JP4467442B2 - 移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、羽ばたき動作をする羽部を有する移動装置に関するものである。
近年、人間の生活環境や災害地といったあらかじめ整備されておらず多種多様な障害物の存在する環境においてロボットなどの移動装置が活動することが求められている。
そのような従来の移動装置の一つとして、移動のための車輪を備えたロボット(たとえば、特開平5−282040号公報)が提案されている。また、多関節の脚を備えた移動装置の研究が盛んに行われている。また、安定性を重視した6脚の昆虫模型形ロボット(たとえば、特開平6−99369号公報)の開発も行われている。
さらに、機能性を重視したヒューマノイド型と言われる2足自律歩行ロボット(たとえば、特開平9−272083号公報)の開発も行なわれている。また、さらに、無限軌道(たとえば、特開平6−305455号公報)を備えたロボットの開発も行われている。
これらの移動装置は、いずれも地面にその一部を接触させることによって、自らの体重を支えながら、移動を行なう。
一方、ヘリコプターなどのように地上の障害物を避けて空中を移動できる移動装置もある。
特開平5−282040号公報 特開平6−99369号公報 特開平9−272083号公報 特開平6−305455号公報
しかしながら、従来の移動装置には以下のような問題がある。まず、家庭内では、環境が整備された工場やオフィスなどとは異なり、たとえば、人、ペット、椅子、装飾品またはおもちゃなど、その時々によって位置を変える障害物が多く存在している。また、家庭内には、狭い通路、階段、または、部屋と部屋との間の段差なども存在している。
従来の移動装置では、「段差を乗り越える能力」と「隙間を通り抜ける能力」とがトレードオフである。たとえば、車輪を用いる従来の移動装置は、車輪とその接触面との摩擦力によって移動を行なう。この摩擦力は接触面における垂直抗力に比例する。
ところが、車輪の半径をDとすると、半径Dより高い段差の場合には垂直抗力がゼロになってしまう。このため、半径Dより高い段差が存在するところでは、車輪と接地面との間の摩擦力が得られない。そのため、移動装置はその段差を乗り越えることができなくなる。
したがって、ある環境において隈なく移動可能な車輪を用いた移動装置を設計する場合には、車輪の半径Dはその環境における最大の段差よりも大きいことが要求される。
一方、より高い段差を乗り越えることを目的として車輪の半径Dを大きくすると、隙間を通り抜ける能力が低下することになる。たとえば半径Dの車輪の直径は2Dとなり、この車輪を用いた移動装置の全長は車輪の直径2Dよりも大きくなる。このため、たとえば直角に曲がっている隙間を移動装置が通り抜けるためには、隙間の幅が車輪の半径Dの数倍以上大きいことが必要とされる。
また、その場で移動装置を方向転換させるためには、最低半径D以上の領域内に障害物がないことが必要とされる。
このような状況から、従来の車輪を用いた移動装置は、比較的小さい径を有する車輪を採用して比較的段差の低い環境に限って使用するか、または比較的大きな車輪を採用して障害物の少ない環境に限って使用するかのいずれかしかできない。
複数の関節を持つ脚を用いた移動装置では、脚の長さとして段差程度分の長さが必要とされる。そして、安定して歩行するために脚と脚との接地点の間隔としては、この脚の長さ程度の間隔が必要になる。このため、車輪を用いた場合の移動装置と同様に、脚を用いた移動装置においても「段差を乗り越える能力」と「隙間を通り抜ける能力」とのトレードオフを解消することはできなかった。
たとえば、移動装置として特開平9−272083号公報における2足歩行ロボットの場合、段差hの階段を上るためには、脚の最大長が段差hより長くなければならない。したがって、ロボットのサイズが段差hよりも小さくなるように、脚が折り畳み可能な構造にしようとすると、移動装置がより複雑になってしまう。
また、家庭内における家具等の配置は各家屋ごとに異なっており、さらに、同一の家屋内においても、たとえば食事の際には椅子の位置が変化するように、状況により家具等の位置が変わるものである。これら家具等の多くは床面に配置されている。
このような障害物を避けて移動装置を移動させようとすると、障害物の検出および経路探索をリアルタイムで行なう必要がある。
ところが、このような機能を移動装置にもたせようとすると、移動装置において検出装置や演算装置などが大きな空間を占有するため、移動装置の小型化を図ることが困難になる。その結果、移動装置が狭い隙間を通り抜けることができなくなるという問題があった。
さらに、災害地や一般のフィールドにおいては、比較的整然とした家庭内とは全く異なる環境があり、舗装されていない道路、荒地、草原、川、池、断崖、または、瓦礫の山などが存在する。このような環境の中を自由に進んでいくことは、車輪や脚等を用いた従来の移動装置ではほとんど不可能である。
そして、障害物を避けて空中を移動しようとすると、たとえば飛行機のような移動装置では一定の速度以上でないと失速してしまい、停空飛翔を行うことができなかった。また、ヘリコプターのような移動装置では、回転翼により停空飛翔を行うことができるが、大きな回転トルクのために、優れた機動性(静止状態と通常の飛行のすばやい移行)を発揮することができなかった。
このように、車輪や脚等を備えた従来の移動装置では、家庭内や災害地などにおいて障害物を避けて自由に移動することができなかった。また、ヘリコプターなどの従来の移動装置では、優れた機動性を得ることができなかった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、家庭内や一般のフィールドのような障害物の多い環境において、そのような障害物に制約されることなく移動することができ、しかも機動性に優れた移動装置を提供することを目的とする。
本発明の移動装置は、流体が存在する空間において羽ばたき動作をする羽部と、羽部に羽ばたき動作をさせる駆動部と、駆動部を制御する羽ばたき制御部と、駆動部および羽ばたき制御部が搭載された胴体部と、胴体部に設けられ、胴体部に対する駆動部の姿勢を変化させることによって、羽部の羽ばたき仰角を変化させる仰角変更機構と、流体の物理量を検出する検出器とを備えている。羽ばたき制御部は、検出器が検出した流体の物理量を用いて流体の速度ベクトルおよび当該移動装置が受ける外力のベクトルを算出し、外力の水平方向成分のベクトルと当該移動装置の推進力のベクトルとを釣り合わせるための制御を行なった後、速度ベクトルに応じて、ホバリングに必要な羽ばたき仰角が実現されるように仰角制御機構を制御し、さらに、駆動部の羽ばたき周波数および羽ばたき角のうち少なくともいずれか一方を変更することによって、ホバリングの状態を維持する制御を実行する。
上記の構成によれば、移動装置は、風圧下においても、効率よくホバリングを行なうことができる。
また、羽部は、駆動部に接続された一方側羽軸部と、一方側羽軸部とは別個に、駆動に接続された他方側羽軸部と、少なくとも一方側羽軸部と他方側羽軸部との間に渡って形成された羽本体部とを含んでいることが望ましい。駆動部は、一方側羽軸部に第1周期運動をさせる一方側駆動部と、一方側駆動部とは別個独立して、他方側羽軸部に第2周期運動をさせる他方側駆動部とを含んでいることが望ましい。羽ばたき制御部は、ホバリングの状態においては、一方側駆動部と他方側駆動部とを別個に制御し、それにより、羽ばたき周波数および羽ばたき角が増加しないように、一方側羽軸部の先端と他方側羽軸部の先端とを結ぶ羽本体部の先端部と仮想の平面とがなす捻り角を変化させることが望ましい。
上記の構成によれば、移動装置の運動状態を維持のための駆動部のトルクを低減することができるため、移動装置の消費電力を低減することが可能になる。
また、羽ばたき制御部は、速度ベクトルが所定値以上の場合に、羽ばたき仰角をホバリング可能な値に固定させ、かつ、羽部の羽ばたき動作を停止させる制御を実行することが望ましい。これによれば、ホバリングのための消費電力を低減することができる。
また、羽ばたき制御部は、少なくとも所定期間、羽部に間欠的に羽ばたき動作を行わせる制御を実行することが望ましい。これによれば、移動装置は後方への位置ズレを補償することができる。
また、本発明の他の局面の移動装置は、流体が存在する空間において羽ばたき動作をする羽部と、羽部に羽ばたき動作をさせる駆動部と、駆動部を制御する羽ばたき制御部と、駆動部および羽ばたき制御部が搭載された胴体部と、胴体部に設けられ、胴体部に対する駆動部の姿勢を変化させることによって、羽部の羽ばたき仰角を変化させる仰角変更機構と、流体の物理量を検出する検出器とを備えている。羽ばたき制御部は、検出器によって検出された流体の物理量を用いて当該移動装置が受ける外力のベクトルを算出する外力算出部と、当該移動装置の推進力のベクトルを算出する推進力算出部と、推進力のベクトルと外力の水平方向成分のベクトルとが釣り合っているか否かを判別する釣り合い判別部と、推進力のベクトルと外力の水平方向成分のベクトルとが釣り合うように、当該羽ばたき装置の姿勢を変更する姿勢変更部と、検出器によって検出された流体の物理量を用いて当該移動装置に対する流体の速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出部と、速度ベクトルを用いて当該移動装置がホバリングするために必要な羽ばたき仰角を算出する仰角算出部と、釣り合い判別部が釣り合い状態であると判定した場合に、羽ばたき仰角が実現されるように仰角変更機構を制御する仰角制御部と、速度ベクトルおよび羽ばたき仰角を用いてホバリングするために必要な羽部の羽ばたき周波数および羽ばたき角を算出する周波数/羽ばたき角算出部と、判別部が釣り合い状態であると判定した場合に、羽部がホバリングするために必要な羽ばたき周波数および羽ばたき角で羽ばたき動作をするように駆動部を制御する駆動制御部とを含んでいる。
上記の構成によれば、移動装置は、風圧下においても、効率よくホバリングを行なうことができる。
また、羽部は、駆動部に接続された一方側羽軸部と、一方側羽軸部とは別個に、駆動に接続された他方側羽軸部と、少なくとも一方側羽軸部と他方側羽軸部との間に渡って形成された羽本体部とを含んでいることが望ましい。駆動部は、一方側羽軸部に第1周期運動をさせる一方側駆動部と、一方側駆動部とは別個独立して、他方側羽軸部に第2周期運動をさせる他方側駆動部とを含んでいることが望ましい。羽ばたき制御部は、一方側羽軸部の先端と他方側羽軸部の先端とを結ぶ羽本体部の先端部と仮想の平面とがなす捻り角を変更する捻り角変更部をさらに有していることが望ましい。捻り角変更部は、羽ばたき周波数および羽ばたき角が以前に比較して増加したか否かを判別する判別部と、判別部が羽ばたき周波数および羽ばたき角が以前に比較して増加したと判定した場合に、羽ばたき周波数および羽ばたき角のそれぞれの増加が低減されるように捻り角を算出する捻り角算出部と、捻り角算出部が算出した捻り角に対応して羽ばたき周波数および羽ばたき角を変更する周波数/羽ばたき角変更部とを有していることが望ましい。駆動制御部は、捻り角算出部が算出した捻り角ならびに周波数/変更部によって変更された羽ばたき周波数および羽ばたき角が実現されるように、駆動部を制御することが望ましい。
上記の構成によれば、移動装置の運動状態を維持のための駆動部のトルクを低減することができるため、移動装置の消費電力を低減することが可能になる。
仰角制御部は、仰角変更機構を制御し、前記羽ばたき仰角をホバリング可能な所定値に固定することが望ましい。駆動制御部は、流体の速度ベクトルが所定値以上である場合に、少なくとも一定期間、一方側羽軸部の先端と他方側羽軸部の先端とを結ぶ羽本体部の先端部と仮想の平面とがなす捻り角、羽ばたき角、および、羽ばたき周波数のそれぞれをゼロにするように、駆動部を制御することが望ましい。これによれば、移動装置のホバリングのための消費電力を低減することができる。
羽ばたき制御部は、捻り角、羽ばたき角、および、羽ばたき周波数のそれぞれがゼロである場合に、検出部によって検出された流体の物理量または外部装置から送信されてきた信号を用いて、当該移動装置の位置ズレベクトルを算出する位置ズレ算出部と、位置ズレベクトルと逆向きに進むための所定の羽ばたき方を決定する羽ばたき方決定部と、所定の羽ばたき動作によって得られる移動量および移動方向を特定可能な移動ベクトルを決定する移動決定部と、位置ズレベクトルと移動ベクトルとの和がゼロになるように、羽部が所定の羽ばたき方を実行する時間と羽部が停止する時間との比率を算出する比率算出部とを含んでいることが望ましい。駆動制御部は、比率に基づいて羽部に所定の羽ばたき方を間欠的に実行させるように、駆動部を制御することが望ましい。これによれば、移動装置は後方への位置ズレを補償することができる。
以下、図を用いて、本発明の実施の形態の移動装置としての羽ばたき装置について説明する。図1(a)および図1(b)は、羽部として2本の羽軸を有する羽ばたき装置を示す図である。図1(a)では、羽ばたき装置の正面が示され、図1(b)では、羽ばたき装置の左側部分が示されている。
なお、図1(a)および図1(b)においては、羽ばたき装置の正面を前方から見たときに右側に見える左羽しか示されていないが、実際には、胴体部105に中心軸802を挟んで左右対称に右羽も取り付けられている。また、説明を簡単にするため、胴体部105の前後方向に沿った胴体軸801は水平面内にありかつ中心軸802と直角に交差するように延びており、重心を通る中心軸802は鉛直方向に延びているものとする。
図1(a)および図1(b)に示すように、羽ばたき装置の胴体部105には、前羽軸103および後羽軸104と、その前羽軸103と後羽軸104との間を渡すように設けられた羽の膜106とを有する羽(左羽)が形成されている。
また、胴体部105には、前羽軸103を駆動するための回転型アクチュエータ101と後羽軸104を駆動するための回転型アクチュエータ102とが搭載されている。このようなアクチュエータ101、102の配置、ならびに、前羽軸103、後羽軸104および羽の膜106を含む羽の形状は、飛行の性能が損なわれないならば、前述のものに限定されない。
さらに、前述の羽ばたき装置の場合、羽の断面形状を鉛直上方に凸となるようにしておけば、水平方向の飛行においては、羽には、抗力だけでなく、揚力も発生するため、羽ばたき装置は、より大きな浮上力が得られることになる。
また、羽ばたき装置の重心の位置は、羽ばたき装置の安定性を重視するために羽が周囲の流体により受ける力のアクチュエータに対する作用点の位置よりも下方になるように設定されている。一方、羽ばたき装置の姿勢を容易に変更する観点からは重心の高さとその作用点の高さとを略一致させておくことが望ましく、この場合には、姿勢制御に必要な左の羽が流体から受ける力と右の羽が流体から受ける力との差が小さくなるため、羽ばたき装置の姿勢変更を容易に行うことができる。
2つの回転型アクチュエータ101および102は互いに回転軸800を共有している。この回転軸800は胴体軸801とは所定の角度(90°−θ)で交差している。前(後)羽軸103および104は、それぞれ、アクチュエータ101および102を支点として、回転軸800と直交する平面内を往復運動する。この回転軸800と直交する平面と胴体軸801とのなす角度が羽ばたき仰角θとなる。この羽ばたき仰角θは、仰角変更機構108によって、変更される。仰角変更機構108は、羽ばたき制御部705によって制御されるものであって、回転型アクチュエータ101および102を支持する支持部を、左右方向に延びる回転中心軸まわりに回転させる。仰角変更機構108は、たとえば、回転中心軸の延びる方向が左右方向に一致する回転型アクチュエータまたは回転式モータであってもよい。それにより、回転型アクチュエータ101および102とともに前羽軸103および後羽軸104が、左右方向に延びる回転中心軸まわりに回転する。その結果、羽ばたき仰角θは仰角変更機構108の回転角に比例した回転角だけ変化する。したがって、仰角変更機構108の回転角が制御されれば、前羽軸103の往復運動の軌跡を含む面または後羽軸104の往復運動の軌跡を含む面と前後方向および左右方向を含む仮想の基準面とのなす角度を変化させることができる。
胴体部105は、羽ばたき装置の機械的強度を確保するとともに、羽ばたき装置の軽量化を図るために、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの材料が円筒状に成形されたものが用いられることが望ましいが、胴体部105の材料および形状は、前述の材料および形状に限定されない。
アクチュエータ101、102としては、起動トルクが大きいこと、往復運動が簡単に実現できること、構造が単純なことなどの理由から、圧電素子(ピエゾ)を用いた超音波進行波アクチュエータを用いることが望ましい。超音波進行波アクチュエータには、回転型アクチュエータとリニア型アクチュエータとの2つの種類がある。図1(a)および図1(b)では、回転型アクチュエータが用いられている。
ここでは、進行波を用いた超音波素子によって羽を直接駆動する方法を中心に説明するが、この羽を駆動するための機構、および、その機構に用いられるアクチュエータの種類は、特に本実施の形態に示したものに限定されない。
回転型アクチュエータとしては、図1(a)および図1(b)に示された回転型アクチュエータ101および102の他に、たとえば、図11に示される回転型アクチュエータ401が用いられてもよい。
図11に示された羽ばたき装置では、胴体部404に搭載された回転型アクチュエータ401に羽軸403が取付けられている。羽軸403は回転型アクチュエータ401の回転中心402を中心軸として回動運動をする。この回転型アクチュエータ401の代わりに、ボイスコイルモータなどを用いても、回転型アクチュエータ101,102に前述の回動運動と同様の回動運動をさせることが可能である。
また、羽を駆動するための機構としては、外骨格構造とリニアアクチュエータとを組合わせた機構が用いられてもよい。その機構が用いられた羽ばたき装置が図12または図13に示されている。
図12に示された羽ばたき装置では、リニアアクチュエータ501の一端に、前羽軸または後羽軸503が接続されている。胴体部504に装着されたヒンジ502を介してリニアアクチュエータ501の運動が前羽軸または後羽軸503に伝えられる。それにより、羽ばたき運動が行われる。この羽ばたき運動は、羽を直接筋肉で駆動するトンボの羽ばたき運動にヒントを得て思い付かれたものである。
図13に示された羽ばたき装置では、胴体部は上面胴体部1063と下面胴体部1064に分けられている。下面胴体部1064に固定されたリニアアクチュエータ601の運動が上面胴体部1063に伝えられる。その上面胴体部1063の運動がヒンジ602を介して前羽軸または後羽軸603に伝えられる。それにより、羽ばたき運動が行われる。この羽ばたき運動は、トンボ以外のハチなどが用いている羽ばたき運動にヒントを得て思い付かれたものである。
図13に示す羽ばたき装置の場合、1つのアクチュエータ601によって左右の羽軸603が同時に駆動される。そのため、左右の羽軸を別々に駆動することができない。その結果、羽ばたき装置は、細かな飛行を行うことはできない。ただし、アクチュエータの数を減らすことができる。したがって、羽ばたき装置の軽量化および消費電力の低減を図ることが可能になる。
また、図1(a)および図1(b)に示された羽ばたき装置においては、回転型アクチュエータ101および102には、それぞれ、前羽軸103および後羽軸104が接続されている。前羽軸103と後羽軸104と間には羽の膜106が張られている。羽の膜106は、その面内において収縮する方向に自発的な張力を有している。その張力は、羽全体の剛性を高める働きをしている。
軽量化のため、前羽軸103および後羽軸104は、中空構造であり、それぞれ、カーボングラファイトで形成されている。このため、前羽軸103および後羽軸104は弾力性を有し、前羽軸103と後羽軸104とは羽の膜106の張力により変形し得る。
図14は本羽ばたき装置の全体の構造を示す図である。なお、前方方向(紙面に向かって上)に向かって左側の羽は省略されている。
胴体部700には、超音波センサ701、赤外線センサ702、加速度センサ703および角加速度センサ704が配されている。これらのセンサによる検出結果は羽ばたき制御部705に送られる。羽ばたき制御部705では、超音波センサ701や赤外線センサ702によって検出された結果から羽ばたき装置と周囲の障害物や人間との距離などの情報が処理される。また、加速度センサ703や角加速度センサ704によって検知された結果から、羽ばたき装置の浮上状態、目的位置または姿勢などの情報が処理されて、左右のアクチュエータ101,102および重心制御部707の駆動制御が決定される。それにより、前羽軸103および後羽軸104の往復運動が制御される。その結果、羽の膜106が所定の羽ばたき動作を行なう。
なお、本実施の形態においては、羽ばたき装置の周囲に存在する障害物を検出する手段として超音波センサ701および赤外線センサ702が用いられている。また、羽ばたき装置の位置および姿勢を検出する手段として加速度センサ703および角加速度センサ704が用いられている。しかしながら、羽ばたき装置の周囲環境、位置および姿勢が計測可能なセンサであれば、センサはいかなるものであってもよい。
たとえば、直交する3軸方向の加速度を測定可能な加速度センサ2つをそれぞれ胴体部105の異なる位置に設けることによって得られる加速度情報からも、羽ばたき装置の姿勢を算出することは可能である。また、羽ばたき装置が移動する空間内に磁場分布を設けておき、磁気センサによってこの磁場分布を検知することによっても、羽ばたき装置の位置および姿勢を算出することは可能である。
また、図14では、加速度センサ703および角加速度センサ704をはじめとするセンサ類は、羽ばたき制御部705とは別部品として示されている。しかしながら、軽量化の観点から、前述のセンサは、マイクロマシニング技術によって、羽ばたき制御部705の基板上に一体的に形成されていてもよい。
また、羽ばたき装置の羽の駆動においては、オープンループ制御が用いられている。しかしながら、羽の付け根に羽の角度センサが設けられており、この角度センサから得られる角度情報によって、クローズドループ制御が行なわれてもよい。
なお、浮上する空間における流体の流れが既知であり、予め定められた羽ばたき方法によって浮上することが可能であるならば、前述のセンサ類は必須の構成要素ではない。
また、羽ばたき制御部705はメモリ部708と接続されており、羽ばたき制御に必要な既存のデータをメモリ部708から読出すことができる。また、各センサ701〜704によって得られた情報はメモリ部708に送込まれ、必要に応じてメモリ部708の情報が書換えられる。また、羽ばたき装置が、学習機能を有していてもよい。
なお、各センサ701〜704によって得られた情報をメモリ部708に蓄積するだけであれば、羽ばたき制御部705を介さずにメモリ部708と各センサ701〜704とが直接接続されていてもよい。また、羽ばたき制御部705は通信制御部709と接続されており、通信制御部709とデータの入出力を行うことができる。通信制御部709は、アンテナ部710を介して外部の装置とのデータの送受信を行う。
このような通信機能により、羽ばたき装置が取得してメモリ部708に蓄えられたデータを速やかに外部の装置に転送することができる。また、羽ばたき装置が、自ら入手することができない情報を外部の装置から受取り、そのような情報をメモリ部708に蓄積することによって、羽ばたき動作を制御するものであってもよい。たとえば、大きなマップ情報のすべてを羽ばたき装置が記憶していなくても、羽ばたき装置が、随時、必要な範囲のマップ情報をベースステーションなどから入手してもよい。
なお、図14では、アンテナ部710は胴体部105の端から突き出た棒状のものとして示されているが、アンテナの機能を有するものであれば、その形状および配置など前述のものに限定されない。たとえば、前羽軸103および後羽軸104を利用して、羽の膜106の上にループ状のアンテナが形成されていてもよい。また、胴体部105にアンテナが内蔵された羽ばたき装置であっても、または、アンテナと通信制御部709とが一体化された羽ばたき装置であってもよい。
超音波センサ701、赤外線センサ702、加速度センサ703、角加速度センサ704、羽ばたき制御部705、左右のアクチュエータ706、重心制御部707、メモリ部708、通信制御部709およびアンテナ部710などは、電源部711により供給される電流によって駆動される。
ここでは、駆動エネルギーとして電力を用いたが、内燃機関を用いることも可能である。また、昆虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応を用いたアクチュエータを用いることも可能である。また、アクチュエータの駆動エネルギーを外部から取得する方法を用いることも可能である。また、電力は、熱電素子および電磁波などから得ることも可能である。
(浮上方法)
説明の簡便のため、本羽ばたき装置に作用する外力は、羽が流体から受ける流体力および羽ばたき装置に作用する重力(羽ばたき装置の質量と重力加速度との積)のみであるとする。本羽ばたき装置が恒常的に浮上するためには1回の羽ばたき動作の間の時間平均において、次の関係、
(羽に作用する鉛直上方向の流体力)>(本羽ばたき装置に作用する重力)
を満たすことが必要とされる。1回の羽ばたき動作とは、羽を打ち下ろし、その後、羽を打ち上げる一連の動作をいう。
さらに、鉛直上向きの流体力が羽ばたき装置の重力よりも大きくなり、羽ばたき装置が上昇するためには、
(打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力)>(打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力)
という条件が満足される必要がある。
ここでは、昆虫の羽ばたき方が単純化された羽ばたき方法を用いて、打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力(以下「打ち下ろし時の流体力」と記す。)を、打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力(以下「打ち上げ時の流体力」と記す。)よりも大きくする方法について説明する。
説明の簡便のため、流体の挙動または流体が羽に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説明する。また、この羽ばたき方法により得られる浮上力と、羽ばたき装置に作用する重力(以下「重量」と記す。)との大小関係については後述する。
打ち下ろし時の流体力を打ち上げ時の流体力よりも大きくするためには、打ち下ろし時に羽の膜106が移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろせばよい。そのためには、羽の膜106を水平面と略平行にした状態で打ち下ろせばよく、これにより、ほぼ最大の流体力を得ることができる。
一方、打ち上げ時には羽の膜106が移動する空間の体積が最小になるように打ち上げればよい。そのためには、羽の膜106を水平面に対して略直角に近い角度で打ち上げればよく、これにより、羽に及ぼされる流体力はほぼ最小となる。
そこで、回転型アクチュエータ101および102の往復運動によって、回転軸800のまわりに前羽軸103および後羽軸104を、それぞれ往復運動させるときには、前羽軸103および後羽軸104のそれぞれが、水平面と略一致する位置を中心として、上方と下方とに、角度γ(羽ばたき角)だけ往復運動する。さらに、図2に示すように、前羽軸103の往復運動に対して後羽軸104の往復運動を位相差φだけ遅れさせる。
これにより、図3〜図10(ここではφ=20°として描いた)に示す一連の羽の往復運動のうち、図3〜図7に示された打ち下ろし時においては、より高い位置にある回転型アクチュエータ101の前羽軸103が先に打ち下ろされるため、前羽軸103および後羽軸104の先端と羽の膜106が水平に近づく。
一方、図7〜図10に示された打ち上げ時においては、前羽軸103および後羽軸104の先端の高さの差が拡大されて、羽の膜106も垂直に近づく。この結果、前羽軸103と後羽軸104との間に張られた羽の膜106が流体を押し下げる量または押し上げる量に差異が生じる。この羽ばたき装置の場合には、打ち下ろし時の流体力の方が打ち上げ時の流体力よりも大きくなって浮上力が得られることになる。
この浮上力のベクトルは、位相差φを変化させることにより前後に傾く。浮上力のベクトルが、前方に傾けば推進運動状態となり、後方に傾けば後退運動状態となり、真上に向けば停空飛翔(ホバリング)状態となる。なお、実際の飛行では、位相差φ以外にも、羽ばたき周波数fまたは前羽軸103もしくは後羽軸104の往復運動の最大角度を示す羽ばたき角γを制御することが可能である。
(羽ばたき制御)
実際の羽ばたき制御についてさらに詳細に説明する。図3に示すように、羽の先端部107は、前羽軸103の先端と後羽軸104の先端とを繋ぐ直線状の部分である。上述した羽ばたき装置では、打ち下ろし動作または打ち上げ動作の際に、左の回転軸800と右の回転軸800との双方を含む平面に平行な面と先端部107とがなす角度が変化する。この所定の角度を、図3に示すように、捻り角αとする。捻り角αは、羽の長さ(羽の膜の前羽軸103および後羽軸104のそれぞれに沿った長さ)をl、羽の幅(前羽軸103と後羽軸104との間隔)をw、羽ばたき角をγ、羽ばたき運動の位相をτ(最も打ち上げた瞬間を0°、最も打ち下ろした瞬間を180°とする)、前羽軸103と後羽軸104との位相差をφとすれば(図3、9、10を参照)、およそ以下の式で表わされる。
tanα=(w/l)・〔sin(γ・cosτ)−sin{γ・cos(τ+φ)}〕
実際には、前羽軸103および後羽軸104は、弾性を有し、変形可能である。そのため、この捻り角αは多少違った値になる。また、羽軸の根元ほど捻り角αは小さい。しかし、以下の議論では簡便のため、上の式のαを用いて説明がなされる。
捻りを加えていない羽に作用する流体力の鉛直方向成分Fは、流体の密度をρ、羽ばたき角をγ、羽ばたき周波数をfとして、およそ
F=(4/3)・π2・ρ・w・γ2・f2・l3・sin2τ・cos(γ・cosτ)
という式で表わされる。この式をτについて積分し、1周期平均のF⊥を計算すると、
F⊥=(1/6)・π3・ρ・w・γ2・f2・l3・(3+cosγ)
となる。なお、羽に作用する流体力の水平方向成分は、左右の羽が同じ運動をすれば互いに打ち消し合うことになる。
打ち下ろし時の羽の捻り角をα↓、打ち上げ時の羽の捻り角をα↑とすると、上記成分F⊥の羽ばたき運動平面に垂直な成分Lと、水平な成分Dはそれぞれ次の式によって表わされる。
すなわち、打ち上げ時の式は、
L↑=F⊥・sinα↑・cosα↑
D↑=−F⊥・sin2α↑であり、
打ち下ろし時の式は、
L↓=F⊥・sinα↓・cosα↓
D↓=F⊥・sin2α↓である。
従って、羽ばたき1周期での平均の揚力Lと抗力Dは、
L=(L↓+L↑)/2=(F⊥/2)sin(α↑+α↓)cos(α↑−α↓)
D=(D↓+D↑)/2=(F⊥/2)sin(α↑+α↓)sin(α↑−α↓)という式によって表わされる。
前述の式と羽ばたき仰角θとを考慮すると、重量と釣り合うように羽ばたき装置に生じる力の鉛直方向の成分Aおよび前後運動の推進力となるように羽ばたき装置に生じる力の水平方向成分Jは、1周期の平均で、
A=L・cosθ+D・sinθ
=(F⊥/2)sin(α↓+α↑)cos(α↓−α↑+θ)
J=L・sinθ−D・cosθ
=(F⊥/2)sin(α↓+α↑)sin(α↓−α↑+θ)
という式によって表わされる。
以上より、この飛行制御の一例として、羽ばたき装置の羽の長さl=4cm、羽の幅w=1cm、羽ばたき仰角θ=30°、羽ばたき角γ=60°、羽ばたき周波数f=50Hz、打ち下ろし時の位相差φ↓=4°、および、打ち上げ時の位相差φ↑=16°である場合における鉛直方向成分Aおよび水平方向成分Jの時間変化を各角度の時間変化とともに図15に示す。
図15においては、横軸は1周期分の時間が位相τとして表わされている。前半が打ち下ろし、後半が打ち上げを示している。グラフの複数の曲線は、前羽軸の羽ばたき角γf、後羽軸の羽ばたき角γb、水平面からの羽の捻り角(θ−α)、流体力の鉛直方向成分Aおよび水平方向成分Jの時間変化をそれぞれ示している。
この例では、単位時間当りの流体力の鉛直方向成分Aにおいては打ち下ろし時の方が打ち上げ時よりも大きいため、1周期の平均で約500dynの鉛直上向きの流体力が1枚の羽で得られる。したがって、2枚の羽では羽ばたき装置の重量が約1g以下であれば浮上することができることになる。また、単位時間当りの流体力の水平方向成分Jは、1周期の間にほぼ打ち消されるため、重量1g程度の羽ばたき装置であればホバリング可能となる。
ここで、打ち下ろし時の位相差φ↓を大きく、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を小さくすれば、羽ばたき装置は前進することができる。このとき、羽ばたき装置を水平に前進させるためには、周波数fを少し小さくすることが望ましい。逆に、打ち下ろし時の位相差φ↓を小さくし、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を大きくすれば、羽ばたき装置は後退することができる。このとき、羽ばたき装置を水平に後退させるためには、周波数fを少し大きくすることが望ましい。
前述の羽ばたき装置は、たとえば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま打ち下ろし時の位相差φ↓を7°と大きくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま打ち上げ時の位相差φ↑を11°と小さくし、そして、羽ばたき周波数f=48Hzに下げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で水平に前進することができる。
また、たとえば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま打ち下ろし時の位相差φ↓を1°と小さくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま打ち上げ時の位相差φ↑を24°と大きくし、そして、羽ばたき周波数f=54Hzに上げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で水平に後退することができる。
ホバリング状態のまま、羽ばたき装置を上昇または下降させるためには、周波数fを上げるかまたは下げるかすればよい。水平飛行中でも、上昇と下降については、主に周波数fによって制御が可能である。周波数fを上げることで羽ばたき装置は上昇し、周波数fを下げることで羽ばたき装置は下降する。
この例では、打ち上げ動作中もしくは打ち下ろし動作中にも、羽の捻り角αをゆっくり変化させているが、これは、アクチュエータへの負荷を減らすためである。浮力を得るための羽ばたき運動としては、打ち上げ動作中や打ち下ろし動作中は羽の捻り角αを一定の値に設定して、打ち下ろし動作から打ち上げ動作、もしくは、打ち上げ動作から打ち下ろし動作への変化点において捻り角αを急激に変化させるようにしてもよい。
羽ばたき仰角θ=0°とした場合の鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの時間変化を各角度の時間変化とともに図16に示す。この場合は、ハチドリのホバリングにヒントを得た羽ばたき運動である。なお、左右への舵取りは、左の羽の羽ばたき運動と右の羽の羽ばたき運動とを別々に制御できる場合、左の羽および右の羽のそれぞれによる生じる推力同士に差があればよい。たとえば、前方へ飛行中に右方向へ旋回するには、右羽の羽ばたき角γを左羽の羽ばたき角γよりも小さくする、または、右羽の前羽軸103と後羽軸104の位相差を、左羽の前羽軸103と後羽軸104の位相差よりも大きくする、または、羽ばたき仰角θが制御できるため、右羽の羽ばたき仰角θを左羽の羽ばたき仰角θよりも小さくするといった制御を行なう。これにより、右羽の推進力が左羽の推進力に比べて相対的に下がり、右に旋回することができる。羽ばたき装置を左へ旋回させる場合には、その逆の制御を行なえばよい。
一方、図13に示された羽ばたき装置のように、左右の羽を別々に制御することができないような場合には、図14に示された羽ばたき装置に搭載されているような重心制御部707を用いて、羽ばたき装置の重心を左または右にずらすことで、羽ばたき装置は、左または右への旋回を行うことができる。
たとえば、重心を右にずらして右羽を下方へ左羽を上方へ傾け、周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を右へ旋回させることができる。重心を左にずらして右羽を上方へ左羽を下方へ傾け、周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を左に旋回させることができる。なお、この方法は2つの羽を別々に制御することができる場合にも適用することができる。また、いずれの羽ばたき装置においても、姿勢の安定を保つために、左右のそれぞれの羽ばたきの周波数fを同じ値に設定しておくことが望ましい。
以上の説明では、前(後)羽軸103および104のそれぞれの往復運動する平面が、回転軸800と直交する場合について述べてきた。したがって、この場合は、これら2つの平面が互いに平行な関係となる。しかしながら、図14に示したように、前羽軸103の往復運動の軌跡を含む平面と後羽軸104の往復運動の軌跡を含む平面とが所定の角度で交差するようにしてもよい。こうすることで、前(後)羽軸103,104の弾性力や羽の膜106の張力により、打ち上げ運動から打ち下ろし運動、あるいは打ち下ろし運動から打ち上げ運動に移る際の、羽の捻り角αの正値から負値、あるいは、負値から正値への変化を高速化することができる。
図17に示すように、前(後)羽軸901,902の先端方向が、互いに平行な位置から角度εだけ外側を向いている場合、羽軸の付根905の幅をw、羽軸の長さをlとして、
sinε>{(w2+8・l2)・1/2−w}/(4・l)
を満たすεであれば、羽の捻り角α=0°(γf=γb)における羽軸先端906同士の間の距離Woが最大となる。そのため、そのときの羽軸の弾性力や羽の膜の張力も最大となる。また、絶対値|α|>0の状態の方が安定となる。その結果、捻り角αの変化を高速化することができる。
なお、上式を満たすεは、羽のアスペクト比Ap(l/w)=1のとき、ε>30°、Ap=4のとき、ε>17.2°、Ap=10のとき、ε>11.5°である。
さらに、前(後)羽軸901(902)が、その軸まわりに軸回転できる自由度を付加すれば、前(後)羽軸901(902)同士の位置関係が変化しても、羽の膜106が前(後)羽軸901(902)に固定されている部分を互いにほぼ向き合せるように、回転することが可能となるため、前(後)羽軸901(902)を駆動するアクチュエータにかかる負荷を軽減し、効率のよい制御が可能となる。
以下、前述の実施の形態の羽ばたき装置の羽ばたき飛行の制御の実施例1および2を説明する。実施例1および2のいずれにおいても、羽ばたき装置は、図14に示すように、風の自己に対する速度ベクトル、すなわち風速および風向を検出する風検出センサ712を有している。また、羽ばたき制御部は、一旦、風検出センサ712によって検出された風向および風速すなわち風速ベクトルを算出する。それにより、自己の推進力のベクトルと風によって自己が受ける外力の方向とが互いに逆向きになるように、かつ、自己の推進力の大きさと風によって自己が受ける外力の大きさとが一致するように、移動装置は、その姿勢を変更した後で、以下に説明する、ホバリングのための制御を実行する。たとえば、羽ばたき装置に向かって風が吹いている状態においては、羽ばたき装置は、必ず、風の方向ベクトルと胴体軸801の方向ベクトルとがほぼ一致するような姿勢になった後で、風の速度の大きさに応じて、以下に説明するような羽ばたき方の変更を行なう。
なお、以下の実施例では、移動装置は、風速ベクトルを検出するセンサを用いて、自己が受ける外力を算出するが、移動装置が受ける外力は、移動装置に対する流体の相対的な加速度を検出する加速度センサによって得られた加速度の値を用いても算出され得る。したがって、本発明においては、流体の物理量を測定することによって移動装置が流体から受ける相対的な速度ベクトルを算出することができるセンサのであれば、いかなる流体の物理量を検出するセンサが用いられてもよい。
次に、上述のような羽ばたき装置の制御方法を説明する。本実施例では、前方から速度Vの風を受けた状態で、ホバリング(停空飛翔)を維持する一手法について述べる。この時、浮上力すなわち羽ばたき装置に生じる力の鉛直方向成分A、および、推進力すなわち羽ばたき装置に生じる力の水平方向成分Jのそれぞれは、以下の式(1)および(2)で表される。ここで、前羽軸および後羽軸のそれぞれの羽ばたき角γならびに捻り角αは、それぞれ、正弦波で表わされる変化をするともに、羽ばたき運動中において、前羽軸103と後羽軸104とは、位相がηだけずれた状態で、同じ周波数fで往復運動するものとする。また、左の羽と右の羽とは、胴体軸801を含み上下方向に延びる平面に対して鏡面対象の動作をするものとする。
A=(16/45)・π2・ρ・w・l3・f2・γ2・cosθ・sin2α・sinη・(4+cosγ)+π・ρ・w・l・V2・cos2α・sin2θ…式(1)
J=(16/45)・π2・ρ・w・l3・f2・γ2・sinθ・sin2α・sinη・(4+cosγ)−π・ρ・w・l・V2・(cos2α・cos2θ+1)…式(2)
羽ばたき装置がホバリングを行うためには、本羽ばたき置の重量をWとして、A=W、かつ、J=0である必要がある。この場合、式(1)および式(2)は、次に示す式(3)および式(4)のようになる。
(16/45)・π2・ρ・w・l3・f2・γ2・cosθ・sin2α・sinη・(4+cosγ)+π・ρ・w・l・V2・cos2α・sin2θ=W…式(3)
(16/45)・π2・ρ・w・l3・f2・γ2・sinθ・sin2α・sinη・(4+cosγ)−π・ρ・w・l・V2・(cos2α・cos2θ+1)=0…式(4)
次に、式(3)×sinθ−式(4)×cosθにおいて、第1項を消去すると、次の式(5)および(6)のような式が得られる。
2=[W/(π・ρ・w・l)]・[tanθ/(cos2α+1)]…式(5)
∴ tanθ=π・ρ・w・l・V2・(cos2α+1)/W…式(6)
式(6)において、捻り角αが45°に固定されれば、速度Vの風を羽に受ける羽ばたき装置がホバリングを維持するために必要な仰角θが求められる。速度Vおよび羽ばたき仰角θのそれぞれを、式(3)または式(4)に代入することによって、ホバリングを維持するために必要な羽ばたき角γおよび羽ばたき周波数fが求められる。
図18には、周波数fが、たとえば、30Hzというように一定であるときの羽ばたき角γおよび羽ばたき仰角θのそれぞれと速度Vとの関係が示されている。ただし、空気の密度ρ=1.18g/cm3、羽の幅w=2cm、羽の長さl=8cm、捻り角と羽ばたき運動の位相差η=90°、かつ、本羽ばたき装置の重量W=3g重であるものとする。図18から、羽ばたき装置がホバリング状態を維持するためには、速度Vが大きくなるにしたがって、羽ばたき仰角θおよび羽ばたき角γのそれぞれを増加させる必要があることが分かる。
一方、図19には、羽ばたき角γが45°に固定された場合の周波数fおよび羽ばたき仰角θのそれぞれと速度Vとの関係が、太線(2つの線の上側)によって示されている。図19から、羽ばたき装置がホバリングを維持するためには、速度Vが大きくなるにしたがって、羽ばたき仰角θおよび周波数fのそれぞれを増加させる必要があることが分かる。なお、この場合において、羽ばたき角γおよび周波数fのそれぞれを増加させることによっても、羽ばたき装置はホバリング状態を維持することが可能である。
しかしながら、周波数fおよび羽ばたき角γを大きくすることは、駆動部すなわちアクチュエータ101および102が生み出すべきトルクを増大させることになるため、羽ばたき装置における消費電力を増加させることになる。そこで、羽ばたき装置における消費電力の増加を最小限にするために、羽ばたき角γおよび周波数fのそれぞれを増加させるときに、捻り角αを変化させることによって、羽ばたき角γおよび周波数fのそれぞれの増加を最小限にする手法を用いることが望ましい。その手法の一例が図19に細線(2つの線の下側)によって示されている。羽ばたき装置がホバリングている状態で、速度Vが大きくなるにつれて、捻り角αを増加させることによって、羽ばたき仰角θおよび周波数fのそれぞれを少し低下させることができる。トルクは周波数fの2乗に比例するので、少しでも周波数fを小さくしたい場合に、この手法が有効である。
しかしながら、本実施の形態の羽ばたき装置においては、速度Vが大きくなると、どうしても周波数fおよび羽ばたき角γの少なくともいうずれか一方を大きくする必要がある。そこで、駆動部すなわちアクチュエータ101および102があまり大きなトルクを生み出すことができない場合、または、消費電力を低くしたい場合には、次の実施例2の羽ばたき装置のような制御を行なうことが望ましい。
本実施例においては、羽ばたき装置が、羽ばたき運動を停止し、羽を水平位置に維持しながら帆翔する方法が説明される。羽ばたき装置が帆翔する場合、γ=0°、α=0°、かつ、f=0Hzであるため、前述の式(1)および式(2)は、それぞれ、次の式(7)および式(8)となる。
A(帆翔)=π・ρ・w・l・V2・sin2θ …式(7)
J(帆翔)=−π・ρ・w・l・V2(cos2θ+1) …式(8)
また、羽ばたき装置がホバリングする浮上力を維持するために、A(帆翔)=Wであるとすると、次の式(9)が得られる。
A(帆翔)=π・ρ・w・l・V2・sin2θ=W
∴ sin2θ=W/(π・ρ・w・l・V2) …式(9)
式(8)および式(9)から図20に示すグラフが得られる。図20においては、風速がVと、羽ばたき仰角θで羽ばたき装置が帆翔する場合に推進力としての羽ばたき装置に生じる力の水平方向成分Jとの関係が細線によって示されている。本実施例においても、実施例1と同様に、空気の密度ρ=1.18g/cm3、羽の幅w=2cm、かつ、羽の長さl=8cmであるもと仮定する。図20から、速度Vがある程度以上大きければ(図20では例えば4m/s以上)、羽ばたき仰角θを90°より、わずかに小さい角度にすることによって、羽ばたき装置がホバリングするための浮上力を維持したまま、羽ばたき装置の後方への移動(図20では帆翔時の推進力J)をゼロに近づけることができることが分かる。さらに、f=0Hzであるため、羽ばたき装置は、飛翔に要するエネルギーをほとんどゼロにすることができる。ただし、姿勢制御用センサーなどの電力は、この帆翔時においても、必要である。
さらに、図20において、羽ばたき装置が帆翔しているときに、例えば、風速4m/s〜10m/sの状態において、推進力としての力の水平方向成分Jが負の値になると、時間が経過するにつれて、徐々に羽ばたき装置は、風の流れにしたがって、後方へ流されてしまう。この羽ばたき装置の後方への位置ずれを補償するためには、羽ばたき装置は、帆翔中に、一定時間だけ羽ばたき動作を行なう必要がある。図20中の太線は、羽ばたき仰角θが図20の細線で示すような値である場合に、周波数f=30Hz、羽ばたき角γ=30°、かつ、捻り角α=10°であるものとして、羽ばたき装置が羽ばたき動作を行ったときに生じる力、すなわち、羽ばたき動作に起因して生じる浮上力(力の鉛直方向成分)A−羽ばたき装置の重量W、および、羽ばたき動作に起因して生じる推進力(力の水平方向成分)Jを示している。図20から、羽ばたき動作に起因して、浮上力Aが本羽ばたき装置の重量Wとほぼ吊り合っている状態が維持されながら、比較的大きな前方への推進力(力の水平方向成分J)が得られることが分かる。
例えば、図20において速度V=4m/sの場合、帆翔時の推進力Jkは、−4.7g重であり、このままでは、時間と共に、羽ばたき装置は、後退してしまうが、前述の条件(周波数f=30Hz、羽ばたき角γ=30°、捻り角α=10°)で羽ばたくことにより、浮上力Aをあまり増大させずに、推進力Jfを+9.8g重に増大させることができる。
帆翔による推進力Jkと間欠的な羽ばたき動作による推進力Jfとを吊り合わせるために、帆翔を行う時間Tkと羽ばたきを行う時間Tfとの比率が
Tk:Tf=Jf:Jk … 式(11)
に従って、後述する比率算出部で決定される。上の例では、周波数30Hz(1秒間に30回の羽ばたき)なので、例えば、およそ20回分の羽ばたき動作が実行された後、10回分の羽ばたき動作を行なう期間と同一の期間、羽を停止させる帆翔が実行される。
こうすることで、終始羽ばたき続けるよりも、一定時間、帆翔という、エネルギー消費の少ない動作を行うことによって、全体として羽ばたき装置の消費電力を低減しながら、ホバリングすることが可能になる。
なお、図20に示した条件の範囲では、風速Vが10m/s以上に達すると、帆翔時の推進力Jkが殆どゼロになり、羽ばたき動作が行わなわれなくても、羽ばたき装置は、ほぼ同じ位置に留まることができる。但し、室内のエアコンの噴出口の近傍などを含め、屋外のような風速が大きな場所でさえも、風速が10m/sを超えることはあまりないと考えられる。
以上述べたように、エネルギーロスの少ない間欠的な羽ばたき運動(帆翔と羽ばたき動作とを交互に行う飛翔方法)によって、羽ばたき装置は、風による後方への位置ずれを補償することができる。
また、本実施例の羽ばたき装置の制御手法と前述の実施例1の羽ばたき装置の制御手法とを組み合わせた制御手法は、さらに有効なものとなる。その制御手法においては、羽ばたき装置は、速度Vが所定値、たとえば4m/sより小さい場合には、図18を用いて説明したように、ホバリングを維持する制御を実行し、速度Vが所定値、たとえば4m/s以上である場合には、図20を用いて説明したように、羽ばたき運動を停止するか、または、間欠的な羽ばたき運動を行なう制御を実行する。図18を用いて説明した制御における羽ばたき仰角θと図20を用いて説明した制御における羽ばたき仰角θとは、ほぼ同じ値である。そのため、それらの制御手法の切り替えによって、羽ばたき仰角θを大きく変化させる必要はないので、制御手法の滑らかな切り替えが可能である。
なお、上記の実施例1および2のそれぞれにおいては、重力の方向に対して垂直な面、つまり水平面内において風が流れている場合のホバリングのための制御の説明がなされた。しかしながら、ホバリング可能な範囲であれば、風が流れる方向は、水平面のみに限定されず、水平面に対して所定の角度をなしていてもよい。この場合、羽ばたき装置は、水平面内にはない方向を向くことになる。そのため、実施の形態1および2において用いた力の鉛直方向成分Aと力の水平成分Jとを風の向きに応じて変更すれば、ホバリングに必要な羽ばたき方を求めることができる。
次に、図21を用いて、本実施の形態の羽ばたき装置のシステム構成を説明する。
羽ばたき装置は、羽の膜106に前羽軸103および後羽軸104が接続されている。前羽軸103は回転型アクチュエータ101によって駆動される。また、後羽軸104は、回転型アクチュエータ102によって駆動される。また、回転型アクチュエータ101および102は胴体部105内に設けられている。また、胴体部105内には、回転型アクチュエータ101および102と胴体部105との相対的な位置関係を変更する、すなわち、駆動部の姿勢を変更する仰角変更機構108が設けられている。また、胴体部105内には、駆動部および仰角変更機構108を制御する羽ばたき制御部705が設けられている。羽ばたき制御部705はコンピュータによって構成されている。
羽ばたき制御部705内には、捻り角変更部が設けられている。捻り角変更部の中には、判別部、捻り角算出部、周波数/羽ばたき角変更部が設けられている。判別部は、周波数/羽ばたき角算出部において算出された羽ばたき周波数f、羽ばたき角γ、羽ばたき仰角θ、および速度Vのデータに基づいて、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γのうち少なくともいずれか一方が変化していないかどうかまたは減少しているかどうか、および、捻り角αを変更できるかどうかを判別する。また、捻り角算出部は、判別部による判別の結果、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γのうち少なくともいずれか一方が増加し、かつ、捻り角αを算出することができる場合に、羽ばたき方の変更後おける捻り角αを算出する。また、周波数/羽ばたき角変更部は、捻り角変更部で算出された捻り角αの値に基づいて、羽ばたき仰角θ、羽ばたき周波数f’、および羽ばたき角γ’を算出する。また、羽ばたき制御部705内には、駆動制御部が設けられており、駆動制御部から出力される信号によって前述の回転型アクチュエータ101および102が制御される。また、駆動制御部は、周波数/羽ばたき角変更部で変更された羽ばたき周波数f’および羽ばたき角γ’ならびに羽ばたき仰角θが実現されるように、回転型アクチュエータ103および104に信号を送信する。
また、羽ばたき制御部705内には、周波数/羽ばたき角算出部、仰角算出部、仰角制御部、外力算出部、推進力算出部、比率算出部、移動量算出部、位置ずれ量算出部が設けられている。また、胴体部105の外側表面には、風検出センサ712および位置センサ(図14には図示せず)1700が設けられている。位置センサ1700から入力された羽ばたき装置の位置情報は、位置ずれ算出部に送信される。位置ずれ算出部では、羽ばたき装置が存在すべき位置と実際に羽ばたき装置が存在している位置との間のずれが算出される。また、位置ずれ量算出部によって算出された位置ずれ量は移動量算出部に送信される。移動量算出部では、前述の位置ずれ量に基づいて、現在の羽ばたき方によって羽ばたき装置が移動し得る移動量を算出する。位置ずれ量算出部によって算出された位置ずれ量と移動量算出部によって算出された移動量とは比率算出部に送信される。比率算出部では、位置ずれ量と移動量とを用いて、羽ばたき動作を停止する時間と現在の羽ばたき動作を継続する時間との比率が算出される。羽ばたき装置は、前述の比率にしたがって、間欠的に羽ばたき動作を行なう。それによって、羽ばたき装置は、エネルギ消費量を低減しながら、所定の位置に常に戻ってくるような羽ばたき飛行を行なう。なお、比率算出部によって算出された羽ばたき動作を行なう時間と羽ばたき動作を行なわない時間との比率が周波数/羽ばたき角算出部に送信され、周波数/羽ばたき角算出部では、その比率に従った羽ばたきを行なうための周波数fおよび羽ばたき角γが算出される。
一方、風検出センサ712は、羽ばたき装置に対する相対的な風速を検出する。風検出センサ712によって検出された風速を特定するための情報は外力算出部に送信される。また、推進力算出部は、現在の羽ばたき動作によって羽ばたき装置がどのような推進力を生じさせ得るかを算出する。推進力算出部によって算出された羽ばたき装置の推進力と外力算出部によって算出された羽ばたき装置が外部から受ける力との情報が釣り合い判定部に送信される。釣り合い判別部では、外力の水平成分と推進力Jとの釣り合い状態が判別され、釣り合い状態に基づいて、姿勢変更部に姿勢を変更するための情報が送信される。また、釣り合い判別部から仰角制御部へ、どのように羽ばたき仰角θを変更するかを示す情報が送信される。仰角制御部は、釣り合い判別部から送信されてきた羽ばたき仰角θの情報に基づいて、仰角変更機構108に対して、如何なる羽ばたき仰角θで羽ばたき方を特定する情報を出力する。それにより、仰角変更機構108は、仰角制御部から送信されてきた情報に基づいて羽ばたき装置の羽ばたき仰角θを変更する。
また、風検出センサ712は、仰角算出部に対しても風速Vを特定するための情報を送信する。それにより、仰角算出部は、羽ばたき仰角θをいかなるものにすればよいかを算出し、羽ばたき仰角θの情報を仰角制御部に送信する。また、仰角算出部は、周波数/羽ばたき算出部に対しても羽ばたき仰角θを特定可能な情報を出力する。周波数/羽ばたき算出部には、仰角算出部から送信されてきた羽ばたき仰角θを特定可能な情報と風検出センサ712によってセンシングされた速度Vを特定可能な情報とが入力される。それにより、周波数/羽ばたき算出部では、羽ばたき装置がホバリングするために如何なる羽ばたき動作をすべきか、すなわち、羽ばたき周波数f、羽ばたき角γ、および捻り角αの情報を駆動制御部に送信する。駆動制御部は、周波数/羽ばたき算出部によって算出された羽ばたき周波数f、羽ばたき角γ、および捻り角αの情報を用いて駆動部を制御する。
次に、図22を用いて、ホバリング処理を説明する。ホバリング処理においては、まず、S1において、風検出センサ712によって、流体の羽ばたき装置に対する相対的な速度Vの値が検出される。次に、S2において、前述の速度Vに基づいて羽ばたき装置が周囲流体から受ける外力のベクトルが算出される。次に、S3において、姿勢の変更の制御が実行される。
姿勢の変更の制御においては、まず、図23に示すように、S30において、羽ばたき装置の推進力Jのベクトルと外力ベクトルの水平成分とが比較される。次に、S31において、前述のS30における比較結果から右に旋回すべきか否かが判別される。右に旋回すべきでない場合には、S33において、左へ旋回するための制御が実行される。また、S31において、右に旋回すべき場合には、S32において右旋回のための羽ばたき方の実行がされる。なお、左への旋回動作または右への旋回動作は、前述したようなものである。
次に、S4において、羽ばたき装置の推進力Jの値が算出される。次に、S5において、速度Vの水平力のベクトルと推進力Jのベクトルとが大きさが同じで向きが逆になっているか否かが判別される。S5において、速度Vの水平成分のベクトルすなわち外力のベクトルと推進力Jのベクトルとが大きさが同じでかつ向きが逆でなければ、S1〜S4の処理が繰返される。つまり、S1〜S5の処理によって、羽ばたき装置は、自己の推進力Jのベクトルと風速のベクトル(外力のベクトル)とが釣り合う状態になるまでその姿勢を変更する制御が実行される。なお、通常、羽ばたき装置は、その構造が左右対称であり、また、左右対称の羽ばたき動作を行なってホバリングすることが望ましいため、胴体軸801の方向と速度Vの風速ベクトルの方向とが一致するように、羽ばたき装置は姿勢を変更する。
次に、S6において、速度Vの水平成分の大きさが所定値より大きいか否かが判別される。S6において、速度Vの水平成分の大きさが所定値より大きくなければS7の処理が実行される。S6においては、速度Vの水平成分の大きさによって羽ばたき方の選択が行なわれている。S6において、速度Vの水平成分の大きさが所定値以上であれば、S12〜S17の処理が実行される。一方、S6において、速度Vの水平成分が所定値以上でなければS7〜S11の処理が実行される。つまり、速度Vの水平成分の大きさが大きければ、羽ばたき装置は羽ばたき動作を常に行なうホバリング動作をする処理を実行する。一方、速度Vの水平成分の大きさが所定値以上大きければ、羽ばたき装置は、常に羽ばたき動作を行なうのではなく、間欠的にホバリングのための羽ばたき動作を行なう、すなわち、所定期間羽ばたき動作を行なうとともに、その後、所定期間羽ばたき動作を全く行なわない動作を繰返すことによって、ホバリングする処理を実行する。
S7においては、速度Vのデータを用いたホバリングのために必要な羽ばたき仰角θ、羽ばたき周波数f、および羽ばたき角γが算出される。次に、S8において、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γのうち少なくともいずれか一方が変化していないかもしくは減少しているか否か、および、捻り角αが変更できない場合か否かが判別される。捻り角αが変更できない場合とは、前述の捻り角αを算出するための式によって捻り角αの解を算出することができない場合のことを意味する。
S8において、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γのうち少なくともいずれか一方が増加しており、かつ、捻り角αが変更され得る場合には、S9において、捻り角αの変更が実行された後S7の処理が再度実行され、新たな羽ばたき周波数f’および羽ばたき角γ’が算出される。つまり、ホバリングのための羽ばたき方が実行されると、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γが増加してしまう場合には、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γが増加しないように捻り角αを変更する制御が実行され、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γと同一かまたはより小さな羽ばたき周波数f’および羽ばたき角γ’が算出される。したがって、本実施の形態においては、捻り角αが算出される限り、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γが大きくなることに起因して消費電力が大きくなってしまうことが防止される。
一方、S8において、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γのうち少なくともいずれか一方が変化していないかもしくは減少している場合、または、羽ばたき周波数fおよび羽ばたき角γを実現するように捻り角αを変更することができない場合には、S10の処理が実行される。S10において、羽ばたき角θの値が変更され、S11において、羽ばたき周波数fおよび/または羽ばたき角γの値が変更される。その後、再度S1の処理が実行される。
一方、S6において、速度Vの水平成分の大きさが所定値以上であれば、S12の処理が実行される。S12においては、捻り角α=0、羽ばたき角γ=0、羽ばたき周波数f=0の状態が実現されるような制御が実行される。したがって、羽ばたき装置は、羽部を駆動することなく、風にのってホバリングする。次に、S13において、ホバリングのために必要な羽ばたき仰角θを算出する処理が実行される。次に、S14において、位置センサ1700によって検出される羽ばたき装置の位置ベクトルのデータを用いて単位時間当りの位置ずれベクトルが算出される。なお、位置センサ1700はGPS(Global Positioning System)などの基準位置に対する羽ばたき装置の位置ベクトルを検出することができるセンサであればよい。
次に、S15において、羽ばたき動作を停止したときに風によって流される羽ばたき装置の位置ずれを補うための所定の羽ばたき方が決定され、その羽ばたき方によって羽ばたき装置が移動するときの単位時間当りの移動量が算出される。次に、S16において、前述の所定の羽ばたき方を行なう期間と羽を停止させる期間との比率が算出される。S17においては、前述の比率を用いて、所定時間所定の前述の所定の羽ばたき方を行なう制御と捻り角α=0、羽ばたきγ=0、羽ばたき周波数f=0かつホバリングに必要な羽ばたき仰角θが実現される制御とを繰返す。つまり、羽ばたき装置は、間欠的な羽ばたきによって、風に流される前の位置に戻る。これにより、羽ばたき装置は、消費電力を低減しながら、ホバリングを実現することができる。その後S1の処理が実行される。
なお、図21の捻り角変更部はなくてもよい、すなわち、図22のS7およびS8の処理は実行されなくても、羽ばたき装置は移動することが可能である。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、空間を自由に羽ばたき飛行およびホバリングすることができる移動装置を提供することができる。
実施の形態の羽ばたき装置を示す図であり、(a)はその部分正面図であり、(b)はその部分側面図である。 実施の形態の羽ばたき装置の羽ばたき運動と羽ばたき運動の位相との関係を示すグラフである。 実施の形態の羽ばたき装置の羽ばたき動作の第1の状態を示す図である。 実施の形態の形態の羽ばたき装置の羽ばたき動作の第2の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置における羽ばたき動作の第3の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置における羽ばたき動作の第4の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置における羽ばたき動作の第5の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置における羽ばたき動作の第6の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置における羽ばたき動作の第7の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置における羽ばたき動作の第8の状態を示す図である。 実施の形態の羽ばたき装置の変形例を示す正面模式図である。 実施の形態の羽ばたき装置の他の変形例を示す正面模式図である。 実施の形態の羽ばたき装置のさらに他の変形例を示す正面模式図である。 図1に示す羽ばたき装置の構造を示す平面模式図である。 羽に作用する力および各角度のそれぞれの羽ばたき運動の位相に対する変化を示す第1のグラフである。 羽に作用する力および各角度のそれぞれの羽ばたき運動の位相に対する変化を示す第2のグラフである。 前羽軸と後羽軸とが、互いに平行な位置から角度εだけ外側を向いている場合の、2本の羽軸の関係を示す図である。 羽ばたき装置が前方から速度Vの風を受けた状態でホバリングを維持するときの羽ばたき仰角θおよび羽ばたき角γの制御を説明するためのグラフである。 羽ばたき装置が前方から速度Vの風を受けた状態でホバリングを維持するときの羽ばたき仰角θ、および周波数fの制御を示すグラフである。 羽ばたき装置が前方から速度Vの風を受けた状態でホバリングを維持するときの羽ばたき仰角θの制御、帆翔時の推進力J、間欠的な羽ばたき動作によって羽ばたき装置に生じる推進力J、および間欠的な羽ばたき動作によって羽ばたき装置に生じる浮上力Aのそれぞれと速度Vとの関係を示すグラフである。 羽ばたき装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。 ホバリング処理を説明するためのフローチャートである。 ホバリング処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 支持構造、21 右アクチュエータ、22 左アクチュエータ、31 右羽、32 左羽、311 右羽主軸、312 右羽枝、313 右羽膜、321 左羽主軸、322 左羽枝、323 左羽膜、4,41 制御装置、51 加速度センサ、52 角加速度センサ、6 電源、101,102,301,302,401 回転型アクチュエータ、103,303 前羽軸、104,304 後羽軸、105,305,404,504,700 胴体部、106,306,714 羽の膜、107,307 羽の先端部、108 仰角制御機構、201 前羽軸の振幅、202 後羽軸の振幅、402 回転中心、403,503,603 羽軸、501,601 リニアアクチュエータ、502,602 ヒンジ、701 超音波センサ、702 赤外線センサ、703 加速度センサ、704 角加速度センサ、705 羽ばたき制御部、706 アクチュエータ、707 重心制御部、708 メモリ部、709 通信制御部、710 アンテナ部、711 電源部、901 前羽軸、902 後羽軸、903 前羽軸の振動軸、904 後羽軸の振動軸、905 羽軸の付け根、906 羽軸先端、1063 上面胴体部、1064 下面胴体部。

Claims (8)

  1. 流体が存在する空間において羽ばたき動作をする羽部と、
    前記羽部に羽ばたき動作をさせる駆動部と、
    前記駆動部を制御する羽ばたき制御部と、
    前記駆動部および前記羽ばたき制御部が搭載された胴体部と、
    前記胴体部に設けられ、前記胴体部に対する前記駆動部の姿勢を変化させることによって、前記羽部の羽ばたき仰角を変化させる仰角変更機構と、
    前記流体の物理量を検出する検出器とを備えた移動装置であって、
    前記羽ばたき制御部は、
    前記検出器が検出した前記流体の物理量を用いて前記流体の速度ベクトルおよび当該移動装置が受ける外力のベクトルを算出し、前記外力の水平方向成分のベクトルと当該移動装置の推進力のベクトルとを釣り合わせるための制御を行なった後、前記速度ベクトルに応じて、ホバリングに必要な羽ばたき仰角が実現されるように前記仰角制御機構を制御し、さらに、前記駆動部の羽ばたき周波数および羽ばたき角のうち少なくともいずれか一方を変更することによって、前記ホバリングの状態を維持する制御を実行する、移動装置。
  2. 前記羽部は、
    前記駆動部に接続された一方側羽軸部と、
    該一方側羽軸部とは別個に、前記駆動に接続された他方側羽軸部と、
    少なくとも前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間に渡って形成された羽本体部とを含み、
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部に第1周期運動をさせる一方側駆動部と、
    前記一方側駆動部とは別個独立して、前記他方側羽軸部に第2周期運動をさせる他方側駆動部とを含み、
    前記羽ばたき制御部は、前記ホバリングの状態においては、前記一方側駆動部と前記他方側駆動部とを別個に制御し、それにより、前記羽ばたき周波数および前記羽ばたき角が増加しないように、前記一方側羽軸部の先端と前記他方側羽軸部の先端とを結ぶ前記羽本体部の先端部と仮想の平面とがなす捻り角を変化させる、請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記羽ばたき制御部は、前記速度ベクトルが所定値以上の場合に、前記羽ばたき仰角をホバリング可能な値に固定させ、かつ、前記羽部の羽ばたき動作を停止させる制御を実行する、請求項1に記載の移動装置。
  4. 前記羽ばたき制御部は、少なくとも所定期間、前記羽部に間欠的に羽ばたき動作を行わせる制御を実行する、請求項3に記載の移動装置。
  5. 流体が存在する空間において羽ばたき動作をする羽部と、
    前記羽部に羽ばたき動作をさせる駆動部と、
    前記駆動部を制御する羽ばたき制御部と、
    前記駆動部および前記羽ばたき制御部が搭載された胴体部と、
    前記胴体部に設けられ、前記胴体部に対する前記駆動部の姿勢を変化させることによって、前記羽部の羽ばたき仰角を変化させる仰角変更機構と、
    前記流体の物理量を検出する検出器とを備えた移動装置であって、
    前記羽ばたき制御部は、
    前記検出器によって検出された前記流体の物理量を用いて当該移動装置が受ける外力のベクトルを算出する外力算出部と、
    当該移動装置の推進力のベクトルを算出する推進力算出部と、
    前記推進力のベクトルと前記外力の水平方向成分のベクトルとが釣り合っているか否かを判別する釣り合い判別部と、
    前記推進力のベクトルと前記外力の水平方向成分のベクトルとが釣り合うように、当該羽ばたき装置の姿勢を変更する姿勢変更部と、
    前記検出器によって検出された前記流体の物理量を用いて当該移動装置に対する前記流体の速度ベクトルを算出する速度ベクトル算出部と、
    前記速度ベクトルを用いて当該移動装置がホバリングするために必要な羽ばたき仰角を算出する仰角算出部と、
    前記釣り合い判別部が釣り合い状態であると判定した場合に、前記羽ばたき仰角が実現されるように前記仰角変更機構を制御する仰角制御部と、
    前記速度ベクトルおよび前記羽ばたき仰角を用いてホバリングするために必要な前記羽部の羽ばたき周波数および羽ばたき角を算出する周波数/羽ばたき角算出部と、
    前記判別部が釣り合い状態であると判定した場合に、前記羽部が前記ホバリングするために必要な前記羽ばたき周波数および前記羽ばたき角で羽ばたき動作をするように前記駆動部を制御する駆動制御部とを含む、移動装置。
  6. 前記羽部は、
    前記駆動部に接続された一方側羽軸部と、
    該一方側羽軸部とは別個に、前記駆動に接続された他方側羽軸部と、
    少なくとも前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間に渡って形成された羽本体部とを含み、
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部に第1周期運動をさせる一方側駆動部と、
    前記一方側駆動部とは別個独立して、前記他方側羽軸部に第2周期運動をさせる他方側駆動部とを含み、
    前記羽ばたき制御部は、
    前記一方側羽軸部の先端と前記他方側羽軸部の先端とを結ぶ前記羽本体部の先端部と仮想の平面とがなす捻り角を変更する捻り角変更部をさらに有し、
    前記捻り角変更部は、
    前記羽ばたき周波数および前記羽ばたき角が以前に比較して増加したか否かを判別する判別部と、
    前記判別部が前記羽ばたき周波数および前記羽ばたき角が以前に比較して増加したと判定した場合に、前記羽ばたき周波数および前記羽ばたき角のそれぞれの増加が低減されるように捻り角を算出する捻り角算出部と、
    前記捻り角算出部が算出した前記捻り角に対応して前記羽ばたき周波数および前記羽ばたき角を変更する周波数/羽ばたき角変更部とを有し、
    前記駆動制御部は、前記捻り角算出部が算出した捻り角ならびに前記周波数/変更部によって変更された羽ばたき周波数および羽ばたき角が実現されるように、前記駆動部を制御する、請求項5に記載の移動装置。
  7. 前記仰角制御部は、前記仰角変更機構を制御し、前記羽ばたき仰角をホバリング可能な所定値に固定し、
    前記駆動制御部は、前記流体の速度ベクトルが所定値以上である場合に、少なくとも一定期間、前記一方側羽軸部の先端と前記他方側羽軸部の先端とを結ぶ前記羽本体部の先端部と仮想の平面とがなす捻り角、前記羽ばたき角、および、前記羽ばたき周波数のそれぞれをゼロにするように、前記駆動部を制御する、請求項5に記載の移動装置。
  8. 前記羽ばたき制御部は、
    前記捻り角、前記羽ばたき角、および、前記羽ばたき周波数のそれぞれがゼロである場合に、前記検出部によって検出された前記流体の物理量または外部装置から送信されて
    きた信号を用いて、当該移動装置の位置ズレベクトルを算出する位置ズレ算出部と、
    前記位置ズレベクトルと逆向きに進むための所定の羽ばたき方を決定する羽ばたき方決定部と、
    前記所定の羽ばたき動作によって得られる移動量および移動方向を特定可能な移動ベクトルを決定する移動決定部と、
    前記位置ズレベクトルと前記移動ベクトルとの和がゼロになるように、前記羽部が前記所定の羽ばたき方を実行する時間と前記羽部が停止する時間との比率を算出する比率算出部とを含み、
    前記駆動制御部は、前記比率に基づいて前記羽部に前記所定の羽ばたき方を間欠的に実行させるように、前記駆動部を制御する、請求項7に記載の移動装置。
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