JP2005173968A - 追跡ロボットシステムおよびそれに用いられる追跡ロボット - Google Patents

追跡ロボットシステムおよびそれに用いられる追跡ロボット Download PDF

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Abstract

【課題】 高い精度で目標物の位置の特定が行うことができる追跡ロボットシステムを提供する。
【解決手段】 第1追跡ロボット101は、センサを用いて自己に対する目標物100の方向を示す第1単位方向ベクトルのデータを取得し、かつ、GPS機能を用いて自己の位置を示す第1位置ベクトルのデータを取得する。第2追跡ロボット102は、センサを用いて自己に対する目標物100の方向を示す第2方向単位ベクトルのデータを取得し、かつ、GPS機能を用いて自己の位置を示す第2位置ベクトルのデータを取得する。その後、第2追跡ロボット102は、第1追跡ロボット101へ取得した2つのデータを送信する。それにより、第1追跡ロボット101は、前述の4つのデータを用いて、三角測量の原理に基づいて、目標物100の位置を特定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動する目標物を追跡する追跡ロボットを複数備えた追跡ロボットシステムに関するものであり、特に、複数の追跡ロボットが互いに協働して目標物を追跡する追跡ロボットシステムおよびそれに用いられる追跡ロボットに関するものである。
従来から、移動する目標物の位置を検出する手法について、様々な手法が提案されている。それらの手法は、複数の検出装置が、一定の位置に固定されている手法、または、移動できるロボットが用いられるが、一体のロボットのみの検出情報に基づいて目標物を追跡する手法である。
特開2002−218449号公報 特開平3−6710号公報 特開平5−11839号公報
上述の特開2002−218449号公報に記載の技術のように、検出装置が一定の位置に固定されていると、目標物の移動範囲が広い場合には、多数の検出装置を設置する必要がある。また、目標物が予想しない場所に移動してしまうと、目標物を追跡することができなくなる場合もある。
また、特開平3−6710号公報に記載の技術、または、特開平5−11839号公報に記載の技術のように、一体のロボットの検出情報のみに基づいて、目標物を追跡する手法においては、目標物の位置決め精度が、一体の追跡ロボットに設けられたセンサの精度によって決定されてしまう。そのため、追跡ロボットから目標物までの距離が大きくなると、位置決め精度が極端に悪くなってしまう。
本発明の目的は、複数の追跡ロボットが互いに協働して目標物を追跡することにより、一体の追跡ロボットのみを用いる追跡ロボットシステムよりも有用な追跡ロボットシステムおよびそれに用いられる追跡ロボットを提供することである。
本発明の一の局面の追跡ロボットシステムは、目標物を追跡するための第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとを備えた追跡ロボットシステムである。第1追跡ロボットおよび第2追跡ロボットのそれぞれは、自己の運動によって外部から受ける力の反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、移動部を駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部とを含んでいる。
第1追跡ロボットは、所定の基準点に対する第1追跡ロボットの位置を示す第1位置ベクトルを特定し得る態様で、所定の基準点から発信された信号を受信する第1受信部と、第1追跡ロボットの位置に対する目標物の位置の方向を示す第1方向単位ベクトルを特定し得る態様で、目標物を検出する第1センサとを含んでいる。
第2追跡ロボットは、所定の基準点に対する第2追跡ロボットの位置を示す第2位置ベクトルを特定し得る態様で、所定の基準点から発信された信号を受信する第2受信部と、第2追跡ロボットの位置に対する目標物の位置の方向を示す第2方向単位ベクトルを特定し得る態様で、目標物を検出する第2センサとを含んでいる。
上記の構成によれば、第1位置ベクトルを示すデータ、第2位置ベクトルを示すデータ、第1方向単位ベクトルを示すデータ、および第2方向単位ベクトルを示すデータを用いて、所定の基準点に対する目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出することが可能になる。
また、第1追跡ロボットは、好ましくは、第2追跡ロボットから送信された、第2位置ベクトルを示すデータおよび第2方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部と、第1位置ベクトルを示すデータ、第2位置ベクトルを示すデータ、第1方向単位ベクトルを示すデータ、および第2方向単位ベクトルを示すデータを用いて、所定の基準点に対する目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とを備えている。
上記の構成によれば、第1追跡ロボットにおいて、第1追跡ロボットに対する目標物の方向、第2追跡ロボットに対する目標物の方向、および第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとの間の距離を特定することができる。そのため、三角測量と同様の手法を用いて、第1追跡ロボットにおいて目標物の位置を特定することができる。したがって、一体の追跡ロボットのみで目標物を追跡する場合に比較して、第1および第2の追跡ロボットから目標物までの距離が大きくなっても、高い精度で目標物の位置を特定しながら、目標物の追跡を続行することができる。
また、追跡ロボットシステムは、好ましくは、さらに、外部装置を備えている。外部装置は、第1追跡ロボットから送信されてきた、第1位置ベクトルを示すデータおよび第1方向単位ベクトルを示すデータを受信するとともに、第2追跡ロボットから送信されてきた、第2位置ベクトルを示すデータおよび第2方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部を備えている。また、外部装置は、第1位置ベクトルを示すデータ、第2位置ベクトルを示すデータ、第1方向単位ベクトルを示すデータ、および第2方向単位ベクトルを示すデータを用いて、所定の基準点に対する目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部を備えている。
上記の構成によれば、外部装置において、三角測量と同様の手法を実行し、目標物の位置を高い精度で特定することができる。
前述の演算部は、好ましくは、第1方向単位ベクトルと第2方向単位ベクトルとがなす角度を算出する角度算出部と、第1センサおよび第2センサの測定精度の範囲内において、角度が算出され得るように、第1追跡ロボットおよび第2追跡ロボットのうち少なくともいずれか一方の移動に関する物理量を算出する物理量算出部とを有する。
すなわち、第1追跡ロボットおよび第2追跡ロボットの制御部は、第1追跡ロボット、第2追跡ロボット、および目標物のそれぞれが三角形の頂点に位置するように、駆動部を駆動する。
上記の構成によれば、第1追跡ロボット、第2追跡ロボット、および目標物が1直線上に並んでしまい、目標物の位置を特定できなくなるという不都合が防止される。
本発明の他の局面の追跡ロボットシステムは、一の局面の追跡ロボットシステムと同様に、目標物を追跡するための第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとを備えた追跡ロボットシステムである。第1追跡ロボットおよび第2追跡ロボットのそれぞれは、自己の運動によって外部から受ける反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、移動部を駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部とを含んでいる。
また、第2追跡ロボットは、所定の基準点に対する第2追跡ロボットの位置を示す第2位置ベクトルを特定し得る態様で、所定の基準点から発信された信号を受信する第2受信部と、第2位置ベクトルを示すデータを第1追跡ロボットに対して送信する送信部を含んでいる。
また、第1追跡ロボットは、所定の基準点に対する第1追跡ロボットの位置を示す第1位置ベクトルを特定し得る態様で、所定の基準点から発信された信号を受信する第1受信部と、第2追跡ロボットから送信されてきた第2位置ベクトルを示すデータを受信する受信部と、第1位置ベクトルを示すデータおよび第2位置ベクトルを示すデータを用いて、第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとの間の距離を算出する距離算出部と、距離算出部により算出される距離が所定の範囲内になるように第1追跡ロボットの移動に関する物理量を算出する物理量算出部とを含んでいる。
上記の構成によれば、第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとが、近づき過ぎたり、遠ざかり過ぎたりすることが防止される。なお、第1追跡ロボットの移動に関する物理量は、第1追跡ロボットの速度ベクトルであってもよいが、第1追跡ロボットの加速度ベクトルであってもよい。
本発明のさらに他の局面の追跡ロボットシステムは、目標物を追跡するための、第1追跡ロボット、第2追跡ロボット、および第3追跡ロボットを備えた追跡ロボットシステムである。
第1追跡ロボットおよび第2追跡ロボットのそれぞれの構成は前述の構成と同様である。また、第3追跡ロボットも、第1追跡ロボットおよび第2追跡ロボットのそれぞれと同様に、自己の運動によって外部から受ける力の反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、移動部を駆動する駆動部と、駆動部を制御する制御部とを含んでいる。また、第3追跡ロボットは、所定の基準点に対する第3追跡ロボットの位置を示す第3位置ベクトルを特定し得る態様で、所定の基準点から発信された信号を受信する第3受信部と、第3追跡ロボットの位置に対する目標物の位置の方向を示す第3方向単位ベクトルを特定し得る態様で、目標物を検出する第3センサを含んでいる。
本発明の一の局面の追跡ロボットシステムのように、2台の追跡ロボットで追跡する場合には、目標物とその2台の追跡ロボットとが一直線上に並んでしまう場合がある。この場合、2台の追跡ロボットのうち一方の追跡ロボットに対する目標物の方向と他方の追跡ロボットに対する目標物の方向とがほぼ一致するために、高い精度で三角測量を行うことができなくなる。
しかしながら、上記の本発明の他の局面の追跡ロボットシステムの構成によれば、一組の追跡ロボットのうち、一方の追跡ロボットに対する目標物の方向と他方の追跡ロボットに対する目標物の方向とがほぼ一致する場合には、一方および他方の追跡ロボットのうちのいずれかに対する目標物の方向と、それら以外の追跡ロボットに対する目標物の方向とを用いて三角測量を行うことができる。
すなわち、第1、第2および第3追跡ロボットのいずれかと目標物との間の距離がある程度以下であれば、第1、第2および第3追跡ロボットのうちのいずれか2台の追跡ロボットを用いて、上述の一の局面の追跡ロボットシステムと同様の三角測量を行えば、高い精度で目標物の位置ベクトルを算出することができる。
また、第1追跡ロボットは、好ましくは、第2追跡ロボットおよび第3追跡ロボットのそれぞれから、第2位置ベクトルを示すデータおよび第3位置ベクトルを示すデータのそれぞれ、ならびに、第2方向単位ベクトルを示すデータおよび第3方向単位ベクトルを示すデータのそれぞれを受信するデータ受信部を備えている。
また、第1追跡ロボットは、第1位置ベクトルを示すデータおよび第1方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、第2位置ベクトルを示すデータおよび第2方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、ならびに、第3位置ベクトルを示すデータおよび第3方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせのうち、少なくともいずれか2つの組み合わせを用いて、所定の基準点に対する目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部を備えている。
上記の構成によれば、第1追跡ロボットにおいて、高い精度で目標物の位置を特定することができる。
また、本発明のさらに他の局面の追跡ロボットシステムは、好ましくは、さらに、外部装置を備えている。また、外部装置は、第1追跡ロボットから送信されてきた、第1位置ベクトルを示すデータおよび第1方向単位ベクトルを示すデータを受信するとともに、第2追跡ロボットから送信されてきた、第2位置ベクトルを示すデータおよび第2方向単位ベクトルを示すデータを受信し、かつ、第3追跡ロボットから送信されてきた、第3位置ベクトルを示すデータおよび第3方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部を備えている。
また、外部装置は、好ましくは、第1位置ベクトルを示すデータおよび第1方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、第2位置ベクトルを示すデータおよび第2方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、ならびに、第3位置ベクトルを示すデータおよび第3方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせのうち、少なくともいずれか2つの組み合わせを用いて、所定の基準点に対する目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とを備えている。
上記の構成によれば、外部装置において、高い精度で目標物の位置を特定することができる。
また、本発明のさらに他の局面の追跡ロボットシステムは、好ましくは、第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの制御部が、第1、第2および第3追跡ロボット同士の間の距離が互いに略等しい状態を維持するように、第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの移動に関する物理量を算出する。
一般的には、第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの制御部は、第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれが三角形の頂点に位置するように、第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの移動に関する物理量を算出すればよい。
上記の構成によれば、第1、第2および第3追跡ロボットは正三角形の頂点に位置するように編隊されるため、目標物が急に方向変換を行っても、第1、第2および第3追跡ロボットのうちのいずれか2つの追跡ロボットでより高い精度の三角測量を行うことができる。
本発明の追跡ロボットは、上記の第1、第2および第3追跡ロボットのいずれかと同様の構成であるため、上記追跡ロボットシステムを構成するための手段とすれば、上記追跡ロボットシステムにより得られる効果が得られる。
以下、この発明を図示の実施の形態により、詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1および図2を用いて、本実施の形態の追跡ロボットシステムを説明する。
図1は、本実施の形態の、2台の追跡ロボットを用いた追跡ロボットシステムの構成を示す図である。
本実施の形態においては、追跡される目標物100、第1追跡ロボット101、および第2追跡ロボット102のいずれもが、後述の「羽ばたき装置の構成」で示される羽ばたきロボットである。このような構成を開示する目的は、本発明の追跡ロボットシステムが、2次元平面内での目標物の追跡行動に適用されるものに限定されず、3次元空間内での目標物の追跡行動にも適用され得ることを示すことにある。したがって、特に、本発明の追跡ロボットシステムに用いられるロボットは、羽ばたきロボットに限定されるものではなく、水中を移動するロボットでも、主に2次元平面を移動する通常の歩行ロボットまたは車輪走行のロボットであってもよい。この場合、本発明の移動部は、羽部ではなく、胴体部、ひれ部、足部または車輪部である。また、羽ばたき飛行するロボットではなく、ヘリコプターまたは固定翼を有する航空機を追跡ロボットとして用いても、本実施の形態において説明される追跡ロボットシステムにより得られる効果とほぼ同様の効果を得ることが可能である。
追跡ロボット101、102は、後述の「羽ばたき装置の構成」に開示されているように、自己の位置ベクトルを計測するためのGPS用受信器と、自己の姿勢を計測するための加速度センサまたは3D(Dimension)モーションセンサと、目標物を認識し、追跡ロボットに対する目標物の方位角を算出するためのCCD(Charge Coupled Device)と、目標物の位置を特定するための計算を行う演算部とを有している。これらは、いずれも従来から利用されている技術が用いられている。
追跡ロボット自身の位置ベクトルを示すデータは、任意の基準点を原点として、GPS(Global Positioning System)または簡易GPSで測定されたデータであり、このデータは、GPS用の受信器が衛星から送信されてきた信号を受信することにより得られる。
したがって、図2のS1において、第1追跡ロボット101は、第1追跡ロボット101に対する目標物100の第1方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)を図8に示すCCD1001および演算部1015を用いて取得するとともに、自己の第1位置ベクトルX1(x1,y1,z1)を図8に示すGPS用受信器1002および演算部1015を用いて取得する。
また、図2のS2において、第2追跡ロボット102は、第2追跡ロボット102に対する目標物100の第2方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)を、図8に示すCCDおよび演算部1015を用いて、取得するとともに、自己の第2位置ベクトルX2(x2,y2,z2)を、図8に示すGPS用受信器1002および演算部1015を用いて、取得する。
図2のS3において、第2追跡ロボット102は、図8に示す、羽ばたき制御部1005、通信制御部1009、およびアンテナ部1010を介して、第1追跡ロボット101に対して、第2方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)を示すデータおよび第2位置ベクトルX2(x2,y2,z2)を示すデータを送信する。
図2のS4において、第1追跡ロボット101は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、第2方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)を示すデータおよび第2位置ベクトルX2(x2,y2,z2)を受信する。
図2のS5において、第1追跡ロボット101は、羽ばたき制御部1005において、後述する三角測量の原理を利用した演算を行い、目標物100の第1位置ベクトルX1(p0,q0,r0)を算出する。また、S5においては、第1位置ベクトルX1(x1,y1,z1)および第2位置ベクトルX2(x2,y2,z2)を用いて、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|=|(x1,y1,z1)−(x2,y2,z2)|を算出する。
図2のS6において、第1追跡ロボット101は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、目標物100の位置ベクトルX0(p0,q0,r0)のデータを第2追跡ロボット102に対して送信し、第2追跡ロボット102は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、目標物100の位置ベクトルX0(p0,q0,r0)のデータを受信する。
次に、図2のS7では、第1追跡ロボット101は、羽ばたき制御部1005において、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|=|(x1,y1,z1)−(x2,y2,z2)|が第1所定値以上であるか否かを判別する。S7において、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|が第1所定値以上でないと判定されれば、S8において、第1追跡ロボット101は、自己の移動速度のベクトルを変更して、第2追跡ロボット102から遠ざかる。
また、S7において、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|が第1所定値以上であると判定されれば、S8では、第1追跡ロボット101は、羽ばたき制御部1005において、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|が第2所定値(>第1所定値)以下であるか否かを判別する。S8において、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|が第2所定値以下でないと判定されれば、S10では、第1追跡ロボット101は、自己の移動速度のベクトルを変更して、第2追跡ロボット102に近づく。
S9において、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離|X1−X2|が第2所定値以下であると判定されれば、第1追跡ロボット101は、現状の自己の移動の速度ベクトルを維持する。なお、速度ベクトルを算出するための演算は、羽ばたき制御部1005において行われている。このように、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離に応じて、第1追跡ロボット101の速度ベクトルを変更することにより、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102とが、離れ過ぎたり、遠ざかり過ぎたりすることが防止される。
なお、本実施の形態では、第1追跡ロボット101の速度ベクトルを変更する例が示されているが、第1追跡ロボット101から第2追跡ロボット102へ送信された目標物の位置ベクトルX0を示すデータを用いて、第2追跡ロボット102がその速度ベクトルを変更する追跡ロボットシステムであってもよい。
なお、追跡ロボットに対する目標物の方位角を測定する手法は、CCDを用いる手法に限定されず、目標物の物理的特性または目標物の物理的特性の測定精度に応じて、超音波センサなどのソナー、赤外線センサ、または紫外線センサなど、目標物と周囲の環境とを区別できるセンサを用いる手法であれば、いかなる手法であってもよい。
また、より具体的には、追跡ロボットは、その追跡ロボットに対する目標物の方向、すなわち方位角を示す方向単位ベクトルを、次の手法により取得する。まず、CCDにより目標物の画像データが検出される。このとき、羽ばたき制御部1005において、目標物が、追跡ロボットが向く方向に対して、いずれの方向(方位角λ、仰角υ)に存在するかが画像データを用いて抽出される。
次に、角加速度センサまたは3Dモーションセンサで検出された追跡ロボットの姿勢を示すデータ(直交座標の3軸のそれぞれ回りの回転角のそれぞれ:ロール角、ピッチ角、ヨー角)分だけ、画像データを補正する。それにより、極座標データで得られた方向単位ベクトルを特定可能なデータが直交座標データに変換される。すなわち、検出された追跡ロボットに対する目標物の方位角λおよび仰角υが、次式を用いて、直交座標の方向単位ベクトルP0(p0,q0,r0)に変換される。
0 = cosλ×cosυ
0 = sinλ×cosυ
0 = sinυ
さらに、追跡ロボットが向く方向が、基準となる直交座標のそれぞれの軸に対して、ロール角A、ピッチ角B、およびヨー角Cのそれぞれだけ傾いていれば、一般の回転に関する座標変換を用いて、次のように、第1追跡ロボット101の向く方向を基準としたときの直交座標における方向単位ベクトルP0(p0,q0,r0)を、GPSにおいて基準として用いられている直交座標における方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)を変換する。
Figure 2005173968
その結果、GPSにおいて基準として用いられている直交座標での目標物100の方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)が算出される。
このようにして、第1追跡ロボット101は、所定の基準点に対する自己の位置ベクトルを示す第1位置ベクトルのデータを得るとともに、第2追跡ロボット102は、所定の基準点に対する自己の位置ベクトルを示す第2位置ベクトルのデータを得る。また、第1追跡ロボット101は、自己に対する目標物100の方向を示す第1方向単位ベクトルのデータを得るとともに、第2追跡ロボット102は、自己に対する目標物100の方向を示す第2方向単位ベクトルのデータを得る。それにより、図2に示すように、第1追跡ロボット101は、第1および第2位置ベクトルのデータならびに第1および第2方向単位ベクトルのデータを用いて、三角測量の原理を用いて、目標物100の位置ベクトルのデータを算出する。
なお、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102とは、通信により、位置ベクトルのデータおよび方向単位ベクトルのデータを交換する。ただし、本実施の形態では、位置ベクトルのデータおよび方向単位ベクトルのデータは、第2追跡ロボット102から第1追跡ロボット101へのみ送信される。
具体的には、第1追跡ロボット101の羽ばたき制御部105では、次のような演算が行われている。
第1追跡ロボット101の所定の基準点に対する位置を示す第1位置ベクトルをX1(x1,y1,z1)とし、第1追跡ロボット101に対する目標物100の方向を示す第1方向単位ベクトルをP1(p1,q1,r1)とすると、目標物100の位置ベクトルX0(x0,y0,z0)は、実数パラメータsを用いて、次の式により表される。
0(x0,y0,z0)=(p1・s+x1,q1・s+y1,r1・s+z1
同様に、第1追跡ロボット102の所定の基準点に対する位置を示す第2位置ベクトルをX2(x2,y2,z2)とし、第2追跡ロボット102に対する目標物100の方向を示す第2方向単位ベクトルをP2(p2,q2,r2)とすれば、目標物100の位置ベクトルX0(x0,y0,z0)は、実数パラメータtを用いて、次の式により表される。
0(x0,y0,z0)=(p2・t+x2,q2・t+y2,r2・t+z2
前述の2つの式の右辺が等しいため、連立方程式を用いて未知数であるパラメータsおよびtの値を算出すれば、目標物100の位置ベクトルX0(x0,y0,z0)の値が得られる。
なお、前述の実施の形態の説明は、以後に説明する実施の形態2〜4のいずれにも適用される事項である。
(実施の形態2)
次に、図1〜図3を用いて、本実施の形態の追跡ロボットシステムを説明する。図1において、第1追跡ロボット101に対する目標物100の方向と、第2追跡ロボット102に対する目標物100の方向とがなす角度をψとする。実施の形態1の追跡ロボットシステムにおいて説明される手法は、角度ψが第1追跡ロボット101および第2追跡ロボット102のそれぞれに搭載されたCCDおよび角加速度センサを用いて算出され得る以上の角度になるようにする手法である。
図3は、本実施の形態で用いられる手法を説明するためのフローチャートである。ここでも、図2を用いて説明したように、第2追跡ロボット102から第1追跡ロボット101へ測定データ(ここでは、第2位置ベクトルおよび第2方向単位ベクトル)を送信する。また、目標物100の位置ベクトルを算出する演算は、実施の形態1と同様に、第1追跡ロボット101において行われている。図3に示すS11〜S14の処理は、図2に示すS1〜S4の処理と全く同様である。
しかしながら、第1および第2追跡ロボット101および102のそれぞれから追跡ロボットとは異なる基地局またはマザーロボットのような外部装置へ、第2位置ベクトルおよび第2方向単位ベクトルを示すデータを送信し、外部装置において算出された目標物の位置ベクトルのデータを第1および第2追跡ロボット101および102のそれぞれが受信するような追跡ロボットシステムであってもよい。
また、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間において、計算処理を分担することも考えられる。しかしながら、本実施の形態では、説明を簡単にするため、追跡ロボットの1台(ここでは、第1追跡ロボット101)が計算処理を行うものとする。
次に、図3のS15においては、第1追跡ロボット101に対する目標物100の第1方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)と第2追跡ロボット102に対する目標物100の第2方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)とがなす角度ψが、次の式を用いて算出される。
cosψ=p1・p2+q1・q2+r1・r2
すなわち、第1方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)と第2方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)とがなす角度ψは、それらのベクトルの内積cosψを算出することによって、算出される。なお、cosψに対応するψの値は予めデータテーブルに記憶されているため、ψの値は、cosψの値が算出されれば、cosψの値に応じて一義的に導き出される。
本実施の形態の追跡ロボットシステムにおいては、常に、角度ψが一定値以上の値に維持される。これにより、第1追跡ロボット101、第2追跡ロボット102、および目標物100のそれぞれは、常に、三角形の頂点に位置する。すなわち、第1追跡ロボット101、第2追跡ロボット102、および目標物100が一直線上に位置することがない。そのため、本実施の形態の追跡ロボットシステムの手法によれば、目標物100の位置を特定できなくなる状況が発生しない。
本実施の形態では、図3のS16において、角度ψの値が追跡ロボットに搭載されたCCDおよび角加速度センサの精度δの2J倍(J:余裕度であり、1より大きな値である)より小さくなれば、S17において、角度ψが2δより大きいか否かの判別が行われる。第1方向単位ベクトルと第2方向単位ベクトルとがなす角度ψがCCDおよび角加速度センサの精度δの2倍より小さくなれば、2台の追跡ロボットと目標物とがほぼ一直線上に並ぶ状態になる。この場合には、まず、S18では、r2=y1 2+z1 2を用いてrが算出されるとともに、第1方向単位ベクトルに垂直な方向を向く方向単位ベクトルR1(0,z1/r,y1/r)が算出される。
その後、S19において、一方の追跡ロボット(図3では第1追跡ロボット101)の速度ベクトルV1・P1に、第1追跡ロボット101に対する目標物の方向(第1方向単位ベクトルの向き)に対して垂直な速度ベクトルV1・R1を加える。すなわち、第1追跡ロボット101は、速度の大きさV1で目標物100を追跡している場合、速度ベクトルを、V1・P1からk・V1・P1+l・V1・R1へ変更する。なお、係数kおよびlは、演算により得られた変更後の速度ベクトルが、第1追跡ロボット101が実現可能な最大速度を超えないように調節するためのものである。また、第1追跡ロボット101が速度ベクトルの大きさの絶対値V1を維持するのであれば、
k=l=1/[2・|P1+R1|]が成立する必要がある。
したがって、目標物100、第1追跡ロボット101、および第2追跡ロボット102が、一直線上に並んでしまった場合には、第1追跡ロボット101が進行方向を変更することによって、目標物100、第1追跡ロボット101、および第2追跡ロボット102のそれぞれが三角形の頂点に位置する状態に戻される。
また、S17において、角度ψの値が追跡ロボットに搭載されたCCDおよび角加速度センサの精度δの2倍より大きければ、S20において、一方の追跡ロボット(図3では第1追跡ロボット101)の速度ベクトルの向きを、他方の追跡ロボット(第2追跡ロボット102)に対する目標物100の方向を示す第2方向単位ベクトルの向きに変更する。すなわち、第1追跡ロボット101が、速度の大きさVで目標物100を追跡している場合、図3のS17に示すように、第1追跡ロボット101の速度ベクトルをV1・1(V1・p1,V1・q1,V1・r1)からV1・2(V1・p2,V1・q2,V1・r2)に変更する。この速度ベクトルの変更によって、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102とは、同じ方向に進むため、角度ψが一定値以上の値に維持され易い。
なお、前述の場合、第1追跡ロボット101は、速度ベクトルをV1・1からm・V1・1+n・V1・(X1−X2)/|X1−X2|へ変更してもよい。この速度ベクトルの変更によって、第1追跡ロボット101は、第2追跡ロボット102から離れる方向に移動するため、角度ψが一定値以上の値に維持される。前述の速度ベクトルの変更手法は、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102との間の距離が大きくなるような成分(X1−X2)/|X1−X2|を速度ベクトルの変更前の速度ベクトルV1・1に追加するための手法である。また、係数mおよびnは、演算により得られた変更後の速度ベクトルが、第1追跡ロボット101が実現できる最高の移動速度を超えないように調節するためのものである。速度ベクトルの絶対値V1を維持することが必要である場合には、
m=n=1/〔2・|{P1+(X1−X2)/|X1−X2|}|〕
で示す式が成立するmおよびnが選択される。
なお、本実施の形態では、S16およびS17における判別の基準値として、Jδおよびδでなく、2Jδおよび2δが用いられている。それは、角度ψの値を算出するために、2台の追跡ロボットのそれぞれで測定された値が用いられているので、ψには、2台分の誤差、すなわちCCDおよびセンサの精度δの2倍の誤差が含まれているからである。
また、図3のS16において、角度ψの値が追跡ロボットに搭載されたCCDおよび角加速度センサの精度δの2J倍(J:余裕度)より大きければ、S21において、第1追跡ロボット101は、自己の移動の速度ベクトルを目標物100に向かう速度ベクトルV1・P1のまま維持する。なお、本実施の形態では、第2追跡ロボット102は、図3のS22に示すように、常に、自己の移動の速度ベクトルを目標物100に向かう速度ベクトルV2・P2のまま維持する。
なお、本実施の形態では、第1追跡ロボット101が速度ベクトルを変更する例が示されている。しかしながら、S16およびS17のそれぞれにおいて、第1および第2追跡ロボット101および102のうちいずれかが、速度ベクトルを変更する必要があると判定された場合に、第1追跡ロボット101から第2追跡ロボット102へその旨を示す信号が送信され、その信号を受信した第2追跡ロボット102が自己の速度ベクトルを変更することによって、第1および第2追跡ロボット101および102と目標物100とが一直線上に並ぶことを防止するような追跡ロボットシステムであってもよい。
(実施の形態3)
次に、本実施の形態の追跡ロボットシステムを、図4を用いて説明する。本実施の形態の追跡ロボットシステムは、図4に示すように、3台以上の追跡ロボットを用いて、目標物100を追跡する追跡ロボットシステムである。本実施の形態では、3台以上の追跡ロボット、たとえば、第1〜第3追跡ロボット101,102,103のうちのいずれかと目標物100との間の距離がある程度以下であれば、常に、第1〜第3追跡ロボット101,102,103のうちのいずれか2台の追跡ロボットの方向単位ベクトル同士がなす角度ψを所定値以上に確保し得る手法を説明する。なお、本実施の形態では、上述の実施の形態1および2において説明した追跡ロボットシステムで用いられている手法の全てを実施できることを前提としている。
本実施の形態では、まず、追跡ロボットが2台よりも多い台数の追跡ロボットを用いて目標物の位置ベクトルを算出する手法が、図5を用いて説明される。この手法は、基本的には、図2を用いて説明した手法と同様である。たとえば、図5のS101,S102,およびS104のステップは、図2のS1,S2,およびS3のステップと全く同様である。
図5では、さらに、S103において、第3追跡ロボット103は、第3追跡ロボット103に対する目標物100の第3方向単位ベクトルP3(p3,q3,r3)を図8に示すCCD1001および演算部1015を用いて取得するとともに、自己の第3位置ベクトルX3(x3,y3,z3)を図8に示すGPS用受信器1002および演算部1015を用いて取得する。
S104において、第2追跡ロボット102は、図8に示す、羽ばたき制御部1005、通信制御部1009、およびアンテナ部1010を介して、第1追跡ロボット101に対して、第2方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)を示すデータおよび第2位置ベクトルX2(x2,y2,z2)を示すデータを送信する。
S105において、第3追跡ロボット103は、図8に示す、羽ばたき制御部1005、通信制御部1009、およびアンテナ部1010を介して、第1追跡ロボット101に対して、第3方向単位ベクトルP3(p3,q3,r3)を示すデータおよび第3位置ベクトルX3(x3,y3,z3)を示すデータを送信する。
図5のS106において、第1追跡ロボット101は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、第1方向単位ベクトルP2(p2,q2,r2)を示すデータおよび第1位置ベクトルX2(x2,y2,z2)、ならびに、第3方向単位ベクトルP3(p3,q3,r3)を示すデータおよび第3位置ベクトルX3(x3,y3,z3)を受信する。
ただし、本実施例では、図3を用いて説明した2台の追跡ロボットの方向単位ベクトル同士がなす角度ψは、第1〜第3追跡ロボット101,102,103のうちのいずれか2台の追跡ロボットの方向単位ベクトル同士がなす角度であるため、3種類存在する。図5のS107では、3種類の角度ψのそれぞれを実施の形態2の図3のS15の手法と同様の手法により算出する。
つまり、本実施の形態では、S107において、第1追跡ロボット101に対する目標物100の方向を示す第1方向単位ベクトルと第2追跡ロボット102に対する目標物100の方向を示す第2方向単位ベクトルとがなす角度ψ12、第2追跡ロボット102に対する目標物100の方向を示す第2方向単位ベクトルと第3追跡ロボットに対する目標物100の方向を示す第3方向単位ベクトルとがなす角度ψ23、第3追跡ロボット103に対する目標物100の方向を示す第3方向単位ベクトルと第1追跡ロボット101に対する目標物100の方向を示す第1方向単位ベクトルとがなす角度ψ31の3種類のψが算出される。
次に、S108において、3種類の角度ψ12,ψ23,ψ31のうちで最大値となる角度を構成する2台の追跡ロボットのそれぞれの位置ベクトルおよび方向単位ベクトルを用いて、実施の形態1の図2のS5で説明した手法と同様の手法により、目標物100の位置ベクトルが算出される。
図5のS109において、第1追跡ロボット101は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、目標物100の位置ベクトルX0(p0,q0,r0)のデータを第2追跡ロボット102に対して送信し、S110において、第2追跡ロボット102は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、目標物100の位置ベクトルX0(p0,p0,p0)のデータを受信する。
また、図5のS109において、第1追跡ロボット101は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、目標物100の位置ベクトルX0(p0,p0,p0)のデータを第3追跡ロボット103に対して送信し、第3追跡ロボット103は、図8に示す通信制御部1009およびアンテナ部1010を用いて、S111において、目標物100の位置ベクトルX0(p0,q0,r0)のデータを受信する。
このように、本実施の形態の追跡ロボットシステムによれば、3台以上の追跡ロボットの中から、方向単位ベクトル同士のなす角度が最大値となる2台の追跡ロボットの位置ベクトルおよび方向単位ベクトルの組み合わせを用いることによって、目標物がいかなる位置に存在しても、常に高い精度で、目標物の位置ベクトルを決定することができる。
たとえば、図1に示すように、2台で追跡する場合では、目標物100がその進行経路を104のように急激に変更した場合、ψが急激に小さくなってしまう場合がある。最悪の場合には、第1追跡ロボット101と第2追跡ロボット102とが一直線上に並んでしまうことがある。
しかしながら、図4(a)に示すように、3台の追跡ロボット相互の距離を常にほぼ一定値dに維持することができれば、すなわち、第1〜第3追跡ロボット101〜103全体で一辺の距離がdの正三角形の編隊を維持することができれば、個々の追跡ロボットに対する目標物100の方位角の測定精度のみならず目標物100の位置ベクトルの算出精度を容易に高い水準に維持することができる。
なぜなら、第1〜第3追跡ロボット101〜103のそれぞれから目標物100までの3つの距離のうち最大値をLmax.とし、かつ、3種類の角度ψ12,ψ23,ψ31のうちの最大値をψmax.とした場合において、ψmax.が最も小さくなる状態の目標物100と第1〜第3追跡ロボット101〜103との位置関係は、図4(b)のようなものであるためである。
この状態では、
tan(ψmax.)>(d・cos30°)/〔Lmax.−(d/2)〕
=(√3)η/(2−η)
の関係が成立する。ここで、η=d/Lmax.であるとする。
すなわち、Lmax.があまり大きくならない範囲では、追跡ロボット同士の間の距離dの値を一定に維持することによって、ηが所定値を超えず、かつ、ψmax.が特定値より小さくならないようにすることができる。
例えば、CCDやセンサの精度δが0.5°であったとすると、実施の形態1において述べた余裕度J=2として、ψmax.>2Jδ=4°としたい場合には、前述の式を用いて、η<1/25が導き出される。すなわち、第1〜第3追跡ロボット101〜103のそれぞれから目標物100まで3つの距離のうちの最大値Lmax.を2.5m以下に維持しながら、第1〜第3追跡ロボット101〜103が目標物100を追跡することができるなら、d=10cmを保持していれば、目標物100がその運動の向きをどちらに変えても、方位角の測定精度のみならず位置ベクトルの算出精度を高い水準に維持することができる。
前述のことは、目標物100が、3台の追跡ロボットの作る正三角形を含む平面(図4の紙面)からはずれた位置に存在する場合にも成立するため、第1〜第3追跡ロボット101〜103は、目標物100の位置に関わらず、互いの間の距離を一定に維持しさえすればよい。したがって、第1〜第3追跡ロボット101〜103は、次に述べる比較的簡単な制御で目標物100を追跡することができるため、第1〜第3追跡ロボット101〜103と目標物100とが所定の平面内に配置されるように、例えば、第1〜第3追跡ロボット101〜103によって形成される平面内に目標物100が位置するように、第1〜第3追跡ロボット101〜103の配置が設定される必要はない。
なお、本実施の形態においては、3台の追跡ロボットを用いて目標物を追跡する追跡ロボットシステムが説明されたが、3台よりも多い台数の追跡ロボットを用いる場合には、複数の追跡ロボットのうちいずれか3台の追跡ロボットにおいて図5に示すような手法が行われればよく、他の追跡ロボットは、冗長な追跡ロボットである。
また、本実施の形態では、第1〜第3追跡ロボット101〜103のそれぞれが正三角形の頂点に位置する例が示されているが、本発明としては、三角測量をCCDおよびセンサの精度の範囲内で実行できる三角形であれば、第1〜第3追跡ロボット101〜103のそれぞれがいかなる三角形の頂点に位置しながら目標物を追跡する追跡ロボットシステムであってもよい。
(実施の形態4)
次に、図6を用いて、本発明の実施の形態4の追跡ロボットシステムを説明する。本実施の形態の追跡ロボットシステムは、実施の形態1〜3のそれぞれにおいて用いられている手法の全てを実施できるものとする。
本実施の形態においては、実施の形態3で説明された第1〜第3追跡ロボット101〜103が、互いの距離をほぼ一定に維持しながら追跡行動する手法が、図6に示すフローチャートを用いて説明される。
図6に示すように、S201,S202,S203,S205,S206およびS207に示すステップは、図5のS101,S102,S103,S104,S105,S106に示すステップとほぼ同様である。ただし、S201において、第1追跡ロボット101は、速度センサにより自己の移動速度の大きさvを測定し、記憶装置に記憶するステップを実行している。
本実施の形態の追跡ロボットシステムでは、S204において、第1追跡ロボット101は、自己の第1位置ベクトルX1(x1,y1,z1)を示すデータ、自己に対する目標物の第1方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)を示すデータ、および、自己の移動速度の大きさvを示すデータを第2および第3追跡ロボット102および103のそれぞれに送信する。
また、第2追跡ロボット102は、S208において、第1追跡ロボット101から送信されてきた、第1位置ベクトルX1(x1,y1,z1)を示すデータ、第1方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)を示すデータ、および、移動速度の大きさvを示すデータを受信するとともに、第3追跡ロボット103から送信されてきた第3位置ベクトルX3(x3,y3,z3)を示すデータを受信する。
また、第3追跡ロボット103は、S209において、第1追跡ロボット101から送信されてきた、第1位置ベクトルX1(x1,y1,z1)を示すデータ、第1方向単位ベクトルP1(p1,q1,r1)を示すデータ、および、移動速度の大きさvを示すデータを受信するとともに、第2追跡ロボット102から送信されてきた第2位置ベクトルX2(x2,y2,z2)を示すデータを受信する。
次に、S210において、第1追跡ロボット101は、羽ばたき制御部1005にて、自己を基準としたときの第2追跡ロボット102の位置ベクトルX21を第2位置ベクトルX2と第1位置ベクトルX1との差を算出することによって決定するとともに、自己を基準としたときの第3追跡ロボット103の位置ベクトルX31を第3位置ベクトルX3と第1位置ベクトルX1との差を算出することによって決定する。
また、S211において、第2追跡ロボット102は、羽ばたき制御部1005にて、自己を基準としたときの第1追跡ロボット101の位置ベクトルX12を第1位置ベクトルX1と第2位置ベクトルX2との差を算出することによって決定するとともに、自己を基準としたときの第3追跡ロボット103の位置ベクトルX32を第3位置ベクトルX3と第2位置ベクトルX2との差を算出することによって決定する。
また、S212において、第3追跡ロボット103は、羽ばたき制御部1005にて、自己を基準としたときの第1追跡ロボット101の位置ベクトルX13を第1位置ベクトルX1と第3位置ベクトルX3との差を算出することによって決定するとともに、自己を基準としたときの第2追跡ロボット102の位置ベクトルX23を第2位置ベクトルX2と第3位置ベクトルX3との差を算出することによって決定する。
次に、S213において、第1追跡ロボット101は、羽ばたき制御部1005にて、速度補正ベクトルQ1=[(1−d/|X21|)・X21+[(1−d/|X31|)・X31]を算出する。また、S214において、第2追跡ロボット102は、羽ばたき制御部1005にて、速度補正ベクトルQ2=[(1−d/|X12|)・X12+[(1−d/|X32|)・X32]を算出する。また、S215において、第3追跡ロボット103は、羽ばたき制御部1005にて、速度補正ベクトルQ3=[(1−d/|X13|)・X13+[(1−d/|X23|)・X23]を算出する。
次に、S216において、第1追跡ロボット101は、移動速度を変更した後の自己の速度ベクトルVV1=v・P1+u・Q1を算出する。また、S217において、第2追跡ロボット102は、移動速度を変更した後の自己の速度ベクトルVV2=v・P2+u・Q2を算出する。また、S218において、第3追跡ロボット103は、移動速度を変更した後の自己の速度ベクトルVV3=v・P3+u・Q3を算出する。
本実施の形態では、3台の追跡ロボットは、編隊飛行の状態を維持するため、v・P1の速度ベクトルで、平行移動することによって、目標物100を追跡するとともに、u・Qi(i=1,2,3)の値を用いて、第1〜第3追跡ロボット101〜103の相互の位置関係(本実施例では正三角形の位置関係)を調整し、互いの距離をdに維持する。係数uは、速度変更後の速度ベクトルVVi(i=1,2,3)の絶対値|VVi|が、追跡ロボットの実現可能な最大速度を超えないように調節するための係数である。ここでは、係数uは、演算によって算出された速度変更後の追跡ロボットの速度の大きさが、追跡ロボットが実現できる最大速度を超えないようにするためのものであり、係数uには、簡単のため、3台の追跡ロボットに共通の値が用いられているが、3台の追跡ロボットのそれぞれに異なる値が用いられてもよい。
なお、図6のフローチャートでは、3台の追跡ロボットを用いて目標物を追跡する追跡ロボットシステムの例が示されたが、2台の追跡ロボットを用いて目標物を追跡する追跡ロボットシステムであれば、第1追跡ロボット101および第2追跡ロボット102のそれぞれは、X31およびX32のそれぞれが(0,0,0)であるものとして、互いの距離dを一定に維持するための速度ベクトルVV1およびVV2の算出を行えばよい。したがって、図6を用いて説明した手法は、2台の追跡ロボット同士の間の距離を一定に維持する場合にも用いることが可能である。
なお、上記した実施の形態1〜4のそれぞれにおいては、追跡ロボット同士が通信することによって、2点の位置のそれぞれからの目標物の方向を示す方向単位ベクトルのデータおよびその2点の位置の位置ベクトルのデータからなる4つのデータが取得される例が示されている。しかしながら、移動可能な追跡ロボットと位置が固定されている外部装置との間で通信することによって、前述の4つのデータが取得されてもよい。
また、実施の形態1〜4のそれぞれにおいては、前述の4つのデータが複数の追跡ロボットのうちの1台の追跡ロボットに集められ、その追跡ロボットにおいて目標物の位置を特定する演算が行われる例が示されている。しかしながら、位置が固定されている外部装置に前述の4つのデータが集められ、その外部装置において目標物の位置が特定される追跡ロボットシステムであっても、本発明の目的を達成することは可能である。
さらに、実施の形態1〜4のそれぞれにおいては、追跡ロボット同士の間の距離が適切かどうかの判別を、目標物の位置を特定する演算を行った追跡ロボットが行っているが、その判別は、前述の外部装置において行われてもよいとともに、目標物の位置を特定する演算を行なった追跡ロボット以外の追跡ロボットにおいて行われてもよい。
(羽ばたき装置の構成)
図7(a)および図7(b)を用いて、上述の実施の形態1〜4のそれぞれにおいて用いられる追跡ロボットとしての羽ばたき装置を説明する。図7(a)および図7(b)に示す羽ばたき装置の駆動部には、1自由度の往復運動が可能な振動型アクチュエータが用いられている。
図7(a)では、羽ばたき装置の前方正面部分が示され、図7(b)では、羽ばたき装置の前方正面に向かって左側面部分が示されている。
なお、図7(a)および図7(b)では、羽ばたき装置の前方正面に向かって左羽しか示されていないが、実際には、胴体部705の中心軸709を挟んで左右対称に右羽も形成されている。また、説明を簡単にするため、胴体部705が延びる方向に沿った軸(胴体軸708)は水平面内にあり、重心を通る中心軸709は、鉛直方向に保たれているとする。
図7(a)および図7(b)に示すように、羽ばたき装置の胴体部705には、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704と、それらの間に張られた羽部(ここでは図を見易くするために、羽軸間の膜部706のみを示す)とを有する羽(左羽)が取り付けられている。
また、胴体部705には、第1の羽軸部703を駆動するための振動型アクチュエータ701と、第2の羽軸部704を駆動するための振動型アクチュエータ702とが搭載されている。このようなアクチュエータ701および702の配置、ならびに、第1の羽軸部703、第2の羽軸部704、および両羽軸間の膜部706を含む羽全体(ここでは図示されていない)の形状は、飛行の性能が損なわれないならば、図7に示されるものに限られない。
さらに、この羽ばたき装置の場合、羽の断面形状を鉛直上方に凸となるようにしておけば、水平方向へ飛行するときに、抗力だけでなく、揚力も発生し、より大きな浮上力が得られることになる。
また、この羽ばたき装置の重心の位置は、羽ばたき装置の安定性を重視する場合には、羽が周囲の流体により受ける力がアクチュエータに作用するアクチュエータの回転中心点の位置よりも下方に存在するように設定されていことが望ましい。一方、羽ばたき装置がその姿勢を容易に変更することができるということを重視する場合には、重心の高さと前述のアクチュエータの回転中心点の高さとを略一致させておくことが望ましい。この場合には、羽ばたき装置の姿勢を制御するために必要とされる、左の羽が流体から受ける力と右の羽が流体から受ける力との差が小さくてもよいため、羽ばたき装置の姿勢の変更を容易に行うことができる。
2つの振動型アクチュエータ701および702は、互いに振動軸700(振動型アクチュエータの振動の固定点、すなわち回転中心点を通る軸)を共有している。この振動軸700と胴体軸708とは、所定の角度(90°−θ)をなしている。第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれは、振動型アクチュエータ701および702のそれぞれの回転中心軸を支点として振動軸700と直交する平面内を往復運動する。この振動軸700と直交する平面と胴体軸708とのなす角度が仰角θとなる。
胴体部705としては、機械的強度を確保するととも、十分な軽量化を図るために、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを円筒状に成形したものが用いられることが望ましいが、胴体部705の材料および形状は、前述のような材料および形状に限定されるものではない。
さて、図7(a)および図7(b)に示された羽ばたき装置では、振動型アクチュエータ701には羽軸部703が取り付けられ、振動型アクチュエータ702には羽軸部704が取り付けられている。
第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との間には、膜部706が張られている。膜部706は、その面内において収縮する方向に自発的な張力を有しており、その張力は、羽全体の剛性を高める働きをしている。
軽量化のため、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれは、中空構造であり、カーボングラファイトを用いて形成されている。このため、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれには弾力性を有しており、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれは、膜部706の面内に生じている張力に応じて変形する。
図8は、本羽ばたき装置の全体の構造を示す図である。なお、前方方向(紙面に向かって上方向)に向かって左側の羽は省略されている。
胴体部705には、加速度センサ1003、角加速度センサ1004、CCD1001、およびGPS1002が設けられている。これらのセンサによる検出結果は、演算部1015で処理された後、羽ばたき制御部1005に送られる。演算部1015では、羽ばたき装置の浮上状態および姿勢などの情報が処理されるとともに、目標物を追跡するための速度ベクトル、または、追跡ロボット相互の位置関係を調節するための速度ベクトルが計算される。羽ばたき制御部1005では、算出された速度ベクトルに基づいて、左右のアクチュエータ1006および重心制御部1007の駆動制御が決定される。
なお、ここでは、本羽ばたき装置の浮上状態および姿勢などを検出する手段として、加速度センサ1003および角加速度センサ1004を用いたが、本羽ばたき装置の浮上状態および姿勢が計測可能なセンサであれば、羽ばたき装置に用いられるセンサは、前述のセンサに限定されない。
たとえば、直交する3軸のそれぞれの方向の加速度を測定可能な加速度センサ2つをそれぞれ胴体部705の異なる位置に配置し、その2つの加速度センサにより得られる2つの加速度情報を用いても、本実施の形態の羽ばたき装置の姿勢を特定することは可能である。また、本実施の形態の羽ばたき装置が移動する空間内に磁場分布を設けておき、磁気センサによって、この磁場分布を検知することで、本実施の形態の羽ばたき装置の位置および姿勢を特定することも可能である。
また、図8においては、加速度センサ1003および角加速度センサ1004のようなセンサ類は、演算部1015および羽ばたき制御部1005とは別部品として示されている。しかしながら、羽ばたき装置の重量の軽減を図るということを考慮すれば、たとえば、マイクロマシニング技術により、加速度センサ1003および角加速度センサ1004は一体的に同一基板上に形成されていてもよい。
また、本羽ばたき装置では、羽を駆動するために、オープンループ制御が用いられているが、羽の付け根に羽の角度センサが設けられ、この角度センサによって得られる角度情報を用いて、クローズドループ制御が行われてもよい。
なお、浮上する空間における流体の流れが既知であり、予め定められた羽ばたき方によって浮上することが可能であるならば、ここに挙げたセンサ類は必須のものではない。
羽ばたき制御部1005は、メモリ部1008にアクセス可能に接続されており、羽ばたき制御に必要な既存のデータをメモリ部1008から読み出すことができる。また、羽ばたき制御部1005は、各センサによって得られた情報をメモリ部1008に送信し、必要に応じて、メモリ部1008の情報を書き換えることが可能であり、それにより、羽ばたき装置に学習機能を持たせることができる。
なお、各センサによって得られた情報をメモリ部1008に蓄積するだけであれば、羽ばたき制御部1005を介さずに、メモリ部1008とセンサのそれぞれとが、直接接続されていてもよい。また、羽ばたき制御部1005は、通信制御部1009に電気的に接続されており、羽ばたき制御部105と通信制御部1009との間でデータの入出力が行われる。通信制御部1009は、アンテナ部1010を介して、外部の装置(他の羽ばたき装置またはベースステーションなど)とデータの送受信を行う。
このような通信機能により、羽ばたき装置が取得してメモリ部1008に蓄えられたデータを速やかに外部の装置に転送することができる。また、羽ばたき装置では、入手できない情報を外部の装置から受け取り、そのような情報をメモリ部1008に蓄積する。それにより、羽ばたき装置は、このような外部から送信されてきた情報を羽ばたき飛行の制御に利用することができる。たとえば、羽ばたき装置は、メモリ部1008に大きなマップ情報の全てを記憶させておかなくても、随時、必要な範囲のマップ情報をベースステーションなどから入手することなどが可能となる。
なお、図8では、アンテナ部1010は、胴体部705の端から突き出た棒状のものとして示されているが、アンテナは、アンテナとしての機能を有するものであれば、その形状および配置などは、図8に示すものに限定されない。たとえば、羽部714の羽縁部が利用され、羽縁上にループ状のアンテナが形成されていてもよい。また、胴体部705にアンテナを内蔵した形態の羽ばたき装置であっても、または、アンテナ部1010と通信制御部1009とを一体化させた形態の羽ばたき装置であってもよい。
加速度センサ1003、角加速度センサ1004、CCD1001、GPS1002、演算部1015、羽ばたき制御部1005、左右のアクチュエータ701,702、重心制御部1007、メモリ部1008、通信制御部1009、およびアンテナ部1010などは、電源部1011により供給される電流によって駆動される。
ここでは、駆動エネルギーとして電力を用いたが、駆動エネルギーとして燃料を用いてもよく、その場合には、振動型アクチュエータの代わりに内燃機関が用いられる。また、昆虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応を利用したアクチュエータを用いることも可能である。また、駆動エネルギーを羽ばたき装置の内部に有する手法ではなく、アクチュエータの駆動エネルギーを外部から取得する手法が用いられてもよい。たとえば、外部の駆動エネルギーを利用して電力を得るための手段として、熱電素子または電磁波などが用いられてもよい。
(浮上方法)
説明の簡便のため、本羽ばたき装置に作用する外力は、羽が流体から受ける流体力および羽ばたき装置に作用する重力(羽ばたき装置の質量と重力加速度との積)のみであるとする。本羽ばたき装置が恒常的に浮上するためには、1回の羽ばたき動作の間の時間平均において、次の関係、
(羽に作用する鉛直上方向の流体力)>(本羽ばたき装置に作用する重力)
を満たすことが必要とされる。1回の羽ばたき動作とは、羽を打ち下ろし動作とその直後の羽を打ち上げる動作とからなる動作を言う。
さらに、鉛直上向きの流体力を羽ばたき装置に作用する重力より大きくして、羽ばたき装置を上昇させるためには、
(打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力)
>(打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力)
となる必要がある。
ここでは、昆虫の羽ばたき方を単純化した羽ばたき方法により、打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力(以下、「打ち下ろし時の流体力」と言う。)を、打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力(以下、「打ち上げ時の流体力」と言う。)より大きくする方法について説明する。
説明の簡便のため、流体の挙動および流体が羽に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説明する。また、前述の羽ばたき方法により得られた浮上力と、本羽ばたき装置に作用する重力(以下「重量」と記す。)との大小関係については後述する。
打ち下ろし時の流体力を、打ち上げ時の流体力よりも大きくするためには、打ち下ろし時に羽部714が移動する空間の体積が最大になるように、羽部714を打ち下ろせばよい。そのためには、羽部714を水平面と略平行に打ち下ろせばよく、これにより、羽部714に及ぼされる流体力はほぼ最大となる。
反対に、打ち上げ時には、羽部714が移動する空間の体積が最小になるように羽部714を打ち上げればよい。そのためには、羽部714を水平面に対して略直角に近い角度で打ち上げればよく、これにより、羽部714に及ぼされる流体力はほぼ最小となる。
そこで、振動型アクチュエータ701および702のそれぞれが駆動することによって、振動軸700の周りに両羽軸部703および704のそれぞれが往復運動する際に、羽軸部703および704のそれぞれが、水平面と略一致する位置を中心として上方と下方とにそれぞれ羽ばたき角γの回転角だけ、往復運動するものとする。さらに、図9の第1の羽軸部703の角度801および第2の羽軸部704の角度802に示すように、第1の羽軸部703の往復運動の位相に対して、第2の羽軸部704の往復運動の位相をφだけ遅れさせる。
これにより、図10(ここではφ=20°として描いた)に示す一連の羽の往復運動のうち、τ=0°〜180°の打ち下ろし時においては、より高い位置にある振動型アクチュエータ701の第1の羽軸部703が先に打ち下ろされるため、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704の先端と羽軸間の膜部706(従って、図示されていないがその延長上にある羽部714)とが、水平に近づく。
一方、τ=180°〜315°の打ち上げ時においては、第1の羽軸部703の先端と第2の羽軸部704の先端との高さの差が拡大されて、両羽軸間の膜部706が延びる方向が鉛直方向に近づく。その結果、第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との間に張られた羽軸間の膜部706の延長上にある羽部714が流体を押し下げまたは押し上げる量に差異が生じる。それにより、本実施の形態の羽ばたき装置の場合には、打ち下ろし時の流体力の方が、打ち上げ時の流体力よりも大きくなって浮上力が得られることになる。
この浮上力のベクトルは、位相差φを変化させることにより、前方または後方に傾く。浮上力のベクトルが、前方に傾けば推進運動、後方に傾けば後退運動、真上に向けば、停空飛翔(ホバリング)状態となる。なお、実際の羽ばたき飛行では、位相差φ以外にも、羽ばたき周波数fまたは羽ばたき角γを制御することによって、前進、後退、およびホバリングの制御を行うことが可能である。また、この羽ばたき装置では、羽ばたき仰角θを固定しているが、この羽ばたき装置に仰角θを変化させる機構をさらに追加すれば、羽ばたき方の制御の自由度を増加させることができる。
(羽ばたき制御)
実際の羽ばたき制御について、さらに詳細に説明する。上述した羽ばたき装置では、打ち下ろし動作または打ち上げ動作の際に、羽の先端部がなす捻り角α(図10参照)は、羽の長さをl、羽の幅をw、羽ばたき角をγ、羽ばたき運動の位相をτ(最も打ち上げた瞬間を0°、最も打ち下ろした瞬間を180°とする)、第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との位相差をφとすれば(図9を参照)、次の式で表わされる。
α=(l/w)・{sin[γ・cosτ]−sin[γ・cos(τ+φ)]}
実際には、前羽軸(第1の羽軸部703)および後羽軸(第2の羽軸部704)のいずれも弾性変形するため、捻り角αは、多少違った値を取る。また、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれは、根元ほど、捻り角αが小さい。しかしながら、以下の議論では簡便のため、上の式のαを用いて説明する。
捻りを加えていない羽に作用する流体力の鉛直方向成分Fは、流体の密度をρ、羽ばたき角をγ、羽ばたき周波数をfとすれば、
F=(4/3)・π2・ρ・w・γ2・f2・3・sin2τ・cos[γ・cosτ]
となる。
なお、羽に作用する流体力の水平方向成分は、左右の羽が同じ運動をすれば、互いに打ち消し合うことになる。
羽が捻り角αを有すると、上記の鉛直方向成分Fの羽ばたき運動平面に垂直な成分Lおよび水平な成分Dはそれぞれ次のようになる。
L=F・cosα・sinα
D=F・cos2α
さらに、羽ばたき仰角θを考慮すると、重量と釣り合うべき鉛直方向の成分Aおよび前後運動の推進力となる水平方向成分Jは、打ち下ろし時では、
A↓=−L・cosθ+D・sinθ
J↓=−L・sinθ−D・cosθ
打ち上げ時では、
A↑=L・cosθ−D・sinθ
J↑=L・sinθ+D・cosθ
となる。
実際の浮上力および推進力のそれぞれは、羽ばたき運動の1周期の期間において上述の式を積分したものとなる。
以上より、この飛行制御の一例として、羽ばたき装置の羽の長さl=4cm、羽の幅w=1cm、羽ばたき仰角θ=30°、羽ばたき角γ=60°、羽ばたき周波数f=50Hz、打ち下ろし時の位相差φ↓=4°、打ち上げ時の位相差φ↑=16°とした場合における鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの変化と各角度の変化との関係を、図11に示す。
横軸は羽ばたき運動の1周期分(360°)が、位相τを用いて表わされている。横軸の位相は、前半(0°〜180°)が打ち下ろしを示し、後半(180°〜360°)が打ち上げを示している。各グラフの曲線は、前羽軸の羽ばたき角γf、後羽軸の羽ばたき角γb、水平面からの羽の捻り角(θ−α)、流体力の鉛直方向成分A、および水平方向成分Jの時間変化をそれぞれ示している。
この例では、単位時間当たりの流体力の鉛直方向成分Aにおいては、打ち下ろし時の方が、打ち上げ時より大きいため、羽ばたき運動の1周期の平均で、約500dynの鉛直上向きの流体力が1枚の羽で得られる。従って、2枚の羽では、羽ばたき装置の重量が約1g以下であれば、浮上することができることになる。また、単位時間当たりの流体力の水平方向成分Jは、1周期の間にほぼ打ち消されるため、重量1g程度の羽ばたき装置であれば、ホバリング可能となる。
本実施の形態の羽ばたき装置によれば、打ち下ろし時の位相差φ↓を大きくし、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を小さくすれば、前進することができる。この時、水平に前進させるためには、周波数fを少し小さくすることが望ましい。逆に、打ち下ろし時の位相差φ↓を小さくし、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を大きくすれば、後退することができる。この時、水平に後退させるには、周波数fを少し大きくすることが望ましい。
この羽ばたき装置では、例えば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま、打ち下ろし時の位相差φ↓を7°のように大きくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま、打ち上げ時の位相差φ↑を11°のように小さくし、羽ばたき周波数f=48Hzに下げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で、水平に前進することができる。
また、例えば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま、打ち下ろし時の位相差φ↓を1°のように小さくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま、打ち上げ時の位相差φ↑を24°のように大きくし、羽ばたき周波数f=54Hzに上げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で、水平に後退することができる。
ホバリング状態のまま、羽ばたき装置を上昇または下降させるためには、周波数fを上げるか、または、下げるか、すればよい。
水平飛行中でも、上昇および下降については、主に周波数fによって制御が可能である。周波数fを上げることで羽ばたき装置は上昇し、周波数fを下げることで羽ばたき装置は下降する。
この例では、打ち上げ動作中、もしくは、打ち下ろし動作中にも、羽の捻り角αをゆっくり変化させているが、これは、アクチュエータへの負荷を減らすためである。浮上力を得るための羽ばたき運動としては、打ち上げ動作中や打ち下ろし動作中は羽の捻り角αを一定の値に設定して、打ち下ろし動作から打ち上げ動作、もしくは、打ち上げ動作から打ち下ろし動作への変化点において、捻り角αを急激に変化させるようにしてもよい。
羽ばたき仰角θ=0°とした場合の鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの時間変化を各角度の時間変化とともに図12に示す。この場合は、ハチドリのホバリングにヒントを得た羽ばたき運動である。なお、左右方向へ旋回するための舵取りは、左右の羽の羽ばたき運動を別々に制御できる場合、左の羽の羽ばたき運動によって生じる推進力と右の羽の羽ばたき運動によって生じる推進力とに差を持たせればよい。例えば、前方へ飛行中に、右方向へ旋回するためには、右羽の羽ばたき角γを左羽よりも小さくするか、もしくは、右羽の前羽軸と後羽軸の位相差を左羽よりも大きくするか、または、羽ばたき仰角θが制御できるような場合には、右羽のθを左羽よりも小さくするといった制御を行う。これにより、右羽の推進力が左羽の推進力に比べて相対的に小さくなり、右に旋回することができる。羽ばたき装置を左へ旋回させる場合には、前述の制御と左右逆の制御を行えばよい。
さらに、図8に示された重心制御部1007を用いて、羽ばたき装置の重心を左または右にずらすことで左または右への旋回を行ってもよい。
例えば、重心を羽ばたき装置の中心軸より右側にずらして、右羽を下方へ傾け、かつ、左羽を上方へ傾けるとともに左および右の羽の周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を右へ旋回させることができる。また、重心を羽ばたき装置の中心軸より左側へずらすとともに左および右の羽の周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を左に旋回させることができる。ただし、いずれの場合でも、姿勢の安定を保つために、左の羽の羽ばたきの周波数fと右の羽の羽ばたき周波数fとを同じ値に設定しておくことが望ましい。
以上の説明では、第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれの往復運動する2つの平面のそれぞれが、振動軸700と直交する場合について述べた。したがって、この場合は、これら2つの平面が、互いに平行な関係となる。しかしながら、図8に示したように、羽軸部703が往復運動する平面と羽軸部704が往復運動する平面とが所定の角度を有するように交差する羽ばたき装置であってもよい。このようにすることによって、第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれの弾性力および羽部714の張力を用いて、打ち上げ運動から打ち下ろし運動、または、打ち下ろし運動から打ち上げ運動に移る際の、羽の捻り角αの正値から負値、または、負値から正値への変化を高速化できる。
また、図13に示すように、第1の羽軸部703が延びる方向と第2の羽軸部704が延びる方向とが、互いに平行な位置から角度εだけ外側を向いている場合、羽軸部の付け根703aと羽軸部の付け根704aと間の幅をw、羽軸部の長さをlとして、
sinε>[(w2+8・l21/2−w]/4・l
を満たすεであれば、羽の捻り角α=0°(γf=γb) における羽軸部の先端703bと羽軸部の先端704bとの間の距離Woが最大となる。このとき、羽軸部の弾性力および膜部の張力も最大となるため、捻り角αの変化を高速化することができる。また、|α|>0の状態の方が羽ばたき装置が安定する。
なお、上式を満たすεは、羽のアスペクト比Ap(l/w)=1の時、ε>30°、Ap=4の時、ε>17.2°、Ap=10の時、ε>11.5°である。
さらに、第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれが、それぞれが延びる方向の軸の周りに回転できれば、第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との位置関係が変化しても、常に、第1および第2の羽軸部703および704に固定されている部分同士を互いに略向かい合わせにすることが可能となる。そのため、アクチュエータ1006にかかる負荷が軽減されるため、高い効率で羽ばたき装置を制御することが可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1および2の追跡ロボットシステムの構成を示す図である。 実施の形態1の追跡ロボットシステムが、目標物の位置を検出するときの制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2の追跡ロボットシステムにおいて、2つの追跡ロボットおよび目標物が一直線上に並ばないように速度ベクトルを変更するときの制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3および4の追跡ロボットシステムの構成を示す図である。 実施の形態3の追跡ロボットシステムが、目標物の位置を検出するときの制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態4の追跡ロボットシステムが、3つの追跡ロボットが一直線上に並ばないように速度ベクトルを変更するときの制御を説明するためのフローチャートである。 追跡ロボットの一例の羽ばたき装置の駆動部の構造を示す図である。 追跡ロボットの一例の羽ばたき装置の全体の構成を示す図である。 図7に示す羽ばたき装置の駆動部において、第1の羽軸部の往復運動と第2の羽軸部の往復運動とが、位相差を有することを説明するための図である。 図7および図8に示す羽ばたき装置の飛行態様の一例を示す図である。 図7および図8に示す羽ばたき装置に所定の羽ばたき方をさせたときの浮上力および推進力を示す図である。 図7および図8に示す羽ばたき装置に他の所定の羽ばたき方をさせたときの浮上力および推進力を示す図である。 図7に示す羽ばたき装置において、第1の羽軸部が延びる方向と第2の羽軸部が延びる方向とが、互いに平行な位置から角度εずつ外側に向けられたときの2本の羽軸部の状態を示す図である。
符号の説明
100 目標物、101 第1追跡ロボット、102 第2追跡ロボット、103 第3追跡ロボット、104 目標物の飛行経路の一例、700 振動軸、701,702 振動型アクチュエータ、703 第1の羽軸部、704 第2の羽軸部、705 胴体部、706 羽軸間の膜部、707 羽の先端部、708 胴体軸、709 中心軸、801 第1の羽軸部の角度、802 第2の羽軸部の角度、1001 CCD、1002 GPS、1003 加速度センサ、1004 角加速度センサ、1005 羽ばたき制御部、1006 アクチュエータ、1007 重心制御部、1008 メモリ部、1009 通信制御部、1010 アンテナ部、1011 電源部、714 羽部、1015 演算部。

Claims (17)

  1. 目標物を追跡するための第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとを備えた追跡ロボットシステムであって、
    前記第1追跡ロボットおよび前記第2追跡ロボットのそれぞれは、
    自己の運動によって外部から受ける力の反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、
    前記移動部を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部とを含み、
    前記第1追跡ロボットは、
    所定の基準点に対する当該第1追跡ロボットの位置を示す第1位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第1受信部と、
    当該第1追跡ロボットの位置に対する前記目標物の位置の方向を示す第1方向単位ベクトルを特定し得る態様で、前記目標物を検出する第1センサとを含み、
    前記第2追跡ロボットは、
    前記所定の基準点に対する当該第2追跡ロボットの位置を示す第2位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第2受信部と、
    当該第2追跡ロボットの位置に対する前記目標物の位置の方向を示す第2方向単位ベクトルを特定し得る態様で、前記目標物を検出する第2センサとを含む、追跡ロボットシステム。
  2. 前記第1追跡ロボットは、
    前記第2追跡ロボットから送信された、前記第2位置ベクトルを示すデータおよび前記第2方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部と、
    前記第1位置ベクトルを示すデータ、前記第2位置ベクトルを示すデータ、前記第1方向単位ベクトルを示すデータ、および前記第2方向単位ベクトルを示すデータを用いて、前記所定の基準点に対する前記目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とを備えた、請求項1に記載の追跡ロボットシステム。
  3. 前記追跡ロボットシステムは、さらに、外部装置を備え、
    該外部装置は、
    前記第1追跡ロボットから送信されてきた、前記第1位置ベクトルを示すデータおよび前記第1方向単位ベクトルを示すデータを受信するとともに、前記第2追跡ロボットから送信されてきた、前記第2位置ベクトルを示すデータおよび前記第2方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部と、
    前記第1位置ベクトルを示すデータ、前記第2位置ベクトルを示すデータ、前記第1方向単位ベクトルを示すデータ、および前記第2方向単位ベクトルを示すデータを用いて、前記所定の基準点に対する前記目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とを備えた、請求項1に記載の追跡ロボットシステム。
  4. 前記演算部は、
    前記第1方向単位ベクトルと前記第2方向単位ベクトルとがなす角度を算出する角度算出部と、
    前記第1センサおよび前記第2センサの測定精度の範囲内において、前記角度が算出され得るように、前記第1追跡ロボットおよび前記第2追跡ロボットのうち少なくともいずれか一方の移動に関する物理量を算出する物理量算出部とを有する、請求項2または3に記載の追跡ロボットシステム。
  5. 前記第1追跡ロボットおよび前記第2追跡ロボットの制御部は、前記第1追跡ロボット、前記第2追跡ロボット、および前記目標物のそれぞれが三角形の頂点に位置するように、前記駆動部を駆動する、請求項1に記載の追跡ロボットシステム。
  6. 目標物を追跡するための第1追跡ロボットと第2追跡ロボットとを備えた追跡ロボットシステムであって、
    前記第1追跡ロボットおよび前記第2追跡ロボットのそれぞれは、
    自己の運動によって外部から受ける力の反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、
    前記移動部を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部とを含み、
    前記第2追跡ロボットは、
    所定の基準点に対する当該第2追跡ロボットの位置を示す第2位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第2受信部と、
    該第2位置ベクトルを示すデータを前記第1追跡ロボットに対して送信する送信部とを含み、
    前記第1追跡ロボットは、
    前記所定の基準点に対する当該第1追跡ロボットの位置を示す第1位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第1受信部と、
    前記第2追跡ロボットから送信されてきた前記第2位置ベクトルを示すデータを受信する受信部と、
    前記第2位置ベクトルを示すデータおよび前記第1位置ベクトルを示すデータを用いて、当該第1追跡ロボットと前記第2追跡ロボットとの間の距離を算出する距離算出部と、
    前記距離算出部により算出される距離が所定の範囲内になるような当該第1追跡ロボットの移動に関する物理量を算出する物理量算出部とを含む、追跡ロボットシステム。
  7. 前記第1追跡ロボットの移動に関する物理量は、前記第1追跡ロボットの速度ベクトルである、請求項6に記載の追跡ロボットシステム。
  8. 目標物を追跡するための、第1追跡ロボット、第2追跡ロボット、および第3追跡ロボットを備えた追跡ロボットシステムであって、
    前記第1追跡ロボット、前記第2追跡ロボット、および前記第3追跡ロボットのそれぞれは、
    自己の運動によって外部から受ける力の反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、
    前記移動部を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部とを含み、
    前記第1追跡ロボットは、
    所定の基準点に対する当該第1追跡ロボットの位置を示す第1位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第1受信部と、
    前記第1追跡ロボットの位置に対する前記目標物の位置の方向を示す第1方向単位ベクトルを特定し得る態様で、前記目標物を検出する第1センサとを含み、
    前記第2追跡ロボットは、
    前記所定の基準点に対する当該第2追跡ロボットの位置を示す第2位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第2受信部と、
    当該第2追跡ロボットの位置に対する前記目標物の位置の方向を示す第2方向単位ベクトルを特定し得る態様で、前記目標物を検出する第2センサとを含み、
    前記第3追跡ロボットは、
    前記所定の基準点に対する当該第3追跡ロボットの位置を示す第3位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する第3受信部と、
    当該第3追跡ロボットの位置に対する前記目標物の位置の方向を示す第3方向単位ベクトルを特定し得る態様で、前記目標物を検出する第3センサとを含む、追跡ロボットシステム。
  9. 前記第1追跡ロボットは、
    前記第2追跡ロボットおよび第3追跡ロボットのそれぞれから、前記第2位置ベクトルを示すデータおよび第3位置ベクトルを示すデータのそれぞれ、ならびに、前記第2方向単位ベクトルを示すデータおよび第3方向単位ベクトルを示すデータのそれぞれを受信するデータ受信部と、
    前記第1位置ベクトルを示すデータおよび前記第1方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、前記第2位置ベクトルを示すデータおよび前記第2方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、ならびに、前記第3位置ベクトルを示すデータおよび前記第3方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせのうち、少なくともいずれか2つの組み合わせを用いて、前記所定の基準点に対する前記目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とを備えた、請求項8に記載の追跡ロボットシステム。
  10. 前記追跡ロボットシステムは、さらに、外部装置を備え、
    該外部装置は、
    前記第1追跡ロボットから送信されてきた、前記第1位置ベクトルを示すデータおよび前記第1方向単位ベクトルを示すデータを受信するとともに、前記第2追跡ロボットから送信されてきた、前記第2位置ベクトルを示すデータおよび前記第2方向単位ベクトルを示すデータを受信し、かつ、前記第3追跡ロボットから送信されてきた、前記第3位置ベクトルを示すデータおよび前記第3方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部と、
    前記第1位置ベクトルを示すデータおよび前記第1方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、前記第2位置ベクトルを示すデータおよび前記第2方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせ、ならびに、前記第3位置ベクトルを示すデータおよび前記第3方向単位ベクトルを示すデータの組み合わせのうち、少なくともいずれか2つの組み合わせを用いて、前記所定の基準点に対する前記目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とを備えた、請求項8に記載の追跡ロボットシステム。
  11. 前記第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの制御部は、前記第1、第2および第3追跡ロボット同士の間の距離が互いに略等しい状態を維持するように、前記第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの移動に関する物理量を算出する、請求項8に記載の追跡ロボットシステム。
  12. 前記第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの制御部は、前記第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれが三角形の頂点に位置するように、前記第1、第2および第3追跡ロボットのそれぞれの移動に関する物理量を算出する、請求項8に記載の追跡ロボットシステム。
  13. 目標物を追跡するための追跡ロボットであって、
    自己の運動によって外部から受ける力の反作用を利用して自己の位置を移動させる移動部と、
    前記移動部を駆動する駆動部と、
    前記駆動部を制御する制御部と、
    所定の基準点に対する当該追跡ロボットの位置を示す位置ベクトルを特定し得る態様で、前記所定の基準点から発信された信号を受信する受信部と、
    当該追跡ロボットの位置に対する前記目標物の位置の方向を示す方向単位ベクトルを特定し得る態様で、前記目標物を検出するセンサとを備えた、追跡ロボット。
  14. 当該追跡ロボットとは異なる他の追跡ロボットまたは外部装置と当該追跡ロボットとの間で通信することにより、該他の追跡ロボットまたは外部装置から送信されてきた、該他の追跡ロボットまたは外部装置の前記所定の基準点に対する位置を示す他の位置ベクトルを示すデータ、および該他の追跡ロボットまたは外部装置に対する前記目標物の位置の方向を示す他の方向単位ベクトルを示すデータを受信するデータ受信部と、
    前記位置ベクトルを示すデータ、前記他の位置ベクトルを示すデータ、前記方向単位ベクトルを示すデータ、および前記他の方向単位ベクトルを示すデータを用いて、前記所定の基準点に対する前記目標物の位置を示す目標物位置ベクトルを算出する演算部とをさらに備えた、請求項13に記載の追跡ロボット。
  15. 前記演算部は、前記方向単位ベクトルと前記他の方向単位ベクトルとがなす角が、前記センサの測定精度以上になるように、前記位置ベクトルを示すデータ、前記他の位置ベクトルを示すデータ、前記方向単位ベクトルを示すデータ、および前記他の方向単位ベクトルを示すデータを用いて、当該追跡ロボットの移動に関する物理量を算出する、請求項13に記載の追跡ロボット。
  16. 前記追跡ロボットの移動に関する物理量は、当該追跡ロボットの速度ベクトルである、請求項15に記載の追跡ロボット。
  17. 前記移動部は、周囲空間からの流体力を受ける羽部であり、
    前記羽部の動作によって周囲空間内を羽ばたき飛行する、請求項13に記載の追跡ロボット。
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