JP2023050754A - ガスバーナ、及び燃焼設備 - Google Patents

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Ryuichiro Tanaka
俊一 津村
Shunichi Tsumura
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Shinichi Sekiguchi
富明 上妻
Tomiaki Kamitsuma
豊 冠木
Yutaka Kamuragi
洋平 高嶋
Yohei Takashima
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    • F23CMETHODS OR APPARATUS FOR COMBUSTION USING FLUID FUEL OR SOLID FUEL SUSPENDED IN  A CARRIER GAS OR AIR 
    • F23C99/00Subject-matter not provided for in other groups of this subclass

Abstract

【課題】水素を含むガス燃料を用いる場合に燃焼状態を容易に制御することができる。【解決手段】水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナは、ガス燃料を噴出するノズルと、ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、ノズルの周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、正面視において、一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口であって、内側出口及び内側出口より一次空気出口から離れて位置する外側出口を含む二次空気出口を形成する少なくとも1つの二次空気流路部と、内側出口から流出する二次空気の流出量、及び外側出口から流出する二次空気の流出量のそれぞれを調節可能な流量調節装置と、を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナ、及び燃焼設備に関する。
ボイラのような燃焼設備には、燃料を燃焼するバーナが設置されており、好適な燃焼状態を実現するために保炎性を高める技術や窒素酸化物(NOx)の発生を抑制する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ノズルの中心軸線上に配置され、燃料ガスの流通方向の下流側に向かうにつれて拡幅するスプリット形状を有する保炎器を備える燃焼バーナが開示されている。
特開2011-149676号公報
ところで、幾つかの燃焼設備では、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目的として、化石燃料から脱却する取り組み(脱炭素)が進められている。この脱炭素の1つとして、バーナの燃料として水素を含むガス燃料が適用されることがある。水素は、従来からの燃料に含まれる成分(例えば、都市ガスに含まれるメタンやLPGに含まれるプロパン、特許文献1に記載の燃料ガスに含まれている微粉炭)とは大きく異なる特性を有する。しかしながら、特許文献1に記載の燃焼バーナは、水素の特性を考慮して、燃焼状態を制御する構成となっていない。つまり、ガスバーナが水素を含むガス燃料を用いる場合には、ガスバーナを改善する余地がある。
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、水素を含むガス燃料を用いる場合に燃焼状態を容易に制御することができるガスバーナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係るガスバーナは、
水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナであって、
前記ガス燃料を噴出するノズルと、
前記ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、前記ノズルの周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、
前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口であって、内側出口及び前記内側出口より前記一次空気出口から離れて位置する外側出口を含む二次空気出口を形成する少なくとも1つの二次空気流路部と、
前記内側出口から流出する前記二次空気の流出量、及び前記外側出口から流出する前記二次空気の流出量のそれぞれを調節可能な流量調節装置と、を備える。
本開示のガスバーナによれば、水素を含むガス燃料を用いる場合に燃焼状態を容易に制御することができる。
第1実施形態に係る燃焼設備の構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係る火炉の内部構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係るガスバーナを火炉内から視た図(正面図)である。 第1実施形態に係るガスバーナの構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係るガスバーナの二次空気の流路を示す図である。 幾つかの実施形態に係るガスバーナの二次空気の流路を示す図である。 第2実施形態に係るガスバーナの構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係る内側出口のレイアウトを説明するための図である。 第3実施形態に係るガスバーナの構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係る第1調節装置の構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係る第2調節装置の構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係る燃焼設備の自動化システムを示す系統図である。
以下、本開示の実施の形態によるガスバーナについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
<第1実施形態>
(燃焼設備の構成)
図1は、第1実施形態に係る燃焼設備1の構成を概略的に示す図である。図1に例示するように、燃焼設備1は、火炉2と、火炉2に設けられ、水素を含むガス燃料Fを火炉2内で燃焼するためのガスバーナ4と、を備える。燃焼設備1は、例えば、ボイラであって、ガスバーナ4から火炉2内に噴出されたガス燃料Fを火炎Xを発生させて燃焼させることで高温の排ガスGを生成し、この高温の排ガスGから熱を回収することで蒸気を生成する。尚、排ガスGの熱は、火炉2内に設けられる熱交換器によって回収されてもよいし、火炉2外に設けられる熱交換器によって回収されてもよい。
本開示において、「水素を含むガス燃料F」には、水素と水素以外の燃料を含むもの(混焼)と、水素のみ(専焼)とがあり、さらに、水素と水素以外の燃料を含むものでも、水素が主たる燃料(水素の体積割合が50%以上)、水素以外の燃料が主たる燃料(水素の体積割合が50%未満)に区分できる。「水素を含むガス燃料」とは、これらの場合をすべて含む。
火炉2の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る火炉2の内部構成を概略的に示す図であって、火炉2を鉛直方向から視た図である。第1実施形態では、火炉2は、鉛直方向に沿って長手方向を有する四角筒形状を有している。そして、図2に例示するように、火炉2にはガスバーナ4から噴出されたガス燃料Fを燃焼させるための燃焼空間6が形成されている。この火炉2の燃焼空間6は矩形状を有している。
火炉2は、火炉2の内周面7のうち燃焼空間6の矩形状の何れか1つの辺に対応する第1内周面7aを含む第1炉壁8と、燃焼空間6を挟んで第1炉壁8とは反対側に位置する第2炉壁10と、第1炉壁8の一端部16と第2炉壁10の一端部18とを接続する第3炉壁12と、第1炉壁8の他端部17と第2炉壁10の他端部19とを接続する第4炉壁14と、を含む。第3炉壁12は、燃焼空間6を挟んで第4炉壁14とは反対側に位置している。火炉2の燃焼空間6は、第1炉壁8、第2炉壁10、第3炉壁12、及び第4炉壁14によって囲われることで矩形状に形成されている。
第1実施形態では、図2に例示するように、火炉2には複数のガスバーナ4が設けられている。複数のガスバーナ4は、第3炉壁12より第4炉壁14に近接するように第1炉壁8に設けられる第1ガスバーナ4A(4)と、第4炉壁14より第3炉壁12に近接するように第2炉壁10に設けられる第2ガスバーナ4B(4)と、第2炉壁10より第1炉壁8に近接するように第3炉壁12に設けられる第3ガスバーナ4C(4)と、第1炉壁8より第2炉壁10に近接するように第4炉壁14に設けられる第4ガスバーナ4D(4)と、を含む。複数のガスバーナ4のそれぞれは、燃焼空間6の矩形状の角部21にガス燃料Fを噴出している。尚、不図示であるが、複数のガスバーナ4は、第1ガスバーナ4Aに積み上げられる上側ガスバーナをさらに含んでもよい。
ガスバーナ4は、ガス燃料Fを燃焼する。第1実施形態では、図1に例示するように、燃焼設備1は、ガスバーナ4にガス燃料Fを供給するガス燃料供給装置100と、ガスバーナ4に燃焼用空気Aを供給する空気供給装置102と、をさらに含む。そして、ガスバーナ4は、ガス燃料供給装置100から供給されたガス燃料Fに、空気供給装置102から供給された燃焼用空気Aを混合させて火炉2内(燃焼空間6)に噴出し、ガス燃料Fを燃焼する。
ガス燃料供給装置100は、ガス燃料Fが貯蔵されているガスタンク104と、ガスタンク104とガスバーナ4とを接続し、ガスタンク104に貯蔵されているガス燃料Fをガスバーナ4に向かって流通可能な燃料供給ライン106と、を含む。
空気供給装置102は、一端が大気に開放され、他端がガスバーナ4に接続されている空気供給ライン108と、空気供給ライン108に設けられ、空気供給ライン108の一端から取り込まれた空気を燃焼用空気Aとして火炉2に送風する送風機110と、を含む。
(ガスバーナの構成)
ガスバーナ4の構成について具体的に説明する。図3は、第1実施形態に係るガスバーナ4を火炉2の燃焼空間6側から視た図(正面図)である。図4は、第1実施形態に係るガスバーナ4の構成を概略的に示す図である。
第1実施形態では、図3に例示するように、ガスバーナ4は、火炉2の燃焼空間6に面する端面5の形状が鉛直方向D2に沿って長手方向を有する矩形状の角型バーナである。そして、図4に例示するように、ガスバーナ4は、ノズル20と、一次空気流路部22と、二次空気流路部24と、流量調節装置25と、を備える。
ノズル20は、ガス燃料供給装置100から供給されるガス燃料Fを火炉2の燃焼空間6に噴出する。このノズル20は、ガス燃料Fが流通可能であるように、例えば、軸線Oを中心とする円筒形状を有する。第1実施形態では、ノズル20は、筒形状を有するバーナ胴体26を介して、ガス燃料供給装置100からガス燃料Fが供給されている。
一次空気流路部22は、図3に例示するように、ノズル20の軸線方向D1に沿って視認した正面視(以下、「正面視」とする)において、ノズル20の周囲を囲む。そして、この一次空気流路部22は、空気供給装置102から供給される燃焼用空気Aを一次空気A1として流出する一次空気出口36を形成する。
第1実施形態では、図4に例示するように、一次空気流路部22は、空気供給装置102から供給される一次空気A1が流通する一次空気流路38を含む。一次空気流路部22(スリーブ)は、円筒形状を有しており、ノズル20の軸線方向D1に沿って延びている。一次空気流路部22の内径はノズル20の外径より大きく、ノズル20が一次空気流路部22内に配置されている。つまり、一次空気流路部22は、一次空気流路部22の内壁面とノズル20の外壁面との間に一次空気A1が流通する一次空気流路38を含む。別の言い方をすると、一次空気流路38は、ノズル20の外周に形成されている。
尚、第1実施形態では、ガスバーナ4は、主に保炎を目的として一次空気流路38の出口部分に設けられる保炎器55を備える。一次空気流路38を流れる一次空気A1は直進流であるが、保炎器55は一次空気A1のうちの一部又は全部に旋回力を付与するように構成されている。
二次空気流路部24は、図3に例示するように、正面視において、一次空気出口36の上方または下方に位置するとともに、一次空気A1より遅れてガス燃料Fに接触させる二次空気A2が流出する二次空気出口40を形成する。
第1実施形態では、ガスバーナ4は、鉛直方向D2において、一次空気流路部22を挟むように配置される一対の二次空気流路部24を含む。一対の二次空気流路部24は、上側二次空気流路部24A(24)と下側二次空気流路部24B(24)とを含む。上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40A(40)は、一次空気出口36より上方に位置している。左右方向D3において、一次空気出口36と上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40Aとは少なくとも一部が互いに重複している。下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40B(40)は、一次空気出口36より下方に位置している。左右方向D3において、一次空気出口36と下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40Bとは少なくとも一部が互いに重複している。上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40Aは、一次空気出口36を挟んで下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40Bとは反対側に位置している。
二次空気出口40は、図3に例示するように、内側出口42と、内側出口42より一次空気出口36から離れて位置する外側出口44を含む。ノズル20の軸線Oを中心とする径方向において、外側出口44は内側出口42より径方向の外側に位置している。第1実施形態では、上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40Aは、内側出口42A(42)と外側出口44A(44)とを含む。下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40Bは、内側出口42B(42)と外側出口44B(44)とを含む。そして、図3に例示するように、正面視において、上方から順に、二次空気出口40Aの外側出口44A、二次空気出口40Aの内側出口42A、一次空気出口36、二次空気出口40Bの内側出口42B、及び二次空気出口40Bの外側出口44Bが並んでいる。
内側出口42及び外側出口44のそれぞれは、二次空気A2が流出するように構成される。具体的には、図4に例示するように、二次空気流路部24は、内部に形成される内側二次空気流路28と外側二次空気流路30とを含む。内側二次空気流路28は、空気供給装置102から供給される燃焼用空気Aが流通し、一端に内側出口42を含む。外側二次空気流路30は、空気供給装置102から供給される燃焼用空気Aが流通し、一端に外側出口44を含む。内側出口42及び外側出口44のそれぞれは、燃焼用空気Aを二次空気A2として火炉2の燃焼空間6に流出する。
以下では、第1実施形態に係る上側二次空気流路部24Aの内側二次空気流路28を第1流路28A(28)と記載し、上側二次空気流路部24Aの外側二次空気流路30を第2流路30A(30)と記載する。同様に、第1実施形態に係る下側二次空気流路部24Bの内側二次空気流路28を第3流路28B(28)と記載し、下側二次空気流路部24Bの外側二次空気流路30を第4流路30B(30)と記載する。
流量調節装置25は、内側出口42から流出する二次空気A2の流出量、及び外側出口44から流出する二次空気A2の流出量のそれぞれを調節可能に構成される。第1実施形態では、図4に例示するように、流量調節装置25は、第1流路28に設けられる第1弁46、第2流路30Aに設けられる第2弁48、第3流路28Bに設けられる第3弁50、及び第4流路30Bに設けられる第4弁52を含む。第1弁46の開度が調節されることで、第1流路28Aを流通する二次空気A2の量が調節される。第2弁48の開度が調節されることで、第2流路30Aを流通する二次空気A2の量が調節される。第3弁50の開度が調節されることで、第3流路28Bを流通する二次空気A2の量が調節される。第4弁52の開度が調節されることで、第4流路30Bを流通する二次空気A2の量が調節される。
(作用・効果)
第1実施形態に係るガスバーナ4の作用・効果について説明する。第1実施形態によれば、外側出口44は内側出口42より一次空気出口36からノズル20の径方向の外側に離れて位置するので、内側出口42から流出する二次空気A2を保炎のために用い、外側出口44から流出する二次空気A2を緩慢燃焼の促進のために用いることができる。そして、図4に例示したように、本開示に係るガスバーナ4は流量調節装置25を備えているので、燃焼状態に応じて、保炎性を高めたり、緩慢燃焼を促進させたりすることができる。よって、燃焼状態を容易に制御することができる。
第1実施形態では、流量調節装置25は、第1弁46、第2弁48、第3弁50、及び第4弁52を含んでいたが、内側出口42から流出する二次空気A2の流出量、及び外側出口44から流出する二次空気A2の流出量のそれぞれを調節可能に構成されるのであれば、本開示はこの形態に限定されない。また、本開示は、流量調節装置25をバルブに限定するものではなく、例えば、送風機を含んでもよい。
図5Aは、幾つかの実施形態に係るガスバーナ4の二次空気A2の流路を示す図である。図5Aには、内側出口42を流出する二次空気A2の流路が図示されている。幾つかの実施形態では、図5Aに例示するように、ガスバーナ4は、二次空気A2が流通する内側空気ライン54であって、第1流路28A又は第3流路28Bの何れかに分岐する分岐点56を含む内側空気ライン54を備える。そして、内側空気ライン54のうち分岐点56より二次空気A2の流通方向の上流側に第5弁58が設けられる。第5弁58の開度が調節されることで、第1流路28Aを流通する二次空気A2の量、及び第3流路28Bを流通する二次空気A2の量が同時に調節される。このような構成によれば、上述した第1弁46及び第3弁50の設置を省くことができる。尚、幾つかの実施形態では、空気供給装置102の空気供給ライン108が内側空気ライン54を含む。
図5Bは、幾つかの実施形態に係るガスバーナ4の二次空気A2の流路を示す図である。図5Bには、外側出口44を流出する二次空気A2の流路が図示されている。幾つかの実施形態では、図5Bに例示するように、ガスバーナ4は、二次空気A2が流通する外側空気ライン60であって、第2流路30A又は第4流路30Bの何れかに分岐する分岐点62を含む外側空気ライン60を備える。そして、外側空気ライン60のうち分岐点62より二次空気A2の流通方向の上流側に第6弁64が設けられる。第6弁64の開度が調節されることで、第2流路30Aを流通する二次空気A2の量、及び第4流路30Bを流通する二次空気A2の量が同時に調節される。このような構成によれば、上述した第2弁48及び第4弁52の設置を省くことができる。尚、幾つかの実施形態では、空気供給装置102の空気供給ライン108が外側空気ライン60を含む。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係るガスバーナ4について説明する。第2実施形態では、内側出口42から低酸素二次空気A21が流出するように構成されている点で第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6は、第2実施形態に係るガスバーナ4の構成を概略的に示す図である。第2実施形態では、図6に例示するように、内側出口42は、外側出口44から流出される二次空気A2より酸素濃度の低い低酸素二次空気A21(A2)が流出するように構成される。
図6に例示する形態では、ガスバーナ4は、空気供給装置102から内側二次空気流路28に供給される燃焼用空気A(二次空気A2)に、火炉2から排出される排ガスGの一部(循環ガスEg)を混合させるための循環ライン70を含む。このように、第2実施形態では、ガスバーナ4は、二次空気A2に循環ガスEgを混合させることで低酸素二次空気A21を生成している。尚、幾つかの実施形態では、循環ライン70は内側二次空気流路28に接続され、循環ガスEgは内側二次空気流路28を流通する二次空気A2と混合するようになっている。
不図示であるが、幾つかの実施形態では、ガスバーナ4は、循環ライン70に設けられ、循環ライン70を流通する循環ガスEgの量を調節可能な循環ガス量調節装置を含む。循環ガス量調節装置は、バルブであってもよいし、送風機であってもよい。このような構成によれば、燃焼状態に応じて、低酸素二次空気A21に含まれる酸素の量を調節することができる。
第2実施形態に係るガスバーナ4の作用・効果について説明する。水素は従来からのガス燃料に含まれる成分と比較して燃焼速度が大きい。このため、水素と酸素との混合が速やかに行われるので、燃焼空間6の温度が速やかに高くなり、窒素酸化物(NOx)の発生を促進してしまう。これに対し、第2実施形態によれば、外側出口44から流出する二次空気A2に先行して内側出口42から流出する低酸素二次空気A21をガス燃料Fに接触させることができる。このため、水素と酸素との混合を緩やかにし、燃焼空間6の昇温を抑制することができる。よって、NOxの発生をさらに抑制することができる。
図7は、幾つかの実施形態に係る内側出口42のレイアウトを説明するための図である。図7に例示するように、正面視において、ノズル20の軸線Oから鉛直方向D2に沿って直線状に仮想線80を延ばす。この仮想線80が一次空気出口36の周縁と交差する点を第1交差点82とする。さらに、この仮想線80が内側出口42の周縁のうち最初に交差する点を第2交差点84とする。第1交差点82とノズル20の軸線Oとの間の距離をrとし、第2交差点84とノズル20の軸線Oとの間の距離をdとすると、1.5×r≦d≦5×rを満たす。
上述したように、水素は従来からのガス燃料に含まれる成分と比較して燃焼速度が大きい。このため、1.5×r≦dを満たすように内側出口42をノズル20の軸線Oから離間させても、内側出口42から流出する二次空気A2(または低酸素二次空気A21)による保炎を実現することができる。さらに、1.5×r≦dを満たすことで、外側出口44から流出する二次空気A2とガス燃料Fとの接触を遅らせ、緩慢燃焼の促進を図ることができる。一方で、5×r<dを満たすと、内側出口42から流出する二次空気A2(または低酸素二次空気A21)による保炎の実現が困難となると同時に供給される二次空気A2(または低酸素二次空気A21)のタイミングの遅れが大きく、もはや二次空気A2(または低酸素二次空気A21)の流量制御による適正な燃焼状態の維持が困難になる。
図7に例示する形態によれば、内側出口42は、1.5×r≦d≦5×rを満たすように、ノズル20の軸線Oから離間しているので、内側出口42から流出する二次空気A2(または低酸素二次空気A21)による保炎を実現しつつ、外側出口44から流出する二次空気A2とガス燃料Fとの接触を遅らせ、緩慢燃焼の促進を図ることができる。
<第3実施形態>
本開示の第3実施形態に係るガスバーナ4について説明する。第3実施形態では、第1調節装置86及び第2調節装置88をさらに備える点で第2実施形態と異なる。第3実施形態において、第2実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8は、第3実施形態に係るガスバーナ4の構成を概略的に示す図である。第3実施形態では、図8に例示するように、ガスバーナ4は、第1調節装置86及び第2調節装置88をさらに備える。
図8に例示する形態では、上側二次空気流路部24Aは、内側出口42Aを含む内側スイング部90A(90)を有する。同様に、下側二次空気流路部24Bは、内側出口42Bを含む内側スイング部90B(90)を有する。内側スイング部90は、筒形状を有しており、燃焼空間6に向かうにつれて縮径している。内側スイング部90は、軸線方向D1において燃焼空間6側とは反対側に固定端を燃焼空間6側に回転端を有し、鉛直方向D2に沿って回転可能(スイング可能)に構成されている。
図8に例示する形態では、上側二次空気流路部24Aは、外側出口44Aを含む外側スイング部94A(94)を有する。同様に、下側二次空気流路部24Bは、外側出口44Bを含む外側スイング部94B(94)を有する。外側スイング部94は、筒形状を有しており、燃焼空間6に向かうにつれて縮径している。外側スイング部94は、軸線方向D1において燃焼空間6側とは反対側に固定端を燃焼空間6側に回転端を有し、鉛直方向D2に沿って回転可能(スイング可能)に構成されている。
第1調節装置86は、上側二次空気流路部24Aの内側出口42A、及び下側二次空気流路部24Bの内側出口42Bの向きを同時に調節可能に構成されている。図8に例示する形態では、第1調節装置86は、第1角度設定部91と第1伝達部92とを含む。尚、図8において、第1伝達部92は点線で図示されている。
第1角度設定部91は、内側スイング部90の回転角度(チルト角)を設定するための装置であって、例えば、ハンドルである。第1伝達部92は、第1角度設定部91と上側二次空気流路部24Aの内側スイング部90Aとを接続するとともに、第1角度設定部91と下側二次空気流路部24Bの内側スイング部90Bとを接続する。このような第1伝達部92は、例えばロッド状の部材である。
第1角度設定部91で設定された回転角度は、第1伝達部92を介して、上側二次空気流路部24Aの内側スイング部90A、及び下側二次空気流路部24Bの内側スイング部90Bのそれぞれに伝達される。そして、上側二次空気流路部24Aの内側スイング部90A、及び下側二次空気流路部24Bの内側スイング部90Bのそれぞれは、第1角度設定部91で設定された回転角度となるように回転する。このような第1調節装置86は、例えば、ターンバックル(図9A参照)である。
第1調節装置86の具体的な構成の一例について説明する。図9Aは、幾つかの実施形態に係る第1調節装置86の構成を概略的に示す図である。
図9Aに例示するように、第1調節装置86の第1角度設定部91は、内側スイング部90A、90Bの回転角度を設定する本体部120と、本体部120で設定された回転角度に応じて本体部120から鉛直方向D2に突出する長さが決められる一対の伸縮部122A、122Bと、を含む。一方の伸縮部122Aが上方に伸びると、他方の伸縮部122Bは下方に延びる。一方の伸縮部122Aが下方に縮むと、他方の伸縮部122Bは上方に縮む。一対の伸縮部122A、122Bの伸縮量は、互いに同程度の大きさである。
第1調節装置86の第1伝達部92は、一方の伸縮部122Aの突出端123Aと内側スイング部90Aとを接続する接続部124Aと、他方の伸縮部122Bの突出端123Bと内側スイング部90Bとを接続する接続部124Bと、を含む。
接続部124Aの内側スイング部90Aへの接続位置PAは、内側スイング部90Aの固定端126Aより下方である。接続部124Aは、接続位置PAから軸線方向D1の他方に延びている。接続部124Aは、一方の伸縮部122Aが上方に伸びると、内側スイング部90Aを押すように構成されている。内側スイング部90Aは、接続部124に押されると、上側に向かって回転する(スイングする)。また、接続部124Aは、一方の伸縮部122Aが下方に縮むと、内側スイング部90Aを引っ張るように構成されている。内側スイング部90Aは、接続部124Aに引っ張られると、下側に向かって回転する(スイングする)。
接続部124Bの内側スイング部90Bへの接続位置PBは、内側スイング部90Bの固定端126Bより上方である。接続部124Bは、接続位置PBから軸線方向D1の他方に延びている。接続部124Bは、他方の伸縮部122Bが下方に伸びると、内側スイング部90Bを押すように構成されている。内側スイング部90Bは、接続部124Bに押されると、下側に向かって回転する(スイングする)。また、接続部124Bは、他方の伸縮部122Bが上方に縮むと、内側スイング部90Bを引っ張るように構成されている。内側スイング部90Bは、接続部124Bに引っ張られると、上側に向かって回転する(スイングする)。このように、図9Aに例示する形態では、内側スイング部90Bは、内側スイング部90Aの回転方向とは反対方向に回転するように構成されている。内側スイング部90Bの回転角度の大きさは、内側スイング部90Aの回転角度の大きさと同じである。
第2調節装置88は、上側二次空気流路部24Aの外側出口44A、及び下側二次空気流路部24Bの外側出口44Bの向きを同時に調節可能に構成されている。図8に例示する形態では、第2調節装置88は、第2角度設定部93と第2伝達部95とを含む。尚、図8において、第2伝達部95は点線で図示されている。
第2角度設定部93は、外側スイング部94の回転角度(チルト角)を設定するための装置であって、例えば、ハンドルである。第2伝達部95は、第2角度設定部93と上側二次空気流路部24Aの外側スイング部94Aとを接続するとともに、第2角度設定部93と下側二次空気流路部24Bの外側スイング部94Bとを接続する。このような第2伝達部95は、例えばロッド状の部材である。
第2角度設定部93で設定された回転角度は、第2伝達部95を介して、上側二次空気流路部24Aの外側スイング部94A、及び下側二次空気流路部24Bの外側スイング部94Bのそれぞれに伝達される。そして、上側二次空気流路部24Aの外側スイング部94A、及び下側二次空気流路部24Bの外側スイング部94Bのそれぞれは、第2角度設定部93で設定された回転角度となるように回転する。このような第2調節装置88は、例えば、ターンバックル(図9B参照)である。
図9Bは、幾つかの実施形態に係る第2調節装置88の構成を概略的に示す図である。
図9Bに例示するように、第2調節装置88の第2角度設定部93は、外側スイング部94A、94Bの回転角度を設定する本体部130と、本体部130で設定された回転角度に応じて本体部130から鉛直方向D2に突出する長さが決められる一対の伸縮部132A、132Bと、を含む。一方の伸縮部132Aが上方に伸びると、他方の伸縮部132Bは下方に延びる。一方の伸縮部132Aが下方に縮むと、他方の伸縮部132Bは上方に縮む。一対の伸縮部132A、132Bの伸縮量は、互いに同程度の大きさである。
第2調節装置88の第2伝達部95は、一方の伸縮部132Aの突出端133Aと外側スイング部94Aとを接続する接続部134Aと、他方の伸縮部132Bの突出端133Bと外側スイング部94Bとを接続する接続部134Bと、を含む。
接続部134Aの外側スイング部94Aへの接続位置PCは、外側スイング部94Aの固定端136Aより下方である。接続部134Aは、接続位置PCから軸線方向D1の他方に延びている。接続部134Aは、一方の伸縮部132Aが上方に伸びると、外側スイング部94Aを押すように構成されている。外側スイング部94Aは、接続部134に押されると、上側に向かって回転する(スイングする)。また、接続部134Aは、一方の伸縮部132Aが下方に縮むと、外側スイング部94Aを引っ張るように構成されている。外側スイング部94Aは、接続部134Aに引っ張られると、下側に向かって回転する(スイングする)。
接続部134Bの外側スイング部94Bへの接続位置PDは、外側スイング部94Bの固定端136Bより上方である。接続部134Bは、接続位置PDから軸線方向D1の他方に延びている。接続部134Bは、他方の伸縮部132Bが下方に伸びると、外側スイング部94Bを押すように構成されている。外側スイング部94Bは、接続部134Bに押されると、下側に向かって回転する(スイングする)。また、接続部134Bは、他方の伸縮部132Bが上方に縮むと、外側スイング部94Bを引っ張るように構成されている。外側スイング部94Bは、接続部134Bに引っ張られると、上側に向かって回転する(スイングする)。このように、図9Aに例示する形態では、外側スイング部94Bは、外側スイング部94Aの回転方向とは反対方向に回転するように構成されている。外側スイング部94Bの回転角度の大きさは、外側スイング部94Aの回転角度の大きさと同じである。
第3実施形態に係るガスバーナ4の作用・効果について説明する。内側出口42から流出する二次空気A2(または低酸素二次空気A21)の流出方向を調節することで、保炎性を増減させることができる。第3実施形態によれば、内側出口42から流出する二次空気A2(または低酸素二次空気A21)の量及び流出方向が調節されるので、燃焼状態に応じて、保炎性をさらに精密に増減することができる。また、シンプルな構成(例えば、ターンバックルを用いた構成)で、上側二次空気流路部24Aの内側出口42A、及び下側二次空気流路部24Bの内側出口42Bから流出する二次空気A2(または低酸素二次空気A21)がガス燃料Fと接触するタイミング(つまりは、火炎の形成)を調整することができる。図9Aに例示する形態によれば、内側出口42Aの向きと内側出口42Bの向きとがノズル20の軸線Oを挟んで互いに対称的となるように調節されるので、二次空気A2(または低酸素二次空気A21)がガス燃料Fと接触するタイミングを容易に調節することができる。
外側出口44から流出する二次空気A2の流出方向を調節することで、緩慢燃焼の促進または抑制を行うことができる。第3実施形態によれば、外側出口44から流出する二次空気A2の量及び流出方向が調節されるので、燃焼状態に応じて、緩慢燃焼の促進又は抑制をさらに精密に行うことができる。また、シンプルな構成(例えば、ターンバックルを用いた構成)で、上側二次空気流路部24Aの外側出口44A、及び下側二次空気流路部24Bの外側出口44Bから流出する二次空気A2がガス燃料Fと接触するタイミング(つまりは、火炎の形成)を調整することができる。図9Bに例示する形態によれば、外側出口44Aの向きと外側出口44Bの向きとがノズル20の軸線Oを挟んで互いに対称的となるように調節されるので、二次空気A2がガス燃料Fと接触するタイミングを容易に調節することができる。
尚、第3実施形態では、ガスバーナ4は第1調節装置86及び第2調節装置88の両方を備えていたが本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、ガスバーナ4は、第1調節装置86及び第2調節装置88のうちの何れか一方を備える。
ところで、流量調節装置25による内側出口42から流出する二次空気A2の流出量、及び外側出口44から流出する二次空気A2の流出量の調節は、自動的に行われてもよいし、作業員によって手動で行われてもよい。以下、流量調節装置25による二次空気A2の流出量の調節を自動化するための燃焼設備1の自動化システムについて説明する。
図10は、幾つかの実施形態に係る燃焼設備1の自動化システムを示す系統図である。図10に例示する形態では、燃焼設備1は、燃焼設備1の負荷BLを取得する負荷取得装置140と、この負荷取得装置140が取得する燃焼設備1の負荷BLに基づいて、流量調節装置25を制御する制御装置142と、を備える。燃焼設備1の負荷BLは、例えば、燃焼設備1(ボイラ)に要求される発電量や燃焼設備1が生成する蒸気の量である。
制御装置142は、例えば、コンピュータであって、図示しないCPUやGPUといったプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、及びI/Oインターフェイスなどを備える。制御装置142は、メモリにロードされたプログラムの命令に従ってプロセッサが動作(演算等)することで、制御装置142が備える幾つかの機能を実現する。幾つかの実施形態では、制御装置142は、クラウド環境に設けられたクラウドサーバである。
図10に例示する形態では、制御装置142は、負荷取得装置140及び流量調節装置25のそれぞれと電気的に接続されている。制御装置142は、負荷取得装置140から取得した燃焼設備1の負荷BLに基づいて、内側出口42から流出する二次空気A2の流出量、及び外側出口44から流出する二次空気A2の流出量を流量調節装置25に指示する。流量調節装置25は、制御装置142の指示に従って、内側出口42及び外側出口44から流出する二次空気A2の流量を調節する(第1弁46、第2弁48、第3弁50、及び第4弁52のそれぞれの開度を調節する)。
図10に例示する形態では、制御装置142は、第1調節装置86及び第2調節装置88のそれぞれと電気的に接続されている。負荷取得装置140から取得した燃焼設備1の負荷BLに基づいて、二次空気流路部24の内側出口42の向きを第1調節装置86に指示し、二次空気流路部24の外側出口44の向きを第2調節装置88に指示する。第1調節装置86は、制御装置142の指示に従って、二次空気流路部24の内側出口42の向きを調節する。第2調節装置88は、制御装置142の指示に従って、二次空気流路部24の外側出口44の向きを調節する。
図10に例示する形態によれば、燃焼設備1の負荷BLに基づいて、保炎性を高めたり、あるいは緩慢燃焼を促進させたりすることができる。
幾つかの実施形態では、制御装置142は、燃焼設備1の負荷BLが予め設定された閾値より小さくなると、外側出口44より内側出口42から流出する二次空気A2の量が多くなるように、流量調節装置25を制御する。燃焼設備1の負荷BLが小さくなると、ガスバーナ4に供給されるガス燃料Fの量が少なくなり、NOxの発生量が少なくなる。よって、燃焼設備1の負荷BLが閾値より小さい場合には、外側出口44より内側出口42から流出する二次空気A2の量を多くすることで、保炎性を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、制御装置142は、燃焼設備1の負荷BLが予め設定された閾値より大きくなると、内側出口42より外側出口44から流出する二次空気A2の量が多くなるように、流量調節装置25を制御する。燃焼設備1の負荷BLが大きくなると、ガスバーナ4に供給されるガス燃料Fの量が多くなり、NOxの発生量が増える。よって、燃焼設備1の負荷BLが閾値より大きい場合には、内側出口42より外側出口44から流出する二次空気A2の量を多くすることで、緩慢燃焼の促進を図り、NOxの発生を抑制することができる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]本開示に係るガスバーナ(4)は、
水素を含むガス燃料(F)を燃焼するためのガスバーナであって、
前記ガス燃料を噴出するノズル(20)と、
前記ノズルの軸線方向(D1)に沿って視認した正面視において、前記ノズルの周囲を囲むとともに、一次空気(A1)が流出する一次空気出口(36)を形成する一次空気流路部(22)と、
前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気(A2)が流出する二次空気出口(40)であって、内側出口(42)及び前記内側出口より前記一次空気出口から離れて位置する外側出口(44)を含む二次空気出口を形成する少なくとも1つの二次空気流路部(24)と、
前記内側出口から流出する前記二次空気の流出量、及び前記外側出口から流出する前記二次空気の流出量のそれぞれを調節可能な流量調節装置(25)と、を備える。
上記[1]に記載の構成によれば、外側出口は内側出口より一次空気出口から離れて位置するので、内側出口から流出する二次空気を保炎のために用い、外側出口から流出する二次空気を緩慢燃焼の促進のために用いることができる。そして、本開示に係るガスバーナは流量調節装置を備えているので、燃焼状態に応じて、保炎性を高めたり、緩慢燃焼を促進させたりすることができる。よって、燃焼状態を容易に制御することができる。
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記内側出口は、前記外側出口から流出される前記二次空気より酸素濃度の低い低酸素二次空気(A21)が流出するように構成される。
水素は従来からのガス燃料に含まれる成分と比較して燃焼速度が大きい。このため、水素と酸素との混合が速やかに行われるので、ガス燃料が燃焼する燃焼空間の温度が速やかに高くなり、窒素酸化物(NOx)の発生が促進される。これに対し、上記[2]に記載の構成によれば、外側出口から流出する二次空気に先行して内側出口から流出する低酸素二次空気をガス燃料に接触させる。このため、水素と酸素との混合を緩やかにし、燃焼空間の昇温を抑制することができる。よって、NOxの発生をさらに抑制することができる。
[3]幾つかの実施形態では、上記[1]又は[2]に記載の構成において、
前記少なくとも1つの二次空気流路部は、鉛直方向において、前記一次空気流路部を挟むように配置される一対の二次空気流路部(28A、28B)を含み、
前記一対の二次空気流路部の各々の前記内側出口(42A、42B)の向きを同時に調節可能な第1調節装置(86)をさらに備える。
内側出口から流出する二次空気の流出方向を調節することで、保炎性を増減させることができる。上記[3]に記載の構成によれば、内側出口から流出する二次空気の量及び流出方向が調節されるので、燃焼状態に応じて、保炎性をさらに精密に増減することができる。また、シンプルな構成(例えば、ターンバックルを用いた構成)で、内側出口から流出する二次空気がガス燃料と接触するタイミングを調整し、火炎の形成を調整することができる。
[4]幾つかの実施形態では、上記[3]に記載の構成において、
前記一対の二次空気流路部の各々の前記外側出口(44A、44B)の向きを同時に調節可能な第2調節装置をさらに備える。
外側出口から流出する二次空気の流出方向を調節することで、緩慢燃焼の促進または抑制を行うことができる。上記[4]に記載の構成によれば、外側出口から流出する二次空気の量及び流出方向が調節されるので、燃焼状態に応じて、緩慢燃焼の促進又は抑制をさらに精密に行うことができる。また、シンプルな構成(例えば、ターンバックルを用いた構成)で、外側出口から流出する二次空気がガス燃料と接触するタイミングを調整し、火炎の形成を調整することができる。
[5]幾つかの実施形態では、上記[1]から[4]の何れか1つに記載の構成において、
前記正面視において、前記ノズルの軸線(O)から鉛直方向に沿って直線状に仮想線(80)を延ばした場合に、前記仮想線が前記一次空気出口の周縁と交差する第1交差点(82)と前記ノズルの前記軸線との間の距離をrとし、前記仮想線が前記内側出口の周縁と最初に交差する第2交差点(84)と前記ノズルの前記軸線との間の距離をdとすると、
1.5×r≦d≦5×rを満たす。
上述したように、水素は従来からのガス燃料に含まれる成分と比較して燃焼速度が大きい。このため、1.5×r≦dを満たすように内側出口をノズルの軸線から離間させても、内側出口から流出する二次空気による保炎を実現することができる。さらに、1.5×r≦dを満たすことで、外側出口から流出する二次空気とガス燃料との接触を遅らせ、緩慢燃焼の促進を図ることができる。一方で、5×r<dを満たすと、内側出口から流出する二次空気による保炎の実現が困難となると同時に供給される二次空気のタイミングの遅れが大きく、もはや二次空気の流量制御による適正な燃焼状態の維持が困難になる。上記[5]に記載の構成によれば、内側出口は、1.5×r≦d≦5×rを満たすように、ノズルの軸線から離間しているので、内側出口から流出する二次空気による保炎を実現しつつ、外側出口から流出する二次空気とガス燃料との接触を遅らせ、緩慢燃焼の促進を図ることができる。
[6]幾つかの実施形態では、上記[1]から[5]の何れか1つに記載の構成において、
前記ガスバーナは、火炉(2)に面する端面(5)の形状が鉛直方向に沿って長手方向を有する矩形状の角型バーナである。
上記[6]に記載の構成によれば、上記[1]から[5]の何れか1つに記載の構成を、角型バーナに適用できる。
[7]幾つかの実施形態では、燃焼設備は、上記[1]から[6]の何れか1つに記載のガスバーナを備える燃焼設備(1)であって、
前記燃焼設備の負荷(BL)を取得する負荷取得装置(140)と、
前記負荷取得装置が取得する前記燃焼設備の負荷に基づいて、前記流量調節装置を制御する制御装置(142)と、を備える。
上記[7]に記載の構成によれば、燃焼設備の負荷に基づいて、保炎性を高めたり、あるいは緩慢燃焼を促進させたりすることができる。
1 燃焼設備
2 火炉
4 ガスバーナ
5 ガスバーナの端面
6 燃焼空間
20 ノズル
22 一次空気流路部
24 二次空気流路部
25 流量調節装置
36 一次空気出口
40 二次空気出口
40A 上側二次空気流路部の二次空気出口
40B 下側二次空気流路部の二次空気出口
42 内側出口
42A 上側二次空気流路部の内側出口
42B 下側二次空気流路部の内側出口
44 外側出口
44A 上側二次空気流路部の外側出口
44B 下側二次空気流路部の外側出口
80 仮想線
82 第1交差点
84 第2交差点
86 第1調節装置
88 第2調節装置
140 負荷取得装置
142 制御装置

A1 一次空気
A2 二次空気
A21 低酸素二次空気
BL 燃焼設備の負荷
D1 軸線方向
D2 鉛直方向
F ガス燃料
O 軸線

Claims (7)

  1. 水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナであって、
    前記ガス燃料を噴出するノズルと、
    前記ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、前記ノズルの周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、
    前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口であって、内側出口及び前記内側出口より前記一次空気出口から離れて位置する外側出口を含む二次空気出口を形成する少なくとも1つの二次空気流路部と、
    前記内側出口から流出する前記二次空気の流出量、及び前記外側出口から流出する前記二次空気の流出量のそれぞれを調節可能な流量調節装置と、を備える、
    ガスバーナ。
  2. 前記内側出口は、前記外側出口から流出される前記二次空気より酸素濃度の低い低酸素二次空気が流出するように構成される、
    請求項1に記載のガスバーナ。
  3. 前記少なくとも1つの二次空気流路部は、鉛直方向において、前記一次空気流路部を挟むように配置される一対の二次空気流路部を含み、
    前記一対の二次空気流路部の各々の前記内側出口の向きを同時に調節可能な第1調節装置をさらに備える、
    請求項1又は2に記載のガスバーナ。
  4. 前記一対の二次空気流路部の各々の前記外側出口の向きを同時に調節可能な第2調節装置をさらに備える、
    請求項3に記載のガスバーナ。
  5. 前記正面視において、前記ノズルの軸線から鉛直方向に沿って直線状に仮想線を延ばした場合に、前記仮想線が前記一次空気出口の周縁と交差する第1交差点と前記ノズルの前記軸線との間の距離をrとし、前記仮想線が前記内側出口の周縁と最初に交差する第2交差点と前記ノズルの前記軸線との間の距離をdとすると、
    1.5×r≦d≦5×rを満たす、
    請求項1から4の何れか一項に記載のガスバーナ。
  6. 前記ガスバーナは、火炉に面する端面の形状が鉛直方向に沿って長手方向を有する矩形状の角型バーナである、
    請求項1から5の何れか一項に記載のガスバーナ。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載のガスバーナを備える燃焼設備であって、
    前記燃焼設備の負荷を取得する負荷取得装置と、
    前記負荷取得装置が取得する前記燃焼設備の負荷に基づいて、前記流量調節装置を制御する制御装置と、を備える、
    燃焼設備。
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