JP5535521B2 - 石炭焚ボイラ - Google Patents

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本発明は、たとえば微粉炭等の石炭を燃料として焚く石炭焚ボイラに関する。
従来、固体燃料焚きのボイラには、たとえば固体燃料として微粉炭を焚く微粉炭焚きボイラがある。このような微粉炭焚きボイラにおいては、旋回燃焼ボイラ及び対向燃焼ボイラという二種類の燃焼方式が知られている。
このうち、微粉炭焚きの旋回燃焼ボイラにおいては、燃料の微粉炭とともに石炭バーナから投入される1次空気の上下に2次空気投入用の2次空気投入ポートを設置し、石炭バーナ周囲の2次空気について流量調整を行っている。(たとえば、特許文献1参照)
上述した1次空気は、燃料の微粉炭を搬送するために必要な空気量であり、石炭を粉砕して微粉炭とするローラミル装置において空気量が規定される。
上述した2次空気は、旋回燃焼ボイラ内において火炎全体を形成するために必要となる空気量を吹き込むものである。従って、旋回燃焼ボイラの2次空気量は、概ね微粉炭の燃焼に必要な全空気量から1次空気量を差し引いたものとなる。
一方、対向燃焼ボイラのバーナにおいては、1次空気(微粉炭供給)の外側に2次空気及び3次空気を導入して空気導入量の微調整を行うことが提案されている。(たとえば、特許文献2参照)
特許第3679998号公報 特開2006−189188号公報
ところで、上述した従来の石炭焚ボイラにおいては、窒素酸化物(NOx)を低減するため、一般的には追加空気投入(Additional Air;AA)を用いた二段燃焼を行い、バーナ付近では還元燃焼が行われている。
また、従来のバーナでは、微粉炭バーナの外周に保炎機構(先端角部の調整、旋回等)を設置し、さらに、微粉炭バーナのすぐ外周に近接して2次空気、あるいは3次空気を投入するための空気投入ポートを設置した構成が一般的である。このため、微粉炭バーナにおいては、投入された微粉炭への着火が火炎外周で起こり、火炎外周の着火領域では空気投入ポートからの空気が多量に混合されることとなる。
この結果、微粉炭バーナの火炎には、火炎外周にNOxを発生させる高温酸素残存領域が形成される。この高温酸素残存領域は、酸素濃度が高くなり、高温での燃焼が進行する火炎外周の領域であるから、NOxを発生しやすい燃焼環境となっている。従って、従来の微粉炭バーナに形成される火炎においては、高温酸素残存領域を形成する火炎外周からのNOx発生量が多くなる。
こうして、微粉炭バーナの火炎外周から発生したNOxは、そのまま火炎外周を通過することになるので、燃焼環境が異なる火炎内部と比較すれば、還元が遅れることとなる。この結果、火炎外部で発生したNOxは還元されずに残り、この残存したNOxが従来の微粉炭バーナ及び石炭焚ボイラにおけるNOx発生の原因となっている。
このような背景から、微粉炭等の固体燃料を焚く石炭焚ボイラにおいては、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制し、NOx発生量を低減することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制(弱く)することにより、NOx発生量の低減を可能にした固体燃料焚きの石炭焚ボイラを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る石炭焚ボイラは、粉体燃料及び空気を炉内へ投入するバーナが各段の各コーナ部あるいは壁面部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成される石炭焚ボイラにおいて、前記バーナが、粉体燃料及び空気を投入する燃料バーナと、該燃料バーナの上下または左右に各々配置されて流量調整手段を有する2次空気投入ポートとを備え、前記燃料バーナの流路先端部に1または複数本のスプリット部材を設けるとともに、前記燃料バーナと前記2次空気投入ポートとの間に、前記燃料バーナから炉内へ向けて形成される火炎に前記2次空気投入ポートから投入される2次空気が干渉しない程度の離間距離を設けたことを特徴とするものである。
このような本発明の石炭焚ボイラによれば、バーナが、粉体燃料及び空気を投入する燃料バーナと、該燃料バーナの上下または左右に各々配置されて流量調整手段を有する2次空気投入ポートとを備え、燃料バーナの流路先端部に1または複数本のスプリット部材を設けるとともに、燃料バーナと2次空気投入ポートとの間に、燃料バーナから炉内へ向けて形成される火炎に2次空気投入ポートから投入される2次空気が干渉しない程度の離間距離を設けたので、粉体燃料の流れがスプリット部材を通過することにより、火炎の内部で流れに乱れを生じて粉体燃料の濃淡が形成される。従って、スプリット部材は、粉体燃料の安定した着火を確保する保炎機構としての機能を果たし、火炎の広がりが抑制されて火炎の内部で粉体燃料に着火するようになるので、NOxは火炎内部で発生して迅速に還元される。
さらに、2次空気投入ポートと燃料バーナとの間には、2次空気が火炎と干渉しない程度の離間距離を設けてあるため、2次空気投入ポートから火炎に対して投入される2次空気の供給を緩慢にして火炎中の酸素濃度を下げることができる。
この結果、火炎と干渉しない程度に離間した配置の2次空気投入ポートから2次空気を緩慢に供給することにより、低温の2次空気による火炎の温度低下(冷却)が最小限に抑えられるので、火炎が空気不足の状況にあるにもかかわらず、火炎が高温化して安定した着火を継続し、高温かつ低酸素濃度での燃焼が可能になる。すなわち、火炎の外周に形成されていた高温酸素残存領域が抑制され、NOx及び未燃分を大幅に低減した燃焼が可能になる。
なお、保炎機構として機能するスプリット部材を複数本設置する場合には、隣接するスプリット部材間に所定の間隔を設けることとなる。
上記の石炭焚ボイラにおいては、前記スプリット部材を複数方向に設けておくことが好ましい。すなわち、前記複数本のスプリット部材は、前記燃料バーナの流路の中心軸に平行である第1平面に沿う第1スプリット部材と、互いに平行である複数の第2平面にそれぞれ沿う複数の第2スプリット部材とを含んでいる。前記複数の第2平面は、それぞれ、前記中心軸に平行であり、かつ、前記第1平面に交差している。これにより、火炎内に粉体燃料の濃淡が複数形成されるため、保炎機能をより一層向上させることができる。この場合の複数方向には、たとえば左右方向及び上下方向の組合せ等がある。さらに、その複数本のスプリット部材は、互いに交差させることにより、粉体燃料の濃淡の所定の数形成するときに、部品点数を比較的少なくすることができ、容易に作製されることができる。
上記の石炭焚ボイラにおいては、前記スプリット部材を流路断面中央部に集中配置することが好ましい。すなわち、前記スプリット部材により前記流路に形成される複数の開口のうちの前記中心軸に近い第1開口の断面積は、前記複数の開口のうちの前記第1開口より前記中心軸から遠い第2開口の断面積より小さい。これにより、粉体燃料の濃淡形成が火炎の中央部に集中するようになるので、火炎中央部の着火がより一層促進されるとともに、2次空気との距離を有効に保つことができる。
上記の石炭焚ボイラにおいて、前記2次空気投入ポートは、前記燃料バーナの軸中心から外向きの角度となるように設置されていることが好ましく、これにより、2次空気投入ポートの設置位置を燃料バーナに近づけても、燃料バーナから炉内へ向けて形成される火炎に2次空気投入ポートから投入される2次空気が干渉しないため、バーナ高さの低減が可能になる。
また、2次空気投入ポートが隣接する場合には、2次空気を火炎に対して斜めに投入することにより、2次空気と火炎との混合を遅延させることができる。
上記の石炭焚ボイラにおいて、前記2次空気投入ポートの流路内部には、リブを設けてもよいし、あるいは、旋回羽根を設けてもよい。
ここで、2次空気投入ポートの流路内部に、たとえば流路内側(燃料バーナ側)にリブを設けることにより、火炎に対する2次空気の混合を調整することができる。また、流路内部に旋回羽根車を設けることにより、バーナ高さを抑制して2次空気の流れが火炎と干渉しないように離すことも可能になる。
上述した本発明によれば、微粉炭等の固体燃料を焚く石炭焚ボイラにおいて、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制し、NOx発生量を低減するという顕著な効果が得られる。
すなわち、本発明の燃料バーナは、粉体燃料を火炉内へ投入する燃料流路に保炎機能を有するスプリット部材を設けて火炎の広がりを抑制し、低酸素濃度の環境下においても粉体燃料を安定燃焼させることができる。そして、粉体燃料の着火が火炎の内部で行われるので、火炎内部で発生したNOxが迅速に還元されて排出量は低減される。
また、火炎と干渉しない程度に離間して配置された2次空気投入ポートから2次空気が緩慢に供給されるため、低温の2次空気による火炎の温度低下(冷却)を最小限に抑え、火炎が空気不足の状況にあるにもかかわらず、高温の火炎を維持して安定した着火が継続される。従って、本発明の石炭焚ボイラは、高温かつ低酸素濃度の環境下での燃焼が可能になり、NOx及び未燃分ともに大幅に低下させた燃焼が可能になる。
本発明に係る石炭焚ボイラの一実施形態を示す図であり、(a)はバーナ構造を示す縦断面図、(b)は(a)のバーナを火炉内から見た正面図である。 図1に示すバーナ構造について、2次空気の供給系統を示す図である。 本発明に係る石炭焚ボイラの構成例を示す縦断面図である。 図3の横(水平)断面図である。 図1に示したスプリット部材の変形例を示す図で、(a)はY字状断面形状のスプリット部材、(b)三角形断面のスプリット部材を示す断面図である。 図1に示したバーナ構造の第1変形例を示しており、(a)は縦断面図、(b)は(a)のバーナを火炉内から見た正面図である。 図1に示したバーナ構造の第2変形例を示す図で、バーナを火炉内から見た正面図である。 図1に示したバーナ構造の第3変形例を示す縦断面図である。 図1に示したバーナ構造の第4変形例を示す縦断面図である。 図1に示したバーナ構造の第5変形例を示す図で、(a)は平面図、(b)はバーナを火炉内から見た正面図である。 図1に示したバーナ構造の第6変形例を示す平面図である。 図1に示したバーナ構造の第7変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る石炭焚ボイラの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図3及び図4に示す石炭焚ボイラ10は、火炉11内へ空気を多段で投入することにより、バーナ部12から追加空気投入部(以下、「AA部」と呼ぶ)14までの領域を還元雰囲気にして燃焼排ガスの低NOx化を図っている。還元雰囲気となるバーナ部12からAA部14までの距離については、すなわち、還元燃焼ゾーンの距離(高さ)については、長くなるほど燃焼ガスの滞留時間が長くなってNOx発生量は小さくなる。なお、図中の符号20は微粉炭等の粉体燃料及び空気を投入するバーナ、15は追加空気を投入する追加空気投入ノズルである。
以下の実施形態では、石炭焚ボイラ10が粉体燃料として微粉炭を使用する微粉炭焚きとして説明するが、これに限定されることはない。従って、微粉炭焚きのバーナ20には、微粉炭を1次空気で搬送する微粉炭混合気輸送管16及び2次空気を供給する送気ダクト17が接続され、追加空気投入ノズル15には、2次空気を供給する送気ダクト17が接続されている。
このように、上述した石炭焚ボイラ10は、微粉炭(粉体燃料)及び空気を火炉11内へ投入するバーナ20が各段の各コーナ部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部12とされ、各段にはそれぞれ1または複数(図示の例では1個)の旋回火炎が形成される旋回燃焼方式を採用している。すなわち、図3及び図4に示す石炭焚ボイラ10は、微粉炭及び空気を火炉11の内部(炉内)へ投入するバーナ20が、略正方形とした断面形状を有する火炉11内で各段の各コーナ部に配置されることにより、1個の旋回火炎を形成するものである。しかし、以下に説明する本発明は、たとえば長方形断面形状を有する火炉11内のコーナ部及び壁面部にバーナ20を配置することにより、2個の旋回火炎を形成する旋回燃焼方式のバーナ部等にも適用可能であり、特に限定されることはない。
本実施形態の石炭焚ボイラ10において、バーナ部12の各バーナ20は、たとえば図1に示すように、微粉炭及び空気を投入する微粉炭バーナ(燃料バーナ)21と、該微粉炭バーナ21の上下に各々配置されて2次空気を投入する2次空気投入ポート30とを備えている。
微粉炭バーナ21は、1次空気により搬送された微粉炭を投入する矩形状のコール1次ポート22と、コール1次ポート22の周囲を取り囲むように設けられて2次空気の一部を投入するコール2次ポート23とを備えている。微粉炭バーナ21から投入される微粉炭は、火炉11内へ向けて略真っ直ぐに流れる。
微粉炭バーナ21の上下には、2次空気投入用として2次空気投入ポート30が略平行に設けられている。この2次空気投入ポート30は、各々が独立した流路及びポートに分割されており、2次空気投入ポート30から投入される2次空気は、火炉11内へ向けて略真っ直ぐに流れる。
2次空気投入ポート30の各流路及びコール2次ポート23には、たとえば図2に示すように、送気ダクト17から各々分岐した流路を介して供給される2次空気の流量調整手段として、開度調整可能なダンパ40が設けられている。なお、2次空気投入ポート30の位置については、微粉炭バーナ21の上下に限定されることはなく、左右であってもよい。
図示の構成例では、バーナ20の微粉炭バーナ21が、旋回燃焼方式とした微粉炭焚きボイラの火炉11内に微粉炭及び空気を投入して燃焼させるため、微粉炭を1次空気で搬送して火炉11内へ投入する燃料流路となるコール1次ポート22に、保炎機構として機能するスプリット材24が設けられている。このスプリット材24は、コール1次ポート22の流路先端部(火炉11側の出口付近)に、流路断面積の中央部を水平に横断するようにして1本設置されている。この場合のスプリット部材24は、その断面形状が略T字形状を90度回転させた横向きとされる。従って、コール1次ポート22内を1次空気に搬送されて流れてきた微粉炭は、流路断面中央部においてスプリット部材24により流路を上下に分割される。
なお、スプリット部材24については、図示の略T字状断面に限定されることはなく、たとえば図5(a)に示す略Y字状の断面形状や、図5(b)に示す三角形の断面形状等を採用してもよい。
この結果、微粉炭の流れがスプリット部材24を通過することにより、火炉11内に形成される火炎の内部で流れに乱れを生じ、微粉炭の濃度に濃淡が形成される。
すなわち、スプリット部材24の下流では、微粉炭の流れに濃淡が形成される。この濃淡は、スプリット部材24に区分された二つの流れにおいて、流路断面の中心に近い領域で微粉炭の濃度が高くなる。換言すれば、スプリット部材24を通過して上下に分割された微粉炭の流れは、スプリット部材24より上部において、流路断面中央よりやや上部に最も微粉炭濃度の高い濃領域Cが形成され、この濃領域Cから上方へ徐々に微粉炭濃度が低下している。同様に、スプリット部材24より下部において、流路断面中央よりやや下部に最も微粉炭濃度の高い濃領域Cが形成され、この濃領域Cから下方へ徐々に微粉炭濃度が低下している。
従って、スプリット部材24は、微粉炭の安定した着火を確保する保炎機構としての機能を果たし、火炎が大きく広がることを抑制する。このため、火炎内部に投入される微粉炭は、濃領域Cの微粉炭が確実に安定した着火をするようになる。この結果、微粉炭は火炎の内部で燃焼するようになり、燃焼により生成されるNOxは、火炎内部に発生して迅速に還元される。
また、燃料バーナ21と2次空気投入ポート30との間には、燃料バーナ21から火炉11内へ向けて形成される火炎に2次空気投入ポート30から投入される2次空気が干渉しない程度の離間距離Lが設けられている。この離間距離Lは、2次空気投入ポート30から投入される2次空気の供給を緩慢にして火炎中の酸素濃度を下げるものであり、換言すれば、離間距離Lは、低温の2次空気が火炎に到達しにくい適度な距離である。すなわち、離間距離Lは、2次空気が火炎に混合されることを抑制できる程度の距離であり、2次空気を投入する圧力等の諸条件にもよるが、燃料バーナ21の高さ寸法h(図1参照)を基準にして1h〜3h程度が必要となる。
このような離間距離Lを設けることにより、火炎に混合される2次空気量が減少するので、火炎内の酸素濃度を減少させるとともに、火炎温度の低下を最小限に抑えて比較的高温の状態に維持することができる。
また、2次空気が火炎と干渉しない程度に離間距離Lを設けて2次空気投入ポート30を配置したことにより、低温の2次空気による火炎の温度低下(冷却)を最小限に抑えることができる。このため、火炎が空気不足の状況にあるにもかかわらず、火炎が高温化して安定した着火を継続するので、高温かつ低酸素濃度での燃焼が可能になる。すなわち、火炎の外周に形成されていた高温酸素残存領域が抑制され、NOx及び未燃分を大幅に低減した燃焼が可能になる。
ところで、上述したバーナ20の微粉炭バーナ21は、たとえば図6に示す第1変形例のように、スプリット部材24を複数方向に設けてもよい。図示の例では、左右(水平)方向の2本と上下(鉛直)方向の3本とにより、合計5本のスプリット部材24が設置されている。なお、同一方向に複数本のスプリット部材24を設置する場合には、隣接するスプリット部材24間に所定の間隔を設ける必要がある。
このようなスプリット部材24の配置によれば、火炎の内部には、微粉炭の濃淡がスプリット部材24の数だけ形成されるので、保炎機能をより一層向上させることができる。なお、この場合の複数方向は、上述した左右方向及び上下方向の組合せに限定されることはない。
また、スプリット部材24の複数本配置は、たとえば左右方向の一方向にのみ複数本のスプリット部材24を配置する構成を採用してもよい。
また、上述したバーナ20の微粉炭バーナ21は、たとえば図7に示す第2変形例のように、スプリット部材24を流路断面中央部に集中配置することが好ましい。すなわち、複数本を設置する場合において、流路断面の全体に均等配置するのではなく、流路断面中央部に対して密に配置することが望ましい。
このような集中配置を採用すると、微粉炭の濃淡形成及び流れの乱れを火炎の中央部に集中させることができるので、火炎中央部の着火がより一層促進されるとともに、2次空気との距離を有効に保つことができる。すなわち、2次空気投入ポート30との間に設けた離間距離Lについても、離間距離Lによって形成される2次空気との距離を確実に確保して有効利用することができる。
また、上述したバーナ20の微粉炭バーナ21は、たとえば図8に示す第3変形例のように、バーナ20Aの2次空気投入ポート30Aが、微粉炭バーナ21の軸中心から上下方向外向きに角度θだけ傾斜させた設置としてもよい。なお、図8に示す構成例は、図6の第1変形例に示す2次空気投入ポート30を微粉炭バーナ21側へ近づけるとともに、2次空気投入ポート30を上下方向外向きに角度θまで傾斜させたものであるが、この第3変形例は、他の実施形態や変形例にも同様に適用可能である。
このように、上下方向外向きに傾斜させた2次空気投入ポート30Aを採用すると、2次空気投入ポート30Aの設置位置を微粉炭バーナ21に近づけても、微粉炭バーナ21から火炉11内へ向けて形成される火炎に2次空気投入ポート30Aから投入される2次空気が干渉しないため、バーナ高さの低減が可能になる。すなわち、2次空気投入ポート30Aから投入された2次空気は、火炎から離間する方向に流れるので、諸元を同じにして比較する場合、図8に示す最大の離間距離L1を平行配置の離間距離Lよりも小さく設定することが可能になる。
この結果、微粉炭ノズル21の上下に2次空気投入ポート30Aが配設されたバーナ20Aは、離間距離L1が低減されたことにより、バーナ20Aの全高寸法を小さくすることができる。
また、図9に示す第4変形例では、傾斜配置した2次空気投入ポート30Aの流路内部にリブ31を設けてある。すなわち、図示の例では、2次空気投入ポート30Aの出口内側(微粉炭ノズル21側)にリブ31を設けてあり、2次空気の流れをリブ31に衝突させることにより、2次空気の流れに変化が生じるようになっている。特に、2次空気投入ポート30Aの出口内側に設けたリブ31は、2次空気の流れを火炎から離間させる方向に変化させるので、リブ31の高さ等を適宜調整することにより、火炎に対する2次空気の混合を調整することができる。
また、図10に示す第5変形例は、2次空気投入ポート30Cが隣接する左吹出口30L,右吹出口30Rを備えている場合であり、2次空気を火炎に対して斜めに投入することにより、2次空気と火炎との混合を遅延させることができる。
すなわち、図10(a)に示す第5変形例では、平面視がY字状に分岐して左吹出口30L,右吹出口30Rから火炉11内に2次空気を投入する2次空気投入ポート30Cとされ、微粉炭バーナ21の軸線から左右方向外向きに傾斜した左吹出口30L及び右吹出口30Rが隣接して配置されているので、2次空気は火炎から離間する方向に流出して混合が遅延する。
また、このような2次空気投入ポート30Cにおいても、たとえば図11に示す第6変形例のように、左吹出口30L,右吹出口30Rの出口内側(微粉炭ノズル21の軸中心側)にリブ31を設けてもよい。このようなリブ31を設けることにより、2次空気の流れがリブ31に衝突して流れに変化を生じるので、2次空気の混合において遅延が大きい場合など、リブ31の高さ等を適宜調整して火炎に対する2次空気の混合を調整することができる。
また、図12に示す第7変形例では、2次空気投入ポート30Bの流路内に複数の旋回羽根32を設けてある。この場合の2次空気投入ポート30Bは、微粉炭バーナ21の軸線と平行に形成されている。そして、2次空気投入ポート30Bの流路内には、旋回羽根32が設けられている。この旋回羽根32は、たとえば翼型断面を有するものであり、2次空気の流れを火炎から効率よく離間させることができる。
このような構成を採用すれば、バーナ高さを最小限に抑えて2次空気の流れが火炎と干渉しないように離間させることも可能になる。
このように、上述した実施形態及び各変形例の石炭焚ボイラ10によれば、微粉炭等の固体燃料を焚く石炭焚ボイラにおいて、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域Hを抑制してNOx発生量の低減が可能になる。すなわち、微粉炭バーナ21から投入される微粉炭(粉体燃料)は、保炎機構となるスプリット部材24により火炎の中央部に濃淡が形成され、安定した着火を確保することができるようになる。このため、低酸素濃度の環境下にある火炎内部において、微粉炭等の粉体燃料を安定燃焼させることができる。
さらに、火炎と干渉しない程度に離間して配置された2次空気投入ポート30から2次空気が緩慢に供給されるため、低温の2次空気による火炎の温度低下(冷却)を最小限に抑えることができる。このため、2次空気の供給が緩慢で空気不足の状況にある火炎においても、高温の火炎を維持して安定した着火を継続できる。従って、本発明の石炭焚ボイラ10は、高温かつ低酸素濃度の環境下でも微粉炭等の粉体燃料を燃焼させることができ、しかも、NOx及び未燃分ともに大幅に低下させた燃焼が可能になる。
ところで、上述した各実施形態及び変形例は、図示に基づいて説明した以外にも適宜組合せが可能である。また、上述した実施形態では、バーナ部12からAA14までの領域を還元雰囲気とする空気の多段投入の石炭焚ボイラ10として説明したが、本発明はこれに限定されることはない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば粉体燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 石炭焚ボイラ
11 火炉
12 バーナ部
14 追加空気投入部(AA部)
20,20A バーナ
21 微粉炭バーナ(燃料バーナ)
22 コール1次ポート(燃料流路)
23 コール2次ポート
24,24A,24B スプリット部材
30,30A,30B,30C 2次空気投入ポート
31 リブ
32 旋回羽根

Claims (4)

  1. 粉体燃料及び空気を炉内へ投入するバーナが各段の各コーナ部あるいは壁面部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成される石炭焚ボイラにおいて、
    前記バーナが、粉体燃料及び空気を投入する燃料バーナと、該燃料バーナの上下または左右に各々配置されて流量調整手段を有する2次空気投入ポートとを備え、
    前記燃料バーナの流路先端部に複数本のスプリット部材を設けるとともに、
    前記燃料バーナと前記2次空気投入ポートとの間に、前記燃料バーナから炉内へ向けて形成される火炎に前記2次空気投入ポートから投入される2次空気が干渉しない程度の離間距離を設け、
    前記複数本のスプリット部材は、
    前記燃料バーナの流路の中心軸に平行である第1平面に沿う第1スプリット部材と、
    互いに平行である複数の第2平面にそれぞれ沿う複数の第2スプリット部材とを含み、
    前記複数の第2平面は、それぞれ、前記中心軸に平行であり、かつ、前記第1平面に交差し、
    前記スプリット部材により前記流路に形成される複数の開口のうちの前記中心軸に近い中央部開口の断面積は、前記複数の開口のうちの前記中央部開口より前記中心軸から遠い周辺部開口の断面積より小さいことを特徴とする石炭焚ボイラ。
  2. 前記2次空気投入ポートは、前記燃料バーナの軸中心から外向きの角度となるように設置されていることを特徴とする請求項1に記載の石炭焚ボイラ。
  3. 前記2次空気投入ポートの流路内部にリブを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の石炭焚ボイラ。
  4. 前記2次空気投入ポートの流路内部に旋回羽根を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の石炭焚ボイラ。
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