JP3890497B2 - 固体燃料バーナと固体燃料バーナの燃焼方法 - Google Patents

固体燃料バーナと固体燃料バーナの燃焼方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体燃料を気流搬送して燃焼する固体燃料バーナに係り、特に、木材,ピート,石炭などの水分および揮発分の多い燃料を粉砕し、気流搬送し、浮遊燃焼させるのに適した固体燃料バーナ,固体燃料バーナの燃焼方法,固体燃料バーナを備えた燃焼装置,燃焼装置の運用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材,ピート,褐炭や亜炭に代表される石炭化度の低い石炭は、燃料中に含まれる水分が多い。また、これらの燃料は、加熱時に気体として放出される成分である揮発分,固体として残る成分であるチャー,不燃物として残る成分である灰分,水分に分けると、揮発分や水分が多く、チャーが少ない。瀝青炭や無煙炭などの石炭化度の高い石炭と比べて、発熱量が低く、一般に粉砕性が悪い。さらに、燃焼灰の溶融温度が低いという性質がある。
【0003】
これらの燃料は、揮発分が多いので、空気雰囲気では、貯蔵,粉砕,搬送過程において自然発火しやすく、瀝青炭などと比べて扱いにくい。自然発火を防止するために、これらの燃料を粉砕して燃焼する場合は、燃料の搬送気体として、酸素濃度を低下させた燃焼排ガスと空気との混合気体が使われる。燃焼排ガスは、燃料周囲の酸素濃度を低下させ、燃料の酸化反応(燃焼)を抑制し、自然発火を防ぐ。また、燃焼排ガスの保有熱により、燃料中の水分を乾燥させる作用もある。
【0004】
しかし、低酸素濃度の搬送気体で搬送された燃料は、固体燃料バーナから噴出する際の酸化反応が、燃料周囲の酸素濃度により制限され、空気で搬送した場合と比べて、燃焼速度が低い。通常、燃料は、空気ノズルから噴出した空気と混合した後に、酸化反応が活発となるので、燃焼は、空気との混合速度で律速される。したがって、燃料の燃え切り時間は、空気で搬送する場合と比べて長くなり、燃焼装置すなわち火炉の出口における未燃焼分が増える。また、緩慢に燃焼するため、火炎温度が低い。その結果、高温(約1000℃以上)の還元雰囲気で活発となる窒素酸化物NOxの窒素への還元反応を利用しにくくなり、火炉出口におけるNOxは、燃料を空気搬送する場合と比べて、高くなる傾向がある。
【0005】
低酸素濃度の搬送気体で搬送された燃料の着火を早める方法として、燃料ノズル先端に追加空気ノズルを設け、燃料搬送気体の酸素濃度を高める方法がある。例えば、特開平10−73208号公報は、燃料ノズルの外側に空気ノズルを設けた固体燃料バーナを示している。
【0006】
また、特開平11−148610号公報に記載されているように、燃料ノズルの中心に空気ノズルを設け、燃料ノズル出口での燃料と空気との混合を促進する固体燃料バーナも用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記、従来の固体燃焼バーナは、追加空気ノズルを燃料ノズル内に設け、固体燃料と空気との混合を早め、燃焼反応を促進させている。このとき、固体燃料とその搬送気体との混合流体からなる燃料噴流と追加空気ノズルから噴出する空気とが、燃料ノズル出口で十分に混合することが望ましい。
【0008】
しかし、上記従来例のように、追加空気ノズルから噴出する空気が、燃料噴流と平行に噴出すると、燃料噴流と追加空気ノズルから噴出する空気との流速差が小さいので、燃料噴流と追加空気との混合は、緩慢となる。
【0009】
通常、追加空気ノズル出口から燃料ノズル出口までの距離は、1m以内である。燃料噴流の流速は、約12m/s以上である。したがって、燃料ノズル内での燃料粒子と追加空気との混合時間は、約0.1秒以下と短く、燃料粒子と追加空気とは、十分に混合できない。
【0010】
一方、燃料ノズル内での燃料粒子と追加空気との混合時間を長くするため、追加空気ノズルの設置位置を燃料ノズルの上流側に設ける場合、燃料ノズル内で燃料が着火するいわゆる逆火現象が生じる危険性がある。したがって、追加空気ノズル出口から燃料ノズル出口までの距離を長くできない。
【0011】
また、特開平11−148610号公報に記載されているように、追加空気の一部をテーパ状の噴出部から斜め下流方向に噴出させると、追加空気は、燃料ノズル外周部に到達しにくくなる。
【0012】
本発明の目的は、褐炭などの低品位固体燃料の搬送気体に酸素濃度の低い気体を利用する固体燃料バーナにおいて、追加空気ノズル出口から燃料ノズル出口までの距離を変えずに、高負荷条件から低負荷条件まで、広範囲にわたって、燃料ノズル内での燃料粒子と空気との混合を促進し、かつ、燃料ノズル内の燃料濃度と酸素濃度とが燃料ノズル内の平均値よりも高い領域を形成し、安定燃焼させる手段を備えた固体燃料バーナを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、燃料粒子と空気との混合を促進し安定燃焼させる手段を備えた固体燃料バーナの燃焼方法,固体燃料バーナを備えた燃焼装置,燃焼装置の運用方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、固体燃料とその搬送気体との混合流体を噴出する燃料ノズルと、燃料ノズルの外側に配置され空気を噴出する少なくとも1つの空気ノズルと、燃料ノズル内に混合流体の流れに対して略垂直に空気を噴出する追加空気ノズルと、燃料ノズル内に流路を分割する分配器とを有し、搬送気体が、空気よりも酸素濃度の低い気体であり、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズルの出口が分配器と重なる位置にある固体燃料バーナを提案する。
【0015】
燃料ノズル内の分配器の上流側に、バーナ上流側から順に、燃料ノズル内の流路断面積を減少させる部分と増加させる部分からなる障害物を設けることもできる。
【0016】
分配器により分割される燃料ノズル流路のうち分配器の上流側先端部において追加空気ノズルが設置されている側の流路断面積の方を、障害物により縮小された流路断面積よりも大きくしてもよい。
【0017】
追加空気ノズルは、燃料ノズルの外側隔壁部に設置される場合もある。
【0018】
分配器が、筒状またはテーパ状の薄板構造物で構成され、分配器の上流側に、燃料ノズルの外周側から流路を狭める流路縮小部材と、流路縮小部材の下流側に燃料ノズルの中心軸側から流路を狭める濃縮器とを有することも可能である。
【0019】
上記いずれかの固体燃料バーナにおいて、燃料ノズルと空気ノズルとを隔てる隔壁先端に、燃料ノズルから噴出する固体燃料とその搬送気体との流れおよび空気ノズルから噴出する空気の流れを妨げる障害物を設けることもできる。障害物は、燃料ノズル出口の壁面に設けられた歯付き(toothed)保炎器とする場合もある。
【0020】
空気ノズルに旋回器を設けることができる。
【0021】
空気ノズル出口に空気の噴出方向を決めるガイドを設けてもよい。
【0022】
これらの固体燃料バーナの燃焼方法において、燃焼負荷が低い場合は、追加空気ノズルから供給する空気量を増やし、燃焼負荷が高い場合は、追加空気ノズルから供給する空気量を減らす固体燃料バーナの燃焼方法を採用することもできる。
【0023】
または、燃焼負荷が低い場合は、追加空気ノズルから供給する空気量を増やし、空気ノズルから供給する空気流量を減らし、燃焼負荷が高い場合は、追加空気ノズルから供給する空気量を減らし、空気ノズルから供給する空気流量を増やし、固体燃料バーナから供給する空気量と燃料の割合を一定に保つ固体燃料バーナの燃焼方法を採用する場合もある。
【0024】
燃料ノズルの出口断面において、中央部と外周部で燃料濃度と酸素濃度がいずれも高い領域と、いずれも低い領域とに別れる固体燃料バーナの燃焼方法を採用することができる。例えば、空気ノズルが、燃料ノズルの外周にある場合は、燃料ノズルの出口断面における燃料濃度および酸素濃度の平均値に対して、燃料濃度および酸素濃度がいずれも高い外周領域と、燃料濃度および酸素濃度がいずれも低い中央領域とを形成することが望ましい。
【0025】
本発明は、また、上記いずれかの固体燃料バーナを複数本備えた火炉と、燃料ホッパと、給炭機と、給炭機の下流側の燃焼排ガス配管内で燃焼装置の上部から抜き出した燃焼排ガスと混合した燃料を導入する粉砕機と、粉砕機で粉砕された燃料を固体燃料バーナに供給する燃料配管と、固体燃料バーナに空気を供給するブロアとを備えた燃焼装置を提案する。
【0026】
本発明は、さらに、上記いずれかの固体燃料バーナを複数本備えた火炉と、燃料ホッパと、給炭機と、給炭機の下流側の燃焼排ガス配管内で燃焼装置の上部から抜き出した燃焼排ガスと混合した燃料を導入する粉砕機と、粉砕機で粉砕された燃料を固体燃料バーナに供給する燃料配管と、固体燃料バーナに空気を供給するブロアと、低負荷条件において固体燃料バーナ毎に形成される火炎を監視する低負荷火炎検知器または温度計または放射強度計と、高負荷条件においては固体燃料バーナから離れた位置に形成される火炎を監視する高負荷火炎検知器または温度計または放射強度計と、計測器からの信号に基づき追加空気ノズルから噴出する空気量を制御する制御手段とを備えた燃焼装置を提案する。
【0027】
燃焼装置を高い燃焼負荷で運用する場合は、固体燃料バーナから離れた位置から固体燃料の火炎を形成し、燃焼装置を低い燃焼負荷で運用する場合は、固体燃料バーナの燃料ノズル出口直後から固体燃料の火炎を形成する燃焼装置の運用方法を採用する。
【0028】
本発明は、上記いずれかの固体燃料バーナを複数本壁面に備えた火炉と、火炉壁および火炉内に設置され火炉内での固体燃料の燃焼により生じた燃焼熱で水を加熱し蒸気を発生させる熱交換器とを備えたボイラプラントを提案する。
【0029】
本発明の固体燃料バーナは、石炭や木材、ピートなどの水分や揮発分の多い固体燃料を粉砕し、気流搬送させて浮遊燃焼させる際に、燃料の搬送気体の酸素濃度が21%よりも低い場合に特に適した固体燃料バーナである。
【0030】
本発明の固体燃料バーナは、固体燃料とその搬送気体との混合流体を噴出する燃料ノズルと、空気を噴出する少なくとも1つの空気ノズルと、燃料ノズル内に混合流体の流れに対して略垂直に空気を噴出する追加空気ノズルと、燃料ノズル内に流路を分割する分配器とを有し、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズルの出口は分配器と重なる位置にある固体燃料バーナである。
【0031】
追加空気ノズル出口は、燃料ノズルの流路の中央に配置しても、燃料ノズルの隔壁に配置してもよい。燃料粒子による磨耗防止の観点からは、燃料ノズルの隔壁に配置することが望ましい。
【0032】
追加空気ノズルから噴出する追加空気噴流を燃料噴流に対し略垂直に噴出させると、平行に噴出させる場合よりも燃料粒子と追加空気噴流との速度差が大きくなり、混合が進む。特に、燃料粒子は、気体に比べ密度が大きいので、慣性力により追加空気噴流中に混合する。
【0033】
本発明においては、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズルの出口は分配器と重なる位置にあるので、追加空気ノズルから噴出する追加空気噴流は、分配器が障害となり、燃料ノズルのうち、追加空気ノズルと分配器に挟まれた追加空気側流路のみに混合する。追加空気流路では、追加空気噴流が燃料噴流に混合するので、燃料噴流の流れに対し流動抵抗が増える。このため、追加空気の流量を増やすと、搬送気体は、追加空気流路を避けて流れる。
【0034】
しかし、燃料粒子は、慣性力により気体よりも直進性が強いので、追加空気流路側を流れる。分配器の追加空気流路側では、搬送気体の流量の減少に比べ、燃料粒子の減少が少ない。
【0035】
その結果、搬送気体が追加空気噴流に置き換わり、燃料粒子の周囲の酸素濃度は、搬送ガスの酸素濃度よりも高くなる。燃料ノズルから噴出した後は、高い酸素濃度により燃焼反応が進み、燃料ノズル出口に火炎を安定に形成する。
【0036】
燃料ノズル出口から追加空気ノズルの出口までの距離は、燃料ノズル内での火炎形成による逆火や焼損を防ぐ意味から、燃料ノズル内での燃料の滞留時間が、燃料の着火遅れ時間(約0.1秒)以下となることが望ましい。通常、燃料搬送気体は、流速12〜20m/sで燃料ノズル内を流れるので、燃料ノズル出口から追加空気ノズルの出口までの距離は、1m以下となる。
【0037】
本発明の固体燃料バーナの燃料ノズルに、バーナ上流側から順に燃料ノズルの断面積を一旦縮小した後、拡大する流路縮小部材を設けることが望ましい。流路断面積を縮小すると、燃料ノズルを流れる燃料搬送気体の流速が高まるので、瞬間的な流速低下により燃料ノズル内に火炎が形成されたとしても、流路縮小部材よりも上流側への逆火を防止できる。
【0038】
なお、流路縮小部材は、燃料搬送気体の流動抵抗を減らすため、ベンチュリのように、流路断面積が滑らかに変化する形状が望ましい。
【0039】
さらに、燃料ノズルの内部に、バーナ上流側から順に、燃料ノズルの流路断面積を減少させる部分と増加させる部分とからなる濃縮器を設けると、燃料粒子には、濃縮器に沿って外周方向に向かう速度成分が誘起される。燃料粒子は、搬送気体よりも慣性力が大きいので、燃料ノズルの外側隔壁の内周に片寄って流れてノズル出口に到達する。したがって、燃料ノズルの外側隔壁の内周に濃縮された燃料噴流が生じる。
【0040】
そこで、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズルの出口が分配器と重なる位置にある場合、燃料噴流に対して略垂直方向に追加空気ノズルから空気を噴出し、分配器の追加空気側流路である燃料ノズルの外側隔壁の内周に沿って酸素濃度を高くすると、燃料ノズルの外側隔壁の内周に沿って、燃料濃度が高く、かつ、酸素濃度が高い領域を形成できる。その結果、燃料ノズルから噴出後、高い酸素濃度により燃焼反応が進み、燃料ノズル出口に火炎を安定に形成できる。
【0041】
燃料ノズルの外側隔壁の内周に沿って流れる燃料粒子は、燃料ノズル出口付近で燃料ノズル外側の空気ノズルから噴出する空気と混合する。また、後述の保炎器の後流側にできる循環流の高温ガスと接触して着火しやすくなる。
【0042】
このように、燃料ノズルの外側隔壁の内周に追加空気ノズルを設け、バーナ中心軸に向かい追加空気を噴出させ、燃料ノズル内に設けた分配器により分割される流路のうち、外側流路を流れる燃料と搬送気体との混合流体の酸素濃度を高める方法がある。
【0043】
一方、燃料ノズルの内側隔壁の外周に追加空気ノズルを設け、バーナ中心軸に対し外向きに追加空気を噴出し、燃料ノズル内に設けた分配器により分割される流路のうち、内側流路を流れる燃料と搬送気体との混合流体の酸素濃度を高める方法の場合も、上記と同様の作用となる。
【0044】
燃料ノズルと空気ノズルとの隔壁先端部に、燃料ノズルから噴出する固体燃料混合物や空気の流れに対する障害物(保炎器)を設けることが望ましい。保炎器の下流側では、圧力が低下し、下流から上流に向かう循環流が形成される。循環流内には、燃料ノズルや空気ノズルから噴出する燃料,燃料搬送気体,空気と、下流からの高温ガスとが滞留する。その結果、循環流内が高温となり、燃料噴流の着火源として作用する。したがって、火炎は、燃料ノズル出口部分から安定に形成される。
【0045】
燃料ノズル出口に燃料噴流に対し障害となる向きに歯付き(toothed)保炎器を設けると、保炎器により燃料噴流の乱れが増加して空気と混合し、燃焼反応が進み、燃料の着火が促進される。
【0046】
本発明の固体燃料バーナは、燃焼負荷に応じて、追加空気ノズルから噴出する空気量を変えることもできる。
【0047】
燃焼負荷が低い場合は、追加空気ノズルから噴出する空気量を増やす。この場合は、追加空気ノズルから噴出する空気により、分配器で隔てられた燃料ノズル流路のうち、追加空気ノズルが設置された流路では、酸素濃度が高まる。その結果、燃料の燃焼反応が促進され、燃料の着火が早まり、燃料ノズル近くから火炎を形成できる。
【0048】
燃焼負荷が高い場合は、追加空気ノズルから噴出する空気量を減らす。この場合は、搬送気体の酸素濃度が低いので、燃料の燃焼反応が進まず、燃料の着火が遅れ、燃料ノズルから離れた位置に火炎を形成できる。
【0049】
固体燃料バーナやその外側の火炉壁の温度が高すぎると、燃焼灰が固体燃料バーナ構造物や火炉壁に付着し、付着物が成長するスラッキングと呼ばれる現象が現れる。
【0050】
本発明により火炎が固体燃料バーナから離れると、固体燃料バーナやその外側の火炉壁の温度が低下し、スラッキングを抑制できる。
【0051】
固体燃料バーナやその周囲の火炉壁に設けた温度計,放射温度計,火炎検知器などからの信号に基づき、追加空気ノズルから噴出する空気量を変更すると、固体燃料バーナの火炎の形成位置を制御できる。
【0052】
これまでは、固体燃料の燃焼灰の融点が低く、スラッキングが生じやすい場合の対策を述べた。固体燃料の燃焼灰の融点が高い場合、または、火炉の熱負荷が低くスラッキングが問題にならない場合は、燃料ノズル出口から固体燃料バーナの火炎を形成してもよい。
【0053】
一方、燃焼負荷が低い場合は、固体燃料バーナの燃料ノズルおよび追加空気ノズルからそれぞれ供給される空気量の合計と燃料中の揮発分を完全燃焼させるのに必要な空気量との比、すなわち、揮発分に対する空気比を0.85〜0.95となるように空気量を調整することが望ましい。
【0054】
燃焼負荷が低い場合は、安定燃焼が難しい。そこで、揮発分に対する空気比を0.85〜0.95とすると、火炎温度が高くなり、安定燃焼を維持しやすくなる。空気量を変えると、火炉内での火炎の形成位置を変えて、固体燃料バーナや火炉壁への火炎からの放射(輻射)熱量を調整できる。
【0055】
高負荷条件においては、火炉内の熱負荷が高いので、火炎を固体燃料バーナから離れた位置に形成させることが望ましい。
【0056】
本発明の固体燃料バーナの燃焼方法によると、燃焼装置の高負荷条件においては、固体燃焼バーナから離れた位置で燃料が着火し、火炎は、火炉中央部分に形成される。高負荷条件で火炎を監視するには、固体燃料バーナの火炎が集まる火炉の中央部分の火炎を監視することが望ましい。
【0057】
低負荷条件においては、火炉内の熱負荷が低いので、火炎を固体燃料バーナに近づけても、固体燃料バーナやその周囲の火炉壁の温度は、高負荷条件の場合よりも低く、スラッキングは、生じにくい。
【0058】
燃焼装置の低負荷条件においては、固体燃料バーナ近くで燃料が着火して火炎を形成する。このとき、個別の固体燃料バーナ毎に火炎が形成され、火炉内で火炎がそれぞれ分かれて形成される場合もある。また、火炉内の温度が高負荷条件の場合と比べて低いので、燃料の燃えきりにかかる時間が長くなる。したがって、固体燃料バーナから火炎が離れると、燃料が火炉出口に到達する前に燃え切ることができず、燃焼効率の低下や未燃焼分の増大の恐れがある。そこで、低負荷条件においては、個別の固体燃料バーナ出口に形成される個々の火炎を監視することが望ましい。
【0059】
本発明の固体燃料バーナでは、燃料ノズルの外側に空気ノズル(外側空気ノズル)を設け、外側空気ノズルの出口に空気の噴出方向を決めるガイドを設け、外側空気をバーナ中心軸から広げて噴出させることができる。このような構造の場合、燃料は、外側空気に沿って広がるので、燃料ノズルから噴出後の燃料の速度が下がり、固体燃料バーナ近くでの滞留時間が増える。その結果、火炉内での燃料の滞留時間が増えて、燃焼効率が上がり、未燃焼分の排出が減る。
【0060】
また、最外側空気ノズルからの噴流を誘導するガイドを調節し、外側空気噴流が固体燃料バーナやその外側の火炉壁に沿うような角度とすると、外側空気は、固体燃料バーナやその外側の火炉壁を冷却でき、スラッキングを抑制できる。
【0061】
本発明の固体燃料バーナを複数本火炉壁面に設けた燃焼装置としては、石炭焚きボイラ,ピート焚きボイラ,バイオマス(木材)焚きボイラなどがある。
【0062】
本発明の固体燃料バーナまたは固体燃料バーナの外側の火炉壁面に温度計または放射温度計を設置し、これらの計測器の信号に基づき、固体燃料バーナの追加空気ノズルから噴出する空気量を変えるように燃焼装置を運用すると、燃焼負荷変化に応じて火炎が適正な位置に形成されるように制御できる。
【0063】
火炎が適正な位置に形成されているかどうかの目安は、例えば次のように決める。燃焼装置が低負荷の場合には、火炉内の火炎の先端が燃料ノズル出口外側の火炉壁面付近から形成され、燃焼装置が高負荷の場合には、燃料ノズル出口から0.5m以上離れた火炉内で火炎が形成されるように燃焼装置を運用する。
【0064】
燃焼装置を高負荷で運用する場合は、本発明の固体燃料バーナの火炎が集まる火炉内の中央部分またはその近傍の火炎を火炎検出器または目視で監視し、燃焼装置を低負荷で運用する場合は、本発明の固体燃料バーナ出口に形成される個々の火炎を監視して燃焼装置を適正に運用する。
【0065】
【発明の実施の形態】
次に、図1ないし図11を参照して、本発明による固体燃料バーナ,固体燃料バーナの燃焼方法,固体燃料バーナを備えた燃焼装置,燃焼装置の運用方法の実施形態を説明する。
【0066】
【実施形態1】
図1は、本発明による固体燃料バーナの実施形態1の構造を示す断面図であり、実施形態1の固体燃料バーナを低負荷条件で使用する場合に、固体燃料バーナの火炎20を保炎器23の下流側の循環流19近くから形成させた状態を示す図である。図2は、実施形態1の固体燃料バーナを火炉41の内側から見た概略構造を示す図である。
【0067】
本実施形態1の固体燃料バーナは、中心部に助燃用のオイルガン24を備え、助燃用のオイルガン24の周囲に燃料とその搬送気体との混合流体を噴出する燃料ノズル11を備えている。ノズル出口が燃料ノズル11の外側隔壁22から固体燃料バーナ中心軸に向かう方向に複数本の追加空気ノズル12を配置してある。
【0068】
燃料ノズル11の中心部を貫通して設けられた助燃用のオイルガン24は、固体燃料バーナの起動時に燃料着火用に使用する。
【0069】
燃料ノズル11内には、上流側から流路縮小部材(ベンチュリ)32,障害物(濃縮器)33,分配器35を設置してある。また、追加空気ノズル12は、燃料ノズル11の外側隔壁22に噴出する空気が燃料ノズル11を流れる混合流体と略垂直となる向きに設けられる。したがって、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズル12の出口は、分配器35と重なる位置にある。
【0070】
燃料ノズル11の外側には、燃料ノズル11と同心円状の空気噴出用の外側空気ノズル(二次空気ノズル13,三次空気ノズル14など)がある。
【0071】
燃料ノズル11外側の先端部すなわち火炉出口側には、保炎器23と呼ばれる障害物が設けられている。保炎器23は、燃料ノズル11から噴出する燃料とその搬送気体とからなる燃料噴流16や二次空気ノズル13を流れる二次空気の流れ17に対して、障害物として働く。したがって、保炎器23の下流側(火炉41側)の圧力が低下し、この部分には、燃料噴流16や二次空気の流れ17とは、逆方向の流れが誘起される。この逆方向の流れを循環流19と呼ぶ。
【0072】
循環流19内には、下流から燃料の燃焼で生じた高温ガスが流れ込み、滞留する。この高温ガスと燃料噴流16中の燃料とが、固体燃料バーナ出口で混合し、さらに火炉41内からの輻射熱により燃料粒子の温度が上昇して、着火する。
【0073】
二次空気ノズル13と三次空気ノズル14とは、隔壁29で隔てられ、隔壁29の先端部分は、燃料噴流16に対して三次空気の流れ18が角度を持つように噴出させるガイド25を形成してある。外周空気ノズル(二次空気ノズル13,三次空気ノズル14など)の流路出口に空気の噴出方向をバーナ中心軸から離れる方向に誘導するガイド25を設けると、保炎器23とともに、循環流19を形成するのに役立つ。
【0074】
二次空気ノズル13および三次空気ノズル14から噴出する空気に旋回力を与えるために、二次空気ノズル13,三次空気ノズル14に、旋回器27,28を設ける。
【0075】
火炉壁を構成するバーナスロート30は、三次空気ノズルの外周壁を兼ねる。火炉壁には、水管31が設けられている。
【0076】
本実施形態1では、燃料の搬送気体に燃焼排ガスを利用し、燃料ノズル11を流れる燃料噴流16中の酸素濃度を低くする。このような燃焼方法を適用する事例として、褐炭や亜炭に代表される石炭化度の低い石炭,ピート,木材の燃焼がある。
【0077】
これらの燃料は、瀝青炭や無煙炭などの石炭化度の高い石炭と比べて、発熱量が低く、一般に粉砕性が悪い。また、燃焼灰の溶融温度が低い。さらに、揮発分が多いので、空気雰囲気では、貯蔵,粉砕,搬送過程において自然発火しやすく、瀝青炭などと比べて、扱いにくい。自然発火を防止するために、褐炭や亜炭などを微粉砕して燃焼させる場合は、燃料の搬送気体として、燃焼排ガスと空気との混合気体が使われる。燃焼排ガスは、酸素濃度を低下させ、燃料の酸化反応(燃焼)を抑制し、自然発火を防ぐ。また、燃焼排ガスの保有熱を燃料中の水分の乾燥に利用できる。
【0078】
低酸素濃度の搬送気体で搬送された燃料は、固体燃料バーナから噴出する際の酸化反応が、燃料周囲の酸素濃度により制限される。このため、空気で搬送した場合と比べて、燃焼速度が低い。通常、燃料は、空気ノズルから噴出した空気と混合後に酸化反応が活発となるので、燃焼は、空気との混合速度で制限される。したがって、燃料の燃焼量の少ない固体燃料バーナの低負荷条件で、褐炭や亜炭などの燃料を燃焼させると、瀝青炭の燃焼の場合よりも火炎20の吹き飛びや失火が生じやすい。また、燃料の燃え切り時間は、空気で搬送する場合と比べて長くなり、火炉41の出口における未燃焼分が増える。さらに、緩慢に燃焼するから、火炎温度は低い。その結果、約1000℃以上の高温還元雰囲気で窒素酸化物NOxの窒素への還元反応を利用しにくいため、火炉出口におけるNOxは、燃料を空気搬送する場合と比べて高い。
【0079】
本実施形態1では、燃料ノズル11内に燃料噴流に対して略垂直に空気を噴出する追加空気ノズル12を備えている。追加空気ノズル12から噴出する追加空気噴流21を燃料噴流に対し略直角に噴出させると、燃料粒子と空気との速度差が、平行に噴出する場合よりも大きくなり、混合が進む。特に、燃料粒子は、気体と比べて密度が高いので、慣性力により追加空気噴流中に混合する。
【0080】
さらに、本実施形態1では、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズル12の出口が、分配器35と重なる位置にある。このため、追加空気噴流21は、分配器35により噴出方向を妨げられ、分配器35の内側流路36には、広がらず、外側流路37を流れる。
【0081】
分配器35の外側流路37は、追加空気噴流21が混合するので、内側流路36と比べて、流動抵抗が大きい。追加空気量を増やすと、分配器35の外側流路37を流れる搬送気体が減る。一方、燃料粒子は、慣性力が気体と比べて大きいことから、流動抵抗に関わらず外側流路37に流入するため、燃料粒子量は、ほとんど変わらない。
【0082】
したがって、追加空気量を増やすと、燃料粒子とともに外側流路37に入る搬送気体が減る。搬送気体が、追加空気に置き換わるので、搬送気体と追加空気とが単純に混合する場合と比べて、酸素濃度の希釈が少なく、酸素濃度が高くなる。また、分配器35は、追加空気と搬送気体との混合時に発生する乱れにより燃料粒子が分散することを抑制できる。このため、分配器35の外側流路37側は、酸素濃度が高く、かつ、燃料濃度が高くなる。
【0083】
本実施形態1によれば、燃料ノズル11から噴出後、高い酸素濃度と燃料濃度とにより燃焼反応が進みやすく、燃料ノズル出口で火炎20が安定に形成される。
【0084】
追加空気ノズル12の出口から燃料ノズル11の出口までの距離は、燃料ノズル11内での燃料の着火による燃料ノズル11の焼損や逆火を防ぐために、燃料ノズル11内での追加空気の流れ21との混合後の燃料の滞留時間が、燃料の着火遅れ時間よりも短くすることが望ましい。通常は、微粉炭などよりも着火遅れ時間の短いガス燃料の着火遅れ時間(約0.1秒)を目安にする。燃料搬送気体は、流速12〜20m/sで燃料ノズル内を流れるので、追加空気ノズル12の出口から燃料ノズル11の出口までの距離は、1m以下となる。
【0085】
さらに、本実施形態1では、燃料ノズル11内に設けられた流路を縮小する流路縮小部材(ベンチュリ)32が、燃料ノズル11の上流側の外側隔壁22に設けられている。燃料ノズル11内に流路を一旦縮小した後に拡大するための障害物(濃縮器)33が、燃料ノズル中心部のオイルガン24の外側部に設けられている。障害物33は、流路縮小部材32よりもバーナ下流側(火炉41側)に設けられている。
【0086】
ベンチュリ32は、燃料搬送気体および燃料粒子に燃料ノズル中心方向の速度成分を誘起させる。さらに、濃縮器33をベンチュリ32よりも下流側に設けると、燃料搬送気体と燃料粒子は、燃料ノズルの外側隔壁22方向への速度成分を誘起される。燃料粒子は、燃料搬送気体と比べて、慣性力が大きいので、燃料搬送気体の流れに追随できない。このため、燃料粒子は、流路の変更方向と反対側壁面近くに高濃度の領域を形成する。ベンチュリ32と濃縮器33とにより燃料ノズルの外側隔壁22方向への速度成分を誘起されることで、分配器34の外側流路37の燃料が、燃料ノズル11の外側隔壁22に沿って流れる。
【0087】
追加空気ノズル12から噴出する空気は、分配器35の外側流路37に噴出するので、燃料濃度が高く、かつ、酸素濃度の高い領域が、燃料ノズル11の外側隔壁22の内側壁面に片寄って形成される。その結果、燃料ノズル11から噴出した燃料粒子は、高い燃料濃度と酸素濃度とにより燃焼反応が進みやすく、火炎20が燃料ノズル出口に安定に形成される。
【0088】
このとき、燃料ノズル11の外側隔壁22の内側壁面を流れる燃料噴流は、燃料ノズル11の出口付近で外側空気ノズルから噴出する空気と混合しやすい。さらに、保炎器23の後流側にできる循環流の高温ガスと混合すると、燃料粒子の温度が上がり、着火しやすくなる。その結果、火炎20が、燃料ノズル出口に安定に形成される。
【0089】
このように、追加空気ノズル12から燃料ノズル11内を流れる燃料噴流に対して、略垂直に空気を噴出させ、かつ、燃料ノズル11内に分配器35を設け、バーナ軸に対して垂直方向から見たときに追加空気ノズル12の出口が、分配器35と重なる位置にあるように設置すると、燃料ノズル11の外側隔壁22近傍の酸素濃度が高くなる。燃料粒子と空気との混合が進み、火炎20が、燃料ノズル11の出口に安定に形成される。したがって、従来よりも低い負荷で安定に燃焼を継続できる。
【0090】
図1では、燃料ノズル11中の障害物33の直径よりも、分配器35の上流側先端における直径の方が小さい。すなわち、障害物33により縮小された流路断面積よりも、分配器35により分割される燃料ノズル流路のうち、分配器35の上流側先端部における外側流路37の流路断面積の方が大きい。このような燃料ノズル構造とすると、燃料ノズル11の上流側から燃料の噴出方向を見た場合、分配器35の上流側先端部分が障害物33に隠れる。このため、燃料粒子は、慣性力により分配器35の外側流路37に入りやすくなる。
【0091】
分配器35の上流側先端に衝突し、流れを乱す燃料粒子が減るため、燃料ノズル11の外周側流路の燃料濃度が高くなる。また、分配器35の磨耗を抑制できる。
【0092】
高い熱負荷で褐炭や亜炭を燃焼させる場合、空気と燃料との混合が良い条件においては、燃料に含まれる揮発分が多いので、固体燃料バーナの近くで燃える燃料量が多くなり、熱負荷が局所的に高くなる。このとき、火炎20からの輻射熱により、バーナ構造物や火炉壁が高温となる。
【0093】
燃焼灰の溶融温度が低い場合、燃焼灰が付着して溶融し、スラッキングが生じる恐れがある。スラッキングにより付着した燃焼灰が成長すると、固体燃料バーナの流路の閉塞や、火炉壁の熱吸収バランスの不安定化を招く恐れがある。最悪の場合、燃焼装置を停止させる必要が生じる場合がある。特に、褐炭や亜炭は、燃焼灰の溶融温度が瀝青炭と比べて低いので、スラッキングが生じやすい。
【0094】
本実施形態1では、固体燃料バーナの負荷に応じて火炎20の形成位置を変え、高負荷で生じやすいスラッキングによる不具合を解決する。すなわち、高負荷条件においては、固体燃料バーナから離れた位置に火炎20を形成させ、低負荷条件においては、燃料ノズル11の出口近くから火炎20を形成させる。低負荷条件においては、火炎20を火炉壁や固体燃料バーナに近づけても、固体燃料バーナから投入される燃料量が定格負荷と比べて、十分に低いので、火炉41内の熱負荷が低く、固体燃料バーナやその周囲の火炉壁の温度は、高負荷条件の場合よりも低くなる。したがって、スラッキングが生じない。
【0095】
本実施形態1では、低負荷条件においては、火炎20を燃料ノズル11の出口近くから形成させ、保炎器23およびガイド25の下流側に形成される循環流19に高温ガスを滞留させる。さらに、追加空気ノズル12の流量調節弁34を開けて空気を供給し、保炎器23近くの燃料噴流16中の酸素濃度を高める。その結果、酸素濃度が低い場合と比べて、燃焼速度が早くなるので、燃料粒子の着火が早まり、燃料ノズル11近くから火炎20を形成できる。
【0096】
高負荷条件においては、固体燃料バーナから離れた位置に火炎20を形成させ、固体燃料バーナ近くの熱負荷を低減させる。本実施形態1では、追加空気ノズル12の流量調節弁34を閉めて低負荷条件の場合と比べて、空気供給量を低減させる。このとき、保炎器23近くでの燃料噴流16中の酸素濃度は、低負荷条件のときよりも低くなり、燃焼速度も遅くなる。その結果、保炎器23の下流側にできる循環流19の温度が低くなり、固体燃料バーナ構造物が受ける輻射熱量を低減し、スラッキングを抑制できる。
【0097】
図3は、実施形態1の固体燃料バーナを高負荷条件で使用する場合に、固体燃料バーナの火炎20を保炎器23の下流側の循環流19から離して形成させた状態を示す図である。
【0098】
図4は、実施形態1の固体燃料バーナ42を用いた火炉の構造を示す水平断面図である。固体燃料バーナ42を図3に示すように高負荷条件で使用する場合、失火の危険を低減するため、火炎20は、火炎20同士を火炉41内で混合し、安定燃焼させることが望ましい。
【0099】
図4では、固体燃料バーナ42が、火炉壁の四隅に設置される構造を示している。固体燃料バーナ42が、燃焼装置の対向する面に設置される対向燃焼方式の場合も同じである。
【0100】
本実施形態1では、固体燃料の燃焼灰の融点が低く、スラッキングを生じやすい場合の対策を述べた。固体燃料の燃焼灰の融点が高い、または、火炉の熱負荷が低くスラッキングが問題にならない場合は、図1に示すように、燃料ノズル出口から固体燃料バーナの火炎を形成してもよい。
【0101】
燃焼により発生する窒素酸化物NOxを低減するには、燃料ノズル11および追加空気ノズル12から供給される空気量の合計と燃料中の揮発分を完全燃焼させるのに必要な空気量との比、すなわち、揮発分に対する空気比を0.85〜0.95となるように、空気量を調整することが望ましい。
【0102】
燃料の大部分は、燃料ノズル11内に含まれる上記ノズルから供給される空気と混合して燃焼し(第一段階)、その後、二次空気の流れ17や三次空気の流れ18が混合して燃焼する(第二段階)。さらに、固体燃料バーナよりも下流側の火炉41内に空気を供給するアフタエアポート49(図9参照)が設置されている場合、燃料は、このアフタエアポート49から供給される空気と混合し、完全燃焼する(第三段階)。燃料中の揮発分は、固定炭素と比べて、燃焼速度が速いので、上記第一段階で燃焼する。
【0103】
揮発分に対する空気比を0.85〜0.95とすると、酸素不足であるが、燃料の燃焼は、促進され、高い火炎温度で燃焼できる。第一段階での燃焼で、燃料は、酸素が不足する還元燃焼となり、燃料中の窒素や空気中の窒素から生じる窒素酸化物NOxを無害な窒素に転換し、火炉41から排出されるNOx量を低減できる。燃料は、高温で反応するから、第二段階の反応が促進され、未燃焼分を低減できる。
【0104】
本実施形態1の固体燃料バーナは、火炉41内から見た図2に示すように、円柱状の燃料ノズル11,二次空気ノズル13,三次空気ノズル14が、同心円状に配置された円形状である。
【0105】
図5は、固体燃料バーナのノズル部の別な例を示す図である。燃料ノズル11が角型の場合や、濃縮器33が角型の場合、または、二次空気ノズル13,三次空気ノズル14などの外側空気ノズルの少なくとも一部が、燃料ノズル11を挟むように設置された空気ノズル構造としてもよい。外側空気を1つのノズルから供給する場合や、三つ以上に分割したノズル構造としてもよい。
【0106】
図6は、本発明による固体燃料バーナの更に別な例を示す断面図である。本例では、固体燃料バーナの燃料ノズル11内に内側空気ノズル38を設け、風箱26と配管で接続されている。固体燃料バーナに供給される空気の一部を内側空気ノズル38から噴出する。
【0107】
空気を燃料ノズル内から混合すると、外側空気ノズル13,14のみから混合する場合に比べて、燃料と空気との混合が早まる。また、内側空気ノズル38から多量の空気を噴出すると、側を流れる燃料噴流16の流速が早まり、燃料の着火位置を固体燃料バーナから離すことができる。このため、高負荷条件において固体燃料バーナから離れた位置に火炎を形成する場合、追加空気ノズル12から噴出する空気流量を減らし、内側空気ノズル38から噴出する空気流量を増やすことで対応できる。
【0108】
また、図6に示す固体燃料バーナの分配器35は、上流側がテーパ状になっている。テーパ状にすると、分配器35で隔てられた内側流路36と外側流路37とを流れる燃料噴流16の割合を変えられる。
【0109】
図6に示す固体燃料バーナの場合、分配器35の外側流路37では、流路断面積がテーパ形状により広がるため、流速が低下し、追加空気ノズル12から噴出した追加空気21が、分配器35に到達しやすくなる。また、燃料ノズル11出口外周部での燃料とその搬送気体との流れ16の流速が下がるので、燃料粒子が固体燃料バーナ近くで着火しやすくなる。このため、火炎20を固体燃料バーナの近くから形成しやすくなる。
【0110】
図7は、別な構造の保炎器を採用した固体燃料バーナを火炉側から見た概略構造を示す図である。本実施形態では、図7に示すように、燃料ノズル11の出口に板形状のエッジを突き出した歯付き(toothed)保炎器54を設けてもよい。燃料は、歯付き(toothed)保炎器54を回りこんで着火しやすくなる。すなわち、歯付き(toothed)保炎器54の下流側で着火する。
【0111】
【実施形態2】
図8は、濃縮器を持たない固体燃料バーナの実施形態2の構造を示す断面図であり、低負荷条件にある固体燃料バーナから噴出される燃料が燃焼装置で燃焼している状態を示す図である。実施形態1では、燃料ノズル11内に濃縮器33を設けた。これに対して、本実施形態2のように、濃縮器33を持たない場合でも、燃料ノズル11内を流れる燃料噴流に略垂直に追加空気ノズルから空気を噴出すると、燃料粒子と空気との速度差が、平行に噴出する場合よりも大きくなり、実施形態1と同様に、燃料粒子と空気との混合が進む。
【0112】
さらに、追加空気ノズル12と分配器35とが、燃料ノズル11から噴出する混合流体の噴出方向の垂直方向に重なる位置に配置されている。したがって、追加空気噴流21は、分配器35により噴出方向を妨げられ、分配器34の内側流路36には広がらず、外側流路37を流れる。
【0113】
分配器35の外側流路37は、追加空気噴流21が混合するので、内側流路36と比べて、流動抵抗が大きい。追加空気量を増やすと、分配器35の外側流路37を流れる搬送気体が減る。一方、燃料粒子は、慣性力が気体と比べて大きいから、流動抵抗に関わらず外側流路37に流入するため、燃料粒子量は、ほとんど変わらない。
【0114】
したがって、追加空気量を増やすと、燃料粒子とともに外側流路37に入る搬送気体が減り、搬送気体が追加空気に置き換わり、追加空気が搬送気体に平行に流れる場合と比べて、酸素濃度の搬送気体による希釈が少なく、酸素濃度が高くなる。また、分配器35は、追加空気と搬送気体との混合時に発生する乱れにより燃料粒子が分散することを抑制できる。その結果、実施形態1と同様に、追加空気が搬送気体に平行に流れる場合と比べて、分配器35の外側流路37側は、酸素濃度が高く、かつ、搬送気体が内側流路36を多く流れるので、外側流路37は、搬送気体に対する燃料濃度が高くなる。
【0115】
【実施形態3】
図9は、本発明による固体燃料バーナの実施形態3の構造を示す断面図であり、低負荷条件にある固体燃料バーナから噴出される燃料が燃焼装置で燃焼している状態を示す図である。本実施形態3と実施形態1との主な違いは、燃料ノズル11が角型であり、燃料ノズル11の隣に空気ノズル13を有する点である。
【0116】
燃料ノズル11内は、上流側から障害物(濃縮器)33と分配器35とで構成され、障害物33は、燃料ノズル11の空気ノズル13とは、反対側の隔壁に位置する。追加空気ノズル12は、燃料ノズル11の外側隔壁22に噴出する空気が、燃料ノズル11を流れる混合流体と略垂直となる向きに設けられる。このとき、追加空気ノズル12の出口は、バーナ軸に対して分配器35と重なる位置にある。
【0117】
燃料ノズル11と空気ノズル13とを隔てる隔壁22の先端部すなわち火炉出口側には、保炎器23と呼ばれる障害物が設けられている。保炎器23は、燃料ノズル11から噴出する燃料とその搬送気体とからなる燃料噴流16や空気ノズル13を流れる空気の流れ17に対して障害物として働く。したがって、保炎器23の下流側(火炉41側)の圧力が低下し、この部分には、燃料噴流16や空気の流れ17とは、逆方向の流れが誘起される。この逆方向の流れを循環流19と呼ぶ。
【0118】
火炎20は、空気ノズル13から噴出する空気と燃料粒子が、混合しやすい燃料ノズル11と空気ノズル12を隔てる隔壁22の下流から形成しやすい。この隔壁22の下流に保炎器23を設けることで、火炉41内から高温の燃焼ガスが、循環流19に滞留する。この高温ガスと燃料噴流16中の燃料とが、固体燃料バーナ出口で混合し、さらに火炉41内からの輻射熱により燃料粒子の温度が上昇して、着火する。
【0119】
保炎器23の空気ノズル13側は、空気の流れ17が、燃料噴流16に対して角度を持つように噴出させるガイド25を形成してある。ガイド25を設けると、空気の噴出方向をバーナ中心軸から離れる方向に誘導されるので、保炎器23の下流側の圧力が低下し、循環流19を形成するのに役立つ。
【0120】
本実施形態3では、燃料ノズル11内に燃料噴流に対して略垂直に空気を噴出する追加空気ノズル12を備えている。追加空気ノズル12から噴出する追加空気噴流21を燃料噴流に対し略直角に噴出させると、燃料粒子と空気との速度差が、平行に噴出する場合よりも大きくなり、混合が進む。特に、燃料粒子は、気体に比べ、密度が大きいため、慣性力により追加空気噴流中に混合する。
【0121】
さらに、本実施形態3では、追加空気ノズル12の出口が、バーナ軸に対して分配器35と重なる位置にある。追加空気噴流21は、分配器35により噴出方向を妨げられ、分配器35の空気ノズル側流路37を流れる。
【0122】
分配器35の空気ノズル側流路37は、追加空気噴流21が混合するので、反対側の流路36と比べて、流動抵抗が大きい。追加空気量を増やすと、空気ノズル側流路37を流れる搬送気体が減る。一方、燃料粒子は、慣性力が気体と比べて、大きいことから流動抵抗に関わらず外側流路37に流入するので、燃料粒子量は、ほとんど変わらない。
【0123】
したがって、追加空気量を増やすと、燃料粒子とともに空気ノズル側流路37に入る搬送気体が減る。搬送気体が追加空気に置き換わるので、搬送気体と追加空気とが単純に混合する場合と比べて、酸素濃度の希釈が少なく、酸素濃度が高くなる。また、分配器35は、追加空気と搬送気体との混合時に発生する乱れにより燃料粒子が分散することを抑制できる。その結果、分配器35の空気ノズル側流路37では、酸素濃度が高くなる。
【0124】
また、障害物(濃縮器)33により燃料搬送気体と燃料粒子とは、燃料ノズルの外側隔壁22方向への速度成分を誘起される。燃料粒子は、燃料搬送気体と比べて、慣性力が大きいため、燃料粒子は、分配器35の空気ノズル側流路37に沿って流れ、この領域の燃料濃度が高くなる。
【0125】
【実施形態4】
図10は、本発明の固体燃料バーナを用いた燃焼装置の概略図であり、図11は、図10の火炉の水平断面図である。
【0126】
本実施形態4では、燃焼装置(火炉)41の上下方向に二段、水平方向に火炉41の四隅から中央に向かって固体燃料バーナ42を設置してある。燃料は、燃料ホッパ43から給炭機44を通して粉砕機45に供給される。燃料は、粉砕機45で粉砕された後、燃料配管を通じてバーナ42に供給される。このとき、火炉41の上部から抜き出した燃焼排ガスの一部を給炭機44の下流側の燃焼排ガス配管55内で燃料と混合して粉砕機45に導入している。
【0127】
燃料を高温の燃焼ガスと混合すると、燃料中に含まれる水分が蒸発する。また、酸素濃度が低下するので、粉砕機45で粉砕の際に高温となっても、自然着火や爆発を抑制できる。褐炭の場合、搬送気体の酸素濃度は、6〜15%程度のことが多い。固体燃料バーナ42とその下流側に設けたアフタエアポート49には、ブロア46から空気を供給する。
【0128】
本実施形態4では、固体燃料バーナ42から燃料の完全燃焼に必要な空気量よりも少ない空気を投入し、アフタエアポート49から残りの空気を供給する二段燃焼方式を用いる。
【0129】
なお、本発明は、アフタエアポートを設けずに、固体燃料バーナ42から必要な空気をすべて投入する単段燃焼方式にも適用できる。
【0130】
本実施形態4では、粉砕機45と固体燃料バーナ42の間に一時的な燃料貯蔵部を持たない。
【0131】
【実施形態5】
図12は、本発明による固体燃料バーナを用いた燃焼装置の別の例の概略構造を示す図である。本発明は、図12に示すように、粉砕機45と固体燃料バーナ42との間に、燃料ホッパ57を持ち、粉砕機45から燃料ホッパ57までの配管55を流れる搬送気体と、燃料ホッパ57から固体燃料バーナ42までの燃料配管56を流れる搬送気体とを違う気体とする燃料供給方式にも適用できる。
【0132】
図12に示す燃料供給方式では、配管55内で燃料粒子の水分蒸発により熱容量の大きくなった搬送気体を燃料ホッパ部で分離し、火炉41の固体燃料バーナ42よりも下流側で火炉41内に投入している。
【0133】
このように搬送気体を分離すると、固体燃料バーナ42に供給される搬送気体に含まれる水分が減るので、固体燃料バーナ42で形成される火炎20の火炎温度が上がり、窒素酸化物や未燃焼分の量が低下する。
【0134】
高い燃焼負荷で固体燃料を燃焼させる場合、燃焼灰が固体燃料バーナ構造物や火炉壁に付着し、付着物が成長するスラッキングと呼ばれる現象が、現れることがある。スラッキングの可能性が高い場合、燃焼負荷により固体燃料バーナ42の燃焼方式を変更すると、スラッキングを抑制できる。
【0135】
すなわち、高負荷条件においては、固体燃料バーナ42から離れた位置に火炎20を形成させると、固体燃料バーナ42近くの熱負荷を低減させる。また、低負荷条件においては、燃料ノズル11出口から火炎20を形成する。このような燃焼方式において、燃焼装置を安全に運用するには、火炎の監視が必要となる。
【0136】
本発明では、燃焼方式が負荷に伴って変わるので、監視方式も変更する方が望ましい。すなわち、低負荷条件において、固体燃料バーナ42毎に形成される火炎を監視するには、火炎検知器47を個々の固体燃料バーナ42に設置する必要がある。一方、高負荷条件において、固体燃料バーナ42から離した位置に火炎を形成するには、火炉中心部を監視する火炎検知器48を設置する必要がある。それぞれの負荷と燃焼方法とに応じて、火炎検知器47,48の信号を選択し、火炎を監視する。
【0137】
さらに、高負荷条件における固体燃料バーナ構造物および火炉41壁へのスラッキングを低減するために、図示していない温度計や輻射量測定器を火炉41壁面や固体燃料バーナ42に設置し、その信号に基づいて追加空気流量を調整することも可能である。
【0138】
【発明の効果】
本発明によれば、褐炭や亜炭などの石炭化度の低い石炭など燃焼性が比較的劣る固体燃料であっても、追加空気ノズル出口から燃料ノズル出口までの距離を変えずに、高負荷条件から低負荷条件まで、広範囲にわたって、燃料ノズル内での燃料粒子と空気との混合を促進し安定燃焼させしかも燃焼灰に起因するスラッキングを防止する手段を備えた固体燃料バーナが得られる。
【0139】
また、燃料粒子と空気との混合を促進し安定燃焼させしかも燃焼灰に起因するスラッキングを防止する手段を備えた固体燃料バーナの燃焼方法,固体燃料バーナを備えた燃焼装置,燃焼装置の運用方法,石炭焚きボイラが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体燃料バーナの実施形態1の構造を示す断面図であり、実施形態1の固体燃料バーナを低負荷条件で使用する場合に、固体燃料バーナの火炎を保炎器の下流側の循環流近くから形成させた状態を示す図である。
【図2】実施形態1の固体燃料バーナを火炉の内側から見た概略構造を示す図である。
【図3】実施形態1の固体燃料バーナを高負荷条件で使用する場合に、固体燃料バーナの火炎を保炎器の下流側の循環流から離して形成させた状態を示す図である。
【図4】実施形態1の固体燃料バーナを用いた火炉の構造を示す水平断面図である。
【図5】図1に示す固体燃料バーナの別な例を示す図である。
【図6】本発明による固体燃料バーナの更に別な例を示す断面図である。
【図7】別な構造の保炎器を採用した固体燃料バーナを火炉側から見た概略構造を示す図である。
【図8】濃縮器を持たない固体燃料バーナの実施形態2の構造を示す断面図であり、低負荷条件にある固体燃料バーナから噴出される燃料が燃焼装置で燃焼している状態を示す図である。
【図9】本発明による固体燃料バーナの実施形態3の構造を示す断面図であり、低負荷条件にある固体燃料バーナから噴出される燃料が燃焼装置で燃焼している状態を示す図である。
【図10】本発明による固体燃料バーナを用いた燃焼装置の概略構造を示す図である。
【図11】図10の燃焼装置の水平断面図である。
【図12】本発明による固体燃料バーナを用いた燃焼装置の別の例の概略構造を示す図である。
【符号の説明】
11 燃料ノズル
12 追加空気ノズル
13 外側空気ノズル(二次空気ノズル)
14 外側空気ノズル(三次空気ノズル)
16 燃料とその搬送気体の流れ(燃料噴流)
17 二次空気の流れ
18 三次空気の流れ
19 循環流
20 火炎の輪郭
21 追加空気の流れ
22 燃料ノズルの外側隔壁
23 障害物(保炎器)
24 オイルガン
25 ガイド
26 風箱
27 旋回器
28 旋回器
29 隔壁
30 バーナスロート
31 水管
32 流路縮小部材(ベンチュリ)
33 障害物(濃縮器)
34 流量調節弁
35 分配器
36 分配器で隔てられた内側流路
37 分配器で隔てられた外側流路
38 内側空気ノズル
41 火炉
42 固体燃料バーナ
43 燃料ホッパ
44 給炭機
45 粉砕機
46 ブロア
47 低負荷火炎検知器
48 高負荷火炎検知器
49 アフタエアポート
54 歯付き(toothed)保炎器
55 燃焼排ガス配管
56 燃料配管
57 燃料ホッパ
58 燃料排ガス排出口
59 燃焼排ガス吸引口

Claims (17)

  1. 固体燃料とその搬送気体との混合流体を噴出する燃料ノズルと、
    前記燃料ノズルの外側に配置され空気を噴出する少なくとも1つの空気ノズルと、
    前記燃料ノズル内に前記混合流体の流れに対して略垂直に空気を噴出する追加空気ノズルと、
    前記燃料ノズル内に流路を分割する分配器とを有し、
    前記搬送気体が、空気よりも酸素濃度の低い気体であり、
    バーナ軸に対して垂直方向から見たときに前記追加空気ノズルの出口が、前記分配器と重なる位置にある
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  2. 請求項1に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記燃料ノズルの分配器の上流側に、バーナ上流側から順に前記燃料ノズル内の流路断面積を縮小させる部分と増加させる部分とからなる障害物を設けた
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  3. 請求項2に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記分配器により分割される燃料ノズル流路のうち前記分配器の上流側先端部において追加空気ノズルが設置されている側の流路断面積の方が、前記障害物により縮小された流路断面積よりも大きい
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記追加空気ノズルが、前記燃料ノズルの外側隔壁部に設置されている
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  5. 請求項4に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記分配器が、筒状またはテーパ状の薄板構造物で構成され、
    前記分配器の上流側に、前記燃料ノズルの外周側から流路を狭める流路縮小部材と、前記流路縮小部材の下流側に前記燃料ノズルの中心軸側から流路を狭める濃縮器とを有する
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記燃料ノズルと前記空気ノズルとを隔てる隔壁先端に、前記燃料ノズルから噴出する固体燃料とその搬送気体との流れおよび前記空気ノズルから噴出する空気の流れを妨げる障害物を設けた
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  7. 請求項6に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記障害物が、前記燃料ノズル出口の壁面に設けられた歯付き(toothed)保炎器である
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記空気ノズルに旋回器を設けた
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の固体燃料バーナにおいて、
    前記空気ノズル出口に空気の噴出方向を決めるガイドを設けた
    ことを特徴とする固体燃料バーナ。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の固体燃料バーナの燃焼方法において、
    燃焼負荷が低い場合は、前記追加空気ノズルから供給する空気量を増やし、
    燃焼負荷が高い場合は、前記追加空気ノズルから供給する空気量を減らす
    ことを特徴とする固体燃料バーナの燃焼方法。
  11. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の固体燃料バーナの燃焼方法において、
    燃焼負荷が低い場合は、前記追加空気ノズルから供給する空気量を増やし、
    前記空気ノズルから供給する空気流量を減らし、
    燃焼負荷が高い場合は、前記追加空気ノズルから供給する空気量を減らし、
    前記空気ノズルから供給する空気流量を増やす
    ことを特徴とする固体燃料バーナの燃焼方法。
  12. 請求項10または11に記載の固体燃料バーナの燃焼方法において、
    前記燃料ノズルの出口断面における燃料濃度および酸素濃度の平均値に対して、燃料濃度および酸素濃度がいずれも高い領域と、燃料濃度および酸素濃度がいずれも低い領域とを形成する
    ことを特徴とする固体燃料バーナの燃焼方法。
  13. 請求項10または11に記載の固体燃料バーナの燃焼方法において、
    前記燃料ノズルの出口断面における燃料濃度および酸素濃度の平均値に対して、燃料濃度および酸素濃度がいずれも高い外周領域と、燃料濃度および酸素濃度がいずれも低い中央領域とを形成する
    ことを特徴とする固体燃料バーナの燃焼方法。
  14. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の固体燃料バーナを複数本備えた火炉と、
    燃料ホッパと、
    給炭機と、
    前記給炭機の下流側の燃焼排ガス配管内で燃焼装置の上部から抜き出した燃焼排ガスと混合した燃料を導入する粉砕機と、
    前記粉砕機で粉砕された燃料を前記固体燃料バーナに供給する燃料配管と、
    前記固体燃料バーナに空気を供給するブロアとを備えた燃焼装置。
  15. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の固体燃料バーナを複数本備えた火炉と、
    燃料ホッパと、
    給炭機と、
    前記給炭機の下流側の燃焼排ガス配管内で燃焼装置の上部から抜き出した燃焼排ガスと混合した燃料を導入する粉砕機と、
    前記粉砕機で粉砕された燃料を前記固体燃料バーナに供給する燃料配管と、
    前記固体燃料バーナに空気を供給するブロアと、
    低負荷条件において前記固体燃料バーナ毎に形成される火炎を監視する低負荷火炎検知器または温度計または放射強度計と、
    高負荷条件においては前記固体燃料バーナから離れた位置に形成される火炎を監視する高負荷火炎検知器または温度計または放射強度計と、
    前記計測器からの信号に基づき前記追加空気ノズルから噴出する空気量を制御する制御手段とを備えた燃焼装置。
  16. 請求項14または15に記載の燃焼装置の運用方法において、
    前記燃焼装置を高い燃焼負荷で運用する場合は、固体燃料バーナから離れた位置から固体燃料の火炎を形成し、
    前記燃焼装置を低い燃焼負荷で運用する場合は、固体燃料バーナの燃料ノズル出口直後から固体燃料の火炎を形成する
    ことを特徴とする燃焼装置の運用方法。
  17. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載の固体燃料バーナを複数本壁面に備えた火炉と、
    前記火炉壁および火炉内に設置され前記火炉内での固体燃料の燃焼により生じた燃焼熱で水を加熱し蒸気を発生させる熱交換器とを備えたボイラプラント。
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