JP4007261B2 - 軒先化粧構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒先化粧構造に関し、具体的には、軒樋の手前側面に沿って下方を化粧するのに有用な軒先化粧構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の軒先化粧構造としては、例えば、下記の特許文献1に示されている実開平7−6355号公報のようなものが知られていた。具体的には、図4に示すごとく、軒樋(2)の下方に軒先(10)に沿って化粧片部材(13)を設けていたものであり、上記軒樋(2)の前耳部(8)と後耳部(9)が、軒先(10)に取り付けられた吊り具(1)に引っ掛けられることで、同軒樋(2)は取り付けられていたものであった。
【0003】
【特許文献1】
実開平7−6355号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の軒先化粧構造においては、軒先(10)に沿って化粧片部材(13)を設けていることで、軒先(10)においてのボリューム感を醸し出すことはできるものの、軒樋(2)と化粧片部材(13)とは別体で連結されることなく、不連続なままで施工を完結させているために、仕上がり後に軒樋(2)と化粧片部材(13)との連続した一体感を出すことはできないものであった。
【0005】
そこで、吊り具の下方で軒先に取り付けられる化粧吊り具とこの化粧吊り具に吊り付けられる化粧部材により、仕上がり後に軒樋との連続した一体感を出そうとしたが、化粧吊り具や化粧部材の位置決めが容易ではなく、その結果、取り付けとしても容易なものではなかった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、化粧吊り具や化粧部材の位置決めを簡単に行うことができて施工を簡潔にし、しかも、仕上がり後に軒樋との連続した一体感を出して、美麗な外観が確実に得られる軒先化粧構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る軒先化粧構造は、吊り具(1)を介して軒先(10)に取り付けられる軒樋(2)、この軒樋(2)の下方で上記吊り具(1)に引っ掛けて取り付けられる化粧吊り具(3)、および、この化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられ、上記軒樋(2)の前耳側の側面に沿って下方を化粧し、軒樋(2)の前耳側側面と化粧部材の前耳側側面が略面一状になって軒樋(2)との連続した一体感を出す同化粧部材(4)を設けたことを特徴とする軒先化粧構造上記軒樋(2)の手前側面に沿って下方を化粧する化粧部材(4)を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る軒先化粧構造は、上記吊り具(1)の一部に軒樋(10)の前耳側に突出する凸部(5)を設けるとともに、この凸部(5)と嵌合する凹部(6)を上記化粧吊り具(3)の一部に設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る軒先化粧構造は、上記凸部(5)が、上記吊り具(1)の下端部分に設けられているものであり、上記凹部(6)が、上記化粧吊り具(3)の上端部分に設けられたものであることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る軒先化粧構造は、上記化粧吊り具(3)の軒樋(10)の前耳側に上記化粧部材(4)の後面側を密着支持させる化粧支持部(7)を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に係る図面に基づいて詳しく説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る軒先化粧構造を示した断面図である。図2は、本発明の軒先化粧構造に用いられる一実施形態に係る吊り具と飾り吊り具の要部のみを示した斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る軒先化粧構造において、施工手順を示した断面図である。
【0013】
本発明の軒先化粧構造は、図1ないし図3に示すごとく、吊り具(1)を介して軒先(10)に取り付けられる軒樋(2)、この軒樋(2)の下方で上記吊り具(1)に引っ掛けて取り付けられる化粧吊り具(3)、および、この化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられ、上記軒樋(2)の手前側面に沿って下方を化粧する化粧部材(4)を設けているものである。
【0014】
上記吊り具(1)は、図1に示すごとく、軒先(10)に直に取り付けられるものである。この吊り具(1)としては、通常ステンレス、鉄などの金属製のものが採用されるが、その他にも軒樋(2)を充分に支持する強度を有するものであれば、樹脂製のものであってもかまわないものである。この吊り具(1)は、軒樋(2)の前耳部(8)と後耳部(9)とがそれぞれ引っ掛けられるようにされており、このようにして同軒樋(2)は支持されているものである。
【0015】
上記軒樋(2)は、前述するごとき上記吊り具(1)を介して軒先(10)に取り付けられているものである。図3の[1]から[2]に示すごとく、吊り具(1)に軒樋(2)の前耳部(8)が引っ掛けられて、この前耳部(8)を中心として回転させるようにして後耳部(9)が引っ掛けられるものである。この軒樋(2)の材質としては、通常ステンレス、鉄、アルミ、銅などの金属製のものが採用されるが、その他にも軒樋(2)として充分に機能する強度を有するものであれば、樹脂製のものであってもかまわないものである。
【0016】
上記化粧吊り具(3)は、図1および図3の[3]から[4]に示すごとく、上記軒樋(2)の下方で上記吊り具(1)に引っ掛けて取り付けられるものである。この化粧吊り具(3)は、上記吊り具(1)に引っ掛けて取り付けられた後、ビス、釘などで軒先(10)に固定されるようになっているものである。この化粧吊り具(3)としても、上記吊り具(1)と同様に、通常ステンレス、鉄などの金属製のものが採用されるが、その他にも化粧部材(4)を充分に支持する強度を有するものであれば、樹脂製のものであってもかまわないものである。
【0017】
上記化粧部材(4)は、上記化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられ、上記軒樋(2)の手前側面に沿って下方を化粧するものである。この化粧部材(4)は、図1および図3の[4]に示すごとく、化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられることで、軒樋(2)の手前側面と同化粧部材(4)の手前側面とが略面一状になって、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を出すことができるものである。この化粧部材(4)としては、上記軒樋(2)と同様に、通常ステンレス、鉄、アルミ、銅などの金属製のものが採用されるものであり、その他にも化粧部材(4)として充分に機能する強度を有するものであれば、樹脂製のものであってもかまわないものであるが、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を出すのには、同軒樋(2)と全く同様の材質のものを選択されることが好ましいものである。
【0018】
なお、図1に示すごとく、上記化粧部材(4)は、上記化粧吊り具(3)の下端に引っ掛けて取り付けられるように下折り返し片(11)と、上記化粧吊り具(3)の上端に引っ掛けて取り付けられるように上折り返し片(12)とをそれぞれ設けているものである。
【0019】
本発明は、このような構成をとることによって、図3の[1]に示すごとく、吊り具(1)を介して軒先(10)に軒樋(2)が取り付けられるとともに、図3の[2]に示すごとく、化粧吊り具(3)はこの軒樋(2)の下方で吊り具(1)に引っ掛けて取り付けられており、しかも、図3の[3]に示すごとく、軒樋(2)の手前側面に沿って下方を化粧する化粧部材(4)は化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられているために、化粧吊り具(3)や化粧部材(4)の位置決めとしては簡単に行うことができて、結果として、施工を簡潔にできるものである。そして、施工した後の状態として、図3の[4]に示すごとく、軒樋(2)の手前側面と同化粧部材(4)の手前側面とが略面一状になって、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を出すことができるものである。
【0020】
すなわち、本発明は、化粧吊り具(3)や化粧部材(4)の位置決めを簡単に行うことができて施工を簡潔にし、しかも、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を出して、美麗な外観が確実に得られるものである。
【0021】
また、図2および図3の[2]に示すごとく、上記吊り具(1)の一部に手前側に突出する凸部(5)を設けるとともに、この凸部(5)と嵌合する凹部(6)を上記化粧吊り具(3)の一部に設けているものであると、吊り具(1)の一部にある手前側に突出している凸部(5)に対して、化粧吊り具(3)の一部にある凹部(6)を嵌め込むだけで、化粧吊り具(3)は軒樋(2)の下方で吊り具(1)に対して簡単に引っ掛けて取り付けることができるものであり、結果として、化粧吊り具(3)の位置決めがより一層簡単にできる上に、施工性が飛躍的に向上するものである。しかも、吊り具(1)の凸部(5)に対して、化粧吊り具(3)の凹部(6)を嵌め込まれているので、施工後外れ難いものとなっており、結果として、化粧吊り具(3)の落下防止になっているものである。
【0022】
さらに、図2および図3の[2]に示すごとく、上記凸部(5)が、上記吊り具(1)の下端部分に設けられているものであり、上記凹部(6)が、上記化粧吊り具(3)の上端部分に設けられたものであると、吊り具(1)と化粧吊り具(3)との長さを上下方向に充分に活かすことができるものとなり、結果として、化粧吊り具(3)を利用して化粧することができる部分を確実に長くとることができて、よって、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を大いに出すことができるものである。
【0023】
そして、図1および図3の[2]〜[4]に示すごとく、上記化粧吊り具(3)の手前側に上記化粧部材(4)の後面側を密着支持させる化粧支持部(7)を設けているものであると、化粧部材(4)としては化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられるだけでなく、化粧支持部(7)によって、化粧吊り具(3)の手前側に同化粧部材(4)の後面側を密着支持させることができるものとなり、結果として、化粧吊り具(3)に対しての同化粧部材(4)の取り付けがより一層確実なものとなる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る軒先化粧構造によると、吊り具(1)を介して軒先(10)に取り付けられる軒樋(2)、この軒樋(2)の下方で上記吊り具(1)に引っ掛けて取り付けられる化粧吊り具(3)、および、この化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられ、上記軒樋(2)の前耳側の側面に沿って下方を化粧し、軒樋(2)の前耳側側面と化粧部材の前耳側側面が略面一状になって軒樋(2)との連続した一体感を出す同化粧部材(4)を設けているために、化粧吊り具(3)や化粧部材(4)の位置決めとしては簡単に行うことができて、結果として、施工を簡潔にできるものである。そして、施工した後の状態として、軒樋(2)の手前側面と同化粧部材(4)の手前側面とが略面一状になって、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を出すことができるものである。
【0025】
すなわち、本発明は、化粧吊り具(3)や化粧部材(4)の位置決めを簡単に行うことができて施工を簡潔にし、しかも、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を出して、美麗な外観が確実に得られるものである。
【0026】
本発明の請求項2に係る軒先化粧構造によると、請求項1記載の場合に加えて、上記吊り具(1)の一部に軒樋(10)の前耳側に突出する凸部(5)に対して、化粧吊り具(3)の一部にある凹部(6)を嵌め込むだけで、化粧吊り具(3)は軒樋(2)の下方で吊り具(1)に対して簡単に引っ掛けて取り付けることができるものであり、結果として、化粧吊り具(3)の位置決めがより一層簡単にできる上に、施工性が飛躍的に向上するものである。しかも、吊り具(1)の凸部(5)に対して、化粧吊り具(3)の凹部(6)を嵌め込まれているので、施工後外れ難いものとなっており、結果として、化粧吊り具(3)の落下防止になっているものである。
【0027】
本発明の請求項3に係る軒先化粧構造によると、請求項2記載の場合に加えて、吊り具(1)と化粧吊り具(3)との長さを上下方向に充分に活かすことができるものとなり、結果として、化粧吊り具(3)を利用して化粧することができる部分を確実に長くとることができて、よって、仕上がり後に軒樋(2)との連続した一体感を大いに出すことができるものである。
【0028】
本発明の請求項4に係る軒先化粧構造によると、請求項1ないし請求項3いずれか記載の場合に加えて、化粧部材(4)としては化粧吊り具(3)に引っ掛けて取り付けられるだけでなく、化粧支持部(7)によって、化粧吊り具(3)の軒樋(10)の前耳側に同化粧部材(4)の後面側を密着支持させることができるものとなり、結果として、化粧吊り具(3)に対しての同化粧部材(4)の取り付けがより一層確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る軒先化粧構造を示した断面図である。
【図2】本発明の軒先化粧構造に用いられる一実施形態に係る吊り具と化粧吊り具の要部のみを示した斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る軒先化粧構造において、施工手順を示した断面図である。
【図4】一従来例に係る軒先化粧構造を示した断面図である。
【符号の説明】
1 吊り具
2 軒樋
3 化粧吊り具
4 化粧部材
5 凸部
6 凹部
7 化粧支持部
10 軒先
Claims (4)
- 吊り具を介して軒先に取り付けられる軒樋、この軒樋の下方で上記吊り具に引っ掛けて取り付けられる化粧吊り具、および、この化粧吊り具に引っ掛けて取り付けられ、上記軒樋の前耳側の側面に沿って下方を化粧し、軒樋の前耳側側面と化粧部材の前耳側側面が略面一状になって軒樋との連続した一体感を出す同化粧部材を設けたことを特徴とする軒先化粧構造。
- 上記吊り具の一部に軒樋の前耳側に突出する凸部を設けるとともに、この凸部と嵌合する凹部を上記化粧吊り具の一部に設けたことを特徴とする請求項1記載の軒先化粧構造。
- 上記凸部が、上記吊り具の下端部分に設けられているものであり、上記凹部が、上記化粧吊り具の上端部分に設けられたものであることを特徴とする請求項2記載の軒先化粧構造。
- 上記化粧吊り具の軒樋の前耳側に上記化粧部材の後面側を密着支持させる化粧支持部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の軒先化粧構造。
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