JP4653110B2 - 地中障害物の撤去装置及び掘削ユニット並びにこれを用いた地中障害物の撤去方法 - Google Patents

地中障害物の撤去装置及び掘削ユニット並びにこれを用いた地中障害物の撤去方法 Download PDF

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Description

本発明は、地中障害物の撤去装置及び掘削ユニット並びにこれを用いた地中障害物の撤去方法に関する。さらに詳しくは、円筒状のケーシングと、このケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去する地中障害物の撤去装置及び掘削ユニット並びにこれを用いた地中障害物の撤去方法に関する。
上述の撤去装置としては、例えば特許文献1に記載の如きものが知られている。同文献によれば、ケーシングに支持したピンを爪に形成したカム溝に貫通させると共に、爪の後端をロッドにより操作することで爪を突出させている。かかる構造は、杭を支持する際に爪へ作用する負荷をピンとロッドに負担させる点が新規であり、特徴的である。しかし、ピンとロッドという構造的に堅牢とは言い難い部分に荷重が作用するため、同従来技術では当該部分の耐久性が問題であった。
特開2000−154541
かかる従来の実情に鑑みて、本発明の目的は、上記従来技術の爪構造とは全く異なる思想の下で、耐久性の高い地中障害物の撤去装置及び掘削ユニット並びにこれを用いた地中障害物の撤去方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の特徴は、円筒状のケーシングと、このケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去する構成であって、前記チャック爪が前記爪駆動装置により前記孔に沿ってケーシング内側に突出するように湾曲しており、前記孔を形成する部材が厚みを有し、前記チャック爪に下方向きの荷重が掛かった際に前記孔の下部でケーシング内側部分と前記孔の上部でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記下方向きの荷重を支持することにある。
また、前記ケーシングを回転させることにより前記チャック爪に反回転方向の荷重が掛かった際に前記孔の前記回転方向上手側でケーシング内側部分と前記孔の前記回転方向下手側でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記反回転方向の荷重を支持してもよい。
前記ケーシングが前記掘削歯及びチャック爪を有する下分割体とさらに上部のケーシングに連結させるための上部分割体とを有し、前記上下分割体は相対回転及び相対伸縮可能であり、前記上下分割体の間に各分割体に設けられた係合部が互いに係合してこれら上下分割体の相対伸縮の可否を上下分割体の相対回転位置で選択可能な係合機構を有し、前記爪駆動装置が前記上下分割体の相対縮小により前記チャック爪を前記ケーシングの内側に突出させてもよい。
前記係合機構が、チャック爪の突出量を前記上下分割体の相対回転及び相対縮小により調整する圧抜き部と、さらに前記上下分割体の相対縮小を許容した後上下分割体の相対伸長を防ぐ第一チャック部とを備え、前記相対回転で爪の突出及び固定を回転で切替であってもよい。
前記係合機構が、縮小規制を段階的に行い、チャック爪の突出量規制を段階的に行うことが望ましい。
前記爪駆動装置が伸縮装置とこの伸縮装置により前記チャック爪を駆動させるロッドより構成されてもよい。
前記地中障害物が既設杭であり、前記ケーシングを回転させるケーシング駆動装置を昇降させるトップシーブを備え、ケーシング駆動装置とトップシーブにはそれぞれケーシング設置位置を挟んで少なくとも一対のプーリー群が設けられており、前記プーリー群の間を掛けわたすワイヤーをケーシング設置位置を迂回させるプーリーを介して配置することにより、一対のプーリー群間にケーシングの通過を許容する貫通部を設けてもよい。
前記地中障害物が杭であってもよく、前記地中障害物が転石であってもよい。 上記課題を解決すべく、本発明の他の特徴は、前記ケーシングの最下端に位置し上記のいずれかに記載の地中障害物の撤去装置に用いる掘削ユニットであって、
前記ケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去するものであり、前記チャック爪が前記爪駆動装置により前記孔に沿ってケーシング内側に突出するように湾曲しており、前記孔を形成する部材が厚みを有し、前記チャック爪に下方向きの荷重が掛かった際に前記孔の下部でケーシング内側部分と前記孔の上部でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記下方向きの荷重を支持することにある。
上記課題を解決すべく、本発明のさらに他の特徴は、上記のいずれかに記載の地中障害物の撤去装置を用いた地中障害物の撤去方法であって、円筒状のケーシングと、このケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去する地中障害物の撤去装置を備え、前記チャック爪が前記爪駆動装置により前記孔に沿ってケーシング内側に突出するように湾曲しており、前記孔を形成する部材が厚みを有し、前記チャック爪に下方向きの荷重が掛かった際に前記孔の下部でケーシング内側部分と前記孔の上部でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記下方向きの荷重を支持することにある。
上記本発明に係る地中障害物の撤去装置及び掘削ユニット並びにこれを用いた地中障害物の撤去方法の特徴によれば、爪に掛かる上下方向の荷重及び状況に応じてケーシング回転(水平)方向の荷重をケーシング下端部の孔周りで支持するので、極めて耐久性が高い。しかも、爪と孔との接触を主とする機構なので、上記耐久と相まって、圧力が掛かる土中の過酷な条件においても、故障しにくく確実に作動するようになった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
撤去装置の全体側面図である。 トップシーブの平面図である。 トップシーブの側面図である。 ケーシング駆動装置の側面図である。 掘削ユニットの側面図である。 掘削ユニットの底面図である。 爪駆動機構の側面図である。 (a)は爪装置の縦断面図、(b)は爪装置の背面図である。 爪装置の動作を示す図であって、(a)は動作前、(b)は動作後の状態を示す縦断面図である。 爪の一実施態様を示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。 爪の他の実施態様を示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。 他の実施態様に係る爪装置の動作を示す図であって、(a)は動作前の状態を示す縦断面図、(b)は(a)の背面図、(c)は動作後の状態を示す縦断面図である。 さらに他の実施態様に係る爪装置の動作を示す図であって、(a)は動作前の状態を示す縦断面図、(b)は動作中の状態を示す縦断面図、(c)は動作後の状態を示す縦断面図である。 掘削ユニットと杭との関係を示す側面図であって、(a)は通常の爪を収納した掘削状態、(b)は爪を突出させて杭周辺摩擦を解消中の状態、(c)は爪を突出させて杭先端部の縁切りを行っている状態、(d)は杭の引き抜き状態を示す図である。 掘削ユニットと杭との関係を示す側面図であって、(a)は通常の爪を収納した掘削状態、(b)は爪を突出させて杭の主筋を切断中の状態、(c)は切断後における杭の引き抜き状態を示す図である。 (a)はケーシングを回転させて順次継ぎ足し、掘削を進める状態を示す全体側面図、(b)は杭の先端に達した状態を示す全体側面図、(c)はケーシングと共に杭を全長分引き抜き、バックホーで杭を切断する状態を示す全体側面図、(d)は杭を一部引き抜き、ケーシングを取り外した状態を示す全体側面図である。 (a)はケーシングを外し、ケーシング駆動装置を被せて杭を切断する状態を示す全体側面図、(b)は残った杭を引き抜く状態を示す全体側面図、(c)はケーシング内に埋戻土を戻す状態を示す全体側面図である。 他の実施態様に係る撤去装置の全体側面図である。 他の実施態様に係る掘削ユニットの正面図である。 他の実施態様に係る掘削ユニットの側面図である。 (a)は他の実施態様に係る掘削ユニットの底面図、(b)は他の実施態様に係る掘削ユニットのA−A断面図である。 他の実施態様に係る爪装置の縦断面図である。 他の実施態様に係る爪装置の動作後の状態を示す縦断面図である。 他の実施態様に係るチャック爪の一実施態様を示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。 カッターを取り付けた他の実施態様に係るチャック爪の実施態様を示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。 中環の切欠の湾曲面を平面に展開した平面図である。 ロッド及びホルダーの関係を示す図である。 他の実施態様に係る掘削ユニットと杭との関係を示す側面図であって、(a)は通常のチャック爪を収納した掘削状態、(b)はチャック爪を突出させて杭周辺の摩擦を解消中の状態、(c)はチャック爪を突出させて杭先端部の縁切りを行っている状態、(d)は杭の引抜き状態を示す図である。 他の実施態様に係る掘削ユニットと杭との関係を示す側面図であって、(a)は通常のチャック爪を収納した掘削状態、(b)はチャック爪を突出させて杭の主筋を切断中の状態、(c)は切断後における杭の引抜き状態を示す図である。 (a)は他の実施態様における撤去装置を用いて杭の上端にチャック爪で溝を形成する工程を説明する図、(b)は他の実施態様における撤去装置を用いて杭の先端と土との縁切りを行う工程を説明する図、(c)はバイブロを用いてシートパイルを打ち込む工程を説明する図である。 杭、シートパイル及び地中の関係を説明する横断面図である。 シートパイルを示し、(a)は組み合わせ状態の断面図、(b)は第一シートパイルの断面図、(c)は連結部の拡大断面図である。 (a)は注水シートパイルの斜視図、(b)は(a)のC−C断面図をそれぞれ示す。 掘削ユニットの部品の関係を模式化した一部断面図を示し、(a)は第二実施形態を模式化したもの、(b)は内管と中管の機能を変更したもの、(c)はシリンダ装置を用いたものをそれぞれ示す。 直線状シートパイルの施工平面図である。 各シートパイルの断面図である。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本発明に係る撤去装置1は第一クローラ2を備える。第一クローラ2において、クローラ本体3の前方にリーダーマスト4を角度自在に取り付け、リーダーマスト4の頂部にトップシーブ5を取り付けると共に、リーダーマスト4の中間部にトップシーブ5によって上下昇降自在にケーシング7を回転させるケーシング駆動装置6を取り付けている。ケーシング7の下端には掘削ユニット8が設けられ、上端にはスイベル9が設けられている。ケーシング7は、図16、17に示すように複数の単体が適宜連結・取り外しされ、ケーシング駆動装置6により掘削ユニット8が駆動回転させられて地中Eを掘削する。
トップシーブ5は図1〜3に示すように、基礎フレーム20の先端で分岐する分岐フレーム21,22並びに複数のプーリー及びケーシング駆動装置6の下プーリー6d間に掛けわたされるワイヤー25とを備えている。図3の下プーリー6dは同図紙面垂直方向に1対設けられ、一方の下プーリー6dには分岐フレーム21上の第二縦プーリー23b、第三縦プーリー23c、第四縦プーリー23dから、他方の下プーリー6dには分岐フレーム22上の第五縦プーリー23e,第六縦プーリー23fからのワイヤー25が掛けわたされる。下プーリー6dへの掛けわたしを除くと、ワイヤー25は第一縦プーリー23aから順次第一横プーリー24a,第二縦プーリー23b,第三縦プーリー23c,第四縦プーリー23d,第二横プーリー24b,第五縦プーリー23e,第六縦プーリー23fの順で掛けわたされる。このように第三縦プーリー23c,第六縦プーリー23f,第二横プーリー24bを用いることで、分岐フレーム21,22の間にケーシング7を貫通させる貫通部29を形成している。分岐フレーム21,22間には短い円環状の振止環26が設けられ、この内部が貫通部29となる。そして、ワイヤー25をクローラ本体3から牽引することで、一対の下プーリー6dを介してケーシング駆動装置6を上下に昇降させる。
図4に示すように、ケーシング駆動装置6はケーシング7を支持し駆動回転させる。ケーシング駆動装置6はリーダーマスト4のレール4aにスライド自在にスライダー6cを介して取り付けられた固定部6aと、この固定部6aの下でケーシング7を保持し駆動回転させる回転部6bとを備えている。固定部6a,回転部6bの内部は中空でケーシング7が貫通し、回転部6bに設けられたチャック6gが円周の複数箇所からケーシング7に近接移動自在であり、ケーシング7を保持する。駆動装置6eの駆動力が回転連結6fを介して回転部6bに伝達され、ケーシング7は駆動回転力を得る。上述の如く、固定部6aに取り付けられた下プーリー6dは図示しないがケーシング7を挟んで対象位置に同じものが設けられている。
図4〜6に示すように、ケーシング7は複数の分割単位が連結部7xにより順次連結される。保護カバー7yはロッド54及び下部以外の位置においてケーシング7の外面に位置することとなる圧送チューブ63を適宜箇所で覆うアングル又はチャンネルである。
掘削ユニット8は、ケーシング7の底部60に適宜箇所に設けられた小堀削刃61とケーシング7の外面に設けられた大堀削刃62とを備え、さらにケーシング7の口径に応じて複数箇所に爪装置40を備えている。圧送チューブ63は空気、水、ベントナイト等を注入するためのものであり、ケーシング7の下部のみでケーシング7の内部に位置し、他の部分ではケーシング7の外部に位置する。なお、掘削ユニット8は、図5に示すように、ケーシング7にフランジ等により着脱自在に取付可能としてもよい。
爪装置40を駆動させるための爪駆動機構90はケーシング7の上部に設けられている。ケーシング7に一端を支持されたシリンダー91の下側に出退するピストン92をケーシング7を貫通溝7zで内外に貫通する第一継手93及び第二継手94を介してロッド54と連結する。そして、ピストン92の上下移動に伴ってロッド54を上下移動させる。
図8〜10に示すように、爪装置40の爪41は先端部分を湾曲させた鋼材で形成され、後端の貫通孔41bに軸43cが貫通され、この軸43cは第一連結体43の一方に形成された長孔43b内をスライドする。第一連結体43と第2連結体44とは軸43dにより枢着され、第2連結体44は連結板54bを介してロッド54と固定される。爪41の先端には支持孔47aから爪41が抜けることを防止するための抜止部42が固着されている。そして、この爪装置40は、先の爪駆動機構90によりロッド54を上下移動させることで、図9の如く爪41を突出、復帰させる。図9(b)の状態において、爪41を突出させて杭100を保持すると、爪42の上面が支持孔47a上部の受け板47の外側と接触すると共に爪42の上面が支持孔47a下部の受け板47の内側と接触して、抜止部42に荷重F1が掛かる。この荷重F1に対し支持孔47aと爪41との間に反力としてF2,F3が発生する。この反力F2は支持孔47a下部の受け板47の内側との接触点に下方向から掛かり、反力F3は支持孔47a上部の受け板47の外側との接触点に上方向から掛かり、反力F2の点を支点に荷重F1を受け止める。従って、爪41に荷重が掛かったとしても、爪41以外の部材、特にロッド54には荷重が殆ど作用せず、駆動部分の破損を防ぐことができる。爪41の先端には図11に示すように鉄筋切断用のカッター42xを取り付けることもできる。
図8(b)に示すように、爪41の横幅W1と支持孔47aの横幅W2とのクリアランスは爪41の移動に影響を及ぼさない程度に設定され、さらに受け板47の厚みTによりケーシング7の回転時に爪41に生じる負荷Frを支持孔47aの側部と爪41との接当により受け止めるように構成してある。図9(c)に示すように、ケーシング7の回転により爪41の回転方向下手側側面において、ケーシング7外部の爪41側部には土砂の抵抗F4がケーシングの反回転方向に掛かり、ケーシング7内部の爪41側面には杭100の抵抗F5がケーシングの反回転方向に掛かる。また、爪41の回転方向上手側側面において、受け板47と爪41と接触し、その接触によりケーシング回転方向に反力F6が生じる。よって、ケーシングの回転に対しても、梃子の原理により回転抵抗を受け止めることができ、爪41以外の部材、特にロッド54には荷重が殆ど作用せず、駆動部分の破損を防ぐことができる。
図12は爪装置40の改変例であり、掘削ユニット8の下端側に設けたプーリー49aに軸43cに固定したワイヤー49を掛けわたし、牽引することで、爪41を突出させることができる。抜止部42の下端42aは爪41の当初突出時に支点となって爪41を突出させる駆動力が軽減される。爪41を強制的に戻すには軸43cを他のワイヤーで直接牽引するようにしてもよい。図13は爪41の上下を逆にした改変例であり、ワイヤー49を上に直接引き上げることで、爪41を突出させることができる。これらの改変例のいずれも、上記実施形態同様に抜止部42に荷重F1が掛かるが、支持孔47aと爪41との間に反力としてF2,F3が発生し、反力F2の点を支点に荷重F1を受け止めることができる。
次に、図1、14、15を参照しながら、掘削ユニット8の基本的な動作について説明する。まず、図14(a)に示すように、先のトップシーブ5及びケーシング駆動装置6を介してケーシング7及び掘削ユニット8を駆動回転及び上下移動させ、杭100の周囲を掘削する。掘削が進むにつれ杭100とケーシング7内面との接触抵抗が高まると、(b)の如く爪41を突出させて杭100周面の接触抵抗を軽減する。杭100の先端部101に到達すると、(c)の如く再び爪41を突出させて掘削ユニット8を回転させ、底面の先端抵抗を解除する。その後、(d)の如く爪41を突出させてケーシング7と共に杭100を抜き上げる。
図15(a)の杭100を途中で切断するには、図11に示す先端にカッター42xの設けられた爪41を用い、(b)の如く所望位置で爪41を突出させて回転させ、杭100内の外周に位置する鉄筋104を切断する。切断後、(c)に示すように、さらに爪41を突出させて楔の原理で杭100を完全切断し、上部をケーシング7と共に抜き去る。
次に、上記撤去装置1を用いた杭100の抜き取り工法について、図16、17を参照しながら説明する。まず、図16に示すように、杭100に対し符号7a、7bに示すようにケーシング7を順次接続し、周面抵抗の解除を行いながら掘削を進める。図16(b)の如く杭100の全長まで掘削ユニット8が達した時点で先の先端抵抗の解除を行い、さらに爪41を突出させて杭100の先端を保持し、図16(c)のように杭100の全てを抜き去る。この状態でケーシング7はトップシーブ5の上部まで突出する。そして、クラッシャー10により順次下部から杭100を切断破砕し、杭100を処分する。杭100を抜き去った穴HにはグラウトGが注入され、崩壊が防止される。他の杭100を抜き去るには、ケーシング7を接続した状態で第一クローラ2を他の杭100の位置まで移動させ、掘削を始めれば良く、トップシーブ5に貫通部29を設けたことで、ケーシング7の分解労力等、工程が大幅に省力化される
図16(d)、図17は、ケーシング7を分解する場合の工法に関する。図16(b)の構成の後、中間位置まで杭100を引き上げてから、図17(a)に示すように、保持具16をケーシング7に取り付けてケーシング7の埋没を防ぎ、ケーシング7のうち7cと7dとの間を分離して7dを抜き取る。そして、図17(a)の如く、クレーン12により単体7dを倒した後、杭100にケーシング駆動装置6を被せて倒壊を防止しながら切断部100xの位置でクラッシャー11により杭100を切断し、クレーン12により撤去する。可能な場合は、図17(b)の如く、杭100の残余部分100bをクレーン12によりそのまま抜き去ることができる。先の先端抵抗の解除により、抜き去りが容易となる。クレーン12による抜き取りができない場合は上述の工程を繰り返す。その後、ケーシング7の残余部分7c内に埋戻土をバックホー13により投入し、7cを最終的に引き抜くことで杭100の抜き取りが完了する。
次に、添付図面の図18〜36を参照しながら、本発明の第二実施形態をさらに詳しく説明する。なお、上記第一実施形態と同様の部材には同様の符号を付してある。
図18に示すように、本発明に係る撤去装置1では、第一クローラ2のクローラ本体3の前方にリーダーマスト4を角度自在に取り付け、リーダーマスト4の頂部にトップシーブ5を取り付けてある。そして、リーダーマスト4の中間部にトップシーブ5によって上下昇降自在にケーシング7を回転させるケーシング駆動装置6を取り付けてなる。ケーシング7の下端には堀削ユニット8が設けられている。ケーシング7は、複数の単体が適宜連結・取り外しされ、ケーシング駆動装置6により堀削ユニット8が駆動回転させられて地中Eを掘削する。
図18に示すように、ケーシング駆動装置6はケーシング7を支持し駆動回転させる。ケーシング駆動装置6はリーダーマスト4のレール4aにスライド自在にスライダー6cを介して取り付けられた固定部6aと、この固定部6aの下でケーシング7を保持し駆動回転させる回転部6bとを備えている。回転部6bの回転駆動力は連結フランジ6eを介して上ケーシングに伝達され、ケーシング7は駆動回転力を得る。
上述の如く、固定部6aに取り付けられた下プーリー6dは、図示しないがケーシング7を挟んで対象位置に同じものが設けられている。ケーシング7は複数の分割単位が連結部7xにより順次連結される。保護カバー7yはロッド46及び下部以外の位置においてケーシング7の外面に位置することとなる圧送チューブ63を覆うアングル等である。
図19、20、21(a)で示すように、掘削ユニット8は、大略、爪駆動装置80、爪装置40、伝達機構50により構成される。爪駆動装置80は、主として連結環81、内環82、中環83、外環84により構成される。また、連結環81は、ケーシング7と中環83との間に配置され、ケーシング7と中環83とをフランジ81aで連結し、ケーシング駆動装置6の駆動力を中環83に伝達する。図2に示すように、中環83は円周面に貫通した切欠30を有している。ここで、上分割体には連結環81、中環83及び外環84が含まれ、下分割体には内環82及び下環86が含まれる。
内環82の上部は中環83の内側に嵌合され、中環83の2カ所に設けられた切欠83、83対応位置における内環82外周面には、略正方形のコマ85、85が設けられている。内環82及び中環83は相対回転及び伸縮自在であり、コマ85が中環83の切欠30内を移動しつつ円周方句に接当することで、コマ85及び切欠30よりなる係合機構により、内環82の突出量を規制し両者間に回転力を伝達する。
外環84は中環83の外周面を覆うように配置され、切欠30を覆い塞ぐことで土砂の切欠30への流入を防ぎ、中環83の切欠30を補強している。また、図21(a)に示すように、外環84の外周面には、ロッド54の球状端部54aを内包する上第一ホルダー51と、それと同じ構造の上第二ホルダー52がそれぞれ2個ずつ180度隔てて配置されている。
図19、図22、図24に示すように、爪装置40は、底部60の外周面に、ケーシング7の口径に応じて複数箇所に設けられ、本実施形態では180度隔てて2カ所に設けられている。爪装置40は図22に示すように、大略、チャック爪41、押え板45、受け板47及びガイド板48により構成されている。
チャック爪41は図24に示すように先端部分を湾曲させた鋼材で形成され、先端に抜け止め用のフランジ42、後端に貫通孔43a、側面に溝41aが設けられている。受け板47は底部60の側面に固定され、受け板47に設けられた支持孔47aにチャック爪41が摺動自在に嵌合されている。
図6に示すように、受け板47の支持孔47aの両側にはピン46、46をそれぞれ内側に突出させて止めボルト46aで固定し、各ピン46を溝41aにスライド可能に嵌め込んであり、チャック爪41の支持孔47aへの出退をスムーズにしている。また、支持孔47aの下方には押え板45が固定され、チャック爪41の湾曲部が押え板45に当接することで、チャック爪41の支持孔48aへの出退を補助している。
後述する連結部53の貫通孔53bとチャック爪41後端の貫通孔43には軸43eを貫通させてある。また、チャック爪41の左右に設けたガイド板48のカム面48aには先の軸43eがスライド自在に接当し、下ホルダー53とチャック爪41とを屈曲可能に連結すると共に、後述のロッドガード55と相まってカム面48aに沿って軸43eの軌跡を制限している。
チャック爪41は突出状態で図23に示すように支持孔47aの上下に接当し、先端に荷重F1が下向きに作用する。そこから順次右に移るにしたがって、下側からF2,さらに下向きのF3が作用する。すなわち、支持孔47aの下側であるF2の点が支点となって両側で下向き力F1,F3が作用する。これにより、ロッド54に関わらずチャック爪41は多大な荷重を支持することができる利点がある。また、図24,25に示すように、支持孔47aの側面はチャック爪41と小さなクリアランスで接触しているので、ケーシング回転時の横方向の負荷にも耐えることができ、後述のカッター42xによる切断も可能である。
図2、図3に示すように、伝達機構50は、上第一ホルダー51、上第二ホルダー52、下ホルダー53、ロッド54及びロットガード55から構成される。各ホルダー51〜53は、ロッド54の球状端部54aを内包するように設けられ、図27に示すように、それぞれ窪み51cを有するホルダーベース51aに球状端部54aを当接させ、窪み51dを有する2枚のベースカバー51bで挟み込むと共に4角をボルト51eで止め、着脱自在に固定している。
図26に示す先の各切欠30は、杭抜き用の第一部30aと、杭切断用の第二部30bとを有している。そして、図19,20に示すように、第一部30aを上第一ホルダー51と共に、第二部30bを上第二ホルダー52と共に、それぞれホルダーを切り替えて使用する。
図19、図21、図22に示すように、底部60は内環22と連結されている。そして、底部60の底面に適宜箇所に設けられた小掘削刃61と、爪装置に至るまで底部60の外周面に沿って滑らかに順次高くなり拡径して設けられた大掘削刃62(62a〜c)を備えている。中環23から内環22に伝達された駆動力で、内環22と共に底部60が回転し、小掘削刃61と大掘削刃62との作用で、地中Eを掘削することができる。
圧送チューブ63は空気、水、ベントナイト等を注入するためのものであり、上部からケーシング7の外側に沿って下部まで延長される。圧送チューブ63は掘削ユニット8において、フランジ64を貫通するジョイント63aから中継管63bを介して外環24外面を誘導され、屈曲自在なフレキシブルチューブ63cを介してL字管63dから内環22を貫通する。これにより、掘削ユニット8の内部に流動体が供給される。内環22と外環24の相対移動はフレキシブルチューブ63cにより吸収される。
次に、図26、28、29を参照しながら、堀削ユニット8の基本的な動作について説明する。
まず、図28は、杭100の引抜き作業に相当する。この際、伝達機構50におけるロッド54を上第一ホルダー51に固定すると共にコマ25を第一部31aに符合させる。当初において、コマ25は図26に示す左抜部31におけるP1に位置してコマ25に対し中環23を方向C2側へ回転させる。図19,20に示すように、内環22と中環23とは伸びきった関係となる。
図28(a)に示すように、先のトップシーブ5及びケーシング駆動装置6を介してケーシング7及び堀削ユニット8を駆動回転及び上下移動させ、中管23及び切欠30をコマ25に対して相対的に(以下同様)方向C1へ回転させ、コマ25を符合P1’の位置で第一部31に接当させ、杭100の周囲を掘削する。この際、内環23が中環24から突出している状態であるため、図28に示すように、チャック爪41は杭100方向に入り込んでいない。
掘削が進むにつれ杭100とケーシング7内面との接触抵抗が高まると、随時適宜位置にてケーシング7全体を下に押し下げ例えばコマ25を符合P1’からP2の位置まで移動させる。
次に、図28(b)の如くチャック爪41を突出させて杭100周面の接触抵抗を軽減する。この際の掘削ユニット8におけるコマ25の位置は、図26に示すP2の位置に自然に移動する。これにより、内環23は中環24にやや入り込み(内環23、中環24が相対縮小し)、ロッド54がチャック爪41を押し出すように作用することで、図28(b)に示すようにチャック爪41は内側方向にケーシング7の押し込み量だけ突出し、杭100周面の接触抵抗を軽減させる。圧抜き部31は階段状でコマ25の上方移動は自由であり、チャック爪41の突出量は先の中環23の押し込み量により決定される。
杭100の先端部101に到達すると、図26の方向C2に内環23の回転方句を切り替えてコマ25を上方に移動させ、さらに矢印C1の方向に回転を切り替えて図28(c)の如くさらにチャック爪41を突出させて堀削ユニット8を回転させ、杭100の底面の先端抵抗を解除する。この際の掘削ユニット8におけるコマ25の位置は、図26に示すP3の位置に移動する。これにより、内環23が中環24に入り込み(内環23、中環24が相対縮小し)、ロッド54がチャック爪41を押し出すように作用することで、図28(c)に示すようにチャック爪41は杭100方向にさらに突出し、杭100の底面の先端抵抗を解除している。
杭100を引抜く際には、図28(d)の如くチャック爪41を突出させてケーシング7と共に杭100を抜き上げる。この際の掘削ユニット8におけるコマ25の位置は、図26に示すP4の位置である。この状態において、チャック爪41を突出させて杭100を保持すると、図7で示すように、フランジ42に荷重F1が掛かるが、支持孔48aとチャック爪41との間に反力としてF2,F3が発生し、荷重F1を受け止める。従って、チャック爪41に荷重が掛かったとしても、チャック爪41及び受け板48以外の部材には荷重が殆ど作用せず、駆動部分の破損を防ぐことができる。
続いて、図29(a)〜(c)を参照しながら、杭100の切断作業について説明する。ここでは、図9に示す先端にカッター42xの設けられたチャック爪41を用いる。伝達機構50におけるロッド54を、上第二ホルダー52に固定し、爪駆動装置20におけるコマ25を、図26に示す切欠30の第二部30bに移動させる。
図29(a)の状態におけるコマ25の位置は、図10に示すQ1の位置である。回転方向は図10のC2方向であり、図29(a)に示すように、チャック爪41は杭100方向に未だ突出していない。
図29(b)の如く所望位置でチャック爪41を突出させて回転させ、切り込み溝102を形成すると共に杭100内の外周に位置する鉄筋104を切断する。この際の掘削ユニット8におけるコマ25の位置は、図26に示すQ2の位置である。コマ25をQ1からQ2に移動させるには、僅かに方向C1に回転させつつ、ケーシング7を押し込む方向に移動させ、切断部33の次の段にコマ25が移動したところで再びC2に中環23を回転させる。
杭100の鉄筋の切断後、上記作業を繰り返し図29(c)に示すように、さらにチャック爪41を突出させて楔の原理で杭100を完全切断し、切断部103をチャック爪41で掴んで杭100の上部をケーシング7と共に抜き去る。なお、この際の掘削ユニット8におけるコマ25の位置は、図26に示すQ3の位置であり、コマ25を第二チャック部34に接当させて中環23によりコマ25と共に内環22を引き上げる。
次に、図30〜32を参照しながら杭の撤去工程について説明する。
図30(a)に示すように、ケーシング駆動装置6に掘削ユニット8を接続し、地表から掘削を開始して、杭100の地表から数メートルの部分で掘削ユニット8の押し込みを停止させる。切欠30におけるコマ25を、図26で示す切断部33のQ2に位置させることでチャック爪41を突出させ(図29(b)の状態と同一)、掘削ユニット8を回転させてチャック爪41で杭100の上部表面に切り込み溝102(図30(c)参照)を入れる。
一度掘削ユニット8をグラウンドG上に移動させ、ロッド54を上第二ホルダー52から上第一ホルダー51に入れ替え、更にカッター42xを有さないチャック爪41に付け替える。再度、掘削ユニット8を用いて掘削を行い、ケーシング7を継ぎ足すことにより、杭100の先端まで掘り進む。上述の実施形態同様に、杭100の中間部及び先端部と土との縁切りを行う(図28(b)(c)と同様の作業)。その後、掘削ユニット8のチャック爪41を収納させた後、全てのケーシング7及び掘削ユニット8をグラウンドG上へ移動させる。
続いて、図30(c)に示すように、バイブロ14を用いてシートパールを杭100の外周におけるケーシング7の存在した位置に打ち込み、図31のようにシートパイルで杭100を囲い込む。ここで使用するシートパイル110は、図31,32に示すように同一方向から一個置きに組み合わされる二種類のシートパイル111,112により構成されている。
図32(a)(b)に示すように、横端の形状が異なる2種類のシートパイル111,112をつなぎ合わせ、図32(a)(b)に示す如く、各シートパイル間に杭抜き作業用のスペーサー(鋼製)114を介在させる。シートパイル111,112のつなぎ合わせは、図32(c)に示す如く、連結部115において凸状終端111aと凹状終端112aを重ね合わせる。このように終端の形状が異なる2種類のシートパイルを組み合わせることで、同一方向から杭100の外周を囲い込む。なお、掘削時に先の圧送チューブ63で水・CB液等を注入してもよい。
図33は、液体注入用のシートパイル111,112である。複数のチューブ121(121a〜f)を固定具123でシートパイル上に固定し、管先端121xの位置をずらせることで、異なる位置に注水等が可能である。図31の施工や図35(a)の施工に数個おきにこの管付のシートパイルを配置するとよい。
次に、図示省略するが、杭100の上部に先の掘削ユニット8を位置させる。そして、チャック爪41を溝に掛止し、第一クローラ2を用いて地中から杭100を引抜く。杭100を引抜いたの穴Hに土砂を埋め込み、土砂を埋め込んだ後にシートパイルを引抜くこととなる。杭100を引抜く際に、杭100の周縁にシートパイルが存在するので、杭100の周縁の土が崩れ落ちることがなく、工事後の地盤沈下を防止することができる。
図34は、爪駆動装置20、切欠30、爪装置40及び伝達装置50の関係を模式化した一部断面図を示す。(a)は第一実施形態の図2の右側を模式化したものである。一方、図34(b)は 内環22と中環23の役割を同図(a)と相対的に入れ替え、第一内環22’に切欠30を設け、中環23’にコマ25を設けてもよい。
さらに、図34(c)に示すように、爪駆動装置20、切欠30、伝達装置50の代わりに、シリンダ装置70を用いることも可能である。これは、第二内環22’’に上ロッド71aを接続し、下ロッド71bにチャック爪41を接続して、上ロッド71aと下ロッド71bとの間にシリンダ71を設けることで実現される。
図35、36は矩形地域にシートパイルを打設した状態を示す。二種類のシートパイル111,112が交互に設けられ、コーナー部分では他のシートパイル113が用いられる。各シートパイルは図36に示すように(a)(b)では左右の連結部111a,112aは対象形状であるが、(c)では連結部113aが左右異なる形状となる。一点鎖線で示したシートパイル112のみで構成された場合に比較して、占有ラインがB4からB3に拡大され、無駄な境界スペースを削減することが可能となる。
最後にその他の実施形態の可能性について言及する。上記各実施形態において、爪41又は支持孔47aのいずれかに溝を形成することで、爪41移動時の抵抗を軽減することが可能である。また、上記第一実施形態では振止環26が固定であったが、この振止環26を例えば前方が開閉可能となるように構成してもよい。
上記各実施形態は相互組み合わせが可能であり、各実施形態で用いられていない構成も他の実施形態の構成を適用することが可能である。
本発明は、杭の抜き取り及び切断のための装置及び工法として利用することができる。また、上記爪装置の構造は、杭の抜き取りのみに限らず、他の重量物の保持にも適用可能である。さらに、本発明は、杭や転石等の地中障害物の撤去装置及び撤去方法として利用することができる。

Claims (11)

  1. 円筒状のケーシングと、このケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去する地中障害物の撤去装置であって、前記チャック爪が前記爪駆動装置により前記孔に沿ってケーシング内側に突出するように湾曲しており、前記孔を形成する部材が厚みを有し、前記チャック爪に下方向きの荷重が掛かった際に前記孔の下部でケーシング内側部分と前記孔の上部でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記下方向きの荷重を支持することを特徴とする地中障害物の撤去装置。
  2. 前記ケーシングを回転させることにより前記チャック爪に反回転方向の荷重が掛かった際に前記孔の前記回転方向上手側でケーシング内側部分と前記孔の前記回転方向下手側でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記反回転方向の荷重を支持することを特徴とする請求項1記載の地中障害物の撤去装置。
  3. 前記ケーシングが前記掘削歯及びチャック爪を有する下分割体とさらに上部のケーシングに連結させるための上部分割体とを有し、前記上下分割体は相対回転及び相対伸縮可能であり、前記上下分割体の間に各分割体に設けられた係合部が互いに係合してこれら上下分割体の相対伸縮の可否を上下分割体の相対回転位置で選択可能な係合機構を有し、前記爪駆動装置が前記上下分割体の相対縮小により前記チャック爪を前記ケーシングの内側に突出させるものであることを特徴とする請求項1記載の地中障害物の撤去装置。
  4. 前記係合機構が、チャック爪の突出量を前記上下分割体の相対回転及び相対縮小により調整する圧抜き部と、さらに前記上下分割体の相対縮小を許容した後上下分割体の相対伸長を防ぐ第一チャック部とを備え、前記相対回転で爪の突出及び固定を回転で切替であることを特徴とする請求項3記載の地中障害物の撤去装置。
  5. 前記係合機構が、縮小規制を段階的に行い、チャック爪の突出量規制を段階的に行うことを特徴とする請求項4記載の地中障害物の撤去装置。
  6. 前記爪駆動装置が伸縮装置とこの伸縮装置により前記チャック爪を駆動させるロッドよりなることを特徴とする請求項1記載の地中障害物の撤去装置。
  7. 前記地中障害物が既設杭であり、前記ケーシングを回転させるケーシング駆動装置を昇降させるトップシーブを備え、ケーシング駆動装置とトップシーブにはそれぞれケーシング設置位置を挟んで少なくとも一対のプーリー群が設けられており、前記プーリー群の間を掛けわたすワイヤーをケーシング設置位置を迂回させるプーリーを介して配置することにより、一対のプーリー群間にケーシングの通過を許容する貫通部を設けたことを特徴とする請求項1記載の地中障害物の撤去装置。
  8. 前記地中障害物が杭であることを特徴とする請求項1記載の地中障害物の撤去装置。
  9. 前記地中障害物が転石であることを特徴とする請求項1記載の地中障害物の撤去装置。
  10. 前記ケーシングの最下端に位置し請求項1〜9のいずれかに記載の地中障害物の撤去装置に用いる掘削ユニットであって、前記ケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去するものであり、前記チャック爪が前記爪駆動装置により前記孔に沿ってケーシング内側に突出するように湾曲しており、前記孔を形成する部材が厚みを有し、前記チャック爪に下方向きの荷重が掛かった際に前記孔の下部でケーシング内側部分と前記孔の上部でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記下方向きの荷重を支持することを特徴とする掘削ユニット。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の地中障害物の撤去装置を用いた地中障害物の撤去方法であって、円筒状のケーシングと、このケーシング下端部の掘削歯と、前記ケーシング下端部に設けられた孔と、この孔に挿入されケーシング内側に突出するチャック爪と、このチャック爪をケーシング内側に突出させる爪駆動装置とを有し、地中に埋設された障害物の外周を前記掘削歯で掘削して当該障害物をケーシングにより覆うと共に前記チャック爪で障害物を掴んだ状態でケーシングを引き上げることにより障害物を地中から撤去する地中障害物の撤去装置を備え、前記チャック爪が前記爪駆動装置により前記孔に沿ってケーシング内側に突出するように湾曲しており、前記孔を形成する部材が厚みを有し、前記チャック爪に下方向きの荷重が掛かった際に前記孔の下部でケーシング内側部分と前記孔の上部でケーシング外面側部分を前記チャック爪に接当させて前記下方向きの荷重を支持することを特徴とする地中障害物の撤去方法。
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