステムに含まれるベースステーション、および当該群ロボットシステムに含まれる制御ロボット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は群ロボットシステム、当該群ロボットシステムに含まれるセンシングロボット、当該群ロボットシステムに含まれるベースステーション、および当該群ロボットシステムに含まれる制御ロボットに関し、特に、効率よく対象物の探索を行なうことのできる群ロボットシステム、当該群ロボットシステムに含まれるセンシングロボット、当該群ロボットシステムに含まれるベースステーション、および当該群ロボットシステムに含まれる制御ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の機構が連携して動作する、システムやロボットについて提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1においては、図45に示すような、外部環境の情報を収集する単数あるいは複数のセンサ機構と、センサ機構からのセンサ情報Aとにより、アクチュエータ機構への適切な運動指令Bを生成する階層型の情報処理機構を備えた、実環境で動作する実用的な環境認識システム、および知能ロボットが開示されている。特許文献1によると、環境認識システムおよび知能ロボットは、センシング時の状況に応じて、階層型の情報処理機構からの運動指令Bにより、アクチュエータ機構が、上記センサ機構が十分に機能するように、自己、および対象物の位置や照明などの外部環境を適切に変化させることを特徴としている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−30327号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された環境認識システムおよび知能ロボットの構成では、複数のセンサ機構および上位から下位までのセンサ情報処理ユニットが常に動作しており、目的物を検出する場合において、センサ情報の処理による負担を少なくするのが難しいという問題があった。また、センシングロボットの低消費電力化も難しいという問題があった。
【0006】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、目的物を検出する場合において、センサ情報の処理による負担を少なくし、低消費電力で、短時間で効率的に対象物の詳細な全体情報を得ることのできる群ロボットシステム、当該群ロボットシステムに含まれるセンシングロボット、当該群ロボットシステムに含まれるベースステーション、および当該群ロボットシステムに含まれる制御ロボットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、群ロボットシステムは、複数のセンシングロボットと、センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、上記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、制御装置は、センシングロボットが所定の探索エリア内で探索動作を行なうことで探索エリア内にある対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボット以外の探索エリア内で探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して探索エリア外へ移動するよう制御し、対象物を検出したセンシングロボットが探索動作を終了すると、対象物の探索を終了したセンシングロボットに対して、上記他のセンシングロボットと合流して対象物から移動するよう制御することを特徴とする。
【0008】
本発明の他の局面に従うと、群ロボットシステムは、複数のセンシングロボットと、センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、上記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、制御装置は、センシングロボットが所定の探索エリア内で探索動作を行なうことで探索エリア内にある対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボット以外の探索エリア内で探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して探索エリア外へ移動するよう制御し、対象物を検出したセンシングロボットが探索動作を終了すると、探索動作を終了したセンシングロボットに対して、上記他のセンシングロボットと合流して探索エリア外へ移動するよう制御することを特徴とする。
【0009】
また、上述の制御装置は、センシングロボットに対して、初期位置に移動するよう制御することが望ましい。
【0011】
本発明のさらに他の局面に従うと、群ロボットシステムは、複数のセンシングロボットと、センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、上記複数のセンシングロボットは探索動作を行なって対象物を探索し、制御装置は、センシングロボットが探索動作を行なうことで対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、対象物を追探索するよう制御し、追探索するセンシングロボットが追探索するための探索動作を終了すると、追探索するセンシングロボットに対して、対象物から移動するよう制御することを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに他の局面に従うと、群ロボットシステムは、複数のセンシングロボットと、センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、上記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、制御装置は、センシングロボットが所定の探索エリア内で探索動作を行なうことで探索エリア内にある対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、対象物を追探索するよう制御し、追探索するセンシングロボットが追探索するための探索動作を終了すると、追探索するセンシングロボットに対して、探索エリア外へ移動するよう制御することを特徴とする。
【0013】
また、上述の制御装置は、追探索するセンシングロボットに対して、初期位置に移動するよう制御することが望ましい。
【0014】
好ましくは、制御装置は、センシングロボットが所定の探索エリア内で探索動作を行なうことで探索エリア内にある対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボットおよび追探索するセンシングロボット以外の探索エリア内で探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して探索エリア外へ移動するよう制御し、追探索するセンシングロボットが追探索するための探索動作を終了すると、追探索するセンシングロボットに対して上述の他のセンシングロボットと合流して移動するよう制御する。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、群ロボットシステムは、複数のセンシングロボットと、センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、上記複数のセンシングロボットは探索動作を行なって対象物を探索し、複数のセンシングロボットと制御装置とは、制御装置を最上層とする階層的な通信を行ない、制御装置は、センシングロボットが探索動作を行なうことで対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、対象物を追探索するよう制御し、追探索するセンシングロボットが追探索するための探索動作を終了すると、対象物を検出したセンシングロボットと制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して、対象物から移動するよう制御することを特徴とする。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、群ロボットシステムは、複数のセンシングロボットと、センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、上記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、複数のセンシングロボットと制御装置とは、制御装置を最上層とする階層的な通信を行ない、制御装置は、センシングロボットが所定の探索エリア内で探索動作を行なうことで探索エリア内にある対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、対象物を追探索するよう制御し、追探索するセンシングロボットが追探索するための探索動作を終了すると、対象物を検出したセンシングロボットと制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して、探索エリア外へ移動するよう制御することを特徴とする。
【0017】
また、上述の制御装置は、対象物を検出したセンシングロボットと制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して、初期位置に移動するよう制御することが望ましい。
【0018】
好ましくは、制御装置は、センシングロボットが所定の探索エリア内で探索動作を行なうことで探索エリア内にある対象物を検出すると、対象物を検出したセンシングロボットおよび追探索するセンシングロボット以外の探索エリア内で探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して探索エリア外へ移動するよう制御し、追探索するセンシングロボットが追探索するための探索動作を終了すると、対象物を検出したセンシングロボットと制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して上述の他のセンシングロボットと合流して移動するよう制御する。
【0019】
さらに、上述の制御装置は、センシングロボットの移動を制御する制御装置を含むことが望ましい。
【0020】
また、上述のセンシングロボットは、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能であることが望ましい。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、センシングロボットは、上述の群ロボットシステムに含まれるセンシングロボットであって、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能であることを特徴とする。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従うと、ベースステーションは、上述の群ロボットシステムに含まれる制御装置に該当し、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能であるセンシングロボットを制御することを特徴とする。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従うと、制御ロボットは、上述の群ロボットシステムに含まれる制御装置である制御ロボットであって、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能であるセンシングロボットの移動を制御することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0025】
図1は、本実施の形態における群ロボットシステム100の構成の具体例を示す図である。図1を参照して、本実施の形態における群ロボットシステム100は、ベースステーションBS101と、複数の羽ばたきセンシングロボットCSnと、羽ばたきフェロモンロボットFE105とで構成されている。
【0026】
センシングロボットCSおよびフェロモンロボットFE105である羽ばたきロボットの基本的な構成、浮上方法、および制御方法は、特願2001−349132号において本願出願人が先に提案している羽ばたきロボットの基本構成、浮上方法、および制御方法を用いるものとする。また、羽ばたきロボットを含む本発明の群ロボットシステム100の基本的な構成については、特願2001−319407号において本願出願人が先に提案している群ロボットシステムの基本的な構成を用いるものする。また、本発明の群ロボットシステム100における基本的な通信方式については、特願2002−051279号において本願出願人が先に提案している群ロボットシステムにおける基本的な通信方式を用いるものする。
【0027】
本群ロボットシステム100に含まれるベースステーションBS101は、通信機能を備える一般的なパーソナルコンピュータやワークステーション等から構築される。そのため、ここでの詳細な構成等の説明は行なわない。本実施の形態におけるベースステーションBS101は、探索結果の情報を処理し、群ロボットシステム100に含まれるロボット群全体を制御する。なお、以下の例においては、ベースステーションBS101は固定されたパーソナルコンピュータやワークステーション等であるものとしているが、移動体、固定いずれであってもよい。
【0028】
また、本群ロボットシステム100に含まれるフェロモンロボットFE105は、本群ロボットシステム100がベースステーションBS101を中心にした体系である場合、センシングロボットCS群の外側に位置する。つまり、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCSの移動制御用のロボットであり、同時に、探索範囲を決定するロボットである。そのため、センシングロボットCSは、ベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105との間に存在することになる。
【0029】
ここで、本発明にかかるセンシングロボットCSおよびフェロモンロボットFE105である羽ばたきロボットの主な構成および機能を説明する。以下では、本実施の形態の群ロボットシステムに含まれる羽ばたきセンシングロボットCSについての詳細な説明を行なう。フェロモンロボットFE105の基本的な構成もまた、センシングロボットCSと同様である。
【0030】
始めに、主要な構成と主要な機能とについて説明する。本実施の形態のセンシングロボットCSの一例としての、羽ばたきロボット90の主要な構成について図2に示す。
【0031】
図2を参照して、ロボット90は支持構造1を主構造とし、これに各構成部品が配される。支持行動1の上部には、右アクチュエータ21と左アクチュエータ22とが固定される。右アクチュエータ21には右羽根31が取付けられ、左アクチュエータ22には左羽根32が取付けられる。また、下部に電極61が配される。
【0032】
各アクチュエータ21,22は、それぞれ取付けられた羽31,32を、アクチュエータの支点A1およびA2をほぼ中心として、3自由度をもって回転させる。各アクチュエータ21,22の回転は、支持構造1に搭載された制御装置4によって制御される。
【0033】
なお、図2の状態におけるロボット90の重心Oは、左右アクチュエータ21,22の回転中心の中点A0よりも鉛直下方にある。また、支持構造1には、加速度センサ51、角加速度センサ52、および、焦電型赤外線センサ53が搭載される。また、支持構造1には通信装置7が配される。通信装置7は、ベースステーションBSや他のセンシングロボットCSあるいはフェロモンロボットFEとの情報の送受信を行なう。
【0034】
制御装置4は、加速度センサ51および角加速度センサ52から送られてくる情報によって羽ばたきセンシングロボットとしてのロボット90の浮上の状態を検知するとともに、焦電型赤外線センサ53から送られてくる情報によって、焦電型赤外線センサ検出領域内における発熱源(おもに生物)の情報を取得する。そして、これらの情報を、通信装置7を介してベースステーションBSや他のセンシングロボットCSに送信する。
【0035】
また、制御装置4は、支持構造1に配された発光ダイオード8のON/OFFを制御する。また、通信装置7は、ベースステーションBSからの指示信号を受信する。制御装置4は、この指示信号に応じて各アクチュエータ21,22や発光ダイオード8の動作を算出し、それぞれの駆動を決定する。左右アクチュエータ21,22、制御装置4、センサ51〜センサ53、通信装置7、および発光ダイオード8などの駆動動力は、電源6により供給される。
【0036】
電源6は2次電池であり、電極61を経由して供給される電力によって充電される。また、電極61は、当該ロボット90がベースステーションBSに着地する際の、位置決めピンの役割も兼ねている。そのため、ベースステーションBSの位置決め穴に決まった姿勢で定位が可能である。
【0037】
なお、図2においては、電極61は、正極、負極の2本のピンからなっているが、充電状態検出用ピンなどを含む3本以上のピンからなる構成も可能である。
【0038】
次に、ロボット90の支持構造について図2を用いてより詳細に説明する。
支持構造1は、機械的強度を確保した上で十分軽量であることが好ましい。この羽ばたきセンシングロボットとしてのロボット90の支持構造1では、ほぼ球殻状に整列したポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。支持構造1下部には、着地の際に転倒しないよう、支持脚が配される。この支持脚は、着地時の安定性が確保されるか、もしくは、着地時の安定性が機能的に問題にならないのであればこれは必須ではない。
【0039】
また、支持構造1の材料や形状は、飛行に性能を損なわないならば、図2に示すものに限られるものではない。支持構造1の材料は、特に、軽量で剛性が高いことが好ましい。たとえば、カニやエビなどの生物に使われているキトサンなどの有機物と、シリカゲルなどの無機物とを分子レベルでハイブリッド化した複合材料を用いることにより、カニやエビの外骨格が備える軽くて丈夫な性質を備え、かつ、形状加工が容易となる。すなわち、生物が本来備える最適な組成値をそのまま転用することができる。また、環境に対しても害が少ない。また、貝殻の材料である炭酸カルシウムを前述のキトサンの替わりに用いることでも、剛性の高い支持構造を構築することができる。
【0040】
なお、アクチュエータや羽根の配置形状についても、本実施の形態に示した態様に限られるものではない。
【0041】
特に、本実施の形態では、浮上の安定性を重視して、自然に図2に示した姿勢となるように、重心の位置を羽根の力学的作用中心点よりも下に位置させたが、重心と力学的作用点の位置とを一致させる方が姿勢制御に必要な左右の羽根の流体力の差が最も小さくて済むので、ロボット90の姿勢を容易に変更することができる。よって、このような姿勢制御の容易さを優先した設計も考えられる。
【0042】
次に、上述のロボット90の、羽31および32の構成とその動作について、以下に説明する。
【0043】
ここで、説明の簡便のため、図2における座標系を定義する。
まず、支持構造1の略中央を原点とする。また、重力加速度の方向を下方向、その逆を上方向とする。原点から上方に向かってz軸を定義する。
【0044】
次に、右アクチュエータ21の形状中心と左アクチュエータ22の形状中心を結ぶ方向を左右方向とし、原点から左羽32に向かってy軸を定義する。また、原点から、y軸とz軸との右手系における外積方向にx軸を定義し、以後これを前方、その反対方向を後方と称する。
【0045】
また、図2には、ロボット90が、右羽31の右アクチュエータ21に対する力学的作用点A1と、左羽32の左アクチュエータ22に対する力学的作用点A2との中点A0から、重力加速度方向に下ろした線上に本装置の重心Oが位置する状態であることが示されている。本実施の形態においては、左アクチュエータのロータ229(図示せず)は略球状であり、左羽32の主軸321の延長線上にこのロータ229の球心が位置するように左羽32が配置される。左アクチュエータ22に対する力学的作用点A2および主軸321の回転運動の支点は、このロータ229の球心に一致する。なお、右アクチュエータ21についても同様である。
【0046】
以後、前述したx軸、y軸、z軸は図2に示される状態において、支持構造1に対して固定された、本実施の形態のロボット90に固有の座標系であるものとして説明を行なう。
【0047】
一方、上述のロボット90の固定された座標系に対して、空間に固定された任意の点を原点とする空間座標として、x’軸、y’軸およびz’軸を定義する。これにより、ロボット90が移動する作業空間92の座標は、上述のx’軸、y’軸およびz’軸のそれぞれの座標を用いて表され、ロボット90における固有の座標は、x軸、y軸およびz軸のそれぞれの座標を用いて表される。
【0048】
次に、羽31および32の構造について説明する。
左羽32は、主軸321と、主軸321から枝状に伸びた枝322とから構成される支持部材に、膜323を張ることで形成される。主軸321は、左羽32において、前方よりの位置に配される。また、枝322は、先に行くほど(主軸321から遠くなるほど)下方を向く。さらに、左羽32は、上に凸状の断面形状を有する。これによって、特に左羽32を打下ろす際に、左羽32は、流体から受ける力に対して高い剛性を得る。
【0049】
上述の主軸321と枝322とは、軽量化のため、それぞれカーボングラファイトの中空構造である。また、膜323は、その面内において収縮する方向に自発的な張力を有し、左羽32全体の剛性を高める働きを行なう。
【0050】
なお、具体的に、本願出願人が実験に用いた数値は、以下の数値である。左羽32の主軸321の直径は、支持構造1に支持された根元の部分では100μm、先端部では50μmであり、主軸321は根元から先端部へ向かって細くなるテーパー形状である。また、膜323の材質はポリイミドであり、膜323の大きさは前後方向約1cm、左右方向約4cm、厚さは約2μmである。
【0051】
さらに、上述の具体的な左羽32の構成を図示する。図3は、左羽32の構成の具体例を示す図である。図3に示された左羽32は、説明のために主軸321はその太さが拡大されて示されている。図示されない右羽31は、xz平面を挟んで左羽32と鏡面対象になるように支持構造1に取付けられる。
【0052】
なお、ここに示した羽31および32の形状、材質等は具体例の1つであり、飛行の機能を実現する羽31および32の構成は、ここに示される形状、材質等に限定されない。
【0053】
次に、羽31および32の動作について、左羽32を例に挙げて説明する。
左アクチュエータ22は、左羽32を回転3自由度で動かすことが可能である。つまり、左羽32の駆動状態は、その姿勢で表わされる。ここで、以後の説明の簡便のため、左羽32の姿勢を、図2に示される状態に基づき、以下のように定義する。図4および図5は、左羽32の姿勢を示すための第1の図および第2の図である。
【0054】
まず、図4に示すように、主軸321の回転運動の支点(力学的作用点A2)と、x軸およびy軸にそれぞれ平行な軸(//x、//y)とを含むxy平面に平行な平面を基準として、点A2と左羽32の主軸321の根元とを結ぶ線分がその平面となす角度を、羽ばたきのストローク角θとする。また、主軸321の回転運動の支点(力学的作用点A2)とy軸およびz軸にそれぞれ平行な軸(//y、//z)とを含むyz平面に平行な平面を基準として、点A2と左羽32の主軸321の根元とを結ぶ線分がその平面となす角度を偏角αとする。
【0055】
このとき、ストローク角θはxy平面に平行な平面より上方では正とし、下方では負とする。また偏角αはyz平面に平行な平面よりも前方では正とし、後方では負とする。
【0056】
そして、図5に示すように、左羽32の主軸321の根元における膜323の接平面p1が、点A2を通りx軸と平行な軸(//x)と主軸321とを含む平面p0となす角度を、ねじり角βとする。このとき、ねじり角βは、主軸321の根元から先端に向かって見たときに、時計回りを正とする。
【0057】
次に、アクチュエータ21および22について説明を行なう。
本実施の形態におけるアクチュエータ21および22については、トルクが大きいこと、往復運動が簡単に実現できること、および構造が単純なことなどから、圧電素子(ピエゾ)を用いて発生した進行波によって駆動する、一般的に超音波モータと呼ばれるアクチュエータを用いる。
【0058】
まず始めに、一般的な超音波モータについて検討を行なう。図6は、一般的な超音波モータ23を示す図である。
【0059】
図6を参照して、超音波モータ23は、図6(a)に示される如く、下面に圧電素子230を貼付けてあるアルミニウムの円盤231上に、突起232〜237が円盤231の中心を重心とする正六角形をなすように6カ所配され、さらにこの圧電素子230の下面には円周方向に12分割された電極238が配される構造である。
【0060】
さらに、超音波モータ23の構造の概略を図6(b)に示す。12分割された電極238の各電極は、1つおきに電気的に短絡されており、それぞれ、円盤231を規準に電圧が印加される。すなわち圧電素子230には、2相の異なる電圧が加えられる。この様子を図6(c)に、ハッチングと黒塗りつぶしとに分けて示す。このそれぞれに異なる時間的パターンで電圧を加えることによって、円盤231上に進行波が発生し、突起232〜237の先端が楕円運動を行なう。
【0061】
なお、以上の、検討に用いた一般的な超音波モータ23の、具体的な数値の例を挙げる。
【0062】
超音波モータ23のトルクは、1.0gf・cmで、無負荷回転速度は800rpmである。また、その際の最大消費電流は20mAである。また、円盤231の直径は8mm、突起232〜237の配されている間隔は2mmである。円盤231の厚さは0.4mm、突起の高さは約0.4mmである。また、この場合の圧電素子230の駆動周波数は341kHzである。
【0063】
上述の一般的な超音波モータ23を用いて、ステータを構成することができる。このステータは、ステータ上に接触して配されたロータ239(図示せず)を、上述の突起232〜237の先端の楕円運動により搬送する。
【0064】
本実施の形態におけるロボット90では、上述のステータ部分を流用したアクチュエータ21および22を用いる。
【0065】
次に、図7は、右アクチュエータ21の構成を示す図である。
図7を参照して、右アクチュエータ21は、図7(b)に示す如く、球殻状のロータ219を、上述のステータと同様のステータ210とベアリング211とで挟込んで保持する構造である。ただし、ステータ210のロータ219との接触部は、ロータ219表面と一致する形状に加工される。
【0066】
なお、本実施の形態におけるロータ219のサイズの具体例としては、外形3.1mm、内径2.9mmの球殻で、表面に右羽主軸311が配される。ステータ210の突起のある面に向かって見て時計回り(以後、これを正回転、この逆の回転を逆回転と呼ぶ)にロータ219を搬送させる操作を行なうと、右羽主軸311は図7(b)に示すθの方向に移動する。
【0067】
さらに、上述のロータ219を3自由度で駆動するために、上部補助ステータ212と下部補助ステータ213とをベアリング214、215と共にステータ210、ベアリング211と同様に図7(a)に示すように配する。本実施の形態においては、各補助ステータ212,213の大きさの具体例としては、ステータ210の0.7倍である。
【0068】
上述のステータの駆動方向は、必ずしも直交していない。しかし、それぞれ独立した要素への回転を与えるため、これらの運動の組合わせによって、ロータ219を3自由度で駆動することができる。
【0069】
たとえばロータ219に対して、上部補助ステータ212によって正回転を、下部補助ステータ213によって同じく正回転を与えれば、ロータ219はこの合成であるβ方向に回転する。また、上部補助ステータ212によって逆回転を、下部補助ステータ213によって正回転を与えれば、α方向に回転する。
【0070】
なお、実際の駆動に際しては、回転中心の異なる2つの回転を行なわせることは、摩擦によって効率を低下させてしまう。そのため、たとえば上部補助ステータ212と下部補助ステータ213とをごく短時間周期で交互に動作させ、その間、動作していないステータの突起はロータ219に接触しない、等の駆動方法を行なうことが好ましい。これは、ステータの電極全てに、圧電素子の収縮方向に電圧を印加することで、特別に構成要素を付加することなく実現することができる。
【0071】
また、実際の圧電素子の駆動周波数が300kHz以上と、せいぜい100Hz程度である羽ばたき周波数に比べて十分高速であるので、交互にアクチュエータ21を動作させても、実質上なめらかな動きを右羽主軸311に与えることができる。
【0072】
以上により、上述の検討に用いた一般的な超音波モータ23と同等の特性を有する、3自由度を備えるアクチュエータ21および22が構成される。
【0073】
なお、上述のステータの発生する進行波の振幅がサブミクロンオーダであるため、上述のロータ219は、このオーダの真球度であることが要求される。民生用の光学製品に用いられている放物面鏡の加工精度は数10nmであり、また、光学干渉計に用いられる光学部品の加工精度は数nm程度であることから、このようなロータは現在の加工方法、技術で作成することが可能である。
【0074】
なお、これは本発明における3自由度の運動を羽31および32に与えるアクチュエータ21および22を超音波モータで構成した具体例の1つに過ぎず、各構成要素の配置、サイズ、材質、および駆動方法等は、羽ばたき飛行に要求される物理的機能、たとえばトルク等が実現できるならこの限りではない。
【0075】
また、言うまでもなく、羽31および32の駆動機構や、羽31および32の駆動に用いるアクチュエータ21および22の種類についても、特に上述に限定されるものではない。たとえば特開平5−169567号公報に開示されているような、外骨格構造とリニアアクチュエータとを組合わせて用いた羽ばたき機構等であっても、上述のアクチュエータ21および22と等価な羽31および32の動作を実現できる。
【0076】
また、駆動エネルギーとして電力を用いたが、内燃機関を用いることも可能である。さらに、昆虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応により、化学的エネルギーを運動エネルギーに変換するアクチュエータを用いることも可能である。たとえば、昆虫から採取した筋肉をリニアアクチュエータとして用いる方法や、虫の筋肉のタンパク質のアミノ酸と無機物とを材料として分子レベルでこれらを複合化させて作った複合材料の人工筋肉をリニアアクチュエータとして用いる、等の方法がある。
【0077】
さらに、基本的な駆動力を上述の内燃機関等のエネルギー効率の高いアクチュエータで得て、これらの制御もしくは補助として電力で駆動するアクチュエータを用いる手法も可能であることは言うまでもない。
【0078】
次に、ロボット90の浮上方法について説明を行なう。
なお、ここでは、羽31および32が流体から受ける力を流体力と呼ぶこととする。また、説明の簡便のため、空気の流れはがはばたきによってのみ起こる状態、すなわち無風状態であるものと仮定して説明する。さらに、説明の簡便のため、ロボット90に及ぼされる外力は、羽31および32に流体から作用する力、すなわち、流体力と重力とのみであるものとする。
【0079】
ロボット90が恒常的に浮上するためには、1回の羽ばたき動作の間で、平均して、
(羽にかかる上方向の流体力の総和)>(ロボット90にかかる重力)
であることが必要である。
【0080】
ここでは、昆虫の羽ばたきを単純化した羽ばたき方である、打下ろし時の流体力を打上げ時の流体力よりも大きくする方法について説明する。説明の簡便のため、流体の挙動もしくはそれが羽31および32に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説明する。また、この羽ばたき方によりロボット90に作用する浮上力と重力との大小については後述する。
【0081】
羽31および32には、羽31および32が運動する方向と逆方向の流体力が作用する。そのため、羽31および32の打下ろし時には羽31および32に上向きの流体力が作用し、打上げ時には羽31および32に下向きの流体力が作用する。そこで、打下ろし時に流体力を大きくし、打上げ時には流体力を小さくすることで、1回の羽ばたき動作(打下ろし動作と打上げ動作とをまとめて羽ばたき動作と言う)の間で時間平均すると上方向の流体力が得られることになる。
【0082】
そのためには、まず、打下ろし時に、羽31および32が移動する空間の体積が最大になるように打下ろせば、羽31および32にほぼ最大の流体力が作用する。これは、羽31および32の接平面と略垂直に羽31および32を打下ろすことに相当する。
【0083】
一方、打上げ時に、羽31および32が移動する空間の体積が最小になるように打上げれば、羽31および32に及ぼされる流体力はほぼ最小となる。これは、羽31および32の断面の曲線にほぼ沿って羽31および32を打上げることに相当する。
【0084】
このような羽31および32の動作について、図8および図9を用いて、例として左羽32について説明を行なう。図8および図9は、左羽32の、主軸321に垂直な第1および第2の断面図である。図8は左羽32の移動する空間の体積が最大になるように打下ろした場合を示す図であり、図9は左羽32の移動する空間の体積が最小になるように打上げた場合を示す図である。
【0085】
図8および図9では、移動前の左羽32の位置は破線で示され、移動後の左羽32の位置は実線で示されている。また、左羽32の移動方向が一点鎖線の矢印によって示されている。図8および図9において太線矢印に示される如く、流体力は左羽32の移動方向とは逆向きに左羽32に作用する。
【0086】
このように、打上げ時における左羽32が移動する空間の体積が、打下ろし時における左羽32が移動する空間の体積よりも大きくなるように、左羽32の姿勢を左羽32の移動方向に対して変化させることで、1回の羽ばたき動作の間の時間平均において、左羽32に作用する上方向の流体力を、ロボット90に作用する重力よりも大きくすることができる。
【0087】
本実施の形態のロボット90では、羽31および32のねじり角βが制御可能である。そのため、ねじり角βを時間的に変化させることによって、上述の羽31および32の運動が実現される。
【0088】
具体的には、図10〜図13に示される左羽32の羽ばたき動作に沿って、以下のステップS1〜S4の説明を行なう。図10〜図13は、左羽32の羽ばたき動作のステップS1〜ステップS4を示す図である。
【0089】
まず、図10を参照して、ステップS1では、左羽32の打下ろしが行なわれる。そのとき、左羽32のストローク角θは、+θ0から−θ0に変化する。
【0090】
次に、図11を参照して、ステップS2では、左羽32の第1の回転動作が行なわれる。このとき、左羽32のねじり角βは、β0からβ1に変化する。
【0091】
また、図12を参照して、ステップS3では、左羽32の打上げ(ストローク角θ=−θ0→+θ0、ねじり角β=β1→β2が行なわれる。このとき、左羽32の曲面に沿った運動を行ない流体力を最小限にとどめるために、左羽32のストローク角θは−θ0→から+θ0に変化し、ねじり角βはβ1からβ2に変化する。
【0092】
さらに、図13を参照して、ステップS4では、左羽32の第2の回転動作が行なわれる。このとき、左羽32のねじり角βは、β2からβ0に変化する。
【0093】
上述の、ステップS1およびステップS3において左羽32に作用する流体力を時間平均すると、上述のように左羽32の移動する空間の体積の違いから、上向きの流体力となる。なお、この上向きの流体力の鉛直成分と重力との大小関係については後述する。
【0094】
なお、言うまでもなく、ステップS2およびS4においても、左羽32に作用する流体力の時間平均は、上向きの流体力であることが好ましい。
【0095】
ここで、ロボット90の羽31および32では、図10〜図13に示す如く、羽31および32の前縁近傍に、羽31および32の回転中心(主軸321部分)が位置する。つまり、主軸321から羽32の後縁までの長さの方が主軸321から羽32の前縁までの長さよりも長い。このため、図11および図13に示すように、羽32の回転動作においては、羽32の回転方向に沿って生じる流体の流れに加えて、主軸321から羽32の後縁に向かう方向に沿って流体の流れが生じる。
【0096】
そして、羽31および32には、このような流体の流れの反作用として、それぞれの流れの向きとは逆向きの力が作用して、図11に示すステップS2では実質的に上向きの流体力が左羽32に与えられ、図13に示すステップS4では主に下向きの流体力が左羽32に与えられる。
【0097】
さらに、図12に示すステップS3では、左羽32の断面の曲線に沿うように左羽32のねじり角βをβ1からβ2に変化させながら打上げ動作が行なわれる。また、図11に示すステップS2における左羽32の回転角は、図13に示すステップS4における左羽32の回転角よりも大きい。これにより、ステップS2およびステップS4においても、左羽32に上向きに作用する流体力が下向きに作用する流体力に打勝って、時間平均すると上向きの流体力が左羽32に作用する。
【0098】
なお、図10〜図13では、それぞれのステップS1〜S4における左羽32の移動前の姿勢が破線で示され、移動後の姿勢が実線で示されている。また、各ステップS1〜S4における左羽32の移動方向が一点鎖線の矢印によって示されている。また、各ステップS1〜S4において主に発生する流体の流れが実線の矢印によって示されている。
【0099】
次に、ストローク角θおよびねじり角βの時間変化について図14に示す。図14は、ストローク角θおよびねじり角βの値を時間の関数として表した図である。ただし、図14では、ストローク角θ、およびねじり角βのそれぞれの縦軸の比率は異なっている。
【0100】
なお、具体的に、本願出願人が実験に用いた数値は、以下の数値である。θ0は60°である。β0は0°である。β1は−120°である。β2は−70°である。
【0101】
さらに、上述の説明においては、説明の簡便のためステップS1〜S4は独立した動作として記述したが、ステップS1において左羽32を打下ろしながら左羽32のねじり角を大きくするような動作も可能である。また、上述した例は、最も近似的な考察から説明されるものであり、実際に浮上可能な羽ばたき方法は上述の例に限られるものではない。
【0102】
また、ここでは左羽32について説明したが、右羽31についてもxz平面に関して鏡面対称に左手系に基づいてストローク角θ、偏角α、およびねじり角βを定義すれば同一の議論が成立つ。以下、羽31および32に作用する上向きの流体力を浮上力とし、羽31および32に作用する前向きの流体力を推進力とする。
【0103】
次に、本実施の形態におけるロボット90に任意の運動を行なわせるための制御手法について説明を行なう。ここでは、本実施の形態におけるロボットの左羽32については右手系に基づくストローク角θ、偏角αおよびねじり角βを用い、そして、右羽31についてはxz平面に対して鏡面対称の左手系に基づくストローク角θ、偏角αおよびねじり角βを用いて羽の姿勢を示す。
【0104】
上述の如く、羽ばたきによる浮上移動は、羽にかかる流体力によって行われる。そのため、羽の運動により、ロボット90に与えられる加速度と角加速度とが直接制御される。
【0105】
まず、Sを目標とする浮上状態と現在の浮上状態との差異とする。T(S)を浮上状態から加速度および角加速度への変換を表わす関数とする。sを加速度および角加速度とする。Fα(s)を加速度センサ51および角加速度センサ52のセンサ応答を含めた制御アルゴリズムを表わす関数とする。sαをアクチュエータ制御量とする。Gw(sα)をアクチュエータ21および22と羽31および32との応答を表わす関数とする。Swを羽31および32の運動とする。Gfs(sw)を羽31および32の運動によりロボット90に及ぼされる加速度もしくは角加速度Seを表わす関数とする。Seがこの一連のプロセスにより行なわれる浮上状態の変更とする。そのとき、入力Sより出力Seが得られるプロセスは、図15に示す如くなる。図15は、羽ばたき動作制御における応答を示す図である。
【0106】
さらに、図15を参照して、実際には、羽31および32と流体との慣性力により、現在までの羽31および32の運動Rwと、流体の運動の時刻歴に依存する影響Rfsとが、GwとGfsとに加わる。
【0107】
なお、上述の方法以外にも、Fα以外の全ての関数を正確に求め、これよりS=Seとなる制御アルゴリズムFαを算出する手法もありうる。しかし、この手法においては、ロボット90周囲の流体の流れと羽31および32の運動の時刻歴とが必要であり、膨大なデータ量と演算速度とが必要となる。また、流体と構造との連成した挙動は複雑で、多くの場合カオティックな応答になってしまう。そのため、この手法は実用的でない。そこで、予め基本的な動作パターンを用意し、目標とする浮上状態を分割して、これら基本動作パターンを時系列に組合わせて実現する手法が簡便で好ましい。
【0108】
物体の運動にはx方向、y方向、z方向3自由度の並進自由度とθx方向、θy方向、θz方向3自由度の回転自由度、つまり6自由度が存在する。すなわち前後、左右、上下、そしてこれらの方向を軸とする回転である。
【0109】
このうち、左右への移動は、θz方向の回転と前後方向への移動とを組合わせて行なうことができる。そこで、ここでは、上下方向すなわちz軸方向への並進動作、前後方向すなわちx軸方向への並進移動、およびx軸y軸z軸周りの回転動作について、それぞれその実現方法を説明する。
【0110】
(1)上下方向(z軸方向)の動作
羽31および32が移動することで、羽31および32が流体から受ける力は羽31および32の移動速度に依存する。そのため、羽31および32に及ぼされる上向きの流体力を大きく(小さく)するには、
A:ストローク角θの振幅を大きく(小さく)する
B:羽ばたき周波数を大きく(小さく)する
等の方法がある。これらの方法によってロボット90は上昇(下降)することができる。ただし、流体力には負の値も含まれる。
【0111】
なお、これらの手法によれば、羽31および32が流体から受ける流体力そのものが大きくなる。そのため、羽31および32が流体力を上下方向以外から受けることによって、羽31および32の力学的支点A1およびA2に羽31および32から上下方向以外の力が及ぼされている際には、上昇と共に、その方向へのこの支点A1およびA2にかかる力の増加も伴なう。たとえば、前方に略等速直線運動を行なっている際に羽ばたき周波数を大きくすると、ロボット90は速度増加を伴なって上昇する。このように、現時点での羽ばたき方によって、副次的にこのような他の運動を伴なうが、以後、特に断らない限り、停空状態からの制御について説明する。
【0112】
また、羽31および32のねじり角βを変えて、羽31および32が移動する空間の体積を変化させることによっても浮上力は変化する。たとえば、打上げ時における羽31および32が移動する空間の体積がより大きく、もしくは、打下ろし時における羽31および32が移動する空間の体積がより小さくなるようなねじり角βとすることで、羽31および32に作用する上向きの流体力の時間平均は小さくなる。実際には、羽31および32は剛体でなく変形を伴なうため、同一のねじり角βによっても羽31および32が移動する空間の体積は変化する。しかし、第一原理的には、羽31および32の移動する方向に垂直なねじり角βが最も大きくなる、羽31および32が移動する空間の体積を考える。また、羽31および32が移動する方向に平行なねじり角βが最も小さくなる、羽31および32が移動する空間の体積を考える。
【0113】
なお、この場合、副次的に、羽ばたきと垂直方向にも流体力が作用する。そのため、この垂直方向の流体力が制御上支障を生じるレベルである場合は、これを打消す羽31おおよび32の動きを付加する必要がある。最も単純には、偏角αの変更により実現できる。
【0114】
また、前記のステップS2もしくはステップS4において、羽31および32の回転角速度を変化させることによっても、z軸方向の動作を行なうことは可能である。たとえば、ステップS2において羽31および32の回転角速度(−dβ/dt)を大きくすると、この回転によって生じる流体の下方向への流速が大きくなるため、この反作用によって羽31および32に作用する上向きの流体力は大きくなる。
【0115】
なお、上述の場合、ロボット90に及ぼされる、羽31および32の主軸311および321を回転軸とするトルクが、副次的に変化する。よって、この変化が制御上支障のない範囲内で、この回転角速度変化を行なうことが好ましい。
【0116】
また、この場合、ロボット90に及ぼされる、前後方向への力も副次的に変化する。よって、この変化が制御上支障を来たす場合は、(2)として後述する前後方向への力の制御も同時に行なうことが好ましい。
【0117】
(2)前後方向(x軸方向)への動作
前述した羽ばたき方法では、主にステップS2およびステップS4にて、x方向正の向きへの流体力が羽31および32に作用する。したがって、この羽31および32の動かし方においては、前進を伴なって浮上する。
【0118】
また、打下ろしの際に、偏角αを増加して羽31および32を前方に移動させることで、羽31および32には後向きの流体力が作用することになる。したがって、打下ろしの際、すなわちステップS1における偏角αを制御して、ステップS1における羽31および32に作用する後向きの流体力を、他の(主にステップS2とステップS4における)前向きの流体力よりも大きくすれば後退し、小さくすれば前進することができる。また、この後向きの流体力と前向きの流体力とがほぼ釣合えば、前後方向に静止することができる。
【0119】
特に、ロボット90が前後方向に静止しており、左右の羽31および32が略対象な運動を行ない、重力とロボット90における浮上力とが釣合っているならば、ホバリング状態が実現できる。
【0120】
なお、偏角αの変更に伴ない、副次的に、羽31および32に及ぼされる流体力の鉛直方向成分が変化する。そのため、この流体力の鉛直方向成分が制御上支障を生じるレベルである場合には、これを打消す羽31および32の動きを付加する必要がある。これは主に前述(1)の上下方向の動作によって行なうのが簡便である。
【0121】
さらに、前述したステップS2およびステップS4において、羽31および32の回転動作の角速度を大きくすると前向きの流体力が増加し、小さくすると減少する。これによっても前後方向への動作を変化させることができる。
【0122】
また、(1)に述べた羽31および32のねじり角βの変更に伴なう副次的な流体力のうち、x軸方向成分を利用する手法を用いることもできる。つまり、打下ろし時に、ねじり角β>0なら前方向への力が働き、ねじり角β<0なら後ろ方向への力が働く。
【0123】
なお、打上げ時のねじり角β、偏角α、およびストローク角θの関係は、ある程度拘束されているが、以上の流体力の制御は、ステップS3においても可能である。
【0124】
(3)z軸を回転軸とする回転動作
(2)において述べた前後方向への制御を、左羽32と右羽31について個別に行ない、これを異ならせることで、ロボット90にトルクを与えることができる。
【0125】
すなわち、右羽31の前向きの流体力を、左羽32のそれに対して高くすれば、ロボット90はx軸正の向きに向かって左方向を向き、低くすれば同じく右方向を向く。これによって、z軸を回転軸とする回転動作を行なうことができる。
【0126】
(4)x軸を回転軸とする回転動作
(3)と同様に、右羽31の上向きの流体力を、左羽32のそれに対して大きくすれば右側が持上がり、小さくすれば左側が持上がる。これによって、x軸を回転軸とする回転動作を行なうことができる。
【0127】
(5)y軸を回転軸とする回転動作
(2)に述べた、羽31および32のねじり角βの角速度変更によって、ロボット90にかかるy軸周りのトルクを変化させることができる。これにより、y軸を回転軸とする回転動作を行なうことができる。たとえば、ステップS1におけるねじり角βの回転角速度を大きくすると、ロボット90は機首を下げ、逆に小さくすると機首を上げる。
【0128】
(6)ホバリング(停空飛翔)
ロボット90を停空させる際のストローク角θ、偏角α、およびねじり角βと時間との関係を、図16に示す。図16は、ロボット90を停空させる際のストローク角θ、偏角α、およびねじり角βの値を、時間の関数として表わした図である。ただし、図16においては、それぞれの角度の縦軸の比率は異なっている。
【0129】
なお、具体的に、本願出願人が実験に用いた数値は、以下の数値である。θ0は60°である。β0は−10°である。α1は30°である。β1は−100°である。β2は−60°である。
【0130】
さらに、上述の(1)および(2)に示された動作においての、各ステップS1〜S4における左羽32の運動と、それにより左羽32の力学的支点A2に生じる加速度および角加速度とを図17に示す。図17は、羽31および32の制御とそれによりもたらされる動作とを対応付ける図である。図17においては、各ステップS1からS4における左羽32の運動ごとに、左羽32の力学的支点A2に生じる加速度および角加速度とを丸印で示す。ただし、左右の羽31および32の運動の非対称によって起こすことができるため、(3)、(4)に示すx軸、z軸を回転軸とする回転動作については省略する。
【0131】
次に、本実施の形態におけるロボット90に任意の運動を行なわせるための制御方法を決定する手法について説明を行なう。
【0132】
ロボット90の現在の浮上状態は、ロボット90に搭載された加速度センサ51や角加速度センサ52が取得した値を適宜変換した値を用いて求められる。たとえば、速度は、加速度を時間積分した値に速度の初期値を加えることで求められる。また、位置は、速度を時間積分した値に位置の初期値を与えることで求められる。当然、浮上状態に、浮上状態の時刻歴を含む手法を用いることもできる。
【0133】
制御装置4は、現在のロボット90の浮上状態と、目的とする浮上状態とから、ロボット90の動作を決定する。この制御は、3次元で行なわれる点以外は従来から行なわれている制御手法を適用することができる。
【0134】
ロボット90の動作は、制御装置4にて、アクチュエータ21および22の駆動に変換される。
【0135】
この変換には、テーブル参照、もしくはその補完を用いる方法が高速である。たとえば、図18は、基本となる動作と、それを実現するアクチュエータ21および22の駆動の組合わせとを定めるテーブルである。図18に示されるテーブルを予め用意することで、ロボット90の動作が、制御装置4にて、アクチュエータ21および22の駆動に変換される。なお、図18の左端列は、目的とする動作である。また、羽ばたきにおけるAおよびBは、Aは前進時の羽ばたき方、Bは停空時の羽ばたき方である。より具体的には、それぞれ図14および図16に示される、偏角α、ねじり角β、およびストローク角θの時刻歴を、時間的に離散化したものである。制御装置4は、ロボット90の動作から、この駆動もしくはその補完した駆動を、図18に示されるテーブルより算出する。
【0136】
なお、ここでは説明のため、まずロボット90の動作を算出し、これをアクチュエータ21および22の駆動に変換するという手法を用いたが、浮上状態から直接アクチュエータ21および22の駆動を選択する手法を用いてもよい。
【0137】
たとえば、定位制御を行なう場合、現在位置と目標位置との差によって、上述したアクチュエータ21および22の駆動のいずれか、もしくはそれを補完した駆動を直接算出する手法であってもよい。
【0138】
また、言うまでもなく、ロボット90の浮上状態を表わす物理量は、上述の位置、速度、加速度等に限定されるものではない。また、言うまでもなく、アクチュエータ21および22の駆動を決定する手法は、この態様に限らない。
【0139】
次に、本実施の形態におけるロボット90の構成で浮上が可能な条件について、以下に述べる。
【0140】
本願出願人の実験環境では、アクチュエータ21および22として進行波アクチュエータを用いた。この進行波アクチュエータによれば、ステータ210は超音波モータ23と同等であるので、θ方向の羽ばたきに関してはトルク1.0gf・cmである。
【0141】
そこで、本願出願人はシミュレーションによりこのトルクで羽ばたいた際の流体力を算出した。以下にその際の値を、具体例として挙げる。
【0142】
羽31および32は、アクチュエータ21および22から離れる方向が長辺で、長辺4cm、短辺1cmの矩形であるものとする。なお、羽31および32の変形は無視する。また、幅8mm、長さ33mmのトンボの羽が約2mgであったので、これにならい、羽31および32の質量は3mgとする。
【0143】
さらに、超音波モータ23は、突起先端232〜237の微小な楕円運動の累積によってロータを駆動するため、実際の駆動トルクの立上がりおよび立下がりは、楕円運動の周期オーダ、すなわち10の5乗ヘルツオーダーである。しかし、計算の安定性からの制約上、±250gf・cm/secとする。すなわち、トルクは0.004秒に1gf・cm上昇する。
【0144】
この羽31および32を、一方の短辺を、この辺を回転軸とする回転自由度のみ残して固定し、この回転自由度にトルクを与える。図19は、回転軸にかかる反力を、上述の具体的な数値を用いて算出した結果を示す図である。ただし、偏角α=0(度)、ねじり角β=0(度)である。
【0145】
図19を参照して、時刻0秒において羽31および32は水平、すなわちストローク角θ=0(度)である。ここから時刻0.004秒までの間にトルクを1gf・cmまで直線的に向上させ、0.004秒から0.01秒まで1gf・cmを保つ。そして時刻0.01秒から0.018秒までの間にトルクを1gf・cmから−1gf・cmまで直線的に変化させ、同0.018秒から0.03秒までは−1gf・cmを保ち、同0.03秒から0.038秒までの間に再び1gf・cmへと直線的に変化させる。
【0146】
これにより得られた接点反力を、打下ろしの間、すなわちトルクが負である時間である時刻0.014秒から時刻0.034秒までの間で平均すると約0.29gfである。
【0147】
以上のシミュレーションは、1自由度のはばたき動作の結果であるため、打上げ時における流体力の作用は不明である。しかし、断面積に比して流体の抵抗は減少するので、打上げ時に働く下向きの支点反力を小さくし、かつ、打下ろし時と同じトルクで打上げることが可能なため、打上げに要する時間は打下ろしに要する時間より遙かに短い。すなわち、打上げの際の力が作用する時間は短いこと、また打下ろし以外にも羽31および32の回転などを用いて浮上力が更に得られることから、トルク1gf・cmのアクチュエータ21および22を用いて、0.29g程度の質量を浮上させることは可能であると言える。すなわち、本実施の形態における装置(ロボット90)全体の質量が0.58g以下であれば、浮上させることが可能である。以下、上述の具体的な数値を用いて、ロボット90の重量について検討する。
【0148】
まず、ステータ210の質量は、電極と圧電素子とが薄いため、比重2.7、厚さ0.4mm、半径4mmの円盤と同等であり、0.054gである。
【0149】
また、補助ステータ212および213の重量は、ステータ210の直径が0.7倍であることから0.019gである。
【0150】
3つのベアリング211,214,215はいずれも外形4.2mm、内径3.8mm、厚さ0.4mmのドーナツ状のボールベアリングである。材質は、比重4.8のチタンで、約30%の空隙があるため、ベアリング211,214,215の質量は約0.013gである。
【0151】
また、ロータ219は、材質がアルミで壁央半径3mm、厚さが0.2mmであるため、質量は約0.061gである。
【0152】
これらの総和から、アクチュエータ21の質量は0.192gである。
また、右羽31の質量は、前述の通り0.003gである。
【0153】
以上の構成が左右計2つあるので、質量の和は0.390gである。
また、本願出願人が採用した、図2に示す支持構造1は、直径1cm、比重0.9、厚さ0.1mmの球体であるので、支持構造1の質量は約0.028gである。
【0154】
また、本願出願人が採用した制御装置4、通信装置7、加速度センサ51、および角加速度センサ52はそれぞれ、5mm×5mmの半導体ベアチップで、各質量は約0.01gである。すなわち、これらの質量の総和は0.04gである。
【0155】
また、本願出願人が採用した電源6の重量は0.13gである。
以上、ロボット90の全ての構成要素の重量の合計は、0.579gとなる。そのため、上述の如く、1対の羽31および32で浮上力0.58gfを得るので、ロボット90は、この構成で浮上することが可能である。
【0156】
次に、制御装置4について、図2および図16を用いて説明する。
図2に示すとおり、制御装置4は、演算装置41とメモリ42とシリアルインタフェース43とからなる。
【0157】
上述の演算装置41は、ロボット90における各構成要素の動作を決定し、制御する。なお、本実施の形態における演算装置41は、情報を処理し、その情報に基づいて何らかの物理量を出力するものの総称であり、特に算術演算を行なう装置に限るものではない。
【0158】
本実施の形態においてはより具体的に、演算装置41は加速度センサ51および角加速度センサ52からの情報によりロボット90の加速度および角加速度を算出する。また、速度および角速度と、目標とする経路からのずれとから、演算装置41は、現時点でロボット90に与えられるべき加速度と角加速度とを算出する。さらに演算装置41は、この算出された加速度と角加速度より、各アクチュエータ21および22の動作パラメータを決定する機能を有し、これを用いて各アクチュエータ21および22の動作を決定する。
【0159】
最も代表的な手法として、ロボット90における加速度センサ51および角加速度センサ52の情報を時間積分することにより、ロボット90の速度および角速度を算出し、さらにこれをそれぞれ更に時間積分することによりロボット90の位置と姿勢とをそれぞれ算出することができる。積分定数としては、ロボット90が待機状態での値、すなわち、速度および角速度が共に0で、位置と姿勢とはベースステーション91に固定されている状態での値を用いればよい。当然、誤差を避けるためにこれらの演算はなるべく高いサンプリング周波数で行なわれることが望ましい。
【0160】
このように、現時点でロボット90に与えられるべき加速度および角加速度は、目標とする軌道に静定することを目標とする一般的な制御演算により求めることができる。
【0161】
これにより、ロボット90のアクチュエータ類の駆動が決定される。さらにより具体的には、演算装置41は、ロボット90に与えられるべき代表的な加速度と角加速度との組合わせに対応した偏角α、ねじり角β、およびストローク角θの時系列値をテーブルとして有し、これらの値、もしくはその補間値を各アクチュエータ21および22の動作パラメータとする。なお、偏角α、ねじり角β、およびストローク角θの時系列値とは、たとえば加速度、角加速度共に0であるホバリングの場合は、図19にグラフで示される値を離散化したものである。これらの値によって各アクチュエータ21および22は駆動される。
【0162】
なお、ここに挙げる偏角α、ねじり角β、およびストローク角θは、制御パラメータの一例であり、説明の簡便のためこれらのパラメータを指定することでアクチュエータ21および22が駆動されることを前提に記述している。しかし、たとえば、より直接的にこれらを実現する各アクチュエータ21および22の駆動電圧や制御電圧に変換したものを用いる手法の方がより効率的である。これらは既存のアクチュエータ制御方式と特に異なるものではないので、ここでは代表的なパラメータとして偏角α、ねじり角β、およびストローク角θを挙げている。なお、同等の機能が実現できる手法であれば、本実施の形態に限るものではない。
【0163】
当然、制御装置4の機能は、上述の機能に限定されない。たとえば無線通信機能等を備えても構わない。
【0164】
さらに、これらの動作開始または終了は、シリアルインタフェース43を経由して、ベースステーション91より送られてくる動作指示命令をトリガとすることができるものとする。
【0165】
これにより、ロボット90は、電極61が電極914と電気的に結合している場合、ベースステーション91より受信した軌道データに基づく行動を、ベースステーション91の指示により開始または終了することができる。
【0166】
次にロボット90の駆動エネルギー源、すなわち電源6について説明する。
本実施の形態における電源6は、リチウムイオンポリマを電解質とする。そこで、リチウムイオンポリマを、支持構造1に封入しておけばよい。これにより液漏れを防ぐための余分な構造が不要であり、実質的なエネルギー密度を高めることができる。
【0167】
なお、現在市販されているリチウムイオン二次電池の一般的な質量エネルギー密度は150Wh/kgである。本実施の形態におけるアクチュエータ21および22での消費電流は最大40mAであるので、電源6の電解質重量を約0.1gとすると、本実施の形態のおいては約7.5分の飛行が可能である。
【0168】
また、本実施の形態における左右のアクチュエータ21および22の最大消費電流は合計40mAである。また、電源電圧は3Vである。そのため、電源6の電解質重量が0.1gであるので、0.12W/0.1g、つまり1200W/kgの重量パワー密度を持つ電源6の実現が求められる。ここで、市販品で実現されているリチウムイオンポリマ二次電池の重量パワー密度は約600W/kgであるが、これは携帯電話等の情報機器に用いられている、10g以上の製品における電池の重量パワー密度の値である。一般に、電解質質量に対する電極面積の比はサイズに反比例するので、本実施の形態における電源6は、前出の情報機器などに用いられている二次電池の10倍以上の電極面積比を持つため、10倍程度の質量パワー密度が達成可能であり、冒頭の質量パワー密度は十分達成可能である。
【0169】
さらに、アクチュエータ21および22の駆動エネルギーを、外部から供給する方法を用いることもできる。たとえば、電力エネルギーを外部から供給する媒体については、温度差および電磁波等が挙げられ、これを駆動エネルギーに変換する機構としてはそれぞれ熱電素子およびコイル等が挙げられる。
【0170】
なお、異なる種類のエネルギー源を混載する手法を用いることもできる。電力以外のエネルギー源を用いる場合、基本的には、制御は制御装置4からの電気的信号を用いることになると考えられる。
【0171】
また、他のエネルギー源の種類としては、太陽電池、燃料電池、原子力などの使用も可能である。
【0172】
次に、ロボット90に搭載される各センサ51〜53について説明する。
加速度センサ51は支持構造1の3自由度並進加速度を、角加速度センサ52は支持構造1の3自由度回転角加速度を、焦電型赤外線センサ53は発熱源を検出することで人体を含む動物の有無情報を検出する。これらの検出結果は制御装置4に送られる。
【0173】
なお、本願出願人が用いた加速度センサ51の帯域の具体的な数値としては、帯域40Hzである。当然、加速度センサ51や角加速度センサ52の帯域は、高ければ高いほど時間的に緻密な制御が可能であるが、ロボット90の浮上状態の変更は、1回以上の羽ばたきの結果起きるものであると考えられるので、現在市販されている帯域が数十Hz程度のセンサでも実用が可能である。
【0174】
本実施の形態では、加速度センサ51および角加速度センサ52によりロボット90の位置および姿勢を検出するものとしたが、ロボット90の位置と姿勢とが計測可能な手段であるならば上記センサに限らない。たとえば、互いに直交する3軸方向の加速度を測定可能な加速度センサを少なくとも2つ、それぞれ支持構造1の異なる位置に配置させ、その加速度センサから得られる加速度情報に基づいてロボット90の姿勢を算出することも可能である。また、GPS(Global Positioning System;衛星位置標定システム)センサ等を用いる手法も考えられる。なお、後述するベースステーション91がロボット90の位置と姿勢とを直接検出する機能を有する場合には、言うまでもなくこれのセンサは必須ではない。
【0175】
また、加速度センサ51および角加速度センサ52をはじめとするセンサ類は、制御装置4とは別部品として表現したが、軽量化の観点から、マイクロマシニング技術によって制御装置4と一体で同一のシリコン基板上に形成してもよい。
【0176】
なお、本実施の形態におけるセンサ51〜53は、本実施の形態の目的を達成する一例としての最低限の構成要素であって、センサの種類、個数、構成については上述に限定されるものではない。
【0177】
たとえば、ロボット90における羽31および32の駆動には、フィードバックのない制御を用いているが、羽31および32の付け根に羽の角度センサを設け、ここから得られた角度情報によりフィードバックを行ない、より正確に羽31および32を駆動する方法を用いることもできる。
【0178】
また逆に、浮上する領域における気流が既知であり、予め定められた羽ばたき方のみによって目的位置に定位することが可能ならば、ロボット90の浮上状態を検出することは不要となるので、加速度センサ51や角加速度センサ52は必須ではない。
【0179】
以上で、ロボット90についての説明を終了し、次に、ベースステーションBSの1つの具体例としてベースステーション91について説明を行なう。
【0180】
まず始めに、ベースステーション91の主要な構成と機能とを説明する。図20は、ベースステーション91の主要な構成と機能とを示す図である。なお、図20に示されるベースステーション91の主要な構成は、本発明の主旨の技術を実現する構成の一例であり、これに限定されるものではない。
【0181】
図20を参照して、ベースステーション91は、その上面がロボット90の離着陸台を兼ねており、ロボット90はその電極61がベースステーション91の電極914に嵌合する。この状態で、ベースステーション91は、シリアルインタフェース916を介してロボット90に軌道情報を送信する機能を有する。また、ベースステーション91は、シリアルインタフェース916を介して、ロボット90に離陸動作開始命令を送信することができる。これによりロボット90はベースステーション91より浮上する。
【0182】
また、ベースステーション91は、ロボット90の離着陸を補助するための、ロボット検出装置917、および電磁石915を備える。また、ベースステーション91は、ロボット90の電源6を充電するための充電器913を備える。
【0183】
また、ベースステーション91は、全面に入出力パネル919を有する。操作者は、入出力パネル919より、ロボット90の行動設定などを行なうことができる。
【0184】
そして、上述の各構成要素は、ベースステーション91の演算装置911により制御される。
【0185】
次に、演算装置911について、図21を参照しつつ説明する。図21は、上述のロボット90とベースステーション91とにおける各種情報の流れを示す図である。なお、各機能の動作の順については、全体の動作手順の項に後述する。
【0186】
演算装置911は、ベースステーション91の各構成要素から得られた情報等により、ベースステーション91を制御する。
【0187】
また、演算装置911は、シリアルインタフェース916を通じて、軌道情報をロボット90に送信する。また、同じくシリアルインタフェース916を通じて、離陸開始命令をロボット90に送信する。
【0188】
また、演算装置911は、ロボット検出装置917からの信号により、電磁石915の制御を行なう。すなわち、ロボット90をロボット検出器917が検出した際には電磁石915を動作させるなどの手法で、ロボット90をベースステーション91に吸着させる。
【0189】
また、演算装置911は充電器913を制御し、ロボット90の電極61がベースステーション91の電極914に結合している場合であって、ロボット90の電源6に充電が必要な場合に、ロボット90への充電を行なう。
【0190】
次に、ベースステーション91が行なう、ロボット90の離着陸の際の補助の手法について説明を行なう。
【0191】
ロボット90の羽ばたきの開始もしくは終了時、すなわちロボット90の離着陸の際は、羽ばたきによって発生する気流が急激に増加もしくは減少し不安定である。そのため、ベースステーション91がロボット90の位置および姿勢を制御することは難しい。そこで、本実施の形態では、離陸の前の段階において、ベースステーション91に備えられた電磁石915がロボット90を吸着する。そのため、ロボット90の離陸の際は羽ばたきによる気流が安定するまで電磁石915を作動させ、気流が安定した時点で電磁石915による吸着を停止する、等の手法を用いることで、ベースステーション91はロボット90の安定した離陸を実現することが可能である。
【0192】
ロボット90の着陸の概略について説明する。まず、ベースステーション91は、ロボット90の電極61が充電穴914の上部に位置するようロボット90を移動させる。そして、この状態で電磁石915を作動させ、ロボット90を吸着する。このため、ベースステーション91は、さらにその後にロボット90の羽ばたきを停止させれば気流が不安定となる状態でも、ロボット90の着陸時の位置と姿勢とを安定させることができる。なお、ロボット90の定位を容易にするため、電極61もしくは充電穴914の少なくとも一方はテーパー形状をしていることが望ましい。
【0193】
なお、重量が許すならロボット90が電磁石915を有する構成であっても構わない。また、この構成により、ロボット90はベースステーション91に限らず、強磁性もしくは軟磁性材料で構成される物質全てに対して安定した離着陸が可能になる。
【0194】
さらに、ロボット90のより加速度の小さい離陸を実現するために、電磁石915に力覚センサを配し、この力覚センサにかかる力によって電磁石915の吸引力を制御する手法を用いることも可能である。
【0195】
また、上述の補助の手法は、離着陸時の気流不安定性に伴なうロボット90の不安定浮上を防ぐ手法の一例にすぎないため、離着陸時にロボット90を一時的に保持する機構であれば他の手段を用いても構わない。たとえば、電磁石915に替えて空気を用いてロボット90を吸引する手法を用いることもできる。また、レール等のガイド機構に沿ってロボット90の離着陸を行なう等の手法を用いることもできる。
【0196】
以上で、ベースステーション91についての説明を終了する。
本実施の形態における群ロボットシステム100が上述のように構成され、上述のように機能することで、GPS(Global Positioning System)等の装置を用いることなく、ロボットのセンシングと、動き制御のための通信経路、方式を用いてセンシングロボットの位置同定とを行なうことができる。
【0197】
また、本実施の形態における群ロボットシステム100は、センシングロボットの位置同定においてそれぞれのセンシングロボットCS同士、またはベースステーションBSとセンシングロボットCSとの間の通信の、距離および通信電力(パワー)を、ベースステーションBSとセンシングロボットCSとが1対1で通信を行なう場合に比較して小さくすることができるため、センシングロボットCSそれぞれの通信機構の小型化または軽量化を図りながら、ベースステーションBSからのセンシングロボットCSの位置同定が可能になる。
【0198】
なお、センシングロボットCSは、センサ機能と移動機能と通信機能とを備え、フェロモンロボットFE105は、移動手段と通信手段を備え、センシング機能がついている移動体の動きを直接制御する装置であればよく、上述のように羽ばたき飛行を行なう羽ばたきロボットであることが好ましいが、上述の手段を備えるその他の装置であっても構わない。
【0199】
本実施の形態においては、図1に示される群ロボットシステム100を、たとえば、1辺、最小数10メートルから最大数キロメートル平方の面積の部分から火事や人などの熱源の探索、COなどの有毒ガスや有毒放射線の探索、地雷などの金属探査、都市設計のための3次元の画像データの収集などに用いる。
【0200】
たとえば、上述の、都市全体の有毒ガスや有毒放射線の探索を行なう場合には、群ロボットが一度に全ての市街地を探索するのではなく、数分の1に分割された市街地を、ベースステーションBS101を中心として位置した探索用の羽ばたきセンシングロボットCS群が、目的物の探索を行なう。センシングロボットCS群が、上記の数分の1に分割された市街地の有毒ガスや有毒放射能の探索を終えると、ベースステーションBS101が次の数分の1に分割された市街地の探索をするために徐々に移動を始め、目的地の市街地区域に来ると停止する。
【0201】
ベースステーションBS101の移動に追従して、フェロモンロボットFE105、センシングロボットCSが移動を始める。ベースステーションBS101が次の市街地区域で移動を停止すると、センシングロボットCS群は、ベースステーションBS101を中心として位置して、分割された市街地の有毒ガスや有毒放射線の探索を行なう。
【0202】
このようにして、本実施の形態の群ロボットシステム100においては、分割された区域をセンシングロボットCS群で探索する。そして、センシングロボットCSは、探索結果をベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105とに送る。フェロモンロボットFE105は、対象物の有無についての情報を受取って、センシングロボットCSに対して探索を続行するための制御を行なう。ベースステーションBS101は、探索結果を処理する。そして、区域の探索終了後、群ロボットシステム100全体は、ベースステーションBS101を中心に移動しながら次の区域の探索を行なう。このように、この移動の動作を繰返しながら全体面積の探索を行なう。
【0203】
以下に、本群ロボットシステム100における対象物(Object)の検出方法について述べる。本群ロボットシステム100において、センシングロボットCSnは対象物を検出し、対象物の有無についての情報をフェロモンロボットFE105に対して伝える。
【0204】
図1においては、本実施の形態における群ロボットシステム100の構成の初期状態の具体例であって、対象物(Object)を検出する前のセンシングロボットCSnの位置関係と、各々のセンシングロボットCSの探索能力(分解能およびセンサ機能のON/OFF)とを模式的に示している。
【0205】
図1を参照して、始めに、対象物を検出する前には、センシングロボットCS30〜CS34(分解能R104)、およびセンシングロボットCS20〜CS24(分解能R103)のうち、ベースステーションBS101から遠いセンシングロボットCS30〜CS34のセンサ機能がまずONになっている。
【0206】
ここで、センシングロボットCSの時間あたりの移動距離は、次にベースステーションBS101から遠いセンシングロボットCSに比べて大きい。つまり、センシングロボットCSの羽ばたき周波数が、次にベースステーションBS101から遠いセンシングロボットCSの羽ばたき周波数に比べて大きい。このため、全てのセンシングロボットCSにおいて、センサの精度およびサンプリング速度が同じである場合には、上記の単位時間あたりの移動距離との関係から、センシングロボットCSの目的物検出のための分解能は、次にベースステーションBS101から遠いセンシングロボットCSの分解能に比べて低分解能である。
【0207】
すなわち、ベースステーションBS101から遠い、群ロボットシステム100の外側のセンシングロボットCS30〜CS34は、内側のセンシングロボットCS20〜CS24よりはばたき速度が速いために、分解能R104がセンシングロボットCS20〜CS24の分解能R103より低く設定されている。
【0208】
本群ロボットシステム100では、始めに、この外側のセンシングロボットCS30〜CS34のセンサ機能がONとなるようベースステーションBS101が制御し、外側のセンシングロボットCS30〜CS34で対象物の探索を始める。このとき、分解能が高いセンシングロボットCS20〜CS24(分解能R103>R104)のセンサ機能はOFFとなるようベースステーションBS101が制御している。よって、この時点では、センシングロボットCS20〜CS24は、探索動作を行なっていない。
【0209】
次に、センシングロボットCS30が、対象物を発見した場合の、群ロボットシステム100の構成の2次状態の具体例について図22に示す。
【0210】
図22を参照して、センシングロボットCS30が対象物(Object)を発見した場合、センシングロボットCS30からフェロモンロボットFE105に、対象物の検出を通知する情報が送られる(図22において点線にて示されている)。フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCS30からこの情報を受けて、対象物近傍に移動する。このフェロモンロボットFE105の移動は、フェロモンロボットFE105の記憶装置に記憶されるプログラムに予め定められており、フェロモンロボットFE105のCPU(Central Processing Unit)等からなる制御装置が、記憶装置からプログラムを読出して実行することによって実現される。
【0211】
このとき、センサ機能がONになっているにもかかわらず、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図22において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。この対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34の移動は、センシングロボットCS30から対象物を検出した旨の情報を受けたフェロモンロボットFE105が、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34に対して移動を行なうよう制御信号を送ることによって実現される。あるいは、後に説明を行なう通信方法によって、センシングロボットCS30から対象物に関する情報を受けたベースステーションBS101が、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34に対して移動を行なうよう制御信号を送ることによって実現されてもよい。
【0212】
次に、センシングロボットCS30から検出情報を受けたフェロモンロボットFE105は、図23に示すように、対象物を最初に検出したセンシングロボットCS30より、分解能が高いセンシングロボットCSであって、比較的近傍のセンシングロボットCS20,CS21,CS23に対象物の検出を伝える(図23において長破線にて示されている)。センシングロボットCS20,CS21,CS23は、フェロモンロボットFE105からの信号を受けると、センシング機能をONにして探索動作(追探索)を開始する。すなわち、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCS20,CS21,CS23に対して、センサ機能をONにするよう制御信号を送る。また、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCS20,CS21,CS23に対して、フェロモンロボットFE105に向かって移動するよう制御信号も送る。
【0213】
このとき、センサ機能がONになっているにもかかわらず、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図23において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。また追探索を行なわないセンシングロボットCS22,CS24も、図23において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。ここでのセンシングロボットCS22,CS24,CS31,CS32,CS33,CS34の移動については、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0214】
次に、センシング機能をONにして探索動作(追探索)を開始したセンシングロボットCS20,CS21,CS23は、図24に示すように、対象物の近傍であって、信号を送るフェロモンロボットFE105に向かって移動する。そして、対象物の近傍で、対象物を最初に検出したセンシングロボットCS30より高分解能のセンシング機能で、探索を続ける。
【0215】
このとき、センサ機能がONになっているにもかかわらず、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図24において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。また追探索を行なわないセンシングロボットCS22,CS24も、図24において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。上記のセンシングロボットCS22,CS24,CS31,CS32,CS33,CS34は、通常は、次の探索エリアの探査を行なうために、次の探索エリアに移動する。なお、ここでのセンシングロボットCS22,CS24,CS31,CS32,CS33,CS34の移動については、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0216】
次に、対象物(Object)を発見したセンシングロボットCS30は、当該対象物の探索を終了すると、図25に示すように対象物から離れ、既に当該初期の探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流して次の探索エリアに移動し、次のエリアを探索する。さらに、当該対象物の追探索を行なっているセンシングロボットCS20,CS21,CS23もまた、当該対象物の探索を終了すると、図26に示すように対象物から離れ、既に当該初期の探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流して次の探索エリアに移動し、次のエリアを探索する。
【0217】
これらのセンシングロボットCSの移動は、これらのセンシングロボットCSから対象物の探索を終了した旨の情報を受けたフェロモンロボットFE105が、当該センシングロボットCSに対して対象物から離れるよう、あるいは次の探索エリアに移動するよう制御信号を送ることによって実現される。あるいは、後に説明を行なう通信方法によって、センシングロボットCSから対象物の探索を終了した旨の情報を受けたベースステーションBS101が、当該センシングロボットCSに対して対象物から離れるよう、あるいは次の探索エリアに移動するよう制御信号を送ることによって実現されてもよい。
【0218】
また、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCSから対象物の探索および追探索を終了した旨の情報を受信して探索の終了を検出すると、対象物から離れ、既に当該初期の探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流する。
【0219】
なお、本実施の形態においては、本群ロボットシステム100に、分解能の異なるセンシングロボットCSである、分解能が2段構成であるセンシングロボットCSが含まれるものとしているが、分解能が3段以上の構成であるセンシングロボットCSが含まれる場合であっても同様である。
【0220】
また、図1の初期状態において、分解能の異なるセンシングロボットCS30〜CS34とセンシングロボットCS20〜CS24とが、ベースステーションBS101を中心として、ほぼ同心円上に配置されている例が示されているが、分解能が異なるセンシングロボットCSがほぼランダムに配置されてもよい。
【0221】
なお、上述のように、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34、および追探索を行わないセンシングロボットCS22,CS24は、通常は、次の探査エリアの探索を行なうために次の探索エリアに移動するが、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、図1、図22、図23に示される状態の後、図23あるいは図27において点線で示されるように、初期位置に向かって移動する。
【0222】
また、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、対象物を検出したセンシングロボットCS30は、対象物の探索を終了すると、図28に示すように、対象物から離れ、初期位置に移動する。
【0223】
さらに、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、追探索を行なっていたセンシングロボットCS20,CS21,CS23は、対象物の探索を終了すると、図29の点線で示されるように、対象物から離れ、初期位置に向かって移動する。フェロモンロボットFE105も同様に、対象物から離れ、初期位置に向かって移動する。
【0224】
上述の対象物の検出方法は、分解能が異なる複数のセンシングロボットCSnを用いて対象物を検出する方法であるが、その他の検出方法もある。以下に、備えるセンサ機能の異なる複数のセンシングロボットCSnを用いて対象物を検出する場合の対象物の検出方法について述べる。
【0225】
図30は、この場合の本群ロボットシステム100の構成の初期状態の具体例であって、対象物(Object)を検出する前のセンシングロボットCSnの位置関係と、各々のセンシングロボットCSの検出機能(センサ種類およびセンサ機能のON/OFF)とを模式的に示している。
【0226】
図30を参照して、始めに、センシングロボットCS30〜CS34は赤外線センサを備え、センシングロボットCS20はイメージセンサを備え、センシングロボットCS21はガス検出センサを備え、センシングロボットCS22,CS23は放射線検出センサを備え、センシングロボットCS24はガス検出センサを備えるものとする。これらのセンシングロボットCS30〜CS34、およびセンシングロボットCS20〜CS24のうち、ベースステーションBS101から遠いセンシングロボットCS30〜CS34のセンサ機能がまずONになっている。本実施においては、始めに、同じ種類のセンサ機能を備える複数のセンシングロボットCSロボットにより目的物の探索を始める。具体的には、赤外線センサを備えるセンシングロボットCS30〜CS34により対象物の探索を始める。
【0227】
本群ロボットシステム100では、始めに、この外側のセンシングロボットCS30〜CS34のセンサ機能がONとなるようベースステーションBS101が制御し、外側のセンシングロボットCS30〜CS34で対象物の探索を始める。このとき、他のセンサ機能を備えるセンシングロボットCS20〜CS24(イメージセンサ、ガス検出センサ、放射線センサ)のセンサ機能はOFFとなるようベースステーションBS101が制御している。よって、この時点では、センシングロボットCS20〜CS24は、探索動作を行なっていない。
【0228】
次に、センシングロボットCS30が、対象物を発見した場合の、群ロボットシステム100の構成の2次状態の具体例について図31に示す。
【0229】
図31を参照して、センシングロボットCS30が対象物(Object)を発見した場合、センシングロボットCS30からフェロモンロボットFE105に、対象物の検出を通知する情報が連絡される(図31において点線にて示されている)。フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCS30からこの情報を受けて、対象物近傍に移動する。ここでのフェロモンロボットFE105の移動は、上に述べたフェロモンロボットFE105の移動と同様であるため、ここでの説明を繰返さない。
【0230】
このとき、センサ機能がONになっているにもかかわらず、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図31において実線で示されるように、次の探索エリアの探査のために、現在の探索エリアから次の探索エリアに移動する。ここでのセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34の移動については、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0231】
次に、センシングロボットCS30から検出情報を受けたフェロモンロボットFE105は、図32に示すように、対象物を最初に検出したセンシングロボットCS30とは異なるセンシング機能(センサ)を備えるセンシングロボットCSであって、比較的近傍のセンシングロボットCS20,CS21,CS23に対象物の検出を伝える(図32において長破線にて示されている)。センシングロボットCS20,CS21,CS23は、フェロモンロボットFE105からの信号を受けると、センシング機能をONにして探索動作(追探索)を開始する。すなわち、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCS20,CS21,CS23に対して、センサ機能をONにするよう制御信号を送る。また、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCS20,CS21,CS23に対して、フェロモンロボットFE105に向かって移動するよう制御信号も送る。
【0232】
このとき、センサ機能がONになっているにもかかわらず、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図32において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。また追探索を行なわないセンシングロボットCS22,CS24も、図32において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。ここでのセンシングロボットCS22,CS24,CS31,CS32,CS33,CS34の移動については、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0233】
次に、センシング機能をONにして探索動作(追探索)を開始したセンシングロボットCS20,CS21,CS23は、図33に示すように、対象物の近傍であって、信号を送るフェロモンロボットFE105に向かって移動した後、対象物の近傍で、対象物を最初に検出したセンシングロボットCS30とは異なる種類のセンシング機能で、探索を続ける。図33に示される例では、イメージセンサ(CS20)、ガス検出センサ(CS21)、放射線検出センサ(CS23)等を用いて探索を続ける。
【0234】
なお、本実施の形態においては、初期の比較的多数のセンシングロボットCSで用いるセンサを赤外線センサ、次の2次的な比較的少数のセンシングロボットCSで用いるセンサをイメージセンサ、ガス検出センサ、および放射線検出センサとしたが、用いられるセンサ機能はこれに限られるものではない。対象物の特徴により、それに対する適切なセンサが選択され用いられることが好ましい。また本実施の形態においては、センシングロボットCSが異なる種類のセンサ機能を備える場合について示しているが、センシングロボットCSの備えるセンサ機能が同じでそのセンサ情報の処理方法が異なるものであってもよい。
【0235】
このとき、センサ機能がONになっているにもかかわらず、対象物を検出していないセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図33において実線で示されるように、現在の探索エリアから移動する。また追探索を行なわないセンシングロボットCS22,CS24も、図33において実線で示されるように、次の探索エリアの探査を行なうために、現在の探索エリアから次の探索エリアに移動する。なお、ここでのセンシングロボットCS22,CS24,CS31,CS32,CS33,CS34の移動については、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0236】
次に、対象物(Object)を発見したセンシングロボットCS30(赤外線センサ)は、当該対象物の探索を終了すると、図34に示すように対象物から離れ、既に当該初期の探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流して次の探索エリアに移動し、次のエリアを探索する。さらに、当該対象物の追探索を行なっているセンシングロボットCS20(イメージセンサ),CS21(ガス検出センサ),CS23(放射線検出センサ)もまた、当該対象物の探索を終了すると、図35に示すように対象物から離れ、既に当該初期の探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流して次の探索エリアに移動し、次のエリアを探索する。これらのセンシングロボットCSの移動の制御も、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0237】
また、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCSから対象物の探索および追探索を終了した旨の情報を受信して探索の終了を検出すると、対象物から離れ、既に当該初期の探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流する。
【0238】
なお、本実施の形態においては、本群ロボットシステム100に、センサ機能の種類の異なるセンシングロボットCSである、備える機能が初期検出センサおよび2次検出センサの2段構成であるセンシングロボットCSが含まれるものとしているが、センサ機能の種類が3段以上の構成であるセンシングロボットCSが含まれる場合であっても同様である。
【0239】
また、図30の初期状態において、センサ機能の種類またはセンサ情報の処理方法の異なるセンシングロボットCS30〜CS34(初期検出センサ)とセンシングロボットCS20〜CS24(2次検出センサ)とが、ベースステーションBS101を中心として、ほぼ同心円上に配置されている例が示されているが、センサ機能の種類またはセンサ情報の処理方法が異なるセンシングロボットCSがほぼランダムに配置されてもよい。
【0240】
なお、上述のように、対象物を検出していないセンシングロボットCS31(赤外線センサ),CS32(赤外線センサ),CS33(赤外線センサ),CS34(赤外線センサ)、および追探索を行わないセンシングロボットCS22(放射線検出センサ),CS24(ガス検出センサ)は、通常は、次の探査エリアの探索を行なうために次の探索エリアに移動するが、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、図30、図31、図32の状態の後、図32あるいは図36において点線で示されるように、初期位置に向かって移動する。
【0241】
また、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、対象物を検出したセンシングロボットCS30(赤外線センサ)は、対象物の探索を終了すると、図37に示すように、対象物から離れ、初期位置に移動する。
【0242】
さらに、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、追探索のセンシングロボットCS20(イメージセンサ),CS21(ガス検出センサ),CS23(放射線検出センサ)は、対象物の探索を終了すると、図38の点線で示されるように、対象物から離れ、初期位置に向かって移動する。また対象物の探索を終了すると、フェロモンロボットFE105も同様に、対象物から離れ、初期位置に向かって移動する。
【0243】
このように、本群ロボットシステム100においてセンシングロボットCSが対象物を発見すると、対象物の有無についての情報がフェロモンロボットFE105に対して伝えられ、同時に、位置情報などのセンサ情報がセンシングロボットCSからベースステーションBS101に対して伝えられる。また、センシング能力やセンサの変更指示などの制御情報が、ベースステーションBS101からセンシングロボットCSに対して伝えられる。そこで、次に、本群ロボットシステム100における、センシングロボットCSとベースステーションBS101との通信について述べる。ここでは、上述の図33に示される追探索を開始した後における通信について述べる。図39は、本群ロボットシステム100において通信を行なう際の配置の具体例を示す図である。
【0244】
図39を参照して、図33で示される追探索を行なっているセンシングロボットCS20(イメージセンサ),CS21(ガス検出センサ),CS23(放射線センサ),CS30(赤外線センサ)は、始めに、探索動作を停止した状態の(図39においてはOFF表示で示されている。これは、センサ機能をOFFしていることを示す。)センシングロボットCS31に対して、探索情報を通信する。
【0245】
次に、センシングロボットCS20,CS21,CS23,CS30から探索情報を受信したセンシングロボットCS31は、探索を停止した状態のセンシングロボットCS32に対して、探索情報を通信する。さらに、センシングロボットCS32はセンシングロボットCS33に対して、次にセンシングロボットCS33はセンシングロボットCS34に対して、次にセンシングロボットCS34はベースステーションBS101に対して、順番に探索情報を通信する。
【0246】
ここで、センシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、対象物を検出した以外のセンシングロボットであり、センシングロボットCS30が対象物を検出した以後は、探索を停止している。また、センシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、上述の通信を行なうために、ベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105との間に、ほぼ一直線に位置する。そして、この通信用のセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34が羽ばたきロボットである場合、これらはホバリング状態にある。
【0247】
このような通信における配置は、対象物を検出したセンシングロボットCS30が、最も近くに存在するセンシングロボットCS31に対して探索情報を通信することで、センシングロボットCS31がベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105との間に移動し、さらに、センシングロボットCS31が最も近くに存在するセンシングロボットCS32がベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105との間に移動し、以降、順次、探索情報を受取ったセンシングロボットCSがベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105との間に移動することで、実現される。あるいは、センシングロボットCS30が対象物を検出した際に、その旨の情報を受取ったフェロモンロボットFE105が、センシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34に対して、ベースステーションBS101とフェロモンロボットFE105との間に、ほぼ一直線に位置するよう制御することによって実現されてもよい。
【0248】
本群ロボットシステム100においてこのような通信方法が行なわれるため、ベースステーションBS101およびセンシングロボットCSの通信強度は、本群ロボットシステム100全体の通信エリアをカバーする通信強度である必要がなく、通信経路において隣り合うセンシングロボットCSに対する通信を確保できる通信強度さえあればよい。よって、本群ロボットシステム100全体の通信エリアをカバーする通信強度に比べ、弱い通信強度でよく、通信のための消費電力が少なくて済む。
【0249】
なお、図39においては、センシングロボットCS20が、センシングロボットCS31に対して探索情報を通信している場合(図39において実線)が示されているが、複数のセンシングロボットCSがセンシングロボットCS31に対して探索情報を通信する場合(図39において長破線)には、時分割で、センシングロボットCS20,CS21,CS23,CS30,CS20の順で、各々がセンシングロボットCS31に対して探索情報を通信する。
【0250】
また逆に、ベースステーションBS101から対象物を検出しているセンシングロボットCS20に情報を伝達する場合、上記のルートの流れを逆にし、ベースステーションBS101,センシングロボットCS34,CS33,CS32,CS31,CS20の順に信号が流れる。
【0251】
なお、対象物の検出、追探索、およびセンシングロボットCSとベースステーションBS101との間の通信の中継のいずれにも関与していないセンシングロボットCS(図39においてはセンシングロボットCS22,CS24)は、図39において実線で示されるように、次の探索エリアで探査を行なうために、現在の探索エリアから次の探索エリアに移動する。なお、ここでのセンシングロボットCS22,CS24の移動については、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0252】
対象物(Object)を発見したセンシングロボットCS30(赤外線センサ)、および追探索を行なっているセンシングロボットCS20(イメージセンサ),CS21(ガス検出センサ),CS23(放射線検出センサ)は、当該対象物の探索を終了すると、図40に示すように対象物から離れ、既に当該探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流して次の探索エリアに移動し、次のエリアを探索する。これらのセンシングロボットCSの移動の制御も、上に述べたセンシングロボットCSの移動と同様であるため、説明を繰返さない。
【0253】
また、フェロモンロボットFE105は、センシングロボットCSから対象物の探索および追探索を終了した旨の情報を受信して探索の終了を検出すると、対象物から離れ、既に当該探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流する。
【0254】
さらに、センシングロボットCSとベースステーションBS101との間の通信の中継を行なっていたセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、図41に示すように、センシングロボットCSとベースステーションBS101との間の通信を切断して移動を開始し、既に当該探索エリアから次の探索エリアに向かって移動しているセンシングロボット群に合流して次の探索エリアの探索に参加する。
【0255】
なお、上述のように、対象物の検出、追探索、およびセンシングロボットCSとベースステーションBS101との間の通信の中継のいずれにも関与していないセンシングロボットCS22,CS24は、通常は、図39に示されるように、次の探索エリアで探査を行なうために次の探索エリアに移動するが、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、図42に点線で示されるように、初期位置に向かって移動する。
【0256】
なお、図42に示される上述以外の動作は、図39に示される動作と同様であるため、ここでの説明は繰返さない。
【0257】
対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、対象物の検出、追探索、センシングロボットCSとベースステーションBS間の通信いずれにも関与していないロボット、図42の例では、CS22とCS24のロボットは、図42の点線で示すように、初期位置にむかって移動する。
【0258】
さらに、対象物が1個しかない場合や探索エリアの探索が終了している場合は、対象物を検出したセンシングロボットCS30(赤外線センサ)、および追探索のセンシングロボットCS20(イメージセンサ),CS21(ガス検出センサ),CS23(放射線検出センサ)は、対象物の探索を終了すると、図43の点線で示されるように、対象物から離れ、初期位置に向かって移動する。また対象物の探索を終了すると、フェロモンロボットFE105も同様に、対象物から離れ、初期位置に向かって移動する。また、図44の点線で示されるように、センシングロボットCSとベースステーションBS101との間の通信の中継を行なっていたセンシングロボットCS31,CS32,CS33,CS34は、通信を切断し、初期位置に向かって移動する。
【0259】
本発明にかかる群ロボットシステムは、上述の構成であることによって、多くのセンシングロボットが移動しながら対象物を検出する場合において、センサ情報の処理、通信による負担を少なくし、また早く次の対象物を検出することができる。また移動を行なわない場合であって、センサ情報の処理、通信による負担を少なくし、消費電力を少なくすることができる。さらに、短時間で効率的に対象物の詳細な全体情報を得ることができる。
【0260】
さらに、このような群ロボットシステム100の制御方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0261】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0262】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の初期状態の具体例を示す図である。
【図2】 本実施の形態のセンシングロボットCSである羽ばたきロボット90の構造を示す図である。
【図3】 左羽32の構成の具体例を示す図である。
【図4】 左羽32の姿勢を示すための第1の図である。
【図5】 左羽32の姿勢を示すための第2の図である。
【図6】 一般的な超音波モータ23を示す図である。
【図7】 右アクチュエータ21の構成を示す図である。
【図8】 左羽32の、主軸321に垂直な第1の断面図である。
【図9】 左羽32の、主軸321に垂直な第2の断面図である。
【図10】 左羽32の羽ばたき動作のステップS1を示す図である。
【図11】 左羽32の羽ばたき動作のステップS2を示す図である。
【図12】 左羽32の羽ばたき動作のステップS3を示す図である。
【図13】 左羽32の羽ばたき動作のステップS4を示す図である。
【図14】 ストローク角θおよびねじり角βの値を時間の関数として表した図である。
【図15】 羽ばたき動作制御における応答を示す図である。
【図16】 ロボット90を停空させる際のストローク角θ、偏角α、およびねじり角βの値を、時間の関数として表わした図である。
【図17】 羽31および32の制御とそれによりもたらされる動作とを対応付ける図である。
【図18】 基本となる動作と、それを実現するアクチュエータ21および22の駆動の組合わせとを定めるテーブルである。
【図19】 回転軸にかかる反力を、具体的な数値を用いて算出した結果を示す図である。
【図20】 ベースステーション91の主要な構成と機能とを示す図である。
【図21】 ロボット90とベースステーション91とにおける各種情報の流れを示す図である。
【図22】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の2次状態の具体例を示す図である。
【図23】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の3次状態の具体例を示す図である。
【図24】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の4次状態の具体例を示す図である。
【図25】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の5次状態の具体例を示す図である。
【図26】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の6次状態の具体例を示す図である。
【図27】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の4次状態の他の具体例を示す図である。
【図28】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の5次状態の他の具体例を示す図である。
【図29】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の6次状態の他の具体例を示す図である。
【図30】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の初期状態の具体例を示す図である。
【図31】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の2次状態の具体例を示す図である。
【図32】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の3次状態の具体例を示す図である。
【図33】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の4次状態の具体例を示す図である。
【図34】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の5次状態の具体例を示す図である。
【図35】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の6次状態の具体例を示す図である。
【図36】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の4次状態の他の具体例を示す図である。
【図37】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の5次状態の他の具体例を示す図である。
【図38】 本実施の形態の群ロボットシステム100の構成の6次状態の他の具体例を示す図である。
【図39】 本群ロボットシステム100において通信を行なう際の配置状態の具体例を示す図である。
【図40】 本群ロボットシステム100において通信を解除する際の配置状態の具体例を示す図である。
【図41】 本群ロボットシステム100において通信を解除する際の配置の2次状態の具体例を示す図である。
【図42】 本群ロボットシステム100において通信を行なう際の配置状態の他の具体例を示す図である。
【図43】 本群ロボットシステム100において通信を解除する際の配置状態の他の具体例を示す図である。
【図44】 本群ロボットシステム100において通信を解除する際の配置の2次状態の他の具体例を示す図である。
【図45】 従来の環境認識システムの具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 支持構造、4 制御装置、6 電源、7 通信装置、8 発光ダイオード、21,22 アクチュエータ、23 超音波モータ、31,32 羽、41 演算装置、42 メモリ、43 シリアルインタフェース、51 加速度センサ、52 角加速度センサ、53 焦電型赤外線センサ、61,611,612,613 電極、81 発光素子、82 拡散光学系、90 ロボット、100 群ロボットシステム、91,101,BS ベースステーション、105,FEフェロモンロボット、 210 ステータ、211,214,215 ベアリング、212 上部補助ステータ、213 下部補助ステータ、219,229ロータ、230 圧電素子、231 円盤、232〜237 突起、238 電極、311,321 主軸、312,322 枝、313,323 膜、911 演算装置、912 メモリ、913 充電器、914 電極、915 電磁石、916 シリアルインタフェース、917 ロボット検出装置、919 入出力パネル、CS センシングロボット。

Claims (16)

  1. 複数のセンシングロボットと、前記センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、
    前記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、
    前記制御装置は、前記センシングロボットが所定の探索エリア内で前記探索動作を行なうことで前記探索エリア内にある前記対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボット以外の前記探索エリア内で前記探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して前記探索エリア外へ移動するよう制御し、前記対象物を検出したセンシングロボットが前記探索動作を終了すると、前記対象物を検出したセンシングロボットに対して、前記他のセンシングロボットと合流して前記対象物から移動するよう制御することを特徴とする、群ロボットシステム。
  2. 複数のセンシングロボットと、前記センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、
    前記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、
    前記制御装置は、前記センシングロボットが所定の探索エリア内で前記探索動作を行なうことで前記探索エリア内にある前記対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボット以外の前記探索エリア内で前記探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して前記探索エリア外へ移動するよう制御し、前記対象物を検出したセンシングロボットが前記探索動作を終了すると、前記探索動作を終了したセンシングロボットに対して、前記他のセンシングロボットと合流して前記探索エリア外へ移動するよう制御することを特徴とする、群ロボットシステム。
  3. 前記制御装置は、前記センシングロボットに対して、初期位置に移動するよう制御することを特徴とする、請求項1または2に記載の群ロボットシステム。
  4. 複数のセンシングロボットと、前記センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、
    前記複数のセンシングロボットは探索動作を行なって対象物を探索し、
    前記制御装置は、前記センシングロボットが前記探索動作を行なうことで前記対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、前記対象物を追探索するよう制御し、
    前記追探索するセンシングロボットが前記追探索するための前記探索動作を終了すると、前記追探索するセンシングロボットに対して、前記対象物から移動するよう制御することを特徴とする、群ロボットシステム。
  5. 複数のセンシングロボットと、前記センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、
    前記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、
    前記制御装置は、前記センシングロボットが所定の探索エリア内で前記探索動作を行なうことで前記探索エリア内にある対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、前記対象物を追探索するよう制御し、
    前記追探索するセンシングロボットが前記追探索するための前記探索動作を終了すると、前記追探索するセンシングロボットに対して、前記探索エリア外へ移動するよう制御することを特徴とする、群ロボットシステム。
  6. 前記制御装置は、前記追探索するセンシングロボットに対して、初期位置に移動するよう制御することを特徴とする、請求項またはに記載の群ロボットシステム。
  7. 前記制御装置は、前記センシングロボットが所定の探索エリア内で前記探索動作を行なうことで前記探索エリア内にある前記対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボットおよび前記追探索するセンシングロボット以外の前記探索エリア内で前記探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して前記探索エリア外へ移動するよう制御し、前記追探索するセンシングロボットが前記追探索するための前記探索動作を終了すると、前記追探索するセンシングロボットに対して前記他のセンシングロボットと合流して移動するよう制御する、請求項またはに記載の群ロボットシステム。
  8. 複数のセンシングロボットと、前記センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、
    前記複数のセンシングロボットは探索動作を行なって対象物を探索し、
    前記複数のセンシングロボットと前記制御装置とは、前記制御装置を最上層とする階層的な通信を行ない、
    前記制御装置は、前記センシングロボットが前記探索動作を行なうことで前記対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、前記対象物を追探索するよう制御し、
    前記追探索するセンシングロボットが前記追探索するための前記探索動作を終了すると、前記対象物を検出したセンシングロボットと前記制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して、前記対象物から移動するよう制御することを特徴とする、群ロボットシステム。
  9. 複数のセンシングロボットと、前記センシングロボットを制御する制御装置とを含む群ロボットシステムであって、
    前記複数のセンシングロボットは予め設定された探索エリア内において探索動作を行なって対象物を探索し、
    前記複数のセンシングロボットと前記制御装置とは、前記制御装置を最上層とする階層的な通信を行ない、
    前記制御装置は、前記センシングロボットが所定の探索エリア内で前記探索動作を行なうことで前記探索エリア内にある対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボットとは異なる他のセンシングロボットに対して、前記対象物を追探索するよう制御し、
    前記追探索するセンシングロボットが前記追探索するための前記探索動作を終了すると、前記対象物を検出したセンシングロボットと前記制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して、前記探索エリア外へ移動するよう制御することを特徴とする、群ロボットシステム。
  10. 前記制御装置は、前記対象物を検出したセンシングロボットと前記制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して、初期位置に移動するよう制御することを特徴とする、請求項またはに記載の群ロボットシステム。
  11. 前記制御装置は、前記センシングロボットが所定の探索エリア内で前記探索動作を行なうことで前記探索エリア内にある前記対象物を検出すると、前記対象物を検出したセンシングロボットおよび前記追探索するセンシングロボット以外の前記探索エリア内で前記探索動作を行なっている他のセンシングロボットに対して前記探索エリア外へ移動するよう制御し、前記追探索するセンシングロボットが前記追探索するための前記探索動作を終了すると、前記対象物を検出したセンシングロボットと前記制御装置との間の通信を中継するセンシングロボットに対して前記他のセンシングロボットと合流して移動するよう制御する、請求項またはに記載の群ロボットシステム。
  12. 前記制御装置は、前記センシングロボットの移動を制御する制御装置を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の群ロボットシステム。
  13. 前記センシングロボットは、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の群ロボットシステム。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の群ロボットシステムに含まれるセンシングロボットであって、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能であることを特徴とする、群ロボットシステムに含まれるセンシングロボット。
  15. 請求項1〜12のいずれかに記載の群ロボットシステムに含まれる前記制御装置に該当するベースステーションであって、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能である前記センシングロボットを制御することを特徴とする、群ロボットシステムに含まれるベースステーション。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載の群ロボットシステムに含まれる前記制御装置である制御ロボットであって、羽ばたき運動により羽ばたき飛行可能である前記センシングロボットの移動を制御することを特徴とする、群ロボットシステムに含まれる制御ロボット。
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