JP5362620B2 - バイオマス粉体燃料燃焼バーナ - Google Patents

バイオマス粉体燃料燃焼バーナ Download PDF

Info

Publication number
JP5362620B2
JP5362620B2 JP2010044710A JP2010044710A JP5362620B2 JP 5362620 B2 JP5362620 B2 JP 5362620B2 JP 2010044710 A JP2010044710 A JP 2010044710A JP 2010044710 A JP2010044710 A JP 2010044710A JP 5362620 B2 JP5362620 B2 JP 5362620B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
burner
air
air supply
pipe
combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010044710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011007478A (ja
Inventor
健 篠宮
征 篠宮
範夫 湯本
進 秦
Original Assignee
株式会社バイオマス・プロダクツ
細山熱器株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社バイオマス・プロダクツ, 細山熱器株式会社 filed Critical 株式会社バイオマス・プロダクツ
Priority to JP2010044710A priority Critical patent/JP5362620B2/ja
Publication of JP2011007478A publication Critical patent/JP2011007478A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5362620B2 publication Critical patent/JP5362620B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Supply (AREA)

Description

本発明は、バイオマス粉体燃料燃焼バーナに関し、詳細には、木材などのバイオマス材料を微細粉化して得られるバイオマス粉体燃料を、補助燃料なしに効率良く燃焼させる、バイオマス粉体燃料燃焼バーナに関するものである。
近年、COの大量排出が原因であるとされる地球温暖化の問題が指摘され、石油、石炭を始めとするいわゆる化石燃料に代わる、環境負荷の少ないカーボンニュートラルな燃料の開発が進められている。
例えば、特許文献1に開示されているバイオマス粉体燃料もその一つで、このバイオマス粉体燃料は、森林資源をはじめ、廃材となった木材や、樹皮、草等のリグノセルロース系バイオマス材料を微細粉化して得られる燃料であり、燃焼させても、COの発生に関してはニュートラルであるので、地球環境的に好ましい燃料である。また、平均粒径が300μm以下と微粉で、表面積が大きいことから、酸素との反応効率が高く、従来のチップ状或いはペレット状に成形された木粉燃料に比べて燃焼速度が速く、かつ、流体的な流動性を有しているので、従来の液体又は気体燃料に近い取り扱いが可能になると期待されている。
しかしながら、本発明者らが知る限り、上記バイオマス粉体燃料を、油やガスなどの補助燃料なしに安定的に燃焼させ、燃焼の立上がり、停止が極めて短時間に完了するバーナは、未だ提案されていないのが実状である。
特開2008−13738号公報
本発明は、上記の実状に鑑み為されたもので、バイオマス粉体燃料を、油やガスなどの補助燃料なしに安定的に燃焼させるバーナを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意試行錯誤を繰り返した結果、バイオマス粉体燃料をバーナで燃焼させるに際し、燃焼開始時には、燃焼に必要な空気の一部だけを一次空気として供給してバイオマス粉体燃料に部分燃焼(酸化)反応を起こさせ、その反応熱でバイオマス粉体中の揮発性成分を気化させることによって、バイオマス粉体燃料を燃焼性の良い燃料に改質させることができること、そして、その後、燃焼に必要な残りの空気を二次空気として供給して燃焼させることにより、バイオマス粉体燃料を、補助燃料なしに安定的に燃焼させ、かつ、短時間で燃焼反応が終結し、狭い燃焼室内で完全燃焼させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一端が開口した有底のバーナ管と、バーナ管の底部近傍においてバーナ管内側と連通する粉体燃料供給管路と、バーナ管の底部近傍及び/又は粉体燃料供給管路に開口する一次空気供給口と、バーナ管内に配置された点火手段と、バーナ管の底部近傍に開口する一次空気供給口よりもバーナ管の開口端に近い位置に開口する1又は複数の二次空気供給口と、一次空気供給口及び二次空気供給口に空気を供給する燃焼用空気供給手段と、前記粉体燃料供給管路にバイオマス粉体燃料を供給する粉体燃料供給手段とを備え、一次空気供給口からバーナ管内に供給される一次空気の空気比が0.2〜0.5の範囲にあるバイオマス粉体燃料燃焼バーナを提供することによって、上記の課題を解決するものである。
本発明のバーナにおいては、上記のとおり、バーナ管の底部近傍には、バイオマス粉体燃料に加えて、空気比が0.2〜0.5の一次空気のみが供給され、バイオマス粉体燃料の部分燃焼が開始される。燃焼に必要な残りの空気は、バイオマス粉体燃料の部分燃焼が進行し、温度が十分に上昇した後に、二次空気としてバーナ管内に供給される。一次空気と二次空気を合わせた燃焼用空気の空気比は1.0〜1.5の範囲になるように設定され、これにより、バーナ管内でのバイオマス粉体燃料の安定的な完全燃焼が図られる。また、本発明のバーナの好ましい態様においては、バーナ管の開口端の外周に過剰空気供給口が設けられ、この過剰空気供給口から空気比が0.1〜0.5の範囲にある過剰空気が供給される。このような過剰空気が供給されることによって、バーナ管外の、例えばボイラ等の燃焼室において、バイオマス粉体燃料のより安定的な完全燃焼が実現される。
本発明のバーナにおいては、一次空気のみによる部分燃焼を十分に進行させるため、部分燃焼部の長さ、すなわち、バーナ管の底面から最も底面側に位置する二次空気供給口までのバーナ管円筒軸方向の距離Sは、バーナ管の円筒軸方向の長さLに対して、S≧(1/4)Lの関係にあるのが好ましい。
本発明のバーナは、より具体的には、上記のバーナ管及び粉体燃料供給管路に加え、バーナ管と同軸に配置され、バーナ管の外面との間に空気流路を形成する外管を備え、バーナ管に開口する一次空気供給口及び二次空気供給口が、前記空気流路とバーナ管の内側とを連通させるバーナ管壁に設けられた貫通孔であり、粉体燃料供給管路に開口する一次空気供給口が、前記空気流路と粉体燃料供給管路を接続する管路の粉体燃料供給管路側の開口であり、燃焼用空気供給手段が、前記空気流路に燃焼用空気を供給する送風機であるバーナとすることができる。本発明のバーナをこのような構成とするときには、構造が簡単で、コンパクトなバーナとなる。
本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナによれば、カーボンニュートラルなバイオマス粉体燃料を、油やガスなどの補助燃料なしに、ガス燃料や石油系液体燃料と同様に、安定的に完全燃焼させることができるので、地球環境に与える影響の少ない、取り扱いの容易な燃焼装置を提供することができるという利点が得られる。また、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナによれば、運転開始時には、バイオマス粉体燃料の燃焼速度が速いので、バーナが正常運転に達するまでの待ち時間が短くて済み、運転停止時には、バイオマス粉体燃料の供給を停止すれば、極めて短時間に燃焼が停止するので、運転、停止が容易で、無人運転に適した燃焼バーナが得られるという利点がある。
本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナの一例を示す縦断面図である。 図1のXの位置における断面図である。 図1のXの位置における断面図である。 図1のXの位置における断面図である。 本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナの他の一例を示す縦断面図である。 外管の斜視図であり冷却水の流れを示す図である。 本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナの更に他の一例を示す縦断面図である。 本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナの更に他の一例を示す縦断面図である。 粉体燃料供給管路の部分拡大図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
図1は、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナの一例を示す縦断面図である。図1において、1は本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナを示し、2はバーナ管、3は外管である。本例において、バーナ管2は有底の円筒状であり、図に示すとおり、一方端(図1においては右側端)が開口している。外管3は、同じく有底の円筒状で、バーナ管2と同軸に配置されており、外管3の内面とバーナ管2の外面との間に、空気流路4を形成している。なお、バーナ管2は有底であれば良く、その形状は円筒状に限られない。例えば、円錐台の台部分を底部とする円錐台形状であっても良く、その場合には、外管3も、バーナ管2と同軸に配置された円錐台形状とするのが良い。
本発明のバーナ1においては、バーナ管2の円筒軸方向の長さLは、バーナ管2の直径Dの3倍以上、すなわち、L/D≧3であるのが望ましい。L/Dが3未満であると、バーナ管2内において、十分な長さの部分燃焼領域と完全燃焼領域を確保するのが難しくなるので好ましくない。また、L/Dの上限には特段の制限はないけれども、バーナ管2の長さLが直径Dに比べて余りに長すぎると、後述する送風手段の能力を高める必要が生じるので、L/Dは5以下、すなわち、L/D≦5とするのが好ましい。
5は、バーナ管2の底部近傍においてバーナ管2の内側と連通する粉体燃料供給管路であり、粉体燃料供給管路5の下端は、開口5aによって、バーナ管2の内側と連通している。6は、バイオマス粉体燃料を、順次、粉体燃料供給管路5に供給する供給装置、7は、供給装置6と接続されたバイオマス燃料のタンクである。供給装置6としては、タンク7に収容されているバイオマス粉体燃料を一定量ずつ粉体燃料供給管路5に供給することができるものであれば、どのような機構のものであっても良く、例えば、図に示すような容量式の回転フィーダであっても良いし、スクリューフィーダであっても良い。
図1の例では、供給装置6から粉体燃料供給管路5へと供給されるバイオマス粉体燃料は、自重によって、開口5aからバーナ管2内へと供給されるようになっているが、後述する一次空気供給口12bを介して、一次空気の一部若しくは全部を、粉体燃料供給管路5内に供給し、その一次空気によって強制的又は半強制的にバーナ管2内に供給するようにしても良い。なお、バイオマス粉体燃料としては、木材等のバイオマス材料が、平均粒径が300μm以下、好ましくは100μm以下の微粉に微粉化されているバイオマス粉体燃料であればどのようなバイオマス粉体燃料でも使用可能であるが、例えば、上記特許文献1に開示されているリグノセルロース系のバイオマス微細粉燃料、中でも、平均粒径が30〜40μmのバイオマス微細粉燃料を用いるのが好適である。
8は、バーナ管2内に配置された点火手段である。点火手段8としては、電気スパークを点火源とする点火プラグであっても良いし、適宜のガス又はオイルを点火源とする点火手段であっても良い。図示の例では、点火手段8はバーナ管2の底部近傍に配置されているが、バーナ管2内に配置される点火手段8の位置は、一次空気と混合したバイオマス粉体燃料を着火することができる位置であればバーナ管2の底部近傍でなくても良い。9は送風機であり、外管3にバーナ1と一体になるように取り付けられている。送風機9は、空気流路4に空気を供給することにより、後述する一次空気供給口、及び二次空気供給口に空気を供給する燃焼用空気供給手段として機能する。なお、10は覗き孔である。
11は、バーナ管2の底部近傍に開口している一次空気供給口である。一次空気供給口11は、図1では1個しか示されていないが、図1のXの位置での断面図である図2に見られるとおり、バーナ管2の円周方向に180度ずれた位置にも設けられており、合計2個の一次空気供給口11、11がバーナ管2の底部近傍に開口している。一次空気供給口11、11の数は2個に限られず、1個であっても良いし、3個以上であっても良いが、一次空気供給口11を3個以上設ける場合には、それらはバーナ管2の円周方向に沿って均等な角度間隔で設けるのが望ましい。
一次空気供給口11、11は、空気流路4とバーナ管2の内側を連通させる貫通孔としてバーナ管2の壁面に形成されているので、送風機9によって空気流路4に供給された空気は、一次空気供給口11、11からバーナ管2内に供給されることになる。また、一次空気供給口11、11は、図2に示すように、バーナ管2の円周接線方向に沿った方向に開口しているので、一次空気供給口11、11からバーナ管2内に供給される一次空気は、図2に矢印で示すとおり、バーナ管2の円周方向に送出される。
一方、粉体燃料供給管路5の開口5aは、図2に示すとおり、バーナ管2の中心よりも側方にずれた位置に開口している。このため、開口5aから供給されるバイオマス粉体燃料は、図中矢印で示すように、バーナ管2の円周方向に沿った方向に供給され、前述した一次空気供給口11、11からバーナ管2の円周方向に送出される一次空気と相俟って、バーナ管2内には、バイオマス粉体燃料と一次空気との混合物による旋回流が、図中反時計回りに形成されることになる。
本発明のバーナ1においては、上述のように、一次空気及びバイオマス粉体燃料を、バーナ管2の底部近傍において、両者の混合物による旋回流が形成されるような方向からバーナ管2内に供給するのが望ましい。これにより、旋回流が形成されない場合に比べて、より安定した部分燃焼を実現することができるという利点が得られる。但し、一次空気とバイオマス粉体燃料の混合物による旋回流の形成は必ずしも欠くことのできない要件ではなく、場合によっては、一次空気供給口11、11を、バーナ管2の壁面に垂直な方向に開口させ、一次空気をバーナ管2の中心に向かって供給するようにしても良い。同様に、粉体燃料供給管路5の開口5aを、バーナ管2の中心を通る線上に開口させ、バイオマス粉体燃料をバーナ管2の中心に向かって供給するようにしても良い。
本発明のバーナ1において、一次空気供給口11、11から供給される一次空気の空気比は0.2〜0.5の範囲に設定される。一次空気の空気比が0.2未満では、たとえ部分燃焼とはいえ、バイオマス粉体燃料を燃焼させることが難しく、0.5を超えると、バイオマス粉体燃料の温度が十分に上昇する前に燃焼が進行するので、燃焼が不安定になり、好ましくない。したがって、一次空気の空気比は0.2〜0.5の範囲、好ましくは0.2〜0.4の範囲、さらに好ましくは0.25〜0.35の範囲に設定するのが好ましく、一次空気の空気比がこの範囲内にあるときには、バイオマス粉体燃料は、バーナ管2内で部分燃焼状態で安定して燃焼し、その温度が上昇し、その反応熱でバイオマス粉体中の揮発性成分が気化し、後続する二次空気下での燃焼に適した状態となる。なお、図1において、破線で囲ったαで示す領域が、一次空気のみの存在下で部分燃焼が進行する部分燃焼部ということになる。
一次空気供給口11、11から供給される一次空気の空気比の設定は、空気流路4を経由して一次空気供給口11、11を通過する流路の流路抵抗を調節することによって行うことができる。この流路抵抗の調節は、例えば、一次空気供給口11、11の大きさや数を変更することによって行うことができる。図1に示す例のように、単一の送風機9から単一の空気流路4を介して、一次空気供給口11、11だけでなく、後述する二次空気供給口や過剰空気供給口にも空気を供給する場合には、それら併存する流路における流路抵抗を勘案して、一次空気供給口11、11を通過する流路の流路抵抗を調節する必要があることは勿論である。また、一次空気を供給する専用の送風手段を設け、専用の空気流路から一次空気供給口11、11に一次空気を供給する場合には、その送風手段の送風量を調節するか、流路途中に流量調節手段を設けるなどして、一次空気供給口11、11から供給される一次空気の量を調節し、その空気比を所望の値に設定することが可能である。
本発明のバーナ1において、一次空気は、その全量を、上述した一次空気供給口11、11、すなわち、バーナ管2の底部近傍に開口する一次空気供給口11、11からバーナ管2内に供給するようにしても良いし、その一部又は全量を、粉体燃料供給管路5に開口する一次空気供給口から供給するようにしても良い。
すなわち、図1に示す例においては、空気流路4と粉体燃料供給管路5とを連通させる分岐管路12が設けられており、分岐管路12の一方端は外管3の内側の空気流路4に開口12aとなって、また、他端は、粉体燃料供給管路5に一次空気供給口12bとなって、それぞれ、開口している。12cは、分岐管路12に設けられている開閉弁である。このような分岐管路12が設けられている場合には、開閉弁12cを開とすると、送風機9から空気流路4に供給される空気の一部は、開口12a、分岐管路12を経由して、粉体燃料供給管路5に開口する一次空気供給口12bから、粉体燃料供給管路5に供給され、バイオマス粉体燃料とともに、開口5aからバーナ管2内に供給されることになる。一次空気の一部を、一次空気供給口12bから、粉体燃料供給管路5に供給する場合には、バイオマス粉体燃料のバーナ管2内への供給を半ば強制的に行うことができ、バイオマス粉体燃料の供給が滞りなくスムースに行われるという利点が得られる。一次空気の一部を粉体燃料供給管路5に供給する必要のないときには、開閉弁12cを閉とすれば良い。
また、極端な場合には、一次空気供給口11、11を閉鎖して、一次空気の全量を、一次空気供給口12bから粉体燃料供給管路5を経由させ、バイオマス粉体燃料とともに、開口5aからバーナ管2内に供給するようにしても良い。このように、一次空気の全量を、一次空気供給口12bから粉体燃料供給管路5に供給する場合には、バイオマス粉体燃料の供給を強制的に行うことができるので、バイオマス粉体燃料の供給に重力を利用する必要がなくなり、供給装置6及びバイオマス粉体燃料のタンク7を、例えば、バーナ管2の側方に配置することが可能となる。
但し、いずれの場合においても、バーナ管2の底部近傍に開口する一次空気供給口11、11、又は、粉体燃料供給管路5に開口する一次空気供給口12b、或いはその双方からバーナ管2内に供給される一次空気の空気比は、0.2〜0.5に設定され、好ましくは、0.2〜0.4の範囲、さらに好ましくは0.25〜0.35の範囲に設定される。なお、一次空気供給口12bから供給される一次空気の空気比は、分岐管路12の流路抵抗を調節することによって、任意の値に設定することが可能である。場合によっては、分岐管路12に流量調節弁を設け、それによって一次空気供給口12bから供給される一次空気の空気比を調節するようにしても良い。
因みに、バイオマス粉体燃料の理論空気量は、対象とするバイオマス粉体燃料の組成を分析し、含まれている可燃成分の種類と割合から計算で求めることができる。或いは、そのバイオマス粉体燃料の総発熱量から経験式に基づいて求めることもできる。所定の空気比となる空気量は、バイオマス粉体燃料の理論空気量に基づいて、計算によって求めることができる。
13a、13b、13cは二次空気供給口であり、二次空気供給口13a、13b、13cは、一次空気供給口11、11よりも、バーナ管2の開口端に近い位置に開口している。二次空気供給口13a、13b、13cは、図1では3個しか示されていないけれども、バーナ管2の円周方向に180度ずれた手前側にも3個あり、合計6個の二次空気供給口13a、13b、13c、13d、13e、13fが設けられている。
図3は、図1のXで示す位置における断面図、図4は、図1のXで示す位置における断面図である。図3には、図1で最も左側に位置する二次空気供給口13aが、図4には、図1では示されていないバーナ管2の手前側に位置する二次空気供給口13dが現れている。XとXとは、図1に示される二次空気供給口13a、13b、13cの配置間隔の1/2の距離だけ離れており、図3に示される二次空気供給口13aと、図4に示される二次空気供給口13dとは、二次空気供給口13a、13b、13cの配置間隔の1/2の距離だけずれた位置に設けられていることになる。図1における中央の二次空気供給口13bから配置間隔の1/2の距離だけバーナ管2の開口側にずれた図中Xで示す位置、及び最も右側の二次空気供給口13cから配置間隔の1/2の距離だけバーナ管2の開口側にずれた図中Xで示す位置にも、それぞれ、図4に示すと同様の二次空気供給口13e、13fがそれぞれ設けられている。
二次空気供給口13a〜13fの数は6個に限られない。5個以下であっても良いし、7個以上であっても良いが、二次空気を均等に供給するという観点からは、二次空気供給口はバーナ管2の円周方向に沿って均等な角度間隔で設けるのが望ましく、また、バーナ管2の円筒軸方向に位置をずらして、その配置が均等になるように設けるのが望ましい。
図1、図3、図4に示すとおり、二次空気供給口13a〜13fはバーナ管2の壁面を貫通する貫通孔として形成されており、送風機9によって、空気流路4に供給された空気の一部は、二次空気供給口13a〜13fから、バーナ管2内に供給されることになる。
また、図3、図4に示すとおり、二次空気供給口13a〜13fは、一次空気供給口11、11と同様に、バーナ管2の円周方向に180度位置をずらして設けられ、かつ、バーナ管2の円周接線方向に沿った方向に開口している。したがって、二次空気供給口13a〜13fからバーナ管2内に供給される二次空気は、図中矢印で示すとおり、バーナ管2の円周方向に送出され、その結果、バーナ管2内には、二次空気による旋回流が形成される。この二次空気によって形成される旋回流は、バイオマス粉体燃料と一次空気とによって形成される旋回流と同じ向きである。
本発明のバーナ1においては、上述のように、二次空気を、バイオマス粉体燃料と一次空気とによって形成される旋回流と同じ向きに旋回流が形成されるような方向から、バーナ管2内に供給するのが望ましい。これにより、旋回流が形成されない場合に比べて、より安定した完全燃焼を図ることができるという利点が得られる。但し、一次空気とバイオマス粉体燃料の混合物による旋回流と同様に、二次空気による旋回流の形成は、必ずしも欠くことのできない要件ではなく、場合によっては、二次空気供給口13a〜13fを、バーナ管2の壁面に垂直な方向に開口させ、二次空気をバーナ管2の中心に向かって供給するようにしても良い。
本発明のバーナ1において、一次空気供給口11、11及び/又は12bから供給される一次空気、及び、二次空気供給口13a〜13fから供給される二次空気を合わせた燃焼用空気の空気比は、1.0〜1.5の範囲、好ましくは1.0〜1.2の範囲、より好ましくは1.0に設定される。燃焼用空気の空気比が1.0未満では、バイオマス粉体燃料を完全燃焼させることが難しく、1.5を超えると、燃焼がバーナ管2内で過剰空気により冷却され、燃焼状態が不安定になるので好ましくない。
一次空気と二次空気とを合わせた燃焼用空気の空気比の設定は、二次空気供給口13a〜13fから供給される二次空気の空気比が、目標とする燃焼用空気の空気比から、一次空気供給口11及び/又は12bから供給される一次空気の空気比を減算した値となるように、空気流路4を経由して二次空気供給口13a〜13fを通過する流路の流路抵抗を調節することによって行うことができる。この流路抵抗の調節は、例えば、二次空気供給口13a〜13fの大きさや、数を調節することによって行うことができる。また、二次空気を供給する専用の送風手段を設け、専用の空気流路から二次空気供給口13a〜13fに二次空気を供給する場合には、その送風手段の送風量を調節するか、流路途中に流量調節手段を設けるなどして、二次空気供給口13a〜13fから供給される二次空気の量を調節し、その空気比を一次空気の空気比と加算した値が、目標とする燃焼用空気の空気比となるようにすれば良い。
なお、本発明のバーナ1においては、バーナ管2の底面から、最もバーナ管2の底面側に位置する二次空気供給口13aまでの、バーナ管2の円筒軸方向の距離Sは、バーナ管の円筒軸方向の長さLに対して、S≧(1/4)Lの関係、好ましくは、S≧(1/3)Lの関係にあるのが好ましい。上記距離Sは、一次空気供給口11、11及び/又は12bから供給される一次空気のみによる部分燃焼が進行する部分燃焼部の長さであり、この部分燃焼部の長さSが(1/4)L未満の場合には、バイオマス粉体燃料の部分燃焼が十分に進行せず、温度が十分に高くならない恐れがあり、好ましくない。また、Sが(2/3)Lを超えると、二次空気の供給下で進行する完全燃焼のための領域が短くなり過ぎて、十分な燃焼が進行しない可能性が高まるので望ましくない。
14は、バーナ管2の開口端の外周に設けられた過剰空気供給口、15は、例えばボイラなどの燃焼室である。過剰空気供給口14は、図示の例では、外側に向かって曲折させたバーナ管2の先端部と、内側に向かって曲折させた外管3の先端部との間隙として形成され、バーナ管2の外周の360度の全域にわたって開口している。送風機9によって空気流路4に供給された空気のうちの一部は、過剰空気供給口14から、バーナ管2の円筒軸方向に沿って、燃焼室15向かって送出される。なお、過剰空気供給口14は、必ずしも、バーナ管2の外周に360度連続して設けられる必要はなく、バーナ管2の外周に均等に配置された適宜の形状を有する複数の開口であっても良い。このような複数の開口は、例えば、バーナ管2の開口側先端と外管3の開口側先端とを連結するリング状の閉止部材によって空気流路4の先端部を閉止し、その閉止部材の適宜の位置に適宜の形状の開口を設けることによって形成することができる。
また、過剰空気供給口14は、必要に応じて設けられるものであって、過剰空気供給口14からの過剰空気の供給がなくても、バイオマス粉体燃料の燃焼が十分に行われる場合には、過剰空気供給口14は特段設ける必要はない。但し、バイオマス粉体燃料も、通常の気体又は液体燃料と同様に、空気量が若干過剰気味の方が燃焼がスムースに行われる場合があるので、その場合には、過剰空気供給口14を設け、過剰空気を供給するのが良い。その場合、過剰空気供給口14から供給される過剰空気の空気比は0.1〜0.5の範囲、好ましくは0.1〜0.3の範囲、より好ましくは0.2に設定される。一次空気と二次空気とを合わせた燃焼用空気の空気比が1.0〜1.5の範囲、好ましくは1.0〜1.2の範囲であるので、過剰空気を加えた全空気の空気比は1.1〜2.0、好ましくは1.1〜1.5の範囲となる。
過剰空気供給口14から供給される過剰空気の空気比の設定は、空気流路4を経由して過剰空気供給口14を通過する流路の流路抵抗を調節することによって行うことができる。この流路抵抗の調節は、例えば、過剰空気供給口14の開口幅、或いは開口長さを調節することによって行うことができる。また、過剰空気を供給する専用の送風手段を設け、専用の空気流路から過剰空気供給口14に過剰空気を供給する場合には、その送風手段の送風量を調節するか、流路途中に流量調節手段を設けるなどして、過剰空気供給口14から供給される過剰空気の量を調節し、その空気比を所望の値に設定することが可能である。
本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナは、上記のように構成されており、バイオマス粉体燃料を、空気比0.2〜0.5の範囲にある一次空気とまずもって混合し、部分燃焼させ、部分燃焼が十分に進行して温度が上昇し、バイオマス粉体中の揮発性成分が気化した時点で、燃焼に必要な残りの空気を二次空気として供給し、バイオマス粉体燃料を完全燃焼させるようにしているので、油やガスなどの補助燃料を必要とせず、バイオマス粉体燃料だけを安定的に、効率良く燃焼させることができる。
また、バイオマス粉体燃料は燃焼速度が速いので、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナにおいては、運転開始時には、バーナが正常運転に達するまでの待ち時間が短くて済み、逆に、運転停止時には、バイオマス粉体燃料の供給を停止すれば、極めて短時間に燃焼が停止するので、運転、停止が容易である。そのため、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナは、自動運転に適した燃焼バーナである。
因みに、図1に示す構造のバイオマス粉体燃料燃焼バーナと、特許文献1の実施例に開示された平均粒径30〜40μmのリグノセルロース系バイオマス粉体燃料を用い、一次空気として、バーナ管2の底部近傍に開口した一次空気口11、11のみから空気比0.3の一次空気を供給し、この一次空気と、二次空気供給口12a〜12fから供給される二次空気を合わせた燃焼用空気の空気比が1.0になるように、二次空気の空気比を調節し、過剰空気供給口14を閉塞して、燃焼実験を行ったところ、用いたリグノセルロース系バイオマス粉体燃料を、補助燃料なしに、安定して燃焼させることができた。このとき、バーナ管2の底面から、最もバーナ管2の底面側に位置する二次空気供給口13aまでの距離Sは、バーナ管の円筒軸方向の長さLに対して、S=(1/3)Lであった。
図5は、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1の他の一例を示す縦断面図である。本例におけるバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1は、外管3の周囲に冷却水ジャケット16が設けられている点で、図1に示すバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1と異なっている。すなわち、図5において、16は冷却水ジャケットであり、17は冷却水供給管、17aは開閉弁、18は冷却水排出管である。冷却水供給管17は図示しない冷却水供給源と接続されている。19は、外管3の外周と冷却水ジャケット16の内周との間に形成される冷却水流路である。
図6は、図5に示すバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1の外管3の斜視図であり、冷却水流路19中の冷却水の流れを示す図である。図6に示すとおり、冷却水流路19内には、外管3の円筒軸方向に沿って、仕切り板20a〜20hが設けられている。仕切り板20aは、外管3の底部から先端部までの全域にわたって円筒軸方向に冷却水流路19を区切っているが、仕切り板20b、20d、20f、20hは、外管3の底部には接しつつ、先端部側との間には間隙を残して冷却水流路19を部分的に区切っており、仕切り板20c、20e、20g(仕切り板20gは図6においては見えない位置にあるので図示していない)は、外管3の先端部には接しつつ、底部側との間には間隙を残して冷却水流路19を部分的に区切っている。一方、冷却水供給管17は仕切り板20aと20bとの間に開口しており、冷却水排出管18は仕切り板20hと20aとの間に開口している。
冷却水流路19が仕切り板20a〜20hによって上述したように区切られているので、冷却水供給管17から冷却水流路19内に供給された冷却水は、図6に矢印で示すとおり、仕切り板20bに沿って外管3の先端部方向へと流れ、仕切り板20bと外管3の先端部との間隙を通った後、今度は、仕切り板20cに沿って外管3の底部側へと流れることになる。冷却水流路19内に供給された冷却水は、このようにして、仕切り板20a〜20hによって、交互に流れの向きを変えながら、外管3の外周を流れ、その間に外管3および空気流路4を介してバーナ管2を冷却し、最後に、冷却水排出管18から外部へと排出される。なお、仕切り板20a〜20hを設けずに、冷却水ジャケット16の下部から冷却水を冷却水流路19内に供給し、冷却水ジャケット16の上部から排出するようにしても良い。
本例のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1においては、外管3の外周に冷却水ジャケット16が設けられているので、燃焼運転中もバーナ管2を冷却することができるので、バーナ管2を含め、バイオマス粉体燃料燃焼バーナ1の過熱を防止することができるという利点が得られる。また、本例においては、バーナ管2は、外管3および空気流路4を介して間接的に冷却されるので、過剰な冷却によってバーナ管2の温度が下がり過ぎることがない。したがって、バーナ管2を冷却しても、バーナ管2内でのバイオマス粉体燃料の燃焼が不安定になる恐れもなく、バイオマス粉体燃料の燃焼残渣が溶融固化してクリンカとなってバーナ管2の内周面に付着する恐れもないという利点が得られる。
図7は、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1のさらに他の一例を示す縦断面図である。本例のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1は、外管3の周囲に冷却空気ジャケット21が設けられている点で、図1に示したバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1と異なっている。すなわち、図7において、21は冷却空気ジャケット、22は、外管3の外周面と冷却空気ジャケット21の内周面との間に形成される冷却空気流路である。本例においては、送風機9は冷却空気流路22内に開口している。また、外管3の先端部近傍には、冷却空気流路22と空気流路4とを連通させる開口23が設けられている。なお、開口23を設ける位置は、バーナ管2に設けられている二次空気口のうち、もっとも先端側に位置するものよりも先端側であるのが好ましい。また、本例においては、分岐管路12の一方端の開口12aは、外管3の内側の空気流路4に開口するのではなく、冷却空気ジャケット21の内側の冷却空気流路22に開口している。
本例のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1は、上述のように構成されているので、送風機9から冷却空気流路22内に供給された空気は、外管3および空気流路4を介して間接的にバーナ管2を冷却しながら冷却空気流路22内を通過して、外管3の先端部近傍に設けられた開口23から空気流路4内へと流れ込み、図1に示すバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1におけると同様に、一次空気、二次空気、さらには過剰空気として利用される。また、開閉弁12cを開とする場合には、冷却空気流路22内に供給された空気の一部は、開口12aから、分岐管路12及び一次空気供給口12bを経由して、粉体燃料供給管路5内に供給され、バイオマス粉体燃料とともに、開口5aからバーナ管2内に供給されることになる。なお、開口23は、外管3の先端部近傍の外周に沿った孤立した複数個の開口として設けられていても良いし、外管3の先端部近傍の外周に沿った連続したスリットとして設けられていても良い。
このように、本例のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1においても、外管3の外周に冷却空気ジャケット21を設けることにより、燃焼運転中もバーナ管2を冷却することができるので、バーナ管2を含め、バイオマス粉体燃料燃焼バーナ1の過熱を防止することができるという利点が得られる。また、バーナ管2は、外管3および空気流路4を介して間接的に冷却されるので、過剰な冷却によってバーナ管2の温度が下がり過ぎることがなく、バイオマス粉体燃料の燃焼が不安定になったり、バーナ管2の内周面にバイオマス粉体燃料の燃焼残渣が溶融固化してクリンカとなって付着する恐れもないという利点が得られる。さらに、本例のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1においては、送風機9によって供給される空気を冷却用空気および燃焼用空気として利用できるので、冷却用に特別の冷媒を用意する必要もなく、冷却機構が簡単になる上に、燃焼用空気は、冷却空気流路22内を通過中にバーナ管2との間接的な熱交換によって予熱されるので、燃焼効率が高まるという利点が得られる。
図8は、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1のさらに他の一例を示す縦断面図である。本例のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1は、粉体燃料供給管路5内に空気噴出ノズル24が設けられている点で、図7に示したバイオマス粉体燃料燃焼バーナ1と異なっている。すなわち、図8において、24、24は空気噴出ノズルであり、粉体燃料供給管路5の内部に斜め下方に向かって空気を噴出するように、粉体燃料供給管路5に斜め下向きに取り付けられている。図示の例においては、空気噴出ノズル24、24は、粉体燃料供給管路5の周方向に沿って180度の間隔をあけて2個設けられているが、空気噴出ノズル24、24の数は2個に限られず、粉体燃料供給管路5の周方向に沿って互いに120度の間隔をあけて3個設けても良く、さらには、互いに90度の間隔をあけて4個設けても良い。
また、本例においては、空気噴出ノズル24、24には、送風機9から直接分岐する分岐管路12及び開閉弁12cを介して空気が供給される。送風機9から直接分岐する分岐管路12を介するのではなく、図7に示す例と同様に、冷却空気流路22に開口する開口12a、開閉弁12c、及び分岐管路12を介して、冷却空気流路22内に供給された燃焼用空気の一部を、ノズル24、24に供給するようにしても良い。但し、空気噴出ノズル24、24に供給される空気は、そのままバーナ管2内に流入し、一次空気として利用されることになるので、いずれの場合においても、空気噴出ノズル24、24から供給される空気と、一次空気供給口11、11から供給される空気との合計量が、空気比0.2〜0.5の範囲、好ましくは0.2〜0.4の範囲、さらに好ましくは0.25〜0.35の範囲となるように調整されることは勿論である。
6は、図1におけると同様に、粉体燃料を粉体燃料供給管路5に供給する供給装置であるが、本例においては、スクリューフィーダが供給装置6として用いられている。7は、図1におけると同様に、バイオマス粉体燃料のタンクである。タンク7内に収容されているバイオマス粉体燃料は、供給装置6によって、順次、図中右方向に搬送され、粉体燃料供給管路5内に落下し、空気噴出ノズル24、24から噴出する空気によって下向きに搬送され、開口5aからバーナ管2内へと送りこまれる。
図9は、図8における粉体燃料供給管路5の周辺だけを取り出して拡大した図である。図9に示すとおり、空気噴出ノズル24、24から空気が斜め下向きに噴出されることによって、粉体燃料供給管路5内には、図中βで示す負圧領域が生じる。供給装置6によって粉体燃料供給管路5内に送り込まれたバイオマス粉体燃料Pは、当初、この負圧によって吸引され、続いて、空気噴出ノズル24、24から噴出する空気に搬送されて、開口5aからバーナ管2内へと安定的に送りこまれる。すなわち、粉体燃料供給管路5内に供給されるバイオマス粉体燃料Pは、粉体燃料供給管路5内に開口する一次空気供給口である空気噴出ノズル24、24から噴出する空気の運動エネルギーによって吸引、搬送され、バーナ管2内に供給されることになる。このように、本例の粉体燃料供給管路5によれば、空気噴出ノズル24、24から常時斜め下向きに空気が噴出しているので、仮に、タンク7内のバイオマス粉体燃料が空になり、供給装置6からのバイオマス粉体燃料の供給が途切れた場合でも、バーナ管2内で燃焼途中のバイオマス粉体燃料が火の粉となって粉体燃料供給管路5内を上昇して、粉体燃料供給管路5内や供給装置6内に残存しているバイオマス粉体燃料が燃えるという逆火現象が生じる恐れがない。
以上説明したように、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナによれば、カーボンニュートラルなバイオマス粉体燃料を、油やガスなどの補助燃料なしに、安定した状態で燃焼させることができるので、地球環境に与える影響が少ない加熱手段としての燃焼バーナを実現することができるという優れた産業上の利用可能性が得られる。また、本発明のバイオマス粉体燃料燃焼バーナは、運転、停止が容易であるので、自動運転に適し、加熱手段としての燃焼バーナを必要とするあらゆる現場において、省力化に寄与し、優れた産業上の利用可能性を有している。
1 バイオマス粉体燃料燃焼バーナ
2 バーナ管
3 外管
4 空気流路
5 粉体燃料供給管路
5a、12a 開口
6 供給装置
7 タンク
8 点火手段
9 送風機
10 覗き孔
11、12b 一次空気供給口
12 分岐管路
12c、17a 開閉弁
13a、13b、13c・・・ 二次空気供給口
14 過剰空気供給口
15 燃焼室
16 冷却水ジャケット
17 冷却水供給管
18 冷却水排出管
19 冷却水流路
20a〜20h 仕切り板
21 冷却空気ジャケット
22 冷却空気流路
23 開口
24 空気噴出ノズル
α 部分燃焼領域
β 負圧領域
P バイオマス粉体燃料

Claims (5)

  1. 一端が開口した有底のバーナ管と、バーナ管の底部近傍においてバーナ管内側と連通する粉体燃料供給管路と、バーナ管の底部近傍又は粉体燃料供給管路若しくはその双方に開口する一次空気供給口と、バーナ管内に配置された点火手段と、バーナ管の底部近傍に開口する一次空気供給口よりもバーナ管の開口端に近い位置に開口する1又は複数の二次空気供給口と、一次空気供給口及び二次空気供給口に空気を供給する燃焼用空気供給手段と、前記粉体燃料供給管路にバイオマス粉体燃料を供給する粉体燃料供給手段とを備え、一次空気供給口からバーナ管内に供給される一次空気の空気比が0.2〜0.5の範囲にあり、バーナ管内に供給される一次空気と二次空気とを合わせた空気の空気比が1.0〜1.5の範囲にあるとともに、バーナ管の開口端の外周に過剰空気供給口を備え、過剰空気供給口から供給される過剰空気の空気比が0.1〜0.5の範囲にあるバイオマス粉体燃料燃焼バーナ。
  2. バーナ管の円筒軸方向の長さをL、バーナ管の底面から最も底面側に位置する二次空気供給口までのバーナ管円筒軸方向の距離をSとしたとき、S≧(1/4)Lである請求項記載のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ。
  3. バーナ管と同軸に配置され、バーナ管の外面との間に空気流路を形成する外管を備え、バーナ管に開口する一次空気供給口及び二次空気供給口が、前記空気流路とバーナ管の内側とを連通させるバーナ管壁に設けられた貫通孔であり、粉体燃料供給管路に開口する一次空気供給口が、前記空気流路と粉体燃料供給管路を接続する管路の粉体燃料供給管路側の開口であり、燃焼用空気供給手段が、前記空気流路に燃焼用空気を供給する送風機である請求項1又は2記載のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ。
  4. 前記過剰空気供給口が、前記空気流路のバーナ管開口端側に設けられた開口である請求項記載のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ。
  5. 前記粉体燃料供給管路に供給されるバイオマス粉体燃料を、前記粉体燃料供給管路に開口する一次空気供給口から供給される一次空気の運動エネルギーによって吸引、搬送して、前記バーナ管内に供給する請求項1〜4のいずれかに記載のバイオマス粉体燃料燃焼バーナ。
JP2010044710A 2009-05-26 2010-03-01 バイオマス粉体燃料燃焼バーナ Active JP5362620B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010044710A JP5362620B2 (ja) 2009-05-26 2010-03-01 バイオマス粉体燃料燃焼バーナ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009126477 2009-05-26
JP2009126477 2009-05-26
JP2010044710A JP5362620B2 (ja) 2009-05-26 2010-03-01 バイオマス粉体燃料燃焼バーナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011007478A JP2011007478A (ja) 2011-01-13
JP5362620B2 true JP5362620B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=43564346

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010044710A Active JP5362620B2 (ja) 2009-05-26 2010-03-01 バイオマス粉体燃料燃焼バーナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5362620B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012144101A1 (ja) * 2011-04-19 2012-10-26 北海道特殊飼料株式会社 燃焼装置及び燃焼方法と、それを用いた発電装置及び発電方法
CN102230619A (zh) * 2011-06-03 2011-11-02 广州迪森热能技术股份有限公司 生物质粉料燃烧器
KR101262574B1 (ko) * 2011-06-17 2013-05-08 석옥득 펠렛 버너
KR101308292B1 (ko) 2011-07-22 2013-09-13 배홍열 목재필렛용 연소장치
CA2852118A1 (en) 2011-11-11 2013-05-16 Air Products And Chemcials, Inc. Precombustor system and method for combustion for biomass
KR101278377B1 (ko) 2012-04-09 2013-06-25 석옥득 목재 펠릿용 버너
CN102661608A (zh) * 2012-06-05 2012-09-12 唐山市金沙工贸有限公司 双功能燃烧器
KR101272380B1 (ko) * 2013-01-18 2013-06-07 박종헌 펠릿연료 연소장치
JP6220543B2 (ja) * 2013-04-15 2017-10-25 バイオマスエナジー株式会社 バーナー装置及び燃焼炉
JP6151201B2 (ja) * 2014-02-27 2017-06-21 三菱日立パワーシステムズ株式会社 バーナ
KR101609640B1 (ko) * 2014-05-22 2016-04-06 노동현 펠릿 버너
KR101582300B1 (ko) * 2014-12-11 2016-01-04 세너지 주식회사 연소기
JP6664825B2 (ja) * 2015-05-08 2020-03-13 三菱日立パワーシステムズインダストリー株式会社 低カロリーガスバーナ装置及びボイラ
CN109404898A (zh) * 2018-11-30 2019-03-01 昌吉州锐通木业有限公司 生物质木粉燃烧机
WO2020213091A1 (ja) 2019-04-17 2020-10-22 バイオマスエナジー株式会社 バーナ装置及び燃焼装置
JP7365315B2 (ja) * 2020-10-23 2023-10-19 株式会社オメガ 熱量の補充機構

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS525021A (en) * 1975-07-01 1977-01-14 Uroko Seisakusho:Kk Combustion apparatus for powdered or pulverized materials
JPS5713025A (en) * 1980-06-27 1982-01-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Apparatus for supplying matter to be incinerated to incinerator
US4517165A (en) * 1981-03-03 1985-05-14 Rockwell International Corporation Combustion method
JPS59144314U (ja) * 1983-03-15 1984-09-27 大阪瓦斯株式会社 微粉コ−クスバ−ナ−
JPS6017611A (ja) * 1983-07-12 1985-01-29 Onoda Cement Co Ltd 固形燃料の燃焼方法及びそれに用いる装置
JP2655555B2 (ja) * 1986-05-06 1997-09-24 清之 堀井 燃焼炉用ノズル装置
JP2662175B2 (ja) * 1993-01-29 1997-10-08 インスティチュート・オブ・ガス・テクノロジー サイクロン燃焼方法及び装置
JPH09318014A (ja) * 1996-05-27 1997-12-12 Hitachi Ltd 微粉炭燃焼バーナ
JP4007306B2 (ja) * 2003-10-21 2007-11-14 住友金属工業株式会社 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法
JP2007333232A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Babcock Hitachi Kk 固体燃料バーナ、固体燃料バーナを備えた燃焼装置、及び固体燃料バーナを備えた燃焼装置の燃料供給方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011007478A (ja) 2011-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5362620B2 (ja) バイオマス粉体燃料燃焼バーナ
JP4523054B2 (ja) 燃料電池の改質器用バーナとそれを備えた改質器
JP6120274B2 (ja) バイオマスエネルギー生産システム
CN202938295U (zh) 一种变压、变工况油烧嘴
CN101501396A (zh) 二流体喷雾燃烧器
JP6705838B2 (ja) 電気炉用助燃バーナー
JP2017015268A (ja) バーナ
JP6056409B2 (ja) バイオマスバーナ
JP5786516B2 (ja) バーナ
JP2006337016A (ja) 炉燃焼システム及び燃料燃焼方法
JP6580710B2 (ja) 電気炉用助燃バーナー
JP3142680U (ja) 横置き燃焼炉
KR20100006606A (ko) 예열이 필요없는 미분탄 연소방식의 석탄버너
JP5245558B2 (ja) 微粉燃料用バーナ
JP6102544B2 (ja) 石炭焚きバーナ
CN109563990B (zh) 电炉用助燃燃烧器
JP2004198050A (ja) 動植物油燃焼装置
JP2018016832A (ja) 電気炉による溶鉄の製造方法
JP6314637B2 (ja) バーナ
JP6826365B2 (ja) 粉体燃焼装置
JP5840318B1 (ja) 加圧式燃焼装置
US585792A (en) Burning apparatus for liquid fuel
JP6991939B2 (ja) バーナ
KR101836773B1 (ko) 무노즐 버너
JP6729045B2 (ja) 助燃用ガスバーナ及び副生ガスバーナ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5362620

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250