JP7349308B2 - 固体燃料バーナ及びボイラ - Google Patents
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Description
固体燃料と前記固体燃料を搬送する1次空気とが流通可能な第1流路と、
前記第1流路の外側に形成されていて、風箱からの2次空気が流通可能な第2流路と、
を備える固体燃料バーナであって、
前記固体燃料バーナの下流端よりも上流側で前記2次空気に前記固体燃料の少なくとも一部を混入させるように構成されている。
固体燃料と前記固体燃料を搬送する1次空気とが流通可能な第1流路と、
前記第1流路の外側に形成されていて、風箱からの2次空気が流通可能な第2流路と、
前記第1流路と前記第2流路とを仕切る仕切壁と、
を備える固体燃料バーナであって、
前記仕切壁の下流側の端部は、前記固体燃料バーナの下流端よりも上流側に位置しており、
前記仕切壁の下流側、かつ、前記固体燃料バーナの下流端よりも上流側で前記2次空気と前記固体燃料とを混合させるように構成されている。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナを備えるボイラの概略構成を示す図である。
図1に示すように、一実施形態のボイラ10は、内部に火炉11が形成される火炉壁12と、燃焼装置13と、過熱器15と、再熱器16と、節炭器17と、を備えている。
このように、一実施形態のボイラ10では、火炉11の四隅の近傍に燃焼装置13がそれぞれ設けられており、火炉11を上方から見たときに火炎が火炉11内で旋回する旋回燃焼を行うように構成されている。
なお、燃焼装置13は火炉11の天井面及び炉底面を除くいずれか一面、又は、対向する二面にそれぞれ設けられてもよい。また、ボイラ10は、旋回燃焼ではなく対向燃焼を行うように構成されていてもよい。
図4は、他の実施形態に係る固体燃料バーナ1について、内部の流路に沿った断面の模式的な側断面図と模式的な正面図とを併記した図である。
図5は、さらに他の実施形態に係る固体燃料バーナ1について、内部の流路に沿った断面の模式的な側断面図と模式的な正面図とを併記した図である。
図6は、図3に示した一実施形態に係る固体燃料バーナ1の各部におけるバイオマス粒子の濃度について説明するための図である。
図4及び図5に示すように、幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1は、第2流路102の外側に形成されていて、風箱18からの3次空気が流通可能な第3流路103をさらに備える。
幾つかの実施形態では、1次空気の流速は、第1流路101における後述する濃度調節部140よりも上流側の領域において、20m/秒から30m/秒程度である。
幾つかの実施形態では、1次空気の温度は、例えば60℃から90℃程度であり、2次空気及び3次空気の温度は、例えば250℃から350℃程度である。
図1に示すように、幾つかの実施形態に係る燃焼装置13では、風箱18には、不図示のエアヒータで加熱された燃焼用空気が空気供給管33を介して供給されるように構成されている。
図3から図5に示すように、幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、第2流路102には、風箱18からの燃焼用空気が2次空気として供給されるように構成されている。
図4及び図5に示すように、幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、第3流路103には、風箱18からの燃焼用空気が3次空気として供給されるように構成されている。
図3に示す一実施形態に係る固体燃料バーナ1は、上記仕切壁150に設けられていて第1流路101と第2流路102とを連通する連通路105を備える。連通路105については、後で詳述する。
固定部3は、回動部5に対して上流側に位置している。固定部3は、第1流路101の上流側部分を形成する上流側壁部151と、第2流路102の上流側部分における外周壁を構成する上流側外壁部161とを有する。なお、上流側壁部151は、第2流路102の上流側部分における内周壁を構成する。
なお、分流部材170については、後で再び説明する。
また、濃度調節部140は、図3に示すように第1流路101に沿った断面内において、第1流路101の中心線AX1に沿って1次空気及びバイオマス粒子の少なくとも一部が流通可能な中央流路143を備える。図3に示す一実施形態に係る固体燃料バーナ1では、上記断面内において、第1傾斜面141は、中央流路143を挟んで1対設けられている。
なお、図3に示す一実施形態に係る固体燃料バーナ1では、中心線AX1に沿った濃度調節部140の位置を調節可能に構成してもよい。
下流側壁部152における上流側の領域(上流領域)1521には、連通路105の下流側の開口に対応する開口部1523が形成されている。
図4及び図5に示す幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、第1流路101と第2流路102とを仕切る仕切壁150の下流側の端部150aは、固体燃料バーナ1の下流端1aよりも上流側に位置している。
図4及び図5に示す幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、第1流路101の内部に点火用の油バーナ180が配置されている。図4及び図5に示す幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、油バーナ180の外表面181に第1傾斜面183が形成されている。該第1傾斜面183は、第1流路101に沿って下流側に向かうにつれて第1流路101の中心側から外周側に向かうように形成されている。第1傾斜面183は、下流側に向かうにつれて径が大きくなる円錐面であってもよい。
これにより、点火用の油バーナ180を利用して第1傾斜面183を設けることができる。
図5に示すさらに他の実施形態に係る固体燃料バーナ1では、第1傾斜面183は、仕切壁150の下流側の端部150aよりも上流側に設けられる。
上述したように、幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、バイオマス粒子を固体燃料として燃焼させるように構成されている。しかし、バイオマス粒子は、石炭(微粉炭)に比べると着火し難い。そのため、着火し難い条件となる低負荷時等には、着火不良となるおそれがある。
従来の固体燃料バーナでは、1次空気の流速が20m/秒から30m/秒程度と比較的速いため、石炭(微粉炭)に比べて着火し難い固体燃料を用いた場合、着火位置が固体燃料バーナから離れてしまう。また、着火のためには、固体燃料を早期に昇温させる必要があるが、受熱面が固体燃料噴流の外周面に限られているため、固体燃料の昇温に時間を要してしまう。
バイオマス粒子を燃焼させる場合、バイオマスが石炭と比べて微粉砕し難いため、粉砕後のバイオマス粒子の粒径が微粉炭に比べて大きくなる傾向にあり、微粉炭に比べて着火し難い。また、石油コークスを燃焼させる場合、石油コークスにおける揮発分が比較的少ないため、石炭に比べると着火し難い。
したがって、幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、固体燃料バーナ1の下流端1aよりも上流側で2次空気にバイオマス粒子の少なくとも一部を混入させるように構成されているので、バイオマス粒子を第2流路102内で2次空気によって加熱できる。これにより、バイオマス粒子の温度を上昇させることができるので、比較的着火し難いバイオマス粒子を燃料として用いる固体燃料バーナ1において着火性を向上できる。
これにより、仕切壁150の下流側、かつ、固体燃料バーナ1の下流端1aよりも上流側で2次空気とバイオマス粒子とを混合させることができ、バイオマス粒子を2次空気によって加熱できる。これにより、バイオマス粒子の温度を上昇させることができるので、比較的着火し難いバイオマス粒子を燃料として用いる固体燃料バーナ1において着火性を向上できる。
これにより、第1傾斜面141、183によってバイオマス粒子が第1流路101の中心側から外周側に向かって流れ易くなるので、第1流路101の外側に形成されている第2流路102に向かってバイオマス粒子が流れ易くなる。これにより、2次空気にバイオマス粒子が混入し易くなり、着火性を向上できる。
これにより、中央流路143よりも下流側の第1流路101に1次空気及びバイオマス粒子の少なくとも一部が流通可能となる。したがって、固体燃料バーナ1の下流端1aから流出した混合気におけるバイオマス粒子の濃度が、第1流路101の中心側に近い領域で低下してしまうことを抑制して、燃焼状態を良好に保つことができる。
図6では、一実施形態に係る固体燃料バーナ1における中心線AX1、AX2に沿った位置P1、P2、P3のそれぞれ位置における、バイオマス粒子の鉛直方向の濃度分布を示している。位置P1は、濃度調節部140よりも上流側の位置である。位置P2は、連通路105が存在する位置である。位置P3は、固体燃料バーナ1の下流端1aの位置である。
図6において、太い破線で示した濃度分布曲線C2は、位置P2におけるバイオマス粒子の濃度分布を示す曲線である。
図6において、太い実線で示した濃度分布曲線C3は、位置P3におけるバイオマス粒子の濃度分布を示す曲線である。
このように、位置P2において、連通路105内のバイオマス粒子の濃度を第1流路内のバイオマス粒子の濃度よりも高くすることで、位置P3におけるバイオマス粒子の濃度分布は、固体燃料バーナ1の下流端1aにおいて、鉛直方向の位置によらず略一様にすることができる。
これにより、連通路105を介して2次空気にバイオマス粒子の少なくとも一部を混入させることができる。
これにより、連通路105における1次空気の流速低下を絞り部107において抑制できるので、連通路105においてバイオマス粒子が沈降することを抑制できる。
連通路105の上流側に設けられる濃度調節部140が第1傾斜面141を有するので、第1傾斜面141によってバイオマス粒子が連通路105に向かって流れ易くなるので、連通路105を介して第1流路101から第2流路102に向かってバイオマス粒子が流れ易くなる。これにより、2次空気にバイオマス粒子が混入し易くなり、着火性を向上できる。
なお、図3に示す一実施形態に係る固体燃料バーナ1において、上述したように、中心線AX1に沿った濃度調節部140の位置を調節可能に構成してもよい。これにより、中心線AX1に沿った濃度調節部140の位置を調節することで、連通路105を介して第1流路101から第2流路102に向かうバイオマス粒子の流量を調節できる。
これにより、1次空気及びバイオマス粒子の一部が連通路105ではなく、濃度調節部140の下流端140aよりも下流側の第1流路101に流通可能となる。したがって、固体燃料バーナ1の下流端1aから流出した混合気におけるバイオマス粒子の濃度が、第1流路101の中心側に近い領域で低下してしまうことを抑制して、燃焼状態を良好に保つことができる。
このような構成によれば、固定部3と回動部5とのオーバーラップ部分に連通路105を設けることができるので、回動部5における上流側の領域で2次空気にバイオマス粒子を混入できる。これにより、バイオマス粒子が2次空気に混入してから固体燃料バーナ1の下流端1aから吹き出されるまで回動部5の内部でバイオマス粒子を2次空気で加熱できるので、バイオマス粒子の加熱が不十分になることを抑制できる。
このような構成によれば、仕切壁150の下流側において、固体燃料バーナ1の内部でバイオマス粒子を2次空気で加熱できる。これにより、バイオマス粒子の温度を上昇させることができるので、比較的着火し難い固体燃料であるバイオマス粒子を燃料として用いる固体燃料バーナ1において着火性を向上できる。
これにより、第1傾斜面183によってバイオマス粒子が第1流路101の中心側から外周側に向かって流れ易くなるので、第1流路101の外側の第2流路102を流れていた2次空気にバイオマス粒子が混入し易くなり、着火性を向上できる。
これにより、該第2傾斜面165によって2次空気の流れに第1流路101の中心側に向かう速度成分を与えることができるので、バイオマス粒子と2次空気との混合が促進され、バイオマス粒子を2次空気で効率的に加熱できる。
例えば、上述した幾つかの実施形態に係る固体燃料バーナ1では、固体燃料としてバイオマス粒子を例に挙げて説明したが、固体燃料として石油コークスや、いわゆる高燃料比炭を用いてもよい。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る固体燃料バーナ1は、固体燃料と固体燃料を搬送する1次空気とが流通可能な第1流路101と、第1流路101の外側に形成されていて、風箱18からの2次空気が流通可能な第2流路102と、を備える固体燃料バーナ1である。本開示の少なくとも一実施形態に係る固体燃料バーナ1は、固体燃料バーナ1の下流端1aよりも上流側で2次空気に固体燃料の少なくとも一部を混入させるように構成されている。
また、上記(3)の構成によれば、上記断面内において、第1傾斜面141が中央流路143を挟んで1対設けられているので、中央流路143を挟んだ一方側と他方側とにおいて、第1流路101の外側に形成されている第2流路102に向かって固体燃料が流れ易くなる。これにより、中央流路143を挟んだ一方側と他方側との第2流路102内で2次空気に固体燃料が混入し易くなり、着火性を向上できる。
3 固定部
5 回動部
10 ボイラ
18 風箱
101 第1流路
102 第2流路
103 第3流路
105 連通路
107 絞り部
140 濃度調節部
141、183 第1傾斜面
143 中央流路
150 仕切壁
151 上流側壁部
152 下流側壁部
165、1625a 第2傾斜面
170 分流部材
171 湾曲面
180 油バーナ
181 外表面
Claims (11)
- 固体燃料と前記固体燃料を搬送する1次空気とが流通可能な第1流路と、
前記第1流路の外側に形成されていて、風箱からの2次空気が流通可能な第2流路と、
を備える固体燃料バーナであって、
前記固体燃料バーナの下流端よりも上流側で前記2次空気に前記固体燃料の少なくとも一部を混入させるように構成されていて、
前記第1流路と前記第2流路とを仕切る仕切壁と、
前記仕切壁に設けられていて前記第1流路と前記第2流路とを連通する連通路と、
前記第1流路の下流側部分を形成する下流側壁部を含む回動部と、
前記回動部に対して上流側に位置する固定部と、
を備え、
前記回動部は、前記固定部に対して回動可能であり、
前記固定部は、
前記第1流路の上流側部分を形成する上流側壁部と、
前記第2流路と前記第1流路とを連通させる連通路を挟んで前記上流側壁部の内側に位置して、前記第1流路の前記上流側部分における流れを前記連通路および前記第1流路の前記下流側部分に分流するための分流部材と、
を含み、
前記分流部材は、該分流部材からみて前記回動部の回動中心側に曲率中心を有する湾曲面を有し、
前記連通路は、前記上流側壁部の内側面と前記分流部材の前記湾曲面との間に形成された
固体燃料バーナ。 - 前記第1流路に沿って下流側に向かうにつれて前記第1流路の中心側から外周側に向かうように形成された第1傾斜面
をさらに備える
請求項1に記載の固体燃料バーナ。 - 前記第1流路に沿った断面内において、前記第1流路の中心線に沿って前記1次空気及び前記固体燃料の少なくとも一部が流通可能な中央流路
をさらに備え、
前記断面内において、前記第1傾斜面は、前記中央流路を挟んで1対設けられている
請求項2に記載の固体燃料バーナ。 - 固体燃料と前記固体燃料を搬送する1次空気とが流通可能な第1流路と、
前記第1流路の外側に形成されていて、風箱からの2次空気が流通可能な第2流路と、
を備える固体燃料バーナであって、
前記固体燃料バーナの下流端よりも上流側で前記2次空気に前記固体燃料の少なくとも一部を混入させるように構成されていて、
前記第1流路に沿って下流側に向かうにつれて前記第1流路の中心側から外周側に向かうように形成された第1傾斜面と、
前記第1流路に沿った断面内において、前記第1流路の中心線に沿って前記1次空気及び前記固体燃料の少なくとも一部が流通可能な中央流路と、
前記第1流路と前記第2流路とを仕切る仕切壁と、
前記仕切壁に設けられていて前記第1流路と前記第2流路とを連通する連通路と、
を備え、
前記断面内において、前記第1傾斜面は、前記連通路の上流端よりも上流側において前記中央流路を挟んで1対設けられていて、
前記固体燃料の少なくとも一部は、前記連通路を介して前記第1流路から前記第2流路に流入可能である、
固体燃料バーナ。 - 前記連通路における流路断面積が下流側に向かうにつれて減少する絞り部
をさらに備える
請求項1乃至4の何れか一項に記載の固体燃料バーナ。 - 前記第1流路内において前記連通路の上流側に設けられる濃度調節部を備え、
前記濃度調節部は、前記第1流路に沿って下流側に向かうにつれて前記第1流路の中心側から外周側に向かうように形成された第1傾斜面を有する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の固体燃料バーナ。 - 前記濃度調節部の下流端は、前記連通路の上流端よりも上流側に位置する
請求項6に記載の固体燃料バーナ。 - 前記第2流路における前記連通路よりも下流側の領域において前記第2流路の内部壁面とは別に設けられていて、下流側に向かうにつれて前記第2流路の中心側に向かう第2傾斜面
をさらに備える
請求項1乃至7の何れか一項に記載の固体燃料バーナ。 - 前記固体燃料バーナは、前記固体燃料バーナの下流端から上流側を見たときの形状が矩形形状を有する角型バーナである
請求項1乃至8の何れか一項に記載の固体燃料バーナ。 - 前記固体燃料バーナは、前記固体燃料バーナの下流端から上流側を見たときの形状が円形状を有する丸型バーナである
請求項1乃至8の何れか一項に記載の固体燃料バーナ。 - 請求項1乃至10の何れか一項に記載の固体燃料バーナ
を備える
ボイラ。
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