JP6049814B2 - 固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラ - Google Patents

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本発明は、たとえば微粉炭等の固体燃料(粉体燃料)を焚く固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラに関する。
従来、固体燃料焚きのボイラには、たとえば固体燃料として微粉炭(石炭)を焚く微粉炭焚きボイラがある。このような微粉炭焚きボイラにおいては、旋回燃焼ボイラ及び対向燃焼ボイラという二種類の燃焼方式が知られている。
このうち、微粉炭焚きの旋回燃焼ボイラにおいては、燃料の微粉炭とともに石炭焚きバーナ(固体燃料焚きバーナ)から投入される1次空気の上下に2次空気投入用の2次空気投入ポートを設置して、石炭焚きバーナ周囲の2次空気について流量調整を行っている。
上述した1次空気は、燃料の微粉炭を搬送するために必要な空気量であるから、石炭を粉砕して微粉炭とするローラミル装置において空気量が規定される。そして、上述した2次空気は、旋回燃焼ボイラ内において火炎全体を形成するために必要となる空気量を吹き込むものであるから、旋回燃焼ボイラの2次空気量は、概ね微粉炭の燃焼に必要な全空気量から1次空気量を差し引いたものとなる。
また、旋回燃焼ボイラのバーナにおいては、微粉炭を外周に濃淡分離し、さらに、火炎外周の着火を強化する外部保炎が行われている。
これに対して、対向燃焼ボイラのバーナにおいては、たとえば下記の特許文献1に開示されているように、1次空気(微粉炭供給)の外周側に2次空気及び3次空気を導入して空気導入量の微調整を行うことが行われている。すなわち、火炉内から見て円形としたバーナの外周に保炎機構(先端角度の調整、旋回等)を設置するとともに、バーナ外周に近接して2次空気や3次空気の投入口を同心円状に設置する外部保炎構造のバーナが一般的である。
また、従来の微粉炭焚きバーナにおいては、たとえば下記の特許文献2に開示されているように、微粉炭を外周に濃淡分離し、さらに火炎外周の着火を強化することが行われている。
また、下記の特許文献3にも、外周保炎器及びスプリットにより構成された保炎器が開示されている。この場合、外周保炎器がメインであり、スプリットは補助的なものとなっている。
特開2006−189188号公報 特開平8−296815号公報 特開平9−203505号公報
ところで、上述した従来の旋回燃焼ボイラにおいては、石炭焚きバーナの上下に設けられる2次空気投入用の2次空気投入ポートが各々1本とされ、2次空気投入ポートから投入される2次空気量の微調整はできない構成となっている。このため、火炎の外周には高温酸素残存領域が形成されることとなり、特に2次空気が集中する領域では、高温酸素残存領域が強くなってNOx発生量を増加させる要因となるため好ましくない。
また、従来の石炭焚きバーナは、バーナ外周に保炎機構(先端角度の調整、旋回等)を設置し、さらに、すぐ外周に近接して2次空気(あるいは3次空気)の投入ポートを設置することが一般的である。このため、火炎の外周で着火が起こり、火炎の外周において大量の空気が混合されることとなる。この結果、火炎外周の燃焼は、火炎外周の高温酸素残存領域において酸素濃度が高い高温状態で進行することになり、従って、NOxは火炎外周で発生していた。
このようにして、火炎外周の高温酸素残存領域で発生したNOxは、火炎の外周を通過するので、火炎内部と比較して還元が遅れることとなり、これが石炭焚きボイラからNOxを発生させる要因となっていた。
一方、対向燃焼ボイラにおいても、旋回により、火炎外周で着火するため、火炎の外周で同様にNOxが発生する要因となっていた。
このような背景から、上述した従来の石炭焚きバーナ及び石炭焚きボイラのように、粉体の固体燃料を焚く固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラにおいては、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制し、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量を低減することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制(弱く)することにより、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量の低減を可能にした固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る固体燃料焚きバーナは、バーナ部と追加空気投入部とに分けて低NOx燃焼を行う固体燃料焚きボイラの前記バーナ部に用いられ、粉体の固体燃料及び空気を炉内へ投入する固体燃料焚きバーナが、粉体燃料及び一次空気を炉内へ投入する燃料バーナと、該燃料バーナの外周から2次空気を噴射する燃料バーナ用2次ポートとを備え、前記燃料バーナの流路前方部に、複数方向に延在する複数の内部保炎部材を配設し、前記内部保炎部材が交差する交差角部に、流路断面積を低減する遮蔽部材が設けられていることを特徴とするものである。
このような固体燃料焚きバーナによれば、燃料バーナの流路前方部に設置された内部保炎部材は、微粉炭及び空気の流路を分割して流れを内部で乱すとともに、内部保炎部材の前方に再循環域を形成するため、内部保炎機構として機能する。この結果、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域の抑制が可能となる。
上記の発明において、前記遮蔽部材は、前記交差角部の交差中心部側を塞ぐように設けられているものであることが好ましく、これにより、外周着火を防止しながら内部着火を強化することができる。
上記の発明において、前記燃料バーナの上下に近接して2次空気投入ポートが設けられていることが好ましく、これにより、ボイラ内において火炎全体を形成するために必要となる空気量が吹き込まれる。
ここで、内部保炎部材は、その長手方向の両端部の幅が中央部の幅よりも小さいため、2次空気投入ポートの近傍では着火源が縮小されて小さくなる。したがって、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域の抑制が可能となる。
本発明の固体燃料焚きボイラは、粉体燃料及び空気を炉内へ投入する上記のいずれかの固体燃料焚きバーナが、前記炉内のコーナ部あるいは壁面部に配置されていることを特徴とするものである。
このような固体燃料焚きボイラによれば、燃料バーナの出口開口中央付近に配置されて内部保炎機構として機能する内部保炎部材が粉体燃料及び空気の流路を分割して流れを乱す。この結果、空気の混合及び拡散が火炎の内部まで促進されるようになり、さらに着火面が細分化されることにより、着火位置が火炎の中央に寄って燃料の未燃分を低減する。すなわち、火炎の中心部まで酸素が入り込みやすくなるので、内部着火が効果的に行われるようになり、従って、火炎内部で迅速な還元が行われてNOxの発生量は低減される。
上述した本発明の固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラによれば、燃料バーナの出口開口に内部保炎機構として機能する内部保炎部材を設けたので、内部保炎部材が位置する燃料バーナの出口開口中央付近では、粉体燃料及び空気の流路を分割して流れを乱すことができ、さらに、内部保炎部材が着火面を細分化する。従って、着火位置が火炎の中央に寄り、中央では相対的に酸素濃度が低いため、火炎内部で迅速な還元が行われるようになり、固体燃料焚きボイラから最終的に排出されるNOxの発生量は低減される。さらには、複数方向の内部保炎部材を設けたことで、内部の空気拡散が促進され、火炎が局所的に極端な酸素不足となり、未燃分が発生することを抑制できる。
すなわち、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制し、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量の低減が可能になる。換言すれば、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域が抑制されることにより、予混合燃焼に近い燃焼をする火炎内部で発生したNOxが効果的に還元されるので、追加空気投入部に到達するNOx量の減少及び追加空気投入により発生するNOx量の減少により、最終的に排出されるNOx量が減少するという顕著な効果が得られる。
本発明に係る固体燃料焚き(石炭燃料焚き)バーナについての第1の参考実施形態を示す図で、(a)は固体燃料焚きバーナを火炉内から見た正面図、(b)は(a)に示す固体燃料焚きバーナのA−A断面図(固体燃料焚きバーナの縦断面図)である。 図1の固体燃料焚きバーナに空気を供給している空気供給系統を示す図である。 本発明に係る固体燃料焚き(石炭焚き)ボイラの構成例を示す縦断面図である。 図3の横(水平)断面図である。 追加空気投入部を備えて空気を多段投入する固体燃料焚きボイラの概要を示す説明図である。 図1に示した固体燃料焚きバーナのスプリット部材について、(a)は断面形状の一例を示す図、(b)断面形状の第1変形例を示す図、(c)は断面形状の第2変形例を示す図、(d)は断面形状の第3変形例を示す図である。 本発明に係る固体燃料焚き(石炭燃料焚き)バーナについての実施形態を示す図で、(a)は固体燃料焚きバーナを火炉内から見た正面図、(b)は(a)に示す固体燃料焚きバーナのB−B断面図(固体燃料焚きバーナの縦断面図)である。 (a)は遮蔽部材の一形状例を示す図7(a)のC−C断面図、(b)は(a)に示した遮蔽部材の他の形状例を示す断面図である。
以下、本発明に係る固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラの一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラの一例として、微粉炭(粉体の固体燃料である石炭)を燃料とする固体燃料焚きバーナを備えた旋回燃焼ボイラについて説明するが、これに限定されることはない。
図3〜図5に示す旋回燃焼ボイラ10は、火炉11内へ空気を多段で投入することにより、バーナ部12から追加空気投入部(以下、「AA部」と呼ぶ)14までの領域を還元雰囲気にして燃焼排ガスの低NOx化を図っている。
図中の符号20は微粉炭(粉体の固体燃料)及び空気を投入する固体燃料焚きバーナ、15は追加空気を投入する追加空気投入ノズルである。固体燃料焚きバーナ20には、たとえば図3に示すように、微粉炭を1次空気で搬送する微粉炭混合気輸送管16及び2次空気を供給する送気ダクト17が接続され、追加空気投入ノズル15には、2次空気を供給する送気ダクト17が接続されている。
このように、上述した旋回燃焼ボイラ10は、粉体燃料の微粉炭(石炭)及び空気を火炉11内へ投入する固体燃料焚きバーナ20が各段の各コーナ部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部12とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成される旋回燃焼方式を採用している。
<第1の参考実施形態>
図1に示す固体燃料焚きバーナ20は、微粉炭及び空気を投入する微粉炭バーナ(燃料バーナ)21と、微粉炭バーナ21の上下に各々配置された2次空気投入ポート30とを備えている。
2次空気投入ポート30は、ポート毎の空気流量調整を可能にするため、たとえば図2に示すように、送気ダクト17から分岐した2次空気の供給ライン毎に、流量調整手段として開度調整可能なダンパ40を備えている。
上述した微粉炭バーナ21は、1次空気により搬送された微粉炭を投入する矩形状のコール1次ポート22と、コール1次ポート22の周囲を取り囲むように設けられて2次空気の一部を投入するコール2次ポート23(燃料バーナ用2次ポート)とを備えている。なお、コール2次ポート23についても、図2に示すように、流量調整手段として開度調整可能なダンパ40を備えている。なお、コール1次ポート22は、円形や楕円でもよい。
微粉炭バーナ21の流路前方部には、すなわち、コール1次ポート22の流路前方部には複数方向のスプリット部材24(内部保炎部材)が配設され、図示省略の支持部材等に固定されている。このスプリット部材24は、たとえば図1(a)に示すように、コール1次ポート22の出口開口部において上下方向及び左右方向に各々1本ずつ、合計2本が所定の間隔を有する格子状に配設されている。
すなわち、2本のスプリット部材24は、上下方向及び左右方向の異なる2方向に向けて格子状に配設されるクロスタイプとすることで、微粉炭バーナ21におけるコール1次ポート22の出口開口部を細分化(4分割)しているが、スプリット部材24の数については、上下方向及び左右方向共に複数本としてもよい。
また、スプリット部材24に挟まれる部分では、圧損が大きく、噴出口での流速が低下し、より内部での着火が促進される。
このような構成のスプリット部材24は、火炎Fの外周に形成される高温酸素残存領域Hを抑制し、14から排出される最終的なNOx発生量の低減に有効である。
上述したスプリット部材24は、たとえば図6(a)〜図6(d)に示すような断面形状を採用することにより、微粉炭及び空気の流れをスムーズに分離させて乱すことができる。
図6(a)に示すスプリット部材24は、三角形の断面形状を有している。図示の三角形は正三角形や二等辺三角形であり、火炉11内に向けた出口側の一辺が微粉炭及び空気の流れ方向と略直交するように配置されている。換言すれば、三角形断面を形成する角部の1つを、微粉炭及び空気の流れ方向に向けた配置が採用されている。
図6(b)に示すスプリット部材24Aは、略T字状の断面形状を有し、火炉11内に向けた出口側に微粉炭及び空気の流れ方向と略直交する面が配置されている。なお、このような略T字状断面形状を変形させることにより、たとえば図6(c)に示すように、台形状の断面形状を有するスプリット部材24A′としてもよい。
また、図6(d)に示すスプリット部材24Bは、略L字状の断面形状を有している。すなわち、上述した略T字状の一部を切り取ったような断面形状であり、特に、左右(水平)方向に配置する場合においては、上方の凸部を除去した略L字形状にすれば、スプリット部材24Bに微粉炭が堆積することを防止できる。なお、上方の凸部を除去した分、下方の凸部を大きくすることで、スプリット部材24Bに必要な分離性能を確保することができる。
しかし、上述したスプリット部材24等の断面形状については、たとえば略Y字形状等のように、図示の例に限定されることはない。
このように構成した固体燃料焚きバーナ20において、微粉炭バーナ21の出口開口中央付近に設置したスプリット部材24は、微粉炭及び空気の流路を分割して流れを内部で乱すとともに、スプリット部材24の前方(下流側)に再循環域を形成するため、内部保炎機構として機能する。
一般に、従来の固体燃料焚きバーナ20は、火炎外周で輻射を受けて燃料の微粉炭に着火する。火炎外周で微粉炭に着火すると、NOxは高温の酸素が残存する火炎外周の高温酸素残存領域H(図1(b)参照)で発生し、十分に還元されないまま残存してNOx排出量を増加させている。
しかし、内部保炎部材として機能するスプリット部材24が設けられたことにより、微粉炭は火炎内部で着火するようになる。このため、NOxは火炎内部で発生し、火炎内部で発生したNOxは還元作用を有する炭化水素類を多く含んでいることから、空気不足の状態にある火炎内で迅速に還元される。従って、火炎外周に保炎器を設置する保炎をやめて、すなわち、バーナ外周に保炎機構を設置しない構造の固体燃料焚きバーナ20とし、火炎外周でのNOx発生を抑制することも可能になる。
特に、複数方向のスプリット部材24を配設したクロスタイプとすることにより、微粉炭バーナ21の出口開口中央付近に対し、異なる方向のスプリット部材24を交差させた交差部を容易に設けることができる。このような交差部が微粉炭バーナ21の出口開口中央付近に存在していると、微粉炭バーナ21の出口開口においては、中央付近で微粉炭及び空気の流路が複数に分割されるので、複数に分流する際に流れが乱される。
すなわち、スプリット部材24が左右一方向の場合、中央部における空気の拡散や着火が遅れて局所的に極端な空気不足領域が存在し、未燃分増加の原因になるが、スプリット部材24を複数方向に配設して交差部が形成されるクロスタイプでは、火炎内部での空気の混合が促進されるとともに着火面が細分化されるので、結果として未燃分の低減が可能になる。
換言すれば、交差部を形成するようにスプリット部材24を配設すれば、空気の混合・拡散が火炎Fの内部で促進され、さらに着火面が細分化されることにより、着火位置が火炎Fの中央部(軸中心部)に寄って微粉炭の未燃分を低減する。すなわち、火炎Fの中心部まで酸素が入り込みやすくなるので、内部着火が効果的に行われるようになり、従って、火炎内部で迅速な還元が行われてNOxの発生量は低減される。
この結果、火炎外周に設置した保炎器による保炎をやめ、火炎外周に保炎器のない固体燃料焚きバーナ20を用いて火炎外周でのNOx発生を抑制することは、より一層容易になる。
このような複数方向のスプリット部材24において、本実施形態では、スプリット部材24を炉内側から見た部材幅寸法をスプリッタ幅Wとした場合、方向毎にスプリッタ幅Wが異なるクロスタイプのものを配設している。
たとえば図1(a)に示すクロスタイプの構成例では、コール1次ポート22の出口開口部に上下方向のスプリット部材(以下、「縦スプリッタ」と呼ぶ)24V及び左右方向のスプリット部材(以下、「横スプリッタ」と呼ぶ)24Hが各々1本ずつ配設されている。
そして、縦スプリッタ24Vのスプリッタ幅Wvが、横スプリッタ24Hのスプリッタ幅Whより太く広い幅広(Wv>Wh)となっているが、逆の構成としてもよい。
すなわち、図示のスプリット部材24は、縦方向のスプリッタ機能を強化することにより、横方向のスプリッタ機能を相対的に低下させるため、縦スプリッタ24Vのスプリッタ幅Wvを横スプリッタ24Hのスプリッタ幅Whより大きく設定した構造である。
このような構成は、角度調整可能な燃料バーナ21の角度変化に対応するものである。
燃料バーナ21は、たとえば図1(b)に示すように、旋回燃焼ボイラ10で生成する蒸気温度を所望の値に調整するため、バーナ角度(ノズル角度)αを上下方向に適宜変化させることができる。
しかしながら、バーナ角度αが変化しても、適所に固定支持されているスプリット部材24は、燃料バーナ21と一体に角度変化しない。このため、燃料バーナ21とスプリット部材24との位置関係は、バーナ角度αの変化に応じて変動することとなる。
上述したバーナ角度αを上下に変化させると、微粉炭及び1次空気を投入する際には、微粉炭流と横スプリッタ24Hとの位置関係が変動する。このような位置関係の変動は、横スプリッタ24Hのスプリッタ幅Whが幅広になるほど大きな影響を受けるようになるので、結果的にバーナ性能も影響を受けて一定に保つことは困難になる。従って、燃料バーナ21のバーナ角度αが変化しても、バーナ性能が影響を受けないようにすることが望まれる。
そこで、本実施形態においては、縦スプリッタ24Vのスプリッタ幅Wvを相対的に幅広とし、縦方向のスプリッタ機能を強化したスプリット部材24は、横スプリッタ24Hのスプリッタ幅Whが必要最小限まで狭められ、バーナ角度αの変化による位置関係の変動を最小限に抑えたものである。
従って、スプリット部材24は、スプリッタ幅Wの小さい横スプリッタ24Hを残し、上下及び左右の両方向にスプリッタが存在するクロスタイプとなるので、空気の混合促進及び着火面の細分化を維持することができる。このため、スプリット部材24は、火炎Fの中心部まで空気が入り込みやすくなり、結果として中央部の着火促進により未燃分の低減が可能になるというクロスタイプの利点を維持したまま、バーナ角度αの変化による位置関係の変動を最小限に抑えて、バーナ性能を略一定に保つことができる。
また、2次空気投入ポート30が微粉炭バーナ21の上下方向に配置される旋回燃焼方式の場合には、横スプリッタ24Hのスプリッタ幅Whが、縦スプリッタ24Vのスプリッタ幅Wvより太く広い幅広(Wh>Wv)とする。
これは、縦スプリッタ24Vのスプリッタ幅Wvが必要以上に大きいと、スプリッタ機能が強くなって微粉炭の着火源となりやすいためである。
しかも、縦スプリッタ24Vの上下両端部付近での着火は、着火源が2次空気投入ポート30に近い位置にあるため、火炎外周での着火が2次空気と直接干渉しやすい状況にある。この結果、縦スプリッタ24Vを着火源として火炎外周で着火した微粉炭には多量の空気が混合されることとなり、従って、高温の酸素が残存する火炎外周の高温酸素残存領域HでNOxを発生する。このNOxは、十分に還元されないまま残存し、最終的なNOx排出量を増加させる原因となる。
しかし、横スプリッタ24Hのスプリッタ幅Whを幅広とし、横スプリッタ24Hのスプリッタ機能を強化すると、微粉炭バーナ21の上下に存在する2次空気投入ポート30の近傍では着火源が縮小されて小さくなる。すなわち、幅広とした横スプリッタ24Hの下流側には、大きな再循環域となる負圧領域が形成され、強いスプリッタ機能が発揮されるため、微粉炭及び1次空気の流れは上下方向の中心部に集中しやすくなる。
この結果、縦スプリッタ24Vの両端部付近を着火源とし、火炎外周で着火するとともに大量の空気が混合される微粉炭量は大幅に減少する。一方、微粉炭及び1次空気の混合・拡散は、火炎Fの内部まで促進されて空気(酸素)が火炎Fの中心部まで入り込みやすくなる。この結果、内部着火が効果的に行われるようになるので、火炎内部における迅速な還元が行われてNOxの発生量は低減される。
この場合、縦スプリッタ24Vを残すことにより、すなわち、スプリッタ幅Wvの小さい縦スプリッタ24Vを設けて上下及び左右に存在するクロスタイプのスプリット部材24とすることにより、空気の混合促進及び着火面の細分化がなされる。このため、クロスタイプのスプリット部材24を備えた固体燃料焚きバーナ20は、火炎Fの中心部まで空気が入り込みやすくなり、結果として中央部の着火促進により未燃分の低減が可能になる。
<第2の参考実施形態>
次に、本発明の第2参考実施形態に係る固体燃料焚きバーナを説明する。
この実施形態では、固体燃料焚きバーナ20に設けられたスプリット部材24(内部保炎部材)が、スプリッタ幅Wの異なる複数方向に配置したスプリッタにより構成され、かつ、同方向に3本以上配置した中央部のスプリッタ幅Wを幅広にして周辺部を相対的に狭めた構成となっている。
このように構成されたスプリット部材24は、固体燃料焚きバーナ20の中央部に幅広にしたスプリッタが配置されているので、中央部のスプリッタ機能が強化された構造となり、外部着火を防止しながら内部着火を強化できるようになる。
すなわち、本実施形態の固体燃料焚きバーナ20は、中央部を幅広にしたクロスタイプのスプリット部材24を備えているので、微粉炭バーナ21の外周部で着火源となるスプリッタの存在が最小限に抑えられることにより、外部着火の防止または抑制が可能となり、さらに、中央部のスプリッタ機能が強化されたことにより、火炎Fの中心部まで空気が入り込みやすくなり、結果として中央部の着火促進により未燃分の低減が可能になる。
ところで、上述した構成例では、上下及び左右に各々3本のスプリッタを配設し、上下及び左右の中央に配置された1本のみを幅広としているが、スプリッタの数は勿論のこと、幅広とするスプリッタの数や位置等については、これに限定されることはない。
たとえば、上下及び左右に4本のスプリッタを配設し、上下及び左右の中央部となる2本ずつを幅広としてもよい。また、中央部に配置されたスプリッタは、上下及び左右の両方を幅広とする必要はなく、たとえば中央部に配置された上下のみまたは左右のみを幅広としてもよい。従って、複数方向の一方にのみ3本以上のスプリッタを配置して中央部を幅広とし、他の方向については、幅広または幅の狭い1本とする構成や、幅の狭い1本とする構成等も包含される。
<実施形態>
次に、本発明の実施形態に係る固体燃料焚きバーナを図7に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、微粉炭及び1次空気の流れを火炎内部の中央部(軸中心側)に導くため、固体燃料焚きバーナ20Aに設けられたスプリット部材24(内部保炎部材)が、複数方向に配置したスプリッタどうしの交差角部に取り付けた遮蔽部材(内部保炎部材)を備えている。すなわち、スプリット部材24の機能をより一層向上させ、火炎内部の着火面増加や内部保炎強化を図るという目的を達成するため、スプリット部材24の機能補強部材として、スプリット部材24が交差して形成される交差角部の少なくとも1箇所に、流路断面積を低減する遮蔽部材を設けたものである。
上述した遮蔽部材は、たとえば交差角部の交差中心部側を塞ぐようにしてスプリット部材24に取り付けられた三角板50が好適であり、炉内側から見たコール1次ポート22の開口面積は、すなわち微粉炭及び1次空気の流路断面積は、三角板50の面積に相当する分だけ減少する。この三角板50は、微粉炭及び1次空気の流路断面積を低減するだけでなく、火炎内部の着火面を増加するとともに、微粉炭及び1次空気の流れを中央部に導く機能も有している。
換言すれば、三角板50は、スプリット部材24の下流側に形成されて再循環域となる負圧領域を増大させるように設置する遮蔽部材であり、スプリット部材24の保炎効果を強化することができる。
従って、上下及び左右に交差するスプリッタ24H,24Vの交差部に形成された4箇所の交差角部のうち、少なくとも1箇所に設けられていればよい。
また、上述した遮蔽部材は、図8(a)に示した三角板(三角形の板状部材)50に限定されることはなく、たとえば円形や楕円形を1/4にした形状の板材としてもよい。さらに、たとえば図8(b)に示す三角錐50Aのように、流れをいったん外向きに導いて再循環域を形成する傾斜面を備えたものでもよい。
このように、スプリッタ24H,24Vの交差部に、三角板50や三角錐50Aのような遮蔽部材を設けると、スプリット部材24の機能はより一層向上し、火炎内部の着火面増加や内部保炎強化を達成できる。
上述した本実施形態の固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラによれば、火炎Fの外周に形成される高温酸素残存領域Hを抑制することにより、AA部14から排出される最終的なNOx発生量の低減が可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば粉体の固体燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 旋回燃焼ボイラ
11 火炉
12 バーナ部
14 追加空気投入部(AA部)
20,20A 固体燃料焚きバーナ
21 微粉炭バーナ(燃料バーナ)
22 コール1次ポート
23 コール2次ポート(燃料バーナ用2次ポート)
24 スプリット部材(内部保炎部材)
24V 縦スプリッタ
24H 横スプリッタ
30 2次空気投入ポート
40 ダンパ
50 三角板(内部保炎部材である遮蔽部材)
50A 三角錐(内部保炎部材である遮蔽部材)
F 火炎
H 高温酸素残存領域

Claims (4)

  1. 固体燃料焚きボイラのバーナ部に用いられ、粉体の固体燃料及び空気を炉内へ投入する固体燃料焚きバーナが、粉体燃料及び一次空気を炉内へ投入する燃料バーナと、該燃料バーナの外周から2次空気を噴射する燃料バーナ用2次ポートとを備え、
    前記燃料バーナの流路前方部に、複数方向に延在する複数の内部保炎部材を配設し、前記内部保炎部材が交差する交差角部に、流路断面積を低減する遮蔽部材が設けられていることを特徴とする固体燃料焚きバーナ。
  2. 前記遮蔽部材は、前記交差角部の交差中心部側を塞ぐように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の固体燃料焚きバーナ。
  3. 前記燃料バーナの上下に近接して2次空気投入ポートが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体燃料焚きバーナ。
  4. 粉体燃料及び空気を炉内へ投入する請求項1からのいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナが、前記炉内のコーナ部あるいは壁面部に配置されていることを特徴とする固体燃料焚きボイラ。
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