JP4016909B2 - 粉体燃焼装置および粉体燃焼方法 - Google Patents

粉体燃焼装置および粉体燃焼方法 Download PDF

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Description

可燃粉体、特に廃プラスチック粉末を燃焼するのに好適な粉体燃焼装置に関するものである。
近年、産業廃棄物あるいは一般廃棄物として廃棄される廃プラスチックが増加の一途をたどっている。一方、地球規模での環境保全の大きなテーマとして、炭酸ガス削減への要求が高まっており、廃プラスチックを従来の単純焼却や埋め立てで処理するのではなく、素材あるいは熱源としてリサイクルすることに取り組むケースが増えている。
例えば、廃プラスチックを粒径10μm程度以下の微粉末に粉砕して燃料として用いると、既存の炉に用いた場合でも、化石燃料を当該廃プラスチック微粉末で略100%置換することが可能である。この置換率は、廃プラスチック粉末の粒径が300μm以下であれば70%程度、380μm以下であれば33%程度となる。廃プラスチックを化石燃料の代替として使用することによって、実質的に大きな省エネルギー効果が得られる。
このため、多くの工業炉で廃プラスチックのサーマル・リサイクルの実用化、あるいは実用化研究がなされ、廃プラスチックを効率的に燃焼させるための燃焼装置または燃焼方法が種々提案されている。
例えば特許文献1には、粒径が300〜30μm以下の粒子の累積重量が全体の50%以上で、かつ粒径が400〜30μmの粒子の累積重量が全重量の80%以上になるように微粉砕した廃プラスチックの燃焼に好適な燃焼装置が記載されている。
しかしながら、廃プラスチックを上記の粒度に粉砕するためには大きな破砕設備が必要であり、経済的に成り立たないという問題があった。
特許文献2には、廃プラスチック粒子を細束流にして主燃料と共にロータリーキルン内に吹き込んで生石灰・焼ドロマイトを製造する方法が記載されている。この方法では、直径が20mm以下の廃プラスチック粒子を使用することが可能である。
しかしながら、上記の方法で使用されるロータリーキルンは炉内温度が1800℃近い超高温に達するものであり、かつ、その長さが数十メートルにも及ぶ大規模なものであるので、当該方法には、炉内温度が相互に低く、炉の全長も大幅に短い小規模ないし中規模の炉には適用することができないという問題があった。
また、特許文献3には、廃プラスチックを産業廃棄物焼却炉内で燃焼させるための粉体燃焼用バーナが記載されている。このバーナは、ほぼ円筒状の本体と、廃プラスチック粉と一次空気とを混合して本体内の円筒軸方向に直線的に噴射する噴射ノズルと、廃プラスチック粉に着火するための着火バーナとを備えている。
しかしながら、この粉体燃焼用バーナは、廃プラスチック粉を本体内で十分には燃焼させずに産業廃棄物焼却炉内に噴射するものであるので、焼却炉内を傷め易く、産業廃棄物焼却炉以外の焼却炉には適用し難いという問題があった。
さらに、特許文献4には、金属被覆チップから分離した廃プラスチックを特定構造の粉体バーナを用いて処理する方法が記載されている。この方法で使用される粉体バーナは、ほぼ円筒状の粉体バーナ本体と、廃プラスチック粉と一次空気との混合体が粉体バーナ本体内で旋回するようにして当該混合体を産業廃棄物焼却炉側へ噴射する粉体噴射手段と有しており、炉内側に向かって下がるように傾斜して設けられる。
しかしながら、上記の粉体バーナによって廃プラスチックを完全にガス化するためには、上記の粉体バーナ本体を長尺化するか、粉体バーナ本体内の温度を高温にする必要があり、小型化が困難であるといった問題や、高価な耐火材を用いて粉体バーナ本体を作製しなければならないといった問題があった。
また、特許文献5には、廃プラスチックと焼却灰をガス化・溶融処理する装置として、旋回流方式の墳流床ガス化・灰溶融炉が開示されている。しかしながら、この方式では充分な旋回流が与えられず、バッフルで溶融スラグをせき止めることはできるが、未燃の廃プラスチック粉や焼却灰は開口部から飛び出しやすく、高温域に十分滞留できないためダイオキシン等の分解も不充分になるという問題点がある。
特開平7−119922号公報 特開平8−283051号公報 特開平10−185115号公報 特開平10−185162号公報 特開平11−29779号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、平均粒径が比較的大きな可燃粉体でも良好に燃焼させることが可能で、小型化も容易な粉体燃焼装置を提供することを主目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、長手方向の一端が閉塞された筒状のケーシングによって画定される副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナおよび上記副燃焼室内に気体を投入する気体噴射ノズルを有する粉体燃焼装置であって、
上記ケーシングは、外周壁に形成されたバーナスロートおよび気体噴射スロートを有し、
上記バーナスロートは上記ケーシングの閉塞端側に位置し、上記気体噴射スロートは上記ケーシングの開口端側に位置するものであり、
上記バーナスロートおよび気体噴射スロートの両方の形成位置よりも、上記開口端側には、堰を形成することができる仕切り板が設けられ、
上記閉塞端を形成する側壁から上記バーナスロートのセンターまでの距離が、上記バーナの直径の1.5倍以内であり、上記気体噴射スロートのセンターから上記仕切り板までの距離が、上記気体噴射ノズルの直径の3倍以内であり、
上記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路を有し、上記バーナスロートに装着されて、上記可燃粉体を上記ケーシングの内周面に沿った周方向に噴射可能とし、
上記気体噴射ノズルは、上記気体噴射スロートに装着されて上記気体を上記可燃粉体と同一周方向に噴射可能とし、
上記バーナスロートは上記ケーシングの上部に、上記バーナスロートの軸が略水平となるように配置され、
上記気体噴射スロートは上記ケーシングの下部に、上記気体噴射スロートの軸が略水平となるように配置されることを特徴とする粉体燃焼装置を提供する。
本発明においては、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナの他に、気体を副燃焼室内に投入する気体噴射ノズルを設けることにより、副燃焼室内における可燃粉体の旋回力を強化することができる。さらに、バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係として、その一方がケーシングの開口端側にあり、その他方がケーシングの閉塞端側にあるように両者を配置することで、可燃粉体の旋回位置を開口部から離れた位置とすることができる。このようなことから、開口部からの未燃粉体の飛び出しを防止することができ、十分な滞留時間を確保することができるので、可燃粉体燃焼装置の小型化が容易である。
さらに本発明においては、上記副燃焼室は、長手方向中心部に向かうにしたがって内径が大きくなる樽型の形状をしたケーシングによって画定されていることが好ましい。このような樽型にすることで、旋回流による遠心力で副燃焼室の長手方向中心付近で可燃粉体を旋回させやすくすることができ、可燃粉体の開口部からの飛び出しを効果的に抑制することができる。
また本発明においては、上記バーナが、上記第1流路よりも内周に形成され、ガス燃料または液体燃料が導入される第2流路と、上記第1流路よりも外周に形成され、燃焼用空気が導入される第3流路と、上記第2流路または上記第3流路を流れる流体に旋回を与える旋回発生手段とを有することが好ましい。このようなバーナは、バーナから噴射された可燃粉体を燃料と燃焼用空気とによって挟み込むことができ、可燃粉体、燃料および燃焼用空気が十分に混合した状態で着火させることが可能になる。その結果として、可燃粉体をさらに良好に燃焼させることができる。また、旋回発生手段を設けることにより、可燃粉体、燃料および燃焼用空気を積極的に混合することが可能となり、これによっても、可燃粉体を良好に燃焼させることを容易とすることができる。
本発明においてはまた、上記仕切り板が配置された箇所での上記ケーシングの開口率が60%以下であることが好ましい。開口率を上記範囲とすることにより、開口部からの可燃粉体の飛び出しを抑制することができるからである。
本発明はまた、上記記載の粉体燃焼装置によって、可燃粉体を燃焼させることを特徴とする粉体燃焼方法を提供する。この方法を用いることにより、可燃粉体を良好に燃焼させることが可能となり、可燃粉体を化石燃料の代替燃料として利用することが容易になる。
さらに本発明においては、上記粉体燃焼装置の副燃焼室の内部温度が1000℃以上に到達した後、上記可燃粉体を上記副燃焼室内に投入し、燃焼させることが好ましい。効率良く可燃粉体を副燃焼室内で燃焼させることができるからである。
また、本発明においては、上記粉体燃焼装置の閉塞端側に設けたバーナまたは気体噴射ノズルから噴出される気体の流量と、その噴出速度との積をNuとし、上記粉体燃焼装置の開口短側に設けたバーナまたは気体噴射ノズルから噴出される気体の流量と、その噴出速度との積をNdとした場合、比(Nd/(Nu+Nd))を調節することにより、上記副燃焼室内における上記可燃粉体の長手方向の旋回位置を調整することが好ましく、さらに、上記比(Nd/(Nu+Nd))は、0.05〜0.9の範囲内であることが好ましい。上記比を上記範囲内に調整することにより、可燃粉体の旋回位置を開口部から離れた位置とすることができるため、開口部からの可燃粉体の飛び出しを抑制することができるからである。
さらに本発明においては、上記可燃粉体として、プラスチックを含む可燃粉体を用いることが好ましい。可燃粉体として例えば廃プラスチックを用いることにより、本発明の粉体燃焼方法の利点を最大限に生かすことができるからである。
本発明においては、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナの他に、気体を副燃焼室内に投入する気体噴射ノズルを設けることにより、副燃焼室内における可燃粉体の旋回力を強化することができる。さらに、バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係が、その一方がケーシングの開口端側にあり、その他方がケーシングの閉塞端側にあるように両者を配置することで、可燃粉体の旋回位置を開口部から離れた位置とすることができる。このようなことから、開口部からの未燃粉体の飛び出しを防止することができ、十分な滞留時間を確保することができるので、可燃粉体燃焼装置の小型化が容易である。
以下、本発明の粉体燃焼装置および粉体燃焼方法について、第2流路にガス燃料を導入する場合を説明する。なお、以下の説明では、このように第2流路にガス燃料を導入する場合についてのみ説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2流路に液体燃料が導入される場合をも含むものである。
A.粉体燃焼装置
本発明者らは、可燃粉体の基礎的特性を示差熱分析や加熱過程での状態変化の観察等によって解析して、例えば廃プラスチック粉末に含まれるガス化成分は概ね500℃以下でガス化し、当該廃プラスチック粒子を良好に燃焼させるためには燃焼装置内で確実にガス化させることが重要である、との知見を得た。
図1は、廃プラスチック粉末をガス化するのに要する時間(以下、「ガス化時間」という。)と雰囲気温度との関係を廃プラスチック粉末の粒径ごとに示すグラフである。
図示のデータは、廃プラスチック粉末としてポリプロピレンを用いたものである。まず、常圧、窒素雰囲気のもとで、示差熱天秤を用いて10℃/分程度の速度で廃プラスチックを加熱し、廃プラスチック温度と廃プラスチック粉末の重量減少(ガス化量)との関係を把握した。次に、廃プラスチック粉末を球体であると近似し、一定の雰囲気温度のもとに保持されたとして外表面への放射伝熱による温度上昇を計算し、中心部の温度が500℃に達する時間をガス化時間として見積もった。なお、このとき、ガス化する量は熱天秤による測定結果により決定し、残存する灰分は5%とした。
同図から明らかなように、廃プラスチック粉末のガス化時間は、粒径が大きくなるほど長くなり、粒径が同じであれば、雰囲気温度が高くなるほど短くなる。
図2は、雰囲気温度を1200℃に固定したときの廃プラスチック粉末のガス化時間と粒径との関係を示す。雰囲気温度以外の測定条件は、図1に示したものと同様の条件とした。
同図から明らかなように、雰囲気温度が一定である場合、廃プラスチック粉末のガス化時間は、粒径の増加に伴って略線形に増加する。
以上の結果から、粗粒の可燃粉体を良好に燃焼させるには、高温場を形成することと、その高温場での滞留時間を確保することが重要である。高温場を形成することで廃プラスチックのガス化速度が向上し、また、滞留時間を確保することで確実にガス化させることが可能となり、良好な燃焼状態を得ることができる。
高温場を形成させる方法として、空気予熱、酸素富化または純酸素燃焼させることによって直接火炎温度を上昇させる方法がある。しかしながら、これらの燃焼方式は、燃焼速度が速くなるので逆火防止のため吹き出し流速を速くしなければならず、また、短炎になりやすいため燃焼火炎中の粒子飛行時間(滞留時間)が非常に短くなるといった欠点がある。仮にバーナ単体で可燃粉体を燃焼させる場合を想定し、粉体の吹き出し流速を20m/s、火炎長を2mとすると、滞留時間は0.1秒程度であり、この条件で燃焼させるには0.数mm以下の微粉砕が必要となる。このように火炎の高温化を進めても、バーナ単体で滞留時間を確保するのは非常に困難であるため、何らかの方法で滞留時間を確保する必要がある。
ところで、燃焼装置のケーシングを比較的安価な耐火物によって作製した場合、その耐熱温度の上限は概ね1200〜1400℃の範囲内となるので、雰囲気温度の上限もこの範囲内となる。したがって、比較的耐熱性の低い耐火材を用いて燃焼装置を作製し、かつ、当該燃焼装置によって粗粒の廃プラスチックを確実にガス化するためには、ガス化に必要な時間を如何にして確保するかが大きな問題となる。
例えば、1200℃の雰囲気温度の下で粒径が0.3mmの廃プラスチックをガス化するためには0.25秒という比較的短い時間、副燃焼室内に滞留させればよいわけであるが、粒径が1mmになれば約0.8秒、粒径が2mmになれば約1.7秒、粒径が3mmになれば2.6秒という比較的長い時間、廃プラスチック粉末を副燃焼室内に滞留させることが必要となる。
このように比較的耐熱性の低い耐火材を用いて燃焼装置を作製した場合、極端な高温場の形成は不可能であるが、逆に副燃焼室内でガス化に必要な時間を十分確保することができれば、粗粒の廃プラスチック粉末でも良好な燃焼を得られることになる。そこで、副燃焼室内に廃プラスチック粉末を供給するにあたって、廃プラスチックをケーシングの内周面に沿った周方向に噴射することで、滞留時間を確保する方法が提案されている。
図3(A)は、このような燃焼装置の一例を、その長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図3(B)は、図3(A)に示したI−I線断面の概略図である。図3に示すように、バーナスロート5をケーシング1の外周壁4に形成し、当該バーナスロート5にバーナ12を装着して、図3(B)に示すように可燃粉体をケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射することで、図3(A)に示すように、円筒形のケーシング1内を螺旋状に旋回させながら移動させ、上記滞留時間を確保するようにしたものである。しかしながら、この方法では、全ての廃プラスチックを副燃焼室で完全に気化させるには全長を十分長くしなければならず、装置の大型化が避けられないといった問題があった。
さらに、可燃粉体がケーシングの内周面に沿って噴射されるように装着し、かつ、図4に示すように副燃焼室10内に堰を形成することができる仕切り板7を同心円状に設けることで、粉体を仕切り板7でせき止めることができることから、滞留時間を確保することができる。しかしながら、粒径が数mmになると、仕切り板7を越えて開口部3から未燃粒子が飛び出すという不都合を回避することは困難であった。
この現象をアクリルモデルを用いた冷間試験で観察した結果、以下に示すことが明らかになった。すなわち、副燃焼室内の滞留粒子が少ない場合は、図5(A)に示すように粒子が内周面に沿って安定して旋回するが、滞留粒子が増加すると旋回力が不足し、図5(B)に示すように一部の粒子が副燃焼室内下部に堆積し旋回流に乱れが生じ始める。そして、堆積量がある量を超えると族回流に大きな乱れが生じ、図5(C)に示すように開口部3から粒子が飛び出す。
この飛び出しを防止するためには、旋回力を強化することおよび粒子の旋回位置を開口部から離れた位置にすることが重要であると推測される。ここでいう、旋回力を強化するとは、吹き込み流速を速くすることを意味するが、これにより、旋回流の乱れの原因となる粒子の堆積を抑制することができる。また、粒子の旋回位置を開口部から離れた位置にすることにより、仮に粒子が堆積して旋回流に乱れが生じた場合でも、開口部からの粒子の飛び出しを抑制することができる。
例えば、旋回力を強化する方法として、バーナからの吹込み流速を速くする方法が挙げられるが、逆火や吹き飛びを防止し安定して火炎を形成させるためには、バーナからの吹込み流速は、10〜30m/sの範囲に制限される。したがって、バーナから吹き込む可燃粉体の吹き込み速度もこの範囲に制約されることになり、バーナからの吹き込み流速を速くすることにより旋回力を強化するには限界がある。
本発明は上記の知見に基づいて完成に至ったものであり、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナとは別に、気体を噴出するための気体噴射ノズルを設け、この気体噴射ノズルから気体を吹き込むことで可燃粉体の旋回を強化し、さらに、バーナと気体噴射ノズルとの相対的な位置関係により、可燃粉体の旋回位置を開口部から離れた位置とすることを可能としたものである。
図6(A)は、本発明の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図6(B)は、図6(A)に示したII−II線断面の概略図である。なお、図6(A)に示したII−II線断面上には、気体噴射スロート6は位置しないが、図6(B)には、便宜上、気体噴射スロート6を示している。
これらの図に示す粉体燃焼装置20は、ケーシング1によって画定された副燃焼室10内で、廃プラスチック粉末等の可燃粉体をバーナ12によって加熱し、燃焼させるものである。
図6(A)に示すケーシング1は円筒状を呈し、その長手方向の一端は側壁2によって閉塞され、他端は開口部3が設けられ、開口端となっている。また、ケーシング1の外周壁4には、バーナスロート5および気体噴射スロート6が形成されており、閉塞端側に、バーナスロート5が位置し、開口端側に、気体噴射スロート6が位置している。また、開口端側に形成された気体噴射スロート6の形成位置よりもさらに開口端側には、開口部3でのケーシング内周面から径方向内側に張り出すようにして、中央に円形の開口部を有する円板状(環状)の仕切り板7が設けられている。
バーナ12は、上記バーナスロート5に装着されている。このバーナ12には、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路(図示せず)が設けられており、第1流路に導入された可燃粉体は、当該バーナ12の先端からケーシング1の内部(副燃焼室10)に噴射される。気体噴射ノズル11は、気体噴射スロート6に装着される。この気体噴射ノズル11には、気体が導入される流路が設けられ、流路に導入された気体は、副燃焼室10に噴射される。
必要に応じて、ケーシング1の側壁2にのぞき窓18を設けることができる。なお、のぞき窓18については、便宜上、断面形状ではなく側面視上の形状を図6(A)に示している。
図6(B)に示すように、バーナ12が装着されるバーナスロート5、および、気体噴射ノズル11が装着される気体噴射スロート6は、ケーシング内周面の所望地点PおよびQにおける接線(ケーシング1の長手軸に直交する方向に延在する接線)が当該バーナスロート5および気体噴射スロート6の内周面上に位置するように、または当該バーナスロート5および気体噴射スロート6の内部空間を通るように形成されている。また、バーナ12は、可燃粉体を同図中に矢印Aで示すケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射可能とし、気体噴射ノズル6も、矢印Aで示す向きに気体を噴射可能とする。このように、気体噴射ノズル11から噴射される気体の方向が、可燃粉体と同一周方向となるように、気体噴射ノズル11を設けているので、気体噴射ノズル11から副燃焼室10内に気体を吹き込むことにより可燃粉体の旋回力を強化することができる。
なお、バーナ12および気体噴射ノズル11については、便宜上、断面形状ではなく側面視上の形状を図6(B)に示している。
図6に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の相対的な位置関係を、閉塞端側にバーナスロート5が位置し、開口端側に気体噴射スロート6が位置するものとした場合、バーナ12の第1流路に搬送気体と共に可燃粉体を導入すると、可燃粉体はケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射され、噴射された可燃粉体は副燃焼室10内を螺族状に旋回しながら開口端側に移動する。さらに、開口端側に設けられた気体噴射スロート6に装着された気体噴射ノズル11から、可燃粉体と同一周方向に気体が噴射されると、可燃粉体の旋回位置をケーシング1長手方向中心付近とすることができ、可燃粉体の副燃焼室10内での滞留時間を増大させることができる。また、可燃粉体の旋回が強化され、未燃粉体の開口部3からの飛び出しを抑制することができる。
図6に示す例では、バーナスロート5および気体噴射スロート6の相対的な位置関係として、閉塞端側にバーナスロート5が位置し、開口端側に気体噴射スロート6が位置する場合の例を示したが、本発明においては、両者の位置関係が逆であってもよい。図7は、このような場合の例を示しており、図7(A)は、本発明の粉体燃焼装置の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図7(B)は、図7(A)に示したIII−III線断面の概略図である。図7に示す例では、バーナスロート5および気体噴射スロート6の相対的な位置関係として、閉塞端側に気体噴射スロート6が位置し、開口端側にバーナスロート5が位置する場合を示している。なお、図7(A)に示したIII−III線断面上には、バーナスロート5は位置しないが、図7(B)には、便宜上、バーナスロート5を示している。
このような場合、バーナスロート5に装着されるバーナ12の第1流路に搬送気体と共に可燃紛体を導入すると、図7(B)に示すように、可燃粉体はケーシング1の内周面に沿った周方向に噴射され、仕切り板7により形成された堰近傍で円運動した後、副燃焼室10内を螺碇状に旋回しながら閉塞端側に移動する。また、閉塞端側に形成された気体噴射スロート6には、気体噴射ノズル11が装着されており、この気体噴射ノズル11から気体が可燃粉体と同一周方向に噴射されると、可燃粉体の旋回力が強化され、未燃粉体の開口部3からの飛び出しを抑制することができる。
このような技術的効果を奏する粉体燃焼装置20は、通常、図6(A)および図7(A)に示すように、燃焼炉等の主燃焼室50と粉体燃焼装置20の副燃焼室10とが連通するようにこれらを並設して使用される。粉体燃焼装置20を使用するにあたっては、一般には副燃焼室10を画定しているケーシング1の長手軸が水平となるように設置される。
粉体燃焼装置20を上記の主燃焼室50に並設し、かつ可燃粉体として、例えば、廃プラスチック粉末を使用した場合は、前述のように副燃焼室10外へ飛び出す廃プラスチック粉末の量、すなわち主燃焼室50内へ飛び込む廃プラスチック粉末の量を大幅に低減することができるので、主燃焼室50のケーシングの損傷や、主燃焼室50からの煤の発生を抑制することができる。
以下、本発明の粉体燃焼装置を構成する各部材について説明する。
1.バーナおよび気体噴射ノズル
本発明においては、副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナと別個に、副燃焼室内に気体を投入する気体噴射ノズルを設け、さらに、上記バーナが装着されるバーナスロート、および、上記気体噴射ノズルが装着される気体噴射スロートにおいて、両者の相対的な位置関係を、その一方が上記ケーシングの閉塞端側に位置し、その他方が、上記ケーシングの開口端側に位置するものとすることにより、可燃粉体の旋回力の強化を図り、可燃粉体の旋回位置を開口部から離れた位置とし、開口部からの未燃粉体の飛び出しを抑制することを可能とするものである。
以下、まず、バーナが装着されるバーナスロート、および、気体噴射ノズルが装着される気体噴射スロートの両者の相対的な位置関係について説明する。
(1)バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係
バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係は、バーナスロートおよび気体噴射スロートの一方が、ケーシングの閉塞端側に位置し、当該バーナスロートおよび上記気体噴射スロートの他方が、ケーシングの開口端側に位置するものである。このような両者の相対的な位置関係は、両者の形成位置が、同一周上にないのであれば特に限定はされず、バーナスロートおよび気体噴射スロートのいずれが、ケーシングの開口端側および閉塞端側のいずれにあってもよい。
このようなバーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係において、閉塞端側に設けられたバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターから、閉塞端を形成する側壁(以下、側壁とする場合がある。)までの距離は、特に限定はされないが、側壁から仕切り板までの全長に対して、側壁からバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、40%以下、中でも、20%以下であることが好ましい。または、閉塞端側に位置するバーナまたは気体噴射ノズルの直径を基準とした場合、側壁から、バーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、バーナまたは気体噴射ノズルの直径の3倍以内、中でも1.5倍以内にあることが好ましい。
また、具体的に側壁から、閉塞端側に位置するバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離は、300mmの範囲内、中でも、150mmの範囲内であることが好ましい。
なお、ここでいう側壁から仕切り板までの全長とは、仕切り板の最もケーシング長手方向内側に位置する部分から、側壁までの長さを意味する。具体的に図6(A)を用いて説明すると、仕切り板7の最もケーシング1長手方向内側に位置する部分7aから、側壁2までの長さmに相当する。このような全長mに対して、側壁2から閉塞端側に設けたバーナスロート5のセンター12cまでの長さxが、上記範囲内にあり、または、この長さxが、バーナ12の直径を基準とした場合や、その具体的数値が上記範囲内にあれば、開口端側に設けられた気体噴射スロート6との位置関係により、未燃の可燃粉体の開口部3からの飛び出しを抑制することができ、滞留時間の増大を図ることができるのである。
また、後述するように仕切り板の形状が図11および図12に示すような形状である場合、側壁から仕切り板までの全長は、図11に示すように、仕切り板37Aの最もケーシング長手方向内側に位置する部分37aから、側壁2までの長さとする。さらに、図12に示す場合には、仕切り板37Bの最もケーシング長手方向内側に位置する部分37bから、側壁2までの長さとする。
さらに、後述するように仕切り板が複数設けられている場合には、バーナスロートおよび気体噴射スロートの両方の形成位置よりも開口端側であって、開口端側に位置するバーナスロートまたは気体噴射スロートに最も近く形成された仕切り板を基準とする。具体的には、図13に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の形成位置よりも開口端側で、この開口端側に位置するバーナスロート5に最も近い位置に設けられた仕切り板37Dを基準とする。
一方、開口端側に設けられたバーナスロートまたは気体噴射スロートにおいて、そのセンターから仕切り板までの距離は、特に限定はされないが、仕切り板から側壁までの全長に対して、仕切り板からバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、30%以内、中でも、20%以内にあることが好ましい。または、開口端側に位置するバーナまたは気体噴射ノズルの直径を基準とした場合、仕切り板から、バーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離が、バーナまたは気体噴射ノズルの直径の3倍以内、中でも、1.5倍以内にあることが好ましい。
また、具体的に仕切り板から、開口端側に位置するバーナスロートまたは気体噴射スロートのセンターまでの距離は、250mm以内、中でも、150mm以内であることが好ましい。
また、バーナスロートは閉塞端側に位置することが好ましい。バーナスロートが閉塞端側に位置することにより、投入直後の可燃粉体が開口部から飛び出すのを防止することができるからである。
具体的に図6(A)を用いて説明すると、仕切り板7の最もケーシング1長手方向内側に位置する部分7aから、側壁2までの長さmに対して、仕切り板7の最もケーシング1長手方向内側に位置する部分7aから開口端側に設けた気体噴射スロート6のセンター11cまでの長さyが、上記範囲内にあり、または、この長さyが、気体噴射ノズル11の直径を基準とした場合、あるいはその具体的数値が上記範囲内にあれば、閉塞端側に設けたバーナスロート5との位置関係により、未燃の可燃粉体の開口部からの飛び出しを抑制することができ、滞留時間の増大を図ることができるのである。
また、バーナスロートおよび気体噴射スロートは、ケーシングの外周壁に形成されるが、バーナスロートおよび気体噴射スロートを形成する際には、これらに装着されるバーナおよび気体噴射ノズルが、可燃粉体および気体等を同一周方向に噴射することができるように、バーナスロートおよび気体噴射スロートの形成位置を決定する。例えば、図6(B)に示すように、バーナスロート5に装着されたバーナ12から噴射された可燃粉体が、矢印Aで示す方向で、副燃焼室10内に投入される場合には、気体噴射ノズル11から噴射される気体も、矢印Aで示す方向で、副燃焼室内に投入されることが可能となるように、気体噴射ノズルが装着される気体噴射スロートの形成位置を決定する。
さらに、バーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係において、ケーシング長手方向に垂直の面における上下位置関係は、これらに装着されるバーナおよび気体噴射ノズルが、可燃粉体および気体等を同一周方向に噴射することができるようであれば特に限定はされない。例えば、図6(B)および図7(B)に示すように、バーナスロート5が、ケーシング1の上記垂直の面における上部に位置し、気体噴射スロート6が、ケーシング1の上記垂直の面における下部に位置する場合や、また、その逆の場合であってもよい。さらに、バーナスロート5および気体噴射スロート6が共にケーシング1の上記垂直の面において同程度の高さに位置する場合であってもよい。
このようなバーナスロートおよび気体噴射スロートの相対的な位置関係において、中でも、バーナスロートは上部に位置することが好ましい。上部から可燃粉体を投入することで重力を利用して旋回力を強化することができる。また、気体噴射ノズルは下部に位置することが好ましい。下部に気体を吹き付けることにより、可燃粉体の堆積を防止することができる。
(2)バーナ
次いで、本発明におけるバーナについて説明する。バーナ12は、可燃粉体を噴射することができるものであれば特に限定されるものではないが、通常は、可燃粉体、ガス燃料および燃焼用空気を噴射することができるものが用いられる。
バーナ12中においてガス燃料が導入される流路、可燃粉体が導入される流路、および燃焼用空気が導入される流路それぞれの配置は適宜選定可能であるが、これらの流路が同軸状に配置された多重管構造のバーナを用いることが特に好ましい。
図8(A)は、三重管構造のバーナの一例をその噴射口側からみた正面図であり、図8(B)は、図8(A)に示したIV−IV線断面の概略図である。
これらの図に示すバーナ12は、第1流路13と、第1流路13よりも内周に形成された第2流路14と、第1流路13よりも外周に形成された第3流路15とを有している。
第1流路13、第2流路14および第3流路15は、バーナ12の中心軸と直交する方向に切ったときの断面(以下、「横断面」という。)形状が環形を呈する流路であることが好ましい。
気体搬送された可燃粉体を第1流路13に導入し、ガス燃料を第2流路14に導入し、燃焼用空気を第3流路15に導入することにより、バーナ12から噴射される可燃粉体をガス燃料と燃焼用空気とによって挟み込ませることができ、これによって、可燃粉体、ガス燃料、および燃焼用空気が十分に混合した状態で着火させることができる。その結果として、可燃粉体を良好に燃焼させることが容易になる。
第1流路13に導入する可燃粉体としては、例えば廃プラスチック粉末、微粉炭、木屑、紙片、微粉バイオマス等や、これらの混合物を挙げることができる。本発明の粉体燃焼装置の利点を考慮すると、廃プラスチック粉末を用いることが好ましい。
廃プラスチック粉末を第1流路13に導入する場合、当該プラスチック粉末の平均粒径(微粉から重量を積算して全重量の50%となる粒径を意味する。以下同じ。)は、0.6mm以上であることが好ましく、特に0.9mm以上であることが好ましい。例えば、図9に示すように、0.1〜0.5mmの粒度分布を有する廃プラスチック粉末の場合には、平均粒径は0.29mmとされる。
この平均粒径が上記範囲より低い場合は、副燃焼室内の温度が上昇しすぎる傾向にあり、またこのような廃プラスチック粉末を得るためのコストが高くなる等の問題があることから好ましくない。
廃プラスチック粉末を搬送するための気体は、可燃粉体の燃焼を妨げないものであればよく、例えば可燃性を有していてもよいが、一般的には、コスト面から空気を使用することが好ましい。
必要に応じて、第2流路14内または第3流路15内に、当該第2流路14または当該第3流路15を流れる流体に旋回を与える旋回発生手段16を設けることができる。図示の例では、第3流路15内に旋回発生手段16が設けられている。この旋回発生手段16を設けることによって、第2流路14および第3流路15から噴射される流体と第1流路13から噴射される可燃粉体とを積極的に混合することが容易になるので、可燃粉体を更に良好に燃焼させることが可能になる。
旋回発生手段16は、流路内を流れる流体に対して旋回を与えることができる手段であれば特に限定されるものではない。例えば図8(B)に示すように、旋回羽根、すなわち流体を旋回に導く誘導羽根を、旋回発生手段16として用いることができる。
(3)気体噴射ノズル
本発明における気体噴射ノズルは、気体噴射スロートに装着され、気体を、上記バーナにより噴射される可燃粉体と、同一周方向に噴射し、副燃焼室内に投入することができるものである。このような気体噴射ノズルは、気体が導入される流路を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、気体が導入される流路を有する単管構造のノズルを挙げることができる。また、必要に応じて、他の流体等を導入する流路を有する多重管構造のノズルとする場合であってもよい。
このような気体噴射ノズルから噴射される気体としては、可燃粉体の燃焼を妨げないものであれば特に限定はされるものではなく、例えば、可燃性を有していてもよいが、コスト等の観点から空気であることが好ましい。
また、気体噴射ノズルにおける気体の噴射速度としては、バーナにより噴射される可燃粉体と同一周方向に気体を噴射させることにより、可燃粉体の旋回力を強化させることができるのであれば特に限定はされないが、具体的には、10〜100m/sの範囲内であることが好ましく、中でも、30〜80m/sの範囲内であることが好ましい。気体噴射ノズルによる気体の噴射速度は、バーナのように火炎形成に伴う吹込み速度の制限はないので、気体噴射ノズルから噴射する気体の噴射速度を上記範囲内で高めることにより、可燃粉体の旋回力を強化することができる。
2.ケーシング
副燃焼室を画定するケーシングの形状は、可燃粉体を螺旋状に移動させるうえから、一端が閉塞された筒状とされる。具体的には、一端が閉塞された円筒状、または楕円筒状等を挙げることができるが、本発明においては、図10に示すように副燃焼室10長手方向の中心部Zに向うにしたがって、内径が大きくなる樽型とすることが好ましい。このような樽型の形状とすることにより、旋回流による遠心力で副燃焼室の長手方向中心付近で旋回させやすくすることができ、可燃粉体の開口部からの飛び出しを効果的に抑制することができるからである。
なお、ここでいう樽型とは、副燃焼室の長手方向中心部に向うにしたがい内径が大きくなる形状のことを意味するが、具体的に、長手方向中心付近における内径の広がりの程度としては、閉塞端または開口端における内径に対して、副燃焼室長手方向の中心付近の最も大きい部分の内径が、1.0倍〜1.8倍の範囲内、中でも、1.1倍〜1.4倍の範囲内であることが好ましい。
具体的に図10を用いて説明すると、閉塞端における内径pよりも、副燃焼室10長手方向の中心付近Zにおいて最も内径が大きい部分の内径qが上記範囲内にあるような形状の樽型であることが好ましく、これにより、可燃粉体の旋回位置を副燃焼室長手方向の中心付近とすることができ、開口部からの可燃粉体の飛び出しを抑制する効果を充分に得ることができる。
また、粉体燃焼装置を低コストの下に作製するうえからは、比較的耐熱性の低い耐火材、例えば耐熱温度が1200〜1400℃程度の耐火材を用いてケーシングを作製することが好ましい。
ケーシングの内容積は、目的とする粉体燃焼装置の用途や、求められる処理能力等に応じて、適宜選定可能である。
3.仕切り板
仕切り板は、ケーシングと同程度の耐熱性を有する耐火材によって形成することが好ましく、熱膨張率の相違等による不具合の発生を防止するうえからは、ケーシングの材料と同じ材料によって形成することが好ましい。
また、その形状は、堰として機能するのであれば特に限定されるものではなく、例えば、図6(B)等に示す仕切り板7のように、中央に開口部を有する円板状、図示していないが、半円形、半楕円形、三日月状(弓形状)等とすることができる。その中でも、中央に開口部を有する円板状であることが好ましい。
また、図11に示す粉体燃焼装置40Aにおける仕切り板37Aのように、ケーシング1の径方向内側に位置する縁部が側壁2方向に張り出した形状であってもよく、または、図12に示す粉体燃焼装置40Bにおける仕切り板37Bのように、ケーシング1の内周面から当該ケーシング1の径方向内側に向かうにしたがって側壁2方向に斜めに張り出した形状とすることもできる。
仕切り板の位置は、バーナスロートおよび気体噴射スロートの両方の形成位置よりも開口端側に形成されていれば特に限定はされない。例えば、図6に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の両者の位置関係において、気体噴射スロート6が開口端側に形成されている場合には、当該気体噴射スロート6の形成位置よりも開口端側であればよい。また、図7に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の両者の位置関係において、バーナスロート5が開口端側に形成されている場合には、当該バーナスロート5の形成位置よりも開口端側であればよい。本発明においては、中でも、仕切り板を形成する位置は、開口端側に形成されたバーナスロートまたは気体噴射スロートに近接する位置であることが好ましい。可燃粉体の副燃焼室内における滞留時間を長くすることができ、また、開口部からの粒子の飛び出し確率を低くすることができるといった効果を十分に得ることができるからである。
具体的に仕切り板の位置は、開口端側に設けられたバーナスロートのセンターまたは気体噴射スロートのセンターとの距離が、上記「1.バーナおよび気体噴射ノズル」の欄で記載した範囲となるような位置に形成することが好ましい。仕切り板と、開口端側に形成されたバーナスロートまたは気体噴射スロートとの距離を、上述した範囲よりも離して形成すると、仕切り板側に吹き寄せられて旋回する粉体が増え、開口部からの飛び出しが増加する場合があり好ましくないからである。
仕切り板を、上述した位置に配置することによって、所望の技術的効果を奏する粉体燃焼装置を得ることが可能になるのであるが、仕切り板は1つに限らず、2つ以上の仕切り板をケーシング1内に配置することもできる。例えば、図13に示すように、バーナスロート5および気体噴射スロート6の形成位置よりも開口端側で、このバーナスロート5に最も近い位置に設けられた仕切り板37Dの他に、開口端の近傍に仕切り板37Eを配置し、堰を複数形成する場合であっても良い。
可燃粉体を良好に燃焼させるうえには、仕切り板を形成した箇所でのケーシング1での開口比(面積比)が5%〜60%の範囲内、特に15%〜35%の範囲内となるように、当該仕切り板の大きさおよび形状を選定することが好ましい。ここで、開口比は仕切り板を形成した箇所の断面積(A)に対する仕切り板を形成した箇所の開口部分の面積(B)の比(B/A)で表される。
開口比が大きすぎると、粉体噴射時の飛び出しを防止する効果が不充分となり、開口比が小さすぎると、仕切り板を形成した箇所での流速が大きくなり仕切り板が損傷されやすくなるからである。また、本発明においては、気体噴射ノズルから気体を吹き込むことにより、可燃粉体を旋回させながら燃焼させ、その可燃粉体の旋回を強化することができるので、副燃焼室内から未燃粉体の飛び出しを大幅に抑制することができ、上記範囲内での開口比を実現することができる。
B.粉体燃焼方法
次に、本発明の粉体燃焼方法について説明する。本発明の粉体燃焼方法は、上述した本発明の粉体燃焼装置によって、可燃粉体を燃焼させるものである。
このような本発明の粉体燃焼方法では、閉塞端側に設けたバーナまたは気体噴射ノズルから噴出される気体の流量とその噴出速度との積をNuとし、開口端側に設けたバーナまたは気体噴射ノズルから噴出される気体の流量とその噴出速度との積をNdとした場合、比(Nd/(Nu+Nd))を調節することにより、可燃粉体の旋回位置を調整することが好ましい。バーナおよび気体噴射ノズルから気体を噴出させる際の流量および噴出速度は、精度の高い調整が可能であるので、上記比を調整することにより、粉体の旋回位置を所望の位置に精度良く調整することができる。
具体的に、上記比は、0.05〜0.9の範囲内とすることが好ましく、特に0.25〜0.75の範囲内、中でも、0.4〜0.6の範囲内であることが好ましい。上記範囲であれば、可燃粉体の旋回位置を開口端ならびに閉塞端から離すことができ、仮に可燃粉体が堆積して旋回流が乱れた場合であっても、開口部からの飛び出しを抑制でき副燃焼室内の滞留時間を長くすることができる。特に上記比を0.4〜0.6の範囲内とすることにより、副燃焼室の長手方向中心付近とすることができる。
また、可燃粉体を副燃焼室内に投入する際には、副燃焼室の内部温度が1000℃以上に到達した後に投入することが好ましく、さらに好ましくは、1100℃以上である。副燃焼室内の内部温度が上記範囲に到達した後、副燃焼室内に可燃粉体を投入することにより、効率良く可燃粉体を副燃焼室内で燃焼させることができるからである。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態は例示であり、本明細書の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様の効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施形態の説明では、第2流路にガス燃料を導入する場合を示したが、第2流路に液体燃料を導入する場合には、例えば、図8に示す三重管の場合には、液体燃料を噴霧するオイルガンなどの噴霧発生手段を第2流路に取り付けたバーナを用い、副燃焼室に噴射すればよい。
また、本発明に用いられるガス燃料としては、コークス炉ガス、LNG、LPGおよび各種副性ガスが例示され、液体燃料としては、灯油、重油などの石油系燃料あるいはメタノールが例示される。
以下、実施例を例示して、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、以下に示す実施例において、可燃粉体の入熱割合とは、全入熱すなわち可燃粉体の入熱量(A)と燃料の入熱量(B)との合計入熱量に対する可燃粉体の入熱量の割合(B/(A+B))をいう。また、入熱割合を燃焼比率ともいい、混焼率ともいう。
(実施例1)
図6に示す粉体燃焼装置と同様の構造を有する燃焼装置を用意した。
この粉体燃焼装置における円筒形のケーシングの内径(直径)は760mm、長さ(内寸)は760mmであり、仕切り板の中央部には直径400mmの円形の開口部が形成されている。バーナスロートには、図8に示したバーナと同様の三重管構造のバーナを装着した。バーナを構成している第1流路13には、空気搬送された廃プラスチック粉末を導入し、第2流路14には燃料ガスとしてのコークス炉ガスを導入し、第3流路15には燃焼用空気を導入した。
気体噴射スロートには、単管構造の気体噴射ノズルを装着し、空気を導入した。気体噴射ノズルの直径は25mmで、仕切り板から気体噴射スロートのセンターまでの距離は25mmとした。バーナの直径は165mmで、側壁からバーナスロートのセンターまでの距離は165mmとした。
また、上記の粉体燃焼装置で燃焼させる可燃粉体として、平均粒径が0.9mm、2.0mm、3.2mmと異なる3種類の廃プラスチック粉末を準備した。
上述の粉体燃焼装置をケーシングの長手軸が水平となるように設置し、コークス炉ガスの入熱量が全入熱量の10%となるように調整しながら、上記3種類の廃プラスチック粉末それぞれについて燃焼試験を行った。また、閉塞端側に形成したバーナからの空気の吹き出し量とその速度との積(Nu)と開口端側に形成した気体噴射ノズルからの空気の吹き出し量とその速度との積(Nd)との合計に対するNdの比(Nd/(Nu+Nd))を0.2とした。この燃焼試験を行うにあたっては、副燃焼室内の雰囲気温度が1000℃に到達するまではコークス炉ガスの燃焼比率を高くして燃焼を行い、副燃焼室の雰囲気温度が1000℃を超えた後は、コークス炉ガスの入熱量が上記の値となるよう調節した。
また、バーナから噴出する廃プラスチック粉末の流速(初速度)は、いずれの種類の廃プラスチック粉末についても、8m/秒とし、各廃プラスチック粉末は、それぞれ別個に、1時間当たり最大100kgの割合で燃焼させた。
燃焼状況を目視観察にて下記の基準に従い評価し、○良好までを合格とした。下記表1に燃焼状況を示す。
◎:極めて良好(火炎内あるいは副燃焼室内で完全燃焼(炉床に廃プラスチックが落ちない))
○:良好(炉床に少量廃プラスチックが落ち、局所的に燃える)
△:やや不良(炉床に廃プラスチックがやや多く落ち、炉床で燃え上がる)
×:不良(炉床に廃プラスチックが溜まり炉内全体で燃焼。スス発生の場合もあり)
Figure 0004016909
上記表1に示すように、平均粒径2.0mmの粉末の場合、粉末100%すなわち混焼率100%でも、副燃焼室内でほぼ完全に燃焼し、副燃焼室から粉末のまま飛び出すものは極めて稀であった。さらに、平均粒径3.2mmの粉末でも混焼率60%程度までは副燃焼室内でほぼ完全に燃焼しており、混焼率100%すなわち専焼も十分可能であった。
(実施例2)
次に、平均粒径3.2mmの廃プラスチックを用い、気体噴射ノズルの位置を変更して試験を行った。気体噴射ノズルの径Dに対し、仕切り板と気体噴射スロートのセンターとの距離を1D〜4Dの範囲とした。
燃焼状況の試験結果を下記表2に示す。
Figure 0004016909
上記表2に示す結果から、気体噴射ノズルの設置位置が仕切り板から3D以下であれば良好な結果が得られた。
(実施例3)
次に、平均粒径3.2mmの廃プラスチックを用い、気体噴射ノズルと仕切り板との距離を1Dとして、上記比(Nd/(Nu+Nd))を変えて試験を行った。燃焼状況の試験結果を下記表3に示す。
Figure 0004016909
上記表3に示すように比が0.05以上で良好な結果が得られた。
(実施例4)
次に開口部面積比を変えた場合について試験を行った。燃焼状況の試験結果を下記表4に示す。
Figure 0004016909
上記表4に示すように、開口部面積比を大きくするほど燃焼性は悪化するが、混焼率100%では開口部面積比が0.6以下で良好であった。
(実施例5)
次に、図7に示す粉体燃焼装置を用いて燃焼試験を行った。閉塞端側に形成した気体噴射ノズルからの空気の吹き出し量とその速度の積(Nu)と開口端側に形成したバーナからの空気の吹き出し量とその速度の積(Nd)の合計とNdとの比(Nd/(Nu+Nd))を0.28とした。気体噴射ノズルの直径は25mmで、側壁から気体噴射スロートのセンターまでの距離は25mmとした。バーナの直径は165mmで、側壁からバーナスロートのセンターまでの距離は165mmとした。
試験結果として燃焼状況を下記表5に示し、下記表6に残炭状況の試験結果を示す。
Figure 0004016909
Figure 0004016909
上記表5および表6に示すように、酸素不足の上流側に旋回ガスとして空気を吹き込み、酸素の供給と旋回の強化を行うことで、良好な燃焼を維持したまま残炭を防止することができた。
(実施例6)
次に、図10に示すケーシングの形状が樽型の副燃焼室を用いて燃焼試験を行った。このケーシングの閉塞端における内径を650mmとし、ケーシングの長手方向中心付近で内径が大きい部分の径を760mmとした。このようにケーシングの形状を樽型とした以外は実施例1と同様の条件とした。
下記表7に燃焼状況の試験結果を示す。
Figure 0004016909
上記表7に示す結果から、ケーシングの形状を樽型にすることで、燃焼状況が改善されることを確認した。また、残炭を防止することができた。
(比較例1)
図3に示す粉体燃焼装置と同様の構造の装置を用いて燃焼試験を行った。すなわち、開口端側には堰が形成されず、したがって開口部面積率が100%であり、開口端側からの空気の噴射がない条件以外は実施例1と同様の条件とした。
下記表8に燃焼状況の試験の結果を示す。
Figure 0004016909
上記表8に示すように、全ての条件で副燃焼室から未燃粉体が飛び出し、炉床に堆積して燃え上がり、多量の煤が発生した。不完全な燃焼であり、粗粒の廃プラスチックの燃焼は不可であった。
(比較例2)
次に図4に示す副燃焼室を用いて燃焼試験を行った。すなわち、開口端側に気体噴射ノズルを形成せず、したがって、気体噴射ノズルからの空気の噴射がない条件以外は、上記実施例1と同様の条件とした。燃焼状況の試験結果を下記表9に示す。
Figure 0004016909
比較例1と比較して燃焼状況は大きく向上し、平均粒径0.9mmでは混焼率100%まで○判定となっている。ただし、平均粒径3.2mmでは混焼率30%程度が限界であった。
(比較例3)
次に、開口端側にバーナを設置した以外は、図4に示す副燃焼室と同様の構成を有する燃焼装置を用いて燃焼試験を行った。バーナを副燃焼室下流に設置した以外の条件は上記比較例2と同じとした。試験結果として燃焼状況を下記表10に示し、残炭状況を表11に示す。
Figure 0004016909
Figure 0004016909
バーナが開口部に近接しているため、バーナからの吹き込み直後に開口部から漏れ出る粒子がわずかにあるため、燃焼状況の結果に◎判定は無いが、全てにおいて○判定の良好な結果であった。しかしながら、この方式で燃焼試験を長時間継続して行うと、副燃焼室内に残炭が溜まることが判明した。これは、副燃焼室内下流からバーナで粉体を吹き込んだ場合に、粉体は上流側で旋回するが、上流側に十分な酸素が供給されず、固定炭素分が残ってしまったものと考えられる。ほぼ全ての条件において、副燃焼室に残炭が堆積していることを確認した。
廃プラスチック粉末をガス化するのに要する時間と雰囲気温度との関係を廃プラスチック粉末の粒径ごとに示すグラフである。 雰囲気温度を1200℃に固定したときの廃プラスチック粉末のガス化時間と粒径との関係を示すグラフである。 図3(A)は、従来の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図3(B)は、図3(A)に示したI−I線断面の概略図である。 図4は、従来の粉体燃焼装置の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図である。 図5は、廃プラスチックの旋回挙動を示した説明図である。 図6(A)は、本発明の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図6(B)は、図6(A)に示したII−II線断面の概略図である。 図7(A)は、本発明の粉体燃焼装置の他の例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図であり、図7(B)は、図7(A)に示したIII−III線断面の概略図である。 図8(A)は、三重管構造のバーナの一例をその噴射口側からみた正面図であり、図8(B)は、図8(A)に示したIV−IV線断面の概略図である。 0.1〜0.5mmの粒度分布を有する廃プラスチック粉末の平均粒径を説明するグラフである。 ケーシングの形状を樽型とした場合の本発明の粉体燃焼装置の一例をその長手軸を含む面で切ったときの概略断面図である。 副燃焼室内に堰を形成するための仕切り板の他の例を示す概略断面図である。 副燃焼室内に堰を形成するための仕切り板の他の例を示す概略断面図である。 副燃焼室内に堰を形成するための仕切り板の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … ケーシング
2 … 側壁
3 … 開口部
4 … 外周壁
5 … バーナスロート
6 … 気体噴射スロート
7 … 仕切り板
10 … 副燃焼室
11 … 気体噴射ノズル
12 … バーナ

Claims (9)

  1. 長手方向の一端が閉塞された筒状のケーシングによって画定される副燃焼室内で可燃粉体を燃焼させるバーナおよび前記副燃焼室内に気体を投入する気体噴射ノズルを有する粉体燃焼装置であって、
    前記ケーシングは、外周壁に形成されたバーナスロートおよび気体噴射スロートを有し、
    前記バーナスロートは前記ケーシングの閉塞端側に位置し、前記気体噴射スロートは前記ケーシングの開口端側に位置するものであり、
    前記バーナスロートおよび気体噴射スロートの両方の形成位置よりも、前記開口端側には、堰を形成することができる仕切り板が設けられ、
    前記閉塞端を形成する側壁から前記バーナスロートのセンターまでの距離が、前記バーナの直径の1.5倍以内であり、前記気体噴射スロートのセンターから前記仕切り板までの距離が、前記気体噴射ノズルの直径の3倍以内であり、
    前記バーナは、可燃粉体が搬送気体と共に導入される第1流路を有し、前記バーナスロートに装着されて、前記可燃粉体を前記ケーシングの内周面に沿った周方向に噴射可能とし、
    前記気体噴射ノズルは、前記気体噴射スロートに装着されて前記気体を前記可燃粉体と同一周方向に噴射可能とし、
    前記バーナスロートは前記ケーシングの上部に、前記バーナスロートの軸が略水平となるように配置され、
    前記気体噴射スロートは前記ケーシングの下部に、前記気体噴射スロートの軸が略水平となるように配置されることを特徴とする粉体燃焼装置。
  2. 前記副燃焼室は、長手方向中心部に向うにしたがって内径が大きくなる樽型の形状をしたケーシングによって画定されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体燃焼装置。
  3. 前記バーナが、前記第1流路よりも内周に形成され、ガス燃料または液体燃料が導入される第2流路と、前記第1流路よりも外周に形成され、燃焼用空気が導入される第3流路と、前記第2流路または前記第3流路を流れる流体に旋回を与える旋回発生手段とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粉体燃焼装置。
  4. 前記仕切り板が配置された箇所での前記ケーシングの開口率が60%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の粉体燃焼装置。
  5. 前記請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の粉体燃焼装置によって、可燃粉体を燃焼させることを特徴とする粉体燃焼方法。
  6. 前記粉体燃焼装置の副燃焼室の内部温度が1000℃以上に到達した後、前記可燃粉体を前記副燃焼室内に投入し、燃焼させることを特徴とする請求項5に記載の粉体燃焼方法。
  7. 前記粉体燃焼装置の閉塞端側に設けたバーナまたは気体噴射ノズルから噴出される気体の流量と、その噴出速度との積をNuとし、前記粉体燃焼装置の開口端側に設けたバーナまたは気体噴射ノズルから噴出される気体の流量と、その噴出速度との積をNdとした場合、比(Nd/(Nu+Nd))を調節することにより、前記副燃焼室内における前記可燃粉体の長手方向の旋回位置を調整することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の粉体燃焼方法。
  8. 前記比(Nd/(Nu+Nd))を、0.05〜0.9の範囲内に調節することを特徴とする請求項7に記載の粉体燃焼方法。
  9. 前記可燃粉体として、プラスチックを含む可燃粉体を用いることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれかの請求項に記載の粉体燃焼方法。
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