JP4006841B2 - 既設杭の引抜き工法及びその装置 - Google Patents

既設杭の引抜き工法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地中に埋設され、その後不要となった基礎杭やその他の既設杭を撤去するための方法及びその撤去に使用する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物の立て替え等に伴い、既に地中に埋設されている既設杭等の撤去を行う必要がある。
【0003】
既設杭がコンクリート杭の場合、既設杭を保持するための取掛りがなく、かつ重量があるため撤去作業に困難や危険が伴う。そのため、従来はこれらの既設杭の撤去には、既設杭より径の大きい鋼管等のケーシングを既設杭と同心となるように地中に埋設し、このケーシングを引き上げることにより、ケーシングと既設杭との間の土砂による摩擦抵抗を利用して既設杭をケーシングと一体に引き上げる方法や、ケーシング内に水やベントナイト等を加えケーシング内を泥濘化することによって既設杭の引き上げの際の摩擦抵抗を軽減し、既設杭のみを引き上げるようにした方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の方法の場合には、ケーシング内の土砂の性状によっては既設杭の重量を支えきれずに、既設杭を引き上げることができないこともあり、また後者の方法の場合には、ケーシング内を泥濘化するための水等が必要であり、コストがかかり、施工期間も長くなる上、水等を注入した後の地盤の悪化なども問題となった。
【0005】
さらに泥濘化した土砂の粘性や既設杭の重量に抗して既設杭を引き上げるのに十分な方法でワイヤーロープを既設杭に巻き着ける必要があったが、この作業も必ずしも確実であるとはいえず、作業に危険が伴っていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記諸問題を解決するためになされたものであって、下記構成の既設杭の引抜き工法及び既設杭の引抜き装置である。
(1)既設杭外径より大径のケーシングを、少なくとも既設杭の深度まで回転しながら、同既設杭を囲繞するようにして埋設し、次いで前記既設杭の中心軸に沿って貫通孔を穿設した後、上方から前記貫通孔内に長尺吊り材を挿入し、かつその長尺吊り材の下方先端を前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入し、その後長尺吊り材下方先端を拡大して既設杭底部端に掛止し、しかる後上方から長尺吊り材を引上げることにより同時に既設杭も引き上げられることを特徴とする既設杭の引抜き工法。
(2)既設杭外径より大径のケーシングを、少なくとも既設杭の深度まで回転しながら、同既設杭を囲繞するようにして埋設し、かつその際同時に前記既設杭の中心軸に沿って貫通孔を穿設しながらそれを行った後、上方から前記貫通孔内に長尺吊り材を挿入し、かつその長尺吊り材の下方先端を前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入し、その後、同長尺吊り材の下方先端を拡大して既設杭底部端に掛止し、しかる後上方から長尺吊り材を引上げることにより同時に既設杭も引き上げられることを特徴とする既設杭の引抜き工法。
(3)既設杭を少し引き上げた段階で、それの上部を短く切断して撤去する工程を繰り返しながら、杭引抜きを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の既設杭の引抜き工法。
(4)長尺吊り材が、長尺杆であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
(5)長尺吊り材が、長尺管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
【0007】
(6)長尺吊り材が、長尺ロープであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
(7)長尺吊り材が、長尺チェーンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
(8)既設杭外径より大径のケーシングと、同ケーシングを少なくとも前記既設杭の深度まで回転しながら、同既設杭を囲繞するようにして地中に埋設するケーシング埋設装置と、前記既設杭の中心軸に沿って貫通孔を穿設する貫通孔穿設装置と、上方から前記貫通孔の最下部まで挿入される長尺吊り材と、同長尺吊り材をその下方先端を既設杭底部端に掛止して上方から引上げる引上げ装置とからなり、かつ前記長尺吊り材の下方先端が前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入され引上げられる段階で、その吊り材先端が拡大し、ケーシング底部端を掛止する吊り材下部先端の拡大機構を備えるものであることを特徴とする既設杭の引抜き装置。
(9)吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、略重心部を支点として枢支された短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
(10)吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、短杆材の重心部から幅方向に若干ずれた位置を支点として枢支された短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
【0008】
(11)吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、中央部に突起部を有し、その突起部を支点として枢支された突起部付き短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
(12)吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、略中心点より若干離れた位置を支点として枢支された短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
(13)吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、トッグル装置を設けてなるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。(14)長尺吊り材が、長尺杆であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
(15)長尺吊り材が、長尺管であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
(16)長尺吊り材が、長尺ロープであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
(17)長尺吊り材が、長尺チェーンであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
(18)長尺吊り材が、金属製のものであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
(19)長尺吊り材が、鋼材製のものであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
(20)長尺吊り材が、ポリカーボネート樹脂等の高強度樹脂製のものであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は、本発明の既設杭の引抜き装置を用いて既設杭を引抜く作業手順及び抜孔の埋めもどし作業工程を説明する作業工程説明図である。
図5は、本発明装置に係る杭引上機の正面図を示す。
図6〜図8は、長尺吊り材の下方先端を拡大して既設杭の底端部に掛止する機構(長尺吊り材下部先端の拡大機構)例の説明図を示す。
図に基づいて本発明工程を概説すると、図1(a)に示すごとく、本発明の既設杭の引抜き工法においては、まず、引抜き撤去すべき既設杭1の外径より大径のケーシング2を回転しながら、少なくとも既設杭1の深度まで、同既設杭を囲繞するようにして地中に埋設し、さらに、既設杭1の中心軸に沿って貫通孔5を穿設する。なお、前記既設杭1の中心軸に沿って貫通孔5を穿設する作業は、前記ケーシング2を回転しながら、少なくとも既設杭1の深度まで、同既設杭1を囲繞するようにして地中に埋設する際に、同時的に行ってもよい。
【0010】
次いで、(b)図に示すごとく、上方から前記貫通孔5内に長尺吊り材6を挿入し、かつその長尺吊り材の下方先端を前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入する。
その後、図2(c)図に示すごとく、長尺吊り材6下方先端を拡大(拡大機構の具体的例示は図6〜図8参照)して既設杭底部端に掛止し、しかる後、(d)図に示すごとく、上方から長尺吊り材6を引上げることにより同時に既設杭1も引き上げられる。
図3(e)、(f)図に示すごとく、引き上げ途中において、既設杭1は適当な長さに切断されて、移動車(図示せず)により運び出される。
さらに、図4(g)図に示すごとく、孔に土砂を埋めもどした後、(h)図に示すごとく、ケーシングを穿孔時の逆回転して引き抜く。
前記の長尺吊り材6としては、長尺杆、長尺管、長尺ロープ、長尺チェーン等が挙げられる。
また、長尺吊り材6の材質は、高強度金属、特に鋼材が好適なものであり、ポリカーボネート樹脂等の高強度合成樹脂であってもよい。
【0011】
以下に本発明の既設杭引抜き作業を、図面に基づき、工程順に詳説する。
図1(a)の作業工程についての説明。
杭抜機4は懸垂式リーダ4a及び回転昇降機4bを備えている。
掘進具2aを取り付けたケーシング2と穿孔具3とを、回転昇降機4bに同軸に装着し、既設杭1を囲繞するようにして、ケーシング2を回転させながら地中に埋設し、同時に既設杭1の中心軸に貫通孔5を穿設する。
なお、既設杭1の中心軸に貫通孔5を穿設する作業は、ケーシング2を地中に埋設した後に行ってもよい。
ケーシング2は鋼管等の管体で、下端部に周設されたスクリュー刃よりなる掘進具2aが取り付けられている。なお、ケーシング2はジョイント(図示せず)により、既設杭1の長さに応じて何個で連接できるようになっている。
【0012】
掘進具2aは外周面にスクリュー状の刃(切削羽根)を備えた鋼管等の管体で、この掘進具2aを取り付けたケーシング2を既設杭1の頭部を包むようにして地面に当接し、次いでケーシング2を回転昇降機4bで回転駆動することにより、ケーシング2は既設杭1を囲繞するようにして地中に埋入して行く。この際、ケーシング2は回転しているので、ケーシング2内壁面と既設杭1外周部面との間には抵抗の大きな接合関係がなくなり、抵抗の少ない縁切れ状態となる。
また、穿孔具3は外周に螺旋状の切削羽根を備えた鋼製等の錐で、既設杭1の頭部中心にその先端をセットし穿孔具3を回転昇降機4bで回転駆動することにより、既設杭1の中心軸に沿って孔が穿孔されて行く。この孔を既設杭1の底端に至るまで穿孔して既設杭1の中心軸に貫通孔5を穿設する。
【0013】
図1(b)の作業工程についての説明。
前記の図1(b)の作業工程により、ケーシング2を既設杭1の底端部に至るまで地中に埋入させ、また既設杭1の中心軸に沿って貫通孔5を穿設した後、この貫通孔5に上方から長尺吊り材6を挿入して行く。長尺吊り材6は先端に、既設杭1底端部外において、拡大する拡大機構60を備えている。先端に掛止機構60を備えた長尺吊り材6を上方から挿入する。挿入時にはこの掛止機構60は折り畳み状態にしておく。また、既設杭1の上方に杭引上げ機7を据え付ける。なお、杭引上げ機7は、図5に示すごとく、下部架台71、上部架台72、クランプ装置73及び切断装置74を備えており、下部架台71はジャッキ71aにより、また上部架台72は引上げ装置72aにより、それぞれ上下に昇降するようになっている。
【0014】
図2(c)の作業工程についての説明。
図2(c)に示すごとく、長尺吊り材6が既設杭1の底端部より若干下方まで挿入されると、先端の拡大機構8が拡大して、長尺吊り材6の下方先端が既設杭1の底端部に掛止される。しかる後、長尺吊り材6の上端部を杭引上げ機7の上部架台72にピン70で掛止し、ジャッキ71aを作動させて下部架台71を上昇させる。すると、既設杭1は少し上方に引上げられる。
前記拡大機構8は、図6〜8に示すごときもので、例えば図6(A)に例示するごとく、長尺吊り材6の下方先端に回転軸を介して取り付けられた腕状の部材(短杆材)で、挿入時には貫通孔5内に収まるように折り畳まれて縮小状態となっているが、既設杭1の底端部を通過して貫通孔5外に出ると水平方向に方向変換して拡大し、長尺吊り材6を少し引き上げると、既設杭1の底端部に掛止されるものである。
【0015】
ここで、以下に前記拡大機構8の具体的構成例のいくつかを説明する。
図6(A)は拡大機構8の第1の例で、回転軸81aを介して取り付けられた短杆材、すなわち中央に突起部83を備えた腕状の部材82aが下図のごとく、貫通孔5外へ出ると、その重心部が回転軸81a用孔81a’より下方にあるため自重により略90°回転して水平方向に方向変換して拡大し、長尺吊り材6を少し引き上げると、既設杭1の底端部に掛止される。
なお、図1(b)においては、拡大機構8の腕状の部材82aが水平状態となって拡大しているが、それを降下させて貫通孔5の入口へ挿入する際には、手指、長棒等で一端を押して90°回転させて縦にして、挿入すればよい。
【0016】
図6(B)は拡大機構8の第2の例で、回転軸81bを介して取り付けられた2つの端部に回転軸81b用孔81b’を有する腕状の部材82b,82bが貫通孔5外へ出た段階で、自重により略90°軸回転させ、その遠心力により拡大する。なお、腕状の部材82b,82bは、その背部が先端基材80の段部84に掛止され、水平方向より下方へは下がらないようになっている。
【0017】
図7(C)は拡大機構8の第3の例で、回転軸81cを介して取り付けられた腕状の部材82cが貫通孔5外へ出ると、先端のトリガー85が押し込まれて、折り畳み状態を解除することにより拡大して既設杭1の底端部に掛止される。
【0018】
図7(D)は拡大機構8の第4の例で、回転軸81dを介して取り付けられた腕状の部材82dが貫通孔5外へ出ると、コイルバネ86の弾性変形により押し広げられて拡大し、長尺吊り材6を少し引き上げると、既設杭1の底端部に掛止される。
【0019】
図8(E)は拡大機構8の第5の例で、長尺吊り材下部先端付近に、多数のトッグル装置を放射状に設けてなるものである。
図において、上部リンク801aと下部リンク801bが節点802で連結され、かつ上部リンク801aの端部は吊り材6を摺動自由に緩く巻回した環体803のリブ803aに軸803bを介して枢支され、また下部リンク801bの端部は吊り材6の基材80の段部84のリブ84bに軸84b’を介して枢支されている。
リンク801a,801bが貫通孔5外へ出ると、それらリンク801a,80bの自重により節点802で折れて、横方向に押し広げられて拡大する。
次いで、長尺吊り材6を少し引き上げると、リンク801a面が既設杭1の底端部に当接して掛止される。
なお、該例の拡大機構は調速機に類似した構成のものであり、水平方向の回転を付与した場合、遠心力により、節点802が横方向に伸びるようにして、リンク801a,801bも横になって拡大して行く。
【0020】
なお、図6〜図8の拡大機構8は、吊り材6又は先端基材80を水平方向へ回転させることも好ましく、それによって短杆材(腕状の部材、リンク等)を容易に拡大させることができる。
また、その際、短杆材の先端に高圧ジェット水噴射ノズルを配設し、既設杭底部端以下で回転しながら放水することによって、周囲の土壌を崩壊させて泥漿化領域を形成し、短杆材の拡大を容易となすことも好ましい。
【0021】
図2(d)の作業工程についての説明。
既設杭1が少し上方に引き上げられるようになったとき、次に引き上げ装置72aを作動させて上部架台72を上昇させ、既設杭1を上方へ引き上げて行く。約2m程度引き上げたら、クランプ装置73を作動させて既設杭1を保持する。
【0022】
図3(e)の作業工程についての説明。
次いで、切断装置74を作動させて既設杭1の上部を切断し、撤去する。同時に長尺吊り材6の上端部を切り詰め、上部架台72に掛止し直す。
【0023】
図3(f)の作業工程についての説明。
図2(d)と(e)の作業工程を繰り返すことにより、既設杭1は全て引き上げられ、撤去される。
【0024】
図4(g)の作業工程についての説明。
既設杭1の引き上げが完了したら、杭引上げ機7を撤去し、抜き痕孔を土砂S等により埋め戻す。
【0025】
図4(h)の作業工程についての説明。
最後に、再び杭抜き機4を用いてケーシング2を埋設時と同様にして逆回転させながら地中より撤去する。
【0026】
なお、既設杭1の引抜きに際しては、ケーシング2を地中に残した状態でそれに囲繞されたままその内部から既設杭1のみを引き抜くため、周囲からの地の崩壊がなく、よって摩擦抵抗をほとんど生ずることなく、容易かつ確実に引き抜くことができる。
【0027】
本発明実施例によれば、既設杭の引抜きに油圧ジャッキ等を用い、従来のように揚重機を用いないため、比較的軽微な設備により低コストで施工することが可能となる。
長尺吊り材6の先端部を既設杭1の底端より若干下方まで到達させた後、拡大機構8を作動させて先端部を展開することにより、長尺吊り材6の先端部は既設杭1の底端部に掛止めされる。
しかる後、油圧ジャッキ10等により長尺吊り材6に引張力を加えると、既設杭1は上方に引き上げられていく。この引上げ作業の間、既設杭1の地上に露出した部分は適宜切断して撤去する。
このようにして、既設杭1をすべて引き上げ撤去し終わったら、再度ケーシング2を回転昇降機9で駆動してケーシング2を引き上げていく。この引上げ作業の間、ケーシング2の地上に露出した部分はジョイントの所で切り離して順次撤去する。
【0028】
【発明の効果】
以上のとおり本発明によれば、既設杭をを底端部から吊り材の先端で掛止して引き上げるため、既設杭全体を完全かつ容易に抜くことができる。
また、ケーシングの埋入にリーダーに沿って上下動する回転昇降機を使い、従来のようにバイブロハンマーを使わないため、低騒音低振動でケーシングを貫入し、環境公害の問題を生ずることなく既設杭の引き抜きができる。
本発明において、少し引き上げられた既設杭を、切断して撤去しながら、杭抜きを行う方法によれば、林立した都市ビル間の狭隘な場所においても作業が容易に実施できる。
また、引き上げ及び引抜き工程にさほどの揚重力を要せず、リーダーに沿って上下動する回転昇降機、あるいは小規模なクレーンを用いて低コストで施工することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既設杭の引抜き装置を用いて既設杭を引抜く作業手順及び抜孔の埋めもどし作業工程を説明する作業工程説明図(a)、(b)。
【図2】同作業工程説明図(c)、(d)。
【図3】本発明の既設杭の引抜き装置を用いて既設杭を引抜く作業手順及び抜孔の埋めもどし作業工程を説明する作業工程説明図(e)、(f)。
【図4】本発明の既設杭の引抜き装置を用いて既設杭を引抜く作業手順及び抜孔の埋めもどし作業工程を説明する作業工程説明図(g)、(h)。
【図5】本発明装置に係る杭引上機の正面図。
【図6】長尺吊り材の下方先端を拡大して既設杭の底端部に掛止する機構(長尺吊り材下部先端の拡大機構)例(A)、(B)の説明図。
【図7】長尺吊り材下部先端の拡大機構の例(C),(D)の説明図。
【図8】長尺吊り材下部先端の拡大機構の例(E)の説明図。
【符号の説明】
1:既設杭, 2:ケーシング, 2a:掘進具,
3:穿孔具, 4:杭抜機, 4a:懸垂式リーダ,
4b:回転昇降機, 5:貫通孔, 6:長尺吊り材,
7:杭引上げ機, 8:拡大機構, 9:回転昇降機,
10:油圧ジャッキ,
70:ピン, 71:下部架台、 71a:ジャッキ,
72:上部架台、 72a:引上げ装置, 73:クランプ装置,
74:切断装置, 80:先端基材,
81a:回転軸, 81a’:孔, 81b:回転軸,
81b’:孔, 81c:回転軸, 81d:回転軸,
82a:腕状の部材, 83:突起部, 82b:腕状の部材,
82c:腕状の部材,82d:腕状の部材,
84:段部, 85:トリガー, 86:コイルバネ,
801a:上部リンク,801b:下部リンク,
802:節点, 803:環,
803a:リブ, 803b:軸,
84b:リブ, 84b’:軸,
S:土砂

Claims (20)

  1. 既設杭外径より大径のケーシングを、少なくとも既設杭の深度まで回転しながら、同既設杭を囲繞するようにして埋設し、次いで前記既設杭の中心軸に沿って貫通孔を穿設した後、上方から前記貫通孔内に長尺吊り材を挿入し、かつその長尺吊り材の下方先端を前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入し、その後長尺吊り材下方先端を拡大して既設杭底部端に掛止し、しかる後上方から長尺吊り材を引上げることにより同時に既設杭も引き上げられることを特徴とする既設杭の引抜き工法。
  2. 既設杭外径より大径のケーシングを、少なくとも既設杭の深度まで回転しながら、同既設杭を囲繞するようにして埋設し、かつその際同時に前記既設杭の中心軸に沿って貫通孔を穿設しながらそれを行った後、上方から前記貫通孔内に長尺吊り材を挿入し、かつその長尺吊り材の下方先端を前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入し、その後、同長尺吊り材の下方先端を拡大して既設杭底部端に掛止し、しかる後上方から長尺吊り材を引上げることにより同時に既設杭も引き上げられることを特徴とする既設杭の引抜き工法。
  3. 既設杭を少し引き上げた段階で、それの上部を短く切断して撤去する工程を繰り返しながら、杭引抜きを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の既設杭の引抜き工法。
  4. 長尺吊り材が、長尺杆であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
  5. 長尺吊り材が、長尺管であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
  6. 長尺吊り材が、長尺ロープであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
  7. 長尺吊り材が、長尺チェーンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き工法。
  8. 既設杭外径より大径のケーシングと、同ケーシングを少なくとも前記既設杭の深度まで回転しながら、同既設杭を囲繞するようにして地中に埋設するケーシング埋設装置と、前記既設杭の中心軸に沿って貫通孔を穿設する貫通孔穿設装置と、上方から前記貫通孔の最下部まで挿入される長尺吊り材と、同長尺吊り材をその下方先端を既設杭底部端に掛止して上方から引上げる引上げ装置とからなり、かつ前記長尺吊り材の下方先端が前記貫通孔最下部より若干先方まで挿入され引上げられる段階で、その吊り材先端が拡大し、ケーシング底部端を掛止する吊り材下部先端の拡大機構を備えるものであることを特徴とする既設杭の引抜き装置。
  9. 吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、略重心部を支点として枢支された短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
  10. 吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、短杆材の重心部から幅方向に若干ずれた位置を支点として枢支された短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
  11. 吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、中央部に突起部を有し、その突起部を支点として枢支された突起部付き短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
  12. 吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、略中心点より若干離れた位置を支点として枢支された短杆材を備えるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
  13. 吊り材下部先端の拡大機構が、長尺吊り材下部先端付近に、トッグル装置を設けてなるものであることを特徴とする請求項8記載の既設杭の引抜き装置。
  14. 長尺吊り材が、長尺杆であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
  15. 長尺吊り材が、長尺管であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
  16. 長尺吊り材が、長尺ロープであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
  17. 長尺吊り材が、長尺チェーンであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
  18. 長尺吊り材が、金属製のものであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
  19. 長尺吊り材が、鋼材製のものであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
  20. 長尺吊り材が、ポリカーボネート樹脂等の高強度樹脂製のものであることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載の既設杭の引抜き装置。
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