JP5203539B1 - 既設杭引き抜き装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲がっている既設杭でも引き抜くことが可能な既設杭引き抜き装置を提供する。
【解決手段】既設杭引き抜き装置1は、ケーシング11と、突出位置及び退避位置の間で移動可能なチャック爪13と、下端がチャック爪13の基端部に接続されるロッド15と、ロッド15の上端に接続され、ロッド15をケーシング11に対して上下にストロークさせることにより、チャック爪13を前記退避位置及び突出位置の間で移動させる油圧ジャッキ16と、を備え、ケーシング11には、ケーシング11を折り曲げ可能な関節部31・32・33・34・35が設けられ、ロッド15は、関節部31・32・33・34・35の側方に存在し、ケーシング11に沿うように曲がり、ケーシング11沿いにストロークする可曲部41・42・43・44・45を有する。
【選択図】図11

Description

本発明は、既設杭を引き抜く既設杭引き抜き装置に関する。
建築物や土木構造物等をつくるとき、その基礎を構成するために地中に杭が打ち込まれて埋設される。このため、建築物の建て替え等を行うとき、古い建築物を解体撤去するだけでなく、地中に埋設されている杭(既設杭)を除去する必要がある。
従来、既設杭を引き抜く既設杭引き抜き装置を公知である(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の既設杭引き抜き装置は、ケーシングを地盤に挿入して、ケーシング内に既設杭を配置して、チャック爪をケーシング内へ突出させて、チャック爪でケーシングの下端部を支持した状態でケーシングを引き抜く。これにより、既設杭がケーシングと共に引き抜かれる。
しかし、既設杭が曲がっているような場合には、ケーシングを地中に進入させる際に、ケーシングが既設杭につかえて停止してしまい、これにより、チャック爪を既設杭の下方まで下降させることができず、既設杭を引き抜けないことがあった。
特開2010−101107号公報
本発明は、曲がっている既設杭でも引き抜くことが可能な既設杭引き抜き装置を提供する。
請求項1に記載の既設杭引き抜き装置は、
下端が開口した円筒状を有するケーシングと、
前記ケーシングの外周側かつ下端部寄りに配置され、前記ケーシングの内部に先端部を突出する位置である突出位置、及び前記ケーシングの内部から退避した位置である退避位置の間で移動可能なチャック爪と、
前記ケーシングの外周側に配置されると共に、下端が前記チャック爪の基端部に接続されるロッドと、
前記ロッドの上端に接続され、前記ロッドを前記ケーシングに対して上下にストロークさせることにより、前記チャック爪を前記退避位置及び突出位置の間で移動させる押圧装置と、
を備え、
前記ケーシングには、前記ケーシングを折り曲げ可能な関節部が設けられ、
前記ロッドは、前記関節部の側方に存在し、前記関節部に沿うように曲がり、前記関節部沿いにストロークする可曲部を有する。
請求項2に記載の既設杭引き抜き装置においては、
前記ロッド及び押圧装置の間には、
上下動可能に支持されると共に前記ロッドの上端に接続され、前記ロッドに振動又は下方向の断続的な衝撃を付与する付与装置と、
下端が前記付与装置に接続され、上端が前記押圧装置に接続される弾性部材と、
が設けられる。
請求項3に記載の既設杭引き抜き装置においては、
前記ロッドを前記ケーシングに対して下方移動させることにより、前記チャック爪を前記退避位置から突出位置へ移動させる前記押圧装置と、
前記チャック爪が前記退避位置にある状態から、前記ケーシングに対して上方移動することを規制する規制部材と、
前記ロッド及び押圧装置の間に介装され、前記ロッドを前記押圧装置に対して上下動可能に支持する支持部材と、
前記ロッドを上方に付勢する付勢部材と、
を備える。
請求項4に記載の既設杭引き抜き装置においては、
前記ロッドを前記ケーシングに対して下方移動させることにより、前記チャック爪を前記退避位置から突出位置へ移動させる前記押圧装置と、
前記チャック爪が前記退避位置にある状態から、前記ケーシングに対して上方移動することを規制する規制部材と、
前記ロッド及び付与装置の間に介装され、前記ロッドを前記付与装置に対して上下動可能に支持する支持部材と、
前記ロッドを上方に付勢する付勢部材と、
を備える。
請求項5に記載の既設杭引き抜き装置においては、
前記ロッドを前記ケーシングに対して下方移動させることにより、前記チャック爪を前記退避位置から突出位置へ移動させる前記押圧装置と、
前記チャック爪が前記退避位置にある状態から、前記ケーシングに対して上方移動することを規制する規制部材と、
上下動可能に支持されると共に前記ロッド及び押圧装置の間に設けられ、前記ロッドに振動又は下方向の断続的な衝撃を付与する付与装置と、
前記付与装置及び押圧装置の間に介装され、前記付与装置を前記押圧装置に対して上下動可能に支持する支持部材と、
前記付与装置及び押圧装置の間に配置され、前記付与装置及び押圧装置の最大離間寸法よりも、短い自然長を有する弾性部材と、
前記ロッドを上方に付勢する付勢部材と、
を備える。
請求項6に記載の既設杭引き抜き装置においては、
前記付勢部材は、一端が前記ケーシングに取り付けられ、他端が前記ロッドに取り付けられる弾性体を有する。
請求項7に記載の既設杭引き抜き装置においては、
前記押圧装置は、前記ケーシングの外周面に固定される本体と、前記本体に対して上下動することで、前記ロッドを上下動させるピストンロッドと、を有し、
前記付勢部材は、前記ピストンロッドと共に上下動する連動体と、一端が前記連動体に取り付けられ、他端が前記ロッドに取り付けられる弾性体と、を有する。
本発明は、曲がっている既設杭でも引き抜くことが可能であるという効果を奏する。
既設杭引き抜き装置の第一実施形態を示す概略構成図。 ケーシング、チャック爪、及び油圧ジャッキの構成を示す図。 図2において連通孔を矢印Aの方向から見た図。 (a)図2においてガイド部を矢印Aの方向から見た図、(b)図1のガイド板の拡大図。 退避位置にあるチャック爪を示す図。 チャック爪が退避位置から突出位置へ移動している状態を示す図。 突出位置にあるチャック爪を示す図。 (a)ケーシング部を上方から見た図、(b)ケーシング部を側方から見た図、(c)ケーシング部を下方から見た図。 (a)ケーシング部を連結するときの動作を示す図、(b)ケーシング部を連結するときの動作を示す図、(c)ケーシング部の連結状態を示す一部切断断面図。 (a)図9(c)のB−B断面図、(b)図9(c)の一部拡大断面図。 (a)チャック爪が退避位置にあるときのロッドの可曲部を示す図、(b)チャック爪が退避位置と突出位置の間にあるときのロッドの可曲部を示す図、(c)チャック爪が突出位置にあるときのロッドの可曲部を示す図。 付与装置、及び弾性部材を示す図。 (a)吊り下げられた状態のケーシングを示す図、(b)地盤からの圧力を受けた状態のケーシングを示す図。 図13(a)の一部拡大断面図、(b)図13(b)の一部拡大断面図。 (a)規制部材の変形例を示す図、(b)図15(a)の側面図。 (a)支持部材、及び付勢部材を示す図、(b)図16(a)の側面断面図。 (a)図16(a)のロッドが上方移動した状態を示す図、(b)図17(a)の側面断面図。 (a)付勢部材の変形例を示す図、(b)図18(a)のロッドが上方移動した状態を示す図。 (a)付勢部材の変形例を示す図、(b)図19(a)のロッドが上方移動した状態を示す図。 付与装置、弾性部材、支持部材、及び付勢部材を示す図。 既設杭引き抜き装置の第二実施形態を示す概略構成図。 図21の一部拡大断面図。 (a)支持部材の変形例を示す図、(b)図23(a)に示す支持部材の側面図。 (a)弾性部材の変形例を示す図、(b)弾性部材の変形例を示す図。 図21のロッドが上方移動した状態を示す図。
[第一実施形態]
以下では、既設杭引き抜き装置1について説明する。
既設杭引き抜き装置1は、地中に埋設された杭(既設杭)10を引き抜くことにより地中から除去するものである。
既設杭10は、建築物等の基礎として地中に埋設されている杭であり、例えば、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭、鋼管杭、H鋼杭等がある。
図1及び図2に示すように、既設杭引き抜き装置1は、ケーシング11、掘削歯12、チャック爪13、ガイド部14、ロッド15、油圧ジャッキ16、駆動装置17、およびスイベル18、を備える。
掘削歯12はケーシング11の先端部に設けられており、チャック爪13、ガイド部14、ロッド15、および油圧ジャッキ16は、ケーシング11の外周側に設けられている。スイベル18は、ケーシング11の上部に設けられており、駆動装置17は、ケーシング11の上部に設けられるとともに、ベースマシン19のアーム19aの先端から吊り下げられている。
また、チャック爪13は、ケーシング11の外周側から内方側へ突出可能に構成されている。
ケーシング11は、上下両端が開口する、中空の円筒形状を有する部材であり、既設杭10より大きい内径を有する。
図2及び図3に示すように、ケーシング11の下端部には、ケーシング11の内部(ケーシング11の内周面で囲まれる空間)と外部とを連通し、チャック爪13が通過可能に構成される連通孔11aが形成されている。連通孔11aの中央上部には下方に突出する突出部11bが形成される。突出部11bによって、連通孔11aは凹形状に開口している。
ケーシング11には、水、ベントナイト等の泥土化剤をケーシング11の先端部に供給するための配管(不図示)が適宜設けられている。この泥土化剤により地層の硬度を低下させている。ケーシング11の詳細な説明は後述する。
掘削歯12は、ケーシング11を地中に進入させるときに地層を掘削するものであり、ケーシング11の先端に複数固定されている。
既設杭引き抜き装置1においては、駆動装置17によりケーシング11を軸(円筒状のケーシング11の中心軸)周りに回転させつつ、ベースマシン19でケーシング11を下降させることにより、ケーシング11の先端の掘削歯12によって地層を掘削しつつケーシング11が地中に進入していく。また、ベースマシン19により地中に進入したケーシング11を地上に引き抜く際も同様にケーシング11を回転等させる。
図2に示すように、チャック爪13、ガイド部14、ロッド15、および油圧ジャッキ16は、ケーシング11の中心軸を中心にして複数組(本実施形態では二組)設けられ、それぞれの組がケーシング11の中心軸回りに等間隔に配置されている。また、ケーシング11の先端部から、チャック爪13・ガイド部14→ロッド15→油圧ジャッキ16の順に設けられている。
チャック爪13は、既設杭10の引き抜き時に既設杭10を下方から支持するものであり、略円弧形状、かつ、先端に向かうにしたがって先細りする先細り形状を有する部材である。
チャック爪13は、ケーシング11の連通孔11aを通じて移動し、突出位置、および退避位置の間で移動可能に構成されている。チャック爪13の「突出位置」は、連通孔11aを通じてケーシング11の内部に貫入し、ケーシング11の内部に先端部を突出している位置であり、前記突出位置にあるチャック爪13はケーシング11の軸に対して略垂直方向に突出する姿勢になる(図7参照)。チャック爪13の「退避位置」は、ケーシング11の内部から外周側に退避している位置であり、前記退避位置にあるチャック爪13はケーシング11の外周面に対向するとともにケーシング11の軸に対して略水平姿勢になる(図5参照)。
なお、チャック爪13は、連通孔11aを通るときに、連通孔11aの内壁に接して支持されるように構成されており、チャック爪13の内周側には、連通孔11aの突出部11bに係合する溝が形成されている。
図2および図4に示すように、ガイド部14は、チャック爪13が「突出位置」および「退避位置」の間で移動するようにガイドするものであり、ケーシング11の外周面における連通孔11aの近傍に配置されている。ガイド部14は、ガイドピン14a、およびガイド板14b・14bを有する。
ガイドピン14aは、チャック爪13の基端部およびロッド15の分割部56cの下端を貫通し、両端部がガイド板14b・14bのガイド溝14c・14cにそれぞれ挿入されて係合している。これにより、チャック爪13がロッド15とともにガイド溝14cに沿って移動する。
ガイド板14bは、ケーシング11の外周面に固定されており、ガイド板14bには、ガイドピン14aと係合するガイド溝14cがそれぞれ形成されている。ガイド板14bの縁部には、ガイド部材14dが固定されている。
ガイド溝14cは、円弧形状を有する溝であり、チャック爪13の移動軌跡を円弧状にガイドする。
ガイド部材14dは、ガイド板14bの下部における外周側縁部に設けられており、チャック爪13の先端側に当接するように設けられている。チャック爪13が退避位置から突出位置に移動する際に、ガイド部材14dに当接することにより、円滑に移動可能となっている。
以上のように、ガイド部14によってチャック爪13が前記退避位置から突出位置へと円滑に移動可能に構成されている。
図2に示すように、ロッド15は、ケーシング11の外周側(ケーシング11の外周面に対向する位置)に配置され、下端がチャック爪13の基端部にガイドピン14aを介して回動可能に接続されている。
ロッド15の下部分(ロッド部56)は複数の分割部56a・56b・56cで構成されており、分割部56a・56b・56cは連結ピン56dを介して回動可能に連結されている。
また、ロッド部56の分割部56b・56cの連結部外周側には、当て板56eが設けられている。この当て板56eにより、最下端に配置される分割部56cの外側への回動が規制されている。
ロッド15の詳細な説明は後述する。
油圧ジャッキ16は、公知の油圧ジャッキであり、チャック爪13を前記突出位置に向かう方向に押圧する。油圧ジャッキ16は、ピストンロッド16aと本体16bと、を有する。
ピストンロッド16aの一端はロッド15の他端に接続され、他端は本体16bに接続されている。
本体16bは、ピストンロッド16aを押引して上下動させるためのものであり、ケーシング11の外周面に固定されており、ピストンロッド16aを上下動可能に支持している。
油圧ジャッキ16は、ロッド15をケーシング11に対して上下にストロークさせることにより、チャック爪13を前記退避位置及び前記突出位置の間で移動させる。
チャック爪13が前記退避位置にある状態から、油圧ジャッキ16を伸長(本体16bでピストンロッド16aを伸長)することにより、ロッド15がケーシング11に対して下方移動して、チャック爪13が前記突出位置へ移動する。
また、チャック爪13が前記突出位置にある状態から、油圧ジャッキを収縮(本体16bでピストンロッド16aを収縮)することにより、ロッド15がケーシング11に対して上方移動して、チャック爪13が前記退避位置へ移動する。
図1に示すように、ケーシング11には、油圧ジャッキ16への作動油の供給・排出を行うためのスイベル18が接続されており、スイベル18には、ケーシング11を回転駆動させる駆動装置17が接続されており、駆動装置17はベースマシン19のアーム19aの先端に接続されている。
ケーシング11は、駆動装置17及びスイベル18を介して、ベースマシン19のアーム19aの先端から吊り下げられた状態になっており、ベースマシン19により鉛直方向に昇降可能に構成されている。
図5〜図7を参照して、既設杭引き抜き装置1を用いて既設杭10を引き抜く際の動作について説明する。具体的には、以下の(a)〜(d)に示す作業工程にしたがって既設杭引き抜き装置1が作動される。
(a)図5に示すように、作業者は、駆動装置17を駆動してケーシング11を回転させながら、ベースマシン19によりケーシング11を地中の所定位置まで進入(下降)させる。詳細には、既設杭10がケーシング11の内部に位置し、チャック爪13が既設杭10の下端と同程度の深さにくる位置までケーシング11を地中に進入させる。
(b)図6に示すように、作業者は、ケーシング11が所定位置まで移動したと判断すると、油圧ジャッキ16を駆動して、ピストンロッド16aを伸長させて、チャック爪13を前記退避位置から突出位置へ移動させる。
(d)図7に示すように、作業者は、チャック爪13が前記突出位置まで移動したと判断すると、ベースマシン19によりケーシング11を上昇させて、ケーシング11を引き抜く。
このとき、チャック爪13が前記突出位置まで移動していれば、既設杭10の下端部がチャック爪13に当接して支持された状態になり、既設杭10がケーシング11とともに引き抜かれる(もしくは、チャック爪13が既設杭10の下方に位置した状態になり、ケーシング11の引き抜き作業の途中にチャック爪13と既設杭10とが当接し、既設杭10がチャック爪13に支持された状態となり、既設杭10がケーシング11とともに引き抜かれる)。
また、チャック爪13が前記突出位置まで移動していなければ、作業者は、油圧ジャッキ16を駆動し、ピストンロッド16aを収縮させ、チャック爪13を前記退避位置に移動させる。例えば、チャック爪13が前記突出位置まで移動していない場合として、上記(a)の作業でチャック爪13が十分な深さまで移動していなかったため、上記(c)の作業の際、チャック爪13が既設杭10の中途部に当接し、前記突出位置まで移動しきれていない場合等がある。かかる場合には、作業者は再度上記(a)のケーシング11を所定位置まで移動させるための作業、ならびに上記(b)および(c)のチャック爪13を前記退避位置から前記突出位置に移動させるための作業を繰り返し行う。
以上のように、既設杭引き抜き装置1は、既設杭10の下端部をチャック爪13で支持した状態で、既設杭10を引き上げるので、既設杭10の引き上げ時に既設杭10が自重で分断されることが抑制され、既設杭10を地中に残存させにくい。
また、既設杭引き抜き装置1は、既設杭10の下端部をチャック爪13で支持した状態で、既設杭10を引き上げるので、既設杭10が分断している状態であっても、既設杭10の全部を引き上げることが可能となり、既設杭10を地中に残存させにくい。
以下では、ケーシング11について説明する。
図1に示すように、ケーシング11は、複数のケーシング部21・22・・・を一列に連結した構造を有する。本実施形態では、六つのケーシング部21・22・23・24・25・26が連結されていることとする。
各ケーシング部21・22・・・は、胴部21a・22a・・・と、胴部21a・22a・・・の上端に固定される頭部21b・22b・・・と、をそれぞれ有している。
各ケーシング部21・22・・・は、同じ構成を有するので、ケーシング部21について説明し、他のケーシング部22・23・・・の説明は省略する。
図8(a)、図8(b)、及び図8(c)に示すように、胴部21aは、上下両端が開口する円筒形状を有している。胴部21aの下部の外周側面には、複数の凸部21cが形成されている。凸部21cは、L字形状を有しており、胴部21aの周方向に90°の間隔を空けて4つ設けられている。
頭部21bは、上下両端が開口する円筒形状を有している。頭部21bの内径は、胴部21aの外径よりも大きくなるように構成されている。頭部21bの内周面には、複数の溝21dが形成されている。溝21dは、凸部21cよりも大きいサイズのL字形状を有しており、頭部21bの周方向に90°の間隔を空けて4つ設けられている。
なお、凸部21cの数、及び溝21dの数に関しては、本実施形態の4つに限定されず、ケーシング部21の径寸法、重量等に応じて適宜変更してもよい。
図9(a)、図9(b)、及び図9(c)に示すように、ケーシング部21・22は、ケーシング部21の胴部21aの下部を、ケーシング部22の頭部22b内に挿入して、ケーシング部21を回転させて、ケーシング部21の凸部21cを、ケーシング部22の溝22dに掛止して、溝22d内のクリアランスに抜止板27を挿入することによって、互いに連結される。
図10(a)及び図10(b)に示すように、ケーシング部21・22が互いに連結されたときに、ケーシング部21の胴部21aの外周と、ケーシング部22の頭部22bの内周との間には隙間Xが形成されると共に、ケーシング部22の溝22d内にも隙間Y・Zが形成される。ケーシング11は、該隙間X・Y・Zが存在することより、ケーシング部21・22の連結部(関節部31)で折り曲げ可能に構成される(図11(a)参照)。
同様に、他のケーシング部23・24・・・の連結部(関節部32・33・34・35)でも、ケーシング11を折り曲げ可能に構成される。従って、ケーシング11は、関節部31・32・33・34・35の計五箇所で折り曲げ可能に構成されている(図13(a)参照)。
なお、本実施形態では、ケーシング11には、五つの関節部31・32・・・が設けられているが、ケーシング11に設けられる関節部の数は特に限定されず、単数でも複数でもよい。
以上のように、ケーシング11には、ケーシング11を折り曲げ可能な関節部31・32・・・が設けられている。これにより、既設杭が曲がっているような場合でも、ケーシング11が関節部31・32・・・で折れ曲がりながら、既設杭に沿うように下降することができるので、ケーシング11が既設杭につかえて下降できなくなることを抑制することが可能となる(図11(a)参照)。
なお、ケーシング部21・22・・・をそれぞれユニバーサルジョイントで連結することにより、ケーシング11を折り曲げ可能に構成してもよい。
以下では、ロッド15について説明する。
ロッド15は、曲がり変形可能な可曲部41・42・43・44・45と、曲がり変形しにくい、ある程度の剛性を有するロッド部51・52・53・54・55・56と、で構成される(図13(a)参照)。
可曲部41・42・・・は、曲がり変形可能な弾性部材である。可曲部41・42・・・は、ケーシング11の関節部31・32・・・の側方にそれぞれ存在しており、関節部31・32・・・と同数設けられている。
可曲部41・42・・・は、ロッド15のストローク寸法よりも長い寸法を有しており、これにより、ロッド15のストローク時においても、各可曲部41・42・・・が各関節部31・32・・・の側方にそれぞれ存在するように構成されている。
可曲部41・42・・・は、ケーシング11が関節部31・32・・・で折れ曲がったときに、関節部31・32・・・に沿うように曲がり、関節部31・32・・・沿いにそれぞれストロークする(図11(a)、図11(b)、及び図11(c)参照)。
なお、可曲部41・42・・・に関しては、複数のユニバーサルジョイントやボールジョイントを一列に連結したチェーン状の部材で構成してもよい。
図13(a)に示すように、ロッド部51・52・・・に関しては、ロッド部51は、油圧ジャッキ16と可曲部41の間に設けられ、ロッド部52は、可曲部41・42の間に設けられ、ロッド部53は、可曲部42・43の間に設けられ、ロッド部54は、可曲部43・44の間に設けられ、ロッド部55は、可曲部44・45の間に設けられ、ロッド部56は、可曲部45とチャック爪13の間に設けられている。
ケーシング11の外周側面には、ロッド15をケーシング11に沿うように案内するガイド部材15aが固定されている。ガイド部材15aは、ロッド15が挿通する孔を有している。なお、ガイド部材15aの形状(孔の断面形状)に関しては、特に限定されず、例えば、円形状や、四角形状や、三角形状であってもよい。
以上のように、ロッド15は、関節部31・32・・・の側方に存在し、関節部31・32・・・に沿うように曲がり、関節部31・32・・・沿いにストロークする可曲部41・42・・・を有する。これにより、ケーシング11を地中に進入させたときに、ケーシング11が関節部31・32・・・で折れ曲がった状態になっても、ロッド15をケーシング11に沿うように曲げて、ケーシング11沿いにストロークさせて、チャック爪13を前記退避位置から突出位置に移動させることが可能となる(図11(a)、図11(b)、及び図11(c)参照)。従って、曲がっている既設杭でも引き抜くことが可能となる。
なお、ロッド15に関しては、ロッド部51・52・・・を設けずに、曲がり変形可能な可曲部のみで構成してもよい。
図12に示すように、既設杭引き抜き装置1に関しては、ロッド15と油圧ジャッキ16の間に、付与装置(油圧ブレーカ、バイブロ等)60と、弾性部材(コイルバネ)61と、を設けてもよい。
付与装置60は、上下動可能に支持されると共にロッド15(ロッド部51)の上端に接続され、ロッド15に振動(又は下方向の断続的な衝撃)を付与する。
弾性部材61は、下端が付与装置60に接続され、上端が油圧ジャッキ16(ピストンロッド16a)に接続される。
付与装置60と弾性部材61は、互いに離間しすぎること(弾性部材61が伸長しすぎること)を防止する離間防止部材(不図示)で接続されている。
チャック爪13は、油圧ジャッキ16による押圧と、付与装置60による振動の付与(又は衝撃の付与)とにより、前記退避位置から前記突出位置に移動する。
これにより、チャック爪13による地層の掘削をより強い力で行うことができ、支持層等の比較的硬い地層中でもチャック爪13を移動させることが可能である。
また、付与装置60で発生する衝撃や振動が、弾性部材61に吸収され、油圧ジャッキ16に伝達される衝撃や振動を低減することが可能である。
ケーシング11の連結部(関節部31・32・・・)には隙間が存在する。これにより、ケーシング11は、吊り下げられた状態から、地中に進入するときに、地盤からの圧力を受けて縮んでしまう(図13(a)、図13(b)、図14(a)、及び図14(b)参照)。このとき、ロッド15の長さは変化しないので、油圧ジャッキ16を作動させなくても、チャック爪13がケーシング11内に突出してしまうことがある。この状態でケーシング11を下降させ続けた場合、チャック爪13の先端部が、ケーシング11内の既設杭に接触してしまい、ケーシング11を円滑に下降させることが困難となることがある。
なお、ロッド15の長さは、ケーシング11が吊り下げられている状態(地盤からの圧力を受けていない状態)を基準に設定されており、ケーシング11が吊り下げられており、かつ、油圧ジャッキ16が収縮している状態のときに、チャック爪13が前記退避位置に存在する長さに設定されていることとする。
そこで、既設杭引き抜き装置1は、規制部材と、支持部材70と、付勢部材73と、を備えるように構成してもよい。
前記規制部材は、チャック爪13が前記退避位置にある状態から、ケーシング11に対して上方移動することを規制するものである。
前記規制部材は、ガイドピン14a及びガイド溝14c・14cで構成されている。図5に示すように、チャック爪13が前記退避位置にあるときに、ガイドピン14aがガイド溝14c・14cの上端に接触した状態になり、これ以上ケーシング11に対して上方移動できない状態になる。これにより、チャック爪102が前記退避位置にある状態から、ケーシング11に対して上方移動することが規制される。
図15(a)及び図15(b)に示すように、前記規制部材(ガイドピン14a及びガイド溝14c・14c)を有さないような既設杭引き抜き装置に関しては、凸部101によりチャック爪102の上方移動を規制するように構成してもよい。凸部101は、ケーシング100の外周に固定されており、退避位置にあるチャック爪102の上部に配置されている。チャック爪102は、退避位置にあるときに、凸部101に下方から接触した状態になり、これにより、チャック爪102は、前記退避位置にある状態から、ケーシング11に対して上方移動することを規制される。
支持部材70は、ロッド15及び油圧ジャッキ16の間に介装され、ロッド15を油圧ジャッキ16に対して上下動可能に支持するものである。
図16(a)及び図16(b)に示すように、支持部材70は、上下に延びる管状の部材であり、上端が油圧ジャッキ16(ピストンロッド16a)に取り付けられている。支持部材70には上下に延びる長孔71が形成されており、支持部材70内にはロッド15(ロッド部51)の上部が挿入されており、支持部材70の長孔71及びロッド部51にはピン72が貫通している。そして、ピン72が長孔71を摺動することで、ロッド15が油圧ジャッキ16に対して上下動するように構成されている。
付勢部材73は、ロッド15をケーシング11に対して上方に付勢するものである。
図16(a)に示すように、付勢部材73は、バネであり、上端が支持部材70(又は油圧ジャッキ16のピストンロッド16a)に取り付けられ、下端がロッド15(ロッド部51)に取り付けられる。付勢部材73は、収縮方向に付勢力を発生しており、これにより、ロッド15を上方に付勢している。
図16(a)に示すように、既設杭引き抜き装置1においては、ケーシング11が非収縮の状態にあり(地盤からの圧力を受けておらず)、かつ、油圧ジャッキ16が収縮している状態のときには、前記チャック爪13が前記退避位置にあり、かつ、ロッド15と油圧ジャッキ16との間には、上下方向に間隔αが空いている。
このように構成することで、ケーシング11の下降時に、ケーシング11が地盤からの圧力を受けて縮んでも、付勢部材73の付勢力により、ロッド15が上方移動して(ロッド15と油圧ジャッキ16との間隔αが縮まって)、ケーシング11の縮み量Sを吸収するので、チャック爪13が前記退避位置にある状態を維持することが可能となる(図16(a)、図16(b)、図17(a)、及び図17(b)参照)。これにより、ケーシング11の下降時に、ケーシング11が縮んでも、チャック爪13が移動して、チャック爪13の先端部が連通孔11aからケーシング11内に突出することを回避でき、ケーシング11を円滑に下降させることが可能となる。
なお、付勢部材73に替えて、以下の(i)、(ii)の構成を用いて、ロッド15を上方に付勢するように構成しても良い。
(i)図18(a)及び図18(b)に示すように、ロッド15(ロッド部51)に突出部51aを形成して、ケーシング11(ケーシング部21の胴部21a)の外周面に凸部21eを形成して、凸部21eを突出部51aよりも下方に配置する。そして、バネ74の下端をケーシング11の凸部21eに取り付けて、バネ74の上端をロッド部51の突出部51aに取り付けて、バネ74に伸長方向に付勢力を発生させる。これにより、ロッド15を上方に付勢する。
(ii)図19(a)及び図19(b)に示すように、ロッド15(ロッド部51)に突出部51bを形成する。そして、ケーシング11(ケーシング部21の胴部21a)の外周面に、上下に延在するガイド部材75を設けて、ガイド部材75を突出部51bよりも下方に配置する。そして、ガイド部材75に連動体76を嵌合して、これにより、連動体76をケーシング11に対して上下動可能に支持する。そして、連動体76と油圧ジャッキ16のピストンロッド16aとを連結ロッド77で連結することで、連動体76とピストンロッド16aが、共に上下動するように構成する。そして、バネ78の下端を連動体76に取り付けて、バネ78の上端をロッド部51の突出部51bに取り付けて、バネ78に伸長方向に付勢力を発生させる。これにより、ロッド15を上方に付勢する。
図20に示すように、ロッド15と油圧ジャッキ16の間に、付与装置60及び弾性部材61が設けられるように構成した場合には、付与装置60及びロッド15の間に支持部材70を介装して、付勢部材73の一端を支持部材70(又は付与装置60)に取り付けて、付勢部材73の他端をロッド15(ロッド部51)に取り付ければよい。
そして、ケーシング11が非収縮の状態にあり(地盤からの圧力を受けておらず)、かつ、油圧ジャッキ16が収縮している状態のときには、前記チャック爪13が前記退避位置にあり、かつ、ロッド15(ロッド部51)と付与装置60との間には、上下方向に間隔βが空くように構成する。
このように構成することで、ケーシング11の下降時に、ケーシング11が地盤からの圧力を受けて縮んでも、付勢部材73の付勢力によりロッド15が上方移動して(ロッド15と付与装置60との間隔βが縮まって)、ケーシング11の縮み量Sが吸収されるので、チャック爪13が移動して、チャック爪13の先端部が連通孔11aからケーシング11内に突出することを回避でき、ケーシング11を円滑に下降させることが可能となる。
なお、この構成の場合も、付勢部材73に替えて、上記(i)、(ii)の構成を用いて、ロッド15を上方に付勢するように構成してもよい(図18(a)、図18(b)、図19(a)、及び図19(b)参照)。
なお、上記(i)の構成を用いる場合には、弾性部材61のバネ定数の方が、バネ74のバネ定数よりも大きくなるように設定する。これは、油圧ジャッキ16を伸長させて、チャック爪13を前記退避位置から突出位置へ移動させるときに、弾性部材61からは、下向きの付勢力が発生するのに対し、バネ74からは、これとは反対の上向きの付勢力が発生するので、弾性部材61の付勢力が、バネ74の付勢力に負けて、チャック爪13の円滑な移動が阻害されてしまうことを回避するためである。
上記(ii)の構成を用いる場合には、連動体76がピストンロッド16aと共に上下動するので、上記したバネ74の上向きの付勢力を抑制できる点で有利である。
[第二実施形態]
以下では、既設杭引き抜き装置2について説明する。以下の説明においては、既設杭引き抜き装置1との相違点に着目して説明し、既設杭引き抜き装置1と同じ構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図21に示すように、既設杭引き抜き装置2は、ケーシング11と、チャック爪13と、ロッド15と、油圧ジャッキ16と、付与装置(油圧ブレーカ、バイブロ等)60と、前記規制部材(ガイドピン14a及びガイド溝14c・14c)と、支持部材81と、弾性部材(コイルバネ)82と、付勢部材(不図示)と、を備える。
付与装置60は、上下動可能に支持されており、ロッド15(ロッド部51)の上端に接続されており、ロッド15に振動(又は下方向の断続的な衝撃)を付与する。
図21及び図22に示すように、支持部材81は、付与装置60及び油圧ジャッキ16の間に介装され、付与装置60を油圧ジャッキ16に対して上下動可能に支持する。
支持部材81は、油圧ジャッキ16(ピストンロッド16a)に固定されるピストン81aと、付与装置60に固定され、ピストン81aが上下動可能に挿入されるシリンダ81bと、で構成される。そして、シリンダ81bがピストン81aに対して上下動することで、ロッド15が上下動するように構成されている。
また、支持部材81(シリンダ81b及びピストン81a)は、付与装置60と油圧ジャッキ16とが互いに離間しすぎることを防止している。
なお、支持部材81に替えて、支持部材83を用いてもよい。
図23(a)及び図23(b)に示すように、支持部材83は、上下方向に延びる長孔83aが形成された板状の部材であり、支持部材83の上部が油圧ジャッキ16のピストンロッド16aに固定されており、支持部材83の長孔83aには付与装置60から突出するピン83bが挿通している。そして、ピン83bが長孔83aを摺動することで、ロッド15が上下動するように構成されている。
図21及び図22に示すように、弾性部材82は、付与装置60及び油圧ジャッキ16の間に配置されており、下端は付与装置60に取り付けられており、上端は油圧ジャッキ16(ピストンロッド16a)と対向している。また、弾性部材82は、付与装置60及び油圧ジャッキ16の最大離間寸法Dよりも、短い自然長Lを有している。
前記最大離間寸法Dは、支持部材81が最も伸長したとき(ピストン81aが上死点に到達したとき)の、付与装置60と油圧ジャッキ16との間の上下方向の寸法である。
前記最大離間寸法Dは、ロッド15の長さ、油圧ジャッキ16からチャック爪13までの距離等に応じて適宜決定される。
図21に示すように、既設杭引き抜き装置2においては、ケーシング11が非収縮の状態にあり(地盤からの圧力を受けておらず)、かつ、油圧ジャッキ16が収縮している状態(「吊り下げ状態」と称する)のときには、前記チャック爪13が前記退避位置にあり、かつ、付与装置60と油圧ジャッキ16との間の寸法が前記最大離間寸法Dになるように構成されている。
そして、上記したように、弾性部材82が、前記最大離間寸法Dよりも、短い自然長Lを有しているので、既設杭引き抜き装置2が前記吊り下げ状態にあるときに、弾性部材82の上端と、油圧ジャッキ16(ピストンロッド16aの下端)との間には、上下方向に間隔γが空いている。
なお、図24(a)に示すように、弾性部材82の上端を油圧ジャッキ16(ピストンロッド16aの下端)に取り付けて、弾性部材82の下端と、付与装置60との間に間隔γが空くように構成してもよい。
また、図24(b)に示すように、弾性部材82を下弾性部材82aと上弾性部材82bで構成して、下弾性部材82aを付与装置60に取り付けて、上弾性部材82bを油圧ジャッキ16(ピストンロッド16aの下端)に取り付けて、下弾性部材82aと上弾性部材82bの間に間隔γが空くように構成してもよい。
前記付勢部材は、ロッド15を上方に付勢するものである。前記付勢部材は、上記(i)に記載のものと同様の構成、又は(ii)に記載のものと同様の構成を有しているので、説明は省略する(図18(a)、図18(b)、図19(a)、及び図19(b)参照)。
このように構成することで、前記吊り下げ状態から、ケーシング11が下降して、地盤からの圧力を受けて縮んだとき、前記付勢部材の付勢力により、ロッド15(シリンダ81b)が上方移動して、弾性部材82と油圧ジャッキ16との間隔γが縮まって、ケーシング11の縮み量Sを吸収するので、チャック爪13が前記退避位置にある状態を維持することが可能となる(図21及び図25参照)。これにより、ケーシング11の下降時に、ケーシング11が縮んでも、チャック爪13の先端部が連通孔11aからケーシング11内に突出することを回避でき、ケーシング11を円滑に下降させることが可能となる。
既設杭引き抜き装置2は、弾性部材82の自然長Lを、前記最大離間寸法Dよりも短くして、弾性部材82の上端と、油圧ジャッキ16(ピストンロッド16aの下端)との間に間隔γが空くように構成ことにより、弾性部材82を縮ますことなく、この間隔γでケーシング11の縮み量Sを吸収することが可能な構造を有している。
また、既設杭引き抜き装置2は、弾性部材82と油圧ジャッキ16との間隔γが無くなった状態から(図25参照)、チャック爪13を、油圧ジャッキ16による押圧と、付与装置60による振動の付与(又は衝撃の付与)とにより、前記退避位置から前記突出位置に移動させることが可能となる。
これにより、チャック爪13による地層の掘削をより強い力で行うことができ、支持層等の比較的硬い地層中でもチャック爪13を移動させることが可能である。
また、付与装置60で発生する衝撃や振動が、弾性部材82に吸収され、油圧ジャッキ16に伝達される衝撃や振動を低減することが可能である。
1 既設杭引き抜き装置
11 ケーシング
13 チャック爪
15 ロッド
16 油圧ジャッキ
31・32・33・34・35 関節部
41・42・43・44・45 可曲部

Claims (7)

  1. 下端が開口した円筒状を有するケーシングと、
    前記ケーシングの外周側かつ下端部寄りに配置され、前記ケーシングの内部に先端部を突出する位置である突出位置、及び前記ケーシングの内部から退避した位置である退避位置の間で移動可能なチャック爪と、
    前記ケーシングの外周側に配置されると共に、下端が前記チャック爪の基端部に接続されるロッドと、
    前記ロッドの上端に接続され、前記ロッドを前記ケーシングに対して上下にストロークさせることにより、前記チャック爪を前記退避位置及び突出位置の間で移動させる押圧装置と、
    を備え、
    前記ケーシングには、前記ケーシングを折り曲げ可能な関節部が設けられ、
    前記ロッドは、前記関節部の側方に存在し、前記関節部に沿うように曲がり、前記関節部沿いにストロークする可曲部を有する、
    既設杭引き抜き装置。
  2. 前記ロッド及び押圧装置の間には、
    上下動可能に支持されると共に前記ロッドの上端に接続され、前記ロッドに振動又は下方向の断続的な衝撃を付与する付与装置と、
    下端が前記付与装置に接続され、上端が前記押圧装置に接続される弾性部材と、
    が設けられる、
    請求項1に記載の既設杭引き抜き装置。
  3. 前記ロッドを前記ケーシングに対して下方移動させることにより、前記チャック爪を前記退避位置から突出位置へ移動させる前記押圧装置と、
    前記チャック爪が前記退避位置にある状態から、前記ケーシングに対して上方移動することを規制する規制部材と、
    前記ロッド及び押圧装置の間に介装され、前記ロッドを前記押圧装置に対して上下動可能に支持する支持部材と、
    前記ロッドを上方に付勢する付勢部材と、
    を備える、
    請求項1に記載の既設杭引き抜き装置。
  4. 前記ロッドを前記ケーシングに対して下方移動させることにより、前記チャック爪を前記退避位置から突出位置へ移動させる前記押圧装置と、
    前記チャック爪が前記退避位置にある状態から、前記ケーシングに対して上方移動することを規制する規制部材と、
    前記ロッド及び付与装置の間に介装され、前記ロッドを前記付与装置に対して上下動可能に支持する支持部材と、
    前記ロッドを上方に付勢する付勢部材と、
    を備える、
    請求項2に記載の既設杭引き抜き装置。
  5. 前記ロッドを前記ケーシングに対して下方移動させることにより、前記チャック爪を前記退避位置から突出位置へ移動させる前記押圧装置と、
    前記チャック爪が前記退避位置にある状態から、前記ケーシングに対して上方移動することを規制する規制部材と、
    上下動可能に支持されると共に前記ロッド及び押圧装置の間に設けられ、前記ロッドに振動又は下方向の断続的な衝撃を付与する付与装置と、
    前記付与装置及び押圧装置の間に介装され、前記付与装置を前記押圧装置に対して上下動可能に支持する支持部材と、
    前記付与装置及び押圧装置の間に配置され、前記付与装置及び押圧装置の最大離間寸法よりも、短い自然長を有する弾性部材と、
    前記ロッドを上方に付勢する付勢部材と、
    を備える、
    請求項1に記載の既設杭引き抜き装置。
  6. 前記付勢部材は、一端が前記ケーシングに取り付けられ、他端が前記ロッドに取り付けられる弾性体を有する、
    請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の既設杭引き抜き装置。
  7. 前記押圧装置は、前記ケーシングの外周面に固定される本体と、前記本体に対して上下動することで、前記ロッドを上下動させるピストンロッドと、を有し、
    前記付勢部材は、前記ピストンロッドと共に上下動する連動体と、一端が前記連動体に取り付けられ、他端が前記ロッドに取り付けられる弾性体と、を有する、
    請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の既設杭引き抜き装置。
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