JP3798794B2 - 既存杭の引抜き装置および引抜き方法 - Google Patents

既存杭の引抜き装置および引抜き方法 Download PDF

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Description

本発明は、地中に埋設された既存杭の引抜き装置および引抜き方法に関するものである。
従来、既存杭の引抜き方法として、例えば、クレーンで吊支したバイブロハンマーを既存杭の頭部にチャック装置で接続し、バイブロハンマーによって発生する上下運動を利用して、既存杭をバイブロハンマーとともにクレーンで吊り上げて引抜く方法や、先端にビットを取り付けたオーガーケーシングを回転しながら既存杭の周囲にこれを取り囲むように挿入し、既存杭と地盤との摩擦をカットした上で、オーガーケーシングを引抜き、その後にクレーンで既存杭を引抜く方法がある。
また、別の方法として、振動機としてバイブロハンマーを用いるバイブロケーシングを既存杭の周囲にこれを取り囲むように挿入し、バイブロケーシングに設けたチャッキング装置により既存杭をチャッキングし、この既存杭をバイブロケーシングとともにクレーンで吊り上げて引抜く方法がある。
前記方法のうち、バイブロハンマーを用いる方法では、稼動時の振動と騒音が大きく、近隣の住民などへの影響を配慮すると、都市部などでの施工が困難である。
オーガーケーシングを使用する方法は、これを引抜いて回収した後に既存杭を引抜くため、オーガーケーシングを引抜いた後に既存杭の周囲にできた隙間にその周辺地盤が崩落して埋まり、その結果、既存杭の摩擦抵抗が大きくなって、そのままでは引抜けないことになる場合もある。また、杭重量が数十トンにもなり、重量の大きいものをワイヤーなどで引き上げることになるため、安全面でも問題があるだけでなく、空頭制限のある場所ではクレーンなどは使用できず、杭の引抜きが事実上不可能となる。
バイブロケーシングを使用する方法も、既存杭を重量の大きいバイブロケーシングとともにクレーンで吊り上げて引抜くため、揚重力の大きい大規模なクレーンを要し、前記と同様の問題がある。
そこで、従来のようなバイブロハンマーを使用せず、低騒音、低振動でケーシングを挿入し、環境公害が発生することなく既存杭を引抜くことのできる引抜き方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の引抜き方法は、下端開口部にビットを取り付けた管体で、上部分と下部分とを互いに切り離し自在に接合され、径方向にチャッキングブロックが油圧により進退するチャッキング装置が取り付けられたケーシングを、その下端開口部を既存杭上に位置するようにセッティングする工程と、ケーシングを既存杭を包むように回転しながら掘進させ、既存杭を引抜き可能となる深さまで包囲貫入する工程と、チャッキング装置で既存杭をチャッキングし、ケーシングをチャッキングした既存杭と共にその上部分が地上に露出する程度に引き上げる工程と、ケーシングの上部分を下部分から切り離していったん上方に引き上げる工程と、クレーンにより内部の既存杭をケーシング内から引抜く工程と、ケーシングの上部分を下部分に接合しケーシング全体を引抜く工程を備えるものである。
特開平8−165649号公報
前記特開平8−165649号公報に記載の引抜き方法は、工程の一部とはいえ、チャッキングした既存杭をケーシングとともにクレーンで引き上げ、また、ケーシングとともに既存杭が地上に露出する程度に引き上げられた後、内部の既存杭のみをクレーンで引き上げるものであり、クレーンを使用しての杭の引き上げ作業となり、小規模なもので足りるものであっても、クレーンを必要とし、空頭制限のある場所での杭の引抜きは困難である。
また、杭の引抜き工程の前に、チャッキング装置で既存杭をチャッキングし、ケーシングをチャッキングした既存杭と共にその上部分が地上に露出する程度に引き上げる工程と、ケーシングの上部分を下部分から切り離していったん上方に引き上げる工程とを有し、工程数が多く、施工性のよくないものになっている。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消するものとして、杭の引抜きをワイヤーやクレーンを使用せずに行い、安全性の向上を図るとともに、空頭制限のある場所での杭の引抜きも可能なものにでき、前記従来例のようにケーシングを途中で上部分と下部分とに切り離す必要もなく工程数が増加することなく施工性の向上を図れる既存杭の引抜き装置および方法を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するものとして、引抜き装置として、請求項1記載の発明は、既存杭を囲むようにして地盤に挿入されるケーシングと、このケーシング内に配設される杭転倒防止装置と引抜き装置とで構成され、前記引抜き装置はケーシング内壁に着脱自在に圧着し伸縮手段で連結される上部反力フレームと下部反力フレームと、前記上部反力フレームと下部反力フレームとの間で上部反力フレームに連結され既存杭周面に着脱自在に圧着するチャッキング機構とで構成されることを要旨とするものである。
請求項2記載の発明は、前記上部反力フレームとチャッキング機構とは遊嵌されることを要旨とするものである。
請求項3記載の発明は、前記伸縮手段は上部反力フレームと下部反力フレームとに遊嵌されることを要旨とするものである。
請求項4記載の発明は、前記杭転倒防止装置はケーシング内壁に圧着し、内側に既存杭の途中が挿入される拡縮自在なリング状体で構成することを要旨とするものである。
請求項5記載の発明は、前記杭転倒防止装置は既存杭の杭頭に下端が固定されるロッドと、このロッドの上端を係止しケーシング上部内壁に固定されるリング体とで構成することを要旨とするものである。
請求項6記載の発明は、引抜き方法として、既存杭を囲むようにして地盤に挿入されるケーシングと、このケーシング内に配設される杭転倒防止装置と引抜き装置とで構成され、前記引抜き装置はケーシング内壁に着脱自在に圧着し伸縮手段で連結される上部反力フレームと下部反力フレームと、前記上部反力フレームと下部反力フレームとの間で上部反力フレームに連結され既存杭周面に着脱自在に圧着するチャッキング機構とで構成される引抜き装置を使用して、ケーシングを既存杭の周囲の地盤に挿入し、ケーシング内で既存杭の転倒を防止しながら、上部反力フレームと下部反力フレームを交互にケーシング内壁に圧着してケーシング内壁に反力をとりながらチャッキング機構の既存杭への着脱を繰り返すとともに、伸縮手段を伸縮して上部反力フレームおよびこれに連結したチャッキング機構と下部反力フレームとを交互に尺取虫的に上昇させてチャッキング機構を上昇させることで既存杭を押し上げて引抜くことを要旨とするものである。
請求項1および請求項6記載の本発明によれば、ケーシングを既存杭の周囲の地盤に挿入した後は、既存杭をチャッキングするチャッキング機構をケーシング内壁にそって尺取虫のように上昇させることで、既存杭を押し上げるようにして引抜く。よって、既存杭をクレーンなどを使用せずに引抜くことができ、空頭制限のある場所での施工も可能となり、安全でもある。
請求項2記載の本発明によれば、ケーシング内壁に着脱自在に圧着する上部フレームに対してチャッキング機構は遊嵌される状態で連結されるから、チャッキング機構が既存杭に圧着しチャッキングしている状態で上部反力フレームをケーシング内壁に着脱させることでこの上部反力フレームの径を伸縮させても、この伸縮による変位がチャッキング機構に伝達されることはなく、チャッキングに支障が生じることはない。
請求項3記載の本発明によれば、伸縮手段は一方の反力フレームである上部反力フレームをケーシング内壁に圧着した状態で収縮し、また、他方の反力フレームである下部反力フレームをケーシング内壁に圧着した状態で伸長するが、このとき、それぞれの反力フレームは伸縮手段に対して遊嵌されているから、伸縮手段が多少傾斜してもブレを吸収でき、反力フレームを支障なく移動できる。
請求項4記載の本発明によれば、杭転倒防止装置はケーシング内壁に圧着し、内側に既存杭の途中が挿入される拡縮自在なリング状体で構成することで、既存杭の中間部分がリング体内に挿入されるから、既存杭の振れを最小に抑えることができる。
請求項5記載の本発明によれば、杭転倒防止装置は既存杭の杭頭に下端が固定されるロッドと、このロッドの上端を係止しケーシング上部内壁に固定されるリング体とで構成することで、転倒防止装置は既存杭の上部に配置されることになり、取り付けが容易である。
以上述べたように本発明の既存杭の引抜き装置および引抜き方法は、既存杭の周囲に挿入したケーシングの内側に配設したチャッキング装置で既存杭をチャッキングして、このチャッキング装置で既存杭を押し上げるようにして杭を引抜くから、杭の引抜きをワイヤーやクレーンを使用せずに行い、安全性の向上を図るとともに、空頭制限のある場所での杭の引抜きも可能なものにでき、また、従来のようにケーシングを途中で上部分と下部分とに切り離す必要もなく工程数が増加することなく施工性の向上を図れるものである。
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の既存杭の引抜き装置の第1実施形態を示す縦断正面図で、本発明の引抜き装置は、基本構成として既存杭2を囲むようにして掘進装置1によって地盤に挿入されるケーシング3と、このケーシング3内に配設される杭転倒防止装置4と引抜き装置5とで構成される。
掘進装置1は、周知のように例えばオールケーシング工法で使用する圧入機であり、ケーシング3の外周をたが状に締め付けるチャック装置と、このチャック装置を回転駆動するモータや減速機などの駆動装置と、これらチャック装置および駆動装置を上下動する油圧シリンダーによる昇降シリンダーとからなる。
ケーシング3は前記掘進装置1により外周をチャックされながら回転掘進されて地盤に挿入されるもので、途中で適宜継ぎ足して必要な長さとする本体管と、この本体管の先端に着脱自在に嵌着するケーシングヘッド3aとの組み合わせからなり、嵌着部はボルトで締結する。そして、先端のケーシングヘッド3aの先端には杭周面整形ビット3bを設けた。
杭転倒防止装置4は、図25、図26、図27にも示すように、本体部をリング状の反力フレーム7で構成し、既存杭2の中間地点に位置するケーシング3の内壁に固定ジャッキ6で固定される。前記反力フレーム7は、図26、図27に示すように、C字形の分割体7a,7bの組み合わせで構成され、分割体7a,7bは軸7cで一端が回転自在に結合され、他端は反力フレームジャッキ7dで開閉自在に結合される。前記固定ジャッキ6は、それぞれの分割体7a,7bを例えば2箇所ずつケーシング3に固定する。
図中8は杭転倒防止装置4を吊支するワイヤーを示す。
引抜き装置5は、図17〜図20に示すように、伸縮手段としてのスライドジャッキ9により連結され、ケーシング3の内壁に着脱自在に圧着する上部反力フレーム10と下部反力フレーム11と、前記上部反力フレーム10と下部反力フレーム11との間で上部反力フレーム10に連結され既存杭2周面に着脱自在に圧着するチャッキング装置12とで構成される。
上部反力フレーム10は、C字形の分割体10a,10bの組み合わせで構成され、分割体10a,10bは軸10cで一端が回転自在に結合され、他端は反力フレームジャッキ10dで開閉自在に結合される。
下部反力フレーム11も上部反力フレーム10と同様の構造であり、上部反力フレーム10と下部反力フレーム11とは前記のようにスライドジャッキ9により連結されると同時に連結ワイヤー14で連結される。そして、上部反力フレーム10が引抜き装置吊ワイヤー13で地上から吊支される。
上部反力フレーム10と下部反力フレーム11とを連結するスライドジャッキ9は、図23、図24にも示すようにロッド9aおよびシリンダー9bの端部が円弧状部23aに形成され、この端部が係止する上部反力フレーム10と下部反力フレーム11側に形成した係止凹部23bも円弧状に形成されて、ロッド9aおよびシリンダー9bの端部は、上部反力フレーム10と下部反力フレーム11とにそれぞれ回動自在となって取付角度自在に結合される。
このスライドジャッキ9は、分割体10a(11a)、10b(11b)ごとにそれぞれ例えば1箇ずつ配設する。
チャッキング装置12は、図21、図22にも示すように上部反力フレーム10の下部に取り付けられる断面コ字形のフレーム15の内側に装置本体を配設するもので、装置本体は上下方向にスライド自在な楔状体16aとこれに摺動自在に組み合わさる楔状体16bの組み合わせで構成し、フレーム15内側に配置される楔状体16bの上部をチャッキングジャッキ17でフレーム15の上側に上下動自在に固定し、既存杭2の側に配設されてフレーム15の下側に固定される楔状体16aの既存杭2に面する側は、凹凸面に形成する。
また、フレーム15と上部反力フレーム10との結合は、上部反力フレーム10の下部に形成した係止凹部10e内に、フレーム15の上部に形成した係止凸部15aが係合する構造とするが、係止凹部10eと係止凸部15aとの間には空隙を設けて両者は遊嵌される構造とする。
前記チャッキング装置12は、既存杭2の周囲に放射方向に例えば4箇配設する。
次に前記引抜き装置を使用して既存杭2を引抜く方法を図2〜図16について説明する。まず、第1工程として図2に示すように試掘をして埋設されている既存杭2の杭芯を確認し、第2工程として図3に示すように既存杭2の上方の地上に掘進装置1を設置し、第3工程として図4に示すようにケーシングヘッド3aと最初のケーシング3を設置し、第4工程として図5に示すように掘進を開始し、既存杭2を囲むようにしてその外周部分の地盤に挿入していき、さらにケーシング3の本体管を継ぎ足して所定の深度、すなわち杭長までケーシング3を回転させながら挿入する。
この場合、ケーシング3の径は杭径よりも大きめのものとし、ケーシング3と既存杭2との隙間に注水・注気管18を挿入し、水やエアーを送入しながらケーシング3内側の土砂を排出しながらケーシング3の先端を既存杭の下端位置まで挿入する。
なお、第5工程として図6に示すように、ケーシング3の掘進の途中で、ケーシング3内にワイヤー8で杭転倒防止装置4をつり下ろし、既存杭2の中間地点に位置するケーシング3の内壁に杭転倒防止装置4を固定する。固定方法は、図27に示すように固定ジャッキ6を伸長してケーシング3の内壁にロッドの先端を圧着することで、反力フレーム7が固定される。
この反力フレーム7は、リング状のその内側を既存杭2を挿通させることで既存杭2の周囲に配置されるが、取り付け時には図27に示すように反力フレームジャッキ7dを伸長して反力フレーム7の径を拡大し、反力フレーム7内をスムーズに既存杭2が貫通するようにする。
そして、反力フレーム7を既存杭2に固定するには、ケーシング3の先端が既存杭2の下端に到達した時点で、図26に示すように反力フレームジャッキ7dを収縮して反力フレーム7の径を縮小し、反力フレーム7を既存杭2の周面に圧着して反力フレーム7内に既存杭2を固定する。これにより、既存杭2の横方向への移動を阻止し、杭転倒を防止する。
次に第6工程として図7に示すように、杭の引抜き装置5を杭引抜き装置吊りワイヤー13で既存杭2の外周部でケーシング3内につり下ろし、下部反力フレーム11をケーシング3の内壁に固定する。固定方法は、図19に示すように下部反力フレーム11の反力フレームジャッキ11dを伸長して下部反力フレーム11の径を拡大し、分割体11a,11bをそれぞれケーシング3の内壁に圧着することで行う。
この状態で第7工程として図8に示すように、上部反力フレーム10の反力フレームジャッキ10dを収縮して(図20参照)、上部反力フレーム10とケーシング3との圧着を解除しておき、図18、図22にも示すようにチャッキングジャッキ17を伸長して楔状体16aを押し下げて楔状体16bを既存杭2の方向に押し出し、楔状体16aを既存杭2の周囲に圧着する。これによりチャッキング装置12を既存杭2に固定する。
こうしてチャッキング装置12で既存杭3をチャッキングし、この状態で上部反力フレーム10と下部反力フレーム11とを連結しているスライドジャッキ9を伸長すれば、下部反力フレーム11はケーシング3に固定されているから、下部反力フレーム11を介してケーシング3で反力をとりながら、チャッキング装置12および上部反力フレーム10が押し上げられ、これによりチャッキング装置12に固定されている既存杭2も押し上げられる(第8工程、図9参照)。
この場合、チャッキング装置12は既存杭2に固定された状態にあると同時に、移動する上部反力フレーム10にも連結されているが、上部反力フレーム10との結合は、係止凹部10e内に係止凸部15aが係合する構造となっているから、上部反力フレーム10の可動をこの係合部で吸収でき、杭引抜きに支障が生じることはない。
前記のようにしてスライドジャッキ9のストローク分だけ既存杭2が押し上げられて引抜かれたならば、今度は、上部反力フレーム10の反力フレームジャッキ10dを伸長して上部反力フレーム10の各分割体10a,10bをケーシング3の内壁に圧着して上部反力フレーム10をケーシング3に固定する。このときも、既存杭2はチャッキング装置12に固定されており、上部反力装置10で支持された状態にある。
この状態で、下部反力フレーム11の反力フレームジャッキ11dを収縮して下部反力フレーム11のケーシング3との圧着を解除し、下部反力フレーム11をフリーな状態として、スライドジャッキ9を収縮して下部反力フレーム11のみを引き上げる。このときは、上部反力フレーム10を介してケーシング3で引き上げの反力を得る。
かかる動作を繰り返し、尺取虫的に上部反力フレーム10と下部反力フレーム11とを交互に上昇させ、上部反力フレーム10の上昇にともなって既存杭2を引き上げる(第9工程、図10参照)。引き上げた既存杭2は適宜切断して撤去する。既存杭2の引き上げ時には、杭転倒防止装置4の反力フレームジャッキ7dは伸長させて反力フレーム7の既存杭2への圧着を解除して、既存杭2が反力フレーム7内を通過できるようにしておく。
なお、上部反力フレーム10と下部反力フレーム11とは異なるタイミングでそれぞれ別個に上昇するものであるが、両者を連結しているスライドジャッキ9の端部は、円弧状部23aに形成され、この端部が係止する上部反力フレーム10と下部反力フレーム11側に形成した係止凹部23bも円弧状に形成されているから、一方の反力フレームをケーシング3に固定した状態で他方の反力フレームを移動させたとき、スライドジャッキ9に傾斜角が発生しても、この傾斜は円弧状部23aと係止凹部23bとの遊嵌により吸収される。よって、引抜きに支障が生じることはない。
また、前記杭転倒防止装置4には既存杭2をチャッキングできる機能を備えているから、この状態では必要に応じて引抜き装置5をフリーの状態とすることができる。
以上のようにして既存杭2の引き上げが完了すれば、引抜き装置を撤去する(第10、11工程、図11、12参照)。そして、既存杭2が引抜かれた後の空間に土砂19の埋め戻しを施し(第12工程、図13参照)、ケーシング3およびケーシングヘッド3aを引抜き(第13、14工程、図14、15参照)、最後に掘進装置1を撤去した全工程が完了する(第15工程、図16参照)。
図28〜図43は第2実施形態を示し、第1実施形態とは杭転倒防止装置4の構成およびその設置時期が異なり、第2実施形態では図32に示すように第4工程で既存杭2の杭頭が確認できた時点で、杭転倒防止装置4を杭頭に設置する。
この杭転倒防止装置4は、図28にも示すように杭頭部に固定するための固定冶具20と、この固定冶具20の上部に設けたロッド21と、ロッド20の上部に取り付けたリング体22とで構成され、固定冶具20を杭頭部に固定し、地上に突出しているケーシング3の内側にリング体22を摺設する。
これにより、既存杭2は杭頭部の箇所で振れを防止されることで転倒が阻止され、この状態でケーシング3の掘進を行う。
そして、ケーシング3の掘進が完了した時点で(図33参照)、引抜き装置5を既存杭2の下端部まで挿入し、この位置で既存杭2にセットして第1実施形態と同様の方法で引き上げる。なお、第2実施形態の図29〜図31は第1実施形態の図2〜図4に対応し、第2実施形態の図34〜図43は第1実施形態の図7〜図16に対応し、同一の参照番号を付してあり、ここでの詳細な説明は省略した。
本発明の既存杭の引抜き装置の第1実施形態を示す縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第1工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第2工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第3工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第4工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第5工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第6工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第7工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第8工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第9工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第10工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第11工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第12工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第13工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第14工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第1実施形態を示す第15工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部である引抜き装置のチャッキングジャッキ収縮状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部である引抜き装置のチャッキングジャッキ伸長状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部である引抜き装置の反力フレームジャッキ伸長状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部である引抜き装置の反力フレームジャッキ収縮状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部であるチャッキング装置のチャッキングジャッキ収縮状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部であるチャッキング装置のチャッキングジャッキ伸長状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部であるスライドジャッキの収縮状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1、第2実施形態を示す要部であるスライドジャッキの伸長状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1実施形態を示す要部である杭転倒防止装置の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1実施形態を示す要部である杭転倒防止装置の反力フレームを閉じた状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第1実施形態を示す要部である杭転倒防止装置の反力フレームを開いた状態の正面図である。 本発明の既存杭の引抜き装置の第2実施形態を示す縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第1工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第2工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第3工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第4工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第5工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第6工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第7工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第8工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第9工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第10工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第11工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第12工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第13工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第14工程の縦断正面図である。 本発明の既存杭の引抜き方法の第2実施形態を示す第15工程の縦断正面図である。
符号の説明
1 掘進装置 2 既存杭
3 ケーシング 3a ケーシングヘッド
3b 杭周面整形ビット 4 杭転倒防止装置
5 引抜き装置 6 固定ジャッキ
7 反力フレーム 7a、7b 分割体
7c 軸 7d 反力フレームジャッキ
8 ワイヤー 9 スライドジャッキ
9a ロッド 9b シリンダー
10 上部反力フレーム 10a,10b 分割体
10c 軸 10d 反力フレームジャッキ
10e 係止凹部
11 下部反力フレーム 11a,11b 分割体
11c 軸 11d 反力フレームジャッキ
12 チャッキング装置 13 引抜き装置吊ワイヤー
14 連結ワイヤー 15a 係止凸部
15 フレーム 16a,16b 楔状体
17 チャッキングジャッキ 18 注水・注気管
19 土砂 20 固定冶具
21 ロッド 22 リング体
23a 円弧状部 23b 係止凹部

Claims (6)

  1. 既存杭を囲むようにして地盤に挿入されるケーシングと、このケーシング内に配設される杭転倒防止装置と引抜き装置とで構成され、前記引抜き装置はケーシング内壁に着脱自在に圧着し伸縮手段で連結される上部反力フレームと下部反力フレームと、前記上部反力フレームと下部反力フレームとの間で上部反力フレームに連結され既存杭周面に着脱自在に圧着するチャッキング機構とで構成されることを特徴とする既存杭の引抜き装置。
  2. 前記上部反力フレームとチャッキング機構とは遊嵌されることを特徴とする請求項1記載の既存杭の引抜き装置。
  3. 前記伸縮手段は上部反力フレームと下部反力フレームとに遊嵌されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の既存杭の引抜き装置。
  4. 前記杭転倒防止装置はケーシング内壁に圧着し、内側に既存杭の途中が挿入される拡縮自在なリング状体で構成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の既存杭の引抜き装置。
  5. 前記杭転倒防止装置は既存杭の杭頭に下端が固定されるロッドと、このロッドの上端を係止しケーシング上部内壁に固定されるリング体とで構成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の既存杭の引抜き装置。
  6. 既存杭を囲むようにして地盤に挿入されるケーシングと、このケーシング内に配設される杭転倒防止装置と引抜き装置とで構成され、前記引抜き装置はケーシング内壁に着脱自在に圧着し伸縮手段で連結される上部反力フレームと下部反力フレームと、前記上部反力フレームと下部反力フレームとの間で上部反力フレームに連結され既存杭周面に着脱自在に圧着するチャッキング機構とで構成される引抜き装置を使用して、ケーシングを既存杭の周囲の地盤に挿入し、ケーシング内で既存杭の転倒を防止しながら、上部反力フレームと下部反力フレームを交互にケーハング内壁に圧着してケーシング内壁に反力をとりながらチャッキング機構の既存杭への着脱を繰り返すとともに、伸縮手段を伸縮して上部反力フレームおよびこれに連結したチャッキング機構と下部反力フレームとを交互に尺取虫的に上昇させてチャッキング機構を上昇させることで既存杭を押し上げて引抜くことを特徴とする既存杭の引抜き方法。
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