JP4006803B2 - 放射体温計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体の体温を耳孔内から発せられる赤外線量を検知することにより測定する放射体温計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より体温計として、耳孔内から発せられる赤外線量を検知して体温換算し表示する放射体温計があり、これらは水銀や熱電対を利用した接触型のものに対して短時間で測定可能であるという特徴がある。
【0003】
その一般的な例として特開平6−165号公報に示されるものを図xにより説明する。図xに示すように放射体温計は、プローブ1と、プローブ1内を長さ方向に走る導光管2と、導光管2内を伝搬した赤外線の放射強度を電気信号に変換する光電変換器(赤外受光素子)3と、変換された電気信号から温度を測定する測定回路(温度換算手段)4を備える。
【0004】
このプローブ1を外耳道に挿入することで、光電変換器3が鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光し、受光した赤外線量に相関を持った電気信号を出力し、測定回路4がその電気信号から鼓膜およびその近傍の温度を換算するというものである。
【0005】
一般に光電変換器3はあらゆる方向から入射する赤外線量の総量に相関を持った電気的信号を出力するものであり、導光管2は少なくともその内面を金属で構成、またはメッキ処理を施すなどして反射率を高くしている。このような構成で鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線は直接または導光管2内面で多重反射して光電変換器3に至る。またプローブ1の内面等から発せられる不要な赤外線は光電変換器3には至らない。
【0006】
しかし、導光管2内面を完全反射体(反射率=1)にすることは困難であり、多重反射で入射する光は反射率のn乗による反射ロスを生じる。また1回反射のような浅い角度での反射は一般に垂直光より反射率が低くなり、やはり反射ロスが生じる。これら反射ロスに相当する部分は導光管2から発せられる赤外線輻射が光電変換器3に入射することになり、プローブ1を外耳道に挿入したときに導光管2の温度変動があれば光電変換器3はその影響を受けて正確な温度検出ができなくなる。
【0007】
上記従来例においてはこの課題解決のためにプローブ1の先端部を基幹部より細くして外耳道との接触を低減して導光管2の温度変動を低減している。また特開平5−45229号公報に示される例においてはプローブ表面を断熱材、内部を高熱伝導性材料で構成して、外耳道からの熱の影響を受けにくくするとともに受けた熱は素早く赤外受光素子に熱伝導させて影響をキャンセルする工夫をしている。また特開平8−126615号公報に示される例においてはプローブ着脱自在とし、測定ごとにプローブを交換してプローブに貯まる熱の影響を除去するよう工夫している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外耳道から導光管に伝わる熱の影響を排除して正確に鼓膜およびその近傍の温度を測定するには、上記いずれの方法も完全ではなく、導光管の温度変動の影響を受け、体温測定の正確さを欠くという課題がある。特に短時間の間隔で繰り返し測定したときに、徐々に導光管が温度変化しその影響を受けて、同一被験者であっても測定温度が徐々に変化していくという課題がある。
【0009】
また病院や学校のように被験者が不特定多数の場合、衛生管理の面からプローブに衛生カバーを装着して外耳道に挿入し、被験者が変わるごとに衛生カバーを交換し使い捨てするのが一般的である。この衛生カバーはプローブ先端に当接する部分を膜で閉じなければならない。それは導光管先端部がプローブ先端部まで延びているためで、導光管に汚れを付着させないためには先端に膜を設ける必要がある。
【0010】
一方、家庭や少人数の職場のように被験者が特定少数であれば、個人ごとに使うプローブを決めておけば耳からの感染は防ぐことができ、衛生カバーは不要となり使い捨てのような資源の消費は解消できる。しかしこの場合でも導光管に汚れを付着させないためにプローブの先端を赤外線透過材の膜で閉じる必要がある。いずれにしても衛生上の問題でプローブ先端に設けた膜を透過した赤外線量を測定することになる。ここで赤外線が膜を透過する際には吸収または反射する成分があり、完全に透過させることは困難である。この膜による赤外線の透過率は膜の厚み等によりばらつくものであり、特定の膜を付けた状態で調整しても、別の膜を付けたときには透過率のばらつきによる温度誤差が発生するという課題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とした。
【0012】
上記発明によれば、本体に収納された受光部は鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した赤外線のみを受光し、温度換算手段は受光部の受光信号に基づき温度換算を行う。またプローブは内部に導光管がなく空洞状態にして本体に着脱自在に連結しているので、導光管の温度変動による温度精度の悪化がなく、目視で判別可能な複数のプローブを備えているのでプローブごとに使用者を特定することは可能でプローブ交換による感染の問題がない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を前記集光素子の焦点位置から後方に離して設置することにより、受光領域を制限した構成としたものである。
【0014】
そして、本体に収納された受光部は鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した赤外線のみを受光し、温度換算手段は受光部の受光信号に基づき温度換算を行う。またプローブは内部に導光管がなく空洞状態にして本体に着脱自在に連結しているので、導光管の温度変動による温度精度の悪化がなく、目視で判別可能な複数のプローブを備えているのでプローブごとに使用者を特定することは可能でプローブ交換による感染の問題がない。しかも、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子を集光素子の焦点位置から後方に離して設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0026】
また、本発明の請求項にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも前記集光素子から遠く且つ前記集光素子による前記仮想先端点の像点よりも前記集光素子に近い領域に設置する構成としたものである。
【0027】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも集光素子から遠く且つ集光素子による仮想先端点の像点よりも集光素子に近い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0028】
また、本発明の請求項にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記集光素子による前記仮想先端点の2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に設置する構成としたものである。
【0029】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、集光素子による仮想先端点の2つの像点とで形成される、集光素子の子午面内の三角形内に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0030】
また、本発明の請求項にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置する構成としたものである。
【0031】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0032】
また、本発明の請求項にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置する構成としたものである。
【0033】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子には集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0034】
また、本発明の請求項にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブ先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
【0035】
【数3】
Figure 0004006803
【0036】
で与えられるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置する構成としたものである。
【0037】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の式で与えられるL3だけ集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0038】
また、本発明の請求項にかかる放射体温計は、鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有する構成とするとともに、前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記プローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて
【0039】
【数4】
Figure 0004006803
【0040】
で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置する構成としたものである。
【0041】
そして、赤外受光素子には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の式で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となる。
【0042】
また、本発明の請求項8にかかる放射体温計は、赤外線通過部は開口している構成としたものである。
また、本発明の請求項9にかかる放射体温計は、各プローブは少なくとも外面の色がそれぞれ異なる構成としたものである。
また、本発明の請求項10にかかる放射体温計は、各プローブは外面にそれぞれ異なる記号を印刷した構成としたものである。
また、本発明の請求項11にかかる放射体温計は、各プローブは外面にそれぞれ異なる図柄を印刷した構成としたものである。
また、本発明の請求項12にかかる放射体温計は、各プローブはそれぞれ寸法が異なる構成としたものである。
また、本発明の請求項13にかかる放射体温計は、集光素子は屈折レンズで構成したものである。
【0043】
そして屈折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
また、本発明の請求項14にかかる放射体温計は、集光素子は透過型回折レンズで構成したものである。
【0044】
そして透過型回折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
【0045】
また、本発明の請求項15にかかる放射体温計は、集光素子は集光ミラーで構成したものである。
【0046】
そして集光ミラーより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
また、本発明の請求項16にかかる放射体温計は、集光素子は反射型回折レンズで構成したものである。
【0047】
そして反射型回折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射する。
【0048】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図1〜図6を参照しながら説明する。図1は本発明の放射体温計の構成図である。図2〜図5は複数のプローブの側面図、図7は受光部およびプローブの構成図である。
【0049】
図1において1はプローブで体温測定に際して外耳道に挿入する部分であり、鼓膜に向かう側の先端方向に細くした形状で、先端は開口している赤外線通過部5を有し、反対側の端部には本体6と着脱可能なように突起部7を備えている。そしてプローブ1を本体6に取り付ける時は、押し圧により突起部7が内側に歪んで本体6に取り付けられる。はずすときはプローブ1を指で押さえることで、同様に突起部7を内側に歪ませてはずす。測定時にプローブをはずすことで本体そのものの形状となり、収納しやすい形状となる。
【0050】
8は受光部でプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを受光し、その赤外線量に応じた電気信号を出力する。4は温度換算手段で受光部8から入力する信号に基づいて温度換算する。ここで換算される温度は赤外線の照射源であり、鼓膜およびその近傍の温度に相当する。温度換算手段4で換算された温度は表示手段(図示せず)で表示する。
【0051】
ここで、受光部8はプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを受光するのでプローブ1の温度変動の影響を受けることはなく、また導光管も必要ない。プローブ1は着脱自在であり、複数個具備していて、例えば図2に示すようにそれぞれ色が違う。図2で(a)は白色、(b)は黄色、(c)は青色、(d)は黒色と4通りのプローブがある。例えば家庭で使う場合、4人家族であれば個人ごとに使うプローブを決めておけば、色が目印になって間違うことはなく耳からの感染は避けることができる。また導光管を持たないのでプローブ1の先端部分の赤外線通過部5は開口していてもよく、膜で覆うようなことはないので、膜の赤外線透過率のばらつきによる温度誤差はない。
【0052】
なお、赤外線通過部5は開口ではなく、赤外線を通過する膜があってもよい。この場合には膜による赤外線透過率のばらつきの要因は残るが、導光管がないので導光管による温度変動要因はなく、使用者ごとにプローブを特定できるので耳からの感染は避けられる。
【0053】
個人ごとに使うプローブを間違えないように目視で判断可能な差異を設ける方法として前記した色の違いの他に、図3に示すように異なる記号を印刷してもよい。図3では(a)には「A」、(b)には「B」、(c)には「C」、(d)には「D」の記号を印刷している。ひらがなや数字で異なる記号としてもよい。また図4に示すように異なる図柄を印刷してもよい。図4では(a)には「花」、(b)には「星」、(c)には「太陽」、(d)には「蝶々」の図柄を印刷している。また図5に示すように寸法を変えてもよい。図5では(a)を最も短く、(b)、(c)、(d)の順に長くしている。この場合には目視で判断可能な差異により使うプローブを間違えない他に、耳の小さい幼児ならば(a)、耳の大きい大人は(d)を使うなどすれば最も耳に挿入しやすい寸法を選択できるという効果もある。
【0054】
受光部8の構成を図6により説明する。図6において、9は集光素子である屈折レンズ、3は赤外受光素子、10は筐体である。A、A’は屈折レンズ9の縁からこの縁と同じ側のプローブ1の内壁に接するように引いた直線とプローブ1の先端の面との交点で、図6のように直線的なプローブであればプローブ1の先端内壁に位置する点である。Bはプローブ1の内壁における点、即ち受光したくない領域の点、Fは屈折レンズ9の焦点、FAは屈折レンズ9によるAの像点、FA’は屈折レンズ9によるA’の像点、FBは屈折レンズ9によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFAへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFAに到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ9の中心を通過してFAに到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFAに到達する光(マージナル光線)の光路である。また同様にK1A’はA’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFA’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A’はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA’に到達する光の光路、K3A’はA’から屈折レンズ9の中心を通過してFA’に到達する光の光路、K4A’はA’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFA’に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ11の中心を通過してFBに到達する光の光路、FXは光路K1Aと光路K1A’の交点である。
【0055】
プローブ1の赤外線通過部5を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0056】
赤外受光素子3を筐体10に取り付け、屈折レンズ9を通過しない赤外線を赤外受光素子3が受光しないようにする。屈折レンズ9を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0057】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FAに到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FAは光軸を挟んでAと反対側に形成される。図2中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ9を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ9を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ9で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ9を通過し、屈折レンズ9を通過してからは光軸と交叉せずにFAに到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FXよりも屈折レンズ9から離れた位置かつFAよりも屈折レンズ9に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FXとFAとFA’が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子3を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない受光部が得られる。
【0058】
受光したくないプローブ1内壁の領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ9によるBの像点FBがFAより光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FXとFAとFA’が形成する三角形の内側に赤外受光素子3を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0059】
以上のように、FXとFAとFA’が形成する三角形の内側に赤外受光素子3を設置することによって、光軸付近の受光したい領域、即ちプローブ1の赤外線通過部5を通過した鼓膜およびその近傍から放射される赤外線のみを受光するような受光部が得られる。
【0060】
(実施例2)
次に本発明の第2の実施例を図7を用いて説明する。図7は本発明の第2の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。図7において、9は屈折レンズ、3は赤外受光素子、10は筐体である。A、A’は屈折レンズ9の縁からプローブ1の内壁に接するように引いた直線とプローブ1の先端の面との交点で、図7のように直線的なプローブであればプローブ1の先端内壁に位置する点である。Bはプローブ1の内壁における点、即ち受光したくない領域の点、Fは屈折レンズ9の焦点、FAは屈折レンズ9によるAの像点、FA’は屈折レンズ9によるA’の像点、FBは屈折レンズ9によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFAへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFAに到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ11の中心を通過してFAに到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFAに到達する光(マージナル光線)の光路、K1A’はA’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFA’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A’はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA’に到達する光の光路、K3A’はA’から屈折レンズ9の中心を通過してFA’に到達する光の光路、K4A’はA’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFA’に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ9の中心を通過してFBに到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFBに到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1Aと光路K1A’の交点、FYは光路K4Aと光路K4A’の交点である。
【0061】
プローブ1の赤外線通過部5を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0062】
赤外受光素子3を筐体10に取り付け、屈折レンズ9を通過しない赤外線を赤外受光素子3で受光しないようにする。屈折レンズ9を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0063】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FAに到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FAは光軸を挟んでAと反対側に形成される。図7中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ9を通過してFで光軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ9を通過して光軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ9で光軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ9を通過し、屈折レンズ9を通過してからは光軸と交叉せずにFAに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FAよりも屈折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FAよりも屈折レンズ11から遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ11から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0064】
受光したくないプローブ1内壁の領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ9によるBの像点FBがFAより光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FAよりも屈折レンズ11から遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ11から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0065】
以上のように、FAよりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域内に赤外受光素子3を設置することによって、光軸付近の受光したい領域、即ちプローブ1の赤外線通過部5を通過した鼓膜およびその近傍から放射される赤外線のみを受光するような受光部が得られる。
【0066】
(実施例3)
次に本発明の第3の実施例を図8を用いて説明する。図8は本発明の第3の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。ここでプローブ1は前記実施例と異なり、より外耳道に挿入し易いようR付けの部分を持たせている。図8において、9は屈折レンズ、3は赤外受光素子、10は筐体である。α、α’は屈折レンズ9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる仮想先端点、Fは屈折レンズ9の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ9によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから屈折レンズ9の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から屈折レンズ9の中心を通過してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0067】
プローブ1の赤外線通過部5を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0068】
赤外受光素子3を筐体10に取り付け、屈折レンズ9を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。屈折レンズ9を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0069】
鼓膜及びその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ9の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レンズ9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ1をαと屈折レンズ9の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ1からの光を受光しない光学系が得られる。
【0070】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図8中に示すように、光路K2αを通る光は、屈折レンズ9を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1αを通る光は、屈折レンズ9を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3αを通る光は、屈折レンズ9で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ9を通過し、屈折レンズ9を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1αと光軸が交叉する点FXよりも屈折レンズ9から離れた位置かつFαよりも屈折レンズ9に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1α’と光軸が交叉する点よりも屈折レンズ9から離れた位置かつFα’よりも屈折レンズ9に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα’、FXで形成される三角形の内側よりに赤外受光素子3を設置することで、α、α’から放射される光を受光しない受光部が得られる。αと屈折レンズ9の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ9による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。同様に、α’と屈折レンズ9の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ9による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。このように、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0071】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも屈折レンズ9に近い。この時、次式が成り立つ。
【0072】
LαF≧f+L3 (1)
したがって、
L3≦LαF−f (2)
ここでLαF屈折レンズ9の中心からαの像点Fαまでの距離、fは屈折レンズ9の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0073】
図8に示すように、受光面は光路K1αと光軸が交わる点FXとFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK1αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、次式を満たす必要がある。
【0074】
rαS1>rS (3)
ここで、rαS1は光路K1αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS1から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また屈折レンズ9の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、rαS1、L3、fは幾何関係として(式4)を満たす。
【0075】
【数5】
Figure 0004006803
【0076】
したがって、(式5)を満たす。
【0077】
【数6】
Figure 0004006803
【0078】
(式5)を(式3)へ代入することで(式6)が得られる。
【0079】
【数7】
Figure 0004006803
【0080】
(式2)、(式6)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式7)となる。
【0081】
【数8】
Figure 0004006803
【0082】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ1の先端から屈折レンズ9の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として(式8)を満たす。
【0083】
【数9】
Figure 0004006803
【0084】
したがって、(式9)を満たす。
【0085】
【数10】
Figure 0004006803
【0086】
(式9)を(式7)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式10)となる。
【0087】
【数11】
Figure 0004006803
【0088】
また、ガウスの公式から(式11)が成り立つ。
【0089】
【数12】
Figure 0004006803
【0090】
したがって、(式12)が成り立つ。
【0091】
【数13】
Figure 0004006803
【0092】
(式12)を(式10)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(式13)となる。
【0093】
【数14】
Figure 0004006803
【0094】
以上のように、プローブ1先端のαから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式7)、或いは(式10)、或いは(式13)を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式7)、(式10)、(式13)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を屈折レンズ9の焦点からずらして設置することで、プローブ1から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0095】
(実施例4)
次に本発明の第4の実施例を図9に基づいて説明する。図9は本発明の第4の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。図9において、1はプローブで実施例3と同様にR付けの部分を持たせている。また9は屈折レンズ、3は赤外受光素子、10は筐体である。α、α’は屈折レンズ9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる仮想先端点、Fは屈折レンズ9の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ9によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから屈折レンズ9の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ9の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から屈折レンズ9の中心を通過してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ9の縁を通過してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0096】
プローブ1の赤外線通過部5を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0097】
赤外受光素子3を筐体10に取り付け、屈折レンズ9を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。屈折レンズ9を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0098】
鼓膜及びその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ9の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レンズ9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ1をαと屈折レンズ9の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ1からの光を受光しない光学系が得られる。
【0099】
上記について詳細を以下に述べる。
αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図9中に示すように、光路K2αを通る光は、屈折レンズ9を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1αを通る光は、屈折レンズ9を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3αを通る光は、屈折レンズ9で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ9を通過し、屈折レンズ9を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも屈折レンズ9から離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、α’の像点Fα’よりも屈折レンズ9から離れた位置でα’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも屈折レンズ11から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない受光部が得られる。αと屈折レンズ9の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ9による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。同様に、α’と屈折レンズ9の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ9による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。このように、Fαよりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ9から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0100】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも屈折レンズ9から遠い。この時、次式が成り立つ。
【0101】
LαF≦f+L3 (14)
したがって、
L3≧LαF−f (15)
ここでLαFは屈折レンズ9の中心からαの像点Fαまでの距離、fは屈折レンズ9の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0102】
図9に示すように、受光面はFαよりも屈折レンズ9から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK4αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、次式を満たす必要がある。
【0103】
rαS4>rS (16)
ここで、rαS4は光路K4αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS4から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また屈折レンズ9の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、LαF、rαS4、L3、fは幾何関係として(式17)を満たす。
【0104】
【数15】
Figure 0004006803
【0105】
したがって(式18)を満たす。
【0106】
【数16】
Figure 0004006803
【0107】
(式18)を(式16)へ代入することで(式19)が得られる。
【0108】
【数17】
Figure 0004006803
【0109】
(式15)、(式19)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式20)となる。
【0110】
【数18】
Figure 0004006803
【0111】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ1の先端から屈折レンズ9の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として前記した(式8)を満たす。したがって前記した(式9)を満たす。
【0112】
(式9)を(式20)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式21)となる。
【0113】
【数19】
Figure 0004006803
【0114】
また、ガウスの公式から前記した(式11)が成り立つ。したがって前記した(式12)が成り立つ。
【0115】
(式12)を(式21)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式22)となる。
【0116】
【数20】
Figure 0004006803
【0117】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式20)、或いは(式21)、或いは(式22)の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式20)、(式21)、(式22)で与えられるL3だけ、受光素子3を屈折レンズ9の焦点からずらして設置することで、プローブ1から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0118】
以上、受光部の集光素子として屈折レンズを用いた例を説明したが、透過型回折レンズを用いても同様に赤外受光素子を配置することにより鼓膜およびその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる他、レンズの成形が容易という効果がある。
【0119】
(実施例5)
次に本発明の第5の実施例を図10を用いて説明する。図10は本発明の第5の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。ここで集光素子9は前記実施例と異なり、集光ミラーを用いている。図10において、1はプローブ、3は赤外受光素子、10は筐体である。α、α’は集光ミラー9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる仮想先端点、Fは集光ミラー9の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー9によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の集光ミラー9の縁で反射してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから集光ミラー9の中心で反射してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー9の縁で反射してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の集光ミラー9の縁で反射してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から集光ミラー9の中心で反射してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の集光ミラー9の縁で反射してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0120】
プローブ1の赤外線通過部5を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0121】
赤外受光素子3を筐体10に取り付け、集光ミラー9で反射する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。集光ミラー9で反射した赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0122】
鼓膜及びその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー9の縁で反射する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ1をαと集光ミラー9の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ1からの光を受光しない光学系が得られる。
【0123】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図10中に示すように、光路K2αを通る光は、集光ミラー9で反射してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1αを通る光は、集光ミラー9で反射して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3αを通る光は、集光ミラー9で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー9で反射し、集光ミラー9で反射してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1αと光軸が交叉する点FXよりも集光ミラー9から離れた位置かつFαよりも集光ミラー9に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1α’と光軸が交叉する点よりも集光ミラー9から離れた位置かつFα’よりも集光ミラー9に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα’、FXで形成される三角形の内側よりに赤外受光素子3を設置することで、α、α’から放射される光を受光しない受光部が得られる。αと集光ミラー9の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー9による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。同様に、α’と集光ミラー9の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー9による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。このように、FαとFα’とFXで形成される三角形の内側に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0124】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも集光ミラー9に近い。この時、(式1)が成り立ち、したがって(式2)が成り立つ。ここでLαFは集光ミラー9の中心からαの像点Fαまでの距離、fは集光ミラー9の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0125】
図10に示すように、受光面は光路K1αと光軸が交わる点FXとFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK1αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式3)を満たす必要がある。ここで、rαS1は光路K1αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS1から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また集光ミラー9の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、rαS1、L3、fは幾何関係として(式4)を満たし、したがって(式5)を満たす。また(式5)を(式3)へ代入することで(式6)が得られる。(式2)、(式6)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式7)となる。
【0126】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ1の先端から屈折レンズ9の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として(式8)を満たし、したがって、(式9)を満たす。(式9)を(式7)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式10)となる。また、ガウスの公式から(式11)が成り立ち、したがって、(式12)が成り立つ。(式12)を(式10)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式13)となる。
【0127】
以上のように、プローブ1先端のαから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式7)、或いは(式10)、或いは(式13)を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式7)、(式10)、(式13)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を集光ミラー10の焦点からずらして設置することで、プローブ1から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0128】
(実施例6)
次に本発明の第6の実施例を図11に基づいて説明する。図11は本発明の第6の実施例における放射体温計の受光部およびプローブを示す構成図である。図11において、1はプローブ、9は集光ミラー、3は赤外受光素子、10は筐体である。α、α’は集光ミラー9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる仮想先端点、Fは集光ミラー9の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー9によるα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の集光ミラー9の縁で反射してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから集光ミラー9の中心で反射してFαに到達する光の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー9の縁で反射してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の集光ミラー9の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’はα’から集光ミラー9の中心で反射してFα’に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側の集光ミラー9の縁で反射してFα’に到達する光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0129】
プローブ1の赤外線通過部5を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するような光学系を設計する。
【0130】
赤外受光素子3を筐体10に取り付け、集光ミラー9で反射する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するようにする。集光ミラー9で反射した赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0131】
鼓膜及びその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー9で反射する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するようにプローブ1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー9の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ1内壁へ接する直線がプローブ1の先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも集光ミラー9から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー9から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置する。これにより、プローブ1をαと集光ミラー9の間で光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させることになるため、プローブ1からの光を受光しない光学系が得られる。
【0132】
上記について詳細を以下に述べる。
αから放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図11中に示すように、光路K2αを通る光は、集光ミラー9で反射してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1αを通る光は、集光ミラー9で反射して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3αを通る光は、集光ミラー9で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー9で反射し、集光ミラー9で反射してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも集光ミラー9から離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、αの像点Fαよりも集光ミラー9から離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも集光ミラー9から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー9から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域内に赤外受光素子3を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない受光部が得られる。αと集光ミラー9の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー9による像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。同様に、α’と集光ミラー9の間の光路K1α’より光軸から遠い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー9による像点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ1からの光を受光しない。このように、Fαよりも集光ミラー9から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー9から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0133】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子3の位置を求める。
赤外受光素子3はFαよりも集光ミラー9から遠い。この時、(式14)が成り立ち、したがって(式15)が成り立つ。ここでLαFは集光ミラー9の中心からαの像点Fαまでの距離、fは集光ミラー9の中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離である。
【0134】
図11に示すように、受光面はFαよりも集光ミラー9から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK4αである。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式16)を満たす必要がある。ここで、rαS4は光路K4αと赤外受光素子3の受光面との交点FαS4から光軸までの距離、rSは赤外受光素子3の半径である。また集光ミラー9の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、LαF、rαS4、L3、fは幾何関係として(式17)を満たし、したがって(式18)を満たす。(式18)を(式16)へ代入することで(式19)が得られる。(式15)、(式19)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式20)となる。
【0135】
さらにαから光軸までの距離をrα、プローブ1の先端から集光ミラー9の中心までの距離をLαとしたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、rαF、LαFは幾何関係として(式8)を満たし、したがって(式9)を満たす。(式9)を(式20)へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式21)となる。また、ガウスの公式から(式11)が成り立つので、(式12)が成り立つ。(式12)を(式21)に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式22)となる。
【0136】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、(式20)、或いは(式21)、或いは(式22)の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(式20)、(式21)、(式22)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を集光ミラー9の焦点からずらして設置することで、プローブ1から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、鼓膜およびその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる。
【0137】
以上、受光部の集光素子として集光ミラーを用いた例を説明したが、屈折レンズを使う場合に比べ、透過損失がなく受光量を増大させる効果がある。また、反射型回折レンズを用いても同様に赤外受光素子3を配置することにより鼓膜およびその近傍から発せられプローブ1の赤外線通過部5を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができる他、ミラーの成形が容易という効果がある。
【0138】
また、以上説明した集光素子と赤外受光素子の配置で、プローブから放射される赤外線が赤外受光素子に至らない範囲内でプローブの形状を変えることは可能であり、図5に示した長さ方向の寸法の違いだけでなく、径の違う複数のプローブを備えてもよい。特に長さ方向の寸法を短くすれば、同じ集光素子と赤外受光素子の配置で径を細くでき、幼児に対応しやすいプローブも備えることができる効果がある。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の放射体温計は以下の効果を有する。
【0140】
本発明の請求項1にかかる放射体温計によれば、プローブは内部に導光管がなく空洞状態にして本体に着脱自在に連結しているので、導光管の温度変動による温度精度の悪化がなく、目視で判別可能な複数のプローブを備えているのでプローブごとに使用者を特定することは可能でプローブ交換による感染の問題がない。
しかも、赤外受光素子を集光素子の焦点位置から後方に離して設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0147】
本発明の請求項にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも集光素子から遠く且つ集光素子による仮想先端点の像点よりも集光素子に近い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0148】
本発明の請求項にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、集光素子による仮想先端点の2つの像点とで形成される、集光素子の子午面内の三角形内に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0149】
本発明の請求項にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0150】
本発明の請求項にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子には集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0151】
本発明の請求項にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、(式13)で与えられるL3だけ集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0152】
本発明の請求項にかかる放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と光軸との距離rαと、仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、(式22)で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0153】
本発明の請求項8にかかる放射体温計によれば、プローブ先端を膜で覆う必要がないので膜の赤外線透過率のばらつきによる温度誤差がなく正確な温度検出ができる。
本発明の請求項9にかかる放射体温計によれば、複数のプローブは色が違うので、目視で判別可能でありプローブごとに間違いなく使用者を特定できる。
本発明の請求項10にかかる放射体温計によれば、複数のプローブは異なる記号が印刷してあるので、目視で判別可能でありプローブごとに間違いなく使用者を特定できる。
本発明の請求項11にかかる放射体温計によれば、複数のプローブは異なる図柄が印刷してあるので、目視で判別可能でありプローブごとに間違いなく使用者を特定できる。
本発明の請求項12にかかる放射体温計によれば、複数のプローブは寸法が異なるので、目視で判別可能でありプローブごとに間違いなく使用者を特定できる。また耳の大きさの違う複数の人にそれぞれ挿入しやすい寸法のプローブを提供することも可能である。
本発明の請求項13にかかる放射体温計によれば、屈折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる。
【0154】
本発明の請求項14にかかる放射体温計によれば、透過型回折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる他、容易に製造できる効果がある。
【0155】
本発明の請求項15にかかる放射体温計によれば、集光ミラーより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる他、透過損失が無く赤外光を有効に赤外受光素子に導く効果がある。
【0156】
本発明の請求項16にかかる放射体温計によれば、反射型回折レンズにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するので、鼓膜およびその近傍から発せられプローブの赤外線通過部を通過した放射光のみをスポット的に検出することが可能となり、導光管は不要となりプローブは容易に着脱でき、プローブを交換してもプローブの温度の影響を受けず正確な温度検出ができる他、透過損失が無く赤外光を有効に赤外受光素子に導く効果があり、また容易に製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における放射体温計の構成ブロック図
【図2】同実施例の色の異なる複数のプローブの側面図
【図3】同実施例の異なる記号を印刷した複数のプローブの側面図
【図4】同実施例の異なる図柄を印刷した複数のプローブの側面図
【図5】同実施例の寸法の異なる複数のプローブの側面図
【図6】同実施例の受光部の要部拡大図
【図7】本発明の第2の実施例における受光部の要部拡大図
【図8】本発明の第3の実施例における受光部の要部拡大図
【図9】本発明の第4の実施例における受光部の要部拡大図
【図10】本発明の第5の実施例における受光部の要部拡大図
【図11】本発明の第6の実施例における受光部の要部拡大図
【図12】従来例における放射体温計の構成図
【符号の説明】
1 プローブ
3 赤外受光素子
4 温度換算手段
5 赤外線通過部
6 本体
8 受光部
9 集光素子

Claims (16)

  1. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受光素子を前記集光素子の焦点位置から後方に離して設置することにより、受光領域を制限したことを特徴とする放射体温計。
  2. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも前記集光素子から遠く且つ前記集光素子による前記仮想先端点の像点よりも前記集光素子に近い領域に設置することを特徴とする放射体温計。
  3. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記集光素子による前記仮想先端点の2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に設置することを特徴とする放射体温計。
  4. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素子から遠い領域に設置することを特徴とする放射体温計。
  5. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた 複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置することを特徴とする放射体温計。
  6. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブ先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
    Figure 0004006803
    で与えられるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置したことを特徴とする放射体温計。
  7. 鼓膜およびその近傍から発せられる赤外線を受光する受光部と、前記受光部を収納する本体と、耳孔に挿入し先端に前記赤外線を通過する赤外線通過部を備えた複数のプローブと、前記受光部の受光信号に基づき前記鼓膜およびその近傍の温度を換算する温度換算手段を有し、前記受光部は前記赤外線通過部を通過した赤外光のみを受光し、前記複数の各プローブは内部を空洞状態にして前記本体に連結し着脱自在としそれぞれを目視で判別可能な差異を有し、
    前記受光部は少なくとも赤外線通過部を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外線受光素子を、集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記プローブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3を用いて、
    Figure 0004006803
    で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置したことを特徴とする放射体温計。
  8. 赤外線通過部は開口していることを特徴とする請求項1〜7記載の放射体温計。
  9. 各プローブは少なくとも外面の色がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
  10. 各プローブは外面にそれぞれ異なる記号を印刷したことを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
  11. 各プローブは外面にそれぞれ異なる図柄を印刷したことを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
  12. 各プローブはそれぞれ寸法が異なることを特徴とする請求項1〜8記載の放射体温計。
  13. 集光素子が屈折レンズであることを特徴とする請求項1〜12記載の放射体温計。
  14. 集光素子が透過型回折レンズであることを特徴とする請求項1〜12記載の放射体温計。
  15. 集光素子が集光ミラーであることを特徴とする請求項1〜12記載の放射体温計。
  16. 集光素子が反射型回折レンズであることを特徴とする請求項1〜12記載の放射体温計。
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