JP6049815B2 - 固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラ - Google Patents

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本発明は、たとえば微粉炭等の固体燃料(粉体燃料)を焚く固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラに関する。
従来、固体燃料焚きのボイラには、たとえば固体燃料として微粉炭(石炭)を焚く微粉炭焚きボイラがある。このような微粉炭焚きボイラにおいては、旋回燃焼ボイラ及び対向燃焼ボイラという二種類の燃焼方式が知られている。
このうち、微粉炭焚きの旋回燃焼ボイラにおいては、燃料の微粉炭とともに石炭焚きバーナ(固体燃料焚きバーナ)から投入される1次空気の上下に2次空気投入用の2次空気投入ポートを設置して、石炭焚きバーナ周囲の2次空気について流量調整を行っている。
上述した1次空気は、燃料の微粉炭を搬送するために必要な空気量であるから、石炭を粉砕して微粉炭とするローラミル装置において空気量が規定される。そして、上述した2次空気は、旋回燃焼ボイラ内において火炎全体を形成するために必要となる空気量を吹き込むものであるから、旋回燃焼ボイラの2次空気量は、概ね微粉炭の燃焼に必要な全空気量から1次空気量を差し引いたものとなる。
また、旋回燃焼ボイラのバーナにおいては、微粉炭を外周に濃淡分離し、さらに、火炎外周の着火を強化する外部保炎が行われている。
これに対して、対向燃焼ボイラのバーナにおいては、たとえば下記の特許文献1に開示されているように、1次空気(微粉炭供給)の外周側に2次空気及び3次空気を導入して空気導入量の微調整を行うことが行われている。すなわち、火炉内から見て円形としたバーナの外周に保炎機構(先端角度の調整、旋回等)を設置するとともに、バーナ外周に近接して2次空気や3次空気の投入口を同心円状に設置する外部保炎構造のバーナが一般的である。
また、従来の微粉炭焚きバーナにおいては、たとえば下記の特許文献2に開示されているように、微粉炭を外周に濃淡分離し、さらに火炎外周の着火を強化することが行われている。
また、下記の特許文献3にも、外周保炎器及びスプリットにより構成された保炎器が開示されている。この場合、外周保炎器がメインであり、スプリットは補助的なものとなっている。
特開2006−189188号公報 特開平8−296815号公報 特開平9−203505号公報
さて、従来の石炭焚きバーナは、バーナ外周に保炎機構(先端角度の調整、旋回等)を設置し、さらに、すぐ外周に近接して2次空気(あるいは3次空気)の投入ポートを設置することが一般的である。このため、火炎の外周で着火が起こり、火炎の外周において大量の空気が混合されることとなる。この結果、火炎外周の燃焼は、火炎外周の高温酸素残存領域において酸素濃度が高い高温状態で進行することになり、従って、NOxは火炎外周で発生していた。
このようにして、火炎外周の高温酸素残存領域で発生したNOxは、火炎の外周を通過するので、火炎内部と比較して還元が遅れることとなり、これが石炭焚きボイラからNOxを発生させる要因となっていた。
一方、対向燃焼ボイラにおいても、旋回により、火炎外周で着火するため、火炎の外周で同様にNOxが発生する要因となっていた。
このような背景から、上述した従来の石炭焚きバーナ及び石炭焚きボイラのように、粉体の固体燃料を焚く固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラにおいては、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制し、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量を低減することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制(弱く)することにより、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量の低減を可能にした固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラを提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
請求項1に係る固体燃料焚きバーナは、バーナ部と追加空気投入部とに分けて低NOx燃焼を行う固体燃料焚きボイラの前記バーナ部に用いられ、粉体の固体燃料及び空気を炉内へ投入する固体燃料焚きバーナが、粉体燃料及び一次空気を炉内へ投入する燃料バーナと、該燃料バーナの外周から2次空気を噴射する燃料バーナ用2次ポートとを備え、前記燃料バーナの流路前方部に内部保炎用部材として複数のスプリット部材を配設し、該スプリット部材の外周側で前記燃料バーナ用2次ポートに隣接する端部の一部が除去され、前記スプリット部材の除去部の長さは、前記スプリット部材の最大熱膨張時に、該スプリット部材の端部が前記燃料バーナ用2次ポートに接触しない長さであることを特徴とするものである。
このような固体燃料焚きバーナによれば、燃料バーナの流路前方部に設置されたスプリット部材は、微粉炭及び空気の流路を分割して流れを内部で乱す。さらに、このスプリット部材は、スプリット部材の前方に再循環域を形成するため、内部保炎機構として機能する。この結果、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域の抑制が可能となる。
特に、スプリット部材の端部を除去した領域では、スプリット部材を着火源とする着火を抑制できるようになり、かつ、火炎内部となるスプリット部材の中心部側で保炎機能を有効に活用できる。
上記の発明において、複数の前記スプリット部材は、一方向に配置されていることが望ましい。
上記の発明において、前記スプリット部材は、鉛直方向に配設され、該鉛直方向の前記スプリット部材の端部が除去されていてもよい。
上記の発明において、前記スプリット部材は、鉛直方向と水平方向とに配設され、少なくともどちらか一方向の前記スプリット部材の端部が除去されていることが望ましく、これにより、スプリット部材の端部における着火源を低減して内部着火の促進が可能になる。すなわち、上下及び左右の2方向を交差させたクロスタイプのスプリット部材は、上下及び左右の端部のうち、少なくともいずれかが除去されていればよい。
特に、旋回燃焼方式の場合には、上下方向の端部を除去したスプリット部材とすることが望ましく、これにより、2次空気と直接干渉しやすい上下端に高温高酸素領域が形成されることを防止できる。
上記の発明において、前記スプリット部材は複数の方向に複数配設され、これら複数の前記スプリット部材のうち、前記燃料バーナ用2次ポートに隣接する前記スプリット部材の端部の一部が除去されていることが好ましい。
これにより、スプリット部材の端部を除去した領域では、スプリット部材を着火源とする着火を抑制できるようになり、かつ、火炎内部となるスプリット部材の中心部側で保炎機能を有効に活用できる。
上記の発明において、前記固体燃料焚きボイラは、バーナ部と追加空気投入部とに分けて低NOx燃焼を行うことが好ましく、これにより、追加投入空気を分けることでさらに還元を強めることができる。
本発明の固体燃料焚きボイラは、粉体燃料及び空気を炉内へ投入する請求項1から5のいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナが、前記炉内のコーナ部あるいは壁面部に配置されていることを特徴とするものである。
このような固体燃料焚きボイラによれば、粉体燃料及び空気を炉内へ投入する請求項1からのいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナが、前記炉内のコーナ部あるいは壁面部に配置されているので、燃料バーナの出口開口中央付近に配置されて内部保炎機構として機能するスプリット部材が粉体燃料及び空気の流路を分割して流れを乱す。この結果、空気の混合及び拡散が火炎の内部まで促進されるようになり、さらに着火面が細分化されることにより、着火位置が火炎の中央に寄って燃料の未燃分を低減する。すなわち、火炎の中心部まで酸素が入り込みやすくなるので、内部着火が効果的に行われるようになり、従って、火炎内部で迅速な還元が行われてNOxの発生量は低減される。
特に、スプリット部材の端部を除去した領域では、スプリット部材が着火源となる着火を抑制できるようになり、かつ、火炎内部となるスプリット部材の中心部側で保炎機能を有効に活用できる。
上述した本発明の固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラによれば、燃料バーナの出口開口に内部保炎機構として機能する複数のスプリット部材を設けたので、スプリット部材が位置する燃料バーナの出口開口中央付近では、粉体燃料及び空気の流路を分割して流れを乱すことができ、さらに、スプリット部材が着火面を細分化する。従って、着火位置が火炎の中央に寄り、中央では相対的に酸素濃度が低いため、火炎内部で迅速な還元が行われるようになり、固体燃料焚きボイラから最終的に排出されるNOxの発生量は低減される。さらには、複数のスプリッタを設けたことで、内部の空気拡散が促進され、火炎が局所的に極端な酸素不足となり、未燃分が発生することを抑制できる。
すなわち、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域を抑制し、追加空気投入部から排出される最終的なNOx発生量の低減が可能になる。換言すれば、火炎の外周に形成される高温酸素残存領域が抑制されることにより、予混合燃焼に近い燃焼をする火炎内部で発生したNOxが効果的に還元されるので、追加空気投入部に到達するNOx量の減少及び追加空気投入により発生するNOx量の減少により、最終的に排出されるNOx量が減少するという顕著な効果が得られる。
特に、スプリット部材の端部を除去した領域では、スプリット部材を着火源とする着火を抑制できるようになり、かつ、火炎内部となるスプリット部材の中心部側で保炎機能を有効に活用できる。
本発明に係る旋回燃焼ボイラ用の固体燃料焚き(石炭燃料焚き)バーナについて第1の実施形態を示す図で、(a)は固体燃料焚きバーナを火炉内から見た正面図、(b)は(a)に示す固体燃料焚きバーナのA−A断面図(固体燃料焚きバーナの縦断面図)である。 図1の固体燃料焚きバーナに空気を供給している空気供給系統を示す図である。 本発明に係る固体燃料焚きボイラ(石炭焚きボイラ)の構成例を示す縦断面図である。 図3の横(水平)断面図である。 追加空気投入部を備えて空気を多段投入する固体燃料焚きボイラの概要を示す説明図である。 図1に示した固体燃料焚きバーナのスプリット部材について、(a)は断面形状の一例を示す図、(b)断面形状の第1変形例を示す図、(c)は断面形状の第2変形例を示す図、(d)は断面形状の第3変形例を示す図である。
以下、本発明に係る固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラの一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラの一例として、微粉炭(粉体の固体燃料である石炭)を燃料とする固体燃料焚きバーナを備えた旋回燃焼ボイラについて説明するが、これに限定されることはない。
図3〜図5に示す旋回燃焼ボイラ10は、火炉11内へ空気を多段で投入することにより、バーナ部12から追加空気投入部(以下、「AA部」と呼ぶ)14までの領域を還元雰囲気にして燃焼排ガスの低NOx化を図っている。
図中の符号20は微粉炭(粉体の固体燃料)及び空気を投入する固体燃料焚きバーナ、15は追加空気を投入する追加空気投入ノズルである。固体燃料焚きバーナ20には、たとえば図3に示すように、微粉炭を1次空気で搬送する微粉炭混合気輸送管16及び2次空気を供給する送気ダクト17が接続され、追加空気投入ノズル15には、2次空気を供給する送気ダクト17が接続されている。
このように、上述した旋回燃焼ボイラ10は、粉体燃料の微粉炭(石炭)及び空気を火炉11内へ投入する固体燃料焚きバーナ20が各段の各コーナ部に配置される旋回燃焼方式のバーナ部12とされ、各段にそれぞれ1または複数の旋回火炎が形成される旋回燃焼方式を採用している。
<第1の実施形態>
図1に示す固体燃料焚きバーナ20は、微粉炭及び空気を投入する微粉炭バーナ(燃料バーナ)21と、微粉炭バーナ21の外周から2次空気を噴射する2次ポートとを備えている。本実施形態において、微粉炭バーナ21の外周から2次空気を噴射する2次空気ポートは、微粉炭バーナ21の上下に各々配置された2次空気投入ポート30と、後述する燃料バーナ用2次ポート23とにより構成される。
2次空気投入ポート30は、ポート毎の空気流量調整を可能にするため、たとえば図2に示すように、送気ダクト17から分岐した2次空気の供給ライン毎に、流量調整手段として開度調整可能なダンパ40を備えている。
上述した微粉炭バーナ21は、1次空気により搬送された微粉炭を投入する矩形状のコール1次ポート22と、コール1次ポート22の周囲を取り囲むように設けられて2次空気の一部を投入する燃料バーナ用2次ポート23とを備えている。なお、燃料バーナ用2次ポート23についても、図2に示すように、流量調整手段として開度調整可能なダンパ40を備えている。なお、コール1次ポート22は、円形や楕円でもよい。
微粉炭バーナ21の流路前方部には、すなわち、コール1次ポート22の流路前方部にはスプリット部材24が配設され、図示省略の支持部材等に固定されている。このスプリット部材24は、たとえば図1(a)に示すように、コール1次ポート22の出口開口部において、上下方向の略中心位置に水平方向の1本が配設され、水平(左右)方向の両端部が部分的に除去された除去部24aとなっている。なお、図1(a)において、除去部24aは破線で表示されている。
この場合、図1に示すように、スプリット部材24から燃料バーナ用2次ポート23に隣接する端部の一部を除去したスプリット部材24の長さ(軸中心からの長さ)L2は、微粉炭バーナ21の流路幅、すなわちコール1次ポート22の流路幅(軸中心からの流路幅)をL1とした場合、寸法比L2/L1がL2/L1>0.2となるように設定する。また、この寸法比L2/L1は、より好ましい値はL2/L1>0.6である。すなわち、スプリット部材24から端部の一部を除去する除去部24aについては、上述した寸法比がL2/L1>0.2の条件を満たすように、より好ましくはL2/L1>0.6の条件を満たすように設けたものが望ましい。
上述したスプリット部材24は、たとえば図6(a)〜図6(d)に示すような断面形状を採用することにより、微粉炭及び空気の流れをスムーズに分離させて乱すことができる。
図6(a)に示すスプリット部材24は、三角形の断面形状を有している。図示の三角形は正三角形や二等辺三角形であり、火炉11内に向けた出口側の一辺が微粉炭及び空気の流れ方向と略直交するように配置されている。換言すれば、三角形断面を形成する角部の1つを、微粉炭及び空気の流れ方向に向けた配置が採用されている。
図6(b)に示すスプリット部材24Aは、略T字状の断面形状を有し、火炉11内に向けた出口側に微粉炭及び空気の流れ方向と略直交する面が配置されている。なお、このような略T字状断面形状を変形させることにより、たとえば図6(c)に示すように、台形状の断面形状を有するスプリット部材24A’としてもよい。
図6(d)に示すスプリット部材24Bは、略L字状の断面形状を有している。すなわち、上述した略T字状の一部を切り取ったような断面形状であり、特に、左右(水平)方向に配置する場合においては、上方の凸部を除去した略L字形状にすれば、スプリット部材24Bに微粉炭が堆積することを防止できる。なお、上方の凸部を除去した分、下方の凸部を大きくすることで、スプリット部材24Bに必要な分離性能を確保することができる。
しかし、上述したスプリット部材24等の断面形状については、たとえば略Y字形状等のように、図示の例に限定されることはない。
ところで、本実施形態のスプリット部材24はこれに限定されることはなく、従って、上述したスプリット部材24は、たとえば上下方向及び左右方向に各々2本ずつ、合計4本が所定の間隔を有する格子状に配設されたものでもよい。この場合、上下方向の2本については、2次空気投入ポート30に近い上下両端部が除去され、左右方向の2本については、コール1次ポート22の左右両端部まで設けられるなど、種々の態様が選択可能である。
すなわち、4本のスプリット部材24を設置する場合には、上下方向及び左右方向の異なる2方向に向けて格子状に配設されるクロスタイプとすることで、微粉炭バーナ21におけるコール1次ポート22の出口開口部を細分化(9分割)している。また、スプリット部材24に挟まれる部分では、圧損が大きく、噴出口での流速が低下し、より内部での着火が促進される。
なお、除去する部分(除去部24a)は、たとえば上下方向のスプリット部材24については、上述した左右方向のスプリット部材24の位置にあわせなくてもよい。また、スプリット部材24の端部は、全方向を除去することにより、外周部での着火を完全に抑制できるため、外周に保炎器を設置しない構造とすることが望ましい。
また、上述した除去部24aは、2次空気量がより多くなる方向、すなわち燃料バーナ用2次ポート23の外周(上下)に2次空気投入ポート30が隣接して設けられた方向に設けてもよい。
このように構成した固体燃料焚きバーナ20において、微粉炭バーナ21の出口開口中央付近に設置したスプリット部材24は、微粉炭及び空気の流路を分割して流れを内部で乱すとともに、スプリット部材24の前方(下流側)に再循環域を形成するため、内部保炎機構として機能する。
一般に、従来の固体燃料焚きバーナ20は、火炎外周で輻射を受けて燃料の微粉炭に着火する。火炎外周で微粉炭に着火すると、NOxは高温の酸素が残存する火炎外周の高温酸素残存領域H(図1(b)参照)で発生し、十分に還元されないまま残存してNOx排出量を増加させている。
しかし、内部保炎機構として機能するスプリット部材24が設けられたことにより、微粉炭は火炎Fの内部で着火するようになる。このため、NOxは火炎内部で発生し、火炎内部で発生したNOxは還元作用を有する炭化水素類を多く含んでいることから、空気不足の状態にある火炎内で迅速に還元される。従って、火炎外周に保炎器を設置する保炎をやめて、すなわち、除去部24aを形成することによりバーナ外周に保炎機構を設置しない構造の固体燃料焚きバーナ20とすれば、火炎外周でのNOx発生を抑制することも可能になる。
特に、複数方向のスプリット部材24を配設したクロスタイプとすることにより、微粉炭バーナ21の出口開口中央付近に対し、異なる方向のスプリット部材24を交差させた交差部を容易に設けることができる。このような交差部が微粉炭バーナ21の出口開口中央付近に存在していると、微粉炭バーナ21の出口開口においては、中央付近で微粉炭及び空気の流路が複数に分割されるので、複数に分流する際に流れが乱される。
すなわち、スプリット部材24が左右一方向の場合、中央部における空気の拡散や着火が遅れて局所的に極端な空気不足領域が存在し、未燃分増加の原因になるが、スプリット部材24を複数方向に配設して交差部が形成されるクロスタイプでは、火炎内部での空気の混合が促進されるとともに着火面が細分化されるので、結果として未燃分の低減が可能になる。
換言すれば、交差部を形成するようにスプリット部材24を配設すれば、空気の混合・拡散が火炎Fの内部で促進され、さらに着火面が細分化されることにより、着火位置が火炎Fの中央部(軸中心部)に寄って微粉炭の未燃分を低減する。すなわち、火炎Fの中心部まで酸素が入り込みやすくなるので、内部着火が効果的に行われるようになり、従って、火炎内部で迅速な還元が行われてNOxの発生量は低減される。
この結果、火炎外周に設置した保炎器による保炎をやめ、火炎外周に保炎器のない固体燃料焚きバーナ20を用いて火炎外周でのNOx発生を抑制することは、より一層容易になる。
このような複数方向のスプリット部材24において、本実施形態では、スプリット部材24の外周側でかつ燃料バーナ用2次ポート23に隣接する複数個所の端部、すなわち左右端部の少なくとも一部を除去すればよい。
図1(a)に示す構成例の第1変形例では、上述したように、外周側となる上下方向のスプリット部材24から上下両端部を除去する。すなわち、スプリット部材24の上下両端部を除去した外周側の領域は、スプリット部材24が存在せず、しかも、スプリット部材24から燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30までの距離が増している。なお、クロスタイプのスプリット部材24は、横方向の左右端部でも外周着火が生じるものの、旋回燃焼においては、左右方向から火炎Fの周囲に吹き込まれる2次空気量が限られるため、本実施形態では左右両端部を残して着火面を確保している。
この結果、スプリット部材24が存在しない上下両端の外周側領域では、スプリット部材24を着火源とする着火が生じなくなり、一方、火炎内部となるスプリット部材24の中心部側では、保炎機能を有効に活用できる。従って、2次空気投入量が多い2次空気投入ポート30に近いため、2次空気と直接干渉しやすい上下両端部側の領域では、着火が生じにくくなることにより、火炎外周に高温高酸素領域が形成されることを防止または抑制できる。すなわち、燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30に隣接する上下両端部を除去したスプリット部材24は、微粉炭バーナ20の内部で着火を強化できるとともに、火炎外周の高温酸素領域、特に火炎上下端の高温酸素領域が形成されることを防止できる。
ところで、上述したスプリット部材24の端部除去は、第1変形例に限定されることはない。
第2変形例では、スプリット部材24が上下左右に各々2本ずつ配設されている。この場合、上述した実施形態と同様に、上下方向のスプリット部材24について、燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30に近い上下両端部の全てが除去されている。このスプリット部材24は、1本としてもよいし、3本以上でもよい。
第3変形例では、スプリット部材24が上下左右に各々3本ずつ配設されている。この変形例における上下方向のスプリット部材24は、燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30に近い上下両端部のうち、中央に配置された1本のみが除去されている。なお、上下方向のスプリット部材24については、特に上下両端部を除去しない上下方向のスプリット部材24については、より上下端部あるいは全体のスプリッタ幅Wを狭めて着火面積を低減することが望ましい。
このように、微粉炭バーナ21の上下に隣接して燃料バーナ用2次ポート23及び2次空気投入ポート30が配設されている旋回燃焼ボイラ用の固体燃料焚きバーナ20においては、上下両端部の少なくとも一部を除去したクロスタイプのスプリット部材24を設置することにより、特に2次空気と直接干渉しやすい上下端に高温高酸素領域が形成されることを防止または抑制できる。
こうして火炎Fの外周に形成される高温酸素残存領域が抑制されると、予混合燃焼に近い燃焼をする火炎内部で発生したNOxが効果的に還元されるようになる。従って、AA部14まで到達するNOx量の減少や追加空気投入により発生するNOx量の減少により、AA部14から最終的に排出されるNOx量が減少する。
また、第4変形例では、クロスタイプのスプリット部材24が、上下及び左右方向の少なくとも一方に3本以上配設され、上下左右の中央部に配置された少なくとも一方を残して端部が除去されている。
すなわち、第4変形例は、スプリット部材24が上下左右に各々3本ずつ配設されている構成は第2変形例及び第3変形例と同じである。しかし、この変形例では、上下及び左右の中央に配置された1本のスプリット部材24が端部まで設けられ、その両端に配置されたスプリット部材24は、上下左右の端部が全て除去されている。
このように、第4変形例のスプリット部材24とすれば、上下左右の中央部を除く外周部にスプリット部材24が存在しない構造となり、最も外周着火に寄与すると考えられる領域にはほとんどスプリット部材24が存在していない。このため、第4変形例のような構成例のスプリット部材24は、スプリット部材24が着火源となる外周着火の有効な防止策となる。
また、本実施形態のスプリット部材24は、たとえば第5変形例のように、必要に応じて外周着火源となりうる左右端部の少なくとも一部を除去してもよい。
すなわち、保炎器として機能するクロスタイプのスプリット部材24においては、横方向の左右両端部でも外周着火を生じることがあるので、上下及び左右の端部を全部除去した構造は、外部着火を完全に防止するために有効である。特に、微粉炭バーナ21の左右に2次空気投入ポートを設ける場合には、上述した上下の2次空気投入ポート30と同様の理由により、左右の端部も削除して着火源を低減することが望ましい。
<参考実施形態>
次に、本発明の参考実施形態に係る対向燃焼ボイラに適用される固体燃料焚きバーナを説明する。
本参考実施形態の固体燃料焚きバーナには、円形断面としたコール1次ポートの外周に、複数の同心円状とした2次空気投入ポートが設けられている。この2次空気投入ポートは、たとえば内部2次空気投入ポート及び外部2次空気投入ポートの2段で構成されるが、これに限定されることはない。
また、コール1次ポートの出口中心部には、異なる2方向のスプリット部材が格子状に複数本(たとえば、縦及び横方向に合計4本)配設されている。この場合のスプリット部材については、第1の実施形態で説明した数、配置及び断面形状等を適用可能であるが、特に、円形であることから、全周にわたって端部を除去することが望ましい。あるいは、円形スプリット部材を設けて円形内部に放射状スプリット部材を複数本配設し、円形の周方向を複数に分割した構成としてもよい。この場合、円形スプリット部材については、複数の同心円としてもよい。
上述した本参考実施形態の固体燃料焚きバーナ及び固体燃料焚きボイラによれば、火炎Fの外周に形成される高温酸素残存領域Hを抑制することにより、AA部14から排出される最終的なNOx発生量の低減が可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば粉体の固体燃料が微粉炭に限定されないなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 旋回燃焼ボイラ
11 火炉
12 バーナ部
14 追加空気投入部(AA部)
20 固体燃料焚きバーナ
21 微粉炭バーナ(燃料バーナ)
22 コール1次ポート
23 燃料バーナ用2次ポート
24 スプリット部材
24a 除去部
30 2次空気投入ポート
40 ダンパ
F 火炎
H 高温酸素残存領域

Claims (6)

  1. 固体燃料焚きボイラのバーナ部に用いられ、粉体の固体燃料及び空気を炉内へ投入する固体燃料焚きバーナが、粉体燃料及び一次空気を炉内へ投入する燃料バーナと、該燃料バーナの外周から2次空気を噴射する燃料バーナ用2次ポートとを備え、
    前記燃料バーナの流路前方部に内部保炎用部材として複数のスプリット部材を配設し、該スプリット部材の外周側で前記燃料バーナ用2次ポートに隣接する端部の一部が除去され、
    前記スプリット部材の除去部の長さは、前記スプリット部材の最大熱膨張時に、該スプリット部材の端部が前記燃料バーナ用2次ポートに接触しない長さであることを特徴とする固体燃料焚きバーナ。
  2. 複数の前記スプリット部材は、一方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の固体燃料焚きバーナ。
  3. 前記スプリット部材は、鉛直方向に配設され、該鉛直方向の前記スプリット部材の端部が除去されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固体燃料焚きバーナ。
  4. 前記スプリット部材は、鉛直方向と水平方向とに配設され、少なくともどちらか一方向の前記スプリット部材の端部が除去されていることを特徴とする請求項1に記載の固体燃料焚きバーナ。
  5. 前記スプリット部材は複数の方向に複数配設され、これら複数の前記スプリット部材のうち、前記燃料バーナ用2次ポートに隣接する前記スプリット部材の端部の一部が除去されていることを特徴とする請求項1に記載の固体燃料焚きバーナ。
  6. 粉体燃料及び空気を炉内へ投入する請求項1から5のいずれか1項に記載の固体燃料焚きバーナが、前記炉内のコーナ部あるいは壁面部に配置されていることを特徴とする固体燃料焚きボイラ。
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