JP3838748B2 - 赤外センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は赤外センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より赤外センサには赤外受光素子を用いて赤外線を検知するものが利用されている。以下、図面を参照しながら上記した従来の赤外センサの一例について説明する。
【0003】
図45は第1の従来例である赤外センサの構成を示すものである。図45において9は筐体、4は赤外センサ、10は開口部である。
【0004】
以上のように構成された赤外センサについて、以下その動作について説明する。
【0005】
まず、被測定物に開口部10が向けられる。被測定物から放射される赤外線は筐体の開口部を通過して赤外線受光素子に入射する。赤外受光素子の出力が赤外受光素子に入射する赤外線の強度に依存し、赤外線受光素子に入射する赤外線の強度が被測定物の温度に依存することを利用して、比測定物の温度を検出したり、被測定物の有無判別などを行う。赤外センサの受光領域の大きさは赤外受光素子4の大きさと開口部4の開口径で幾何学的に決まる。受光部4と開口部10の開口径を小さくすることで、赤外センサの受光領域を小さくできる。
【0006】
図46は第2の従来例である赤外センサの構成を示すものである。図46において、9は筐体、4は赤外センサ、10は開口部、1は赤外センサを穴などの凹部に固定するための筒状の固定部である。
【0007】
以上のように構成された赤外センサについて、以下その動作について説明する。
【0008】
まず、穴などの凹部に固定部1を挿入して赤外センサを固定する。被測定物から放射される赤外線は固定部の開口部を通過して赤外線受光素子に入射する。赤外受光素子の出力が赤外受光素子に入射する赤外線の強度に依存し、赤外線受光素子に入射する赤外線の強度が被測定物の温度に依存することを利用して、被測定物の温度を検出したり、被測定物の有無判別などを行う。赤外センサの受光領域の大きさは赤外受光素子4の大きさと開口部4の開口径で幾何学的に決まる。
【0009】
受光部4と開口部10の開口径を小さくすることで、赤外センサの受光領域を小さくできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の従来例に示す構成では、狭い領域のみを測定する際に、開口部10の大きさ、あるいは受光素子4を小さくすることによって受光領域を狭める必要がある。開口部10、受光素子4を小さくすれば受光領域も小さくなるが、受光量も小さくなる問題が生じる。受光量が小さいと、受光素子の出力のS/Nが悪化し、測定精度が低下してしまう。
【0011】
また、第2の従来例に示す構成では、被測定物に固定部が挿入されれば固定部が被測定物によって温度変化を生じ、固定部から放射される赤外線量が変化する。固定部からの光を受光しないためには受光領域を小さくする必要がある。そこで、開口部10、受光素子4を小さくすることによって受光領域を小さくできるが、同時に受光量も小さくなる問題が生じる。受光量が小さいと、受光素子の出力のS/Nが悪化し、測定精度が低下してしまう。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑み、大きい受光量と小さい受光領域を両立させた赤外センサを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の赤外センサは、被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体とから構成され、前記集光素子から所定距離光軸方向に離れた光軸を中心とする円形領域を、被測定物面における受光したい領域とする赤外センサにおいて、被測定物における受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点から光軸に対して前記境界に位置する点と同じ側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記境界に位置する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記境界に位置する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記境界に位置する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする。本発明によれば、受光素子によって被測定物から放射される赤外光を効率よく集光することができるので、受光量を大きくできる。また本発明によれば、不要な領域から集光素子に入射する光を受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。
【0014】
本発明の第二の赤外センサは、被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体とから構成され、前記集光素子から所定距離光軸方向に離れた光軸を中心とする円形領域を、被測定物面における受光したい領域とする赤外センサにおいて、被測定物における受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点から光軸を挟んで前記境界に位置する点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記境界に位置する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記境界に位置する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記境界に位置する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする。本発明によれば、受光素子によって被測定物から放射される赤外光を効率よく集光することができるので、受光量を大きくできる。また本発明によれば、不要な領域から集光素子に入射する光を受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。
【0018】
本発明の第三の赤外センサは、上記第一または第二の赤外センサに係る発明において、被測定物から集光素子に向かう光が筒内を通過する筒状の固定部が筐体の先端に接続固定され、この固定部の筒内周面が、前記境界に位置する点から光軸に対して前記境界に位置する点と同じ側の前記集光素子の縁に向かう光路の外側に位置するように構成されていることを特徴とする。本発明によれば、受光素子によって被測定物から放射される赤外光を効率よく集光することができるので、受光量を大きくできる。また本発明によれば、不要な領域から集光素子に入射する光を受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。
【0023】
本発明の第四の赤外センサは、被測定物から放射される赤外線を集光する円形断面の集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部とを備え、この固定部の一部において内壁断面が集光素子の径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸に対して前記固定部の先端の面と交叉する点と同じ側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする。本発明によれば、固定部以外の領域を受光領域とすることができるため固定部の温度変化の影響を受けない高精度な赤外センサが実現できる。また、受光領域を固定部からの光を受光しない条件で最大限に受光量を大きくできるので、S/Nが向上し検出精度を高められる。
【0025】
上記赤外センサにおいて、前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3 を用いて、
【0026】
【数5】
Figure 0003838748
【0027】
で与えられるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することが望ましい。これにより、光軸付近に受光領域を制限し、固定部からの赤外線を受光しない高安定な赤外センサが実現できる。
【0028】
本発明の第五の赤外センサは、被測定物から放射される赤外線を集光する円形断面の集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部とを備え、この固定部の一部において内壁断面が集光素子の径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸を挟んで前記固定部の先端の面と交叉する点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする。本発明によれば、固定部以外の領域を受光領域とすることができるため固定部の温度変化の影響を受けない高精度な赤外センサが実現できる。また、受光領域を固定部からの光を受光しない条件で最大限に受光量を大きくできるので、S/Nが向上し検出精度を高められる。
【0030】
上記赤外センサにおいて、前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3 を用いて、
【0031】
【数6】
Figure 0003838748
【0032】
で表されるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置することが望ましい。これにより、光軸付近に受光領域を制限し、固定部からの赤外線を受光しない高安定な赤外センサが実現できる。
【0035】
本発明の第六の赤外センサは、被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部と、前記固定部を通過して前記集光素子に達する赤外線の一部をカットして集光素子の有効領域を制限する円形断面のレンズ開口絞りとを備え、前記固定部の一部において内壁の断面がレンズ開口絞りの径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するように引いた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸に対して前記固定部の先端の面と交叉する点と同じ側の前記レンズ開口絞りの縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする。本発明によれば、固定部以外の領域を受光領域とすることができるため固定部の温度変化の影響を受けない高精度な赤外センサが実現できる。また、受光領域を固定部からの光を受光しない条件で最大限に受光量を大きくできるので、S/Nが向上し検出精度を高められる。
【0036】
上記赤外センサにおいて、前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と前記レンズ開口絞りとの距離Lαと、前記レンズ開口絞りと前記集光素子との距離L2 と、前記レンズ開口絞りの開口半径r2 を用いて、
【0037】
【数7】
Figure 0003838748
【0038】
で表されるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置し、且つ前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rα、前記固定部の先端以外の点と光軸との距離rB 、前記集光素子の焦点距離f、前記集光素子と前記レンズ開口絞りとの距離L2 、前記集光素子の焦点と前記赤外受光素子の距離L3 に、
rB ≧rα
f( f+L3)>L3・L2
の関係が成り立つことが望ましい。これにより、光軸付近に受光領域を制限し、固定部からの赤外線を受光しない高安定な赤外センサが実現できる。
【0040】
本発明の第七の赤外センサは、被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部と、前記固定
部を通過して前記集光素子に達する赤外線の一部をカットして集光素子の有効領域を制限する円形断面のレンズ開口絞りとを備え、前記固定部の一部において内壁の断面がレンズ開口絞りの径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するように引いた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸を挟んで前記固定部の先端の面と交叉する点と反対側の前記レンズ開口絞りの縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする。本発明によれば、固定部以外の領域を受光領域とすることができるため固定部の温度変化の影響を受けない高精度な赤外センサが実現できる。また、受光領域を固定部からの光を受光しない条件で最大限に受光量を大きくできるので、S/Nが向上し検出精度を高められる。
【0041】
上記センサにおいて、前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と前記レンズ開口絞りとの距離Lαと、前記レンズ開口絞りと前記集光素子との距離L2 と、前記レンズ開口絞りの開口半径r2 を用いて、
【0042】
【数8】
Figure 0003838748
【0043】
で表されるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置し、且つ前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rα、前記固定部の先端以外の点と光軸との距離rB 、前記集光素子の焦点距離f、前記集光素子と前記レンズ開口絞りとの距離L2 、前記集光素子の焦点と前記赤外受光素子の距離L3 に、
rB ≧rα
f( f+L3)>L3・L2
の関係が成り立つことが望ましい。これにより、光軸付近に受光領域を制限し、固定部からの赤外線を受光しない高安定な赤外センサが実現できる。
【0044】
上記赤外センサの集光素子としては、屈折レンズ、透過型回折レンズ、集光ミラー又は反射型回折レンズを用いると好適である。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を各実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0051】
図1は本発明の第一の実施例における赤外センサを示すものである。図1において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは屈折レンズの焦点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FA'は屈折レンズ3によるA’の像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から屈折レンズ3の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0052】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0053】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。屈折レンズ3を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0054】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図1中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも屈折レンズから離れた位置かつFA よりも屈折レンズ3に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0055】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ3によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0056】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0057】
図2は本発明の第二の実施例における赤外センサを示すものである。図2において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは屈折レンズの焦点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FA'は屈折レンズ3によるA’の像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から屈折レンズ3の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点、FY は光路K4Aと光路K4A' の交点である。
【0058】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0059】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。屈折レンズ3を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0060】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図2中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも屈折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0061】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のBはAよりも光軸から遠いため、屈折レンズ3によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0062】
以上のように、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0063】
図3は本発明の第三の実施例における赤外センサを示すものである。図3において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは屈折レンズの焦点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FA'は屈折レンズ3によるA’の像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から屈折レンズ3の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0064】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0065】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光しするようにする。屈折レンズ3を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0066】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図3中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも屈折レンズから離れた位置かつFA よりも屈折レンズ3に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0067】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0068】
固定部1から放射される赤外線は、受光したい領域と同じ面の受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、屈折レンズ3によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0069】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置し、光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに固定部1を設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けることができて、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0070】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0071】
図4は本発明の第四の実施例における赤外センサを示すものである。図4において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは屈折レンズの焦点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FA'は屈折レンズ3によるA’の像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から屈折レンズ3の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0072】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0073】
赤外受光素子4を、屈折レンズ3を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するように筐体9に取り付ける。屈折レンズ3を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0074】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図4中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも屈折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0075】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0076】
固定部1から放射される赤外線は、受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、屈折レンズ3によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。従って、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0077】
以上のように、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置し、固定部1をAと屈折レンズ3の間で光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを安定した状態で向けることができ、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0078】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0079】
図5は本発明の第五の実施例における赤外センサを示すものである。図5において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は屈折レンズ3の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは屈折レンズ3の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ3によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ3の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから屈折レンズ3の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ3の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ3の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から屈折レンズ3の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ3の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0080】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0081】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。屈折レンズ3を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0082】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ3の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レンズ3の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置する。これにより、固定部1をαと屈折レンズ3の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0083】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図5中に示すように、光路K2 αを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点FX よりも屈折レンズから離れた位置かつFαよりも屈折レンズ3に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1 α' と光軸が交叉する点よりも屈折レンズから離れた位置かつFα' よりも屈折レンズ3に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα' 、FX で形成される三角形の内側よりに赤外受光素子4を設置することで、α、α' から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。αと屈折レンズ3の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ3による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と屈折レンズ3の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ3による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、FαとFα' とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0084】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0085】
赤外受光素子4はFA よりも屈折レンズ3に近い。この時、(1)式、(2)式が成り立つ。
【0086】
Lα≧f+L3 (1)
∴L3≦Lα−f (2)
図5に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(3)式を満たす必要がある。
【0087】
rαs1>rs (3)
rαSここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(4)式、(5)式を満たす。
【0088】
【数9】
Figure 0003838748
【0089】
(5)式を(3)式へ代入することで(6)式が得られる。
【0090】
【数10】
Figure 0003838748
【0091】
(2)(6)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(7)式となる。
【0092】
【数11】
Figure 0003838748
【0093】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(8)式、(9)式を満たす。
【0094】
【数12】
Figure 0003838748
【0095】
(9)式を(7)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(10)式となる。
【0096】
【数13】
Figure 0003838748
【0097】
また、ガウスの公式から(11)式、(12)式が成り立つ。
【0098】
【数14】
Figure 0003838748
【0099】
(12)式を(11)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(13)式となる。
【0100】
【数15】
Figure 0003838748
【0101】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(7)式、或いは(10)式、或いは(13)式を満たすよう光学系を設計する必要がある。(7)式、(10)式、(13)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を屈折レンズ3の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0102】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0103】
図6は本発明の第六の実施例における赤外センサを示すものである。図6において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は屈折レンズ3の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは屈折レンズ3の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ3によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ3の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから屈折レンズ3の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ3の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の屈折レンズ3の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から屈折レンズ3の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ3の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0104】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0105】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。屈折レンズ3を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0106】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ3の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レンズ3の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外センサを設置する。これにより、固定部1をαと屈折レンズ3の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0107】
上記について詳細を以下に述べる。
【0108】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図6中に示すように、光路K2 αを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも屈折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、αの像点Fαよりも屈折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない赤外センサが得られる。αと屈折レンズ3の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ3による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と屈折レンズ3の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ3による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、Fαよりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0109】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0110】
赤外受光素子4はFαよりも屈折レンズ3から遠い。この時、(14)式、(15)式が成り立つ。
【0111】
LαF≦f+L3 (14)
∴L3≧LαF−f (15)
図6に示すように、受光面はFαよりも屈折レンズ3から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(16)式を満たす必要がある。
【0112】
rαs4>rs (16)
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(17)式、(18)式を満たす。
【0113】
【図16】
Figure 0003838748
【0114】
(18)式を(16)式へ代入することで(19)式が得られる。
【0115】
【図17】
Figure 0003838748
【0116】
(15)(19)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(20)式となる。
【0117】
【図18】
Figure 0003838748
【0118】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(21)式、(22)式を満たす。
【0119】
【図19】
Figure 0003838748
【0120】
(22)式を(20)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(23)式となる。
【0121】
【図20】
Figure 0003838748
【0122】
また、ガウスの公式から(24)式、(25)式が成り立つ。
【0123】
【図21】
Figure 0003838748
【0124】
(25)式を(23)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(26)式となる。
【0125】
【図22】
Figure 0003838748
【0126】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(20)式、或いは(23)式、或いは(26)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(20)式、(23)式、(26)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を屈折レンズ3の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0127】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0128】
図7、8は本発明の第七の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図7、8において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は屈折レンズ3の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1先端以外の点、Fは屈折レンズ3の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ3によるα、α’の像点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから屈折レンズ3の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS1は光路K1 αと受光面との交点、FAS1 は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α1 は光路K1 αの屈折レンズ3における光軸からの距離、r3A1 は光路K1Aの屈折レンズ3における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの屈折レンズ3における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS1はFαS1と光軸との距離、rAS1 はFAS1 と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から屈折レンズ3までの距離、fは屈折レンズ3の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は屈折レンズ3からFαまでの距離、LAFは屈折レンズ3からFA までの距離、LBFは屈折レンズ3からFB までの距離である。
【0129】
固定部のあらゆる点から放射される光を赤外受光素子4で受光しないような光学設計条件を求める。そのために、αから放射される光を仮想し、この光を赤外受光素子4で受光しないための設計条件を求めたのち、固定部1のα以外の点から放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を追加する。
【0130】
まず、固定部1のαから放射される赤外光を受光しないよう、以下のように赤外受光素子4の位置を決める。
【0131】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図7中に示すように、光路K2 αを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも屈折レンズから離れた位置かつFαよりも屈折レンズ3に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。この、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも屈折レンズ3から離れ且つFαよりも屈折レンズ3に近い位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0132】
以下、L3 を求める。
【0133】
赤外受光素子4はFαよりも屈折レンズ3に近い。この時、(27)式、(28)式が成り立つ。
【0134】
Lα≧f+L3 (27)
∴L3≦Lα−f (28)
図7に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(29)式を満たす必要がある。
【0135】
rαs1>rs (29)
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α1 、rαF 、LαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(30)式、(31)式を満たす。
【0136】
【数23】
Figure 0003838748
【0137】
(31)式を(29)式へ代入することで(32)式が得られる。
【0138】
【数24】
Figure 0003838748
【0139】
(28)(32)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(33)式となる。
【0140】
【数25】
Figure 0003838748
【0141】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(34)式、(35)式を満たす。
【0142】
【数26】
Figure 0003838748
【0143】
(35)式を(33)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(36)式となる。
【0144】
【数27】
Figure 0003838748
【0145】
また、ガウスの公式から(37)式、(38)式が成り立つ。
【0146】
【数28】
Figure 0003838748
【0147】
(38)式を(36)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(39)式となる。
【0148】
【数29】
Figure 0003838748
【0149】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α1 、L2 は幾何関係として(40)式、(41)式を満たす。
【0150】
【数30】
Figure 0003838748
【0151】
(41)式を(39)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(42)式となる。
【0152】
【数31】
Figure 0003838748
【0153】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0154】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図8を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0155】
まず、Aから放射される光を受光しない条件を求める。図8に示すように、AからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Aである。Aとαが一致しない固定部形状の場合にはK1AはAとレンズ開口絞り2との間で固定部1によって遮光され、各光路は受光面で赤外受光素子4にK1Aよりは近づかない。そこで、Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を、K1Aと受光面との交点であるFAS1 と光軸との距離rAS1 がrs よりも大きいこととする。つまり次式が成りたてばAから放射される光を赤外受光素子4で受光しない。
【0156】
rAS1 >rs (43)
また、幾何光学で周知の通り、r3A1 、rAF、LA 、rAs1 、f、L3 は幾何関係として(44)式、(45)式を満たす。
【0157】
【数32】
Figure 0003838748
【0158】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(46)式、(47)式を満たす。
【0159】
【数33】
Figure 0003838748
【0160】
(47)式を(45)式に代入することにより(48)式が得られる。
【0161】
【数34】
Figure 0003838748
【0162】
また、ガウスの公式から(49)式、(50)式が成り立つ。
【0163】
【数35】
Figure 0003838748
【0164】
(50)式を(48)式に代入することにより(51)式が得られる。
【0165】
【数36】
Figure 0003838748
【0166】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A1 、L2 は幾何関係として(52)式、(53)式を満たす。
【0167】
【数37】
Figure 0003838748
【0168】
(53)式を(51)式に代入することによって(54)式が得られる。
【0169】
【数38】
Figure 0003838748
【0170】
rAS1 と同じくrαS1は(55)式のようになる。
【0171】
【数39】
Figure 0003838748
【0172】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(56)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(57)式が成り立つ。
【0173】
LA=Lα (56)
rA≧rα (57)
(56)式を(55)式に代入することで(58)式が得られる。
【0174】
【数40】
Figure 0003838748
【0175】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rAS1 がrαS1よりも大きい、すなわち次の(59)式を満たせば、自動的にrAS1 が(43)式の関係を満たす。
【0176】
rAS1 >rαS1 (59)
(55)(58)式を(59)式に代入することにより(60)式が得られる。
【0177】
(rA−r2)×(f(f+L3)−L3・L2)>(rα−r2)×(f(f+L3)−L3・L2) (60)
(57)式より、(60)式は(61)式のようになる。
【0178】
f(f+L3)>L3・L2 (61)
以上のように、固定部1の仮想点αおよび先端点Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たす必要がある。
【0179】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。Bは固定部の先端以外の点であるので、固定部先端面の点αよりもBの方が屈折レンズ3に近い。したがって、幾何光学で周知の通り、屈折レンズ3の像点Fαよりも像点FB の方が屈折レンズ3から遠くなる。すなわち(62)式が成り立つ。
【0180】
LBF>LαF (62)
屈折レンズ3から受光面までの距離は屈折レンズ3からFαまでの距離よりも小さい。したがって(62)式より、屈折レンズ3から受光面までの距離は屈折レンズ3からFB までの距離よりも小さいことになる。このとき、図8に示すようにBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Bである。Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(63)式が成り立つ必要がある。
【0181】
rBS1 >rs (63)
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rBF、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(64)式、(65)式を満たす。
【0182】
【数41】
Figure 0003838748
【0183】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(66)式、(67)式を満たす。
【0184】
【数42】
Figure 0003838748
【0185】
(67)式を(65)式に代入することにより(68)式が得られる。
【0186】
【数43】
Figure 0003838748
【0187】
また、ガウスの公式から(69)式、(70)式が成り立つ。
【0188】
【数44】
Figure 0003838748
【0189】
(70)式を(68)式に代入することにより(71)式が得られる。
【0190】
【数45】
Figure 0003838748
【0191】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(72)式、(73)式を満たす。
【0192】
【数46】
Figure 0003838748
【0193】
(73)式を(71)式に代入することによって(74)式が得られる。
【0194】
【数47】
Figure 0003838748
【0195】
rBS1 と同じくrαS1は(75)式のようになる。
【0196】
【数48】
Figure 0003838748
【0197】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rBS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(76)式を満たせば自動的にrBS1 が(63)式の関係を満たすことになる。
【0198】
rBS1 >rαS1 (76)
(74)(75)式を(76)式に代入することにより(77)式が得られる。
【0199】
【数49】
Figure 0003838748
【0200】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(78)式、(79)式の関係が成り立つ。
【0201】
【数50】
Figure 0003838748
【0202】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、あらゆる先端面以外の点からの放射光も受光しないためには、B各点について(77)式の関係が成り立つ必要がある。
【0203】
したがって、(61)式、(79)式の関係を考慮することにより、(80)式が成り立つ必要がある。
【0204】
rB−r2≧rα−r2 (80)
∴rB≧rα (81)
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たし、さらに(81)式を満たす必要がある。
【0205】
赤外受光素子4を、(33)式あるいは(36)式あるいは(39)式あるいは(42)式で与えられる量だけ屈折レンズ3の焦点面から離して設け、かつ(61)式と(81)式を満たす光学設計にすることによって、固定部から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0206】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0207】
図9、10、11は本発明の第8の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図9、10、11において、3は屈折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は屈折レンズ3の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1の先端以外の点、Fは屈折レンズ3の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ3によるα、α’の像点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから屈折レンズ3の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS4は光路K4 αと受光面との交点、FAS4 は光路K4Aと受光面との交点、FBS4 は光路K4Bとセンサ面との交点、FαS1は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α4 は光路K4 αの屈折レンズ3における光軸からの距離、r3A4 は光路K4Aの屈折レンズ3における光軸からの距離、r3B4 は光路K4Bの屈折レンズ3における光軸からの距離、r3 α1 は光路K1 αの屈折レンズ3における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの屈折レンズ3における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS4はFαS4と光軸との距離、rAS4 はFAS4 と光軸との距離、rBS4 はFBS4 と光軸との距離、rαS1はFαS1と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rαF はFαと光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から屈折レンズ3までの距離、fは屈折レンズ3の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は屈折レンズ3からFαまでの距離、LAFは屈折レンズ3からFA までの距離、LBFは屈折レンズ3からFB までの距離である。
【0208】
固定部1上のαから放射される赤外光を仮想し、この光を受光しないよう以下に示すように赤外受光素子4の位置を決める。
【0209】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図9中に示すように、光路K2 αを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも屈折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、αの像点Fαよりも屈折レンズ3から離れた位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、屈折レンズ3の焦点から受光面までの距離L3 を求める。
【0210】
赤外受光素子4はFαよりも屈折レンズ3から遠い。この時、(82)式、(83)式が成り立つ。
【0211】
LαF≦f+L3 (82)
∴L3≧LαF−f (83)
図9に示すように、受光面はFαよりも屈折レンズ3から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(84)式を満たす必要がある。
【0212】
rαs4>rs (84)
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α4 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(85)式、(86)式を満たす。
【0213】
【数51】
Figure 0003838748
【0214】
(86)式を(84)式へ代入することで(87)式が得られる。
【0215】
【数52】
Figure 0003838748
【0216】
(83)(87)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(88)式となる。
【0217】
【数53】
Figure 0003838748
【0218】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(89)式、(90)式を満たす。
【0219】
【数54】
Figure 0003838748
【0220】
(90)式を(88)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(91)式となる。
【0221】
【数55】
Figure 0003838748
【0222】
また、ガウスの公式から(92)式、(93)式が成り立つ。
【0223】
【数56】
Figure 0003838748
【0224】
(93)式を(91)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(94)式となる。
【0225】
【数57】
Figure 0003838748
【0226】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α4 、L2 は幾何関係として(95)式、(96)式を満たす。
【0227】
【数58】
Figure 0003838748
【0228】
(96)式を(94)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(97)式となる。
【0229】
【数59】
Figure 0003838748
【0230】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0231】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図10、11を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0232】
まず、図10により、Aから放射される光を受光しない条件を求める。Aから屈折レンズ3までの距離とαから屈折レンズ3間での距離は等しいので、幾何光学で周知の通り屈折レンズ3によるA、αの像点FA 、Fαは同一面内に形成される。従って、受光面がFαよりも屈折レンズ3から遠いので、受光面はFA よりも遠くになる。そのため、図10に示すようにAからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4A である。Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Aと受光面との交点であるFAS4 と光軸との距離rAS4 がrs よりも大きい必要がある。つまり(98)式が成り立つ必要がある。
【0233】
rAS4>rs (98)
また、幾何光学で周知の通り、r3A4 、rAF、LAF、rAs4 、f、L3 は幾何関係として(99)式(100)式を満たす。
【0234】
【数60】
Figure 0003838748
【0235】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(101)式、(102)式を満たす。
【0236】
【数61】
Figure 0003838748
【0237】
(102)式を(100)式に代入することにより(103)式が得られる。
【0238】
【数62】
Figure 0003838748
【0239】
また、ガウスの公式から(104)式、(105)式が成り立つ。
【0240】
【数63】
Figure 0003838748
【0241】
(105)式を(103)式に代入することにより(106)式が得られる。
【0242】
【数64】
Figure 0003838748
【0243】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A4 、L2 は幾何関係として(107)式、(108)式を満たす。
【0244】
【数65】
Figure 0003838748
【0245】
(108)式を(106)式に代入することによって(109)式が得られる。
【0246】
【数66】
Figure 0003838748
【0247】
rAS4と同じくrαS4は(110)式のようになる。
【0248】
【数67】
Figure 0003838748
【0249】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(111)式を満たせば、自動的にrAS4 が(98)式の関係を満たすことになる。
【0250】
r AS4>rαS4 (111)
(109)(110)式を(111)式に代入することにより(112)式が得られる。
【0251】
【数68】
Figure 0003838748
【0252】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(113)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(114)式が成り立つ。
【0253】
LA=Lα (113)
rA≧rα (114)
(113)式より、(112)式の条件は(115)式のようになる。
【0254】
(r2+rA)×(f(f+L3)−L3・L2)>(r2+rα)×(f(f+L3)−L3・L2) (115)
(114)式より、(115)式の条件は(116)式、(117)式のようになる。
【0255】
f(f+L3)−L3・L2>0 (116)
∴f(f+L3)>L3・L2 (117)
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部先端Aからの放射光も受光しないためには、(117)式の条件を満たす光学設計である必要がある。
【0256】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。BからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものは、図10に示すように像点FB が受光面よりも屈折レンズ3に近い場合にはK4Bであり、図11に示すように像点FB が受光面よりも屈折レンズ3に近い場合はK1Bである。
【0257】
まず図10に示すように、FB が受光面よりも屈折レンズ3に近く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK4Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0258】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Bと受光面との交点であるFBS4 と光軸との距離rBS4 がrs よりも大きい必要がある。つまり(118)式が成り立つ必要がある。
【0259】
r BS4>rs (118)
また、幾何光学で周知の通り、r3B4 、rBF、LBF、rBs4 、f、L3 は幾何関係として(119)式、(120)式を満たす。
【0260】
【数69】
Figure 0003838748
【0261】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(121)式、(122)式を満たす。
【0262】
【数70】
Figure 0003838748
【0263】
(122)式を(120)式に代入することにより(123)式が得られる。
【0264】
【数71】
Figure 0003838748
【0265】
また、ガウスの公式から(124)式、(125)式が成り立つ。
【0266】
【数72】
Figure 0003838748
【0267】
(125)式を(123)式に代入することにより(126)式が得られる。
【0268】
【数73】
Figure 0003838748
【0269】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B4 、L2 は幾何関係として(127)式、(128)式を満たす。
【0270】
【数74】
Figure 0003838748
【0271】
(128)式を(126)式に代入することによって(129)式が得られる。
【0272】
【数75】
Figure 0003838748
【0273】
rBS4 と同じくrαS4は(130)式のようになる。
【0274】
【数76】
Figure 0003838748
【0275】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(131)式を満たせば、自動的にrBS4 が(118)式の関係を満たすことになる。
【0276】
r BS4>rαS4 (131)
(129)(130)式を(131)式に代入することにより(132)式が得られる。
【0277】
【数77】
Figure 0003838748
【0278】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(133)式、(134)式の関係が成り立つ。
【0279】
【数78】
Figure 0003838748
【0280】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、(117)式の条件をよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部の先端以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(132)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(134)式(117)式を考慮して、(135)式が成り立つ必要がある。
【0281】
r2+rB≧r2+rα (135)
∴rB≧rα (136)
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式の条件を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0282】
次に、図11に示すように、FB が受光面よりも屈折レンズ3から遠く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK1Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0283】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(137)式が成り立つ必要がある。
【0284】
rBS1 >rs (137)
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rB 、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(138)式、(139)式を満たす。
【0285】
【数79】
Figure 0003838748
【0286】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(140)式、(141)式を満たす。
【0287】
【数80】
Figure 0003838748
【0288】
(141)式を(139)式に代入することにより(142)式が得られる。
【0289】
【数81】
Figure 0003838748
【0290】
また、ガウスの公式から(143)式、(144)式が成り立つ。
【0291】
【数82】
Figure 0003838748
【0292】
(144)式を(142)式に代入することにより(145)式が得られる。
【0293】
【数83】
Figure 0003838748
【0294】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(146)式、(147)式を満たす。
【0295】
【数84】
Figure 0003838748
【0296】
(147)式を(145)式に代入することによって(148)式が得られる。
【0297】
【数85】
Figure 0003838748
【0298】
rBS1 と同じくrαS1は(149)式のようになる。
【0299】
【数86】
Figure 0003838748
【0300】
ここで、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αであり、(150)式が成り立つ。
【0301】
rαS1>rαS4 (150)
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(151)式を満たせば、自動的にrBS1 が(137)式の関係を満たすことになる。
【0302】
rBS1 >rαS1 (151)
(148)(149)式を(151)式に代入することにより(152)式が得られる。
【0303】
【数87】
Figure 0003838748
【0304】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(153)式、(154)式の関係が成り立つ。
【0305】
【数88】
Figure 0003838748
【0306】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式と(136)式を満たす光学設計である赤外センサが、固定部の先端面以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(152)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(154)式、(117)式を考慮して、(155)式が成り立つ必要がある。
【0307】
rB−r2≧rα−r2 (155)
∴rB≧rα (156)
(156)式と、(136)式は等しい。したがって、以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0308】
以上のように本実施例によれば、赤外受光素子4を、(88)式あるいは(91)式あるいは(94)式あるいは(97)式で与えられる量だけ屈折レンズ3の焦点から離して設け、かつ(117)式と(136)式を満たす光学設計にすることによって、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0309】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0310】
図12は本発明の第9の実施例における赤外センサを示すものである。図12において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは透過型回折レンズの焦点、FA は透過型回折レンズ5によるAの像点、FA'は透過型回折レンズ5によるA’の像点、FB は透過型回折レンズ5によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから透過型回折レンズ5の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から透過型回折レンズ5の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから透過型回折レンズ5の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0311】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0312】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、透過型回折レンズ5を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。透過型回折レンズ5を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0313】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図12中に示すように、光路K2Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも透過型回折レンズから離れた位置かつFA よりも透過型回折レンズ5に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0314】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、透過型回折レンズ5によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0315】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0316】
図13は本発明の第10の実施例における赤外センサを示すものである。図13において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは透過型回折レンズの焦点、FA は透過型回折レンズ5によるAの像点、FA'は透過型回折レンズ5によるA’の像点、FB は透過型回折レンズ5によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから透過型回折レンズ5の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から透過型回折レンズ5の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから透過型回折レンズ5の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点、FY は光路K4Aと光路K4A' の交点である。
【0317】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0318】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、透過型回折レンズ5を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。透過型回折レンズ5を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0319】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図13中に示すように、光路K2Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも透過型回折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0320】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のBはAよりも光軸から遠いため、透過型回折レンズ5によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FA よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0321】
以上のように、FA よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0322】
図14は本発明の第11の実施例における赤外センサを示すものである。図14において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは透過型回折レンズの焦点、FA は透過型回折レンズ5によるAの像点、FA'は透過型回折レンズ5によるA’の像点、FB は透過型回折レンズ5によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから透過型回折レンズ5の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から透過型回折レンズ5の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから透過型回折レンズ5の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0323】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0324】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、透過型回折レンズ5を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光しするようにする。透過型回折レンズ5を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0325】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図14中に示すように、光路K2Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも透過型回折レンズから離れた位置かつFA よりも透過型回折レンズ5に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0326】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0327】
固定部1から放射される赤外線は、受光したい領域と同じ面の受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、透過型回折レンズ5によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0328】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置し、光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに固定部1を設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けることができて、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0329】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0330】
図15は本発明の第12の実施例における赤外センサを示すものである。図15において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは透過型回折レンズの焦点、FA は透過型回折レンズ5によるAの像点、FA'は透過型回折レンズ5によるA’の像点、FB は透過型回折レンズ5によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから透過型回折レンズ5の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から透過型回折レンズ5の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから透過型回折レンズ5の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0331】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0332】
赤外受光素子4を、透過型回折レンズ5を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するように筐体9に取り付ける。透過型回折レンズ5を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0333】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図15中に示すように、光路K2Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも透過型回折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0334】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0335】
固定部1から放射される赤外線は、受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、透過型回折レンズ5によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。従って、FA よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0336】
以上のように、FA よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置し、固定部1をAと透過型回折レンズ5の間で光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを安定した状態で向けることができ、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0337】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0338】
図16は本発明の第13の実施例における赤外センサを示すものである。図16において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は透過型回折レンズ5の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは透過型回折レンズ5の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ透過型回折レンズ5によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから透過型回折レンズ5の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から透過型回折レンズ5の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0339】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0340】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、透過型回折レンズ5を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。透過型回折レンズ5を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0341】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の透過型回折レンズ5の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、透過型回折レンズ5の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置する。これにより、固定部1をαと透過型回折レンズ5の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0342】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図16中に示すように、光路K2 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点FX よりも透過型回折レンズから離れた位置かつFαよりも透過型回折レンズ5に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1 α' と光軸が交叉する点よりも透過型回折レンズから離れた位置かつFα' よりも透過型回折レンズ5に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα' 、FX で形成される三角形の内側よりに赤外受光素子4を設置することで、α、α' から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。αと透過型回折レンズ5の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の透過型回折レンズ5による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と透過型回折レンズ5の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の透過型回折レンズ5による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、FαとFα' とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0343】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0344】
赤外受光素子4はFA よりも透過型回折レンズ5に近い。この時、既述の(1)式(以下同じ)、(2)式が成り立つ。
【0345】
図16に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(3)式を満たす必要がある。
【0346】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(4)式、(5)式を満たす。
【0347】
(5)式を(3)式へ代入することで(6)式が得られる。
【0348】
(2)(6)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(7)式となる。
【0349】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(8)式、(9)式を満たす。
【0350】
(9)式を(7)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(10)式となる。
【0351】
また、ガウスの公式から(11)式、(12)式が成り立つ。
【0352】
(12)式を(11)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(13)式となる。
【0353】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(7)式、或いは(10)式、或いは(13)式を満たすよう光学系を設計する必要がある。(7)式、(10)式、(13)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を透過型回折レンズ5の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0354】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0355】
図17は本発明の第14の実施例における赤外センサを示すものである。図17において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は透過型回折レンズ5の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは透過型回折レンズ5の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ透過型回折レンズ5によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから透過型回折レンズ5の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から透過型回折レンズ5の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の透過型回折レンズ5の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0356】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0357】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、透過型回折レンズ5を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。透過型回折レンズ5を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0358】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の透過型回折レンズ5の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、透過型回折レンズ5の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外センサを設置する。これにより、固定部1をαと透過型回折レンズ5の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0359】
上記について詳細を以下に述べる。
【0360】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図17中に示すように、光路K2 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも透過型回折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、αの像点Fαよりも透過型回折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない赤外センサが得られる。αと透過型回折レンズ5の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の透過型回折レンズ5による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と透過型回折レンズ5の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の透過型回折レンズ5による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、Fαよりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも透過型回折レンズ5から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0361】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0362】
赤外受光素子4はFαよりも透過型回折レンズ5から遠い。この時、(14)式、(15)式が成り立つ。
図17に示すように、受光面はFαよりも透過型回折レンズ5から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(16)式を満たす必要がある。
【0363】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(17)式、(18)式を満たす。
【0364】
(18)式を(16)式へ代入することで(19)式が得られる。
【0365】
(15)(19)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(20)式となる。
【0366】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(21)式、(22)式を満たす。
【0367】
(22)式を(20)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(23)式となる。
【0368】
また、ガウスの公式から(24)式、(25)式が成り立つ。
【0369】
(25)式を(23)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(26)式となる。
【0370】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(20)式、或いは(23)式、或いは(26)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(20)式、(23)式、(26)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を透過型回折レンズ5の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0371】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0372】
図18、19は本発明の第15の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図18、19において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は透過型回折レンズ5の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1先端以外の点、Fは透過型回折レンズ5の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ透過型回折レンズ5によるα、α’の像点、FA は透過型回折レンズ5によるAの像点、FB は透過型回折レンズ5によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから透過型回折レンズ5の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから透過型回折レンズ5の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから透過型回折レンズ5の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS1は光路K1 αと受光面との交点、FAS1 は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α1 は光路K1 αの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、r3A1 は光路K1Aの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS1はFαS1と光軸との距離、rAS1 はFAS1 と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から透過型回折レンズ5までの距離、fは透過型回折レンズ5の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は透過型回折レンズ5からFαまでの距離、LAFは透過型回折レンズ5からFA までの距離、LBFは透過型回折レンズ5からFB までの距離である。
【0373】
固定部のあらゆる点から放射される光を赤外受光素子4で受光しないような光学設計条件を求める。そのために、αから放射される光を仮想し、この光を赤外受光素子4で受光しないための設計条件を求めたのち、固定部1のα以外の点から放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を追加する。
【0374】
まず、固定部1のαから放射される赤外光を受光しないよう、以下のように赤外受光素子4の位置を決める。
【0375】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図18中に示すように、光路K2 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも透過型回折レンズから離れた位置かつFαよりも透過型回折レンズ5に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。この、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも透過型回折レンズ5から離れ且つFαよりも透過型回折レンズ5に近い位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、L3 を求める。
【0376】
赤外受光素子4はFαよりも透過型回折レンズ5に近い。この時、(27)式、(28)式が成り立つ。
【0377】
図18に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(29)式を満たす必要がある。
【0378】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α1 、rαF 、LαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(30)式、(31)式を満たす。
【0379】
(31)式を(29)式へ代入することで(32)式が得られる。
【0380】
(28)(32)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(33)式となる。
【0381】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(34)式、(35)式を満たす。
【0382】
(35)式を(33)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(36)式となる。
【0383】
また、ガウスの公式から(37)式、(38)式が成り立つ。
【0384】
(38)式を(36)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(39)式となる。
【0385】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α1 、L2 は幾何関係として(40)式、(41)式を満たす。
【0386】
(41)式を(39)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(42)式となる。
【0387】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0388】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図19を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0389】
まず、Aから放射される光を受光しない条件を求める。図19に示すように、AからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Aである。Aとαが一致しない固定部形状の場合にはK1AはAとレンズ開口絞り2との間で固定部1によって遮光され、各光路は受光面で赤外受光素子4にK1Aよりは近づかない。そこで、Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を、K1Aと受光面との交点であるFAS1 と光軸との距離rAS1 がrs よりも大きいこととする。つまり(43)式が成りたてばAから放射される光を赤外受光素子4で受光しない。
【0390】
また、幾何光学で周知の通り、r3A1 、rAF、LA 、rAs1 、f、L3 は幾何関係として(44)式、(45)式を満たす。
【0391】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(46)式、(47)式を満たす。
【0392】
(47)式を(45)式に代入することにより(48)式が得られる。
【0393】
また、ガウスの公式から(49)式、(50)式が成り立つ。
【0394】
(50)式を(48)式に代入することにより(51)式が得られる。
【0395】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A1 、L2 は幾何関係として(52)式、(53)式を満たす。
【0396】
(53)式を(51)式に代入することによって(54)式が得られる。
【0397】
rAS1 と同じくrαS1は(55)式のようになる。
【0398】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(56)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(57)式が成り立つ。
【0399】
(56)式を(55)式に代入することで(58)式が得られる。
【0400】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rAS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(59)式を満たせば、自動的にrAS1 が(43)式の関係を満たす。
【0401】
(55)(58)式を(59)式に代入することにより(60)式が得られる。
【0402】
(57)式より、(60)式は(61)式のようになる。
【0403】
以上のように、固定部1の仮想点αおよび先端点Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たす必要がある。
【0404】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。Bは固定部の先端以外の点であるので、固定部先端面の点αよりもBの方が透過型回折レンズ5に近い。したがって、幾何光学で周知の通り、透過型回折レンズ5の像点Fαよりも像点FB の方が透過型回折レンズ5から遠くなる。すなわち(62)式が成り立つ。
【0405】
透過型回折レンズ5から受光面までの距離は透過型回折レンズ5からFαまでの距離よりも小さい。したがって(62)式より、透過型回折レンズ5から受光面までの距離は透過型回折レンズ5からFB までの距離よりも小さいことになる。
【0406】
このとき、図19に示すようにBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Bである。Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(63)式が成り立つ必要がある。
【0407】
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rBF、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(64)式、(65)式を満たす。
【0408】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(66)式、(67)式を満たす。
【0409】
(67)式を(65)式に代入することにより(68)式が得られる。
【0410】
また、ガウスの公式から(69)式、(70)式が成り立つ。
【0411】
(70)式を(68)式に代入することにより(71)式が得られる。
【0412】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(72)式、(73)式を満たす。
【0413】
(73)式を(71)式に代入することによって(74)式が得られる。
【0414】
rBS1 と同じくrαS1は(75)式のようになる。
【0415】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rBS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(76)式を満たせば自動的にrBS1 が(63)式の関係を満たすことになる。
【0416】
(74)(75)式を(76)式に代入することにより(77)式が得られる。
【0417】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(78)式、(79)式の関係が成り立つ。
【0418】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、あらゆる先端面以外の点からの放射光も受光しないためには、B各点について(77)式の関係が成り立つ必要がある。
【0419】
したがって、(61)式、(79)式の関係を考慮することにより、(80)式が成り立つ必要がある。
【0420】
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たし、さらに(81)式を満たす必要がある。
【0421】
赤外受光素子4を、(33)式あるいは(36)式あるいは(39)式あるいは(42)式で与えられる量だけ透過型回折レンズ5の焦点面から離して設け、かつ(61)式と(81)式を満たす光学設計にすることによって、固定部から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0422】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0423】
図20、21、22は本発明の第16の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図20、21、22において、5は透過型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は透過型回折レンズ5の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1の先端以外の点、Fは透過型回折レンズ5の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ透過型回折レンズ5によるα、α’の像点、FA は透過型回折レンズ5によるAの像点、FB は透過型回折レンズ5によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから透過型回折レンズ5の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから透過型回折レンズ5の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから透過型回折レンズ5の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS4は光路K4 αと受光面との交点、FAS4 は光路K4Aと受光面との交点、FBS4 は光路K4Bとセンサ面との交点、FαS1は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α4 は光路K4 αの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、r3A4 は光路K4Aの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、r3B4 は光路K4Bの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、r3 α1 は光路K1 αの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの透過型回折レンズ5における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS4はFαS4と光軸との距離、rAS4 はFAS4 と光軸との距離、rBS4 はFBS4 と光軸との距離、rαS1はFαS1と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rαF はFαと光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から透過型回折レンズ5までの距離、fは透過型回折レンズ5の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は透過型回折レンズ5からFαまでの距離、LAFは透過型回折レンズ5からFA までの距離、LBFは透過型回折レンズ5からFB までの距離である。
【0424】
固定部1上のαから放射される赤外光を仮想し、この光を受光しないよう以下に示すように赤外受光素子4の位置を決める。
【0425】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図20中に示すように、光路K2 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、透過型回折レンズ5を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、透過型回折レンズ5で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して透過型回折レンズ5を通過し、透過型回折レンズ5を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも透過型回折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、αの像点Fαよりも透過型回折レンズ5から離れた位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、透過型回折レンズ5の焦点から受光面までの距離L3 を求める。
【0426】
赤外受光素子4はFαよりも透過型回折レンズ5から遠い。この時、(82)式、(83)式が成り立つ。
図20に示すように、受光面はFαよりも透過型回折レンズ5から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(84)式を満たす必要がある。
【0427】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α4 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(85)式、(86)式を満たす。
【0428】
(86)式を(84)式へ代入することで(87)式が得られる。
【0429】
(83)(87)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(88)式となる。
【0430】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(89)式、(90)式を満たす。
【0431】
(90)式を(88)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(91)式となる。
【0432】
また、ガウスの公式から(92)式、(93)式が成り立つ。
【0433】
(93)式を(91)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(94)式となる。
【0434】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α4 、L2 は幾何関係として(95)式、(96)式を満たす。
【0435】
(96)式を(94)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(97)式となる。
【0436】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0437】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図21、22を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0438】
まず、図21により、Aから放射される光を受光しない条件を求める。Aから透過型回折レンズ5までの距離とαから透過型回折レンズ5間での距離は等しいので、幾何光学で周知の通り透過型回折レンズ5によるA、αの像点FA 、Fαは同一面内に形成される。従って、受光面がFαよりも透過型回折レンズ5から遠いので、受光面はFA よりも遠くになる。そのため、図21に示すようにAからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4A である。Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Aと受光面との交点であるFAS4 と光軸との距離rAS4 がrs よりも大きい必要がある。
【0439】
つまり(98)式が成り立つ必要がある。
【0440】
また、幾何光学で周知の通り、r3A4 、rAF、LAF、rAs4 、f、L3 は幾何関係として(99)式、(100)式を満たす。
【0441】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(101)式、(102)式を満たす。
【0442】
(102)式を(100)式に代入することにより(103)式が得られる。
【0443】
また、ガウスの公式から(104)式、(105)式が成り立つ。
【0444】
(105)式を(103)式に代入することにより(106)式が得られる。
【0445】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A4 、L2 は幾何関係として(107)式、(108)式を満たす。
【0446】
(108)式を(106)式に代入することによって(109)式が得られる。
【0447】
rAS4 と同じくrαS4は(110)式のようになる。
【0448】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(111)式を満たせば、自動的にrAS4 が(98)式の関係を満たすことになる。
【0449】
(109)(110)式を(111)式に代入することにより(112)式が得られる。
【0450】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(113)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(114)式が成り立つ。
【0451】
(113)式より、(112)式の条件は(115)式のようになる。
【0452】
(114)式より、(115)式の条件は(116)式、(117)式のようになる。
【0453】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部先端Aからの放射光も受光しないためには、(117)式の条件を満たす光学設計である必要がある。
【0454】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。BからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものは、図21に示すように像点FB が受光面よりも透過型回折レンズ5に近い場合にはK4Bであり、図22に示すように像点FB が受光面よりも透過型回折レンズ5に近い場合はK1Bである。
【0455】
まず図21に示すように、FB が受光面よりも透過型回折レンズ5に近く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK4Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0456】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Bと受光面との交点であるFBS4 と光軸との距離rBS4 がrs よりも大きい必要がある。つまり(118)式が成り立つ必要がある。
【0457】
また、幾何光学で周知の通り、r3B4 、rBF、LBF、rBs4 、f、L3 は幾何関係として(119)式、(120)式を満たす。
【0458】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(121)式、(122)式を満たす。
【0459】
(122)式を(120)式に代入することにより(123)式が得られる。
【0460】
また、ガウスの公式から(124)式、(125)式が成り立つ。
【0461】
(125)式を(123)式に代入することにより(126)式が得られる。
【0462】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B4 、L2 は幾何関係として(127)式、(128)式を満たす。
【0463】
(128)式を(126)式に代入することによって(129)式が得られる。
【0464】
rBS4 と同じくrαS4は(130)式のようになる。
【0465】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(131)式を満たせば、自動的にrBS4 が(118)式の関係を満たすことになる。
【0466】
(129)(130)式を(131)式に代入することにより(132)式が得られる。
【0467】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(133)式、(134)式の関係が成り立つ。
【0468】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、(117)式の条件をよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部の先端以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(132)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(134)式(117)式を考慮して、(135)式が成り立つ必要がある。 以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式の条件を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0469】
次に、図22に示すように、FB が受光面よりも透過型回折レンズ5から遠く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK1Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0470】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(137)式が成り立つ必要がある。
【0471】
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rB 、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(138)式、(139)式を満たす。
【0472】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(140)式、(141)式を満たす。
【0473】
(141)式を(139)式に代入することにより(142)式が得られる。
【0474】
また、ガウスの公式から(143)式、(144)式が成り立つ。
【0475】
(144)式を(142)式に代入することにより(145)式が得られる。
【0476】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(146)式、(147)式を満たす。
【0477】
(147)式を(145)式に代入することによって(148)式が得られる。
【0478】
rBS1 と同じくrαS1は(149)式のようになる。
【0479】
ここで、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αであり、(150)式が成り立つ。
【0480】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(151)式を満たせば、自動的にrBS1 が(137)式の関係を満たすことになる。
【0481】
(148)(149)式を(151)式に代入することにより(152)式が得られる。
【0482】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(153)式、(154)式の関係が成り立つ。
【0483】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式と(136)式を満たす光学設計である赤外センサが、固定部の先端面以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(152)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(154)式、(117)式を考慮して、(155)式が成り立つ必要がある。
【0484】
(156)式と、(136)式は等しい。したがって、以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0485】
以上のように本実施例によれば、赤外受光素子4を、(88)式あるいは(91)式あるいは(94)式あるいは(97)式で与えられる量だけ透過型回折レンズ5の焦点から離して設け、かつ(117)式と(136)式を満たす光学設計にすることによって、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0486】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0487】
図23は本発明の第17の実施例における赤外センサを示すものである。図23において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは集光ミラーの焦点、FA は集光ミラー6によるAの像点、FA'は集光ミラー6によるA’の像点、FB は集光ミラー6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから集光ミラー6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から集光ミラー6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから集光ミラー6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0488】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0489】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、集光ミラー6を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。集光ミラー6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0490】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図23中に示すように、光路K2Aを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも集光ミラーから離れた位置かつFA よりも集光ミラー6に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0491】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、集光ミラー6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0492】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0493】
図24は本発明の第18の実施例における赤外センサを示すものである。図24において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは集光ミラーの焦点、FA は集光ミラー6によるAの像点、FA'は集光ミラー6によるA’の像点、FB は集光ミラー6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから集光ミラー6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から集光ミラー6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから集光ミラー6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点、FY は光路K4Aと光路K4A' の交点である。
【0494】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0495】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、集光ミラー6を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。集光ミラー6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0496】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図24中に示すように、光路K2Aを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも集光ミラーから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0497】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のBはAよりも光軸から遠いため、集光ミラー6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FA よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0498】
以上のように、FA よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0499】
図25は本発明の第19の実施例における赤外センサを示すものである。図25において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは集光ミラーの焦点、FA は集光ミラー6によるAの像点、FA'は集光ミラー6によるA’の像点、FB は集光ミラー6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから集光ミラー6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から集光ミラー6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから集光ミラー6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0500】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0501】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、集光ミラー6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光しするようにする。集光ミラー6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0502】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図25中に示すように、光路K2Aを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも集光ミラーから離れた位置かつFA よりも集光ミラー6に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0503】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0504】
固定部1から放射される赤外線は、受光したい領域と同じ面の受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、集光ミラー6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0505】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置し、光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに固定部1を設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けることができて、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0506】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0507】
図26は本発明の第20の実施例における赤外センサを示すものである。図26において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは集光ミラーの焦点、FA は集光ミラー6によるAの像点、FA'は集光ミラー6によるA’の像点、FB は集光ミラー6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから集光ミラー6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から集光ミラー6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから集光ミラー6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0508】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0509】
赤外受光素子4を、集光ミラー6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するように筐体9に取り付ける。集光ミラー6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0510】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図26中に示すように、光路K2Aを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも集光ミラーから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0511】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0512】
固定部1から放射される赤外線は、受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、集光ミラー6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。従って、FA よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0513】
以上のように、FA よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置し、固定部1をAと集光ミラー6の間で光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを安定した状態で向けることができ、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0514】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0515】
図27は本発明の第21の実施例における赤外センサを示すものである。図27において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は集光ミラー6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは集光ミラー6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー6によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の集光ミラー6の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから集光ミラー6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー6の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の集光ミラー6の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から集光ミラー6の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の集光ミラー6の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0516】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0517】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、集光ミラー6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。集光ミラー6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0518】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー6の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置する。これにより、固定部1をαと集光ミラー6の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0519】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図27中に示すように、光路K2 αを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点FX よりも集光ミラーから離れた位置かつFαよりも集光ミラー6に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。
【0520】
同じように、α’についても、光路K1 α' と光軸が交叉する点よりも集光ミラーから離れた位置かつFα' よりも集光ミラー6に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα' 、FX で形成される三角形の内側よりに赤外受光素子4を設置することで、α、α' から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。αと集光ミラー6の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー6による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と集光ミラー6の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー6による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、FαとFα' とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0521】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0522】
赤外受光素子4はFA よりも集光ミラー6に近い。この時、(1)式、(2)式が成り立つ。
【0523】
図27に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(3)式を満たす必要がある。
【0524】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(4)式、(5)式を満たす。
【0525】
(5)式を(3)式へ代入することで(6)式が得られる。
【0526】
(2)(6)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(7)式となる。
【0527】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(8)式、(9)式を満たす。
【0528】
(9)式を(7)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(10)式となる。
【0529】
また、ガウスの公式から(11)式、(12)式が成り立つ。
【0530】
(12)式を(11)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(13)式となる。
【0531】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(7)式、或いは(10)式、或いは(13)式を満たすよう光学系を設計する必要がある。(7)式、(10)式、(13)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を集光ミラー6の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0532】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0533】
図28は本発明の第22の実施例における赤外センサを示すものである。図28において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は集光ミラー6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは集光ミラー6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー6によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の集光ミラー6の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから集光ミラー6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー6の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の集光ミラー6の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から集光ミラー6の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の集光ミラー6の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0534】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0535】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、集光ミラー6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。集光ミラー6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0536】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー6の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外センサを設置する。これにより、固定部1をαと集光ミラー6の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0537】
上記について詳細を以下に述べる。
【0538】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図28中に示すように、光路K2 αを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも集光ミラーから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、αの像点Fαよりも集光ミラーから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない赤外センサが得られる。αと集光ミラー6の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー6による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と集光ミラー6の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミラー6による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。
【0539】
そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、Fαよりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも集光ミラー6から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0540】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0541】
赤外受光素子4はFαよりも集光ミラー6から遠い。この時、(14)式、(15)式が成り立つ。
【0542】
図28に示すように、受光面はFαよりも集光ミラー6から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(16)式を満たす必要がある。
【0543】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(17)式、(18)式を満たす。
【0544】
(18)式を(16)式へ代入することで(19)式が得られる。
【0545】
(15)(19)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(20)式となる。
【0546】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(21)式、(22)式を満たす。
【0547】
(22)式を(20)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(23)式となる。
【0548】
また、ガウスの公式から(24)式、(25)式が成り立つ。
【0549】
(25)式を(23)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(26)式となる。
【0550】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(20)式、或いは(23)式、或いは(26)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(20)式、(23)式、(26)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を集光ミラー6の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0551】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0552】
図29、30は本発明の第23の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図29、30において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は集光ミラー6の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1先端以外の点、Fは集光ミラー6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー6によるα、α’の像点、FA は集光ミラー6によるAの像点、FB は集光ミラー6によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから集光ミラー6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから集光ミラー6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから集光ミラー6の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS1は光路K1 αと受光面との交点、FAS1 は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α1 は光路K1 αの集光ミラー6における光軸からの距離、r3A1 は光路K1Aの集光ミラー6における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの集光ミラー6における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS1はFαS1と光軸との距離、rAS1 はFAS1 と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から集光ミラー6までの距離、fは集光ミラー6の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は集光ミラー6からFαまでの距離、LAFは集光ミラー6からFA までの距離、LBFは集光ミラー6からFB までの距離である。
【0553】
固定部のあらゆる点から放射される光を赤外受光素子4で受光しないような光学設計条件を求める。そのために、αから放射される光を仮想し、この光を赤外受光素子4で受光しないための設計条件を求めたのち、固定部1のα以外の点から放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を追加する。
【0554】
まず、固定部1のαから放射される赤外光を受光しないよう、以下のように赤外受光素子4の位置を決める。
【0555】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図29中に示すように、光路K2 αを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも集光ミラーから離れた位置かつFαよりも集光ミラー6に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。この、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも集光ミラー6から離れ且つFαよりも集光ミラー6に近い位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、L3 を求める。
【0556】
赤外受光素子4はFαよりも集光ミラー6に近い。この時、(27)式、(28)式が成り立つ。
【0557】
図29に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(29)式を満たす必要がある。
【0558】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α1 、rαF 、LαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(30)式、(31)式を満たす。
【0559】
(31)式を(29)式へ代入することで(32)式が得られる。
【0560】
(28)(32)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(33)式となる。
【0561】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(34)式、(35)式を満たす。
【0562】
(35)式を(33)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(36)式となる。
【0563】
また、ガウスの公式から(37)式、(38)式が成り立つ。
【0564】
(38)式を(36)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(39)式となる。
【0565】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α1 、L2 は幾何関係として(40)式、(41)式を満たす。
【0566】
(41)式を(39)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(42)式となる。
【0567】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0568】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図30を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0569】
まず、Aから放射される光を受光しない条件を求める。図30に示すように、AからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Aである。Aとαが一致しない固定部形状の場合にはK1AはAとレンズ開口絞り2との間で固定部1によって遮光され、各光路は受光面で赤外受光素子4にK1Aよりは近づかない。そこで、Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を、K1Aと受光面との交点であるFAS1 と光軸との距離rAS1 がrs よりも大きいこととする。つまり(43)式が成りたてばAから放射される光を赤外受光素子4で受光しない。
【0570】
また、幾何光学で周知の通り、r3A1 、rAF、LA 、rAs1 、f、L3 は幾何関係として(44)式、(45)式を満たす。
【0571】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(46)式、(47)式を満たす。
【0572】
(47)式を(45)式に代入することにより(48)式が得られる。
【0573】
また、ガウスの公式から(49)式、(50)式が成り立つ。
【0574】
(50)式を(48)式に代入することにより(51)式が得られる。
【0575】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A1 、L2 は幾何関係として(52)式、(53)式を満たす。
【0576】
(53)式を(51)式に代入することによって(54)式が得られる。
【0577】
rAS1 と同じくrαS1は(55)式のようになる。
【0578】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(56)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(57)式が成り立つ。
【0579】
(56)式を(55)式に代入することで(58)式が得られる。
【0580】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rAS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(59)式を満たせば、自動的にrAS1 が(43)式の関係を満たす。
【0581】
(55)(58)式を(59)式に代入することにより(60)式が得られる。
【0582】
(57)式より、(60)式は(61)式のようになる。
【0583】
以上のように、固定部1の仮想点αおよび先端点Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たす必要がある。
【0584】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。Bは固定部の先端以外の点であるので、固定部先端面の点αよりもBの方が集光ミラー6に近い。したがって、幾何光学で周知の通り、集光ミラー6の像点Fαよりも像点FB の方が集光ミラー6から遠くなる。すなわち(62)式が成り立つ。
【0585】
集光ミラー6から受光面までの距離は集光ミラー6からFαまでの距離よりも小さい。したがって(62)式より、集光ミラー6から受光面までの距離は集光ミラー6からFB までの距離よりも小さいことになる。このとき、図30に示すようにBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Bである。Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(63)式が成り立つ必要がある。
【0586】
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rBF、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(64)式、(65)式を満たす。
【0587】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(66)式、(67)式を満たす。
【0588】
(67)式を(65)式に代入することにより(68)式が得られる。
【0589】
また、ガウスの公式から(69)式、(70)式が成り立つ。
【0590】
(70)式を(68)式に代入することにより(71)式が得られる。
【0591】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(72)式、(73)式を満たす。
【0592】
(73)式を(71)式に代入することによって(74)式が得られる。
【0593】
rBS1 と同じくrαS1は(75)式のようになる。
【0594】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rBS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(76)式を満たせば自動的にrBS1 が(63)式の関係を満たすことになる。
【0595】
(74)(75)式を(76)式に代入することにより(77)式が得られる。
【0596】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(78)式、(79)式の関係が成り立つ。
【0597】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、あらゆる先端面以外の点からの放射光も受光しないためには、B各点について(77)式の関係が成り立つ必要がある。
【0598】
したがって、(61)式、(79)式の関係を考慮することにより、(80)式が成り立つ必要がある。
【0599】
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たし、さらに(81)式を満たす必要がある。
【0600】
赤外受光素子4を、(33)式あるいは(36)式あるいは(39)式あるいは(42)式で与えられる量だけ集光ミラー6の焦点面から離して設け、かつ(61)式と(81)式を満たす光学設計にすることによって、固定部から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0601】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0602】
図31、32、33は本発明の第24の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図31、32、33において、6は集光ミラー、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は集光ミラー6の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1の先端以外の点、Fは集光ミラー6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー6によるα、α’の像点、FA は集光ミラー6によるAの像点、FB は集光ミラー6によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから集光ミラー6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから集光ミラー6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから集光ミラー6の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS4は光路K4 αと受光面との交点、FAS4 は光路K4Aと受光面との交点、FBS4 は光路K4Bとセンサ面との交点、FαS1は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α4 は光路K4 αの集光ミラー6における光軸からの距離、r3A4 は光路K4Aの集光ミラー6における光軸からの距離、r3B4 は光路K4Bの集光ミラー6における光軸からの距離、r3 α1 は光路K1 αの集光ミラー6における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの集光ミラー6における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS4はFαS4と光軸との距離、rAS4 はFAS4 と光軸との距離、rBS4 はFBS4 と光軸との距離、rαS1はFαS1と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rαF はFαと光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から集光ミラー6までの距離、fは集光ミラー6の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は集光ミラー6からFαまでの距離、LAFは集光ミラー6からFA までの距離、LBFは集光ミラー6からFB までの距離である。
【0603】
固定部1上のαから放射される赤外光を仮想し、この光を受光しないよう以下に示すように赤外受光素子4の位置を決める。
【0604】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図31中に示すように、光路K2 αを通る光は、集光ミラー6を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、集光ミラー6を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、集光ミラー6で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して集光ミラー6を通過し、集光ミラー6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも集光ミラーから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、αの像点Fαよりも集光ミラー6から離れた位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、集光ミラー6の焦点から受光面までの距離L3 を求める。
【0605】
赤外受光素子4はFαよりも集光ミラー6から遠い。この時、(82)式、(83)式が成り立つ。
【0606】
図31に示すように、受光面はFαよりも集光ミラー6から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(84)式を満たす必要がある。
【0607】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α4 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(85)式、(86)式を満たす。
【0608】
(86)式を(84)式へ代入することで(87)式が得られる。
【0609】
(83)(87)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(88)式となる。
【0610】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(89)式、(90)式を満たす。
【0611】
(90)式を(88)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(91)式となる。
【0612】
また、ガウスの公式から(92)式、(93)式が成り立つ。
【0613】
(93)式を(91)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(94)式となる。
【0614】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α4 、L2 は幾何関係として(95)式、(96)式を満たす。
【0615】
(96)式を(94)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(97)式となる。
【0616】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0617】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図32、33を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0618】
まず、図32により、Aから放射される光を受光しない条件を求める。Aから集光ミラー6までの距離とαから集光ミラー6間での距離は等しいので、幾何光学で周知の通り集光ミラー6によるA、αの像点FA 、Fαは同一面内に形成される。従って、受光面がFαよりも集光ミラー6から遠いので、受光面はFA よりも遠くになる。そのため、図32に示すようにAからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4A である。Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Aと受光面との交点であるFAS4 と光軸との距離rAS4 がrs よりも大きい必要がある。つまり(98)式が成り立つ必要がある。
【0619】
また、幾何光学で周知の通り、r3A4 、rAF、LAF、rAs4 、f、L3 は幾何関係として(99)式、(100)式を満たす。
【0620】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(101)式、(102)式を満たす。
【0621】
(102)式を(100)式に代入することにより(103)式が得られる。
【0622】
また、ガウスの公式から(104)式、(105)式が成り立つ。
【0623】
(105)式を(103)式に代入することにより(106)式が得られる。
【0624】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A4 、L2 は幾何関係として(107)式、(108)式を満たす。
【0625】
(108)式を(106)式に代入することによって(109)式が得られる。
【0626】
rAS4 と同じくrαS4は(110)式のようになる。
【0627】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(111)式を満たせば、自動的にrAS4 が(98)式の関係を満たすことになる。
【0628】
(109)(110)式を(111)式に代入することにより(112)式が得られる。
【0629】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(113)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(114)式が成り立つ。
【0630】
(113)式より、(112)式の条件は(115)式のようになる。
【0631】
(114)式より、(115)式の条件は(116)式、(117)式のようになる。
【0632】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部先端Aからの放射光も受光しないためには、(117)式の条件を満たす光学設計である必要がある。
【0633】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。BからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものは、図32に示すように像点FB が受光面よりも集光ミラー6に近い場合にはK4Bであり、図33に示すように像点FB が受光面よりも集光ミラー6に近い場合はK1Bである。
【0634】
まず図32に示すように、FB が受光面よりも集光ミラー6に近く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK4Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0635】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Bと受光面との交点であるFBS4 と光軸との距離rBS4 がrs よりも大きい必要がある。つまり(118)式が成り立つ必要がある。
【0636】
また、幾何光学で周知の通り、r3B4 、rBF、LBF、rBs4 、f、L3 は幾何関係として(119)式、(120)式を満たす。
【0637】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(121)式、(122)式を満たす。
【0638】
(122)式を(120)式に代入することにより(123)式が得られる。
【0639】
また、ガウスの公式から(124)式、(125)式が成り立つ。
【0640】
(125)式を(123)式に代入することにより(126)式が得られる。
【0641】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B4 、L2 は幾何関係として(127)式、(128)式を満たす。
【0642】
(128)式を(126)式に代入することによって(129)式が得られる。
【0643】
rBS4 と同じくrαS4は(130)式のようになる。
【0644】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(131)式を満たせば、自動的にrBS4 が(118)式の関係を満たすことになる。
【0645】
(129)(130)式を(131)式に代入することにより(132)式が得られる。
【0646】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(133)式、(134)式関係が成り立つ。
【0647】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、(117)式の条件をよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部の先端以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(132)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(134)式(117)式を考慮して、(135)式が成り立つ必要がある。
【0648】
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式の条件を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0649】
次に、図33に示すように、FB が受光面よりも集光ミラー6から遠く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK1Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0650】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(137)式が成り立つ必要がある。
【0651】
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rB 、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(138)式、(139)式を満たす。
【0652】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(140)式、(141)式を満たす。
【0653】
(141)式を(139)式に代入することにより(142)式が得られる。
【0654】
また、ガウスの公式から(143)式、(144)式が成り立つ。
【0655】
(144)式を(142)式に代入することにより(145)式が得られる。
【0656】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(146)式、(147)式を満たす。
【0657】
(147)式を(145)式に代入することによって(148)式が得られる。
【0658】
rBS1 と同じくrαS1は(149)式のようになる。
【0659】
ここで、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αであり、(150)式が成り立つ。
【0660】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(151)式を満たせば、自動的にrBS1 が(137)式の関係を満たすことになる。
【0661】
(148)(149)式を(151)式に代入することにより(152)式が得られる。
【0662】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(153)式、(154)式の関係が成り立つ。
【0663】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式と(136)式を満たす光学設計である赤外センサが、固定部の先端面以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(152)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(154)式、(117)式を考慮して、(155)式が成り立つ必要がある。
【0664】
(156)式と、(136)式は等しい。したがって、以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0665】
以上のように本実施例によれば、赤外受光素子4を、(88)式あるいは(91)式あるいは(94)式あるいは(97)式で与えられる量だけ集光ミラー6の焦点から離して設け、かつ(117)式と(136)式を満たす光学設計にすることによって、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0666】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0667】
図34は本発明の第25の実施例における赤外センサを示すものである。図34において、7は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは反射型回折レンズ6の焦点、FA は反射型回折レンズ6によるAの像点、FA'は反射型回折レンズ6によるA’の像点、FB は反射型回折レンズ6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから反射型回折レンズ6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から反射型回折レンズ6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから反射型回折レンズ6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0668】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0669】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、反射型回折レンズ6を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。反射型回折レンズ6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0670】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図34中に示すように、光路K2Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも反射型回折レンズから離れた位置かつFA よりも反射型回折レンズ6に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0671】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、反射型回折レンズ6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0672】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0673】
図35は本発明の第26の実施例における赤外センサを示すものである。図35において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは反射型回折レンズの焦点、FA は反射型回折レンズ6によるAの像点、FA'は反射型回折レンズ6によるA’の像点、FB は反射型回折レンズ6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから反射型回折レンズ6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から反射型回折レンズ6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから反射型回折レンズ6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点、FY は光路K4Aと光路K4A' の交点である。
【0674】
測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0675】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、反射型回折レンズ6を通過しない赤外線を赤外受光素子4で受光しないようにする。反射型回折レンズ6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0676】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図35中に示すように、光路K2Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも反射型回折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0677】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のBはAよりも光軸から遠いため、反射型回折レンズ6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FA よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0678】
以上のように、FA よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0679】
図36は本発明の第27の実施例における赤外センサを示すものである。図36において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは反射型回折レンズの焦点、FA は反射型回折レンズ6によるAの像点、FA'は反射型回折レンズ6によるA’の像点、FB は反射型回折レンズ6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから反射型回折レンズ6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から反射型回折レンズ6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから反射型回折レンズ6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0680】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0681】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、反射型回折レンズ6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光しするようにする。反射型回折レンズ6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0682】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図36中に示すように、光路K2Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも反射型回折レンズから離れた位置かつFA よりも反射型回折レンズ6に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に赤外受光素子4を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。
【0683】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0684】
固定部1から放射される赤外線は、受光したい領域と同じ面の受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、反射型回折レンズ6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0685】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に赤外受光素子4を設置し、光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに固定部1を設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けることができて、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0686】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0687】
図37は本発明の第28の実施例における赤外センサを示すものである。図37において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは反射型回折レンズの焦点、FA は反射型回折レンズ6によるAの像点、FA'は反射型回折レンズ6によるA’の像点、FB は反射型回折レンズ6によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから反射型回折レンズ6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から反射型回折レンズ6の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから反射型回折レンズ6の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0688】
光軸付近にある測定したい領域から放射される赤外線のみを赤外受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0689】
赤外受光素子4を、反射型回折レンズ6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するように筐体9に取り付ける。反射型回折レンズ6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0690】
Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図37中に示すように、光路K2Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも反射型回折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に赤外センサを設置することで、A、A’から放射される赤外線を受光しない光学系が実現できる。
【0691】
固定部1を、光路K1A、光路K1A' よりも光軸から遠くなるように設置する。
【0692】
固定部1から放射される赤外線は、受光したくない領域から放射される光と置き換えられる。受光したい領域の外側にある受光したくない領域中のB点はAよりも光軸から遠いため、反射型回折レンズ6によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。従って、FA よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってA、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される赤外線も受光しない構成となる。つまり、自動的に固定部1から放射される赤外線を受光しない構成となる。
【0693】
以上のように、FA よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子4を設置し、固定部1をAと反射型回折レンズ6の間で光路K1A、K1A'よりも光軸から遠くに設けることによって、穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを安定した状態で向けることができ、固定部から放射される赤外線を受光せずに光軸付近の受光したい領域から放射される赤外線のみを受光するような赤外センサが得られる。
【0694】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0695】
図38は本発明の第29の実施例における赤外センサを示すものである。図38において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は反射型回折レンズ6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは反射型回折レンズ6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ反射型回折レンズ6によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから反射型回折レンズ6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から反射型回折レンズ6の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0696】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0697】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、反射型回折レンズ6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。反射型回折レンズ6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0698】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の反射型回折レンズ6の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、反射型回折レンズ6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、FαとFα’とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置する。これにより、固定部1をαと反射型回折レンズ6の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0699】
上記について詳細を以下に述べる。αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図38中に示すように、光路K2 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点FX よりも反射型回折レンズから離れた位置かつFαよりも反射型回折レンズ6に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。同じように、α’についても、光路K1 α' と光軸が交叉する点よりも反射型回折レンズから離れた位置かつFα' よりも反射型回折レンズ6に近い位置で、α’から放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fα、Fα' 、FX で形成される三角形の内側よりに赤外受光素子4を設置することで、α、α' から放射される光を受光しない赤外センサが得られる。αと反射型回折レンズ6の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の反射型回折レンズ6による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と反射型回折レンズ6の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の反射型回折レンズ6による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、FαとFα' とFX で形成される三角形の内側に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0700】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0701】
赤外受光素子4はFA よりも反射型回折レンズ6に近い。この時、(1)式、(2)式が成り立つ。
【0702】
図38に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(3)式を満たす必要がある。
【0703】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(4)式、(5)式を満たす。
【0704】
(5)式を(3)式へ代入することで(6)式が得られる。
【0705】
(2)(6)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(7)式となる。
【0706】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(8)式、(9)式を満たす。
【0707】
(9)式を(7)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(10)式となる。
【0708】
また、ガウスの公式から(11)式、(12)式が成り立つ。
【0709】
(12)式を(11)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(13)式となる。
【0710】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(7)式、或いは(10)式、或いは(13)式を満たすよう光学系を設計する必要がある。(7)式、(10)式、(13)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を反射型回折レンズ6の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0711】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0712】
図39は本発明の第30の実施例における赤外センサを示すものである。図39において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、α、α’は反射型回折レンズ6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Fは反射型回折レンズ6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ反射型回折レンズ6によるα、α’の像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから反射型回折レンズ6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1 α' はα’から光軸に対して同じ側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFα' へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 α' はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFα' に到達する光の光路、K3 α' はα’から反射型回折レンズ6の中心を通過してFα' に到達する光の光路、K4 α' はα’から光軸を挟んで反対側の反射型回折レンズ6の縁を通過してFα' に到達する光(マージナル光線)の光路、FX は光路K1 αと光軸との交点である。
【0713】
穴の内壁など凹部から放射される赤外光のみを受光するような光学系を設計する。
【0714】
赤外受光素子4を筐体9に取り付け、反射型回折レンズ6を通過する赤外線のみを赤外受光素子4で受光するようにする。反射型回折レンズ6を通った赤外線のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0715】
被測定物からの赤外光のみを受光するためには、固定部1から放射される赤外光を受光しないようにすればよい。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対してこの仮想した境界に位置する点と同じ側の反射型回折レンズ6の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸から遠くに位置するように固定部1を設置すればよい。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、反射型回折レンズ6の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点α、α’として、Fαよりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外センサを設置する。これにより、固定部1をαと反射型回折レンズ6の間で光路K1 α、K1 α' よりも光軸から遠くに位置させることになるため、固定部からの光を受光しない光学系が得られる。
【0716】
上記について詳細を以下に述べる。
【0717】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図39中に示すように、光路K2 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも反射型回折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。同じようにα’についても、αの像点Fαよりも反射型回折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、Fαよりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域内に赤外受光素子を設置することによってα、α’から放射される赤外線を受光しない赤外センサが得られる。αと反射型回折レンズ6の間の光路K1 αより光軸から遠い部分からの光は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光と置き換えられる。この点の反射型回折レンズ6による交点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、αからの光を受光しないようにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。同様に、α’と反射型回折レンズ6の間の光路K1 α' より光軸から遠い部分からの光は、α' と同じ面内で光軸からの距離がα’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の反射型回折レンズ6による交点はFα’よりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従って固定部1からの光を受光しない。このように、Fαよりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4 αと、Fα' よりも反射型回折レンズ6から遠い部分の光路K4 α' で挟まれた領域に赤外受光素子4を設置することでα、α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、自動的に固定部1から放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0718】
以下、αからの光を受光しないような赤外受光素子4の位置を求める。
【0719】
赤外受光素子4はFαよりも反射型回折レンズ6から遠い。この時、(14)式、(15)式が成り立つ。
図39に示すように、受光面はFαよりも反射型回折レンズ6から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(16)式を満たす必要がある。
【0720】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(17)式、(18)式を満たす。
【0721】
(18)式を(16)式へ代入することで(19)式が得られる。
【0722】
(15)(19)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(20)式となる。
【0723】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(21)式、(22)式を満たす。
【0724】
(22)式を(20)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(23)式となる。
【0725】
また、ガウスの公式から(24)式、(25)式が成り立つ。
【0726】
(25)式を(23)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(26)式となる。
【0727】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(20)式、或いは(23)式、或いは(26)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。(20)式、(23)式、(26)式で与えられるL3 だけ、受光素子4を反射型回折レンズ6の焦点からずらして設置することで、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部1の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0728】
なお、筐体9と固定部1は一体であっても構わない。
【0729】
図40、41は本発明の第31の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図40、41において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は反射型回折レンズ6の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1先端以外の点、Fは反射型回折レンズ6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ反射型回折レンズ6によるα、α’の像点、FA は反射型回折レンズ6によるAの像点、FB は反射型回折レンズ6によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから反射型回折レンズ6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから反射型回折レンズ6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから反射型回折レンズ6の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS1は光路K1 αと受光面との交点、FAS1 は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α1 は光路K1 αの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、r3A1 は光路K1Aの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS1はFαS1と光軸との距離、rAS1 はFAS1 と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から反射型回折レンズ6までの距離、fは反射型回折レンズ6の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は反射型回折レンズ6からFαまでの距離、LAFは反射型回折レンズ6からFA までの距離、LBFは反射型回折レンズ6からFB までの距離である。
【0730】
固定部のあらゆる点から放射される光を赤外受光素子4で受光しないような光学設計条件を求める。そのために、αから放射される光を仮想し、この光を赤外受光素子4で受光しないための設計条件を求めたのち、固定部1のα以外の点から放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を追加する。
【0731】
まず、固定部1のαから放射される赤外光を受光しないよう、以下のように赤外受光素子4の位置を決める。
【0732】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図40中に示すように、光路K2 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。同じように、光路K1 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K3 αを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFαに到達する。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このように、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも反射型回折レンズから離れた位置かつFαよりも反射型回折レンズ6に近い位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在する。この、光路K1 αと光軸が交叉する点よりも反射型回折レンズ6から離れ且つFαよりも反射型回折レンズ6に近い位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、L3 を求める。
【0733】
赤外受光素子4はFαよりも反射型回折レンズ6に近い。この時、(27)式、(28)式が成り立つ。
【0734】
図40に示すように、受光面は光路K1 αと光軸が交わる点とFαとの間であるので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(29)式を満たす必要がある。
【0735】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α1 、rαF 、LαF 、rαS1、L3 、fは幾何関係として(30)式、(31)式を満たす。
【0736】
(31)式を(29)式へ代入することで(32)式が得られる。
【0737】
(28)(32)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(33)式となる。
【0738】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(34)式、(35)式を満たす。
【0739】
(35)式を(33)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受しないための条件は(36)式となる。
【0740】
また、ガウスの公式から(37)式、(38)式が成り立つ。
【0741】
(38)式を(36)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(39)式となる。
【0742】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α1 、L2 は幾何関係として(40)式、(41)式を満たす。
【0743】
(41)式を(39)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(42)式となる。
【0744】
以上のように、固定部1先端のαから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0745】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図41を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0746】
まず、Aから放射される光を受光しない条件を求める。図41に示すように、AからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Aである。Aとαが一致しない固定部形状の場合にはK1AはAとレンズ開口絞り2との間で固定部1によって遮光され、各光路は受光面で赤外受光素子4にK1Aよりは近づかない。そこで、Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を、K1Aと受光面との交点であるFAS1 と光軸との距離rAS1 がrs よりも大きいこととする。つまり(43)式が成りたてばAから放射される光を赤外受光素子4で受光しない。
【0747】
また、幾何光学で周知の通り、r3A1 、rAF、LA 、rAs1 、f、L3 は幾何関係として(44)式、(45)式を満たす。
【0748】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(46)式、(47)式を満たす。
【0749】
(47)式を(45)式に代入することにより(48)式が得られる。
【0750】
また、ガウスの公式から(49)式、(50)式が成り立つ。
【0751】
(50)式を(48)式に代入することにより(51)式が得られる。
【0752】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A1 、L2 は幾何関係として(52)式、(53)式を満たす。
【0753】
(53)式を(51)式に代入することによって(54)式が得られる。
【0754】
rAS1 と同じくrαS1は(55)式のようになる。
【0755】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(56)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(57)式が成り立つ。
【0756】
(56)式を(55)式に代入することで(58)式が得られる。
【0757】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rAS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(59)式を満たせば、自動的にrAS1 が(43)式の関係を満たす。
【0758】
(55)(58)式を(59)式に代入することにより(60)式が得られる。
【0759】
(57)式より、(60)式は(61)式のようになる。
【0760】
以上のように、固定部1の仮想点αおよび先端点Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たす必要がある。
【0761】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。Bは固定部の先端以外の点であるので、固定部先端面の点αよりもBの方が反射型回折レンズ6に近い。したがって、幾何光学で周知の通り、反射型回折レンズ6の像点Fαよりも像点FB の方が反射型回折レンズ6から遠くなる。すなわち(62)式が成り立つ。
【0762】
反射型回折レンズ6から受光面までの距離は反射型回折レンズ6からFαまでの距離よりも小さい。したがって(62)式より、反射型回折レンズ6から受光面までの距離は反射型回折レンズ6からFB までの距離よりも小さいことになる。このとき、図41に示すようにBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK1Bである。Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(63)式が成り立つ必要がある。
【0763】
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rBF、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(64)式、(65)式を満たす。
【0764】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(66)式、(67)式を満たす。
【0765】
(67)式を(65)式に代入することにより(68)式が得られる。
【0766】
また、ガウスの公式から(69)式、(70)式が成り立つ。
【0767】
(70)式を(68)式に代入することにより(71)式が得られる。
【0768】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(72)式、(73)式を満たす。
【0769】
(73)式を(71)式に代入することによって(74)式が得られる。
【0770】
rBS1 と同じくrαS1は(75)式のようになる。
【0771】
rαS1は(29)式の関係を満たすので、rBS1 がrαS1よりも大きい、すなわち(76)式を満たせば自動的にrBS1 が(63)式の関係を満たすことになる。
【0772】
(74)(75)式を(76)式に代入することにより(77)式が得られる。
【0773】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(78)式、(79)式の関係が成り立つ。
【0774】
(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、あらゆる先端面以外の点からの放射光も受光しないためには、B各点について(77)式の関係が成り立つ必要がある。
【0775】
したがって、(61)式、(79)式の関係を考慮することにより、(80)式が成り立つ必要がある。
【0776】
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(33)式、或いは(36)式、或いは(39)式、或いは(42)式の条件を満たし、且つ(61)式を満たし、さらに(81)式を満たす必要がある。
【0777】
赤外受光素子4を、(33)式あるいは(36)式あるいは(39)式あるいは(42)式で与えられる量だけ反射型回折レンズ6の焦点面から離して設け、かつ(61)式と(81)式を満たす光学設計にすることによって、固定部から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0778】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0779】
図42、43、44は本発明の第32の実施例における赤外センサの光学系を示すものである。図42、43、44において、6は反射型回折レンズ、4は赤外線受光素子、9は筐体、1は穴の内部など凹部にある受光したい領域に赤外センサを固定して向けるための固定部、2は反射型回折レンズ6の有効領域を決めるためのレンズ開口絞り、α、α’はレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点、Aは固定部1先端の点、Bは固定部1の先端以外の点、Fは反射型回折レンズ6の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ反射型回折レンズ6によるα、α’の像点、FA は反射型回折レンズ6によるAの像点、FB は反射型回折レンズ6によるBの像点、K1 αはαから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2 αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3 αはαから反射型回折レンズ6の中心を通過してFαに到達する光の光路、K4 αはαから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)の光路、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから反射型回折レンズ6の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1BはBから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2BはBから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFB に到達する光の光路、K3BはBから反射型回折レンズ6の中心を通過してFB に到達する光の光路、K4BはBから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFB に到達する光(マージナル光線)の光路、FαS4は光路K4 αと受光面との交点、FAS4 は光路K4Aと受光面との交点、FBS4 は光路K4Bとセンサ面との交点、FαS1は光路K1Aと受光面との交点、FBS1 は光路K1Bとセンサ面との交点、rαはα点での固定部1の開口半径、rA はA点での固定部1の開口半径、rB はB点での固定部1の開口半径、r2 はレンズ開口絞り2の開口半径、r3 α4 は光路K4 αの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、r3A4 は光路K4Aの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、r3B4 は光路K4Bの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、r3 α1 は光路K1 αの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、r3B1 は光路K1Bの反射型回折レンズ6における光軸からの距離、rsは赤外受光素子4の半径、rαS4はFαS4と光軸との距離、rAS4 はFAS4 と光軸との距離、rBS4 はFBS4 と光軸との距離、rαS1はFαS1と光軸との距離、rBS1 はFBS1 と光軸との距離、rαF はFαと光軸との距離、rAFはFA と光軸との距離、rBFはFB と光軸との距離、L αはαからレンズ開口絞り2までの距離、LAはAからレンズ開口絞り2までの距離、LB はBからレンズ開口絞り2までの距離、L2 はレンズ開口絞り2から反射型回折レンズ6までの距離、fは反射型回折レンズ6の焦点距離、L3 はFから赤外受光素子4までの距離、LαF は反射型回折レンズ6からFαまでの距離、LAFは反射型回折レンズ6からFA までの距離、LBFは反射型回折レンズ6からFB までの距離である。
【0780】
固定部1上のαから放射される赤外光を仮想し、この光を受光しないよう以下に示すように赤外受光素子4の位置を決める。
【0781】
αから放射される光は光路K1 α、K2 α、K3 α、K4 αなどを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成される。図42中に示すように、光路K2 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過してFで光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1 αを通る光は、反射型回折レンズ6を通過して光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K3 αを通る光は、反射型回折レンズ6で光軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K4 αを通る光は、光軸と交叉して反射型回折レンズ6を通過し、反射型回折レンズ6を通過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、αの像点Fαよりも反射型回折レンズから離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存在する。この、αの像点Fαよりも反射型回折レンズ6から離れた位置に赤外受光素子4を設置することで、αから放射される光を受光しない赤外センサが得られる。以下、反射型回折レンズ6の焦点から受光面までの距離L3 を求める。
【0782】
赤外受光素子4はFαよりも反射型回折レンズ6から遠い。この時、(82)式、(83)式が成り立つ。
図42に示すように、受光面はFαよりも反射型回折レンズ6から遠いので、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αである。したがって、αからの光を赤外受光素子4で受光しないためには、(84)式を満たす必要がある。
【0783】
ここで、幾何光学で周知の通りr3 α4 、rαF 、LαF 、rαS4、L3 、fは幾何関係として(85)式、(86)式を満たす。
【0784】
(86)式を(84)式へ代入することで(87)式が得られる。
【0785】
(83)(87)式から、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(88)式となる。
【0786】
さらに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、L2 、rαF 、LαF は幾何関係として(89)式、(90)式を満たす。
【0787】
(90)式を(88)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(91)式となる。
【0788】
また、ガウスの公式から(92)式、(93)式が成り立つ。
【0789】
(93)式を(91)式に代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(94)式となる。
【0790】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rα、Lα、r3 α4 、L2 は幾何関係として(95)式、(96)式を満たす。
【0791】
(96)式を(94)式へ代入することにより、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないための条件は(97)式となる。
【0792】
以上のように、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計する必要がある。
【0793】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学系を設計した赤外センサが、固定部のα以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しない条件を示す。そのために、図43、44を用いてA、Bからの光を受光しない条件を以下に求める。
【0794】
まず、図43により、Aから放射される光を受光しない条件を求める。Aから反射型回折レンズ6までの距離とαから反射型回折レンズ6間での距離は等しいので、幾何光学で周知の通り反射型回折レンズ6によるA、αの像点FA 、Fαは同一面内に形成される。従って、受光面がFαよりも反射型回折レンズ6から遠いので、受光面はFA よりも遠くになる。そのため、図43に示すようにAからFA までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4A である。Aから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Aと受光面との交点であるFAS4 と光軸との距離rAS4 がrs よりも大きい必要がある。
【0795】
つまり(98)式が成り立つ必要がある。
【0796】
また、幾何光学で周知の通り、r3A4 、rAF、LAF、rAs4 、f、L3 は幾何関係として(99)式、(100)式を満たす。
【0797】
また、幾何光学で周知の通りrA 、LA 、L2 、rAF、LAFは幾何関係として(101)式、(102)式を満たす。
【0798】
(102)式を(100)式に代入することにより(103)式が得られる。
【0799】
また、ガウスの公式から(104)式、、(105)式が成り立つ。
【0800】
(105)式を(103)式に代入することにより(106)式が得られる。
【0801】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rA 、LA 、r3A4 、L2 は幾何関係として(107)式、(108)式を満たす。
【0802】
(108)式を(106)式に代入することによって(109)式が得られる。
【0803】
rAS4 と同じくrαS4は(110)式のようになる。
【0804】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(111)式を満たせば、自動的にrAS4 が(98)式の関係を満たすことになる。
【0805】
(109)(110)式を(111)式に代入することにより(112)式が得られる。
【0806】
Aは固定部先端の点で、αはレンズ開口絞り2の縁からこの縁と光軸に対して同じ側の固定部1内面へ接する直線が固定部先端面と交わる点であるので、レンズ開口絞り2からA、αまでの距離は相等しく(113)式が成り立ち、光軸からAまでの距離は光軸からαまでの距離以上であり(114)式が成り立つ。
【0807】
(113)式より、(112)式の条件は(115)式のようになる。
【0808】
(114)式より、(115)式の条件は(116)式、(117)式のようになる。
【0809】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たすよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部先端Aからの放射光も受光しないためには、(117)式の条件を満たす光学設計である必要がある。
【0810】
次に、Bから放射される光を受光しない条件を求める。Bから放射される光はK1B、K2B、K3B、K4Bなどを通ってBの像点FB に到達する。BからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものは、図43に示すように像点FB が受光面よりも反射型回折レンズ6に近い場合にはK4Bであり、図44に示すように像点FB が受光面よりも反射型回折レンズ6に近い場合はK1Bである。
【0811】
まず図43に示すように、FB が受光面よりも反射型回折レンズ6に近く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK4Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0812】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K4Bと受光面との交点であるFBS4 と光軸との距離rBS4 がrs よりも大きい必要がある。つまり(118)式が成り立つ必要がある。
【0813】
また、幾何光学で周知の通り、r3B4 、rBF、LBF、rBs4 、f、L3 は幾何関係として(119)式、(120)式を満たす。
【0814】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(121)式、(122)式を満たす。
【0815】
(122)式を(120)式に代入することにより(123)式が得られる。
【0816】
また、ガウスの公式から(124)式、(125)式が成り立つ。
【0817】
(125)式を(123)式に代入することにより(126)式が得られる。
【0818】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B4 、L2 は幾何関係として(127)式、(128)式を満たす。
【0819】
(128)式を(126)式に代入することによって(129)式が得られる。
【0820】
rBS4 と同じくrαS4は(130)式のようになる。
【0821】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(131)式を満たせば、自動的にrBS4 が(118)式の関係を満たすことになる。
【0822】
(129)(130)式を(131)式に代入することにより(132)式が得られる。
【0823】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(133)式、(134)式の関係が成り立つ。
【0824】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、(117)式の条件をよう光学定数や各位置関係を設計した赤外センサが、固定部の先端以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(132)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(134)式(117)式を考慮して、(135)式が成り立つ必要がある。
【0825】
以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式の条件を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0826】
次に、図44に示すように、FB が受光面よりも反射型回折レンズ6から遠く、したがってBからFB までの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものがK1Bである場合について、Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しない条件を示す。
【0827】
Bから放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには、K1Bと受光面との交点であるFBS1 と光軸との距離rBS1 がrs よりも大きい必要がある。つまり(137)式が成り立つ必要がある。
【0828】
また、幾何光学で周知の通り、r3B1 、rB 、LB 、rBs1 、f、L3 は幾何関係として(138)式、(139)式を満たす。
【0829】
また、幾何光学で周知の通りrB 、LB 、L2 、rBF、LBFは幾何関係として(140)式、(141)式を満たす。
【0830】
(141)式を(139)式に代入することにより(142)式が得られる。
【0831】
また、ガウスの公式から(143)式、(144)式が成り立つ。
【0832】
(144)式を(142)式に代入することにより(145)式が得られる。
【0833】
また、幾何光学で周知の通り、r2 、rB 、LB 、r3B1 、L2 は幾何関係として(146)式、(147)式を満たす。
【0834】
(147)式を(145)式に代入することによって(148)式が得られる。
【0835】
rBS1 と同じくrαS1は(149)式のようになる。
【0836】
ここで、αからFαまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子4に最も近づくものはK4 αであり、(150)式が成り立つ。
【0837】
rαS4は(84)式の関係を満たすので、(151)式を満たせば、自動的にrBS1 が(137)式の関係を満たすことになる。
【0838】
(148)(149)式を(151)式に代入することにより(152)式が得られる。
【0839】
ここで、αは固定部1先端面の点であるので、Lα、LB に(153)式、(154)式の関係が成り立つ。
【0840】
(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式と(136)式を満たす光学設計である赤外センサが、固定部の先端面以外の点からの放射光も受光しない、すなわち固定部のあらゆる点から放射される光も受光しないためには、あらゆるBについて(152)式の関係が成り立つ必要がある。したがって、(154)式、(117)式を考慮して、(155)式が成り立つ必要がある。
【0841】
(156)式と、(136)式は等しい。したがって、以上のように、固定部1から放射される光を赤外受光素子4で受光しないためには(88)式、或いは(91)式、或いは(94)式、或いは(97)式の条件を満たし、且つ(117)式を満たし、さらに(136)式を満たす必要がある。
【0842】
以上のように本実施例によれば、赤外受光素子4を、(88)式あるいは(91)式あるいは(94)式あるいは(97)式で与えられる量だけ反射型回折レンズ6の焦点から離して設け、かつ(117)式と(136)式を満たす光学設計にすることによって、固定部1から放射される赤外線を赤外受光素子4で受光せずに被測定物体から放射光のみを赤外受光素子4で受光させることができるため、固定部の温度変化に起因する測定誤差を防ぐことができる。
【0843】
なお、筐体9と固定部1、レンズ開口絞り2は一体であっても構わない。
【0844】
図47は本発明の第33の実施例における光センサを示すものである。光センサ中にはすでに説明した赤外光、遠赤外光を受光し、検出する赤外センサも含まれるが、これ以外に可視光、紫外光を受光し、検出するセンサが含まれる。図1において、3は屈折レンズ、8は受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは屈折レンズの焦点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FA'は屈折レンズ3によるA’の像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から屈折レンズ3の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点である。
【0845】
測定したい領域から放射あるいは反射される光のみを受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0846】
受光素子8を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過しない光を受光素子8で受光しないようにする。屈折レンズ3を通った光のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。 Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図1中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉したのち光軸から離れながらFA に到達する。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点FX よりも屈折レンズから離れた位置かつFA よりも屈折レンズ3に近い位置で、Aから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側に受光素子8を設置することで、A、A’から放射される光を受光しない光センサが得られる。
【0847】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のB点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ3によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に受光素子を設置することによってA、A’から放射あるいは反射される光を受光しないようにすれば、自動的にBからの光も受光しない構成となる。
【0848】
以上のように、FX とFA とFA'が形成する三角形の内側に受光素子8を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射あるいは反射される光のみを受光するような光センサが得られる。
【0849】
図48は本発明の第34の実施例における光センサを示すものである。光センサ中にはすでに説明した赤外光、遠赤外光を受光し、検出する赤外センサも含まれるが、これ以外に可視光、紫外光を受光し、検出するセンサが含まれる。図2において、3は屈折レンズ、4は受光素子、9は筐体、A、A’は受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点、Bは受光したくない領域の点、Fは屈折レンズの焦点、FA は屈折レンズ3によるAの像点、FA'は屈折レンズ3によるA’の像点、FB は屈折レンズ3によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA に到達する光の光路、K3AはAから屈折レンズ3の中心を通過してFA に到達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA に到達する光(マージナル光線)の光路、K1A' はA’から光軸に対して同じ側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A' はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA'に到達する光の光路、K3A' はA’から屈折レンズ3の中心を通過してFA'に到達する光の光路、K4A' はAから光軸を挟んで反対側のレンズ開口絞り2の開口部の縁を通過してFA'に到達する光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レンズ3の中心を通過してFB に到達する光の光路、FX は光路K1Aと光路K1A' の交点、FY は光路K4Aと光路K4A' の交点である。
【0850】
測定したい領域から放射あるいは反射される光のみを受光素子で受光するような光学系を設計する。
【0851】
受光素子8を筐体9に取り付け、屈折レンズ3を通過しない光を受光素子8で受光しないようにする。屈折レンズ3を通った光のみ受光する構成にした上で以下の設計を行う。 Aから放射される光は光路K1A、K2A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FA に到達する。幾何光学で周知の通り、Aの像点FA は光軸を挟んでAと反対側に形成される。図2中に示すように、光路K2Aを通る光は、屈折レンズ3を通過してFで光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。同じように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ3を通過して光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ3で光軸と交叉してFA に到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ3を通過し、屈折レンズ3を通過してからは光軸と交叉せずにFA に到達し、その後光軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、Aの像点FA よりも屈折レンズから離れた位置でAから放射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域である。この領域に光センサを設置することで、A、A’から放射される光線を受光しない光学系が実現できる。
【0852】
受光したい領域の外側にある、受光したくない領域中のBはAよりも光軸から遠いため、屈折レンズ3によるBの像点FB がFA より光軸から遠くなることは周知の通りである。従って、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に受光素子を設置することによってA、A’から放射される光線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射される光線も受光しない構成となる。
【0853】
以上のように、FA よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4Aと、FA'よりも屈折レンズ3から遠い部分の光路K4A' で挟まれた領域内に赤外受光素子8を設置することによって、光軸付近の受光したい領域から放射される光線のみを受光するような光センサが得られる。
【0854】
なお、実施例1から32まで赤外線を例に挙げて説明したが、同じく光である可視光、紫外光などに対しても同様の構成で小さい受光領域と大きい受光量の両立を実現できる。
【0855】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第一〜第三の赤外センサによれば、受光素子によって被測定物から放射される赤外光を効率よく集光することができるので、受光量を大きくできると共に、不要な領域から集光素子に入射する光を受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限することができる。
【0865】
また本発明の第四〜第七の赤外センサによれば、固定部以外の領域を受光領域とすることができるため固定部の温度変化の影響を受けない高精度な赤外センサが実現できると共に、受光領域を固定部からの光を受光しない条件で最大限に受光量を大きくできるので、S/Nが向上し検出精度を高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図2】本発明の第2の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図3】本発明の第3の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図4】本発明の第4の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図5】本発明の第5の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図6】本発明の第6の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図7】本発明の第7の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図8】本発明の第7の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図9】本発明の第8の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図10】本発明の第8の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図11】本発明の第8の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図12】本発明の第9の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図13】本発明の第10の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図14】本発明の第11の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図15】本発明の第12の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図16】本発明の第13の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図17】本発明の第14の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図18】本発明の第15の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図19】本発明の第15の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図20】本発明の第16の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図21】本発明の第16の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図22】本発明の第16の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図23】本発明の第17の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図24】本発明の第18の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図25】本発明の第19の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図26】本発明の第20の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図27】本発明の第21の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図28】本発明の第22の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図29】本発明の第23の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図30】本発明の第23の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図31】本発明の第24の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図32】本発明の第24の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図33】本発明の第24の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図34】本発明の第25の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図35】本発明の第26の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図36】本発明の第27の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図37】本発明の第28の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図38】本発明の第29の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図39】本発明の第30の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図40】本発明の第31の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図41】本発明の第31の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図42】本発明の第32の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図43】本発明の第32の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図44】本発明の第32の実施例における赤外センサの構成図および光路図である。
【図45】第1の従来例における赤外検知体温計の概略図である。
【図46】第2の従来例における赤外検知体温計の概略図である。
【図47】本発明の第33の実施例における光センサの構成図および光路図である。
【図48】本発明の第34の実施例における光センサの構成図および光路図である。
【符号の説明】
1 固定部
2 レンズ開口絞り
3 屈折レンズ
4 赤外受光素子
5 透過型回折レンズ
6 集光ミラー
7 反射型回折レンズ
8 受光素子
9 筐体
A 固定部先端の点
A' 固定部先端の点
F レンズの焦点
FA レンズによるAの像点
FA'レンズによるA' の像点

Claims (11)

  1. 被測定物から放射される赤外線を集光する円形断面の集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体とから構成され、前記集光素子から所定距離光軸方向に離れた光軸を中心とする円形領域を、被測定物面における受光したい領域とする赤外センサにおいて、被測定物における受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点から光軸に対して前記境界に位置する点と同じ側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記境界に位置する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記境界に位置する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記境界に位置する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする赤外センサ。
  2. 被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体とから構成され、前記集光素子から所定距離光軸方向に離れた光軸を中心とする円形領域を、被測定物面における受光したい領域とする赤外センサにおいて、被測定物における受光したい領域と受光したくない領域の境界に位置する点から光軸を挟んで前記境界に位置する点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記境界に位置する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記境界に位置する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記境界に位置する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする赤外センサ。
  3. 被測定物から集光素子に向かう光が筒内を通過する筒状の固定部が筐体の先端に接続固定され、この固定部の筒内周面が、前記境界に位置する点から光軸に対して前記境界に位置する点と同じ側の前記集光素子の縁に向かう光路の外側に位置するように構
    成されている請求項1または2記載の赤外センサ。
  4. 被測定物から放射される赤外線を集光する円形断面の集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部とを備え、この固定部の一部において内壁断面が集光素子の径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸に対して前記固定部の先端の面と交叉する点と同じ側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする赤外センサ。
  5. 前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3 を用いて、
    Figure 0003838748
    で与えられるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置したことを特徴とする請求項4記載の赤外センサ。
  6. 被測定物から放射される赤外線を集光する円形断面の集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部とを備え、この固定部の一部において内壁断面が集光素子の径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸を挟んで前記固定部の先端の面と交叉する点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする赤外センサ。
  7. 前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記集光素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子の半径r3 を用いて、
    Figure 0003838748
    で表されるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置したことを特徴とする請求項6記載の赤外センサ。
  8. 被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部と、前記固定部を通過して前記集光素子に達する赤外線の一部をカットして集光素子の有効領域を制限する円形断面のレンズ開口絞りとを備え、前記固定部の一部において内壁の断面がレンズ開口絞りの径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するように引いた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸に対して前記固定部の先端の面と交叉する点と同じ側の前記レンズ開口絞りの縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする赤外センサ。
  9. 前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と前記レンズ開口絞りとの距離Lαと、前記レンズ開口絞りと前記集光素子との距離L2 と、前記レンズ開口絞りの開口半径r2 を用いて、
    Figure 0003838748
    で表されるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置し、且つ前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rα、前記固定部の先端以外の点と光軸との距離rB 、前記集光素子の焦点距離f、前記集光素子と前記レンズ開口絞りとの距離L2 、前記集光素子の焦点と前記赤外受光素子の距離L3 に、
    rB ≧rα
    f( f+L3)>L3・L2 の関係が成り立つことを特徴とする請求項8記載の赤外セン
    サ。
  10. 被測定物から放射される赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光された赤外線を受光する赤外受光素子と、前記集光素子と前記赤外受光素子を保持する筐体と、前記筐体の先端に接続固定されて被測定物側に延びる筒状の固定部と、前記固定
    部を通過して前記集光素子に達する赤外線の一部をカットして集光素子の有効領域を制限する円形断面のレンズ開口絞りとを備え、前記固定部の一部において内壁の断面がレンズ開口絞りの径より小の径を有する円形となっている赤外センサにおいて、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するように引いた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点から、光軸を挟んで前記固定部の先端の面と交叉する点と反対側の前記レンズ開口絞りの縁を通過して前記集光素子による前記固定部の先端の面と交叉する点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記固定部の先端の面と交叉する点およびこの点と光軸を挟んで反対側にあるもう1つの前記固定部の先端の面と交叉する点の2つの点の前記集光素子による2つの像点とで形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に、前記赤外受光素子を設置し、かつ前記集光素子から前記赤外受光素子に達する光路上の赤外線が、すべて前記赤外受光素子に達することを特徴とする赤外センサ。
  11. 前記赤外受光素子を、前記集光素子の焦点距離fと、前記赤外受光素子の半径rs と、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rαと、前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部先端の面と交叉する点と前記レンズ開口絞りとの距離Lαと、前記レンズ開口絞りと前記集光素子との距離L2 と、前記レンズ開口絞りの開口半径r2 を用いて、
    Figure 0003838748
    で表されるL3 だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子から遠くに設置し、且つ前記レンズ開口絞りの縁から光軸に対して前記レンズ開口絞りの縁と同じ側の前記固定部の内壁に接するようにひいた直線が前記固定部の先端の面と交叉する点と光軸との距離rα、前記固定部の先端以外の点と光軸との距離rB 、前記集光素子の焦点距離f、前記集光素子と前記レンズ開口絞りとの距離L2 、前記集光素子の焦点と前記赤外受光素子の距離L3 に、
    rB ≧rα
    f( f+L3)>L3・L2 の関係が成り立つことを特徴とする請求項10記載の赤外セ
    ンサ。
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