JP4121970B2 - 移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は移動装置に関し、特に、羽の打ち上げ動作と打ち下ろし動作によって所定の力を生み出すことにより浮上を可能とする移動装置に関するものである。
近年、人間の生活環境や災害地といったあらかじめ整備されおらず多種多様な障害物の存在する環境においてロボットなどの移動装置が活動することが求められている。
そのような従来の移動装置の一つとして、移動のための車輪を備えたロボット(たとえば、特開平5−282040号公報)が提案されている。また、多関節の脚を備えた移動装置の研究が盛んに行なわれている。また、安定性を重視した6脚の昆虫模型形ロボット(たとえば、特開平6−99369号公報)の開発も行なわれている。
さらに、機能性を重視したヒューマノイド型と言われる2足自律歩行ロボット(たとえば、特開平9−272083号公報)の開発も行なわれている。また、さらに、無限軌道(たとえば、特開平6−305455号公報)を備えたロボットの開発も行なわれている。
これらの移動装置によれば、いずれも地面にその移動装置の一部を接触させることで自らの体重を支えて、移動動作が行なわれる。
一方、ヘリコプターなどのように地上の障害物を避けて空中を移動できる移動装置もある。
特開平5−282040号公報 特開平6−99369号公報 特開平9−272083号公報 特開平6−305455号公報
しかしながら、従来の移動装置には以下のような問題があった。まず、家庭内では、環境が整備された工場やオフィスなどとは異なり、たとえば人、ペット、椅子、装飾品またはおもちゃなど、その時々によって位置を変える障害物が多く存在している。また、家庭内には、狭い通路、階段または部屋と部屋との間の段差なども存在している。
従来開発されてきた移動装置では、「段差を乗り越える能力」と「隙間を通り抜ける能力」がトレードオフである。たとえば、移動装置を移動させるために車輪を用いた場合、車輪とその接触面との摩擦力によって移動が行なわれる。この摩擦力は接触面における垂直抗力に比例する。
ところが、車輪の半径をDとすると、半径Dより高い段差の場合には垂直抗力がゼロになってしまう。このため、半径Dより高い段差が存在するところでは摩擦力が得られないことになって、移動装置はその段差を乗り越えることができなくなる。
したがって、ある環境において隈なく移動可能な車輪を用いた移動装置を設計する場合には、車輪の半径Dはその環境における最大の段差よりも大きいことが要求される。
一方、より高い段差を乗り越えることを目的として車輪の半径Dを大きくすると、隙間を通り抜ける能力が低下することになる。たとえば半径Dの車輪の直径は2Dとなり、この車輪を用いた移動装置の全長は車輪の直径2Dよりも大きくなる。このため、たとえば直角に曲がっている隙間の場合、その隙間を通り抜けるためには隙間の幅が車輪の半径Dの約0.71倍より大きいことが必要とされる。
また、その場で移動装置を方向転換させるためには、最低半径D以上の領域内に障害物がないことが必要とされる。
このような状況から、従来の車輪を用いた移動装置では、比較的小さい径を有する車輪を採用して比較的段差の低い環境に限って使用するか、または比較的大きな車輪を採用して障害物の少ない環境に限って使用するかのいずれかの態様に限られていた。
複数の関節を持つ脚を用いた移動装置では、脚の長さとして段差程度分の長さが必要とされる。そして、安定して歩行するために脚と脚との接地点の間隔としては、この脚の長さ程度の間隔が必要になる。このため、車輪を用いた場合の移動装置と同様に、脚を用いた移動装置においても「段差を乗り越える能力」と「隙間を通り抜ける能力」のトレードオフを解消することはできなかった。
たとえば、移動装置として特開平9−272083号公報における2足歩行ロボットの場合、段差hの階段を上るためには、脚の最大長が段差hより長くなければならない。したがって、ロボットのサイズが段差hよりも小さくなるように、脚が折り畳み可能な構造にしようとすると、移動装置がより複雑になってしまった。
また、家庭内における家具等の配置は各家屋ごとに異なっており、さらに、同一の家屋内においても、たとえば食事の際には椅子の位置が変化するように、状況により家具等の位置が変わるものである。これら家具等の多くは床面に配置されている。
このような障害物を避けて移動装置を移動させようとすると、障害物の検出および経路探索をリアルタイムで行なう必要があった。
ところが、このような機能を移動装置にもたせようとすると、移動装置において検出装置や演算装置などが多くの体積を占めることになって、移動装置の小型化を図るのが難しくなった。その結果、移動装置が狭い隙間を通り抜けることができなくなるという問題があった。
さらに、災害地や一般のフィールドにおいては、比較的整然とした家庭内とは全く異なる環境があり、舗装されていない道路、荒地、草原、川、池、断崖、瓦礫の山などが存在する。このような環境の中を自由に進んでいくことは、車輪や脚等を用いた従来の移動装置ではほとんど不可能であった。
そして、障害物を避けて空中を移動しようとすると、たとえば飛行機のような移動装置では一定の速度以上でないと失速してしまい、停空飛翔を行なうことができなかった。また、ヘリコプターのような移動装置では、回転翼により停空飛翔を行なうことができるが、大きな回転トルクのために、優れた機動性(静止状態と通常の飛行のすばやい移行)を発揮することができなかった。
このように、車輪や脚等を備えた従来の移動装置では、家庭内や災害地などにおいて障害物を避けて自由に移動することができなかった。また、ヘリコプターなどの従来の移動装置では、優れた機動性を得ることができなかった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、家庭内や一般のフィールドのような障害物の多い環境において、そのような障害物に制約されることなく移動することができ、しかも機動性に優れた移動装置を提供することを目的とする。
本発明の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含んでいる。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含んでいる。駆動部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、かつ、一方側羽軸部と他方側羽軸部との位相差を変化させる。
本発明の一の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含む。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含む。
駆動部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、羽部の前記打ち下ろし時の一方側羽軸部と他方側羽軸部との位相差をホバリング時より大きくすること、および、羽部の打ち上げ時の一方側羽軸部と他方側羽軸部との位相差をホバリング時より小さくすることのうち少なくともいずれか一方によって、移動装置を前進または後退させる。
本発明の他の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含む。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含む。
駆動部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、羽部の打ち下ろし時の一方側羽軸部と他方側羽軸部との位相差をホバリング時より小さくすること、および、羽部の打ち上げ時の一方側羽軸部と他方側羽軸部との位相差をホバリング時より大きくすることのうち少なくともいずれか一方によって、移動装置を後退または前進させる。
本発明のまた他の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含んでいる。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含んでいる。また、駆動部は、一方側羽軸部を一方の回転軸まわりに所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、他方側羽軸部を他方の回転軸まわりに所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、一方の回転軸および他方の回転軸の少なくともいずれか一方と直交する仮想の平面と胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす羽ばたき仰角を変化させる機能を有する。
本発明のまたさらに他の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含んでいる。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含んでいる。
駆動部は、一方側羽軸部を一方の回転軸まわりに所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、他方側羽軸部を他方の回転軸まわりに所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、一方の回転軸および他方の回転軸の少なくともいずれか一方と直交する仮想の平面と胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす羽ばたき仰角を変化させる機能を有し、羽部の羽ばたき仰角をホバリング時より大きくすること、および、羽部の羽ばたき仰角をホバリング時より小さくすることのうち少なくともいずれか一方によって、移動装置を前進または後退させる。
前述の移動装置においては、駆動部は、移動装置を前進または後退させるときには、羽部の羽ばたき周波数または羽ばたき角の振幅が変更されるように、一方側羽軸部および他方側羽軸部を駆動する。
本発明のさらに他の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
前記羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含んでいる。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含んでいる。
駆動部は、一方側羽軸部を所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、他方側羽軸部を所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、一方のアクチュエータおよび他方のアクチュエータのそれぞれの往復運動の周波数を増加させ、羽部の羽ばたき周波数をホバリング時の羽部の羽ばたき周波数よりも上げることによって、前記移動装置を上昇させる。
本発明の別の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置である。
羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有している。駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含んでいる。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含んでいる。
駆動部は、一方側羽軸部を所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、他方側羽軸部を所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させ、一方のアクチュエータおよび他方のアクチュエータのそれぞれの往復運動の周波数を減少させ、羽部の羽ばたき周波数をホバリング時の羽部の羽ばたき周波数よりも下げることによって、移動装置を下降させる。
本発明のさらに別の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
羽部は、羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有している。羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含んでいる。羽本体部は、一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含んでいる。
駆動部は、一方側羽軸部および他方側羽軸部独立して駆動させることにより一方側羽軸部の先端と他方側羽軸部の先端を結ぶ仮想線と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させることが可能であり、打ち上げ動作から打ち下ろし動作への変化点、および、打ち下ろし動作から打ち上げ動作の変化点の前後で、捻り角を変化させる。
本発明の異なる局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、左羽部および右羽部が取付けられ、左駆動部および前記右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有している。左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含んでいる。左羽本体部は、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含んでいる。右羽本体部は、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含んでいる。
左駆動部は、一方側左羽軸部を所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、他方側左羽軸部を所定の左の他の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを個々に駆動させる。
右駆動部は、一方側右羽軸部を所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、他方側右羽軸部を所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを個々に駆動させる。
浮上位移動装置は、一方の左アクチュエータおよび他方の左アクチュエータの駆動力と一方の右アクチュエータおよび他方の右アクチュエータの駆動力とに差を持たせ、左羽部の推力と右羽部の推力とに差を有する状態にすることによって、移動装置を左または右へ旋回させる。
本発明のさらに異なる局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、左羽部および右羽部が取付けられ、左駆動部および前記右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
左羽部は、左羽本体部と左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、右羽部は、右羽本体部と右羽本体部を支持する右羽軸部とを有している。左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含んでいる。
左羽本体部は、一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、右羽本体部は、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含んでいる。
左駆動部は、一方側左羽軸部を所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、他方側左羽軸部を所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを個々に駆動させる。
右駆動部は、一方側右羽軸部を所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、他方側右羽軸部を所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを個々に駆動させる。
浮上移動装置は、一方の左アクチュエータおよび他方の左アクチュエータの回転角と一方の右アクチュエータおよび他方の右アクチュエータの回転角とに差を持たせ、右羽部の羽ばたき角と左羽部の羽ばたき角とに差を持たせることによって、移動装置を右または左へ旋回させる。
本発明のもう1つの局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、左羽部および右羽部が取付けられ、左駆動部および右駆動部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
左羽部は、左羽本体部と左羽本体部を支持する左羽軸部とを有している。左駆動部は、左羽軸部を駆動させることにより左羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。右羽部は、右羽本体部と右羽本体部を支持する右羽軸部とを有している。右駆動部は、右羽軸部を駆動させることにより右羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させる。左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側右羽軸部とを含む。左羽本体部は、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含む。左駆動部は、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを個々に駆動させる。右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含む。右羽本体部は、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含む。右駆動部は、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを個々に駆動させる。
左駆動部および右駆動は、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部との位相差と、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部との位相差とに差を持たせることによって、移動装置を右または左へ旋回させる。
本発明のさらに前述とは異なる局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、左羽部および右羽部が取付けられ、左駆動部および右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有している。左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含んでいる。左羽本体部は、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、右羽本体部は、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含んでいる。
前記左駆動部は、一方側左羽軸部を一方の左回転軸まわりに所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、他方側左羽軸部を他方の左回転軸まわりに所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを個々に駆動させる。
右駆動部は、一方側右羽軸部を一方の右回転軸まわりに所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、他方側右羽軸部を他方の右回転軸まわりに所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを個々に駆動させる。
一方の左回転軸および他方の左回転軸の少なくとも一方と直交する仮想の平面と胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす左羽ばたき仰角を変化させる機能を有し、かつ、一方の右回転軸および他方の右回転軸の少なくとも一方と直交する仮想の平面と胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす右羽ばたき仰角を変化させる機能を有している。
浮上移動装置は、右羽ばたき仰角と左羽ばたき仰角とに差を持たせることによって、移動装置を右または左へ旋回させる。
本発明の前述とは別の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、羽部が取付けられ、駆動部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
移動装置は、その重心をずらすための重心制御部を含む。重心制御部は、重心をずらすことによって、移動装置を右または左に旋回させる。
前述の移動装置は、ホバリングが可能である。駆動部は、移動装置を右または左に旋回させるときには、羽部の羽ばたき周波数を、ホバリング時の羽部の羽ばたき周波数よりも大きくする。さらに、羽部は、左羽部と右羽部とを有している。駆動部は、左羽部を駆動する左駆動部と左羽部を駆動する右駆動部とを有している。移動装置は、左駆動部および右駆動部を制御する制御部をさらに備えている。制御部は、左駆動部と右駆動部とを互いに独立して制御することにより、左羽部の羽ばたき周波数と右羽部の羽ばたき周波数とを互いに独立して制御でき、かつ、移動装置を右または左に旋回させるときに、重心制御部が重心をずらしたことに伴って、左羽部の周波数と右羽部の周波数とが同一になるように、左駆動部および右駆動部を制御する。
本発明の最後の局面の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、左羽部および右羽部が取付けられ、左駆動部および右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置である。
左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有している。左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含んでいる。左羽本体部は、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、右羽本体部は、一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含んでいる。
左駆動部は、一方側左羽軸部を所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、他方側左羽軸部を所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを個々に駆動させる。
右駆動部は、一方側右羽軸部を所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、他方側右羽軸部を所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを個々に駆動させる。
ホバリングのときには、左羽部の羽ばたき周波数と右羽部の羽ばたき周波数とが同じになるように、一方の左アクチュエータ、他方の左アクチュエータ、一方の右アクチュエータ、および他方の右アクチュエータが駆動される。
以下、前述の本発明とは異なる発明の移動装置について述べる。
本発明とは異なる発明の移動装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と駆動部と胴体部とを含む浮上本体部を備えている。駆動部は、羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なう。胴体部には羽部が取付けられ、駆動部が搭載される。そして、一連の打ち下ろし動作および打ち上げ動作の間の時間平均では、羽部が流体から受ける力のうち鉛直上向きの力が浮上本体部に作用する重力よりも大きくなる。
この構造によれば、羽部の羽ばたき動作において打ち下ろし動作および打ち上げ動作の間の時間平均では、羽部が流体から受ける力のうち鉛直上向きの力が浮上本体部に作用する重力よりも大きくなることで、浮上本体部に浮力が与えられることになる。その結果、浮上本体部は地面に接することなく移動することができる。
浮上本体部に浮力を与えるためには、打ち下ろしの動作の際に羽部が移動する空間の体積は打ち上げの動作の際に羽部が移動する空間の体積よりも大きいことが望ましく、たとえば、浮力と浮上本体部に作用する重力とを釣り合わせることで地面から離れた状態で空間に留まる停空飛翔(ホバリング)も可能になる。
このような浮上本体部は、屋内において所定の作業を行なうための移動手段として用いられること、または、屋外において所定の作業を行なうための移動手段として用いられることが望ましい。
浮上本体部は浮力を得て地面を離れて移動することができるので、たとえば家具等のさまざまな物体が置かれ、そして、そのような物体の位置が時間的に変化する屋内において、そのような障害物を避けて移動することができて各部屋の状況把握等の所定の作業を容易に行なうことができる。また、屋外においては、たとえば災害地における障害物や一般のフィールドなどにおける地形等に左右されることなくに移動することができて、情報収集等の所定の作業を容易に行なうことができる。
具体的に、羽部は羽本体部と羽本体部を支持する羽軸部とを有し、駆動部は、羽軸部を駆動させることにより羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させることが望ましい。
これにより、羽部が流体から浮ける流体力の大きさや向きが変化して、浮上本体部を上昇、下降、前進または後退させることができる。
また、打ち下ろしの動作の際に羽部が移動する空間の体積を打ち上げの動作の際に羽部が移動する空間の体積よりも大きくするために、駆動部は打ち下ろし動作における捻り角と打ち上げ動作における捻り角とを異ならせる必要がある。
さらに、駆動部は捻り角を時間的に変化させることが望ましい。
この場合には、羽部の姿勢を滑らかに変化させることができて、羽部に急激に流体力が作用するのを抑制することができる。
また、羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、羽本体部は一方側羽軸部と他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、駆動部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させることが望ましい。
この場合、一方側羽軸部と他方側羽軸部とを個々に駆動させることで、捻り角を容易に変えることができる。
そして、羽軸部は駆動部を支点として仮想の一平面上を往復運動し、胴体部は一方向に向かって延び、胴体部が延びる方向と仮想の一平面とがなす仰角が変えられることが望ましい。
この場合には、羽ばたき運動の自由度が増えて、より複雑な羽ばたき運動を実現することができる。また、この仰角をより大きくし捻り角を制御することで、より高速な飛行を行なうことができる。さらに、この仰角を実質的に0°にすることで、機動性に優れハチドリのようなホバリングを行なうことができる。
また具体的に、羽部は主軸部とその主軸部から主軸部が延びる方向と略直交する方向に形成された羽本体部とを有し、駆動部は主軸部を駆動させることにより羽本体部に接する仮想の一平面と主軸部を含む仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させることが望ましい。
これにより、羽部が流体から浮ける流体力の大きさや向きが変化して、浮上本体部を上昇、下降、前進または後退させることができる。
このような主軸部にて羽部の姿勢を変えるためには、駆動部は少なくとも3自由度を有するアクチュエータを含んでいることが望ましい。
また、羽部は胴体部の略中心を挟んで一方側と他方側とにそれぞれ形成され、駆動部は一方側に形成された羽部と他方側に形成された羽部とを個々に駆動させることが望ましい。
この場合には、一方側に形成された羽部と他方側に形成された羽部の姿勢を個々に変化させることができて、容易に浮上本体部の向きを変えることができる。
さらに、周囲の状況を把握するためのセンサ部、情報を記憶するためのメモリ部、あるいは、情報を送受信するための通信部を備えていることが望ましい。
センサ部を備えることで、浮上本体部の位置や姿勢、速度、周囲の障害物の位置や移動速度、温度や明るさなどの環境情報を入手し、より適切な羽ばたき制御を行なうことができる。また、メモリ部を備えることで、得られた環境情報を蓄積することができて、浮上本体部に学習機能をもたせることができる。さらに、通信部を備えていることで、複数の浮上本体部とベースステーションとの間で情報のやり取りを行なうことができ、取得した情報を交換することで複数の浮上本体部間で協調行動などを容易に行なうことができる。
また、一方側羽軸部および他方側羽軸部が、一方側羽軸部および他方側羽軸部それぞれの先端に向かって互いの間隔が広がるように形成されることが望ましい。
この場合、一方側羽軸部および他方側羽軸部が、一方側羽軸部および他方側羽軸部それぞれの先端に向かって互いの間隔が広がるように形成されることで、羽軸の弾性力や羽軸の間を渡すように形成された膜部の張力を利用して、捻り角の変化を高速化することができる。
さらに、一方側羽軸部および他方側羽軸部を、一方側羽軸部および他方側羽軸部それぞれの軸まわりに回動できる自由度を有するように構成すれば、一方側羽軸部および他方側羽軸部の位置関係が変化しても、羽の膜が一方側羽軸部および他方側羽軸部に連結されている部分それぞれを互いにほぼ向き合せるように、羽軸が回動することが可能となるため、羽軸部を駆動する駆動装置にかかる負荷を軽減し、効率のよい制御が可能となる。
前述の移動装置は、目標とする移動態様を、基本動作パターンデータに基づく基本動作を時系列にて組合わせて実現することが好ましい。このようにすることにより、移動態様の制御が簡単となる。
前述の移動装置は、さらに、前述の基本動作パターンデータと、その基本動作パターンデータを実現する駆動部の駆動態様に関する駆動態様データとの組合せが記憶された記憶手段を備えている。このようにすることにより、駆動装置の駆動態様の決定を迅速に行なうことができる。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る移動装置としての羽ばたき装置について説明する。図1(a)および図1(b)は、羽部として2本の羽軸を有する羽ばたき装置を示す図である。図1(a)では、羽ばたき装置の前方正面部分が示され、図1(b)では、羽ばたき装置の前方正面に向かって左側面部分が示されている。
なお、図1(a)および図1(b)では羽ばたき装置の前方正面に向かって左羽しか示されていないが、実際には、胴体部105の中心軸を挟んで左右対称に右羽も形成されている。また、説明を簡単にするため、胴体部105が延びる方向に沿った軸(胴体軸801)は水平面内にあり、重心を通る中心軸802は鉛直方向に保たれているとする。
図1(a)および図1(b)に示すように、羽ばたき装置の胴体部105には、前羽軸103および後羽軸104と、その前羽軸103と後羽軸104との間を渡すように設けられた羽の膜106とを有する羽(左羽)が形成されている。
また、胴体部105には、前羽軸103を駆動するための回転型アクチュエータ101と後羽軸104を駆動するための回転型アクチュエータ102とが搭載されている。このようなアクチュエータ101、102の配置や前羽軸103、後羽軸104および羽の膜106を含む羽の形状は、飛行の性能が損なわれないならばこれに限られるものではない。
さらに、この羽ばたき装置の場合、羽の断面形状を鉛直上方に凸となるようにしておけば、水平方向への飛行に際して抗力だけでなく揚力も発生して、より大きな浮上力が得られることになる。
また、この羽ばたき装置の重心の位置は、羽ばたき装置の安定性を重視するために羽が周囲の流体により受ける力のアクチュエータに対する作用点の位置よりも下方になるように設定されている。一方、羽ばたき装置の姿勢を容易に変更する観点からは重心とその作用点を略一致させておくことが望ましく、この場合には、姿勢制御に必要な左右の羽が流体から受ける力の差が小さくなって、羽ばたき装置の姿勢変更を容易に行なうことができる。
2つの回転型アクチュエータ101、102は互いに回転軸800を共有している。この回転軸800は胴体軸とは所定の角度(90°−θ)をなしている。前(後)羽軸103、104はアクチュエータ101、102を支点として回転軸800と直交する平面内を往復運動する。この回転軸800と直交する平面と胴体軸801とのなす角度が仰角θとなる。
胴体部105としては、機械的強度を確保するとともに、十分な軽量化を図るために、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを円筒状に成形したものが望ましいが、このような材料や形状に限定されるものではない。
アクチュエータ101、102としては、起動トルクが大きいこと、往復運動が簡単に実現できること、構造が単純なことなどから、圧電素子(ピエゾ)を用いた超音波進行波アクチュエータを用いるのが望ましい。これには、回転型アクチュエータとリニア型アクチュエータとの2つの種類がある。図1(a)および図1(b)では、回転型アクチュエータが用いられている。
ここでは、進行波を用いた超音波素子によって羽を直接駆動する方法を中心に説明するが、この羽を駆動するための機構や、それに用いるアクチュエータの種類については特に本実施の形態に示したものに限られない。
回転型アクチュエータとしては、図1(a)(b)に示された回転型アクチュエータ101、102の他に、たとえば図11に示される回転型アクチュエータ401を用いてもよい。
図11に示された羽ばたき装置では、胴体部404に搭載された回転型アクチュエータ401に羽403が取付けられている。羽403は回転型アクチュエータ401の回転軸402を中心として往復運動をする。
また、羽を駆動するための機構としては、特開平5−169567号公報に記載されているような外骨格構造とリニアアクチュエータを組合わせた機構を適用して、たとえば図12または図13に示すような羽ばたき装置を構成してもよい。
図12に示された羽ばたき装置では、リニアアクチュエータ501の一端に、前羽軸または後羽軸503が接続されている。胴体部504に装着されたヒンジ502を介してリニアアクチュエータ501の運動が前羽軸または後羽軸503に伝えられることで羽ばたき運動が行なわれる。この羽ばたき運動は、羽を直接筋肉で駆動するトンボの羽ばたき運動にヒントを得たものである。
図13に示された羽ばたき装置では、胴体部は上面胴体部603と下面胴体部604に分けられている。下面胴体部604に固定されたリニアアクチュエータ601の運動が上面胴体部603に伝えられる。そして、その上面胴体部603の運動がヒンジ602を介して前羽軸または後羽軸603に伝えられることで羽ばたき運動が行なわれる。この羽ばたき運動は、トンボ以外のハチなどが用いている羽ばたき運動にヒントを得たものである。
図13に示す羽ばたき装置の場合、1つのアクチュエータ601によって左右の羽軸603が同時に駆動されるため、左右の羽軸を別々に駆動することができず、細かな飛行制御を行なうことはできないが、アクチュエータの数を減らすことができて、軽量化および消費電力の低減を図ることが可能である。
さて、図1(a)および図1(b)に示された羽ばたき装置では、回転型アクチュエータ101、102には前羽軸103と後羽軸104とがそれぞれ接続されている。前羽軸103と後羽軸104と間には羽の膜106が張られている。羽の膜106はその面内において収縮する方向に自発的な張力を有しており、羽全体の剛性を高める働きをしている。
軽量化のため前羽軸103と後羽軸104は中空構造であり、それぞれカーボングラファイトから形成されている。このため、前羽軸103と後羽軸104には弾力性があり、前羽軸103と後羽軸104とは羽の膜106の張力により変形可能である。
図14は本羽ばたき装置の全体の構造を示す図である。なお、前方方向(紙面に向かって上)に向かって左側の羽は省略されている。
胴体部700には、超音波センサ701、赤外線センサ702、加速度センサ703および角加速度センサ704が配されている。これらのセンサによる検出結果は羽ばたき制御部705に送られる。羽ばたき制御部705では、超音波センサ701や赤外線センサ702によって検出された結果から羽ばたき装置と周囲の障害物や人間との距離などの情報が処理される。また、加速度センサ703や角加速度センサ704によって検知された結果から、羽ばたき装置の浮上状態、目的位置または姿勢などの情報が処理されて、左右のアクチュエータ706および重心制御部707の駆動制御が決定される。
なお、ここでは、本羽ばたき装置の周囲に存在する障害物を検出する手段として超音波センサ701および赤外線センサ702を用い、本羽ばたき装置の位置および姿勢を検出する手段として加速度センサ703および角加速度センサ704を用いたが、本羽ばたき装置の周囲環境や位置と姿勢が計測可能なセンサであれば、上記センサに限られない。
たとえば、直交する3軸方向の加速度を測定可能な加速度センサ2つをそれぞれ胴体部700の異なる位置に配して得られる加速度情報からも、本羽ばたき装置の姿勢を算出することは可能である。また、本羽ばたき装置が移動する空間内に磁場分布を設けておき、磁気センサによってこの磁場分布を検知することで本羽ばたき装置の位置と姿勢を算出することも可能である。
また、図14では、加速度センサ703および角加速度センサ704をはじめとするセンサ類は、羽ばたき制御部705とは別部品として示されているが、軽量化の観点から、たとえばマイクロマシニング技術により羽ばたき制御部705と一体で同一基板上に形成してもよい。
また、本羽ばたき装置では羽の駆動をオープンループ制御としているが、羽の付け根に羽の角度センサを設け、この角度センサから得られる角度情報によりクローズドループ制御を行なうことも可能である。
なお、浮上する空間における流体の流れが既知であり、予め定められた羽ばたき方法によって浮上することが可能ならば、ここに挙げたセンサ類は必須ではない。
羽ばたき制御部705はメモリ部708と接続されており、羽ばたき制御に必要な既存のデータをメモリ部708から読出すことができる。また、各センサ701〜704によって得られた情報をメモリ部708に送込み、必要に応じてメモリ部708の情報を書換えることもでき、羽ばたき装置として学習機能を持たせることができる。
なお、各センサ701〜704によって得られた情報をメモリ部708に蓄積するだけであれば、羽ばたき制御部705を介さずにメモリ部708と各センサ701〜704とが直接接続されていてもよい。また、羽ばたき制御部705は通信制御部709と接続されて、通信制御部709とデータの入出力を行なうことができる。通信制御部709は、アンテナ部710を介して外部の装置(他の羽ばたき装置やベースステーションなど)とのデータの送受信を行なう。
このような通信機能により、羽ばたき装置が取得してメモリ部708に蓄えられたデータを速やかに外部の装置に転送することができる。また、羽ばたき装置では入手できない情報を外部の装置から受取り、そのような情報をメモリ部708に蓄積することで、羽ばたきの制御に利用することもできる。たとえば、大きなマップ情報のすべてを羽ばたき装置に記憶させなくても、随時、必要な範囲のマップ情報をベースステーションなどから入手することなどが可能となる。
なお、図14では、アンテナ部710は胴体部700の端から突き出た棒状のものとして示されているが、アンテナの機能を有するものであれば、形状、配置などこれに限られない。たとえば、前羽軸712や後羽軸713を利用して、羽の上にループ状のアンテナを形成してもよい。また、胴体部700にアンテナを内蔵した形態でも、あるいは、アンテナと通信制御部709とを一体化させた形態でもよい。
超音波センサ701、赤外線センサ702、加速度センサ703、角加速度センサ704、羽ばたき制御部705、左右のアクチュエータ706、重心制御部707、メモリ部708、通信制御部709およびアンテナ部710などは、電源部711により供給される電流によって駆動される。
ここでは、駆動エネルギーとして電力を用いたが、内燃機関を用いることも可能である。また、昆虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応を用いたアクチュエータを用いることも可能である。あるいは、アクチュエータの駆動エネルギーを外部から取得する方法も採用できる。たとえば、電力については熱電素子、電磁波などが挙げられる。
(浮上方法)
説明の簡便のため、本羽ばたき装置に作用する外力は、羽が流体から受ける流体力と羽ばたき装置に作用する重力(羽ばたき装置の質量と重力加速度との積)のみであるとする。本羽ばたき装置が恒常的に浮上するためには1回の羽ばたき動作の間の時間平均において、次の関係、
(羽に作用する鉛直上方向の流体力)>(本羽ばたき装置に作用する重力)
を満たすことが必要とされる。1回の羽ばたき動作とは、羽を打ち下ろし次に羽を打ち上げる動作をいう。
さらに、鉛直上向きの流体力を卓越させて上昇させるためには、
(打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力)>(打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力)
となる必要がある。
ここでは、昆虫の羽ばたき方を単純化した羽ばたき方法により、打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力(以下「打ち下ろし時の流体力」と記す。)を、打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力(以下「打ち上げ時の流体力」と記す。)より大きくする方法について説明する。
説明の簡便のため、流体の挙動もしくは流体が羽に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説明する。また、この羽ばたき方法により得られる浮上力と、本羽ばたき装置に作用する重力(以下「重量」と記す。)の大小については後述する。
打ち下ろし時の流体力を打ち上げ時の流体力よりも大きくするためには、打ち下ろし時に羽の膜106が移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろせばよい。そのためには、羽の膜106を水平面と略平行に打ち下ろせばよく、これにより、ほぼ最大の流体力を得ることができる。
反対に、打ち上げ時には羽の膜106が移動する空間の体積が最小になるように打ち上げればよい。そのためには、羽の膜106を水平面に対して略直角に近い角度で打ち上げればよく、これにより、羽に及ぼされる流体力はほぼ最小となる。
そこで、回転型アクチュエータ101、102により回転軸800の周りに両羽軸103、104を往復運動させる際に、各羽軸103、104が水平面と略一致する位置を中心として上方と下方とにそれぞれ角度γだけ往復運動させるとする。さらに、図2に示すように、前羽軸103の往復運動に対して後羽軸104の往復運動を適当な位相φだけ遅れさせる。
これにより、図3〜図10(ここではφ=20°として描いた)に示す一連の羽の往復運動のうち、図3〜図7に示された打ち下ろし時においては、より高い位置にある回転型アクチュエータ301の前羽軸303が先に打ち下ろされるため、前羽軸303および後羽軸304の先端と羽の膜306が水平に近づく。
一方、図7〜図10に示された打ち上げ時においては、両羽軸303、304の先端の高さの差が拡大されて、羽の膜306も垂直に近づく。この結果、前羽軸303と後羽軸304に張られた羽の膜306が流体を押し下げ、あるいは、押し上げる量に差異が生じ、この羽ばたき装置の場合には、打ち下ろし時の流体力の方が打ち上げ時の流体力よりも大きくなって浮上力が得られることになる。
この浮上力のベクトルは、位相差φを変化させることにより前後に傾く。前方に傾けば推進運動、後方に傾けば後退運動、真上に向けば停空飛翔(ホバリング)状態となる。なお、実際の飛行では、位相差φ以外にも、羽ばたき周波数fや羽ばたき角γを制御することが可能である。また、この羽ばたき装置では、羽ばたき仰角θを固定しているが、これを変化させる機能を追加して、自由度を増やしても構わない。
(羽ばたき制御)
実際の羽ばたき制御についてさらに詳細に説明する。上述した羽ばたき装置では、打ち下ろし動作または打ち上げ動作の際に、羽の先端部がなす捻り角αは、羽の長さ(羽の膜の前羽軸および後羽軸に沿った長さ)をl、羽の幅(前羽軸と後羽軸の間隔)をw、羽ばたき角をγ、羽ばたき運動の位相をτ(最も打ち上げた瞬間を0°、最も打ち下ろした瞬間を180°とする)、前羽軸と後羽軸の位相差をφとすれば(図3、9、10を参照)、およそ以下の式で表わされる。
tanα=(w/l)・〔sin(γ・cosτ)−sin{γ・cos(τ+φ)}〕
実際には、前羽軸や後羽軸には弾性があり変形可能であるので、この捻り角αは多少違った値をとる。また、羽軸の根元ほどこの角度は小さい。しかし、以下の議論では簡便のため、上の式のαを用いて説明する。
捻りを加えていない羽に作用する流体力の鉛直方向成分Fは、流体の密度をρ、羽ばたき角をγ、羽ばたき周波数をfとして、およそ
F=(4/3)・π2ρwγ223・sin2τ・cos(γ・cosτ)
となる。なお、羽に作用する流体力の水平方向成分は、左右の羽が同じ運動をすれば互いに打ち消し合うことになる。
羽に捻り角αをもたせると、上記成分Fの羽ばたき運動平面に垂直な成分Lと、水平な成分Dはそれぞれ次のようになる。
L=F・cosα・sinα
D=F・cos2α
これに、羽ばたき仰角θを考慮すると、重量と釣り合うべき鉛直方向の成分Aと、前後運動の推力となる水平方向成分Jは、打ち下ろし時では、
A↓=−L・cosθ+D・sinθ
J↓=−L・sinθ−D・cosθ
打ち上げ時では、
A↑=L・cosθ−D・sinθ
J↑=L・sinθ+D・cosθ
となる。実際の浮力や推進力は、羽ばたき運動の1周期分を積分したものとなる。
以上より、この飛行制御の一例として、羽ばたき装置の羽の長さl=4cm、羽の幅w=1cm、羽ばたき仰角θ=30°、羽ばたき角γ=60°、羽ばたき周波数f=50Hz、打ち下ろし時の位相差φ↓=4°、打ち上げ時の位相差φ↑=16°とした場合における鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの時間変化を各角度の時間変化とともに図15に示す。
横軸は1周期分の時間が位相τとして表わされている。前半が打ち下ろし、後半が打ち上げを示している。各グラフの曲線は前羽軸の羽ばたき角γf、後羽軸の羽ばたき角γb、水平面からの羽の捻り角(θ−α)、流体力の鉛直方向成分Aおよび水平方向成分Jの時間変化をそれぞれ示している。
この例では、単位時間当りの流体力の鉛直方向成分Aにおいては打ち下ろし時の方が打ち上げ時よりも大きいため、1周期の平均で約500dynの鉛直上向きの流体力が1枚の羽で得られる。したがって、2枚の羽では羽ばたき装置の重量が約1g以下であれば浮上することができることになる。また、単位時間当りの流体力の水平方向成分Jは、1周期の間にほぼ打ち消されるため、重量1g程度の羽ばたき装置であればホバリング可能となる。
ここで、打ち下ろし時の位相差φ↓を大きく、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を小さくすれば、前進することができる。このとき、水平に前進させるためには、周波数fを少し小さくするのが望ましい。逆に、打ち下ろし時の位相差φ↓を小さくし、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を大きくすれば後退することができる。このとき、水平に後退させるためには、周波数fを少し大きくすることが望ましい。
この羽ばたき装置では、たとえば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま打ち下ろし時の位相差φ↓を7°と大きくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま打ち上げ時の位相差φ↑を11°と小さくし、そして、羽ばたき周波数f=48Hzに下げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で水平に前進することができる。
また、たとえば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま打ち下ろし時の位相差φ↓を1°と小さくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま打ち上げ時の位相差φ↑を24°と大きくし、そして、羽ばたき周波数f=54Hzに上げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で水平に後退することができる。
ホバリング状態のまま、羽ばたき装置を上昇または下降させるためには、周波数fを上げるかまたは下げるかすればよい。水平飛行中でも、上昇と下降については、主に周波数fによって制御が可能である。周波数fを上げることで羽ばたき装置は上昇し、周波数fを下げることで羽ばたき装置は下降する。
この例では、打ち上げ動作中もしくは打ち下ろし動作中にも、羽の捻り角αをゆっくり変化させているが、これは、アクチュエータへの負荷を減らすためである。浮力を得るための羽ばたき運動としては、打ち上げ動作中や打ち下ろし動作中は羽の捻り角αを一定の値に設定して、打ち下ろし動作から打ち上げ動作、もしくは、打ち上げ動作から打ち下ろし動作への変化点において捻り角αを急激に変化させるようにしてもよい。
羽ばたき仰角θ=0°とした場合の鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの時間変化を各角度の時間変化とともに図16に示す。この場合は、ハチドリのホバリングにヒントを得た羽ばたき運動である。なお、左右への舵取りは、左右の羽の羽ばたき運動を別々に制御できる場合、それぞれの羽による推力に差を持たせればよい。たとえば、前方へ飛行中に右方向へ旋回するには、右羽の羽ばたき角γを左羽よりも小さくする、または、右羽の前羽軸と後羽軸の位相差を、左羽より大きくする、あるいは、羽ばたき仰角θが制御できるような場合には、右羽のθを左羽よりも小さくするといった制御を行なう。これにより、右羽の推進力が左羽の推進力に比べて相対的に下がり右に旋回することができる。羽ばたき装置を左へ旋回させる場合には、その逆の制御を行なえばよい。
一方、図13に示された羽ばたき装置のように、左右の羽を別々に制御することができないような場合には、図14に示された羽ばたき装置に搭載されているような重心制御部707をこの羽ばたき装置に搭載して、羽ばたき装置の重心を左右にずらすことで左右への旋回を行なうことができる。
たとえば、重心を右にずらして右羽を下方へ左羽を上方へ傾け、そして、周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を右へ旋回させることができる。重心を左にずらして、同様に、周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を左に旋回させることができる。なお、この方法は2つの羽を別々に制御することができる場合にも適用することができる。また、いずれの羽ばたき装置においても、姿勢の安定を保つために、左右のそれぞれの羽ばたきの周波数fを同じ値に設定しておくことが望ましい。
以上の説明では、前(後)羽軸103,104の往復運動する平面が、回転軸800と直交する場合について述べてきた。したがって、この場合は、これら2つの平面が互いに平行な関係となる。しかしながら、図14に示したように、前(後)羽軸712、713の往復運動する平面に角度を持たせてもよい。こうすることで、前(後)羽軸712,713の弾性力や羽の膜714の張力により、打ち上げ運動から打ち下ろし運動、あるいは打ち下ろし運動から打ち上げ運動に移る際の、羽の捻り角αの正値から負値、あるいは、負値から正値への変化を高速化することができる。
図40に示すように、前(後)羽軸901,902の先端方向が、互いに平行な位置から角度εだけ外側を向いている場合、羽軸の付根905の幅をw、羽軸の長さをlとして、
sinε>{(w2+8・l21/2−w}/4・l
を満たすεであれば、羽の捻り角α=0°(γf=γb)における羽軸先端906間の距離Woが最大となるため、そのときの羽軸の弾性力や羽の膜の張力も最大となり、絶対値|α|>0の状態の方が安定となるため、捻り角αの変化を高速化することができる。
なお、上式を満たすεは、羽のアスペクト比Ap(l/w)=1のとき、ε>30°、Ap=4のとき、ε>17.2°、Ap=10のとき、ε>11.5°である。
さらに、前(後)羽軸712,713が、その軸まわりに軸回転できる自由度を付加すれば、前(後)羽軸712,713同士の位置関係が変化しても、羽の膜714が前(後)羽軸712,713に固定されている部分を互いにほぼ向き合せるように、回転することが可能となるため、アクチュエータ706にかかる負荷を軽減し、効率のよい制御が可能となる。
実施の形態2
本発明の実施の形態2に係る移動装置としての羽ばたき装置について説明する。ここでは、実施の形態1の場合と同様に、羽が流体から受ける力を流体力と呼ぶ。また、説明の簡便のため、空気の流れを羽ばたきによってのみ起こる状態、すなわち無風状態を仮定して説明する。
(主要な構成)
まず、羽ばたき装置の主要な構成について説明する。図17に示すように、支持構造1の上部に、右アクチュエータ21と左アクチュエータ22が固定されている。右アクチュエータ21には右羽31が取付けられ、左アクチュエータ22には左羽32が取付けられている。
各アクチュエータ21、22は、それぞれ取付けられた羽31、32をアクチュエータの支点を略中心として3自由度をもって回転させることができる。各アクチュエータ21、22の回転は、支持構造1に搭載された制御回路4によって制御される。
支持構造1は、機械的強度を確保したうえで十分軽量であることが望ましい。この羽ばたき装置の支持構造1では、略球殻状に成形したポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられている。
また、支持構造1には、加速度センサ51および角加速度センサ52が搭載されている。これらのセンサ51、52の検出結果は制御装置4に送られる。制御装置4では、加速度センサ51および角加速度センサ52から送られてくる情報によって羽ばたき装置の浮上の状態を検知する。そして、制御装置4では、その時刻における目的位置および姿勢により左右アクチュエータ21、22の駆動が決定される。
左右アクチュエータ21、22、制御装置4、加速度センサ51および角加速度センサ52は電源6に供給される電流によって駆動される。なお、羽ばたき装置の重心は、羽が流体より受ける力のアクチュエータに対する作用点よりも下に位置している。
(アクチュエータ)
アクチュエータ21、22として、起動トルクが大きいこと、往復運動を確実に実現できること、構造が簡単なことなどから圧電素子(ピエゾ)を用いたものが望ましい。このようなアクチュエータは超音波モータと呼ばれ、圧電素子によって発生した進行波によって駆動する。
図18および図19は、市販の超音波モータ23を示す。図18および図19に示すように、アルミニウムの円盤231の下面には圧電素子230が貼り付けられている。また、円盤231の上面には複数の突起232〜237が配設されている。各突起232〜237は円盤231の中心を重心とする正六角形の頂点の位置にそれぞれ配置されている。
圧電素子230の下面には、円周方向に12分割された電極238が配設されている。各電極は1つおきに電気的に短絡されている。各電極は円盤231を基準に電圧が印加される。これにより、図20に示すように、圧電素子230にはハッチングのある部分とハッチングのない部分との2相の異なる電圧が印加されることになる。
各電極に印加する電圧を時間的に変化させることで、円盤231上には進行波が発生して、突起232〜237の先端部分が楕円運動を行なう。これにより、ロータ239を動かすことができる。超音波モータのステータは上記のように構成される。
この超音波モータ23のトルクは1.0gf・cm、無負荷回転速度は800rpm、最大消費電流は20mAである。円盤231の直径は8mmである。突起232〜237が配置されている間隔は2mmである。円盤231の厚さは0.4mmである。突起232〜237の高さは約0.4mmである。圧電素子230の駆動周波数は341kHzである。
この羽ばたき装置では、この超音波モータのステータ部分を流用したアクチュエータを用いる。図21および図22に示すように、たとえば右アクチュエータ21では、そのようなステータ210とベアリング211によって球殻状のロータ219が挟み込まれて保持されている。なお、ロータ219と接触するステータ210の部分はロータ219の表面と一致するように加工が施されている。
ロータ219は外径3.1mm、内径2.9mmの球殻である。ロータ219の表面部分に右羽主軸311が取付けられている。ステータ210の突起が設けられた面に向かって時計回りにロータ219を搬送させる操作を行なうと、右羽主軸311は図22に示すθの方向に移動する。なお、ステータ210の突起が設けられた面に向かって時計回りの回転を正回転、反時計回りの回転を逆回転とする。
そして、図21および図22に示すように、このロータ219を3自由度をもって駆動するために、さらに、上部補助ステータ212、下部補助ステータ213およびベアリング214、215が配設されている。上部補助ステータ212および下部補助ステータ213のそれぞれの大きさは、ステータ210の大きさの約0.7倍である。
各ステータ210、212、213は、ロータ219を挟んでそれぞれ直交するようには配設されていないが、各ステータ210、212、213により、それぞれ独立した回転をロータ219に与えることができる。これにより、それぞれの回転運動を組合わせることによって、ロータ219を3自由度をもって駆動することができる。
たとえば、ロータ219に対して上部補助ステータ212によって正回転を与え、下部補助ステータ212によって正回転を与えることによって、ロータ219をβ方向に回転させることができる。また、ロータ219に対して上部補助ステータ212によって逆回転を与え、下部補助ステータ212によって正回転を与えることによって、ロータ219をα方向に回転させることができる。
実際の駆動に際して、回転中心の異なる2つの回転を行なわせることは摩擦により超音波モータの効率を低下させることになる。そこで、たとえば上部補助ステータ212と下部補助ステータ213を、ごく短時間の周期でもって交互に動作させ、その間に、動作していないステータの突起をロータ219に接触させないなどの駆動方法を採用することが望ましい。
これには、ステータの電極すべてに、圧電素子の収縮方向に電圧を印加することで、付加的な要素を設けることなく容易に実現することができる。
また、圧電素子の駆動周波数は300kHz以上である。一方、羽ばたき装置の羽ばたき周波数はせいぜい100kHzである。したがって、圧電素子の駆動周波数は、羽ばたき装置の羽ばたき周波数に比べて十分に高速であるので、交互にアクチュエータを動作させても、実質上滑らかな動きを右羽主軸311に与えることができる。
上述したアクチュエータのステータは、実現されており入手可能である。また、アクチュエータに用いられるベアリング類も、たとえばディスクドライブなどの小型の情報機器、または宇宙機器の分野において重量的にこの羽ばたき装置に適用できるものが実用化されている。
また、ステータの発生する進行波の振幅がサブミクロンオーダであるので、ロータはこのオーダの真球度であることが要求される。民生用の光学製品に用いられている放物面鏡の加工精度は光の波長の8分の1程度、すなわち可視領域において用いられている光学製品では70nm以下であり、また、光学干渉計に用いられる光学部品の加工精度は光の波長の100分の1程度、すなわち、数nmのオーダであることから、このようなサブミクロンオーダの真球度を有するロータを既存の加工方法により形成することが可能である。
このようにして、市販の超音波モータと同等の特性を有し3自由度の運動を与えることのできるアクチュエータが構成される。なお、これは、3自由度の運動を羽に与えるアクチュエータを超音波モータによって構成した一例に過ぎず、羽ばたき装置の各構成要素の配置、サイズ、材質および駆動方法などは、羽ばたき飛行に要求される物理的機能、たとえばトルク等が実現できるならばこれに限られるものではない。
(羽とその動作)
次に、羽とその動作について説明する。説明の簡便のため、図17に示すように、羽ばたき装置に固定された座標系(x、y、z)を定義する。すなわち、略球状の支持構造1の略中心(球心)を原点とする。また、重力加速度の方向を下方向、その逆を上方向とする。原点から上方に向かってz軸を定義する。次に、右アクチュエータ21の形状中心と左アクチュエータ22の形状中心を結ぶ方向を左右方向とし、原点から左羽に向かってy軸を定義する。また、原点からy軸とz軸の右手系における外積方向にx軸を定義する。x軸正の方向を前方、x軸負の方向を後方と称する。
また、図17に示す羽ばたき装置では、右羽31の右アクチュエータ21に対する力学的作用点A1と、左羽32の左アクチュエータ22に対する力学的作用点A2の中点A0から、重力加速度方向に下ろした線上に本装置の重心Oが位置する状態である。
この羽ばたき装置の場合、左アクチュエータ22のロータ229は略球状であり、主軸321の延長線上にこのロータ220の球心が位置するように左羽32が配置されている。左アクチュエータ22に対する力学的作用点A2および主軸321の回転運動の支点はこの球心に一致している。右アクチュエータ21についても同様である。
以後、上述したx軸、y軸およびz軸は支持構造1に対して固定された本羽ばたき装置における固有の座標系であるとする。
一方、羽ばたき装置に固定された座標系に対して、空間に固定され任意の点を原点とする空間座標として、x′軸、y′軸およびz′軸を定義する。これにより、羽ばたき装置が移動する空間の座標はx′軸、y′軸およびz′軸のそれぞれの座標を用いて表わされ、羽ばたき装置における固有の座標はx軸、y軸およびz軸のそれぞれの座標を用いて表わされる。
次に、羽の構造について説明する。図23に示すように、たとえば左羽32は主軸321および枝322を有する支持部材に膜323を張ることで形成されている。主軸321は左羽32において前方よりの位置に配置されている。また、枝322は先端部に近づくほど下方に向いている。
左羽32は上に凸状の断面形状を有する。これによって、特に打ち下ろしの際に流体から受ける力に対して高い剛性が得られる。軽量化のため主軸321と枝322は中空構造であり、それぞれカーボングラファイトから形成されている。膜323はその面内において収縮する方向に自発的な張力を有しており、羽全体の剛性を高める働きをしている。
本発明者らが実験に用いた羽の主軸321の直径は、支持構造1に支持された根元の部分では100μm、先端部では50μmであり、主軸321は根元から先端部へ向かって細くなったテーパ形状となっている。また、膜323はポリイミドであり、大きさは前後方向約1cm、左右方向約4cm、厚さは約2μmである。
なお、図23に示された左羽32では、説明のために主軸321はその太さが拡大されている。図示されない右羽31はxz平面を挟んで左羽32と鏡面対称になるように支持構造に取付けられている。
次に、羽の動作について左羽32を例に挙げて説明する。左アクチュエータ22は、左羽32を3自由度をもって回転させることが可能である。つまり、左羽32の駆動状態(羽ばたき状態)は左羽32の姿勢で表わすことができる。以後説明の簡便のため、図17に示された状態に基づき左羽32の姿勢を次のように定義する。
まず、図24に示すように、主軸の回転運動の支点(力学的作用点A2)とx軸およびy軸にそれぞれ平行な軸(//x、//y)を含むxy平面に平行な平面を基準として、点A2と左羽32の主軸321の根元とを結ぶ線分がその平面となす角度を羽ばたきのストローク角θとする。また、主軸の回転運動の支点(力学的作用点A2)とy軸およびz軸にそれぞれ平行な軸(//y、//z)を含むyz平面に平行な平面を基準として、点A2と左羽32の主軸321の根元とを結ぶ線分がその平面となす角度を偏角αとする。
このとき、ストローク角θはxy平面に平行な平面より上方では正とし下方では負とする。また偏角αはyz平面に平行な平面よりも前方では正とし後方では負とする。
そして、図25に示すように、左羽32の主軸321の根元における膜323の接平面p1が、点A2を通りx軸と平行な軸(//x)と主軸321を含む平面p0となす角度を捻り角βとする。このとき、捻り角βは主軸321の根元から先端に向かってみたときに時計回りを正とする。
(浮上方法)
次に、浮上方法について説明する。説明の簡便のため、この羽ばたき装置にかかる外力は、羽が流体から受ける力すなわち流体力と、羽ばたき装置に作用する重力(羽ばたき装置の質量と重力加速度との積)のみであるとする。この羽ばたき装置においても、恒常的に浮上するには1回の羽ばたき動作の間に時間平均して、次の関係、
(羽に作用する鉛直上方向の流体力)>(本羽ばたき装置に作用する重力)
を満たすことが必要とされる。
ここでは、昆虫の羽ばたきを単純化した羽ばたき法により、打ち下ろし時の流体力を、打ち上げ時の流体力より大きくする方法について説明する。説明の簡便のため、流体の挙動もしくはそれが羽に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説明する。また、この羽ばたき法により得られる浮上力と、本羽ばたき装置に作用する重力の大小については後述する。
羽には、羽が運動する方向と逆方向の流体力が作用するので、羽の打ち下ろし時には羽に上向きの流体力が作用し、打ち上げ時には羽に下向きの流体力が作用する。そこで、打ち下ろし時に流体力を大きくし、打ち上げ時には流体力を小さくすることで、1回の羽ばたき動作(打ち下ろし動作と打ち上げ動作)の間で時間平均すると上方向の流体力が得られることになる。
そのためには、まず、打ち下ろし時には羽が移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろせば、羽にはほぼ最大の流体力が作用する。これは、羽の接平面と略垂直に羽を打ち下ろすことに相当する。一方、打ち上げ時には羽が移動する空間の体積が最小になるように打ち上げれば、羽に及ぼされる流体力はほぼ最小となる。これは、羽の断面の曲線にほぼ沿って羽を打ち上げることに相当する。
このような羽の動作について羽の主軸321に垂直な断面図を用いて説明する。まず、図26は羽が移動する空間の体積が最大になるように打ち下ろした場合を示し、図27は羽が移動する空間の体積が最小になるように打ち上げた場合を示す。
図26および図27では、移動前の羽の位置が破線で示され、移動後の羽の位置が実線で示されている。また、羽の移動方向が一点鎖線の矢印によって示されている。さらに、羽に作用する流体力の方向が実線の矢印によって示されている。同図に示すように、流体力は羽の移動方向とは逆向きに羽に作用する。
このように、打ち上げ時における羽が移動する空間の体積が打ち下ろし時における羽が移動する空間の体積よりも大きくなるように羽の姿勢を羽の移動方向に対して変化させて、1回の羽ばたき動作の間の時間平均において、羽に作用する上方向の流体力を羽ばたき装置に作用する重力よりも大きくすることができる。
この羽ばたき装置では、羽の捻り角βを時間的に変化させることによって上述した羽の運動が実現される。
具体的には、次のステップS1〜S4が繰返される。まず、ステップS1では、図28に示すように羽の打ち下ろし(ストローク角θ=+θ0→−θ0)が行なわれる。ステップS2では、図29に示すように羽の回転1(羽の捻り角β=β0→β1)動作が行なわれる。ステップS3では、図30に示すように羽の打ち上げ(ストローク角θ=−θ0→+θ0、捻り角β=β1→β2(流体力を最小限にとどめるための羽の断面の曲線に沿った運動))が行なわれる。ステップS4では、図31に示すように羽の回転2(羽の捻り角β=β2→β0)動作が行なわれる。
ステップS1およびステップS3における羽に作用する流体力を時間平均すると、上向きの流体力が羽ばたき装置に作用する重力よりも大きくなる。ステップS2およびステップS4においても羽に作用する流体力の時間平均が上向きの流体力であることが望ましい。
この羽ばたき装置では、図28〜図31に示すように、羽の前縁近傍に羽の回転中心(主軸321部分)が位置している。つまり、主軸321から羽の後縁までの長さの方が主軸321から羽の前縁までの長さよりも長くなっている。このため、図29および図31に示すように、羽の回転動作においては羽の回転方向に沿って生じる流体の流れに加えて、主軸321から羽の後縁に向かう方向に沿って流体の流れが生じることになる。
そして、羽にはこのような流体の流れの反作用としてそれぞれの流れの向きとは逆向きの力が作用することになり、図29に示すステップS2では実質的に上向きの流体力が羽に与えられ、図31に示すステップS4では主に下向きの流体力が羽に与えられることになる。
図30に示すステップS3では、羽の断面の曲線に沿うように捻り角βをβ1からβ2に変化させながら打ち上げ動作が行なわれる。また、図29に示すステップS2における羽の回転角は図31に示すステップS4における羽の回転角よりも大きい。これにより、ステップS2およびステップS4においても羽に上向きに作用する流体力が下向きに作用する流体力よりも勝って、時間平均すると上向きの流体力が羽に作用することになる。
なお、図28〜図31では、それぞれのステップS1〜S4における羽の移動前の姿勢が破線で示され、移動後の姿勢が実線で示されている。各ステップS1〜S4における羽の移動方向が一点鎖線の矢印によって示されている。また、各ステップS1〜S4において主に発生する流体の流れが実線の矢印によって示されている。
次に、ストローク角θおよび捻り角βの値を時間の関数として表したグラフを図32に示す。ただし、図32ではストローク角θおよび捻り角βのそれぞれの縦軸の比率は異なっている。
本発明者らの行なった実験においては、θ0はたとえば60°である。β0はたとえば0°である。β1はたとえば−120°である。β2はたとえば−70°である。
上述した説明では、説明の簡便のためステップS1〜S4は独立した動作としたが、たとえばステップS1において羽を打ち下ろしながら羽の捻り角を大きくしていくような動作も可能である。また、上述した例は第1近似的な考察から説明されるものであり、実際に浮上可能な羽ばたき方法はこれに限られるものではない。
また、ここでは左羽について説明したが、右羽についてもxz平面に関して鏡面対称に左手系に基づくストローク角θ、偏角αおよび捻り角βを定義すれば同一の議論が成立する。以下、羽に作用する上向きの流体力を浮上力とし、羽に作用する前向きの流体力を推進力とする。
(制御方法)
次に、羽ばたき装置に任意の運動を行なわせる制御方法について説明する。ここでは、本羽ばたき装置の左羽については右手形に基づくストローク角θ、偏角αおよび捻り角βを用い、そして、右羽についてはxz平面に対して鏡面対称の左手形に基づくストローク角θ、偏角αおよび捻り角βを用いて羽の姿勢を示す。
(制御フロー)
羽ばたきによる浮上移動は羽にかかる流体力によって行なわれるので、羽の運動により直接制御されるのは、本羽ばたき装置に与えられる加速度と角加速度である。
まず、Sを目標とする浮上状態と現在の浮上状態との差異、T(S)を浮上状態から加速度、角加速度への変換を表わす関数、sを加速度、角加速度Fα(s)を、加速度センサ51、角加速度センサ53のセンサ応答を含めた制御アルゴリズムを表わす関数、sαをアクチュエータ制御量、GW(sα)をアクチュエータと羽の応答を表わす関数、sWを羽の運動、GfS(sW)を羽の運動により本羽ばたき装置に及ぼされる加速度もしくは角加速度seを表わす関数、Seがこの一連のプロセスにより行なわれる浮上状態の変更とすると、入力Sより出力Seが得られるプロセスは図37に示すようなものとなる。
また、実際には、羽と流体の慣性力により、現在までの羽の運動、流体の運動の時刻歴に依存する影響RWとRfSがGWとGfSに加わることになる。
(動作分割)
当然、Fα以外のすべての関数を正確に求め、これによりS=Seとなる制御アルゴリズムFαを算出する手法もあり得るが、本羽ばたき装置周囲の流体の流れと羽の運動の時刻歴が必要であり、膨大なデータ量と演算速度を必要とする。また、流体と構造の連成した挙動は複雑で、多くの場合カオティックな応答になってしまうため、実用的でない。
そこで、予め基本的な動作パターンを用意しておき、目標とする浮上状態を分割してこれらの基本動作パターンを時系列にて組合わせて実現する手法が簡便で望ましい。
物体の運動にはx方向、y方向、z方向の3自由度の並進自由度と、θx方向、θy方向、θz方向の3自由度の回転自由度、つまり6自由度が存在する。すなわち、前後、左右、上下、そしてこれらの方向を軸とする回転である。
このうち、左右への移動は、θz方向の回転と前後方向への移動を組合わせて行なうことができる。そこで、ここでは、前後方向、すなわちx軸方向への並進移動、上下方向、すなわちz軸方向への並進動作、また、x軸、y軸、z軸回りの回転動作についてそれぞれ実現方法を説明する。
(動作)
(1) 上下方向(z軸方向)の動作
羽が移動することで、羽が流体から受ける力は羽の移動速度に依存するので、羽に及ぼされる上向きの流体力を大きく(小さく)するには、
A:ストローク角θの振幅を大きく(小さく)する
B:羽ばたき周波数を大きく(小さく)する
などの方法がある。これらによって本羽ばたき装置は上昇(下降)することができる。ただし、流体力には負の値も含まれる。
なお、これらの手法によれば、羽が流体から受ける流体力そのものが大きくなるので、羽が流体力を上下方向以外から受けることによって、羽の力学的支点に羽から上下方向以外の力が及ぼされている際には、上昇とともにその方向へこの支点にかかる力の増加も伴う。たとえば、前方にほぼ等速直線運動を行なっている際に、羽ばたき周波数を大きくすると、本羽ばたき装置は速度増加を伴って上昇する。このように、現時点での羽ばたき方によって、副次的にこういった他の運動を伴うが、以後特に断らない限り、停空状態からの制御について説明する。
また、羽の捻り角βを変えて、羽が移動する空間の体積を変化させることによっても浮上力は変化する。たとえば、打ち上げ時における羽が移動する空間の体積がより大きく、もしくは、打ち下ろし時における羽が移動する空間の体積がより小さくなるようなβを与えることで、羽に作用する上向きの流体力の時間平均は小さくなる。
実際には、羽は剛体ではなく変形を伴うため、同一のβによっても羽が移動する空間の体積は変化するが、第1原理的には、羽の移動する方向に垂直なβが最も大きな羽が移動する空間の体積を与える。また、羽が移動する方向に平行なβが最も小さな羽が移動する空間の体積を与える。
なお、この場合、副次的に、羽ばたきと垂直方向にも流体力が作用するため、これが制御上支障を生じるレベルである場合はこれを打ち消す羽の動きを付加する必要がある。最も単純には偏角αの変更により実現できる。
また、前記のステップS2もしくはステップS4において羽の回転角速度を変化させることによってもz軸方向の動作を行なうことは可能である。たとえば、ステップS2において羽の回転角速度(−dβ/dt)を大きくすると、この回転によって生じる流体の下方向への流速が大きくなるため、この反作用によって羽に作用する上向きの流体力が大きくなる。
なお、この場合、本羽ばたき装置に及ぼされる、羽の主軸を回転軸とするトルクが副次的に変化する。よって、この変化が制御上支障ない範囲に収まる範囲内でこの回転角速度変化を行なうことが望ましい。
また、この場合、本羽ばたき装置に及ぼされる、前後方向への力も副次的に変化する。よって、この変化が制御上昇に支障をきたす場合は、(2)として後述する前後方向への力の制御も同時に行なうことが望ましい。
(2) 前後方向(x軸方向)の動作
前述した羽ばたき方法では、主にステップS2とステップS4にて、x方向の向きへの流体力が羽に作用する。したがって、この羽の動かし方においては前進を伴い浮上する。
また、打ち下ろしの際に偏角αを増加し羽を前方に移動させることで、羽には後向きの流体力が作用することになる。したがって、打ち下ろしの際の、すなわち、ステップS1における偏角αを制御して、ステップS1における羽に作用する後向きの流体力を他の主にステップS2とステップS4における前向きの流体力よりも大きくすれば後退し、小さくすれば前進することができる。また、この2力がほぼ釣り合えば前後方向に静止することができる。
特に、本羽ばたき装置が前後方向に静止しており、左右の羽がほぼ対称な運動を行ない、重力と本羽ばたき装置における浮上力が釣り合っているならば、ホバリング状態が実現できる。
なお、偏角αの変更に伴い副次的に、羽に及ぼされる流体力の鉛直方向成分が変化するので、これが制御上支障を生じるレベルにある場合にはこれを打ち消す羽の動きを付加する必要がある。これは、主に、前述の(1)の上下方向の動作によって行なうのが簡便である。
さらに、前述したステップS2とステップS4において羽の回転動作の角速度を大きくすると前向きの流体力が増加し、小さくすると減少する。これによっても前後方向の動作を変化させることができる。
また、(1)に述べた羽の捻り角βの変更に伴う副次的な流体力のうち、x軸方向成分を利用する手法も可能である。つまり、打ち下ろし時にβ>0なら前方向への、β<0なら後方向への力が働く。
なお、打ち上げ時のβ、α、θの関係はある程度拘束されているが、以上の流体力の制御はステップS3においても可能である。
(3) z軸を回転軸とする回転動作
(2)において述べた前後方向への制御を、左羽と右羽について個別に行ない、これを異ならせることで本羽ばたき装置にトルクを与えることができる。
すなわち、右羽の前向きの流体力を左羽のそれに対して高くすれば本羽ばたき装置はx軸正の向きに向かって左方向を向き、低くすれば同じく右方向を向く。
(4) x軸を回転軸とする回転動作
(3)と同様に、右羽の上向きの流体力を左羽のそれに対して大きくすれば右側が持ち上がり、小さくすれば左側が持ち上がる。これによって、x軸を回転軸とする回転動作を行なわせることができる。
(5) y軸を回転軸とする回転動作
(2)に述べた、羽の捻り角βの角速度変更によって、本羽ばたき装置にかかるy軸回りのトルクを変化させることができる。これにより、y軸を回転軸とする回転動作を行なうことができる。たとえば、ステップS1における捻り角βの回転角速度を大きくすると本羽ばたき装置は機首を下げ、逆に小さくすると機首を上げる。
(6) ホバリング(停空飛翔)
羽ばたき装置を停空させる際のストローク角θおよび偏角αならびに捻り角βの値を時間の関数として表わしたグラフを図33に示す。ただし、図33ではそれぞれの角度の縦軸の比率と異なっている。
本発明者らが行なった実験においては、θ0はたとえば60°である。β0はたとえば−10°である。α1はたとえば30°である。β1はたとえば−100°である。β2はたとえば−60°である。
各ステップにおける左羽の運動とそれにより左羽の力学的支点A2に生じる加速度、角加速度を図38に示す。ただし、(3)(4)のx軸、z軸を回転軸とする回転動作については略してある。これらは、前述のとおり、左右の羽の運動の非対称によって起こされる。
(制御方法決定手法)
現在の浮上状態は、図35に示すように、羽ばたき装置に搭載された加速度センサ51や角加速度センサ52が取得した値を適宜変更した値を用いて求められる。たとえば、速度は、加速度を時間積分した値に速度の初期値を与えることで求められる。また、位置は、速度を時間積分した値に位置の初期値を与えることで求められる。なお、浮上状態に、浮上状態の時刻歴を含む手法も可能である。
図34に示すように、制御装置4は、加速度センサ51および角加速度センサ52から得られる現在の浮上状態と目的とする浮上状態から、本羽ばたき装置の動作を決定する。この制御は、三次元で行なわれる点以外は従来から行なわれている制御手法を適用することができる。
本羽ばたき装置の動作は、制御装置4にて、アクチュエータの駆動に変換される。この変換には、テーブル参照、もしくはその補完を用いるのが高速である。たとえば、図39に示すように、基本となる動作と、それを実現するアクチュエータの駆動の組合せを予め用意しておく。なお、図39の左端列は目的とする動作、羽ばたきにおけるAとBは、Aは前進時の羽ばたき方、Bは停空時の羽ばたき方であり、より具体的にはそれぞれ図32、図33にグラフで示されるα、β、θの時刻歴を時間的に離散化したものである。制御装置4は、本羽ばたき装置の動作から、この駆動もしくはその補完した駆動をこのテーブルより算出する。
ここでは、説明のため一旦本羽ばたき装置の動作を算出し、これをアクチュエータの駆動に変換するという手法を用いたが、浮上状態から直接アクチュエータの駆動を選択する手法も可能である。
たとえば、定位制御を行なう場合、現在位置と目標位置との差によって、上述したアクチュエータの駆動のいずれかもしくはそれを補完した駆動を直接算出する手法も可能である。
また、当然、羽ばたき装置の浮上状態を表わす物理量はここに示した位置、速度、加速度などに限らない。
また、当然、アクチュエータの駆動を決定する手法はこの態様に限らない。
上述した制御方法を用いることで、羽ばたき装置は変更を適宜行ないながら目的位置へ到達することができる。
(浮上可能重量)
本発明者らの羽ばたき装置では、ステータ210は超音波モータ23と同等であるので、θ方向の運動に対するトルクは1.0gf・cmである。そこで、本発明者らは、シミュレーションによりこのトルクをもって羽ばたいた場合の流体力を求めた。
羽の大きさを長辺4cm×短辺1cmの矩形とした。なお、長辺はアクチュエータから離れる方向とした。また、羽の変形を無視した。幅8mm、長さ33mmのトンボの羽の質量が約2mgであったので、この値に基づいて羽の質量を3mgとした。
また、超音波モータは、突起の先端部分の微小な楕円運動によってロータを駆動するため、実際の駆動トルクの立ち上がり立下りは楕円運動の周期のオーダ、すなわち、100kHzのオーダであるが、計算の安定性の制約から、±250gf・cm/secであるとした。
この羽に対して、一方の短辺をこの辺を回転軸とする回転自由度のみを残して固定し、この回転軸にトルクを与え、この回転軸に作用する反力を算出した。その結果を図36に示す。なお、偏角αは0°であり、捻り角βも0°である。
図36に示すように、時刻0秒においては、羽は水平(ストローク角θ=0°)である。時刻0秒から時刻0.004秒までの間に、トルクの値を1gf・cmまでほぼ直線的に増加させる。時刻0.004秒から時刻0.01秒の間では、トルクの値を1gf・cmに保つ。時刻0.01秒から時刻0.018秒までの間に、トルクの値を1gf・cmから−1gf・cmまでほぼ直線的に変化させる。時刻0.018秒から時刻0.03秒の間では、トルクの値を−1gf・cmに保つ。時刻0.03秒から時刻0.038秒までの間に、トルクの値を−1gf・cmから1gf・cmまでほぼ直線的に変化させる。
このようなトルクを与えることによって得られる接点反力の、打ち下ろしの間の時間平均は約0.29gfであった。打ち下ろしの間とはトルクが負である時間であり、具体的には時刻0.014秒から時刻0.034秒までの間である。
このシミュレーションは1自由度の羽ばたき運動における結果であるため、打ち上げ時における流体力の作用は不明である。しかしながら、断面積に比べて流体の抵抗は減少するので、打ち上げ時に作用する下向きの支点反力は小さいこと、そして、その力が作用する時間は比較的短いこと、さらに、打ち下ろし以外にも羽の回転などを用いて浮上力が得られることから、1gf・cmのトルクを有するアクチュエータを用いて、0.29g程度の質量のものを浮上させることは可能であるといえる。
すなわち、本羽ばたき装置の全体の質量を0.58g以下に抑えることで、羽ばたき装置は浮上することができる。以下、羽ばたき装置の質量について検討する。
まず、ステータ210は、その電極と圧電素子が薄いことで、比重2.7、厚さ0.4mm、半径4mmの円盤と同等である。これにより、ステータ210の質量は0.054gである。また、補助ステータの質量は、ステータの直径がステータ210の直径の0.7倍であることから0.019gである。
3つのベアリングはいずれも外径4.2mm、内径3.8mmおよび厚さ0.4mmのドーナツ状のボールベアリングである。ベアリングを構成する材質は比重4.8のチタンであり、約30%の空隙があるため、ベアリングの質量は約0.013gである。
また、ロータ219の材質はアルミニウムであり、壁央半径3mm、厚さ0.2mmであることから、ロータ219の質量は約0.061gである。これらを合計すると、アクチュエータ21の質量は0.192gである。
また、羽の質量は前述したように0.003gである。羽ばたき装置全体では、上記アクチュエータと羽が左右にそれぞれ1つずつ設けられているので、羽ばたき装置全体ではこれらの質量は0.390gとなる。
さらに、この羽ばたき装置の支持構造1は、直径1cm、比重0.9、厚さ0.1mmの球体であることから、支持構造1の質量は約0.028gとなる。
また、制御装置4、加速度センサ51および角加速度センサ52はそれぞれ5mm×5ミリの半導体ベアチップから形成され、質量はいずれも約0.01gである。したがって、制御装置4、加速度センサ51および角加速度センサ52を合わせた質量は約0.03gとなる。そして、羽ばたき装置に搭載される電源6の質量は0.13gである。
以上より、羽ばたき装置の質量の合計は0.578gとなる。1対の羽により浮上力は0.58gfであるので、この羽ばたき装置は浮上することが可能になる。
なお、電源6には以下に説明する重量パワー密度が要求される。まず、この羽ばたき装置の左右アクチュエータにおける最大消費電力は合計40mAである。電源電圧は3Vである。電解質重量が0.1gであるので、電源6には0.12W/0.1g、すなわち1200W/kgの重量パワー密度が要求される。
たとえば、市販品のリチウムイオンポリマー2次電池の重量パワー密度は約600W/kgである。この値は携帯電話などの情報機器に用いられている重量10g以上の製品についてのものである。
一般に、電解質重量に対する電極面積の比は電源のサイズに反比例する。この羽ばたき装置に搭載される電源6は、上述した情報機器などに用いられている2次電池の10倍上の電極面積比を有する。したがって、この電源6はそのような2次電池の約10倍の重量パワー密度を有することができ、上述した重量パワー密度を有することが可能である。電源6の電解質重量を約0.1gとすると、この羽ばたき装置においては約7.5分の飛行が可能になる。また、燃料電池等には、リチウムイオンポリマー2次電池よりも高い重量パワー密度を達成できるものもあり、当然、これらを利用することも、たとえば、質量といった条件が飛行可能な範囲ならば可能である。
また、羽の羽ばたき動作により熱が発生することが懸念される。たとえば、アクチュエータを構成する材質がアルミニウムであるとし、その比熱を0.215cal/(g・℃)とすると、アクチュエータの質量は0.192gであるので、アクチュエータに供給されるエネルギーがすべて熱に変換(エネルギー変換効率0%)されたとしても0.35℃、また、供給されるエネルギーの70%が熱に変換されたとしても0.24℃の温度上昇になる。
実際には、羽ばたき装置において発生した熱は、羽ばたき装置から放出されることになる。たとえば、厚さ約6mmの光ディスクの場合、光ディスク面に6mW程度のレーザ光を連続照射させた場合、光ディスク表面上の約1μm×10μm程度の楕円領域では平均約100℃程度まで上昇するが、表面から数十μmの深さの位置ではほとんど光ディスクが置かれている周囲の温度程度まで下がっていることがわかっている。
このことから、60mW程度のエネルギーでは、ミリメートルオーダのアクチュエータを1℃上昇させることすらありえないと考えられる。
(その他)
図17に示すように、この羽ばたき装置では支持構造1として略球殻状に成形したポリエチレンテレフタレート(PET)を例に挙げて説明したが、材料や形状はこれに限られるものではない。また、アクチュエータの配置や羽の形状についても飛行の性能を損なわないならば、図17に示すものに限られない。
特に、この羽ばたき装置では安定性を重視して自然に図17に示す姿勢となるように、重心を羽の力学的作用点よりも下に位置させたが、重心と力学的作用点の位置を一致させる方が姿勢制御に必要な左右の羽の流体力の差が最も小さくて済むので、羽ばたき装置の姿勢を容易に変更することができる。
また、本羽ばたき装置では、加速度センサと角加速度センサにより羽ばたき装置の位置と姿勢を検出するものとしたが、羽ばたき装置の位置と姿勢が計測可能な手段であるならば上述したセンサに限られない。
たとえば、互いに直交する3軸方向の加速度を測定することが可能な少なくとも2つの加速度センサを支持構造1の異なる位置にそれぞれ配置させて、その加速度センサから得られる加速度情報に基づいて羽ばたき装置の姿勢を算出することも可能である。また、羽ばたき装置が移動する空間内に磁場分布を設けておき、磁気センサによりこの磁場分布を検知することで羽ばたき装置の位置と姿勢を算出する方法も可能である。
また、加速度センサ51、角加速度センサ52をはじめとするセンサ類は、制御装置4とは別部品として示されているが、軽量化の観点から、マイクロマシニング技術により制御装置4と一体で同一のシリコン基板上に形成してもよい。
また、本羽ばたき装置では羽の駆動をオープンループ制御としているが、羽の付け根に羽の角度センサを設け、この角度センサから得られる角度情報によりクローズドループ制御を行なうことも可能である。
さらに、浮上する空間における流体の流れが既知であり、予め定められた羽ばたき方法によって浮上することが可能ならば、ここに挙げたセンサ類は必須ではない。
また、この羽ばたき装置では進行波を用いた超音波素子によって直接羽を駆動させたが、羽を駆動する構造やアクチュエータの種類についても、上述したものに限られない。たとえば、特開平5−169567号公報に記載されているように、外骨格構造とリニアアクチュエータを組合わせて用いた羽ばたき構造も可能である。
また、駆動エネルギーとして電力を用いたが、内燃機関を用いることも可能である。さらに、昆虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応を用いたアクチュエータも用いることが可能である。あるいは、アクチュエータの駆動エネルギーを外部から取得する方法も可能である。たとえば、電力については熱電素子、電磁波などが挙げられる。
上述した実施の形態1および実施の形態2に係る羽ばたき装置によれば、地面を離れて浮上することができるので、段差を乗り越える能力と隙間を通り抜ける能力とのトレードオフが存在しなくなる。
たとえば、家庭環境において一般的な住人の目の高さ程度(1.5m程度)に位置する障害物は、大型の家具や空調機等のようにほとんどその位置が固定されている。また、空調機や照明器具などは壁面や天井に固定されており、これらが移動することはほとんどない。
したがって、障害物が少なく障害物の位置がほとんど変化しない領域(空間)にまで羽ばたき装置が浮上することで、羽ばたき装置は障害物に阻まれることなく家庭内を隈なく自由に移動することができる。また、浮上することで比較的小型の羽ばたき装置でも高い段差や障害物を乗り越えることができる。
そして、上述したように、羽ばたき装置は空中で静止(ホバリング)等が可能であるので、家庭などのように比較的狭く障害物の多い空間を移動するのに適している。これにより、たとえば家庭内の状況を把握するなどの所定の作業を容易に行なうことができる。
さらに、昆虫の自由な飛行に見られるように、羽の偏角や捻り角等を変化させることで、すばやく羽ばたき装置の移動方向を変えることができ、たとえばヘリコプターよりも機動性に優れている。
また、羽ばたき装置は、その浮上力がその体積に直接は依存しないため、気球などのように浮上力が体積に比例する移動装置に比べて小型化に適している。
さらに、この羽ばたき装置は屋外においても利用することができ、屋外の地形や障害物に邪魔されることなく移動することができ、たとえば、災害地等において人が容易に近づけない場所の情報収集を容易に行なうことができる。
本発明に係る移動装置によれば、羽部の羽ばたき動作において打ち下ろし動作および打ち上げ動作の間の時間平均では、羽部が流体から受ける力のうち鉛直上向きの力が浮上本体部に作用する重力よりも大きくなることで、浮上本体部に浮力が与えられることになる。その結果、浮上本体部は地面に接することなく移動することができる。
浮上本体部に浮力を与えるためには、打ち下ろしの動作の際に羽部が移動する空間の体積は打ち上げの動作の際に羽部が移動する空間の体積よりも大きいことが望ましく、たとえば、浮力と浮上本体部に作用する重力とを釣り合わせることで地面から離れた状態で空間に留まる停空飛翔(ホバリング)も可能になる。
このような浮上本体部は、屋内において所定の作業を行なうための移動手段として用いられること、または、屋外において所定の作業を行なうための移動手段として用いられることが望ましい。
浮上本体部は浮力を得て地面を離れて移動することができるので、たとえば家具等のさまざまな物体が置かれ、そして、そのような物体の位置が時間的に変化する屋内において、そのような障害物を避けて移動することができて各部屋の状況把握等の所定の作業を容易に行なうことができる。また、屋外においては、たとえば災害地における障害物や一般のフィールドなどにおける地形等に左右されることなくに移動することができて情報収集等の所定の作業を容易に行なうことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係る羽ばたき装置を示す図であり、(a)はその部分正面図であり、(b)はその部分側面図である。 同実施の形態において、羽ばたき運動と羽ばたき運動の位相との関係を示すグラフである。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第1の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第2の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第3の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第4の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第5の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第6の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第7の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第8の状態を示す図である。 同実施の形態において、一変形例に係る羽ばたき装置を示す正面模式図である。 同実施の形態において、他の変形例に係る羽ばたき装置を示す正面模式図である。 同実施の形態において、さらに他の変形例に係る羽ばたき装置を示す正面模式図である。 同実施の形態において、図1に示す羽ばたき装置の構造を示す平面模式図である。 同実施の形態において、羽に作用する力および各角度のそれぞれの羽ばたき運動の位相に対する変化を示す第1のグラフである。 同実施の形態において、羽に作用する力および各角度のそれぞれの羽ばたき運動の位相に対する変化を示す第2のグラフである。 本発明の実施の形態2に係る羽ばたき装置の構造を示す正面図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置に用いられるアクチュエータを説明するための超音波モータを示す一平面図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置に用いられるアクチュエータを説明するための超音波モータを示す一側面図である。 同実施の形態において、図18および図19に示された超音波モータの動作を説明するための図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置に用いられるアクチュエータの構成を説明するための第1の図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置に用いられるアクチュエータの構成を説明するための第2の図である。 同実施の形態において、羽を示す拡大斜視図である。 同実施の形態において、ストローク角θと偏角αを示す図である。 同実施の形態において、捻り角βを示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における打ち下ろし動作を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における打ち上げ動作を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第1の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第2の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第3の状態を示す図である。 同実施の形態において、羽ばたき装置における羽ばたき動作の第4の状態を示す図である。 同実施の形態において、ストローク角θおよび捻り角βの時間依存性を示す第1のグラフである。 同実施の形態において、ストローク角θおよび捻り角βの時間依存性を示す第2のグラフである。 同実施の形態において、羽ばたき装置におけるデータの流れを示すフローチャートである。 同実施の形態において、羽ばたき装置における主要構成部分を示すブロック図である。 同実施の形態において、羽ばたきのトルク、羽の移動(ストローク角θ)および支持反力の時間変化を示すグラフである。 羽ばたき浮上制御の制御関数を説明するための説明図である。 左羽の羽ばたかせ方の変化と、それに伴って起きる浮上状態の変化とを対応づけた対応表の図である。 羽ばたき浮上の基本動作を実現するための羽ばたかせ方のパターンを示した対応表の図である。 本実施の形態において、前羽軸と後羽軸の先端方向が、互いに平行な位置から角度εだけ外側を向いている場合の、2本の羽軸の関係を示す図である。
符号の説明
1 支持構造、21 右アクチュエータ、22 左アクチュエータ、31 右羽、32 左羽、311 右羽主軸、312 右羽枝、313 右羽膜、321 左羽主軸、322 左羽枝、323 左羽膜、4,41 制御装置、51 加速度センサ、52 角加速度センサ、6 電源、101,102,301,302,401 回転型アクチュエータ、103,303,712 前羽軸、104,304,713 後羽軸、105,305,404,504,700 胴体部、106,306,714 羽の膜、107,307 羽の先端部、201 前羽軸の振幅、202 後羽軸の振幅、402 回転中心、403,503,603 羽軸、501,601 リニアアクチュエータ、502,602 ヒンジ、603 上面胴体部、604 下面胴体部、701 超音波センサ、702 赤外線センサ、703 加速度センサ、704 角加速度センサ、705 羽ばたき制御部、706 アクチュエータ、707 重心制御部、708 メモリ部、709 通信制御部、710 アンテナ部、711 電源部、901 前羽軸、902 後羽軸、903 前羽軸の振動軸、904 後羽軸の振動軸、905 羽軸の付け根、906 羽軸先端。

Claims (15)

  1. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、かつ、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との位相差を変化させる機能を有する、移動装置。
  2. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記羽部の前記打ち下ろし時の前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との位相差を前記ホバリング時より大きくすること、および、前記羽部の前記打ち上げ時の前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との位相差を前記ホバリング時より小さくすることのうち少なくともいずれか一方によって、前記移動装置を前進または後退させる、移動装置。
  3. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記羽部の前記打ち下ろし時の前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との位相差を前記ホバリング時より小さくすること、および、前記羽部の前記打ち上げ時の前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との位相差を前記ホバリング時より大きくすることのうち少なくともいずれか一方によって、前記移動装置を後退または前進させる、移動装置。
  4. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、
    羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、
    前記駆動部は、前記一方側羽軸部を一方の回転軸まわりに所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、前記他方側羽軸部を他方の回転軸まわりに所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、前記一方の回転軸および前記他方の回転軸の少なくともいずれか一方と直交する仮想の平面と前記胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす羽ばたき仰角を変化させる機能を有する、移動装置。
  5. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部を一方の回転軸まわりに所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、
    前記他方側羽軸部を他方の回転軸まわりに所定の一方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記一方の回転軸および前記他方の回転軸の少なくともいずれか一方と直交する仮想の平面と前記胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす羽ばたき仰角を変化させる機能を有し、
    前記羽部の羽ばたき仰角を前記ホバリング時より大きくすること、および、前記羽部の羽ばたき仰角を前記ホバリング時より小さくすることのうち少なくともいずれか一方によって、前記移動装置を前進または後退させる、移動装置。
  6. 前記駆動部は、前記移動装置を前進または後退させるときには、前記羽部の羽ばたき周波数または羽ばたき角の振幅が変更されるように、前記一方側羽軸部および前記他方側羽軸部を駆動する、請求項2または3に記載の移動装置。
  7. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、さらに
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部を所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、
    前記他方側羽軸部を所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記一方のアクチュエータおよび前記他方のアクチュエータのそれぞれの往復運動の周波数を増加させ、前記羽部の羽ばたき周波数を前記ホバリング時の前記羽部の羽ばたき周波数よりも上げることによって、前記移動装置を上昇させる、移動装置。
  8. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備え、ホバリングが可能な移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記駆動部は、前記羽軸部を駆動させることにより前記羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、さらに
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部を所定の一方の平面に沿って回動させる一方のアクチュエータと、
    前記他方側羽軸部を所定の他方の平面に沿って回動させる他方のアクチュエータとを含み、
    前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記一方のアクチュエータおよび前記他方のアクチュエータのそれぞれの往復運動の周波数を減少させ、前記羽部の羽ばたき周波数を前記ホバリング時の前記羽部の羽ばたき周波数よりも下げることによって、前記移動装置を下降させる、移動装置。
  9. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記羽部は、羽本体部と前記羽本体部を支持する羽軸部とを有し、
    前記羽軸部は一方側羽軸部と他方側羽軸部とを含み、
    前記羽本体部は、前記一方側羽軸部と前記他方側羽軸部との間を渡すように形成された膜部を含み、さらに
    前記駆動部は、
    前記一方側羽軸部および前記他方側羽軸部を独立して駆動させることにより前記一方側羽軸部の先端と前記他方側羽軸部の先端を結ぶ仮想線と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させることが可能であり、
    前記打ち上げ動作から前記打ち下ろし動作への変化点、および、前記打ち下ろし動作から前記打ち上げ動作の変化点の前後で、前記捻り角を変化させる、移動装置。
  10. 流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、
    流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、
    前記左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、
    前記右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、前記左羽部および前記右羽部が取付けられ、前記左駆動部および前記右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、
    前記右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有し、
    前記左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、
    前記右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含み、
    前記左羽本体部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、
    前記右羽本体部は、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含み、さらに
    前記左駆動部は、
    前記一方側左羽軸部を所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、
    前記他方側左羽軸部を所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、
    前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記右駆動部は、
    前記一方側右羽軸部を所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、
    前記他方側右羽軸部を所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、
    前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記一方の左アクチュエータおよび前記他方の左アクチュエータの駆動力と前記一方の右アクチュエータおよび前記他方の右アクチュエータの駆動力とに差を持たせ、前記左羽部の推力と前記右羽部の推力とに差を有する状態にすることによって、前記移動装置を左または右へ旋回させる、移動装置。
  11. 流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、
    流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、
    前記左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、
    前記右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、前記左羽部および前記右羽部が取付けられ、前記左駆動部および前記右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、
    前記右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有し、
    前記左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、
    前記右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含み、
    前記左羽本体部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、
    前記右羽本体部は、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含み、さらに
    前記左駆動部は、
    前記一方側左羽軸部を所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、
    前記他方側左羽軸部を所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、
    前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記右駆動部は、
    前記一方側右羽軸部を所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、
    前記他方側右羽軸部を所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、
    前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記一方の左アクチュエータおよび前記他方の左アクチュエータの回転角と前記一方の右アクチュエータおよび前記他方の右アクチュエータの回転角とに差を持たせ、前記右羽部の羽ばたき角と前記左羽部の羽ばたき角とに差を持たせることによって、前記移動装置を右または左へ旋回させる、移動装置。
  12. 流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、
    流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、
    前記左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、
    前記右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、
    前記左羽部および前記右羽部が取付けられ、前記左駆動部および前記右駆動部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、
    前記左駆動部は、前記左羽軸部を駆動させることにより前記左羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有し、
    前記右駆動部は、前記右羽軸部を駆動させることにより前記右羽本体部の先端部と仮想の所定の基準面とのなす捻り角を変化させ、
    前記左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側右羽軸部とを含み、
    前記左羽本体部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との間を渡すように形成
    された左膜部を含み、
    前記左駆動部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含み、
    前記右羽本体部は、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含み、
    前記右駆動部は、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記左駆動部および前記右駆動部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との位相差と、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との位相差とに差を持たせることによって、前記移動装置を右または左へ旋回させる、移動装置。
  13. 流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、
    流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、
    前記左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、
    前記右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、前記左羽部および前記右羽部が取付けられ、前記左駆動部および前記右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、
    前記右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有し、
    前記左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、
    前記右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含み、
    前記左羽本体部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、
    前記右羽本体部は、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含み、さらに
    前記左駆動部は、
    前記一方側左羽軸部を一方の左回転軸まわりに所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、
    前記他方側左羽軸部を他方の左回転軸まわりに所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、
    前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記右駆動部は、
    前記一方側右羽軸部を一方の右回転軸まわりに所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、
    前記他方側右羽軸部を他方の右回転軸まわりに所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、
    前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記一方の左回転軸および前記他方の左回転軸の少なくとも一方と直交する仮想の平面と前記胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす左羽ばたき仰角を変化させる機能を有し、かつ、前記一方の右回転軸および前記他方の右回転軸の少なくとも一方と直交する仮想の平面と前記胴体部における前後方向に延びる仮想の軸とがなす右羽ばたき仰角を変化させる機能を有し、
    前記右羽ばたき仰角と、前記左羽ばたき仰角とに差を持たせることによって、前記移動装置を右または左へ旋回させる、移動装置。
  14. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部と、
    前記羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための駆動部と、
    前記羽部が取付けられ、前記駆動部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記移動装置は、該移動装置の重心をずらすための重心制御部を含み、
    該重心制御部は、前記重心をずらすことによって、前記移動装置を右または左に旋回させ、
    当該移動装置は、ホバリングをすることが可能であり、
    前記駆動部は、前記移動装置を右または左に旋回させるときには、前記重心制御部が重心をずらしたことに伴って、前記羽部の羽ばたき周波数を、前記ホバリング時の前記羽部の羽ばたき周波数よりも大きくし、
    前記羽部は、左羽部と右羽部とを有し、
    前記駆動部は、前記左羽部を駆動する左駆動部と前記右羽部を駆動する右駆動部とを有し、
    前記左駆動部および前記右駆動部を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記左駆動部と前記右駆動部とを互いに独立して制御することにより、前記左羽部の羽ばたき周波数と前記右羽部の羽ばたき周波数とを互いに独立して制御でき、かつ、前記移動装置を右または左に旋回させるときに、前記重心制御部が重心をずらしたことに伴って、前記左羽部の周波数と前記右羽部の周波数とが同一になるように、前記左駆動部および前記右駆動部を制御する、移動装置。
  15. 流体が存在する空間を羽ばたくための左羽部と、
    流体が存在する空間を羽ばたくための右羽部と、
    前記左羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記左羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための左駆動部と、
    前記右羽部を上方から下方に向かって打ち下ろす打ち下ろし動作と、前記右羽部を下方から上方に向かって打ち上げる打ち上げ動作とを行なうための右駆動部と、前記左羽部および前記右羽部が取付けられ、前記左駆動部および前記右羽部が搭載される胴体部とを備えた移動装置であって、
    前記左羽部は、左羽本体部と前記左羽本体部を支持する左羽軸部とを有し、
    前記右羽部は、右羽本体部と前記右羽本体部を支持する右羽軸部とを有し、
    前記左羽軸部は一方側左羽軸部と他方側左羽軸部とを含み、
    前記右羽軸部は一方側右羽軸部と他方側右羽軸部とを含み、
    前記左羽本体部は、前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部との間を渡すように形成された左膜部を含み、
    前記右羽本体部は、前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部との間を渡すように形成された右膜部を含み、さらに
    前記左駆動部は、
    前記一方側左羽軸部を所定の左の一方の平面に沿って回動させる一方の左アクチュエータと、
    前記他方側左羽軸部を所定の左の他方の平面に沿って回動させる他方の左アクチュエータとを含み、
    前記一方側左羽軸部と前記他方側左羽軸部とを個々に駆動させ、
    前記右駆動部は、
    前記一方側右羽軸部を所定の右の一方の平面に沿って回動させる一方の右アクチュエータと、
    前記他方側右羽軸部を所定の右の他方の平面に沿って回動させる他方の右アクチュエータとを含み、
    前記一方側右羽軸部と前記他方側右羽軸部とを個々に駆動させ、
    ホバリングのときには、前記左羽部の羽ばたき周波数と前記右羽部の羽ばたき周波数とが同じになるように、前記一方の左アクチュエータ、前記他方の左アクチュエータ、前記一方の右アクチュエータ、および前記他方の右アクチュエータが駆動される、移動装置。
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