JP2000217791A - 脈波検出機能付き放射体温計 - Google Patents

脈波検出機能付き放射体温計

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JP2000217791A
JP2000217791A JP11025830A JP2583099A JP2000217791A JP 2000217791 A JP2000217791 A JP 2000217791A JP 11025830 A JP11025830 A JP 11025830A JP 2583099 A JP2583099 A JP 2583099A JP 2000217791 A JP2000217791 A JP 2000217791A
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pulse wave
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JP11025830A
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English (en)
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Yoshiaki Watanabe
義明 渡邉
Hirohisa Imai
博久 今井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触で鼓膜の体温を計測すると共に同時に
脈波を検出する脈波検出機能付き放射体温計に関し、耳
に挿入するプローブに脈波検出手段等による温度変化が
あっても測定誤差の発生を防ぎ正確な温度検出をする。 【解決手段】 鼓膜及びその近傍から直接放射される赤
外線のみを受光する外耳道の外に位置するように配置さ
れた体温放射受光部23の出力を温度に演算する体温信
号処理手段27と、プローブ2に構成された脈波採取手
段28の出力を演算する脈波信号処理手段31と、演算
結果を報知する報知手段37からなり、鼓膜およびその
近傍以外からの熱輻射の影響を受けない構成としている
ので、プローブ2に脈波採取手段28の発熱などによる
温度変化があっても測定誤差要因とはならず、正確な体
温計測と脈波検出を同時に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体の体温を耳孔内
から放射される赤外線量を検知することにより測定する
と同時に外耳道近傍の血流情報から脈波を検出する脈波
検出機能付き放射体温計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に表面温度を計測する体温計として
は、鼓膜や口腔、肛門など外気に接触しにくい部分の温
度を計測することでほぼ体温を計測できる。特に鼓膜は
体温を制御する視床下部が近いこともあり、体温計測と
して適切な場所として知られている。表面温度は赤外線
量を計測することで赤外線を放射する放射源の温度を知
ることができ、短時間で測定できる。
【0003】ここでこの種の放射体温計の一般的な構成
を特公平6―63851号公報、特公平8―16629
号公報に示されている例に基づき説明する。特公平6―
63851号公報に記載の放射温度計を図10に示す。
1は円筒状の導波管でありその内面と外面は、滑らかで
鏡面状となっている。2は着脱可能な保護カバーであ
り、3は赤外線センサーである。この動作について説明
する。保護カバー2を装着した状態で外耳道4に挿入さ
れると、鼓膜5とその近辺から放射された赤外線は導波
管1の内面を反射しながら赤外線センサー3に入射され
る。導波管1の内外面は、外耳道4からの熱輻射は赤外
線センサー3が受光しないように滑らかな鏡面状に加工
されている。
【0004】ここで赤外線センサー3の出力は鼓膜5と
赤外線センサー3自身の温度の温度差と相関があるの
で、赤外線センサー3自身の温度を温度検出器(図示せ
ず)で計測すれば、鼓膜5の温度が測定できる。
【0005】また、特公平8―16629号公報に記載
の放射温度計の構成を図11に示す。図11は外耳道に
挿入するプローブの構成図であり、6はプローブ先端開
口部、7はレンズであり、8はレンズ7で集光した放射
光を更に絞るためのアパーチャである。また9は赤外線
センサ3の温度を計測するサーミスタであり、等温ブロ
ック10に埋設されている。また11はプローブの先端
に取り付けられた熱絶縁体(薄肉キャップ)であり、プ
ローブの外表面との間にエアーギャップ12を有する構
成となっている。さらに13はプローブの先端の温度を
計測するサーミスタであり、実線14は外耳道奥から赤
外線センサ3に入射する放射赤外線を示す。また点線1
5は、プローブ先端の内面から放出されて赤外線センサ
3に入射する赤外線を示す。この動作について説明す
る。プローブが外耳道に挿入されると鼓膜近辺から放射
された赤外線が実線14に示すように、レンズ7で集光
され赤外線センサ3に入射される。しかし、この時、外
耳道からの熱伝導によりプローブの先端の温度が上昇す
る。これは測定誤差を生じさせる原因となるので、プロ
ーブの先端に熱絶縁体からなる薄肉キャップ11を取り
付け、さらにプローブとはエアーギャップ12で断熱
し、外耳道からプローブの先端に熱伝導が生じにくい構
成としている。また該公報では、プローブの先端の温度
が上昇すれば、点線15で示すように、プローブ先端の
内面からの熱輻射がレンズ7を介して、赤外線センサ3
に入射されるので、さらに測定精度を向上させるための
手段として、プローブの先端にサーミスタ13を取り付
け、プローブの先端の温度が上昇してもサーミスタ13
で温度補正をして、体温の計測精度を向上させる構成と
していた。即ち、赤外線センサ3の出力とサーミスタ9
の出力より鼓膜の温度を演算することを基本とするが、
そこにサーミスタ13の出力で補正を加える構成として
いるものである。
【0006】また、このような放射温度計に脈波検出機
能を付加し体温と脈波検出を同時に実施できる特徴を持
った脈波検出機能付き体温計も提案されており、例えば
特開平6−233746号公報で示される方法などが知
られている。これは数秒で体温が測定できるという放射
温度計の特徴を利用して、数秒で測定可能な脈波検出を
同時に実施することにより短時間の内に2つの異なる生
理状態を測定できる効果がある。
【0007】図13に特開平6−233746号公報で
示される脈波検出機能付き体温計の構成図を示す。16
はプローブであり外耳道内部に挿入可能な外耳道挿入部
17と外耳道挿入部を支持する本体18とからなり、外
耳道挿入部17はその内側先端に体温計測部19、その
外周に脈波検出部20を持つ構成となっている。体温計
測部19は鼓膜および/または外耳道より放射される赤
外線に基づき検出した赤外線を温度情報として電気信号
へ変換することにより鼓膜温を検出する鼓膜温センサー
で、視床下部近傍の体温に近い温度を示す鼓膜温を短時
間に計測できる。また、脈波検出部20は赤外光を発光
する発光ダイオード(図示せず)と赤外線を検出するフ
ォトトランジスタ(図示せず)からなり、発光ダイオー
ドから発光された赤外線が外耳道内壁により吸収された
状態をフォトトランジスタにより検出し脈波情報として
電気信号に変換するものであるが、これらは外耳道挿入
部17の周囲に構成されているので、外耳道挿入部17
を外耳道に挿入するだけで外耳道内部や外耳道入り口近
傍の測定部位への密着が容易になり、体温計測と同時に
脈波の検出が可能になっている。なお、この従来例で
は、検出された脈波から脈拍数が算出され、表示部21
に表示している。
【0008】さらに、鼓膜およびその近傍の温度を測定
する場合には温度計を耳に挿入または近づけるので、測
定温度を音声で報知することにより、目の不自由な人が
使う場合や暗闇で測定する場合においても測定結果がわ
かるなどの効果があり、例えば特開平6−142061
号公報で示される方法などが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6―63851号公報の放射温度計は、図10に示す鼓
膜5近辺から放射された赤外線を導波管1の内面で反射
させながら赤外線センサ3に入射させる構成である。こ
の場合、耳に挿入した時、外耳道から導波管に熱の伝導
が生じれば、導波管からの熱輻射赤外線を赤外線センサ
3は受光することになるので、体温の測定温度が上昇す
ることになる。そのために導波管の内外面を滑らかな鏡
面状に加工して、熱輻射が生じないような構成としてい
るが、反射率が1で熱輻射がゼロの鏡面加工は不可能で
ある。さらに図12に示すように、輻射率がゼロ近くの
鏡面加工を施しても、鏡面上から垂直方向の熱輻射は抑
えられるが、水平方向の熱輻射を抑えることはできな
い。図12は鏡面に対して垂直方向をΦ=0°とし、水
平方向を90°として、例えばアルミニウムの指向輻射
率特性を示したものであり、横軸が鏡面に対しての角度
Φ、縦軸は輻射率である。したがって、導波管内面から
の熱輻射赤外線を赤外線センサ3は受光することにな
り、受光した分だけ測定誤差が生じるという特性があ
る。
【0010】また特公平8―16629号公報に記載の
放射温度計の構成では、鼓膜近辺から放射される赤外線
をレンズ7で集光して赤外線センサ3に入射させている
にもかかわらず、プローブの先端内面からの熱輻射赤外
線も赤外線センサに入射するので、プローブの先端に熱
絶縁薄肉キャップを取り付けるとか、プローブの先端の
温度を計測するサーミスタを取り付け温度補正をしなけ
ればならなかった。しかし、プローブ先端の絶対的な断
熱は不可能であり、繰り返し外耳道に挿入して測定すれ
ばプローブ先端の温度は上昇するので、体温の計測温度
は誤差をともない上昇する。またサーミスタそのものの
熱応答性や、B定数等のバラツキがあるので、その分だ
け測定誤差が生じるという特性がある。
【0011】いずれの場合もプローブが温度変化すれ
ば、赤外線センサの出力はその影響を受け測定誤差の要
因となるものである。特に、プローブの外耳道に挿入す
る部分に脈波検出部を形成して体温検出と同時に脈波を
検出する脈波検出機能付きの体温計の場合、脈波検出部
は発光ダイオードが発光する赤外光を耳道内部またはそ
の近傍に放射させるが、この赤外光がプローブの内側に
もれるなどした場合は測定誤差を生じさせる恐れがある
ほか、発光ダイオード自体が電流を消費し赤外線を発光
すると同時に熱も放射する熱源であるため発光ダイオー
ドによるプローブの発熱も体温の測定結果の誤差要因と
して無視できない。また、特開平6−233746号公
報で示される脈波検出機能付き放射温度計の場合、体温
計測部19はプローブ16の先端に構成されているが、
このような構成ではプローブ16を外耳道へ挿入する時
間が長くなると外耳道からの体温の熱伝導により体温計
測部19の温度も体温に近づくように変化していく。そ
の温度変化の進行は外耳道挿入前の体温計測部19の温
度、体温、体温計測部19の構造等により様々であり、
体温計測部19の内部にある赤外線センサ(図示せず)
の温度も同様に温度変化は一定でない。赤外線センサに
よる鼓膜温測定の原理は前述のように赤外線センサの出
力が鼓膜と赤外線センサの温度差と相関があることを用
いているので、正確な体温測定を行うためには赤外線セ
ンサの温度をサーミスタなどを用いて正確に検出する必
要があるが、測定中に体温計測部の温度が変化しやすい
このような構成ではサーミスタと赤外線センサとの間に
も温度差が発生しやすく、赤外線センサの正確な温度計
測が困難となるため体温検出部19が測定する鼓膜温の
測定誤差が生じてしまっていた。
【0012】また、脈波検出機能が無くても、例えば測
定の終了をビープ音で報知するのであれば0.1〜0.
2秒で十分であるが、温度を音声で報知すれば2〜3秒
要する。温度の報知に加え、「正常です」、「微熱があ
ります」等の診断結果を音声で報知すれば更に2〜3秒
要する。即ち、これらの構成の放射体温計で音声報知す
ると、その報知が終わるまでプローブを耳に挿入し続け
ていなければならず、その間にプローブには耳の熱が伝
わり温度変化を起こす。1回だけの測定ならよいが、繰
り返し測定する場合にはこの報知時間中のプローブの温
度変化が次の測定の測定誤差となって表れる。
【0013】一般に耳に挿入する放射体温計では、その
挿入方向により若干の測定温度の違いが生じる。これは
鼓膜とその近傍、さらにその周囲の外耳道とでは温度差
があり、挿入方向により違う箇所の温度を測定するため
である。したがって、2〜3回測定し、その最高温度ま
たは平均温度を採用することが推奨されている。
【0014】しかし上記のような構成で音声報知すると
2回目以降はプローブの温度変化の影響が測定誤差とな
るので、測定できない。また複数の人を順次測定する場
合には2人目以降が測定できないという課題を有する。
【0015】2回目以降あるいは2人目以降も正確に測
定するためには十分な測定の待ち時間が必要となる。こ
の待ち時間は耳で温められたまたは冷やされたプローブ
が元の温度に戻る時間で、一般には耳に挿入していた時
間より長い時間が必要である。それは耳との接触で伝わ
った熱を、空気で戻すからで、プローブの形状等による
熱容量によるが、耳に挿入していた時間の数倍は必要で
ある。即ち、音声報知のために余分に耳に数秒挿入して
いれば、それだけ繰り返し測定のための待ち時間が十秒
〜数十秒必要ということになり、折角短時間で測定でき
る方式でありながら、繰り返し測定するには長時間要す
るという課題を有するのである。この課題は、脈波検出
機能を付加すると、体温の影響以外に発光ダイオードの
発熱の問題が加わるために、その解決が更に困難なもの
とになっていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、鼓膜およびその近傍から直接放射される赤
外線のみを受光する外耳道の外に位置するように配置さ
れた体温放射受光部と、前記体温放射受光部の出力を温
度に演算する体温信号処理手段と、外耳道もしくはその
近傍の血流情報を得る脈波採取手段と、前記脈波採取手
段の出力を演算する脈波信号処理手段と、前記体温信号
処理手段と前記脈波信号処理手段との出力を報知する報
知手段とからなり、前記体温放射受光部は鼓膜およびそ
の近傍以外からの熱輻射の影響を受けない構成としたも
のである。
【0017】上記発明によれば、鼓膜およびその近傍か
ら直接放射される赤外線のみを受光する外耳道の外に位
置するように配置された体温放射受光部からの出力を体
温信号処理手段で温度に演算すると同時に、外耳道もし
くはその近傍の血流情報を得る脈波採取手段からの出力
を脈波信号演算手段により演算し、これら体温信号処理
手段の演算結果の温度と脈波信号処理手段の演算結果を
報知手段で報知するので、脈波採取手段からの発熱や体
温による熱伝導等による鼓膜およびその近傍以外からの
熱輻射の影響を受けず、正確な鼓膜温度測定と脈波検出
を同時に実現することができる。また、体温放射受光部
は外耳道の外に位置するように配置されているので測定
中に体温放射受光部の温度変化が少なく、正確な体温測
定を実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる脈波検
出機能付き放射体温計は、鼓膜およびその近傍から直接
放射される赤外線のみを受光する外耳道の外に位置する
ように配置された体温放射受光部と、前記体温放射受光
部の出力を温度に演算する体温信号処理手段と、外耳道
もしくはその近傍の血流情報を得る脈波採取手段と、前
記脈波採取手段の出力を演算する脈波信号処理手段と、
前記体温信号処理手段と前記脈波信号処理手段との出力
を報知する報知手段とからなり、前記体温放射受光部は
鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の影響を受けない
構成としたものである。
【0019】そして、鼓膜およびその近傍から直接放射
される赤外線のみを受光する外耳道の外に位置するよう
に配置された体温放射受光部からの出力を体温信号処理
手段で温度に演算すると同時に、外耳道もしくはその近
傍の血流情報を光電的に得る脈波採取手段からの出力を
脈波信号演算手段により演算し、これら体温信号処理手
段の演算結果の温度と脈波信号処理手段の演算結果を報
知手段で報知するので、脈波採取手段の発熱や体温の熱
伝導等による鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の影
響を受けず、正確な鼓膜温度測定と脈波検出を同時に実
現することができる。また、体温放射受光部は外耳道の
外に位置するように配置されているので測定中に体温放
射受光部の温度変化が少なく、正確な体温測定を実現で
きる。
【0020】また本発明の請求項2にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、脈波信号処理手段は脈波採取手段
の出力信号から脈拍数を演算して出力する。
【0021】そして、脈波信号処理手段は脈波採取手段
の出力信号から脈拍数を演算して出力するので、正確な
鼓膜温度測定と脈拍数測定を同時に実現することができ
る。
【0022】また本発明の請求項3にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、脈波信号処理手段は脈波採取手段
の出力信号を2次微分して加速度脈波を算出しその形状
から波形タイプを判定して出力する加速度脈波演算手段
を持つ。
【0023】そして、加速度脈波演算手段が脈波採取手
段の出力信号から加速度脈波脈波波形を算出しさらに波
形タイプを判定して出力するので、正確な鼓膜温度測定
と加速度脈波による循環機能診断を同時に実現すること
ができる。
【0024】また本発明の請求項4にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、報知手段は体温信号処理手段の演
算結果の温度もしくは脈波信号処理手段の演算結果を音
声で報知する音声報知手段を有する。
【0025】そして、報知手段は体温信号処理手段の演
算結果の温度もしくは脈波信号処理手段の演算結果を音
声で報知するので、鼓膜およびその近傍以外からの熱輻
射の影響を受けず、音声による報知や脈波検出のために
耳に挿入している時間が長くなっても正確な鼓膜温度を
検出することができる。
【0026】また本発明の請求項5にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、体温信号処理手段は演算結果の温
度と脈波信号処理手段の演算結果とを基に体調を診断
し、音声報知手段は体調信号処理手段の診断結果を報知
する構成としたものである。
【0027】そして体調信号処理手段は体温信号処理手
段の演算結果の温度と脈波信号処理手段の演算結果とを
基に体調を診断し診断結果を音声で報知するので、誤っ
た判断をすることはない。
【0028】また本発明の請求項6にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、外耳道に挿入され鼓膜に向きを固
定し鼓膜およびその近傍から放射された赤外線を通過さ
せるプローブと、前記プローブを通過した赤外線を受光
する外耳道の外に位置するように配置された体温放射受
光部と、前記体温放射受光部の出力を温度に演算する体
温信号処理手段と、前記プローブの外耳道に面する側に
構成され外耳道もしくはその近傍の血流情報を得る脈波
採取手段と、前記脈波採取手段の出力を演算する脈波信
号処理手段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知
手段とからなり、前記体温受光部は少なくともプローブ
を通過した赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子
で集光された赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前
記赤外受光素子を前記集光素子の焦点位置から後方に離
して設置することにより受光領域を制限する構成とした
ものである。
【0029】そして外耳道の外に位置するように配置さ
れた体温放射受光部の赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子を集光素子の
焦点位置から後方に離して設置することで、プローブ内
壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の
位置へ進行させることができ、受光領域を制限すること
ができる。その結果、外耳道の外に配置されていても鼓
膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射
光のみをスポット的に検出することができ、プローブの
温度変化の影響が測定誤差要因とならないのでプローブ
に脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を
生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現でき
る。また、体温放射受光部は外耳道の外に位置するよう
に配置されているので測定中に体温放射受光部の温度変
化が少なく、正確な体温測定を実現できる。
【0030】また本発明の請求項7にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、赤外受光素子を、集光素子の縁か
ら光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの
内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の
面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端
点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子によ
る前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点
よりも前記集光素子から遠く且つ前記集光素子による前
記仮想先端点の像点よりも前記集光素子に近い領域に設
置する構成としたものである。
【0031】そして、赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子は仮想先端点
と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想
先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも集光
素子から遠く且つ集光素子による仮想先端点の像点より
も集光素子に近い領域に設置することで、プローブ内壁
から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位
置へ進行させることができ、受光領域を制限することが
できる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射されプ
ローブを通過した放射光のみをスポット的に検出するこ
とができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要因と
ならないのでプローブに脈波採取手段を構成しても発熱
や光漏れによる誤差を生じさせず正確な体温測定と脈波
検出を同時に実現できる。
【0032】また本発明の請求項8にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、赤外受光素子を、集光素子の縁か
ら光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの
内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の
面と交叉する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端
点と同じ側の集光素子の縁を通過して前記集光素子によ
る前記仮想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点
と、前記集光素子による前記仮想先端点の2つの像点と
で形成される、前記集光素子の子午面内の三角形内に設
置する構成としたものである。
【0033】そして、赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子は仮想先端点
と同じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想
先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、集光素
子による仮想先端点の2つの像点とで形成される、集光
素子の子午面内の三角形内に設置することで、プローブ
内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外
の位置へ進行させることができ、受光領域を制限するこ
とができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放射さ
れプローブを通過した放射光のみをスポット的に検出す
ることができ、プローブの温度変化の影響が測定誤差要
因とならないのでプローブに脈波採取手段を構成しても
発熱や光漏れによる誤差を生じさせず正確な体温測定と
脈波検出を同時に実現できる。
【0034】また本発明の請求項9にかかる脈波検出機
能付き放射体温計は、赤外受光素子を、集光素子の縁か
ら光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの
内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端の
面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも前
記集光素子から遠い領域に設置する構成としたものであ
る。
【0035】そして、赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子を、集光素子
の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプロ
ーブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの
先端の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よ
りも前記集光素子から遠い領域に設置することで、プロ
ーブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子
以外の位置へ進行させることができ、受光領域を制限す
ることができる。その結果、鼓膜およびその近傍から放
射されプローブを通過した放射光のみをスポット的に検
出することができ、プローブの温度変化の影響が測定誤
差要因とならないのでプローブに脈波採取手段を構成し
ても発熱や光漏れによる誤差を生じさせず正確な体温測
定と脈波検出を同時に実現できる。
【0036】また本発明の請求項10にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、赤外受光素子を、集光素子の縁
から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブ
の内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端
の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先
端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素
子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子
の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置する構成
としたものである。
【0037】そして、赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子を、集光素子
の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプロ
ーブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの
先端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮
想先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集
光素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光
素子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置する
ことで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を
赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光
領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびそ
の近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをス
ポット的に検出することができ、プローブの温度変化の
影響が測定誤差要因とならないのでプローブに脈波採取
手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を生じさせず
正確な体温測定と脈波検出を同時に実現できる。
【0038】また本発明の請求項11にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、赤外受光素子を、集光素子の焦
点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光
素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の
プローブの内壁に接するように引いた直線が前記プロー
ブ先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rα
と、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前
記集光素子の半径r3を用いて、
【0039】
【数3】
【0040】で与えられるL3だけ前記集光素子の焦点
よりも集光素子から遠くに設置した構成としたものであ
る。
【0041】そして、赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の
焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点
と光軸との距離rαと、仮想先端点と集光素子との距離
Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の式で与え
られるL3だけ集光素子の焦点よりも集光素子から遠く
に設置することで、プローブ内壁から集光素子に入射す
る赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させることが
でき、受光領域を制限することができる。その結果、鼓
膜およびその近傍から放射されプローブを通過した放射
光のみをスポット的に検出することができ、プローブの
温度変化の影響が測定誤差要因とならないのでプローブ
に脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を
生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現でき
る。
【0042】また本発明の請求項12にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、赤外受光素子を、集光素子の焦
点距離fと、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光
素子の縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の
前記プローブの内壁に接するように引いた直線が前記プ
ローブの先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離
rαと、前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lα
と、前記集光素子の半径r3を用いて、
【0043】
【数4】
【0044】で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よ
りも集光素子から遠くに設置した構成としたものであ
る。
【0045】そして、赤外受光素子には集光素子で集光
された赤外線が入射し、また赤外受光素子は集光素子の
焦点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点
と光軸との距離rαと、仮想先端点と前記集光素子との
距離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の式で
表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子か
ら遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に
入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させる
ことができ、受光領域を制限することができる。その結
果、鼓膜およびその近傍から放射されプローブを通過し
た放射光のみをスポット的に検出することができ、プロ
ーブの温度変化の影響が測定誤差要因とならないのでプ
ローブに脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる
誤差を生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実
現できる。
【0046】また本発明の請求項13にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、集光素子を屈折レンズで構成し
たものである。
【0047】そして集光素子を屈折レンズで構成するこ
とにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射す
る。
【0048】また本発明の請求項14にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、集光素子を透過型回折レンズで
構成したものである。
【0049】そして集光素子を透過型回折レンズで構成
することにより、赤外受光素子には集光された赤外線が
入射する。
【0050】また本発明の請求項15にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、集光素子を集光ミラーで構成し
たものである。
【0051】そして集光素子を集光ミラーで構成するこ
とにより、赤外受光素子には集光された赤外線が入射す
る。
【0052】また本発明の請求項16にかかる脈波検出
機能付き放射体温計は、集光素子を反射型回折レンズで
構成したものである。
【0053】そして集光素子を反射型回折レンズで構成
することにより、赤外受光素子には集光された赤外線が
入射する。
【0054】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例を
図1〜図4を参照しながら説明する。図1は本発明の脈
波検出機能付き放射体温計の構成図である。図2は脈波
検出手段と加速度脈波算出手段の出力波形を心電図と共
に示した波形図、図3は加速度脈波の波形を分類した波
形パターン図、図4は体温放射受光部およびプローブの
構成図である。
【0055】図1において2はプローブで体温測定に際
して外耳道に挿入する部分であり、鼓膜に向かう側の先
端方向に細くした形状としていて、先端部6は開口して
いるか、または防塵の目的で赤外線が通過する材料の膜
を有している。プローブ2は本体22に装着されてい
て、本体22には体温放射受光部23などを内蔵してい
る。体温放射受光部23は焦電型の赤外受光素子3と集
光素子7より成り、赤外受光素子3にはプローブ2を通
過した鼓膜およびその近傍から直接放射される赤外光の
みが入射する。また、体温放射受光部23は外耳道に挿
入されるプローブ2の鼓膜の反対側の外耳道の外側にな
る位置に構成されており、プローブ2が外耳道に挿入さ
れても体温の熱が体温放射受光部23に伝わりにくく、
測定中の体温放射受光部23の温度変化はほとんどなく
これによる体温の測定誤差が生じにくくなっている。
【0056】24はチョッパで少なくとも表面は金属等
赤外光を反射する材料より成り、モータ25で駆動して
赤外受光素子3に鼓膜およびその近傍から放射される赤
外線の入光と遮光を断続する。焦電型の赤外受光素子3
は入射する赤外線量の変化に対して相関を持った電気的
出力を発生する。ここでチョッパ24の表面は赤外線を
反射する材料であるから、遮光時には赤外受光素子3に
は赤外受光素子3自身が放射する赤外線が反射して入射
する。したがってチョッパ24の動作により赤外受光素
子3には鼓膜およびその近傍から放射される赤外線と、
赤外受光素子3自身が放射する赤外線が交互に入射する
ので、赤外線受光素子3は鼓膜温度と赤外受光素子3自
身の温度との温度差に相関を持った電気的出力を発生す
ることになる。
【0057】26は赤外受光素子3の温度を検出する温
度センサで例えば一般周知のサーミスタである。27は
体温信号処理手段で、サーミスタ26の出力より赤外受
光素子3の温度を演算し、赤外受光素子3の出力より赤
外受光素子3と鼓膜の温度差を演算し、それらを加算す
ることで鼓膜の温度を演算することができる。
【0058】一方、プローブ2の外周部には発光部と脈
波情報受光部からなる脈波採取手段28が設けられてお
り、プローブ2を外耳道に挿入した時に外耳道内部また
は入り口近傍の皮膚表面の心拍の拍動により増減を繰り
返す血流情報を採取できるようになっている。ここでは
脈波採取手段は28は発光部29と脈波情報受光部30
を持ち光電的に脈波を採取する光電脈波計で、発光部2
9は血液中のヘモグロビンや水分が強い選択性を持って
吸収する500〜1000nmの波長光を含む光を放射し、脈波
情報受光部30は発光部29が発光した光の成分を含む
波長の光に反応してその特性を変化させる物質から構成
されている。本実施例では発光部29は発光ダイオー
ド、脈波情報受光部30は受光量に応じて発生した電荷
を増幅して出力するフォトトランジスタを用いている。
31は脈波信号処理手段でありこれは脈波採取手段28
で採取された脈波波形を演算するもので、本実施例では
脈波情報受光部29の出力信号を増幅し平滑化する前処
理手段32と前処理手段32の出力信号から脈拍数を演
算する脈拍数演算手段33、および前処理手段32の出
力信号を演算して加速度脈波を演算する加速度脈波演算
手段34から構成されており、さらに、加速度脈波演算
手段34は加速度脈波算出手段35と波形パターン分類
手段36から構成されている。脈拍数演算手段33では
脈波波形の周期から脈拍数が算出されて報知手段37に
出力しており、加速度脈波演算手段34ではまず加速度
脈波算出手段35が脈波波形を2次微分して加速度脈波
を算出しさらにその心拍の1周期に分割された波形を求
めて出力し、波形パターン分類手段36が1周期毎に分
割された波形から5つの極大値と極小値を抽出してこれ
らの値を用いて7つの波形パターンに分類し、加速度脈
波算出手段35の心臓の拍動の1周期毎に分割された波
形と波形パターン分類手段36の分類結果を出力してい
る。
【0059】図2に加速度脈波の波形を心電図(EP
G)、脈波波形(PTG)と共に示す。一般に加速度脈波波
形には図に示すa,b,c,d,eの5つの極大値と極
小値が存在し、これらのパターンにより図3に示すよう
なAからGまでの7種類の波形パターンに分類して血液
循環系の状態の診断に用いられている。a,b,c,
d,eの5つの極値の高さをそれぞれha,hb,h
c,hd,heで表すと、Aはhc>0かつhb<hd
となる場合であり通常若い人に見られる血液循環が良い
状態にあることを示す波形、Bはhc<0かつhb<h
dとなる場合で加齢によって血液循環が悪くなる過程の
中で見られ、まだ良い状態にある波形、Cはhb<hc
かつhb≒hdとなる場合であり血液循環が少し悪くな
って左心の負担が大きくなったと考えられる時に見られ
る波形で、スポーツ心臓でもしばしば認められる、Dは
hb≒hc≒hdとなる場合であり血液循環が悪い状態
にあることを示す波形で、特に注意が必要であると考え
られる波形、Eはhb<hcかつhb>hdとなる場合
であり血液循環が悪い状態にあることを示す波形で、脳
卒中、心筋梗塞、狭心症などの既往症のある者に多く見
られる、特に注意が必要であると考えられる波形、Fは
hb≒hcかつhb>hd、Gはhb>hcかつhb>
hdとなる場合でありどちらも血液循環が極端に悪い状
態にあることを示す波形で、衰弱してねたきりになった
高齢者などにみられる波形である。このように加速度脈
波の波形を解析することにより容易に循環系の動作状態
の診断行う事ができるようになっており、加速度脈波演
算手段34ではその診断のための情報を算出して出力し
ている。
【0060】37は報知手段であり、報知情報処理手段
38、表示手段39、音声報知手段40からなってい
る。まず、報知情報処理手段38が体温信号処理手段2
7で演算により求めた鼓膜の温度、心拍数演算手段33
が求めた心拍数、波形パターン分類手段36が分類した
加速度脈波波形のパターンの分類結果、加速度脈波算出
手段35が算出した心拍の1周期に分割された波形の情
報を受け取り、報知情報処理手段38が鼓膜の温度と心
拍数、加速度脈波波形のパターンの分類結果を表示手段
39に文字や数字として表示させるとともに、加速度脈
波算出手段35が算出した心拍の1周期に分割された波
形を点などを用いて視覚的に表示させている。また、同
時に報知情報処理手段38は表示手段39が表示する情
報のうち数字や文字で表示する情報を音声情報に変換し
音声報知手段39から音声で報知させている。表示手段
39は例えば液晶表示器であり、音声報知手段40は例
えばスピーカである。
【0061】測定時には、使用者は本体22を持ちプロ
ーブ2を耳に挿入し、測定スイッチ40を押すと、制御
手段41がモータ25を駆動させる信号を出力してチョ
ッパ24が開閉動作を行い、赤外受光素子3は赤外受光
素子3自身の温度と鼓膜およびその近傍の温度の温度差
に相関を持った出力を発生させ、体温信号処理手段27
が赤外受光素子3の出力とサーミスタ26の出力から鼓
膜およびその近傍の温度換算を行う。一方、制御手段4
0は同時に脈波採取手段28の発光部29を発光させる
信号を出力し発光部29から500〜1000nmの波長光を含
む光が外耳道内部またはその近傍の皮膚表面に放射さ
れ、脈波情報受光部30では、血液量の増減を正確に反
映する反射光の変化に応じた電圧信号に変換することに
より外耳道内部またはその近傍の心臓の拍動による血液
量の増減を電圧信号に変換して取り出し、脈波信号処理
手段31ではこの信号を前処理手段32が増幅や平滑化
を行い、脈拍数演算手段33が前処理手段32の出力を
用いて脈拍数を演算し、加速度脈波算出手段35が前処
理手段32の出力を用いて心拍の1周期毎の加速度脈波
波形を算出し、さらに波形パターン分類手段36が加速
度脈波波形を分類してそれぞれの出力を報知手段37に
出力している。報知手段37では報知情報処理手段38
がこれらの出力を処理して表示手段39に鼓膜温、心拍
数、波形パターンの分類結果を数字や文字で表示出力さ
せるとともに、心拍の1周期毎の加速度脈波波形を点に
より表示させ、音声報知手段40に鼓膜温、心拍数、波
形パターンの分類結果を例えば「たいおんさんじゅうろ
くてんごど、みゃくはくななじゅうに、はけいびー」と
音声出力させている。
【0062】上記のように本実施例の脈波検出機能付き
放射体温計では、鼓膜およびその近傍から直接放射され
る赤外線のみを受光する体温放射受光部3からの出力を
体温信号処理手段27で温度に演算すると同時に、外耳
道もしくはその近傍の血流情報を光電的に得る脈波採取
手段30からの出力を脈波信号演算手段31により演算
し脈拍数や加速度脈波波形、加速度脈波波形の分類結果
を出力し、これら体温信号処理手段27の演算結果の温
度と脈波信号処理手段31の演算結果の脈拍数、加速度
脈波波形、加速度脈波波形の分類結果を報知手段37で
報知するので、脈波採取手段30等による鼓膜およびそ
の近傍以外からの熱輻射の影響を受けず、正確な鼓膜温
度測定と脈波検出を同時に実現することができ、短時間
に複数の生理的な情報を得ることができるという効果が
ある。また、体温放射受光部は外耳道の外に位置するよ
うに配置されているので測定中に体温放射受光部の温度
変化が少なく、正確な体温測定を実現できる。さらに、
検出した脈波情報から脈拍数や加速度脈波の情報に変換
して報知するので判断が難しい脈波情報を誰にも分かる
ような情報に変換することにより得られた結果をわかり
やすく伝達することができる。
【0063】また、音声報知手段40で音声報知するの
で、暗闇で測定する場合や目の不自由な人が測定する場
合でも検温結果を知ることができる。また表示手段39
でも報知しているので、騒音の大きい環境で測定する場
合や耳の不自由な人が測定する場合でも検温結果を知る
ことができる。耳で温度を測定するので音声報知手段4
0は十分小さな音量で被験者に報知することができ、被
験者にのみ検温結果が聞こえ、被験者以外には検温結果
が聞こえないようにできて、被験者の周囲に不要な雑音
で迷惑をかけることはない。
【0064】ここで、体温放射受光部23は鼓膜および
その近傍から放射されプローブ2を通過した赤外線のみ
を受光するのでプローブ2の温度変動の影響を受けるこ
とはない。したがって、音声報知の時間中プローブ2を
耳に挿入した状態を続けて、プローブ2が温度変動し、
すぐに次の測定を行っても正確に温度測定できる。
【0065】また、音声報知手段40は、鼓膜温や心拍
数、波形パターンを音声出力するだけでなく、例えば体
温では「正常です」「微熱があります」「高熱がありま
す」、加速度脈波の波形パターンでは「循環機能は良好
です」「循環機能は悪い状態にあります」などのメッセ
ージを報知してもよい。また、ノイズの影響があったり
プローブが静止できなかった場合など脈波検出を精度よ
く行えなかった場合には「静止してください」「もう一
度測定してください」といったメッセージを報知しても
良い。このように様々なメッセージを流してもプローブ
2の温度変動の影響を受けないので長時間プローブ2を
耳に挿入していても、すぐに次の測定を正確に行えるの
で、長いメッセージでも構わない。体温測定には、耳以
外にも腋下や舌下などでの測定方法があり、それぞれ若
干の温度差があっていわゆる平熱も測定方法により差が
ある。検温結果に対して誤った判断をしないために前記
したようなメッセージを報知することは効果がある。
【0066】なお、本実施例の脈波検出機能付き放射体
温計では脈波信号処理手段31で心拍数、加速度脈波の
波形、加速度脈波波形の分類結果を出力しているが、必
ずしもこれらをすべて検出して報知する必要はなく、例
えば生理指標として極めて一般的な体温と心拍数のみ被
験者に報知する構成でもよい。さらに、被験者には体温
と心拍数のみ報知するが、加速度脈波波形やその分類結
果を記憶手段を設けてここに記憶しておき、測定後にパ
ソコン等に接続して記憶手段に記憶させた情報を取り出
して表示させたりする構成でもよい。
【0067】体温放射受光部23の構成を図4により説
明する。図4において、7は集光素子である屈折レン
ズ、3は赤外受光素子、42は筐体である。A、A’は
屈折レンズ7の縁からこの縁と同じ側のプローブ2の内
壁に接するように引いた直線とプローブ2の先端の面と
の交点で、図4のように直線的なプローブであればプロ
ーブ2の先端内壁に位置する点である。Bはプローブ2
の内壁における点、即ち受光したくない領域の点、Fは
屈折レンズ7の焦点、FAは屈折レンズ7によるAの像
点、FA’は屈折レンズ7によるA’の像点、FBは屈
折レンズ7によるBの像点、K1AはAから光軸に対し
て同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してFAへ進行する
光(マージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平
行に進んで焦点Fを通過してFAに到達する光の光路、
K3AはAから屈折レンズ7の中心を通過してFAに到
達する光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側の
屈折レンズ7の縁を通過してFAに到達する光(マージ
ナル光線)の光路である。また同様にK1A’はA’か
ら光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過してF
A’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2A’
はA’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFA’
に到達する光の光路、K3A’はA’から屈折レンズ7
の中心を通過してFA’に到達する光の光路、K4A’
はA’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通
過してFA’に到達する光(マージナル光線)の光路、
K3BはBから屈折レンズ7の中心を通過してFBに到
達する光の光路、FXは光路K1Aと光路K1A’の交
点である。
【0068】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するよ
うな光学系を設計する。
【0069】赤外受光素子3を筐体42に取り付け、屈
折レンズ7を通過しない赤外線を赤外受光素子3が受光
しないようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受
光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0070】Aから放射される光は光路K1A、K2
A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FAに到達す
る。幾何光学で周知の通り、Aの像点FAは光軸を挟ん
でAと反対側に形成される。図4中に示すように、光路
K2Aを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と
交叉したのち光軸から離れながらFAに到達する。同じ
ように、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ7を通過し
て光軸と交叉したのち光軸から離れながらFAに到達す
る。光路K3Aを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉
したのち光軸から離れながらFAに到達する。光路K4
Aを通る光は、光軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、
屈折レンズ7を通過してからは光軸と交叉せずにFAに
到達する。このように、光路K1Aと光軸が交叉する点
FXよりも屈折レンズ7から離れた位置かつFAよりも
屈折レンズ7に近い位置で、Aから放射される光が通過
しない領域が存在する。この領域は、FXとFAとF
A’が形成する三角形の内側となる。この三角形の内側
に赤外受光素子3を設置することで、A、A’から放射
される光を受光しない体温放射受光部が得られる。
【0071】受光したくないプローブ2内壁の領域中の
B点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ7によ
るBの像点FBがFAより光軸から遠くなることは周知
の通りである。従って、FXとFAとFA’が形成する
三角形の内側に赤外受光素子3を設置することによって
A、A’から放射される赤外線を受光しないようにすれ
ば、自動的にBからの赤外線も受光しない構成となる。
【0072】以上のように、FXとFAとFA’が形成
する三角形の内側に赤外受光素子3を設置することによ
って、光軸付近の受光したい領域、即ちプローブ2を通
過した鼓膜およびその近傍から放射される赤外線のみを
受光するような体温放射受光部が得られる。
【0073】(実施例2)次に本発明の第2の実施例を
図5を用いて説明する。図5は本発明の第2の実施例に
おける脈波検出機能付き放射体温計の体温放射受光部お
よびプローブを示す構成図である。図5において、7は
屈折レンズ、3は赤外受光素子、42は筐体である。
A、A’は屈折レンズ7の縁からプローブ2の内壁に接
するように引いた直線とプローブ2の先端の面との交点
で、図5のように直線的なプローブであればプローブ2
の先端内壁に位置する点である。Bはプローブ2の内壁
における点、即ち受光したくない領域の点、Fは屈折レ
ンズ7の焦点、FAは屈折レンズ7によるAの像点、F
A’は屈折レンズ7によるA’の像点、FBは屈折レン
ズ7によるBの像点、K1AはAから光軸に対して同じ
側の屈折レンズ7の縁を通過してFAへ進行する光(マ
ージナル光線)の光路、K2AはAから光軸と平行に進
んで焦点Fを通過してFAに到達する光の光路、K3A
はAから屈折レンズ7の中心を通過してFAに到達する
光の光路、K4AはAから光軸を挟んで反対側の屈折レ
ンズ7の縁を通過してFAに到達する光(マージナル光
線)の光路、K1A’はA’から光軸に対して同じ側の
屈折レンズ7の縁を通過してFA’へ進行する光(マー
ジナル光線)の光路、K2A’はA’から光軸と平行に
進んで焦点Fを通過してFA’に到達する光の光路、K
3A’はA’から屈折レンズ7の中心を通過してFA’
に到達する光の光路、K4A’はA’から光軸を挟んで
反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFA’に到達する
光(マージナル光線)の光路、K3BはBから屈折レン
ズ7の中心を通過してFBに到達する光の光路、K4B
はBから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過
してFBに到達する光(マージナル光線)の光路、FX
は光路K1Aと光路K1A’の交点、FYは光路K4A
と光路K4A’の交点である。
【0074】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するよ
うな光学系を設計する。
【0075】赤外受光素子3を筐体42に取り付け、屈
折レンズ7を通過しない赤外線を赤外受光素子3で受光
しないようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受
光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0076】Aから放射される光は光路K1A、K2
A、K3A、K4Aなどを通ってAの像点FAに到達す
る。幾何光学で周知の通り、Aの像点FAは光軸を挟ん
でAと反対側に形成される。図5中に示すように、光路
K2Aを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と
交叉してFAに到達し光軸から離れていく。同じよう
に、光路K1Aを通る光は、屈折レンズ7を通過して光
軸と交叉してFAに到達し光軸から離れていく。光路K
3Aを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉してFAに
到達し光軸から離れていく。光路K4Aを通る光は、光
軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通
過してからは光軸と交叉せずにFAに到達し、その後光
軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、A
の像点FAよりも屈折レンズから離れた位置でAから放
射される光が通過しない領域が存在する。この領域は、
FAよりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4Aと、
FA’よりも屈折レンズ7から遠い部分の光路K4A’
で挟まれた領域である。この領域に赤外受光素子3を設
置することで、A、A’から放射される赤外線を受光し
ない光学系が実現できる。
【0077】受光したくないプローブ2内壁の領域中の
B点は、Aよりも光軸から遠いため、屈折レンズ7によ
るBの像点FBがFAより光軸から遠くなることは周知
の通りである。従って、FAよりも屈折レンズ7から遠
い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ7から
遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域内に赤外受光素
子を設置することによってA、A’から放射される赤外
線を受光しないようにすれば、自動的にBから放射され
る赤外線も受光しない構成となる。
【0078】以上のように、FAよりも屈折レンズ7か
ら遠い部分の光路K4Aと、FA’よりも屈折レンズ7
から遠い部分の光路K4A’で挟まれた領域内に赤外受
光素子3を設置することによって、光軸付近の受光した
い領域、即ち鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過した赤外線のみを受光するような体温放射受光
部が得られる。
【0079】(実施例3)次に本発明の第3の実施例を
図6を用いて説明する。図6は本発明の第3の実施例に
おける脈波検出機能付き放射体温計の体温放射受光部お
よびプローブを示す構成図である。ここでプローブ2は
前記実施例と異なり、より外耳道に挿入し易いようR付
けの部分を持たせている。図6において、7は屈折レン
ズ、3は赤外受光素子、42は筐体である。α、α’は
屈折レンズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプ
ローブ2内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わ
る仮想先端点、Fは屈折レンズ7の焦点、Fα、Fα’
はそれぞれ屈折レンズ7によるα、α’の像点、K1α
はαから光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過
してFαへ進行する光(マージナル光線)の光路、K2
αはαから光軸と平行に進んで焦点Fを通過してFαに
到達する光の光路、K3αはαから屈折レンズ7の中心
を通過してFαに到達する光の光路、K4αはαから光
軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁を通過してFαに
到達する光(マージナル光線)の光路、K1α’はα’
から光軸に対して同じ側の屈折レンズ7の縁を通過して
Fα’へ進行する光(マージナル光線)の光路、K2
α’はα’から光軸と平行に進んで焦点Fを通過してF
α’に到達する光の光路、K3α’はα’から屈折レン
ズ7の中心を通過してFα’に到達する光の光路、K4
α’はα’から光軸を挟んで反対側の屈折レンズ7の縁
を通過してFα’に到達する光(マージナル光線)の光
路、FXは光路K1αと光軸との交点である。
【0080】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するよ
うな光学系を設計する。
【0081】赤外受光素子3を筐体42に取り付け、屈
折レンズ7を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受
光するようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受
光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0082】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ
2から放射される赤外光を受光しないようにすればよ
い。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の
境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対して
この仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ7
の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光
軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよ
い。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レン
ズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2
内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、
α’として、FαとFα’とFXで形成される三角形の
内側に赤外受光素子3を設置する。これにより、プロー
ブ2をαと屈折レンズ7の間で光路K1α、K1α’よ
りも光軸から遠くに位置させることになるため、プロー
ブ2からの光を受光しない光学系が得られる。
【0083】上記について詳細を以下に述べる。αから
放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αな
どを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の
通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成さ
れる。図6中に示すように、光路K2αを通る光は、屈
折レンズ7を通過してFで光軸と交叉したのち光軸から
離れながらFαに到達する。同じように、光路K1αを
通る光は、屈折レンズ7を通過して光軸と交叉したのち
光軸から離れながらFαに到達する。光路K3αを通る
光は、屈折レンズ7で光軸と交叉したのち光軸から離れ
ながらFαに到達する。光路K4αを通る光は、光軸と
交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通過し
てからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このよう
に、光路K1αと光軸が交叉する点FXよりも屈折レン
ズ7から離れた位置かつFαよりも屈折レンズ7に近い
位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在す
る。同じように、α’についても、光路K1α’と光軸
が交叉する点よりも屈折レンズ7から離れた位置かつF
α’よりも屈折レンズ7に近い位置で、α’から放射さ
れる光が通過しない領域が存在する。この、Fα、F
α’、FXで形成される三角形の内側よりに赤外受光素
子3を設置することで、α、α’から放射される光を受
光しない体温放射受光部が得られる。αと屈折レンズ7
の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、α
と同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光
と置き換えられる。この点の屈折レンズ7による像点は
Fαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通
りである。そのため、αからの光を受光しないようにす
れば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従
ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と
屈折レンズ7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分
からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’よ
り大きい点からの光と置き換えられる。この点の屈折レ
ンズ7による像点はFα’よりも光軸から遠くなること
は幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの
光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い
点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受
光しない。このように、FαとFα’とFXで形成され
る三角形の内側に赤外受光素子3を設置することでα、
α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、
自動的にプローブ2から放射される赤外線も受光しない
構成となる。
【0084】以下、αからの光を受光しないような赤外
受光素子3の位置を求める。
【0085】赤外受光素子3はFαよりも屈折レンズ7
に近い。この時、次式が成り立つ。
【0086】LαF≧f+L3 (1) したがって、 L3≦LαF−f (2) ここでLαF屈折レンズ7の中心からαの像点Fαまで
の距離、fは屈折レンズ7の中心から焦点Fまでの距
離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離であ
る。
【0087】図6に示すように、受光面は光路K1αと
光軸が交わる点FXとFαとの間であるので、αからF
αまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近
づくものはK1αである。したがって、αからの光を赤
外受光素子3で受光しないためには、次式を満たす必要
がある。
【0088】rαS1>rS (3) ここで、rαS1は光路K1αと赤外受光素子3の受光
面との交点FαS1から光軸までの距離、rSは赤外受
光素子3の半径である。また屈折レンズ7の半径をr
3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、
幾何光学で周知の通りr3、rαF、rαS1、L3、
fは幾何関係として(式4)を満たす。
【0089】
【数5】
【0090】したがって、(式5)を満たす。
【0091】
【数6】
【0092】(式5)を(式3)へ代入することで(式
6)が得られる。
【0093】
【数7】
【0094】(式2)、(式6)から、αから放射され
る光を赤外受光素子3で受光しないための条件は(式
7)となる。
【0095】
【数8】
【0096】さらにαから光軸までの距離をrα、プロ
ーブ2の先端から屈折レンズ7の中心までの距離をLα
としたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、r
αF、LαFは幾何関係として(式8)を満たす。
【0097】
【数9】
【0098】したがって、(式9)を満たす。
【0099】
【数10】
【0100】(式9)を(式7)へ代入することによ
り、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しない
ための条件は(式10)となる。
【0101】
【数11】
【0102】また、ガウスの公式から(式11)が成り
立つ。
【0103】
【数12】
【0104】したがって、(式12)が成り立つ。
【0105】
【数13】
【0106】(式12)を(式10)に代入することに
より、αから放射される光を赤外受光素子4で受光しな
いための条件は(式13)となる。
【0107】
【数14】
【0108】以上のように、プローブ2先端のαから放
射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、
(式7)、或いは(式10)、或いは(式13)を満た
すよう光学系を設計する必要がある。(式7)、(式1
0)、(式13)で与えられるL3だけ、赤外受光素子
3を屈折レンズ7の焦点からずらして設置することで、
プローブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受
光せずに、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2
を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させるこ
とができる。
【0109】(実施例4)次に本発明の第4の実施例を
図7に基づいて説明する。図7は本発明の第4の実施例
における脈波検出機能付き放射体温計の体温放射受光部
およびプローブを示す構成図である。図7において、2
はプローブで実施例3と同様にR付けの部分を持たせて
いる。また7は屈折レンズ、3は赤外受光素子、42は
筐体である。α、α’は屈折レンズ7の縁からこの縁と
光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプ
ローブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは屈折レンズ
7の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ屈折レンズ7による
α、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の
屈折レンズ7の縁を通過してFαへ進行する光(マージ
ナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで
焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはα
から屈折レンズ7の中心を通過してFαに到達する光の
光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の屈折レンズ
7の縁を通過してFαに到達する光(マージナル光線)
の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の屈折
レンズ7の縁を通過してFα’へ進行する光(マージナ
ル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進ん
で焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3
α’はα’から屈折レンズ7の中心を通過してFα’に
到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反
対側の屈折レンズ7の縁を通過してFα’に到達する光
(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸と
の交点である。
【0110】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するよ
うな光学系を設計する。
【0111】赤外受光素子3を筐体42に取り付け、屈
折レンズ7を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受
光するようにする。屈折レンズ7を通った赤外線のみ受
光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0112】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ
2から放射される赤外光を受光しないようにすればよ
い。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の
境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対して
この仮想した境界に位置する点と同じ側の屈折レンズ7
の縁を通過する光(マージナル光線)の光路よりも、光
軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよ
い。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、屈折レン
ズ7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2
内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、
α’として、Fαよりも屈折レンズ7から遠い部分の光
路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ7から遠い部分の
光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置す
る。これにより、プローブ2をαと屈折レンズ7の間で
光路K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させる
ことになるため、プローブ2からの光を受光しない光学
系が得られる。
【0113】上記について詳細を以下に述べる。
【0114】αから放射される光は光路K1α、K2
α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達す
る。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟ん
でαと反対側に形成される。図7中に示すように、光路
K2αを通る光は、屈折レンズ7を通過してFで光軸と
交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じよう
に、光路K1αを通る光は、屈折レンズ7を通過して光
軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K
3αを通る光は、屈折レンズ7で光軸と交叉してFαに
到達し光軸から離れていく。光路K4αを通る光は、光
軸と交叉して屈折レンズ7を通過し、屈折レンズ7を通
過してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光
軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、α
の像点Fαよりも屈折レンズ7から離れた位置でαから
放射される光が通過しない領域が存在する。同じように
α’についても、α’の像点Fα’よりも屈折レンズ7
から離れた位置でα’から放射される光が通過しない領
域が存在する。この、Fαよりも屈折レンズ7から遠い
部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ7から遠
い部分の光路K4α’で挟まれた領域内に赤外受光素子
を設置することによってα、α’から放射される赤外線
を受光しない体温放射受光部が得られる。αと屈折レン
ズ7の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光
は、αと同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点か
らの光と置き換えられる。この点の屈折レンズ7による
像点はFαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周
知の通りである。そのため、αからの光を受光しないよ
うにすれば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せ
ず、従ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、
α’と屈折レンズ7の間の光路K1α’より光軸から遠
い部分からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離が
α’より大きい点からの光と置き換えられる。この点の
屈折レンズ7による像点はFα’よりも光軸から遠くな
ることは幾何光学で周知の通りである。そのため、α’
からの光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸か
ら遠い点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの
光を受光しない。このように、Fαよりも屈折レンズ7
から遠い部分の光路K4αと、Fα’よりも屈折レンズ
7から遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受
光素子3を設置することでα、α’から放射される赤外
線を受光しないようにすれば、自動的にプローブ2から
放射される赤外線も受光しない構成となる。
【0115】以下、αからの光を受光しないような赤外
受光素子3の位置を求める。
【0116】赤外受光素子3はFαよりも屈折レンズ7
から遠い。この時、次式が成り立つ。
【0117】LαF≦f+L3 (14) したがって、 L3≧LαF−f (15) ここでLαFは屈折レンズ7の中心からαの像点Fαま
での距離、fは屈折レンズ7の中心から焦点Fまでの距
離、L3は焦点Fから赤外受光素子3までの距離であ
る。
【0118】図7に示すように、受光面はFαよりも屈
折レンズ7から遠いので、αからFαまでの各光路のう
ち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK4αで
ある。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光
しないためには、次式を満たす必要がある。
【0119】rαS4>rS (16) ここで、rαS4は光路K4αと赤外受光素子3の受光
面との交点FαS4から光軸までの距離、rSは赤外受
光素子3の半径である。また屈折レンズ7の半径をr
3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、
幾何光学で周知の通りr3、rαF、LαF、rαS
4、L3、fは幾何関係として(式17)を満たす。
【0120】
【数15】
【0121】したがって(式18)を満たす。
【0122】
【数16】
【0123】(式18)を(式16)へ代入することで
(式19)が得られる。
【0124】
【数17】
【0125】(式15)、(式19)から、αから放射
される光を赤外受光素子3で受光しないための条件は
(式20)となる。
【0126】
【数18】
【0127】さらにαから光軸までの距離をrα、プロ
ーブ2の先端から屈折レンズ7の中心までの距離をLα
としたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、r
αF、LαFは幾何関係として前記した(式8)を満た
す。したがって前記した(式9)を満たす。
【0128】(式9)を(式20)へ代入することによ
り、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しない
ための条件は(式21)となる。
【0129】
【数19】
【0130】また、ガウスの公式から前記した(式1
1)が成り立つ。したがって前記した(式12)が成り
立つ。
【0131】(式12)を(式21)に代入することに
より、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しな
いための条件は(式22)となる。
【0132】
【数20】
【0133】以上のように、αから放射される光を赤外
受光素子3で受光しないためには、(式20)、或いは
(式21)、或いは(式22)の条件を満たすよう光学
系を設計する必要がある。(式20)、(式21)、
(式22)で与えられるL3だけ、受光素子3を屈折レ
ンズ7の焦点からずらして設置することで、プローブ2
から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せずに、
鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過した
赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることができ
る。
【0134】以上、体温放射受光部の集光素子として屈
折レンズを用いた例を説明したが、透過型回折レンズを
用いても同様に赤外受光素子を配置することにより鼓膜
およびその近傍から放射されプローブ2を通過した赤外
線のみを赤外受光素子3で受光させることができる他、
レンズの成形が容易という効果がある。
【0135】(実施例5)次に本発明の第5の実施例を
図8を用いて説明する。図8は本発明の第5の実施例に
おける脈波検出機能付き放射体温計の体温放射受光部お
よびプローブを示す構成図である。ここで集光素子7は
前記実施例と異なり、集光ミラーを用いている。図8に
おいて、2はプローブ、3は赤外受光素子、42は筐体
である。α、α’は集光ミラー7の縁からこの縁と光軸
に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線がプロー
ブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは集光ミラー7の
焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー7によるα、
α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側の集光
ミラー7の縁で反射してFαへ進行する光(マージナル
光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進んで焦点
Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αはαから
集光ミラー7の中心で反射してFαに到達する光の光
路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラー7
の縁で反射してFαに到達する光(マージナル光線)の
光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の集光ミ
ラー7の縁で反射してFα’へ進行する光(マージナル
光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に進んで
焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K3α’
はα’から集光ミラー7の中心で反射してFα’に到達
する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで反対側
の集光ミラー7の縁で反射してFα’に到達する光(マ
ージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸との交
点である。
【0136】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するよ
うな光学系を設計する。
【0137】赤外受光素子3を筐体42に取り付け、集
光ミラー7で反射する赤外線のみを赤外受光素子3で受
光するようにする。集光ミラー7で反射した赤外線のみ
受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0138】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ
2から放射される赤外光を受光しないようにすればよ
い。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の
境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対して
この仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー7
の縁で反射する光(マージナル光線)の光路よりも、光
軸から遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよ
い。そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラ
ー7の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2
内壁へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、
α’として、FαとFα’とFXで形成される三角形の
内側に赤外受光素子3を設置する。これにより、プロー
ブ2をαと集光ミラー7の間で光路K1α、K1α’よ
りも光軸から遠くに位置させることになるため、プロー
ブ2からの光を受光しない光学系が得られる。
【0139】上記について詳細を以下に述べる。αから
放射される光は光路K1α、K2α、K3α、K4αな
どを通ってαの像点Fαに到達する。幾何光学で周知の
通り、αの像点Fαは光軸を挟んでαと反対側に形成さ
れる。図8中に示すように、光路K2αを通る光は、集
光ミラー7で反射してFで光軸と交叉したのち光軸から
離れながらFαに到達する。同じように、光路K1αを
通る光は、集光ミラー7で反射して光軸と交叉したのち
光軸から離れながらFαに到達する。光路K3αを通る
光は、集光ミラー7で光軸と交叉したのち光軸から離れ
ながらFαに到達する。光路K4αを通る光は、光軸と
交叉して集光ミラー7で反射し、集光ミラー7で反射し
てからは光軸と交叉せずにFαに到達する。このよう
に、光路K1αと光軸が交叉する点FXよりも集光ミラ
ー7から離れた位置かつFαよりも集光ミラー7に近い
位置で、αから放射される光が通過しない領域が存在す
る。同じように、α’についても、光路K1α’と光軸
が交叉する点よりも集光ミラー7から離れた位置かつF
α’よりも集光ミラー7に近い位置で、α’から放射さ
れる光が通過しない領域が存在する。この、Fα、F
α’、FXで形成される三角形の内側よりに赤外受光素
子3を設置することで、α、α’から放射される光を受
光しない体温放射受光部が得られる。αと集光ミラー7
の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、α
と同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光
と置き換えられる。この点の集光ミラー7による像点は
Fαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通
りである。そのため、αからの光を受光しないようにす
れば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従
ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と
集光ミラー7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分
からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’よ
り大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミ
ラー7による像点はFα’よりも光軸から遠くなること
は幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの
光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い
点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受
光しない。このように、FαとFα’とFXで形成され
る三角形の内側に赤外受光素子3を設置することでα、
α’から放射される赤外線を受光しないようにすれば、
自動的にプローブ2から放射される赤外線も受光しない
構成となる。
【0140】以下、αからの光を受光しないような赤外
受光素子3の位置を求める。
【0141】赤外受光素子3はFαよりも集光ミラーに
近い。この時、(式1)が成り立ち、したがって(式
2)が成り立つ。ここでLαFは集光ミラー7の中心か
らαの像点Fαまでの距離、fは集光ミラー7の中心か
ら焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光素子3
までの距離である。
【0142】図6に示すように、受光面は光路K1αと
光軸が交わる点FXとFαとの間であるので、αからF
αまでの各光路のうち受光面で赤外受光素子3に最も近
づくものはK1αである。したがって、αからの光を赤
外受光素子3で受光しないためには、(式3)を満たす
必要がある。ここで、rαS1は光路K1αと赤外受光
素子3の受光面との交点FαS1から光軸までの距離、
rSは赤外受光素子3の半径である。また集光ミラー7
の半径をr3、光軸から像点Fαまでの距離をrαFと
したとき、幾何光学で周知の通りr3、rαF、rαS
1、L3、fは幾何関係として(式4)を満たし、した
がって(式5)を満たす。また(式5)を(式3)へ代
入することで(式6)が得られる。(式2)、(式6)
から、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しな
いための条件は(式7)となる。
【0143】さらにαから光軸までの距離をrα、プロ
ーブ2の先端から集光ミラー7の中心までの距離をLα
としたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、r
αF、LαFは幾何関係として(式8)を満たし、した
がって、(式9)を満たす。(式9)を(式7)へ代入
することにより、αから放射される光を赤外受光素子3
で受光しないための条件は(式10)となる。また、ガ
ウスの公式から(式11)が成り立ち、したがって、
(式12)が成り立つ。(式12)を(式10)に代入
することにより、αから放射される光を赤外受光素子3
で受光しないための条件は(式13)となる。
【0144】以上のように、プローブ2先端のαから放
射される光を赤外受光素子3で受光しないためには、
(式7)、或いは(式10)、或いは(式13)を満た
すよう光学系を設計する必要がある。(式7)、(式1
0)、(式13)で与えられるL3だけ、赤外受光素子
3を集光ミラー7の焦点からずらして設置することで、
プローブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受
光せずに、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2
を通過した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させるこ
とができる。
【0145】(実施例6)次に本発明の第6の実施例を
図9に基づいて説明する。図9は本発明の第6の実施例
における脈波検出機能付き放射体温計の体温放射受光部
およびプローブを示す構成図である。図9において、2
はプローブ、7は集光ミラー、3は赤外受光素子、42
は筐体である。α、α’は集光ミラー7の縁からこの縁
と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁へ接する直線が
プローブ2の先端面と交わる仮想先端点、Fは集光ミラ
ー7の焦点、Fα、Fα’はそれぞれ集光ミラー7によ
るα、α’の像点、K1αはαから光軸に対して同じ側
の集光ミラー7の縁で反射してFαへ進行する光(マー
ジナル光線)の光路、K2αはαから光軸と平行に進ん
で焦点Fを通過してFαに到達する光の光路、K3αは
αから集光ミラー7の中心で反射してFαに到達する光
の光路、K4αはαから光軸を挟んで反対側の集光ミラ
ー7の縁で反射してFαに到達する光(マージナル光
線)の光路、K1α’はα’から光軸に対して同じ側の
集光ミラー7の縁を通過してFα’へ進行する光(マー
ジナル光線)の光路、K2α’はα’から光軸と平行に
進んで焦点Fを通過してFα’に到達する光の光路、K
3α’はα’から集光ミラー7の中心で反射してFα’
に到達する光の光路、K4α’はα’から光軸を挟んで
反対側の集光ミラー7の縁で反射してFα’に到達する
光(マージナル光線)の光路、FXは光路K1αと光軸
との交点である。
【0146】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過する赤外線のみを赤外受光素子3で受光するよ
うな光学系を設計する。
【0147】赤外受光素子3を筐体42に取り付け、集
光ミラー7で反射する赤外線のみを赤外受光素子3で受
光するようにする。集光ミラー7で反射した赤外線のみ
受光する構成にした上で以下の設計を行う。
【0148】鼓膜およびその近傍から放射されプローブ
2を通過した赤外光のみを受光するためには、プローブ
2から放射される赤外光を受光しないようにすればよ
い。そのため、受光したい領域と受光したくない領域の
境界に位置する点を仮想し、この点から、光軸に対して
この仮想した境界に位置する点と同じ側の集光ミラー7
で反射する光(マージナル光線)の光路よりも、光軸か
ら遠くに位置するようにプローブ2を設置すればよい。
そこで、上記仮想の境界に位置する点を、集光ミラー7
の縁からこの縁と光軸に対して同じ側のプローブ2内壁
へ接する直線がプローブ2の先端面と交わる点α、α’
として、Fαよりも集光ミラー7から遠い部分の光路K
4αと、Fα’よりも集光ミラー7から遠い部分の光路
K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子3を設置する。
これにより、プローブ2をαと集光ミラー7の間で光路
K1α、K1α’よりも光軸から遠くに位置させること
になるため、プローブ2からの光を受光しない光学系が
得られる。
【0149】上記について詳細を以下に述べる。
【0150】αから放射される光は光路K1α、K2
α、K3α、K4αなどを通ってαの像点Fαに到達す
る。幾何光学で周知の通り、αの像点Fαは光軸を挟ん
でαと反対側に形成される。図9中に示すように、光路
K2αを通る光は、集光ミラー7で反射してFで光軸と
交叉してFαに到達し光軸から離れていく。同じよう
に、光路K1αを通る光は、集光ミラー7で反射して光
軸と交叉してFαに到達し光軸から離れていく。光路K
3αを通る光は、集光ミラー7で光軸と交叉してFαに
到達し光軸から離れていく。光路K4αを通る光は、光
軸と交叉して集光ミラー7で反射し、集光ミラー7で反
射してからは光軸と交叉せずにFαに到達し、その後光
軸に近づくかあるいは遠ざかっていく。このように、α
の像点Fαよりも集光ミラー7から離れた位置でαから
放射される光が通過しない領域が存在する。同じように
α’についても、αの像点Fαよりも集光ミラー7から
離れた位置でαから放射される光が通過しない領域が存
在する。この、Fαよりも集光ミラー7から遠い部分の
光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー7から遠い部分
の光路K4α’で挟まれた領域内に赤外受光素子3を設
置することによってα、α’から放射される赤外線を受
光しない体温放射受光部が得られる。αと集光ミラー7
の間の光路K1αより光軸から遠い部分からの光は、α
と同じ面内で光軸からの距離がαより大きい点からの光
と置き換えられる。この点の集光ミラー7による像点は
Fαよりも光軸から遠くなることは幾何光学で周知の通
りである。そのため、αからの光を受光しないようにす
れば、αよりも光軸から遠い点からの光を受光せず、従
ってプローブ2からの光を受光しない。同様に、α’と
集光ミラー7の間の光路K1α’より光軸から遠い部分
からの光は、α’と同じ面内で光軸からの距離がα’よ
り大きい点からの光と置き換えられる。この点の集光ミ
ラー7による像点はFα’よりも光軸から遠くなること
は幾何光学で周知の通りである。そのため、α’からの
光を受光しないようにすれば、α’よりも光軸から遠い
点からの光を受光せず、従ってプローブ2からの光を受
光しない。このように、Fαよりも集光ミラー7から遠
い部分の光路K4αと、Fα’よりも集光ミラー7から
遠い部分の光路K4α’で挟まれた領域に赤外受光素子
3を設置することでα、α’から放射される赤外線を受
光しないようにすれば、自動的にプローブ2から放射さ
れる赤外線も受光しない構成となる。
【0151】以下、αからの光を受光しないような赤外
受光素子3の位置を求める。
【0152】赤外受光素子3はFαよりも集光ミラー7
から遠い。この時、(式14)が成り立ち、したがって
(式15)が成り立つ。ここでLαFは集光ミラー7の
中心からαの像点Fαまでの距離、fは集光ミラー7の
中心から焦点Fまでの距離、L3は焦点Fから赤外受光
素子3までの距離である。
【0153】図9に示すように、受光面はFαよりも集
光ミラー7から遠いので、αからFαまでの各光路のう
ち受光面で赤外受光素子3に最も近づくものはK4αで
ある。したがって、αからの光を赤外受光素子3で受光
しないためには、(式16)を満たす必要がある。ここ
で、rαS4は光路K4αと赤外受光素子3の受光面と
の交点FαS4から光軸までの距離、rSは赤外受光素
子3の半径である。また集光ミラー7の半径をr3、光
軸から像点Fαまでの距離をrαFとしたとき、幾何光
学で周知の通りr3、rαF、LαF、rαS4、L
3、fは幾何関係として(式17)を満たし、したがっ
て(式18)を満たす。(式18)を(式16)式へ代
入することで(式19)が得られる。(式15)、(式
19)から、αから放射される光を赤外受光素子3で受
光しないための条件は(式20)となる。
【0154】さらにαから光軸までの距離をrα、プロ
ーブ2の先端から集光ミラー7の中心までの距離をLα
としたときに、幾何光学で周知の通り、rα、Lα、r
αF、LαFは幾何関係として(式8)を満たし、した
がって(式9)を満たす。(式9)を(式20)へ代入
することにより、αから放射される光を赤外受光素子3
で受光しないための条件は(式21)となる。また、ガ
ウスの公式から(式11)が成り立つので、(式12)
が成り立つ。(式12)を(式21)に代入することに
より、αから放射される光を赤外受光素子3で受光しな
いための条件は(式22)となる。
【0155】以上のように、αから放射される光を赤外
受光素子3で受光しないためには、(式20)、或いは
(式21)、或いは(式22)の条件を満たすよう光学
系を設計する必要がある。(式20)、(式21)、
(式22)で与えられるL3だけ、赤外受光素子3を集
光ミラー7の焦点からずらして設置することで、プロー
ブ2から放射される赤外線を赤外受光素子3で受光せず
に、鼓膜およびその近傍から放射されプローブ2を通過
した赤外線のみを赤外受光素子3で受光させることがで
きる。
【0156】以上、体温放射受光部の集光素子として集
光ミラーを用いた例を説明したが、屈折レンズを使う場
合に比べ、透過損失がなく受光量を増大させる効果があ
る。また、反射型回折レンズを用いても同様に赤外受光
素子3を配置することにより鼓膜およびその近傍から放
射されプローブ2を通過した赤外線のみを赤外受光素子
3で受光させることができる他、ミラーの成形が容易と
いう効果がある。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように本発明の脈波検出機
能付き放射体温計は以下の効果を有する。
【0158】本発明の請求項1にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、鼓膜およびその近傍から直接放
射される赤外線のみを受光する外耳道の外に位置するよ
うに配置された体温放射受光部からの出力を体温信号処
理手段で温度に演算すると同時に、外耳道もしくはその
近傍の血流情報を光電的に得る脈波採取手段からの出力
を脈波信号演算手段により演算し、これら体温信号処理
手段の演算結果の温度と脈波信号処理手段の演算結果を
報知手段で報知するので、脈波採取手段の発熱や体温の
熱伝導等による鼓膜およびその近傍以外からの熱輻射の
影響を受けず、正確な鼓膜温度測定と脈波検出を同時に
実現することができる。また、体温放射受光部は外耳道
の外に位置するように配置されているので測定中に体温
放射受光部の温度変化が少なく、正確な体温測定を実現
できる。
【0159】本発明の請求項2にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、脈波信号処理手段は脈波採取手
段の出力信号から脈拍数を演算して出力するので、正確
な鼓膜温度測定と脈拍数測定を同時に実現することがで
きる。
【0160】本発明の請求項3にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、加速度脈波演算手段が脈波採取
手段の出力信号から加速度脈波脈波波形を算出しさらに
波形タイプを判定して出力するので、正確な鼓膜温度測
定と加速度脈波による循環機能診断を同時に実現するこ
とができる。
【0161】本発明の請求項4にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、報知手段は体温信号処理手段の
演算結果の温度もしくは脈波信号処理手段の演算結果を
音声で報知するので、鼓膜およびその近傍以外からの熱
輻射の影響を受けず、音声による報知や脈拍数検出のた
めに耳に挿入している時間が長くなっても正確な鼓膜温
度を検出することができるため、実質的な音声報知が可
能で、暗闇での検温や目の不自由な人の検温も可能とな
る。
【0162】本発明の請求項5にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、体温信号処理手段は演算結果の
温度と脈波信号処理手段の演算結果とを基に体調を診断
し診断結果を音声で報知するので、他の体温測定方法と
の違いによる検温結果の違いに対して使用者が誤った判
断をすることはない。
【0163】本発明の請求項6にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、体温放射受光部の赤外受光素子
には集光素子で集光された赤外線が入射し、また赤外受
光素子を集光素子の焦点位置から後方に離して設置する
ことで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を
赤外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光
領域を制限することができる。その結果、鼓膜およびそ
の近傍から放射されプローブを通過した放射光のみをス
ポット的に検出することができ、プローブの温度変化の
影響が測定誤差要因とならないので耳に挿入している時
間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的
に音声報知が可能となる上、さらに、プローブに脈波採
取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を生じさせ
ず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現できる。ま
た、体温放射受光部は外耳道の外に位置するように配置
されているので測定中に体温放射受光部の温度変化が少
なく、正確な体温測定を実現できる。
【0164】本発明の請求項7にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、赤外受光素子は仮想先端点と同
じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端
点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも集光素子
から遠く且つ集光素子による仮想先端点の像点よりも集
光素子に近い領域に設置することで、プローブ内壁から
集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ
進行させることができ、受光領域を制限することができ
る。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜
およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入して
いる時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、
実質的に音声報知が可能となる上、さらに、プローブに
脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を生
じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現でき
る。
【0165】本発明の請求項8にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、赤外受光素子は仮想先端点と同
じ側の集光素子の縁を通過して集光素子による仮想先端
点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、集光素子に
よる仮想先端点の2つの像点とで形成される、集光素子
の子午面内の三角形内に設置することで、プローブ内壁
から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位
置へ進行させることができ、受光領域を制限することが
できる。その結果、プローブの温度変化の影響を受けず
鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入
している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成ら
ず、実質的に音声報知が可能となる上、さらに、プロー
ブに脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差
を生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現で
きる。
【0166】本発明の請求項9にかかる脈波検出機能付
き放射体温計によれば、赤外受光素子を、集光素子の縁
から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブ
の内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先端
の面と交叉する仮想先端点の集光素子による像点よりも
前記集光素子から遠い領域に設置することで、プローブ
内壁から集光素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外
の位置へ進行させることができ、受光領域を制限するこ
とができる。その結果、プローブの温度変化の影響を受
けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に
挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは
成らず、実質的に音声報知が可能となる上、さらに、プ
ローブに脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる
誤差を生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実
現できる。
【0167】本発明の請求項10にかかる脈波検出機能
付き放射体温計によれば、赤外受光素子を、集光素子の
縁から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプロー
ブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの先
端の面と交叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想
先端点と反対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光
素子による前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素
子の子午面内の2つの光路で挟まれた領域に設置するこ
とで、プローブ内壁から集光素子に入射する赤外線を赤
外受光素子以外の位置へ進行させることができ、受光領
域を制限することができる。その結果、プローブの温度
変化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定で
きるので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温
度誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる
上、さらに、プローブに脈波採取手段を構成しても発熱
や光漏れによる誤差を生じさせず正確な体温測定と脈波
検出を同時に実現できる。
【0168】本発明の請求項11にかかる脈波検出機能
付き放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の焦
点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と
光軸との距離rαと、仮想先端点と集光素子との距離L
αと、集光素子の半径r3を用いて、前記の(式13)
で与えられるL3だけ集光素子の焦点よりも集光素子か
ら遠くに設置することで、プローブ内壁から集光素子に
入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行させる
ことができ、受光領域を制限することができる。その結
果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およびその
近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している時間が
長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質的に音
声報知が可能となる上、さらに、プローブに脈波採取手
段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を生じさせず正
確な体温測定と脈波検出を同時に実現できる。
【0169】本発明の請求項12にかかる脈波検出機能
付き放射体温計によれば、赤外受光素子は集光素子の焦
点距離fと、赤外受光素子の半径rSと、仮想先端点と
光軸との距離rαと、仮想先端点と前記集光素子との距
離Lαと、集光素子の半径r3を用いて、前記の(式2
2)で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光
素子から遠くに設置することで、プローブ内壁から集光
素子に入射する赤外線を赤外受光素子以外の位置へ進行
させることができ、受光領域を制限することができる。
その結果、プローブの温度変化の影響を受けず鼓膜およ
びその近傍の温度を測定できるので、耳に挿入している
時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成らず、実質
的に音声報知が可能となる上、さらに、プローブに脈波
採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤差を生じさ
せず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現できる。
【0170】本発明の請求項13にかかる脈波検出機能
付き放射体温計によれば、屈折レンズにより、赤外受光
素子には集光された赤外線が入射するので、受光領域を
制限することができ、プローブの温度変化の影響を受け
ず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿
入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成
らず、実質的に音声報知が可能となる上、さらに、プロ
ーブに脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤
差を生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現
できる。
【0171】本発明の請求項14にかかる脈波検出機能
付き放射体温計によれば、透過型回折レンズにより、赤
外受光素子には集光された赤外線が入射するので、受光
領域を制限することができ、プローブの温度変化の影響
を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、
耳に挿入している時間が長くなっても測定温度誤差要因
とは成らず、実質的に音声報知が可能となる上、さら
に、プローブに脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れ
による誤差を生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同
時に実現できる。また、容易に製造できる効果がある。
【0172】本発明の請求項15にかかる脈波検出機能
付き放射体温計によれば、集光ミラーにより、赤外受光
素子には集光された赤外線が入射するので、受光領域を
制限することができ、プローブの温度変化の影響を受け
ず鼓膜およびその近傍の温度を測定できるので、耳に挿
入している時間が長くなっても測定温度誤差要因とは成
らず、実質的に音声報知が可能となる上、さらに、プロ
ーブに脈波採取手段を構成しても発熱や光漏れによる誤
差を生じさせず正確な体温測定と脈波検出を同時に実現
できる。さらに、透過損失が無く赤外光を有効に赤外受
光素子に導く効果がある。
【0173】また本発明の請求項16にかかる脈波検出
機能付き放射体温計によれば、反射型回折レンズによ
り、赤外受光素子には集光された赤外線が入射するの
で、受光領域を制限することができ、プローブの温度変
化の影響を受けず鼓膜およびその近傍の温度を測定でき
るので、耳に挿入している時間が長くなっても測定温度
誤差要因とは成らず、実質的に音声報知が可能となる
上、さらに、プローブに脈波採取手段を構成しても発熱
や光漏れによる誤差を生じさせず正確な体温測定と脈波
検出を同時に実現できる。さらに、透過損失が無く赤外
光を有効に赤外受光素子に導く効果があり、また製造が
容易という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における脈波検出機能付
き放射体温計の構成ブロック図
【図2】心電計による心電図とともに示した同脈波検出
機能付き放射体温計の脈波採取手段と加速度脈波算出手
段の出力図
【図3】同脈波検出機能付き放射体温計で用いる加速度
脈波波形のパターン図
【図4】同脈波検出機能付き放射体温計の体温放射受光
部の要部拡大図
【図5】本発明の第2の実施例における体温放射受光部
の要部拡大図
【図6】本発明の第3の実施例における体温放射受光部
の要部拡大図
【図7】本発明の第4の実施例における体温放射受光部
の要部拡大図
【図8】本発明の第5の実施例における体温放射受光部
の要部拡大図
【図9】本発明の第6の実施例における体温放射受光部
の要部拡大図
【図10】第1の従来例における放射体温計の構成図
【図11】第2の従来例における放射体温計の構成図
【図12】反射材料の反射角度と輻射率の関係を示す特
性図
【図13】第3の従来例における脈波検出機能付き体温
計の構成図
【符号の説明】
2 プローブ 3 赤外受光素子 7 集光素子 23 体温放射受光部 28 脈波採取手段 31 脈波信号処理手段 33 脈拍数演算手段 34 加速度脈波演算手段 37 報知手段 40 音声報知手段

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鼓膜およびその近傍から直接放射される赤
    外線のみを受光する外耳道の外に位置するように配置さ
    れた体温放射受光部と、前記体温放射受光部の出力を温
    度に演算する体温信号処理手段と、外耳道もしくはその
    近傍の血流情報を得る脈波採取手段と、前記脈波採取手
    段の出力を演算する脈波信号処理手段と、前記体温信号
    処理手段と前記脈波信号処理手段との出力を報知する報
    知手段とからなり、前記体温放射受光部は鼓膜およびそ
    の近傍以外からの熱輻射の影響を受けない構成とする脈
    波検出機能付き放射体温計。
  2. 【請求項2】脈波信号処理手段は脈波採取手段の出力信
    号から脈拍数を演算して出力する請求項1記載の脈波検
    出機能付き放射体温計。
  3. 【請求項3】脈波信号処理手段は脈波採取手段の出力信
    号を2次微分して加速度脈波を算出しその形状から波形
    タイプを判定して出力する加速度脈波演算手段を持つ請
    求項1ないし2のいずれか1項に記載の脈波検出機能付
    き放射体温計。
  4. 【請求項4】報知手段は体温信号処理手段の演算結果の
    温度もしくは脈波信号処理手段の演算結果を音声で報知
    する音声報知手段を有する請求項1ないし3のいずれか
    1項に記載の脈波検出機能付き放射体温計。
  5. 【請求項5】体温信号処理手段の演算結果の温度と脈波
    信号処理手段の演算結果を基に体調を診断する体調診断
    手段を持ち、報知手段は体調診断手段の診断結果を報知
    する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の脈波検出
    機能付き放射体温計。
  6. 【請求項6】外耳道に挿入され鼓膜に向きを固定し鼓膜
    およびその近傍から放射された赤外線を通過させるプロ
    ーブと、前記プローブを通過した赤外線を受光する外耳
    道の外に位置するように配置された体温放射受光部と、
    前記体温放射受光部の出力を温度に演算する体温信号処
    理手段と、前記プローブの外耳道に面する側に構成され
    外耳道もしくはその近傍の血流情報を得る脈波採取手段
    と、前記脈波採取手段の出力を演算する脈波信号処理手
    段と、前記信号処理手段の出力を報知する報知手段とか
    らなり、前記体温受光部は少なくともプローブを通過し
    た赤外線を集光する集光素子と、前記集光素子で集光さ
    れた赤外線を受光する赤外受光素子を有し、前記赤外受
    光素子を前記集光素子の焦点位置から後方に離して設置
    することにより受光領域を制限する請求項1ないし5の
    いずれか一に記載の脈波検出機能付き放射体温計。
  7. 【請求項7】赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に
    対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接
    するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉
    する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ
    側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮
    想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点よりも前
    記集光素子から遠く且つ前記集光素子による前記仮想先
    端点の像点よりも前記集光素子に近い領域に設置するこ
    とを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の脈波検出機能付き放射体温計。
  8. 【請求項8】赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に
    対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接
    するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉
    する仮想先端点から光軸に対して前記仮想先端点と同じ
    側の集光素子の縁を通過して前記集光素子による前記仮
    想先端点の像点へ到達する光路と光軸との交点と、前記
    集光素子による前記仮想先端点の2つの像点とで形成さ
    れる、前記集光素子の子午面内の三角形内に設置するこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の脈波検出機能付き放射体温計。
  9. 【請求項9】赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸に
    対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に接
    するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交叉
    する仮想先端点の集光素子による像点よりも前記集光素
    子から遠い領域に設置することを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれか1項に記載の脈波検出機能付き放射体
    温計。
  10. 【請求項10】赤外受光素子を、集光素子の縁から光軸
    に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブの内壁に
    接するように引いた直線が前記プローブの先端の面と交
    叉する仮想先端点から光軸を挟んで前記仮想先端点と反
    対側の前記集光素子の縁を通過して前記集光素子による
    前記仮想先端点の像点へ到達する前記集光素子の子午面
    内の2つの光路で挟まれた領域に設置することを特徴と
    する請求項1ないし6および請求項9のいずれか1項に
    記載の脈波検出機能付き放射体温計。
  11. 【請求項11】赤外受光素子を、集光素子の焦点距離f
    と、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁
    から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側のプローブ
    の内壁に接するように引いた直線が前記プローブ先端の
    面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、前記仮
    想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集光素子
    の半径r3を用いて、 【数1】 で与えられるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素
    子から遠くに設置したことを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載の脈波検出機能付き放射体温
    計。
  12. 【請求項12】赤外受光素子を、集光素子の焦点距離f
    と、前記赤外受光素子の半径rSと、前記集光素子の縁
    から光軸に対して前記集光素子の縁と同じ側の前記プロ
    ーブの内壁に接するように引いた直線が前記プローブの
    先端の面と交叉する仮想先端点と光軸との距離rαと、
    前記仮想先端点と前記集光素子との距離Lαと、前記集
    光素子の半径r3を用いて、 【数2】 で表されるL3だけ前記集光素子の焦点よりも集光素子
    から遠くに設置したことを特徴とする請求項1ないし6
    および請求項9のいずれか1項に記載の脈波検出機能付
    き放射体温計。
  13. 【請求項13】集光素子が屈折レンズであることを特徴
    とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の脈波
    検出機能付き放射体温計。
  14. 【請求項14】集光素子が透過型回折レンズであること
    を特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載
    の脈波検出機能付き放射体温計。
  15. 【請求項15】集光素子が集光ミラーであることを特徴
    とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の脈波
    検出機能付き放射体温計。
  16. 【請求項16】集光素子が反射型回折レンズであること
    を特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載
    の脈波検出機能付き放射体温計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006505300A (ja) * 2002-04-19 2006-02-16 コーリンメディカルテクノロジー株式会社 生理学的パラメータ測定用ヘッドフォン装置
JP2017201328A (ja) * 2012-11-19 2017-11-09 カズ ヨーロッパ エス・アー・エール・エル 改良された光学システムを有する医療温度計
JP7010565B2 (ja) 2017-09-20 2022-01-26 雅樹 野 脊椎動物の健康状態検出制御装置

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