JP4007306B2 - 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法 - Google Patents

粉体燃焼装置および粉体燃焼方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4007306B2
JP4007306B2 JP2003360677A JP2003360677A JP4007306B2 JP 4007306 B2 JP4007306 B2 JP 4007306B2 JP 2003360677 A JP2003360677 A JP 2003360677A JP 2003360677 A JP2003360677 A JP 2003360677A JP 4007306 B2 JP4007306 B2 JP 4007306B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion chamber
combustion
burner
powder
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003360677A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005127538A (ja
Inventor
壽志 栗山
誠司 岡田
豊 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2003360677A priority Critical patent/JP4007306B2/ja
Publication of JP2005127538A publication Critical patent/JP2005127538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4007306B2 publication Critical patent/JP4007306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Description

本発明は、可燃粉体、特に廃プラスチック粉末を燃焼するのに好適な粉体燃焼装置に関するものである。
近年、産業廃棄物あるいは一般廃棄物として廃棄される廃プラスチックが増加の一途をたどっている。一方、地球規模での環境保全の大きなテーマとして、炭酸ガス削減への要求が高まっており、廃プラスチックを従来の単純焼却や埋め立てで処理するのではなく、素材あるいは燃料としてリサイクルすることに取り組むケースが増えている。燃料として廃プラスチックを粒状に粉砕し、バーナーに供給し燃焼させる場合、例えば、廃プラスチックを粒径10μm程度以下の微粉末に粉砕し、燃料として用いると、既存の炉に用いた場合でも、化石燃料を当該廃プラスチック微粉末で約100%置換することが可能である。この置換率は、廃プラスチック粉末の粒径が300μm以下であれば70%程度、380μm以下であれば33%程度となる。したがって、廃プラスチックを化石燃料の代替として使用することによって、実質的に大きな省エネルギー効果が得られる。
このため、多くの工業炉で廃プラスチックのサーマル・リサイクルの実用化、あるいは実用化研究がなされ、廃プラスチックを効率的に燃焼させるための燃焼装置または燃焼方法が種々提案されている。
しかしながら、このように廃プラスチックを燃料として用いると、固体燃料のため発熱量が大きいこと、および、若干の窒素含有物が混入していることから、排ガス中における窒素酸化物の含有量が高くなるという問題があった。また、粉砕処理の軽減のため粗粒を用いる場合には十分なガス化時間を確保する必要から、この場合においても窒素酸化物の生成量が増加するといった問題があった。
そこで、窒素酸化物などの環境汚染物質を減らす燃焼装置として、特許文献1には、廃プラスチックを産業廃棄物焼却炉内で燃焼させるための粉体燃焼用バーナが記載されており、ほぼ円筒状の本体と、廃プラスチック粉と一次空気とを混合して本体内の円筒軸方向に直線的に噴射する噴射ノズルと、廃プラスチック粉に着火するための着火バーナとを備えた粉体燃焼用バーナが開示されている。
しかしながら、この粉体燃焼用バーナは、廃プラスチック粉を本体内で十分には燃焼させずに産業廃棄物焼却炉内に噴射するものであるので、焼却炉内を傷め易く、産業廃棄物焼却炉以外の焼却炉には適用し難いという問題があった。
さらに、特許文献2には、金属被覆チップから分離した廃プラスチックを特定構造の粉体バーナを用いて処理する方法が記載されている。この方法で使用される粉体バーナは、ほぼ円筒状の粉体バーナ本体と、廃プラスチック粉と一次空気との混合体が粉体バーナ本体内で旋回するようにして当該混合体を産業廃棄物焼却炉側へ噴射する粉体噴射手段とを有しており、炉内側に向かって下がるように傾斜して設けられる。また、焼却炉本体につながる直前に円筒部内表面に2次空気投入口を散在させ、燃焼空気の2段階投入により燃焼温度の引き下げ、窒素酸化物の生成の抑制を行っている。
しかしながら、この方法では、旋回流により燃焼ガスがバーナ側に逆流する再循環域が形成されるため十分な温度抑制効果が得られないといった問題があった。
また、特許文献3および特許文献4には、水冷管を内巻きにした円筒構造の2段燃焼で、燃焼空気を二次燃焼ゾーン内に接線方向に噴射する燃焼装置が開示されている。この装置では、熱回収の高効率化を目的として裸の鋼管を内表面としている。
しかしながら、このような燃焼装置では、廃プラスチック粒子、石炭粒子等の固体燃料では、軟化、溶融、ガス化の過程を経るため、燃料として固体燃料を用いると固体燃料のガス化が不十分となる問題があった。
特開平10−185115号公報 特開平10−185162号公報 特開平6−272818号公報 特開平7−4616号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、平均粒径が比較的大きな可燃粉体でも良好に燃焼させることが可能で、小型化も可能であり、固体燃料特有の燃焼温度の高温化による窒素酸化物の生成を抑制することができ、良好な燃焼状態を得ることができる粉体燃焼装置を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、長手方向の一端が閉塞され、他端が開口された筒状のケーシングによって画定される副燃焼室と、上記副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと、上記副燃焼室の開口側端部に配置された燃焼室本体と、上記副燃焼室から上記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置であって、上記ケーシングは、外周壁に形成されたバーナスロートと、外周壁に形成された気体噴射スロートと、上記バーナスロートの形成位置よりも上記副燃焼室の開口側である、副燃焼室の燃焼室本体側の端部に堰を形成することができる仕切り板とを有し、上記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路を有し、上記バーナスロートに装着されて、上記ケーシングの内周面に沿った周方向に上記可燃粉体を噴射可能とし、上記気体噴射スロートには、上記副燃焼室内に気体を上記可燃粉体と同一周方向に噴射可能とする気体噴射ノズルが装着され、上記気体噴射スロートは、上記仕切り板に隣接して、上記仕切り板の上記バーナスロート側に位置するものであり、上記空気投入手段は、上記燃焼室本体内に燃焼用空気が投入可能となるように配置されていることを特徴とする粉体燃焼装置を提供する。
本発明においては、空気投入手段を設けることにより、副燃焼室内での可燃粉体の燃焼に加え、副燃焼室から流出した未焼ガスを燃焼室本体で燃焼させることができる2段燃焼とすることができる。このような2段燃焼においては、副燃焼室内の温度の高温化を抑制することができるので、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を防止することができる。さらに、燃焼室本体で行われる2次燃焼においては、副燃焼室から流出した未焼ガスの燃焼に必要な燃焼用空気が上記空気投入手段により供給されるので、未焼ガスの良好な燃焼状態を得ることができる。
また、本発明においては、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナの他に、気体を副燃焼室内に投入する気体噴射ノズルを設けることにより、副燃焼室内における可燃粉体の旋回力を強化することができる。さらに、上記仕切り板に隣接して、上記仕切り板の上記バーナスロート側に上記気体噴射スロートを配置することで、可燃粉体の旋回位置を開口側端部から離れた位置とすることができる。このようなことから、開口側端部からの未燃粉体の飛び出しを防止することができ、十分な滞留時間を確保することができるので、可燃粉体燃焼装置の小型化が容易である。
また本発明においては、上記バーナが、上記第1流路よりも内周に形成され、ガス燃料または液体燃料が導入される第2流路と、上記第1流路よりも外周に形成され、燃焼用空気が導入される第3流路と、上記第2流路または上記第3流路を流れる流体に旋回を与える旋回付与手段とを有することが好ましい。
このようなバーナは、バーナから噴射された可燃粉体を燃料と燃焼用空気とによって挟み込むことができ、可燃粉体、燃料および燃焼用空気が十分に混合した状態で着火させることが可能になる。その結果として、可燃粉体をさらに良好に燃焼させることができる。また、旋回付与手段を設けることにより、可燃粉体、燃料および燃焼用空気を積極的に混合することが可能となり、これによっても、可燃粉体を良好に燃焼させることが容易となる。
さらに、本発明においては、長手方向の両端にバーナ側開口端と燃焼室本体側開口端とを有するケーシングにより画定される副燃焼室と、上記副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと、上記副燃焼室の燃焼室本体側開口端に配置された燃焼室本体と、上記副燃焼室から上記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置であって、上記ケーシングは、上記バーナ側開口端に設置されたバーナスロートと、外周壁に形成された気体噴射スロートと、副燃焼室の燃焼室本体側の端部に堰を形成することができる仕切り板とを有し、上記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路と、上記可燃粉体に対して旋回を与える旋回発生手段とを有し、バーナの軸と副燃焼室の長手方向とが平行となるように、上記バーナスロートに装着され、上記旋回発生手段により上記可燃粉体を旋回させながら、上記ケーシングの長手方向に噴射可能とするものであり、上記気体噴射スロートには、上記副燃焼室内に気体を上記可燃粉体と同一周方向に噴射可能とする気体噴射ノズルが装着され、上記気体噴射スロートは、上記仕切り板に隣接して、上記仕切り板の上記バーナスロート側に位置するものであり、上記空気投入手段は、上記燃焼室本体内に燃焼用空気が投入可能となるように配置されていることを特徴とする粉体燃焼装置を提供する。
本発明においては、上記空気投入手段を設けることにより、副燃焼室から流出した未焼ガスを燃焼室本体内で燃焼させる2段燃焼とすることができる。このような2段燃焼とすることにより、副燃焼室内の温度の高温化を抑制することができるので、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を防止することができる。また、燃焼室本体内で行われる2次燃焼においては、上記空気投入手段により燃焼用空気が供給されることから、未焼ガスを良好な燃焼状態で完全燃焼させることができる。
本発明においては、上記気体噴射ノズルを設けることにより、バーナから副燃焼室内に噴出された可燃粉体の旋回力を強化することができるので、燃焼室本体側開口端からの未燃粉体の飛び出しを防止することができ、十分な滞留時間を確保することができる。したがって、可燃粉体燃焼装置の小型化に効果を有する。
さらにまた本発明においては、上記バーナが、上記第1流路よりも内周に形成され、ガス燃料または液体燃料が導入される第2流路と、上記第1流路よりも外周に形成され、燃焼用空気が導入される第3流路とを有し、上記旋回発生手段は、上記第2流路または上記第3流路を流れる流体に旋回を与える手段であることが好ましい。
さらに本発明においては、上記空気投入手段は、燃焼用空気が上記ケーシングの長手方向に平行となる方向に投入されるように形成されていることが好ましい。燃焼用空気を副燃焼室から燃焼室本体へと流出する未焼ガスと、効率よく混合させることができるからである。
さらに、本発明においては、上記空気投入手段は、上記仕切り板の上記燃焼室本体側の側面に形成された空気投入口から上記燃焼室本体内に空気を投入するものであることが好ましい。
このような空気投入手段であれば、仕切り板により形成された堰から流出した未焼ガスと、空気投入手段から投入された燃焼用空気とを効率良く混合させることができ、より良好な燃焼状態とすることが可能となるからである。
上記粉体燃焼装置は、上記副燃焼室内に水蒸気を投入することが可能な水蒸気投入手段を有することが好ましい。水蒸気を投入することにより副燃焼室内の温度を低下させることができるので、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を防止することができるからである。
さらに本発明においては、副燃焼室と、可燃粉体が上記副燃焼室の内周面に沿った周方向に旋回するように可燃粉体を上記副燃焼室内に噴出し、燃焼させるバーナと、上記副燃焼室に連通して並設される燃焼室本体と、上記バーナの形成位置よりも燃焼室本体側の上記副燃焼室端部に堰を形成することができる仕切り板と、上記仕切り板に隣接して、上記仕切り板の上記バーナ側に配置され、上記副燃焼室内に気体を上記可燃粉体と同一周方向に噴射可能な気体噴射ノズルと、上記堰から上記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置を用いて可燃粉体を燃焼させる粉体燃焼方法であって、上記仕切り板の上記バーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量と、上記空気投入手段により投入される燃焼用空気の量との総計が、上記可燃粉体の化学量論的量の1.1〜1.6倍であり、さらに、上記仕切り板の上記バーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量が、上記化学量論的量の40〜90%の範囲内であることを特徴とする粉体燃焼方法を提供する。
本発明においては、このような2段燃焼を行うものであるので、副燃焼室内における過剰空気量を減少させることができる。したがって、副燃焼室内における温度の低下を図ることができ、窒素酸化物の生成を抑制することができる。
本発明においては、上記副燃焼室内に水蒸気を投入して上記可燃粉体の燃焼を行い、上記水蒸気の投入重量が上記バーナから噴射される可燃粉体重量の10〜40%の範囲内であることが好ましい。上記範囲の水蒸気を副燃焼室内に投入することにより、副燃焼室内の温度低下に効果を有し、窒素酸化物の生成を抑制することができるからである。
本発明においては、空気投入手段を設けることにより、副燃焼室内のみならず、燃焼室本体内においても可燃粉体を燃焼させることが可能な2段燃焼とすることができる。このような2段燃焼とすることにより、副燃焼室の温度の高温化を抑制することができ、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を防止することができる。さらに、可燃粉体の完全燃焼を可能とするといった効果を奏する。
以下、本発明の粉体燃焼装置および粉体燃焼方法について説明する。
A.粉体燃焼装置
まず、本発明の粉体燃焼装置について説明する。なお、本発明の粉体燃焼装置は、バーナの設置位置の違いにより2つの実施態様に分けることができる。以下、本発明の粉体燃焼装置について、第1実施態様および第2実施態様に分けて説明する。
1.第1実施態様
本実施態様の粉体燃焼装置は、長手方向の一端が閉塞され、他端が開口された筒状のケーシングによって画定される副燃焼室と、前記副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと、前記副燃焼室の開口側端部に配置された燃焼室本体と、前記副燃焼室から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置であって、前記ケーシングは、外周壁に形成されたバーナスロートと、前記バーナスロートの形成位置よりも前記副燃焼室の開口側に堰を形成することができる仕切り板とを有し、前記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路を有し、前記バーナスロートに装着されて、前記ケーシングの内周面に沿った周方向に前記可燃粉体を噴射可能とし、前記空気投入手段は、前記燃焼室本体内に燃焼用空気が投入可能となるように配置されていることを特徴とするものである。
このような本実施態様の粉体燃焼装置について、図面を用いて説明する。
図1(A)は、本実施態様の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したI−I線矢視断面の概略図である。なお、図1(A)に示したI−I線断面上には、気体噴射スロート6は位置しないが、図1(B)には、便宜上、気体噴射スロート6を示している。
これらの図に示す粉体燃焼装置20は、ケーシング1によって画定された副燃焼室10内で、廃プラスチック粉末等の可燃粉体をバーナ12によって加熱し、燃焼させるものである。
図1(A)に示すケーシング1は円筒状を呈し、その長手方向の一端は側壁2によって閉塞され、他端は開口となっている。この開口側の端部である開口側端部3には、上記副燃焼室と連通するように、燃焼炉等の燃焼室本体21が並設されている。
さらに、ケーシング1の外周壁4にはバーナスロート5が形成されており、さらに、副燃焼室10の開口側端部3には、ケーシング1内周面からその径方向内側に張り出すようにして、中央に円形の開口部を有する円板状(環状)の仕切り板7が設けられている。
バーナ12は、上記バーナスロート5に装着されている。このバーナ12には、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路(図示せず)が設けられており、第1流路に導入された可燃粉体は、当該バーナ12の先端からケーシング1の内部(副燃焼室10)に噴射される。
さらに、本実施態様においては、空気投入手段8が設けられている。この空気投入手段8として図1に示す例では、仕切り板7の燃焼室本体21側の側面に空気投入口30aを設け、空気投入通路30bを通過した燃焼用空気が空気投入口30aから副燃焼室10の長手方向に対して平行に投入されるようにしたものである。
本実施態様においては、このような空気投入手段を設けることにより、副燃焼室内での可燃粉体の燃焼に加え、燃焼室本体内において、副燃焼室から燃焼室本体へと流出した未焼ガスを燃焼させる2段燃焼とすることができる。このような2段燃焼とすることにより、副燃焼室内の温度の高温化を抑制することができるので、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を防止することができる。また、空気投入手段により未焼ガスの燃焼に必要な燃焼用空気を供給しているので、未焼ガスの完全燃焼を可能とすることができる。
さらに、ケーシング1の外周壁にはバーナスロート5の他に気体噴射スロート6が設置されている。この気体噴射スロート6に気体噴射ノズル11が装着される。気体噴射ノズル11には、気体が導入される流路が設けられ、流路に導入された気体は副燃焼室内に噴射される。
図1に示す例では、バーナスロート5および気体噴射スロート6の相対的な位置関係を、閉塞側にバーナスロート5が位置し、開口側に気体噴射スロート6が位置するものとしている。この場合、バーナ12の第1流路に搬送気体と共に可燃粉体を導入すると、可燃粉体はケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射され、噴射された可燃粉体は副燃焼室10内を螺族状に旋回しながら開口側に移動する。さらに、開口側に設けられた気体噴射スロート6に装着された気体噴射ノズル11から、可燃粉体と同一周方向に気体が噴射されると、可燃粉体の旋回位置をケーシング1長手方向中心付近とすることができ、可燃粉体の副燃焼室10内での滞留時間を増大させることができる。また、可燃粉体の旋回が強化され、未燃粉体の開口側端部3からの飛び出しを抑制することができる。
本実施態様においては、図1(B)に示すように、バーナ12が装着されるバーナスロート5、および、気体噴射ノズル11が装着される気体噴射スロート6は、ケーシング内周面の所望地点PおよびQにおける接線(ケーシング1の長手軸に直交する方向に延在する接線)が当該バーナスロート5および気体噴射スロート6の内周面上に位置するように、または当該バーナスロート5および気体噴射スロート6の内部空間を通るように形成されている。また、バーナ12は、可燃粉体を同図中に矢印Aで示すケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射可能とし、気体噴射ノズル6も、矢印Aで示す向きに気体を噴射可能とする。このように、気体噴射ノズル11から噴射される気体の方向が、可燃粉体と同一周方向となるように、気体噴射ノズル11を設けているので、気体噴射ノズル11から副燃焼室10内に気体を吹き込むことにより可燃粉体の旋回力を強化することができる。
なお、バーナ12および気体噴射ノズル11については、便宜上、断面形状ではなく側面視上の形状を図1(B)に示している。
以下、本実施態様の粉体燃焼装置を構成する各部材について説明する。なお、本実施態様に用いられる燃焼室本体に関しては、通常の粉体燃焼装置に用いられるものであれば用いることが可能であるので、ここでの説明は省略する。
(1)空気投入手段
まず、本実施態様における空気投入手段について説明する。本実施態様における空気投入手段は、副燃焼室から燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を、燃焼室本体内に投入するように配置されたものである。
本実施態様においては、このような空気投入手段を設けたことにより、副燃焼室内でガス化され、副燃焼室から燃焼室本体へと流出した未焼ガスを燃焼室本体で燃焼させることが可能な2段燃焼とすることができる。これにより、副燃焼室内における温度を下げることができるので、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を抑制することができる。さらに、未焼ガスの燃焼に必要な燃焼用空気を空気投入手段により供給することから、燃焼室本体内における燃焼状態を良好なものとすることができる。
このような空気投入手段において、燃焼用空気の投入方向としては、燃焼室本体へ燃焼用空気を投入することが可能な投入方向であれば特に限定はされない。具体的には、ケーシングの長手方向に平行となる方向、または、副燃焼室の内周面の周方向等を挙げることができる。中でも、本実施態様においては、ケーシングの長手方向に平行となる方向に空気を投入することが好ましい。これにより、燃焼用空気を副燃焼室から燃焼室本体へと流出する未焼ガスと効率的に混合させることができるからである。
なお、ここでいうケーシングの長手方向に平行となる方向とは、副燃焼室の閉塞側と開口側とを結ぶ長手方向に対して平行となる方向を意味し、厳密に平行となる方向に限らず、ケーシングの長手方向に対して±2°程度のずれを含むものとする。
上述したように、ケーシングの長手方向に平行となる方向に燃焼用空気を投入することにより、副燃焼室から燃焼室本体へと流出した未焼ガスと燃焼用空気との効率的な混合が図れる理由について説明する。図1(A)に示すように、副燃焼室10の開口側端部3に形成された仕切り板7により形成された堰から流出する燃焼ガスは、破線の矢印で示すように、堰の出側で、副燃焼室10の径方向に急拡大し、旋回速度を減衰させながら、燃焼室本体21内へと移動する。この際、実線矢印で示すように、ケーシング1の長手方向に燃焼用空気を投入すると、上述したような軌跡で進行する燃焼ガスと効率的に混合させることができるのである。これにより、燃焼ガス中に含まれる未焼ガスを燃焼させるために必要な燃焼用空気を効率良く供給することができるため、良好な燃焼状態を確保することができる。
このような空気投入手段としては、副燃焼室から燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を、燃焼室本体内に投入するように形成されたものであれば特に限定はされない。例えば、空気投入口を設け、この空気投入口から燃焼用空気を燃焼室本体内に投入可能とする手段を挙げることができる。このような場合の空気投入手段について図を用いて説明すると、図1(A)に示すように、例えば、仕切り板7の燃焼室本体21側の側面に、空気投入口30aを設け、空気投入通路30bを通過した燃焼用空気を空気投入口30aから投入するといった手段を挙げることができる。
以下、空気投入手段として、空気投入口を設け、この空気投入口から燃焼用空気を燃焼室本体内に投入可能とする場合について説明する。具体的に空気投入口を設ける位置としては、上述したように、空気投入手段により投入される燃焼用空気の投入方向が、ケーシングの長手方向に平行となる方向であることが好ましいことから、このような方向で燃焼室本体内へ燃焼用空気を投入可能とする位置であることが好ましい。例えば、副燃焼室において燃焼室本体が配置される位置である開口側端部付近を挙げることができる。具体的には、図1(A)に示すように、開口側端部3に仕切り板7が形成されている場合には、仕切り板7の燃焼室本体21側の側面7aや、仕切り板7の内周面7b、さらには、燃焼室本体21のうち、副燃焼室10に接続された部分の側面21a等を上げることができる。また、図2(A)に示すように、仕切り板7が開口側端部3よりも閉塞側に形成されている場合、開口側端部3の燃焼室本体21側の側面3a、または開口側端部3の内周面3b、さらには、この場合においても、燃焼室本体21内へ燃焼用空気を投入可能であるならば、仕切り板7の燃焼室本体21側の側面7aや、仕切り板7の内周面7b等を挙げることができる。
中でも、本実施態様においては、仕切り板が開口側端部に形成されている場合であって、仕切り板の燃焼室本体側の側面に空気投入口が設けられていることが好ましい。上記位置に空気等入口を設けることにより、副燃焼室から燃焼室本体内へ流出する未焼ガスの流出方向と同方向に燃焼用空気を投入することができるので、両者を効率良く混合させることができ、未焼ガスの良好な燃焼が容易に可能となるからである。さらに、空気投入口の形成位置によって、福燃焼室から燃焼室本体へと流出する未焼ガスの燃焼位置が変化するため、用いる可燃粉体の燃焼性等を考慮して、空気投入口の形成位置を決定してもよい。
例えば、可燃粉体としてABC樹脂を用いた場合には、難燃性で燃焼温度が低いことから、開口側端部に近接して空気投入口を設けても副燃焼室内の温度を低下させる効果を十分に得ることができる。さらに、可燃粉体としてポリエチレンまたはポリプロピレン等の廃プラスチックを用いた場合には、これらは易燃性で燃焼温度が高いことから、上記ABS樹脂の場合よりも開口側端部から遠ざけて、例えば、燃焼室本体のうち、副燃焼室に接続された部分の側面等に形成することにより、2次燃焼における燃焼位置が開口側端部から遠ざかり、副燃焼室の高温化を抑制する効果を十分に得ることができる。
このような空気投入口は、単数設けてもよく、図3(A)に示すように、複数設けてもよい。中でも、複数設けられていることが好ましい。より効率良く未焼ガスとの混合を図ることができるからである。
なお、一般的に空気投入口の形状としては円形のものが用いられ、その直径は装置によって大幅に異なるものであるが、通常、例えば、図3(A)に示すように空気投入口が6箇所ある場合には、開口部の直径Dの1/10程度であることが好ましい。さらに、空気投入口が6箇所よりも多い場合には、開口部の直径Dの1/10以下であることが好ましく、6箇所よりも少ない場合には直径Dの1/10以上とすることが好ましい。
さらに、例えば、図1(A)に示すように、空気投入口30aを仕切り板7の燃焼室本体21側の側面7aに設けた場合、仕切り板に対する空気投入口の形成位置としては、副燃焼室から流出した未焼ガスと効率良く燃焼用空気を混合させることが可能な位置であれば特に限定はされない。具体的には、図3(A)に示すように、開口部31の中心31cから空気投入口30aの中心までの距離Pが、開口部31の直径Dを基準として、2D以下、中でも、1.8D以下であることが好ましい。さらに、未燃ガスが難燃性の場合には1.5D以下とすることが好ましい。空気投入口を設ける位置が、開口部に近いほど、未焼ガスと燃焼用空気との混合の効率を向上させることができるからである。
さらに、図3(A)に示すように、複数の空気投入口30aが一つの円を形成するように設ける場合に限らず、図3(B)に示すように、複数の円を形成するように設ける場合であってもよい。また、規則正しく設ける場合に限らず、不規則に配列した場合であってもよい。
このような空気投入手段において、燃焼用空気の噴出速度は、副燃焼室から燃焼室本体へと流出した未焼ガスと燃焼用空気とを良好に混合させることができるのであれば特に限定はされないが、10m/秒〜20m/秒の範囲内であることが好ましい。
さらに、例えば、図3に示すように、空気投入手段として複数の空気投入口を設けた場合、各々の空気投入口から噴出する燃焼用空気の噴出速度に差を設けてもよい。例えば、図3(B)に示すように、副燃焼室の径方向に複数の円を形成するように空気投入口30aを設けた場合、内側と外側とで異なる噴出速度とする場合を挙げることができる。このように噴出速度に差を設けることで、副燃焼室から燃焼室本体へと流出した未焼ガスと、燃焼用空気との混合位置を調整することができる。例えば、図3(B)に示すように、副燃焼室の径方向に対して2つの円を形成するように空気投入口30aを設けた場合、内側よりも外側の方の噴出速度を大きくすることにより、混合位置を、副燃焼室から離れた位置とすることができ、副燃焼室内の温度の低下に効果を有する。
また、本実施態様における空気投入手段により投入される燃焼用空気は、未焼ガスの燃焼を妨げないものであればよく、例えば可燃性を有していてもよいが、コスト面から空気を使用することが好ましい。
(2)バーナ
次いで、本実施態様におけるバーナについて説明する。バーナは、可燃粉体を噴射することができるものであれば特に限定されるものではないが、通常は、可燃粉体、ガス燃料または液体燃料、および燃焼用空気を噴射することができるものが用いられる。
バーナ中においてガス燃料が導入される流路、可燃粉体が導入される流路、および燃焼用空気が導入される流路それぞれの配置は適宜選定可能であるが、これらの流路が同軸状に配置された多重管構造のバーナを用いることが特に好ましい。
図4(A)は、三重管構造のバーナの一例をその噴射口側からみた正面図であり、図4(B)は、図4(A)に示したIV−IV線矢視断面の概略図である。
これらの図に示すバーナ12は、第1流路13と、第1流路13よりも内周に形成された第2流路14と、第1流路13よりも外周に形成された第3流路15とを有している。
第1流路13、第2流路14および第3流路15は、バーナ12の中心軸と直交する方向に切ったときの断面(以下、「横断面」という。)形状が環形を呈する流路であることが好ましい。
気体搬送された可燃粉体を第1流路13に導入し、ガス燃料を第2流路14に導入し、燃焼用空気を第3流路15に導入することにより、バーナ12から噴射される可燃粉体をガス燃料と燃焼用空気とによって挟み込ませることができ、これによって、可燃粉体、ガス燃料、および燃焼用空気が十分に混合した状態で着火させることができる。その結果として、可燃粉体を良好に燃焼させることが容易になる。
また、第2流路に導入する燃料は、ガス燃料に限らず、液体燃料を導入するであってもよい。このような場合には、図4に示す三重管において、液体燃料を噴霧するオイルガンなどの噴霧発生手段を第2流路に取り付けたバーナを用い、副燃焼室に噴射すればよい。
第1流路13に導入する可燃粉体としては、例えば廃プラスチック粉末、微粉炭、木屑、紙片、微粉バイオマス等や、これらの混合物を挙げることができる。本実施態様の粉体燃焼装置の利点を考慮すると、廃プラスチック粉末を用いることが好ましい。
廃プラスチック粉末を第1流路13に導入する場合、当該プラスチック粉末の平均粒径(微粉から重量を積算して全重量の50%となる粒径を意味する。以下同じ。)は、0.6mm以上であることが好ましく、特に0.9mm以上であることが好ましい。この平均粒径が上記範囲より低い場合は、副燃焼室内の温度が上昇しすぎる傾向にあり、窒素酸化物の生成を促すため好ましくない。またこのような廃プラスチック粉末を得るためのコストが高くなる等の問題もある。
廃プラスチック粉末を搬送するための気体は、可燃粉体の燃焼を妨げないものであればよく、例えば可燃性を有していてもよいが、一般的には、コスト面から空気を使用することが好ましい。
必要に応じて、第2流路14内または第3流路15内に、当該第2流路14または当該第3流路15を流れる流体に旋回を与える旋回付与手段16を設けることができる。図示の例では、第3流路15内に旋回付与手段16が設けられている。この旋回付与手段16を設けることによって、第2流路14および第3流路15から噴射される流体と第1流路13から噴射される可燃粉体とを積極的に混合することが容易になるので、可燃粉体を更に良好に燃焼させることが可能になる。
旋回付与手段16は、流路内を流れる流体に対して旋回を与えることができる手段であれば特に限定されるものではない。例えば図4(B)に示すように、旋回羽根、すなわち流体を旋回に導く誘導羽根を、旋回付与手段16として用いることができる。
(3)気体噴射ノズル
次に、気体噴射ノズルについて説明する。
本実施態様においては、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと別個に、副燃焼室内に気体を投入する気体噴射ノズルを設けることが好ましい。副燃焼室内における可燃粉体の旋回力を強化することができるからである。
このような気体噴射ノズルは、ケーシングの外周壁に形成された気体噴射スロートに装着されるものであり、また、バーナスロートと前記気体噴射スロートの相対的な位置関係を、その一方が前記ケーシングの閉塞側に位置し、その他方が前記ケーシングの開口側に位置するものとし、バーナから噴出される可燃粉体と同一周方向に気体を噴射可能とするものであることが好ましい。
バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係として、その一方がケーシングの開口側にあり、その他方がケーシングの閉塞側にあるように両者を配置することで、可燃粉体の旋回位置を開口側端部から離れた位置とすることができる。したがって、開口側端部からの未燃粉体の飛び出しを防止することができ、十分な滞留時間を確保することができるので、粉体燃焼装置の小型化が容易である。
このような気体噴射ノズルは、気体噴射スロートに装着され、気体を、上記バーナにより噴射される可燃粉体と、同一周方向に噴射し、副燃焼室内に投入することができるものである。このような気体噴射ノズルは、気体が導入される流路を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、気体が導入される流路を有する単管構造のノズルを挙げることができる。また、必要に応じて、他の流体等を導入する流路を有する多重管構造のノズルとする場合であってもよい。
さらに、気体噴射ノズルから噴射される気体としては、可燃粉体の燃焼を妨げないものであれば特に限定はされるものではなく、例えば、可燃性を有していてもよいが、コスト等の観点から空気であることが好ましい。
また、気体噴射ノズルにおける気体の噴射速度としては、バーナにより噴射される可燃粉体と同一周方向に気体を噴射させることにより、可燃粉体の旋回力を強化させることができるのであれば特に限定はされないが、具体的には、10〜100m/sの範囲内であることが好ましく、中でも、30〜80m/sの範囲内であることが好ましい。気体噴射ノズルによる気体の噴射速度は、バーナのように火炎形成に伴う吹込み速度の制限はないので、気体噴射ノズルから噴射する気体の噴射速度を上記範囲内で高めることにより、可燃粉体の旋回力を強化することができる。
次に、バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係について説明する。両者の位置関係は、バーナスロートおよび気体噴射スロートの一方が、ケーシングの閉塞側に位置し、当該バーナスロートおよび上記気体噴射スロートの他方が、ケーシングの開口側に位置するものであることが好ましい。このような両者の相対的な位置関係は、両者の形成位置が、同一周上にないのであれば特に限定はされず、バーナスロートおよび気体噴射スロートのいずれが、ケーシングの開口側および閉塞側のいずれにあってもよい。
例えば、図1に示す例では、バーナスロート5および気体噴射スロート6の相対的な位置関係として、閉塞側にバーナスロート5が位置し、開口側に気体噴射スロート6が位置する場合の例を示したが、本実施態様においては、両者の位置関係が逆であってもよい。図2は、このような場合の例を示しており、図2(A)は、本実施態様の粉体燃焼装置の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示したIII−III線矢視断面の概略図である。図2に示す例では、バーナスロート5および気体噴射スロート6の相対的な位置関係として、閉塞側に気体噴射スロート6が位置し、開口側にバーナスロート5が位置する場合を示している。なお、図2(A)に示したIII−III線断面上には、バーナスロート5は位置しないが、図2(B)には、便宜上、バーナスロート5を示している。
このような場合、バーナスロート5に装着されるバーナ12の第1流路に搬送気体と共に可燃紛体を導入すると、図2(B)に示すように、可燃粉体はケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射され、仕切り板7により形成された堰近傍で円運動した後、副燃焼室10内を螺碇状に旋回しながら閉塞側に移動する。また、閉塞側に形成された気体噴射スロート6には、気体噴射ノズル11が装着されており、この気体噴射ノズル11から気体が可燃粉体と同一周方向に噴射されると、可燃粉体の旋回力が強化され、未燃粉体の開口側端部からの飛び出しを抑制することができる。
このようなバーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係において、閉塞側に設けられたバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターから、閉塞側の端部を形成する側壁までの距離は、特に限定はされないが、側壁から仕切り板までの全長に対して、側壁からバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、40%以下、中でも、20%以下であることが好ましい。または、閉塞側に位置するバーナまたは気体噴射ノズルの直径を基準とした場合、側壁から、バーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、バーナまたは気体噴射ノズルの直径の3倍以内、中でも1.5倍以内にあることが好ましい。
また、具体的に側壁から、閉塞側に位置するバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離は、300mmの範囲内、中でも、150mmの範囲内であることが好ましい。
なお、ここでいう側壁から仕切り板までの全長とは、仕切り板の最もケーシング長手方向内側に位置する部分から、側壁までの長さを意味する。具体的に図1(A)を用いて説明すると、仕切り板7の最もケーシング1長手方向内側に位置する部分7cから、側壁2までの長さmに相当する。このような全長mに対して、側壁2から閉塞側に設けたバーナスロート5のセンター12cまでの長さxが、上記範囲内にあり、または、この長さxが、バーナ12の直径を基準とした場合や、その具体的数値が上記範囲内にあれば、開口側に設けられた気体噴射スロート6との位置関係により、未燃の可燃粉体の開口側端部3からの飛び出しを抑制することができ、滞留時間の増大を図ることができるのである。
また、後述するように仕切り板の形状が図5および図6に示すような形状である場合、側壁から仕切り板までの全長は、図5に示すように、仕切り板37Aの最もケーシング長手方向内側に位置する部分37aから、側壁2までの長さとする。さらに、図5に示す場合には、仕切り板37Bの最もケーシング長手方向内側に位置する部分37bから、側壁2までの長さとする。
さらに、後述するように仕切り板が複数設けられている場合には、バーナスロートおよび気体噴射スロートの両方の形成位置よりも開口側であって、開口側に位置するバーナスロートまたは気体噴射スロートに最も近く形成された仕切り板を基準とする。具体的には、図7に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の形成位置よりも開口側で、この開口端側に位置するバーナスロート5に最も近い位置に設けられた仕切り板37Dを基準とする。
一方、開口側に設けられたバーナスロートまたは気体噴射スロートにおいて、そのセンターから仕切り板までの距離は、特に限定はされないが、仕切り板から側壁までの全長に対して、仕切り板からバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、30%以内、中でも、20%以内にあることが好ましい。または、開口側に位置するバーナまたは気体噴射ノズルの直径を基準とした場合、仕切り板から、バーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、バーナまたは気体噴射ノズルの直径の3倍以内、中でも、1.5倍以内にあることが好ましい。
また、具体的に仕切り板から、開口側に位置するバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離は、250mm以内、中でも、150mm以内であることが好ましい。
また、バーナスロートは閉塞側に位置することが好ましい。バーナスロートが閉塞側に位置することにより、投入直後の可燃粉体が開口側端部から飛び出すのを防止することができるからである。
具体的に図1(A)を用いて説明すると、仕切り板7の最もケーシング1長手方向内側に位置する部分7cから、側壁2までの長さmに対して、仕切り板7の最もケーシング1長手方向内側に位置する部分7cから開口側に設けた気体噴射スロート6のセンター11cまでの長さyが、上記範囲内にあり、または、この長さyが、気体噴射ノズル11の直径を基準とした場合、あるいはその具体的数値が上記範囲内にあれば、閉塞側に設けたバーナスロート5との位置関係により、未燃の可燃粉体の開口側端部からの飛び出しを抑制することができ、滞留時間の増大を図ることができるのである。
また、バーナスロートおよび気体噴射スロートは、ケーシングの外周壁に形成されるが、バーナスロートおよび気体噴射スロートを形成する際には、これらに装着されるバーナおよび気体噴射ノズルが、可燃粉体および気体等を同一周方向に噴射することができるように、バーナスロートおよび気体噴射スロートの形成位置を決定する。例えば、図1(B)に示すように、バーナスロート5に装着されたバーナ12から噴射された可燃粉体が、矢印Aで示す方向で、副燃焼室10内に投入される場合には、気体噴射ノズル11から噴射される気体も、矢印Aで示す方向で、副燃焼室内に投入されることが可能となるように、気体噴射ノズルが装着される気体噴射スロートの形成位置を決定する。
さらに、バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係において、ケーシング長手方向に垂直の面における上下位置関係は、これらに装着されるバーナおよび気体噴射ノズルが、可燃粉体および気体等を同一周方向に噴射することができるようであれば特に限定はされない。例えば、図1(B)および図2(B)に示すように、バーナスロート5が、ケーシング1の上記垂直の面における上部に位置し、気体噴射スロート6が、ケーシング1の上記垂直の面における下部に位置する場合や、また、その逆の場合であってもよい。さらに、バーナスロート5および気体噴射スロート6が共にケーシング1の上記垂直の面において同程度の高さに位置する場合であってもよい。
このようなバーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係において、中でも、バーナスロートは上部に位置することが好ましい。上部から可燃粉体を投入することで重力を利用して旋回力を強化することができる。また、気体噴射ノズルは下部に位置することが好ましい。下部に気体を吹き付けることにより、可燃粉体の堆積を防止することができる。
(4)水蒸気投入手段
次いで、水蒸気投入手段について説明する。本実施態様に用いられる水蒸気投入手段は、副燃焼室内に水蒸気を投入することを可能とするものである。本実施態様においては、このような水蒸気投入手段を設けることが好ましい。水蒸気投入手段から水蒸気を投入することにより、副燃焼室内における燃焼温度を下げることができるので、副燃焼室内における高温化を防止することができる。また、副燃焼室内の温度が1000℃を越える場合には、水性ガス反応による炭素のガス化により残留炭素を抑制することができ、さらに、排ガス中に含まれる煤塵濃度を下げる効果がある。これによって、燃焼に必要な空気量を下げることができるので、副燃焼室内の温度が上昇しすぎることを抑制し、窒素酸化物の生成を防止する効果を有する。
このような水蒸気投入手段は、副燃焼室内に水蒸気を投入するこができるものであれば特に限定はされない。具体的には、副燃焼室内に水蒸気投入口を設け、水蒸気投入通路を通じて水蒸気投入ノズルから水蒸気を投入する方法、または、バーナから噴出する可燃粉体自体に水分を含有させる方法等を挙げることができる。
さらに、水蒸気投入手段により水蒸気を投入する時期としては、特に限定はされないが、具体的には、副燃焼質内の温度が1200℃以上となった際、中でも、1300℃以上となった際に水蒸気を投入することが好ましい。副燃焼室内の温度が上記範囲を越えると、窒素酸化物の生成が促進するので、上記範囲で水蒸気を投入することにより、副燃焼室内の温度上昇を抑制し、窒素酸化物の生成を防止することができるからである。
さらに、水蒸気投入手段から投入する水蒸気の量は、副燃焼室内の温度低下に効果を有する量であれば特に限定はされないが、具体的には、バーナから噴射される可燃粉体重量の10〜40%の範囲内、中でも、20〜30%の範囲内であることが好ましい。
(5)ケーシング
副燃焼室を画定するケーシングの形状は、可燃粉体を螺旋状に移動させるうえから、一端が閉塞された筒状とされる。具体的には、一端が閉塞された円筒状、または楕円筒状等を挙げることができる。また、本実施態様において上述した気体噴射ノズルを設けた場合には、図8に示すように副燃焼室10長手方向の中心部Zに向うにしたがって、内径が大きくなる樽型とすることが好ましい。このような樽型の形状とすることにより、旋回流による遠心力で副燃焼室の長手方向中心付近で旋回させやすくすることができ、可燃粉体の開口側端部からの飛び出しを効果的に抑制することができるからである。
なお、ここでいう樽型とは、副燃焼室の長手方向中心部に向うにしたがい内径が大きくなる形状のことを意味するが、具体的に、長手方向中心付近における内径の広がりの程度としては、閉塞側の端部または開口側端部における内径に対して、副燃焼室長手方向の中心付近の最も大きい部分の内径が、1.0倍〜1.8倍の範囲内、中でも、1.1倍〜1.4倍の範囲内であることが好ましい。
具体的に図8を用いて説明すると、閉塞側における内径pよりも、副燃焼室10長手方向の中心付近Zにおいて最も内径が大きい部分の内径qが上記範囲内にあるような形状の樽型であることが好ましく、これにより、可燃粉体の旋回位置を副燃焼室長手方向の中心付近とすることができ、開口側端部からの可燃粉体の飛び出しを抑制する効果を充分に得ることができる。
また、粉体燃焼装置を低コストの下に作製するうえからは、比較的耐熱性の低い耐火材、例えば耐熱温度が1200〜1400℃程度の耐火材を用いてケーシングを作製することが好ましい。
ケーシングの内容積は、目的とする粉体燃焼装置の用途や、求められる処理能力等に応じて、適宜選定可能である。
(6)仕切り板
仕切り板は、ケーシングと同程度の耐熱性を有する耐火材によって形成することが好ましく、熱膨張率の相違等による不具合の発生を防止するうえからは、ケーシングの材料と同じ材料によって形成することが好ましい。
また、その形状は、堰として機能するのであれば特に限定されるものではなく、例えば、図1(B)等に示す仕切り板7のように、中央に開口部を有する円板状、図示していないが、半円形、半楕円形、三日月状(弓形状)等とすることができる。その中でも、中央に開口部を有する円板状であることが好ましい。
また、図5に示す粉体燃焼装置における仕切り板37Aのように、ケーシング1の径方向内側に位置する縁部が側壁2方向に張り出した形状であってもよく、または、図6に示す粉体燃焼装置における仕切り板37Bのように、ケーシング1の内周面から当該ケーシング1の径方向内側に向かうにしたがって側壁2方向に斜めに張り出した形状とすることもできる。
さらに、上述したように、本実施態様における空気投入手段として、仕切り板の燃焼室本体側の側面に空気投入口を設け、この空気投入口から燃焼室本体内へと燃焼用空気を投入する手段とした場合は、本実施態様における仕切り板には、空気投入口が形成されている。このような場合の仕切り板に関しては、上述した「(1)空気投入手段」の中に記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
仕切り板の形成位置は、バーナスロートの形成位置よりも開口側であれば特に限定はされないが、上述したように気体噴射ノズルを設けた場合には、バーナスロートおよび気体噴射スロートの両方の形成位置よりも開口側に形成されていることが好ましい。例えば、図1に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の両者の位置関係において、気体噴射スロート6が開口側に形成されている場合には、当該気体噴射スロート6の形成位置よりも開口側に設ける。また、図2に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の両者の位置関係において、バーナスロート5が開口側に形成されている場合には、当該バーナスロート5の形成位置よりも開口側に設ける。中でも、本実施態様において仕切り板の形成位置は、開口側に形成されたバーナスロートまたは気体噴射スロートに近接する位置であることが好ましい。可燃粉体の副燃焼室内における滞留時間を長くすることができ、また、開口部からの粒子の飛び出し確率を低くすることができるといった効果を十分に得ることができるからである。
具体的に仕切り板の位置は、開口側に設けられたバーナスロートのセンターまたは気体噴射スロートのセンターとの距離が、上記「(3)気体噴射ノズル」の中で記載した範囲となるような位置に形成することが好ましい。仕切り板と、開口側に形成されたバーナスロートまたは気体噴射スロートとの距離を、上述した範囲よりも離して形成すると、仕切り板側に吹き寄せられて旋回する粉体が増え、開口側端部からの飛び出しが増加する場合があり好ましくないからである。
仕切り板を、上述した位置に配置することによって、所望の技術的効果を奏する粉体燃焼装置を得ることが可能になるのであるが、仕切り板は1つに限らず、2つ以上の仕切り板をケーシング1内に配置することもできる。例えば、図7に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の形成位置よりも開口側で、このバーナスロート5に最も近い位置に設けられた仕切り板37Dの他に、開口側端部3の近傍に仕切り板37Eを配置し、堰を複数形成する場合であっても良い。
また、可燃粉体を良好に燃焼させるうえには、仕切り板を形成した箇所でのケーシング1での開口比(面積比)が5%〜60%の範囲内、特に15%〜35%の範囲内となるように、当該仕切り板の大きさおよび形状を選定することが好ましい。ここで、開口比は仕切り板を形成した箇所の断面積(A)に対する仕切り板を形成した箇所の開口部分の面積(B)の比(B/A)で表される。
開口比が大きすぎると、粉体噴射時の飛び出しを防止する効果が不充分となり、開口比が小さすぎると、仕切り板を形成した箇所での流速が大きくなり仕切り板が損傷されやすくなるからである。また、本実施態様において気体噴射ノズルを設けた場合には、可燃粉体の旋回を強化することができるので、副燃焼室内から未燃粉体の飛び出しを大幅に抑制することができ、上記範囲内での開口比を実現することができる。
2.第2実施態様
次に、第2実施態様の粉体燃焼装置について説明する。本実施態様の粉体燃焼装置は、長手方向の両端にバーナ側開口端と燃焼室本体側開口端とを有するケーシングにより画定される副燃焼室と、前記副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと、前記副燃焼室の燃焼室本体側開口端に配置された燃焼室本体と、前記副燃焼室から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置であって、前記ケーシングは、前記バーナ側開口端に設置されたバーナスロートと、堰を形成することができる仕切り板とを有し、前記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路と、前記可燃粉体に対して旋回を与える旋回発生手段とを有し、バーナの軸と副燃焼室の長手方向とが平行となるように、前記バーナスロートに装着され、前記旋回発生手段により前記可燃粉体を旋回させながら、前記ケーシングの長手方向に噴射可能とするものであり、前記空気投入手段は、前記燃焼室本体内に燃焼用空気が投入可能となるように配置されていることを特徴とするものである。
このような本実施態様の粉体燃焼装置について図面を用いて説明する。図9は、本実施態様の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図である。
図9に示す粉体燃焼装置90は、ケーシング1によって画定された副燃焼室10内で、廃プラスチック粉末等の可燃粉体がバーナ12によって旋回流入され、ガス化を図るものである。
図9に示すケーシング1は円筒状を呈し、その長手方向における一端においてバーナ12が接続されるバーナ側開口端91を有し、さらに他端には、主燃焼室が接続される燃焼室本体側開口端92が設けられている。また、バーナ側開口端91には、バーナスロート5が設置され、このバーナスロート5にバーナ12が装着されている。バーナ12には、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路(図示せず)が設けられており、さらに、旋回発生手段(図示せず)を有することから、当該バーナ12の先端から可燃粉体を旋回させながら副燃焼室10内に噴出させることができる。
さらに、副燃焼室10内には、ケーシング1内周面から径方向内側に張り出すようにして、中央に円形の開口部を有する円板状(環状)の仕切り板7が設けられている。
本実施態様においては、仕切り板7に空気投入手段8として、仕切り板7の燃焼室本体21側の側面7aに空気投入口30aを設け、この空気投入口30aから、空気投入通路30bを通過した燃焼用空気が燃焼室本体21内へ投入される。この際、燃焼用空気の投入方向としては、ケーシング1の長手方向に平行となる方向であることが好ましい。
なお、ここでいうケーシングの長手方向に平行となる方向とは、副燃焼室のバーナ側開口端と燃焼室本体側開口端とを結ぶ方向に対して平行となる向きを意味する。また、厳密に平行となる方向に限らず、上記「1.第1実施態様、(1)空気投入手段」の中に記載した範囲のずれを含むものとする。
本実施態様においては、このような空気投入手段8を設けることにより、副燃焼室10内での燃焼に加え、上記副燃焼室10から燃焼室本体21へと流出した未焼ガスを、燃焼室本体21内で燃焼させることを可能とし、2段燃焼とすることができる。このような2段燃焼とすることにより、副燃焼室10内の温度の高温化を抑制することができるので、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を防止することができる。また、燃焼室本体21で行われる2次燃焼においては、仕切り板7により形成された堰から流出した未焼ガスの燃焼に必要な燃焼用空気を、空気投入手段8により副燃焼室10内に投入しているので、可燃粉体の十分なガス化が可能である。
また、ケーシング1の外周壁には、仕切り板7のバーナ側開口端91側に気体噴射スロート6が設置されている。この気体噴射スロート6に気体噴射ノズル11が装着される。気体噴射ノズル11には、気体が導入される流路が設けられ、流路に導入された気体は副燃焼室10内に噴射される。このような気体噴射スロートを設けることにより、バーナから噴出された可燃粉体の旋回を強化することができ、燃焼室側開口端からの未燃粉体の飛び出しを抑制することができる。
以下、本実施態様の粉体燃焼装置を構成する各部材について説明する。なお、空気投入手段、水蒸気投入手段、ケーシングおよび仕切り板については、上述した第1実施態様と同様なのでここでの説明は省略する。
(1)バーナ
次いで、本実施態様におけるバーナについて説明する。
本実施態様に用いられるバーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路と、可燃粉体に対して旋回を与える旋回発生手段とを有し、バーナの軸と副燃焼室の長手方向とが平行となるように、バーナスロートに装着され、旋回発生手段により可燃粉体を旋回させながら、ケーシングの長手方向に噴射可能とするものである。
本実施態様におけるバーナは、旋回発生手段を有していることから、可燃粉体を旋回させた状態で、ケーシングの長手方向に噴出させることができる。これによって、噴射された可燃粉体は、ケーシングの内周面に沿った周方向に旋回しながら、燃焼室本体側開口端へと移動していくため、副燃焼室内における可燃粉体の滞留時間を長くすることができる。また、可燃粉体と燃料および空気とが積極的に混合されることから可燃粉体の燃焼性を向上させることができる。
このような本実施態様におけるバーナにおいて、旋回発生手段としては、可燃粉体に対して旋回を与えるものであれば特に限定はされない。具体的には、上述した第1実施態様における旋回付与手段と同様であるのでここでの説明は省略する。
また、本実施態様におけるバーナは、その軸が副燃焼室の長手方向と平行となるように設置されるが、副燃焼室の長手方向に対して、バーナの軸が多少ずれるような略平行の状態も含むものとする。
その他、本実施態様におけるバーナに関しては、上述した「1.第1実施態様」の中に記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
(2)気体噴射ノズル
次に、気体噴射ノズルについて説明する。
本実施態様における気体噴射ノズルは、ケーシングの外周壁に形成された気体噴射スロートに装着され、気体を前記ケーシングの内周面に沿った周方向に噴射可能とするものである。
本実施態様においては、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと別個に、副燃焼室内に気体を投入する上記気体噴射ノズルを設けることが好ましい。副燃焼室内における可燃粉体の旋回力を強化することができるからである。
このような気体噴射ノズルの形成位置は、仕切り板の形成位置よりもバーナ側開口端側であることが好ましい。仕切り板を設けたことによる効果を有効に活かすことができるからである。したがって、副燃焼室内における可燃粉体の滞留時間を長くすることができるため、燃焼室本体側開口端からの未燃粉体の飛び出しを抑制することができる。中でも、仕切り板に近接して設けることが好ましい。燃焼室本体側開口端からの未燃粉体の飛び出し確率を低くすることができるといった効果を十分に得ることができるからである。
具体的に、気体噴射ノズルを装着する気体噴射スロートのセンターから仕切り板までの距離は、仕切り板からバーナ側開口端までの全長に対して、仕切り板から気体噴射スロートのセンターまでの距離が、30%以内、中でも、20%以内にあることが好ましい。または、気体噴射ノズルの直径を基準とした場合、仕切り板から、気体噴射スロートのセンターまでの距離が、気体噴射ノズルの直径の3倍以内、中でも、1.5倍以内にあることが好ましい。
また、具体的に仕切り板から気体噴射スロートのセンターまでの距離は、250mm以内、中でも、150mm以内であることが好ましい。
その他、本実施態様における気体噴射ノズルに関することは、上述した「1.第1実施態様」の中に記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
(3)副燃焼室
ついで、本実施態様における副燃焼室について説明する。本実施態様における副燃焼室は、長手方向の両端にバーナ本体側開口端と燃焼室本体側開口端とを有するケーシングにより画定されており、また、バーナ本体側開口端には、バーナ本体の軸と副燃焼室の長手方向が平行となるように、上記バーナが接続されており、バーナから噴出された可燃粉体のガス化が十分に行われるように形成されたものである。
このような副燃焼室内の形状としては、バーナから噴出された可燃粉体の旋回を妨げることがないのであればいかなる形状であっても特に限定はされないが、例えば、単純円筒状、または単純楕円筒状等を挙げることができる。さらに、図9に示すように、バーナの噴出口93と副燃焼室10とが接合している部分の段差が小さく、かつ、バーナ側開口端91側から燃焼室本体側開口端92側へ向って、副燃焼室10における径が連続的に広がるような形状であってもよい。本実施態様における副燃焼室の形状としては、図9に示すように、バーナの噴出口93と副燃焼室10とが接合している部分の段差が小さく、かつ、バーナ側開口端91側から燃焼室本体側開口端92側へ向って、副燃焼室における径が連続的に広がるような形状であることが好ましい。
例えば、バーナの噴出口の内径よりも大きい単純円筒を、バーナ噴出口と接合させると、バーナと単純円筒とに段差が生じるため、可燃粉体が副燃焼室に流入された際に、旋回流に沿わず、副燃焼室の内周面に衝突し、未ガス化状態のまま燃焼室本体側開口端から流出し、主燃焼室において灰分を堆積させるといった問題が生じる場合がある。しかしながら、図9に示すように、バーナの噴出口93と副燃焼室10とが接合している部分の段差が小さく、かつ、バーナ側開口端91側から燃焼室本体側開口端92側へ向って、副燃焼室における径が連続的に広がるような形状とすることにより、バーナ噴出口から流入した可燃粉体が無理なく副燃焼室の内周面に沿って旋回するので、上記問題を容易に解決することができるからである。
B.粉体燃焼方法
次に、本発明の粉体燃焼方法について説明する。本発明の粉体燃焼方法は、副燃焼室と、可燃粉体が前記副燃焼室の内周面に沿った周方向に旋回するように可燃粉体を前記副燃焼室内に噴出し、燃焼させるバーナと、前記副燃焼室に連通して並設される燃焼室本体と、前記バーナの形成位置よりも燃焼室本体側で前記副燃焼室内に堰を形成することができる仕切り板と、前記堰から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置を用いて可燃粉体を燃焼させる粉体燃焼方法であって、前記仕切り板の前記バーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量と、前記空気投入手段により投入される燃焼用空気の量との総計が、前記可燃粉体の化学量論的量の1.1〜1.6倍であり、さらに、前記仕切り板の前記バーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量が、前記化学量論的量の40〜90%の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の粉体燃焼方法においては、上記空気投入手段を有する粉体燃焼装置を用いていることから、副燃焼室内での可燃粉体の燃焼に加え、堰から燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼室本体内で燃焼させる2段燃焼を可能とする。この2段燃焼において、副燃焼室内での一次燃焼に要する空気量および燃焼室本体での二次燃焼に要する空気量を併せて上記範囲とし、さらに、上記一次燃焼の際に供給される空気量を上記範囲とすることにより、過剰に空気を供給することを抑制しているので、副燃焼室内の温度が上昇しすぎることを防止し、高温化を要因とする窒素酸化物の生成を抑制することができる。
なお、ここでいう、仕切り板のバーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量とは、本発明に用いられる粉体燃焼装置において、副燃焼室内で行われる一次燃焼の際に使用される燃焼用の空気の量を意味する。具体的には、バーナから供給される燃焼用空気および可燃粉体の搬送に用いる搬送空気、また、本発明の粉体燃焼方法において上述した粉体燃焼装置を用いた場合であり、さらに、上記気体噴射ノズルを設置した場合には、この気体噴射ノズルから供給される空気も含まれ、これらの空気の総量が該当する。
このような本発明の粉体燃焼方法において、使用される粉体燃焼装置としては、副燃焼室と、可燃粉体が前記副燃焼室の内周面に沿った周方向に旋回するように可燃粉体を前記副燃焼室内に噴出し、燃焼させるバーナと、前記副燃焼室に連通して並設される燃焼室本体と、前記バーナの形成位置よりも燃焼室本体側で前記副燃焼室内に堰を形成することができる仕切り板と、前記堰から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有するものであれば特に限定はされない。具体的には、上記第1実施態様および第2実施態様に記載した粉体燃焼装置を用いることが好ましい。このような本発明に用いられる粉体燃焼装置については、上記「A.粉体燃焼装置」の中に記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
本発明において化学量論的量とは、バーナから噴出された可燃粉体を完全燃焼させるために必要な理論上の空気量を意味する。このような化学量論的量に対して、仕切り板のバーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量と、空気投入手段により投入される燃焼用空気の量とを併せた空気量の総計は、1.1〜1.6倍の範囲内であり、中でも、1.1倍〜1.4倍の範囲内、さらには、1.1倍〜1.2倍の範囲内とすることが好ましい。空気量が上記範囲よりも少ないと、未燃ガスや煤が発生しやすくなる場合があるため好ましくなく、空気量が上記範囲よりも多いと、排ガス量が多くなる場合があり、環境上好ましくない。また、煙突などの排気装置が大型化するといった問題が生じる場合もあり好ましくない。したがって、空気量が2段燃焼を可能とする粉体燃焼装置において、その2段燃焼に要する全体的な空気量を上記範囲とすることにより、空気の過剰供給を防止することができるので、副燃焼室の高温化を抑制することができる。なお、COガス等の難燃性ガスを用いる場合には、燃焼炉出口で未燃ガスが検出されない程度に上記空気量を増加してもよい。
さらに、仕切り板のバーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量は、上記化学量論的量の40%〜90%の範囲内であり、中でも、60%〜70%の範囲内とすることが好ましい。空気量が上記範囲よりも少ないと、煤が発生し、また、熱量の不足によりガス化が不充分となるといった問題が生じる場合があるため好ましくない。上記範囲とすることにより、副燃焼室内で行われる一次燃焼において、供給される空気量が可燃粉体のガス化に必要とされる空気量より過剰となることがないので、副燃焼室内の温度が高温化することを防止でき、窒素酸化物の生成を抑制することができるからである。
また、本発明の粉体燃焼方法においては、副燃焼室内に水蒸気を投入して可燃粉体を燃焼させることが好ましい。具体的に、副燃焼室内に水蒸気を投入する方法としては、上述した「第1実施態様」に記載した水蒸気投入手段を用いることができる。
さらに、副燃焼室内に水蒸気を投入する場合、その投入量としては、バーナから噴射される可燃粉体重量の10〜40%の範囲内であることが好ましく、中でも、20〜30%の範囲内であることが好ましい。
その他、副燃焼室内に水蒸気を投入する場合については、上記「第1実施態様」における水蒸気投入手段の項目において記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態は例示であり、本明細書の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様の効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
また、本発明に用いられるガス燃料としては、コークス炉ガス、LNG、LPGおよび各種副性ガスが例示され、液体燃料としては、灯油、重油などの石油系燃料あるいはメタノールが例示される。
以下、実施例を例示して、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
図1と同様の構造の粉体燃焼装置を用いた。ケーシングの内径(直径)は762mm、長さ(内寸)は768mmであり、仕切り板の中央部には直径400mmの円形の開口部が形成されている。
バーナスロートには、三重管構造のバーナを装着した。バーナを構成している第1流路には、空気搬送された廃プラスチック粉末(主成分はポリスチレン)を導入し、第2流路にはガス燃料としてのコークス炉ガスを導入し、第3流路には燃焼用空気を導入した。仕切り板には、開口部に対し同心円となる直径70cmの位置に内径が38mmの空気投入口を円周上に均等に6個設けた。
上述の粉体燃焼装置をケーシングの長手軸が水平となるように設置し、コークス炉ガスの入熱量が全入熱量の10%となるように調整しながら燃焼試験を行った。なお、副燃焼室内の雰囲気温度が1000℃に達するまではコークス炉ガスの燃焼比率を高くして燃焼を行い、副燃焼室の雰囲気温度が1000℃を超えた後は、コークス炉ガスの入熱量が上記の値となるよう調節した。また、バーナから噴出する廃プラスチック粉末の流速(初速度)は、8m/秒とし、1時間当たり最大100kgの割合で燃焼させた。
バーナと気体噴射ノズルとから副燃焼室内に投入する空気すなわち1次燃焼用空気の量と空気投入口から投入する空気すなわち2次燃焼用空気の量との合計(総空気量)を燃料すなわち廃プラスチック粉末とコークス炉ガスの化学量論的量の1.1倍に調整し、1次燃焼用空気と2次燃焼用空気の投入量を変更して、排ガス中の窒素酸化物濃度を調査した。
なお、バーナから投入する可燃粉体の搬送用空気と気体噴射ノズルから投入する空気の量は、それぞれ化学量論的量の10%とした。
図10にポリスチレン3.2mm粒子を用いた試験結果を示す。縦軸は2次燃焼用空気の投入量を0、すなわち1次燃焼用空気を化学量論的量の1.1倍としたときの窒素酸化物濃度を6%O換算で1としたときの相対値で、横軸は化学量論的量に対する1次燃焼空気量の割合(1次空気比)である。図10に示すように、1次空気比を下げることにより、排ガス中の窒素酸化物濃度が減少する。例えば、1次空気比を0.5とすると窒素酸化物生成量を約1/5程度まで抑えることができる。
(実施例2)
廃プラスチック粉末としてABS樹脂を主成分とする粒子径3.2mmのプラスチック粉末を用い、コークス炉ガスの入熱量が全入熱量の70%となるようにした以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。
図11に試験結果を示す。2段燃焼を行うことにより実施例1と同様に排ガス中の窒素酸化物の濃度を低く抑えることができる。なお、ABS樹脂は窒素分を含有しているため、排ガス中の窒素酸化物は実施例1に比べ高い値を示した。1次空気比が約0.6で下限値を示すのは、副燃焼室内の部分燃焼により生じた窒素酸化物前駆体すなわち燃料中の窒素が燃焼反応により生じるHCNが、2次燃焼の際の高温化により窒素酸化物(NOx)に転化するためであると推察される。また、1次空気比が過小となると、副燃焼室内の燃焼温度が低下しすぎるので、副燃焼室内に固形未焼分が残留した。
(実施例3)
廃プラスチック粉末としてABS樹脂を主成分とする粒子径3.2mmのプラスチック粉末を用い、コークス炉ガスの入熱量が全入熱量の15%で、1次空気比が82%で、かつ水蒸気を投入した以外は実施例1と同様の条件で試験を行い、排ガス中の窒素酸化物濃度、二酸化炭素濃度および酸素濃度を調査した。
図12から図14に、水蒸気投入量を変更したときの、副燃焼室の開口側端部に配置した燃焼炉本体の出口における排ガス中の窒素酸化物濃度、二酸化炭素濃度および酸素濃度のそれぞれの調査結果を示す。なお、図12から図14の横軸は、可燃粉体重量に対する水蒸気投入重量の比(水蒸気投入重量/可燃粉体重量)を示し、これを水蒸気添加比率として示した。図12から図14の縦軸はそれぞれ水蒸気未添加の場合の窒素酸化物濃度を1としたときの窒素酸化物濃度の割合、水蒸気未添加の場合の二酸化炭素濃度を1としたときの二酸化炭素濃度の割合、水蒸気未添加の場合の酸素濃度を1としたときの酸素濃度の比率を示している。
図12に示す結果から、水蒸気添加比率を0.2程度とすることで、2段燃焼により抑制した排ガス中の窒素酸化物濃度をさらに2割程度の引き下げが可能であることが示唆される。
図13および図14に示すように、水蒸気を投入することにより、排ガス中の二酸化炭素濃度が上昇し、酸素濃度が低下しており、少ない過剰空気で可燃粉体の燃焼が可能であることが明らかである。例えば水蒸気添加比率を0.2とすることで、過剰空気量を水蒸気添加比率が0の場合の約70%程度に引き下げることができることが示唆される。これにより、燃焼用空気の投入に伴い投入される窒素量が減少し、窒素酸化物の生成を抑制することができる。
(実施例4)
廃プラスチックとしてそれぞれポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)を主成分とする粒径3.2mmの3種類のプラスチックを用い、コークス炉ガスの入熱量を全入熱量の10%とし、1次空気比を60%とし、かつ水蒸気を投入した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。図15に試験結果を示す。
図15に示す結果から、PP、PEおよびPSをそれぞれ主成分とするプラスチックは20〜30%の水蒸気添加で60%程度にまで排ガス中の窒素酸化物濃度を抑制することができることが分かる。
図1(A)は、本発明の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したI−I線矢視断面の概略図である。 図2(A)は、本発明の粉体燃焼装置の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示したIII−III線矢視断面の概略図である。 本発明における空気投入手段の例を示した概略図である。 図4(A)は、三重管構造のバーナの一例をその噴射口側からみた正面図であり、図4(B)は、図4(A)に示したIV−IV線矢視断面の概略図である。 副燃焼室内に堰を形成するための仕切り板の他の例を示す概略断面図である。 副燃焼室内に堰を形成するための仕切り板の他の例を示す概略断面図である。 副燃焼室内に堰を形成するための仕切り板の他の例を示す概略断面図である。 ケーシングの形状の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図である。 本発明の粉体燃焼装置の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図である。 実施例1における結果を示したグラフである。 実施例2における結果を示したグラフである。 実施例3における結果を示したグラフである。 実施例3における結果を示したグラフである。 実施例3における結果を示したグラフである。 実施例4における結果を示したグラフである。
符号の説明
1 … ケーシング
2 … 側壁
3 … 開口側端部
4 … 外周壁
5 … バーナスロート
6 … 気体噴射スロート
7 … 仕切り板
8 … 空気投入手段
10 … 副燃焼室
11 … 気体噴射ノズル
12 … バーナ

Claims (9)

  1. 長手方向の一端が閉塞され、他端が開口された筒状のケーシングによって画定される副燃焼室と、前記副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと、前記副燃焼室の開口側端部に配置された燃焼室本体と、前記副燃焼室から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置であって、
    前記ケーシングは、外周壁に形成されたバーナスロートと、外周壁に形成された気体噴射スロートと、前記バーナスロートの形成位置よりも前記副燃焼室の開口側である、副燃焼室の燃焼室本体側の端部に堰を形成することができる仕切り板とを有し、
    前記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路を有し、前記バーナスロートに装着されて、前記ケーシングの内周面に沿った周方向に前記可燃粉体を噴射可能とし、
    前記気体噴射スロートには、前記副燃焼室内に気体を前記可燃粉体と同一周方向に噴射可能とする気体噴射ノズルが装着され、
    前記気体噴射スロートは、前記仕切り板に隣接して、前記仕切り板の前記バーナスロート側に位置するものであり、
    前記空気投入手段は、前記燃焼室本体内に燃焼用空気が投入可能となるように配置されていることを特徴とする粉体燃焼装置。
  2. 前記バーナが、前記第1流路よりも内周に形成され、ガス燃料または液体燃料が導入される第2流路と、前記第1流路よりも外周に形成され、燃焼用空気が導入される第3流路と、前記第2流路または前記第3流路を流れる流体に旋回を与える旋回付与手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の粉体燃焼装置。
  3. 長手方向の両端にバーナ側開口端と燃焼室本体側開口端とを有するケーシングにより画定される副燃焼室と、前記副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと、前記副燃焼室の燃焼室本体側開口端に配置された燃焼室本体と、前記副燃焼室から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置であって、
    前記ケーシングは、前記バーナ側開口端に設置されたバーナスロートと、外周壁に形成された気体噴射スロートと、副燃焼室の燃焼室本体側の端部に堰を形成することができる仕切り板とを有し、
    前記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路と、前記可燃粉体に対して旋回を与える旋回発生手段とを有し、バーナの軸と副燃焼室の長手方向とが平行となるように、前記バーナスロートに装着され、前記旋回発生手段により前記可燃粉体を旋回させながら、前記ケーシングの長手方向に噴射可能とするものであり、
    前記気体噴射スロートには、前記副燃焼室内に気体を前記可燃粉体と同一周方向に噴射可能とする気体噴射ノズルが装着され、
    前記気体噴射スロートは、前記仕切り板に隣接して、前記仕切り板の前記バーナスロート側に位置するものであり、
    前記空気投入手段は、前記燃焼室本体内に燃焼用空気が投入可能となるように配置されていることを特徴とする粉体燃焼装置。
  4. 前記バーナが、前記第1流路よりも内周に形成され、ガス燃料または液体燃料が導入される第2流路と、前記第1流路よりも外周に形成され、燃焼用空気が導入される第3流路とを有し、前記旋回発生手段は、前記第2流路または前記第3流路を流れる流体に旋回を与える手段であることを特徴とする請求項3に記載の粉体燃焼装置。
  5. 前記空気投入手段は、燃焼用空気が前記ケーシングの長手方向に平行となる方向に投入されるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の粉体燃焼装置。
  6. 前記空気投入手段は、前記仕切り板の前記燃焼室本体側の側面に形成された空気投入口から前記燃焼室本体内に空気を投入するものであることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の粉体燃焼装置。
  7. 前記粉体燃焼装置は、前記副燃焼室内に水蒸気を投入することが可能な水蒸気投入手段を有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の粉体燃焼装置。
  8. 副燃焼室と、可燃粉体が前記副燃焼室の内周面に沿った周方向に旋回するように可燃粉体を前記副燃焼室内に噴出し、燃焼させるバーナと、前記副燃焼室に連通して並設される燃焼室本体と、前記バーナの形成位置よりも燃焼室本体側の前記副燃焼室端部に堰を形成することができる仕切り板と、前記仕切り板に隣接して、前記仕切り板の前記バーナ側に配置され、前記副燃焼室内に気体を前記可燃粉体と同一周方向に噴射可能な気体噴射ノズルと、前記堰から前記燃焼室本体内へ流出する燃焼ガス中の未焼ガスを燃焼させる燃焼用空気を投入する空気投入手段とを有する粉体燃焼装置を用いて可燃粉体を燃焼させる粉体燃焼方法であって、
    前記仕切り板の前記バーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量と、前記空気投入手段により投入される燃焼用空気の量との総計が、前記可燃粉体の化学量論的量の1.1〜1.6倍であり、
    さらに、前記仕切り板の前記バーナ側で可燃粉体を燃焼させる際に供給する空気量が、前記化学量論的量の40〜90%の範囲内であることを特徴とする粉体燃焼方法。
  9. 前記副燃焼室内に水蒸気を投入して前記可燃粉体の燃焼を行い、前記水蒸気の投入重量が前記バーナから噴射される可燃粉体重量の10〜40%の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の粉体燃焼方法。
JP2003360677A 2003-10-21 2003-10-21 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法 Expired - Fee Related JP4007306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003360677A JP4007306B2 (ja) 2003-10-21 2003-10-21 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003360677A JP4007306B2 (ja) 2003-10-21 2003-10-21 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005127538A JP2005127538A (ja) 2005-05-19
JP4007306B2 true JP4007306B2 (ja) 2007-11-14

Family

ID=34640917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003360677A Expired - Fee Related JP4007306B2 (ja) 2003-10-21 2003-10-21 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4007306B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5362620B2 (ja) * 2009-05-26 2013-12-11 株式会社バイオマス・プロダクツ バイオマス粉体燃料燃焼バーナ
JP6220543B2 (ja) * 2013-04-15 2017-10-25 バイオマスエナジー株式会社 バーナー装置及び燃焼炉
JP2022027531A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 武夫 河原井 バイオマス燃料の燃焼機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005127538A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2003212026B2 (en) Nox-reduced combustion of concentrated coal streams
JP4150968B2 (ja) 固体燃料バーナと固体燃料バーナの燃焼方法
JP2004100967A (ja) 粉体燃焼用バーナ、粉体燃焼方法および焼却炉
EP1312859B1 (en) Solid fuel burner, burning method using the same, combustion apparatus and method of operating the combustion apparatus
CN102305415B (zh) 一种富氧环境下的等离子无油点火系统
US4685404A (en) Slagging combustion system
KR101547583B1 (ko) 분말연료 전환 시스템 및 방법
SK287642B6 (sk) Horák na tuhé palivo a spôsob spaľovania horákom na tuhé palivo
JP3890497B2 (ja) 固体燃料バーナと固体燃料バーナの燃焼方法
JP2002228107A (ja) 微粉炭バーナ
EP0432293B1 (en) Method for recovering waste gases from coal combustor
MX2014004260A (es) Quemador de combustible solido.
JP4007306B2 (ja) 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法
KR950011331B1 (ko) 슬래깅 연소 시스템
JP4016909B2 (ja) 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法
RU2350838C1 (ru) Высокотемпературный циклонный реактор
JP2004093073A (ja) 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法
JP2004347236A (ja) 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法
WO2006016833A1 (fr) Four a turbulence
CA1262839A (en) Slagging combustion system
JPH0366565B2 (ja)
CN116481020A (zh) 一种包含一个以上烟气涡流燃烧室的烟气后燃烧装置
JPH09137917A (ja) 粉粒体状燃料燃焼装置
WO2006004453A1 (fr) Foyer a tourbillons
IE65456B1 (en) Slagging combustion system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070820

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100907

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110907

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120703

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120907

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20121030

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130907

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees