JP4006804B2 - 放射体温計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生体の体温を耳孔内から放射される赤外線量を検知することにより測定する放射体温計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に表面温度を計測する体温計としては、鼓膜や口腔、肛門など外気に接触しにくい部分の温度を計測することでほぼ体温を計測できる。特に鼓膜は体温を制御する視床下部が近いこともあり、体温計測として適切な場所として知られている。表面温度は赤外線量を計測することで赤外線を放射する放射源の温度を知ることができ、短時間で測定できる。特に鼓膜およびその近傍の温度を測定する場合には温度計を耳に挿入または近づけるので、測定温度を音声で報知することにより、目の不自由な人が使う場合や暗闇で測定する場合においても測定結果がわかるなどの効果があり、例えば特開平6−142061号公報で示される方法などが知られている。
【0003】
ここでこの種の放射体温計の一般的な構成を特公平6―63851号公報、特公平8―16629号公報に示されている例に基づき説明する。特公平6―63851号公報に記載の放射温度計を図8に示す。1は円筒状の導波管でありその内面と外面は、滑らかで鏡面状となっている。2は着脱可能な保護カバーであり、3は赤外線センサーである。この動作について説明する。保護カバー2を装着した状態で外耳道4に挿入されると、鼓膜5とその近辺から放射された赤外線は導波管1の内面を反射しながら赤外線センサー3に入射される。導波管1の内外面は、外耳道4からの熱輻射は赤外線センサー3が受光しないように滑らかな鏡面状に加工されている。
【0004】
ここで赤外線センサー3の出力は鼓膜5と赤外線センサー3自身の温度の温度差と相関があるので、赤外線センサー3自身の温度を温度検出器(図示せず)で計測すれば、鼓膜5の温度が測定できる。
【0005】
また、特公平8―16629号公報に記載の放射温度計の構成を図9に示す。図9は外耳道に挿入するプローブの構成図であり、6はプローブ先端開口部、7はレンズであり、8はレンズ7で集光した放射光を更に絞るためのアパーチャである。また9は赤外線センサ3の温度を計測するサーミスタであり、等温ブロック10に埋設されている。また11はプローブの先端に取り付けられた熱絶縁体(薄肉キャップ)であり、プローブの外表面との間にエアーギャップ12を有する構成となっている。さらに13はプローブの先端の温度を計測するサーミスタであり、実線14は外耳道奥から赤外線センサ3に入射する放射赤外線を示す。また点線15は、プローブ先端の内面から放出されて赤外線センサ3に入射する赤外線を示す。この動作について説明する。プローブが外耳道に挿入されると鼓膜近辺から放射された赤外線が実線14に示すように、レンズ7で集光され赤外線センサ3に入射される。しかし、この時、外耳道からの熱伝導によりプローブの先端の温度が上昇する。これは測定誤差を生じさせる原因となるので、プローブの先端に熱絶縁体からなる薄肉キャップ11を取り付け、さらにプローブとはエアーギャップ12で断熱し、外耳道からプローブの先端に熱伝導が生じにくい構成としている。また該公報では、プローブの先端の温度が上昇すれば、点線15で示すように、プローブ先端の内面からの熱輻射がレンズ7を介して、赤外線センサ3に入射されるので、さらに測定精度を向上させるための手段として、プローブの先端にサーミスタ13を取り付け、プローブの先端の温度が上昇してもサーミスタ13で温度補正をして、体温の計測精度を向上させる構成としていた。即ち、赤外線センサ3の出力とサーミスタ9の出力より鼓膜の温度を演算することを基本とするが、そこにサーミスタ13の出力で補正を加える構成としているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6―63851号公報の放射温度計は、図8に示す鼓膜5近辺から放射された赤外線を導波管1の内面で反射させながら赤外線センサ3に入射させる構成である。この場合、耳に挿入した時、外耳道から導波管に熱の伝導が生じれば、導波管からの熱輻射赤外線を赤外線センサ3は受光することになるので、体温の測定温度が上昇することになる。そのために導波管の内外面を滑らかな鏡面状に加工して、熱輻射が生じないような構成としているが、反射率が1で熱輻射がゼロの鏡面加工は不可能である。さらに図10に示すように、輻射率がゼロ近くの鏡面加工を施しても、鏡面上から垂直方向の熱輻射は抑えられるが、水平方向の熱輻射を抑えることはできない。図10は鏡面に対して垂直方向をΦ=0°とし、水平方向を90°として、例えばアルミニウムの指向輻射率特性を示したものであり、横軸が鏡面に対しての角度Φ、縦軸は輻射率である。したがって、導波管内面からの熱輻射赤外線を赤外線センサ3は受光することになり、受光した分だけ測定誤差が生じるという特性がある。
【0007】
また特公平8―16629号公報に記載の放射温度計の構成では、鼓膜近辺から放射される赤外線をレンズ7で集光して赤外線センサ3に入射させているにもかかわらず、プローブの先端内面からの熱輻射赤外線も赤外線センサに入射するので、プローブの先端に熱絶縁薄肉キャップを取り付けるとか、プローブの先端の温度を計測するサーミスタを取り付け温度補正をしなければならなかった。しかし、プローブ先端の絶対的な断熱は不可能であり、繰り返し外耳道に挿入して測定すればプローブ先端の温度は上昇するので、体温の計測温度は誤差をともない上昇する。またサーミスタそのものの熱応答性や、B定数等のバラツキがあるので、その分だけ測定誤差が生じるという特性がある。
【0008】
いずれの場合もプローブが温度変化すれば、赤外線センサの出力はその影響を受け測定誤差の要因となるものである。例えば測定の終了をビープ音で報知するのであれば0.1〜0.2秒で十分であるが、温度を音声で報知すれば2〜3秒要する。温度の報知に加え、「正常です」、「微熱があります」等の診断結果を音声で報知すれば更に2〜3秒要する。即ち、これらの構成の放射体温計で音声報知すると、その報知が終わるまでプローブを耳に挿入し続けていなければならず、その間にプローブには耳の熱が伝わり温度変化を起こす。1回だけの測定ならよいが、繰り返し測定する場合にはこの報知時間中のプローブの温度変化が次の測定の測定誤差となって表れる。
【0009】
一般に耳に挿入する放射体温計では、その挿入方向により若干の測定温度の違いが生じる。これは鼓膜とその近傍、さらにその周囲の外耳道とでは温度差があり、挿入方向により違う箇所の温度を測定するためである。したがって、2〜3回測定し、その最高温度または平均温度を採用することが推奨されている。
【0010】
しかし上記のような構成で音声報知すると2回目以降はプローブの温度変化の影響が測定誤差となるので、測定できない。また複数の人を順次測定する場合には2人目以降が測定できないという課題を有する。
【0011】
2回目以降あるいは2人目以降も正確に測定するためには十分な測定の待ち時間が必要となる。この待ち時間は耳で温められたまたは冷やされたプローブが元の温度に戻る時間で、一般には耳に挿入していた時間より長い時間が必要である。それは耳との接触で伝わった熱を、空気で戻すからで、プローブの形状等による熱容量によるが、耳に挿入していた時間の数倍は必要である。即ち、音声報知のために余分に耳に数秒挿入していれば、それだけ繰り返し測定のための待ち時間が十秒〜数十秒必要ということになり、折角短時間で測定できる方式でありながら、繰り返し測定するには長時間要するという課題を有するのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段とからなり、鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の影響を受けない構成とし、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段を有する構成としたものである。
【0013】
上記発明によれば、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部からの出力を信号処理手段で温度に演算し、その信号処理手段の演算結果の温度を音声報知手段を有する報知手段で報知するので、鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の影響を受けず、耳に挿入している時間に拘わらず正確な鼓膜温度を検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を前記集光素子の焦点位置から後方に離して設置することにより受光領域を制限した構成としたものである。
【0015】
そして、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部からの出力を信号処理手段で温度に演算し、その信号処理手段の演算結果の温度を音声報知手段を有する報知手段で報知するので、鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の影響を受けず、耳に挿入している時間に拘わらず正確な鼓膜温度を検出することができる。
【0019】
そして、受光部は鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した赤外線のみを受光し、信号処理手段は受光部からの出力を温度に演算し、演算結果の温度を報知手段が報知する。そして受光部の赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子を集光素子の焦点位置から後方に離して設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0020】
また本発明の請求項2にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも前記集光素子から遠く且つ前記集光素子による前記仮想先端点の像点よりも前記集光素子に近い領域に設置する構成としたものである。
【0021】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも集光素子から遠く且つ集光素子による仮想先端点の像点よりも集光素子に近い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0022】
また本発明の請求項3にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記集光素子による前記仮想先端点の2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に設置する構成としたものである。
【0023】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、集光素子による仮想先端点の2つの像点とで形成される、集光素子の子午面内の三角形内に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0024】
また本発明の請求項4にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置する構成としたものである。
【0025】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0026】
また本発明の請求項5にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置する構成としたものである。
【0027】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0028】
また本発明の請求項6にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブ先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
【0029】
【数3】
【0030】
で与えられるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置した構成としたものである。
【0031】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の式で与えられるL3だけ集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0032】
また本発明の請求項7にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記プローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
【0033】
【数4】
【0034】
で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置した構成としたものである。
【0035】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の式で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないので実質的に音声報知が可能となる。
【0036】
また、本発明の請求項8にかかる放射体温計は、信号処理手段は、演算結果の温度を基に体調を診断し、音声報知手段は信号処理手段の診断結果を報知する構成としたものである。信号処理手段は演算結果の温度を基に体調を診断し診断結果を音声で報知するので、誤った判断をすることはない。
また本発明の請求項9にかかる放射体温計は、集光素子を屈折レンズで構成したものである。
【0037】
そして集光素子を屈折レンズで構成することにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
【0038】
また本発明の請求項10にかかる放射体温計は、集光素子を透過型回折レンズで構成したものである。
【0039】
そして集光素子を透過型回折レンズで構成することにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
【0040】
また本発明の請求項11にかかる放射体温計は、集光素子を集光ミラーで構成したものである。
【0041】
そして集光素子を集光ミラーで構成することにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
【0042】
また本発明の請求項12にかかる放射体温計は、集光素子を反射型回折レンズで構成したものである。
【0043】
そして集光素子を反射型回折レンズで構成することにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
【0044】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図1〜図2を参照しながら説明する。図1は本発明の放射体温計の構成図である。図2は受光部およびプローブの構成図である。図1において2はプローブで体温測定に際して外耳道に挿入する部分であり、鼓膜に向かう側の先端方向に細くした形状としていて、先端部6は開口しているか、または防塵の目的で赤外線が通過する材料の膜を有している。プローブ2は本体17に装着されていて、本体17には受光部18などを内蔵している。受光部18は焦電型の赤外受光素子3と集光素子7より成り、赤外受光素子3にはプローブ2を通過した鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外光のみが入射する。
【0045】
19はチョッパで少なくとも表面は金属等赤外光を反射する材料より成り、モータ20で駆動して赤外受光素子3に鼓膜およびその近傍から放射される赤外線の入光と遮光を断続する。焦電型の赤外受光素子3は入射する赤外線量の変化に対して相関を持った電気的出力を発生する。ここでチョッパ19の表面は赤外線を反射する材料であるから、遮光時には赤外受光素子3には赤外受光素子3自身が放射する赤外線が反射して入射する。したがってチョッパ19の動作により赤外受光素子3には鼓膜およびその近傍から放射される赤外線と、赤外受光素子3自身が放射する赤外線が交互に入射するので、赤外線受光素子3は鼓膜温度と赤外受光素子3自身の温度との温度差に相関を持った電気的出力を発生することになる。
【0046】
21は赤外受光素子3の温度を検出する温度センサで例えば一般周知のサーミスタである。22は信号処理手段で、サーミスタ21の出力より赤外受光素子3の温度を演算し、赤外受光素子3の出力より赤外受光素子3と鼓膜の温度差を演算し、それらを加算することで鼓膜の温度を演算することができる。
【0047】
23は報知手段であり、信号処理手段で演算により求めた鼓膜の温度を数字で表示する数字表示手段24と音声報知手段25から成る。数字表示手段24は例えば液晶表示器であり、音声報知手段25は例えばスピーカである。
【0048】
検温時には、使用者は本体17を持ちプローブ2を耳に挿入し、検温スイッチ(図示せず)を押すと、モータ20が駆動しチョッパ19が開閉動作を行い、赤外受光素子3は赤外受光素子3自身の温度と鼓膜およびその近傍の温度の温度差に相関を持った出力を発生する。信号処理手段22が赤外受光素子3の出力とサーミスタ21の出力から鼓膜およびその近傍の温度換算を行い、数字表示手段24に表示出力して数字表示手段24は温度を表示する。信号処理手段22は同時に音声報知手段25に音声出力を行い音声報知手段25は例えば「さんじゅうろくてんごど」と音声出力する。
【0049】
音声報知手段25で音声報知するので、暗闇で測定する場合や目の不自由な人が測定する場合でも検温結果を知ることができる。また数字表示手段24でも報知しているので、騒音の大きい環境で測定する場合や耳の不自由な人が測定する場合でも検温結果を知ることができる。耳で温度を測定するので音声報知手段25は十分小さな音量で被験者に報知することができ、被験者にのみ検温結果が聞こえ、被験者以外には検温結果が聞こえないようにできて、被験者の周囲に不要な雑音で迷惑をかけることはない。
【0050】
ここで、受光部18は鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを受光するのでプローブ2の温度変動の影響を受けることはない。したがって、音声報知の時間中プローブ2を耳に挿入した状態を続けて、プローブ2が温度変動し、すぐに次の測定を行っても正確に温度測定できる。
【0051】
信号処理手段22は音声報知手段25に、検温結果の温度を音声出力するだけでなく、例えば「正常です」「微熱があります」「高熱があります」などのメッセージを報知してもよい。プローブ2の温度変動の影響を受けないので長時間プローブ2を耳に挿入していても、すぐに次の測定を正確に行えるので。長いメッセージでも構わない。体温測定には、耳以外にも腋下や舌下などでの測定方法があり、それぞれ若干の温度差があっていわゆる平熱も測定方法により差がある。検温結果に対して誤った判断をしないために前記したようなメッセージを報知することは効果がある。
【0052】
受光部18の構成を図2により説明する。図2において、7は集光素子である屈折レンズ、3は赤外受光素子、26は筐体である。A、A’は屈折レンズ7の縁からこの縁と同じ側のプローブ2の内壁に接するように引いた直線とプローブ2の先端の面との交点で、図2のように直線的なプローブであればプローブ2の先端内壁に位置する点である。Bはプローブ2の内壁における点、即ち受光したくない領域の点、Fは屈折レンズ7の焦点、FAは屈折レンズ7によるAの像点、FA’は屈折レンズ7によるA’の像点、FBは屈折レンズ7によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFAへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFAに到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ7の中心を通過してFAに到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFAに到達する光(マージナル光線)の光路である。また同様にK1A’はA’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFA’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A’はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA’に到達する光の光路、K3A’はA’から屈折レンズ7の中心を通過してFA’に到達する光の光路、K4A’はA’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFA’に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ7の中心を通過してFBに到達する光の光路、FXは光路K1Aと光路K1A’の交点である。
【0053】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0054】
赤外受光素子3を筐体26に取り付け、屈折レンズ7を通過しない赤外線を赤外受光素子3が受光しないようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0055】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FAに到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FAは光軸を挟んでAと反対側に形成される。図2中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ7を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通過してからは光軸と交叉せずにFAに到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FXよりも屈折レンズ7から離れた位置かつFAよりも屈折レンズ7に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FXとFAとFA’が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子3を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない受光部が得られる。
【0056】
受光したくないプローブ2内壁の領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ7によるBの像点FBがFAより光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FXとFAとFA’が形成する三角形の内側に赤外受光素子3を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0057】
以上のように、FXとFAとFA’が形成する三角形の内側に赤外受光素子3を設置することによって、光軸付近の受光したい領域、即ちプローブ2を通過した鼓膜およびその近傍から放射される赤外線のみを受光するような受光部が得られる。
【0058】
(実施例2)
次に本発明の第2の実施例を図3を用いて説明する。図3は本発明の第2の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。図3において、7は屈折レンズ、3は赤外受光素子、26は筐体である。A、A’は屈折レンズ7の縁からプローブ2の内壁に接するように引いた直線とプローブ2の先端の面との交点で、図3のように直線的なプローブであればプローブ2の先端内壁に位置する点である。Bはプローブ2の内壁における点、即ち受光したくない領域の点、Fは屈折レンズ7の焦点、FAは屈折レンズ7によるAの像点、FA’は屈折レンズ7によるA’の像点、FBは屈折レンズ7によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFAへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFAに到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ7の中心を通過してFAに到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFAに到達する光(マージナル光線)の光路、K1A’はA’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFA’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A’はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA’に到達する光の光路、K3A’はA’から屈折レンズ7の中心を通過してFA’に到達する光の光路、K4A’はA’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFA’に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ7の中心を通過してFBに到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFBに到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1Aと光路K1A’の交点、FYは光路K4Aと光路K4A’の交点である。
【0059】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0060】
赤外受光素子3を筐体26に取り付け、屈折レンズ7を通過しない赤外線を赤外受光素子3で受光しないようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0061】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FAに到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FAは光軸を挟んでAと反対側に形成される。図3中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ7を通過して光軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通過してからは光軸と交叉せずにFAに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FAよりも屈折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FAよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域である。この領域に赤外受光素子3を設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0062】
受光したくないプローブ2内壁の領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ7によるBの像点FBがFAより光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FAよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0063】
以上のように、FAよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域内に赤外受光素子3を設置することによって、光軸付近の受光したい領域、即ち鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを受光するような受光部が得られる。
【0064】
(実施例3)
次に本発明の第3の実施例を図4を用いて説明する。図4は本発明の第3の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。ここでプローブ2は前記実施例と異なり、より外耳道に挿入し易いようR付けの部分を持たせている。図4において、7は屈折レンズ、3は赤外受光素子、26は筐体である。α、α’は屈折レンズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは屈折レンズ7の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ7によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから屈折レンズ7の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から屈折レンズ7の中心を通過してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0065】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0066】
赤外受光素子3を筐体26に取り付け、屈折レンズ7を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0067】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ2から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ7の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レンズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ2をαと屈折レンズ7の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ2からの光を受光しない光学系が得られる。
【0068】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図4中に示すように、光路K2αを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1αを通る光は、屈折レンズ7を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3αを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1αと光軸が交叉する点FXよりも屈折レンズ7から離れた位置かつFαよりも屈折レンズ7に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1α’と光軸が交叉する点よりも屈折レンズ7から離れた位置かつFα’よりも屈折レンズ7に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα’、FXで形成される三角形の内側よりに赤外受光素子3を設置することで、α、α’から放射される光を受光しない受光部が得られる。αと屈折レンズ7の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ7による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と屈折レンズ7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ7による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。このように、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ2から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0069】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも屈折レンズ7に近い。この時、次式が成り立つ。
【0070】
LαF≧f+L3 (1)
したがって、
L3≦LαF−f (2)
ここでLαF屈折レンズ7の中心からαの像点Fαまでの距離、fは屈折レンズ7の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0071】
図4に示すように、受光面は光路K1αと光軸が交わる点FXとFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK1αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、次式を満たす必要がある。
【0072】
rαS1>rS (3)
ここで、rαS1は光路K1αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS1から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また屈折レンズ7の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、rαS1、L3、fは幾何関係として(式4)を満たす。
【0073】
【数5】
【0074】
したがって、(式5)を満たす。
【0075】
【数6】
【0076】
(式5)を(式3)へ代入することで(式6)が得られる。
【0077】
【数7】
【0078】
(式2)、(式6)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式7)となる。
【0079】
【数8】
【0080】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ2の先端から屈折レンズ7の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として(式8)を満たす。
【0081】
【数9】
【0082】
したがって、(式9)を満たす。
【0083】
【数10】
【0084】
(式9)を(式7)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式10)となる。
【0085】
【数11】
【0086】
また、ガウスの公式から(式11)が成り立つ。
【0087】
【数12】
【0088】
したがって、(式12)が成り立つ。
【0089】
【数13】
【0090】
(式12)を(式10)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(式13)となる。
【0091】
【数14】
【0092】
以上のように、プローブ2先端のαから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式7)、或いは(式10)、或いは(式13)を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式7)、(式10)、(式13)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を屈折レンズ7の焦点からずらして設置することで、プローブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0093】
(実施例4)
次に本発明の第4の実施例を図5に基づいて説明する。図5は本発明の第4の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。図5において、2はプローブで実施例3と同様にR付けの部分を持たせている。また7は屈折レンズ、3は赤外受光素子、26は筐体である。α、α’は屈折レンズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは屈折レンズ7の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ7によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから屈折レンズ7の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から屈折レンズ7の中心を通過してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0094】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0095】
赤外受光素子3を筐体26に取り付け、屈折レンズ7を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0096】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ2から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ7の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レンズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ2をαと屈折レンズ7の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ2からの光を受光しない光学系が得られる。
【0097】
上記について詳細を以下に述べる。
αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図5中に示すように、光路K2αを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1αを通る光は、屈折レンズ7を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3αを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも屈折レンズ7から離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、α’の像点Fα’よりも屈折レンズ7から離れた位置でα’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない受光部が得られる。αと屈折レンズ7の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ7による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と屈折レンズ7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ7による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。このように、Fαよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ2から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0098】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも屈折レンズ7から遠い。この時、次式が成り立つ。
【0099】
LαF≦f+L3 (14)
したがって、
L3≧LαF−f (15)
ここでLαFは屈折レンズ7の中心からαの像点Fαまでの距離、fは屈折レンズ7の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0100】
図5に示すように、受光面はFαよりも屈折レンズ7から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK4αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、次式を満たす必要がある。
【0101】
rαS4>rS (16)
ここで、rαS4は光路K4αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS4から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また屈折レンズ7の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、LαF、rαS4、L3、fは幾何関係として(式17)を満たす。
【0102】
【数15】
【0103】
したがって(式18)を満たす。
【0104】
【数16】
【0105】
(式18)を(式16)へ代入することで(式19)が得られる。
【0106】
【数17】
【0107】
(式15)、(式19)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式20)となる。
【0108】
【数18】
【0109】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ2の先端から屈折レンズ7の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として前記した(式8)を満たす。したがって前記した(式9)を満たす。
【0110】
(式9)を(式20)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式21)となる。
【0111】
【数19】
【0112】
また、ガウスの公式から前記した(式11)が成り立つ。したがって前記した(式12)が成り立つ。
【0113】
(式12)を(式21)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式22)となる。
【0114】
【数20】
【0115】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式20)、或いは(式21)、或いは(式22)の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式20)、(式21)、(式22)で与えられるL3だけ、受光素子3を屈折レンズ7の焦点からずらして設置することで、プローブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0116】
以上、受光部の集光素子として屈折レンズを用いた例を説明したが、透過型回折レンズを用いても同様に赤外受光素子を配置することにより鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる他、レンズの成形が容易という効果がある。
【0117】
(実施例5)
次に本発明の第5の実施例を図6を用いて説明する。図6は本発明の第5の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。ここで集光素子7は前記実施例と異なり、集光ミラーを用いている。図6において、2はプローブ、3は赤外受光素子、26は筐体である。α、α’は集光ミラー7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは集光ミラー7の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー7によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の集光ミラー7の縁で反射してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから集光ミラー7の中心で反射してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー7の縁で反射してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の集光ミラー7の縁で反射してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から集光ミラー7の中心で反射してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の集光ミラー7の縁で反射してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0118】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0119】
赤外受光素子3を筐体26に取り付け、集光ミラー7で反射する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。集光ミラー7で反射した赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0120】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ2から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー7の縁で反射する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ2をαと集光ミラー7の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ2からの光を受光しない光学系が得られる。
【0121】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図6中に示すように、光路K2αを通る光は、集光ミラー7で反射してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1αを通る光は、集光ミラー7で反射して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3αを通る光は、集光ミラー7で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー7で反射し、集光ミラー7で反射してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1αと光軸が交叉する点FXよりも集光ミラー7から離れた位置かつFαよりも集光ミラー7に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1α’と光軸が交叉する点よりも集光ミラー7から離れた位置かつFα’よりも集光ミラー7に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα’、FXで形成される三角形の内側よりに赤外受光素子3を設置することで、α、α’から放射される光を受光しない受光部が得られる。αと集光ミラー7の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー7による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と集光ミラー7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー7による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。このように、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ2から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0122】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも集光ミラーに近い。この時、(式1)が成り立ち、したがって(式2)が成り立つ。ここでLαFは集光ミラー7の中心からαの像点Fαまでの距離、fは集光ミラー7の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0123】
図6に示すように、受光面は光路K1αと光軸が交わる点FXとFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK1αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式3)を満たす必要がある。ここで、rαS1は光路K1αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS1から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また集光ミラー7の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、rαS1、L3、fは幾何関係として(式4)を満たし、したがって(式5)を満たす。また(式5)を(式3)へ代入することで(式6)が得られる。(式2)、(式6)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式7)となる。
【0124】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ2の先端から集光ミラー7の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として(式8)を満たし、したがって、(式9)を満たす。(式9)を(式7)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式10)となる。また、ガウスの公式から(式11)が成り立ち、したがって、(式12)が成り立つ。(式12)を(式10)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式13)となる。
【0125】
以上のように、プローブ2先端のαから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式7)、或いは(式10)、或いは(式13)を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式7)、(式10)、(式13)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を集光ミラー7の焦点からずらして設置することで、プローブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0126】
(実施例6)
次に本発明の第6の実施例を図7に基づいて説明する。図7は本発明の第6の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。図7において、2はプローブ、7は集光ミラー、3は赤外受光素子、26は筐体である。α、α’は集光ミラー7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは集光ミラー7の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー7によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の集光ミラー7の縁で反射してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから集光ミラー7の中心で反射してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー7の縁で反射してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の集光ミラー7の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から集光ミラー7の中心で反射してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の集光ミラー7の縁で反射してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0127】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0128】
赤外受光素子3を筐体26に取り付け、集光ミラー7で反射する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。集光ミラー7で反射した赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0129】
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ2から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー7で反射する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも集光ミラー7から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ2をαと集光ミラー7の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ2からの光を受光しない光学系が得られる。
【0130】
上記について詳細を以下に述べる。
αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図7中に示すように、光路K2αを通る光は、集光ミラー7で反射してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1αを通る光は、集光ミラー7で反射して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3αを通る光は、集光ミラー7で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー7で反射し、集光ミラー7で反射してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも集光ミラー7から離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、αの像点Fαよりも集光ミラー7から離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも集光ミラー7から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域内に赤外受光素子3を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない受光部が得られる。αと集光ミラー7の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー7による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と集光ミラー7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー7による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受光しない。このように、Fαよりも集光ミラー7から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ2から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0131】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも集光ミラー7から遠い。この時、(式14)が成り立ち、したがって(式15)が成り立つ。ここでLαFは集光ミラー7の中心からαの像点Fαまでの距離、fは集光ミラー7の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0132】
図7に示すように、受光面はFαよりも集光ミラー7から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK4αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式16)を満たす必要がある。ここで、rαS4は光路K4αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS4から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また集光ミラー7の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、LαF、rαS4、L3、fは幾何関係として(式17)を満たし、したがって(式18)を満たす。(式18)を(式16)式へ代入することで(式19)が得られる。(式15)、(式19)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式20)となる。
【0133】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ2の先端から集光ミラー7の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として(式8)を満たし、したがって(式9)を満たす。(式9)を(式20)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式21)となる。また、ガウスの公式から(式11)が成り立つので、(式12)が成り立つ。(式12)を(式21)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式22)となる。
【0134】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式20)、或いは(式21)、或いは(式22)の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式20)、(式21)、(式22)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を集光ミラー7の焦点からずらして設置することで、プローブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0135】
以上、受光部の集光素子として集光ミラーを用いた例を説明したが、屈折レンズを使う場合に比べ、透過損失がなく受光量を増大させる効果がある。また、反射型回折レンズを用いても同様に赤外受光素子3を配置することにより鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる他、ミラーの成形が容易という効果がある。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の放射体温計は以下の効果を有する。
【0137】
本発明の請求項1にかかる放射体温計によれば、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部からの出力を信号処理手段で温度に演算し、その信号処理手段の演算結果の温度を音声報知手段を有する報知手段で報知するので、鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の影響を受けず、耳に挿入している時間に拘わらず正確な鼓膜温度を検出することができ、実質的な音声報知が可能になり、暗闇での検温や目の不自由な人の検温も可能となる。しかも、受光部は鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過した赤外線のみを受光し、信号処理手段は受光部からの出力を温度に演算し、演算結果の温度を音声報知手段を有する報知手段が報知する。そして受光部の赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子を集光素子の焦点位置から後方に離して設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0140】
本発明の請求項2にかかる放射体温計によれば、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも集光素子から遠く且つ集光素子による仮想先端点の像点よりも集光素子に近い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0141】
本発明の請求項3にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、集光素子による仮想先端点の2つの像点とで形成される、集光素子の子午面内の三角形内に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0142】
本発明の請求項4にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0143】
本発明の請求項5にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0144】
本発明の請求項6にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の(式13)で与えられるL3だけ集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0145】
本発明の請求項7にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の(式22)で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0146】
本発明の請求項8にかかる放射体温計によれば、信号処理手段は演算結果の温度を基に体調を診断し診断結果を音声で報知するので、他の体温測定方法との違いによる検温結果の違いに対して使用者が誤った判断をすることはない。
本発明の請求項9にかかる放射体温計によれば、屈折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、受光領域を制限することができ、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる。
【0147】
本発明の請求項10にかかる放射体温計によれば、透過型回折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、受光領域を制限することができ、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる他、容易に製造できる効果がある。
【0148】
本発明の請求項11にかかる放射体温計によれば、集光ミラーにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、受光領域を制限することができ、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる他、透過損失が無く赤外光を有効に赤外受光素子に導く効果がある。
【0149】
また本発明の請求項12にかかる放射体温計によれば、反射型回折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、受光領域を制限することができ、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる他、透過損失が無く赤外光を有効に赤外受光素子に導く効果があり、また製造が容易という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における放射体温計の構成ブロック図
【図2】同実施例の受光部の要部拡大図
【図3】本発明の第2の実施例における受光部の要部拡大図
【図4】本発明の第3の実施例における受光部の要部拡大図
【図5】本発明の第4の実施例における受光部の要部拡大図
【図6】本発明の第5の実施例における受光部の要部拡大図
【図7】本発明の第6の実施例における受光部の要部拡大図
【図8】第1の従来例における放射体温計の構成図
【図9】第2の従来例における放射体温計の構成図
【図10】反射材料の反射角度と輻射率の関係を示す特性図
【符号の説明】
2 プローブ
3 赤外受光素子
7 集光素子
18 受光部
22 信号処理手段
23 報知手段
25 音声報知手段
Claims (12)
- 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を前記集光素子の焦点位置から後方に離して設置することにより受光領域を制限したことを特徴とする放射体温計。 - 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも前記集光素子から遠く且つ前記集光素子による前記仮想先端点の像点よりも前記集光素子に近い領域に設置することを特徴とする放射体温計。 - 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記集光素子による前記仮想先端点の2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に設置することを特徴とする放射体温計。 - 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置することを特徴とする放射体温計。 - 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素 子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置することを特徴とする放射体温計。 - 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブ先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
- 鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外線のみを受光する受光部と、前記受光部の出力を温度に演算する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段と、前記報知手段は前記信号処理手段の演算結果の温度を音声で報知する音声報知手段と、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプローブとを備え、
前記受光部は少なくともプローブを通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記プローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
- 信号処理手段は、演算結果の温度を基に体調を診断し、音声報知手段は信号処理手段の診断結果を報知する請求項1〜7記載の放射体温計。
- 集光素子が屈折レンズであることを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
- 集光素子が透過型回折レンズであることを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
- 集光素子が集光ミラーであることを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
- 集光素子が反射型回折レンズであることを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
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