JPH11160156A - 赤外線検出器及びこれを用いた放射体温計 - Google Patents

赤外線検出器及びこれを用いた放射体温計

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JPH11160156A
JPH11160156A JP9324096A JP32409697A JPH11160156A JP H11160156 A JPH11160156 A JP H11160156A JP 9324096 A JP9324096 A JP 9324096A JP 32409697 A JP32409697 A JP 32409697A JP H11160156 A JPH11160156 A JP H11160156A
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infrared
curved body
infrared detector
infrared sensor
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Makoto Shibuya
誠 渋谷
Kazunari Nishii
一成 西井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、物体から放射される赤外線を検出
する赤外線検出器において、視野以外の赤外線を完全に
遮り正確な測定ができるようにするものである。 【解決手段】 赤外線透過孔14を設け、内面を鏡面に
することにより赤外線の反射を高めた2次曲面体12
と、前記赤外線透過孔14から入射した赤外線を検出す
る赤外線センサ部11とを有し、前記赤外線センサ部1
1を前記2次曲面体12の焦点F位置に設置する構成と
している。従って、視野以外の赤外線を完全に遮り、正
確な測定をすることができるという効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体から放射され
る赤外線を検出する赤外線検出器であり、特にその光学
系と、この赤外線検出器を用いた放射体温計に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の赤外線検出器は、特開平8
−254466号公報に記載されているものが一般的で
あった。この赤外線検出器1が赤外線を検知する原理に
ついて図14を用いて説明する。すべての物体はその絶
対温度の応じた赤外線を輻射している。赤外線検出器1
はこの赤外線を検知するものである。赤外線検出器1
は、赤外線を受けて信号を出力する赤外線センサ部2
と、被測定物3から輻射される赤外線を導くための導波
管4とを有している。また、導波管4は金属よりなり、
その内面は赤外線の反射を高めるように鏡面加工をされ
ている。
【0003】被測定物3から輻射される赤外線は、破線
Aのように赤外線センサ部2に直接入射するか、一点鎖
線Bのように導波管4の内面で反射を繰り返しながら赤
外線センサ部2に入射する。赤外線センサ部2は入射し
た赤外線の総和を信号として出力することで赤外線を検
知する。光軸に対して小さな角度で入射する赤外線は赤
外線センサ部2に直接入射し、光軸に対して大きな角度
で入射する赤外線は導波管4内面で反射を繰り返しなが
ら赤外線センサ部2に入射するため結果として視野角θ
1は広くなり、広い範囲の赤外線を集光することにな
る。
【0004】赤外線センサ部2の出力信号電圧Vは、赤
外線センサ部2として焦電素子やサーモパイル等の熱型
素子を使用したものを用いた場合、被測定物3の絶対温
度をTt,赤外線センサ部2の絶対温度をTsとしたと
き、(数1)で表される(Kは比例定数)。
【0005】
【数1】
【0006】これは、赤外線センサ部2が、被測定物3
の絶対温度の4乗と赤外線センサ部2自身の絶対温度の
4乗差に比例した出力信号を発生することを意味してい
る。従って、赤外線センサ部2の出力信号より、被測定
物3と赤外線センサ部2自身の温度差を検知することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の赤外線検出器1では、視野を絞ることができず、広い
範囲の赤外線が赤外線センサ部2に入射するため、測定
値は被測定物3の広い範囲の温度の平均値となってしま
い、正確な測定ができないという課題があった。また、
導波管4内面で反射しながら入射する赤外線を無くし視
野を絞るために導波管4内面を黒色塗装して赤外線の反
射を抑える構成とすると、導波管4内面から輻射される
赤外線が赤外線センサ部2に入射し、正確な測定の妨げ
となる。
【0008】この課題を解決し視野を絞るための構成と
して、実開平4−85132号公報,特開平1−155
220号公報,特開平1−102328号公報等の先行
例があり、以下にこれらを説明する。
【0009】実開平4−85132号公報に記載の構成
を図15に示す。赤外線センサ部2に赤外線を導く導波
管4の内面に鏡面仕上げされた波形突起5、例えばネジ
状の突起を配設したものである。これにより、視野以外
から輻射された赤外線は突起5に当たり赤外線センサ部
2と逆方向に反射される。
【0010】しかしながら、このようなネジ状の突起5
では、突起5の面で反射する赤外線のうちすべてが赤外
線センサ部2と逆方向へ反射されるわけではなく、一部
は赤外線センサ部2方向へ入射する。具体的には、破線
Cで示すように、突起5の外側に向いた面で反射し、次
に突起5の内側に向いた面で反射する赤外線は赤外線セ
ンサ部2方向に進入する。そのため、この構成では視野
以外の赤外線を完全に遮ることができないため、正確な
測定ができるとは言えない。
【0011】また、この公報において波形鏡面突起5の
形状は、ネジ状,円柱状以外の形状は何ら具体的に開示
されていない。
【0012】また、特開平1−155220号公報に記
載の構成を図16に示す。赤外線センサ部2に赤外線を
導く導波管4の内部にリング状の凹面鏡6を設置した構
成である。この凹面鏡6により視野が絞られ、凹面鏡6
よりも被測定物3側における導波管4内部での赤外線の
反射や、不要な赤外線輻射が遮られるものである。
【0013】しかしながら、この構成では、凹面鏡6よ
りも赤外線センサ部2側での導波管4内部における反射
や、不要な赤外線輻射を遮ることができない。また、赤
外線センサ部2を設置したセンサ室7内部で赤外線の乱
反射が赤外線センサ部2に入射することも遮ることがで
きないため、この構成では視野以外の赤外線を完全に遮
ることができないため、正確な測定ができるとは言えな
い。
【0014】また、特開平1−102328号公報に記
載の構成を図17に示す。赤外線センサ部2の前に凹面
鏡の絞り8を配置する構成である。この絞り8は、赤外
線センサ部2の温度測定範囲を広くするのが目的で、低
温を測定する場合は外されており、高温の物体を測定す
るときに、赤外線センサ部2の出力を飽和させないため
に、絞り8が配置される。このときに絞り8を挿入した
ことにより、絞り8表面での赤外線の乱反射が赤外線セ
ンサ部2に入射するのを遮るために凹面鏡としている。
【0015】しかしながら、この構成では、低温測定時
は凹面鏡の絞り8を用いない。そのため、センサ室7で
の赤外線の乱反射が赤外線センサ部2に入射するのを遮
ることができない。つまり、この構成では視野以外の赤
外線を常に遮ることができないため、正確な測定ができ
るとは言えない。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、赤外線透過孔を設け、内面を鏡面仕上げする
ことにより赤外線の反射を高めた2次曲面体と、前記赤
外線透過孔から入射した赤外線を検出する赤外線センサ
部とを有し、前記赤外線センサ部が前記2次曲面体の焦
点位置に設置する構成としたものである。
【0017】上記発明によれば、光軸に対して視野角よ
り大きな角度で入射する赤外線は2次曲面体2で反射し
ても赤外線センサ部には入射しない。従って、視野以外
の赤外線を完全に遮り、被測定物からの赤外線のみを検
知し正確な測定をすることができる。また、2次曲面体
の内面は鏡面にすることにより赤外線の反射を高くして
いるため輻射率は低くなり、2次曲面体からの赤外線輻
射も極めて少ない。従って、不要な赤外線を受けず正確
な測定ができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる赤外線
検出器は、赤外線透過孔を設け、内面を鏡面仕上げする
ことにより赤外線の反射を高めた2次曲面体と、前記赤
外線透過孔から入射した赤外線を検出する赤外線センサ
部とを有し、前記赤外線センサ部が前記2次曲面体の焦
点位置に設置する構成としている。
【0019】上記発明によれば、光軸に対して視野角よ
り大きな角度で入射する赤外線は2次曲面体で反射して
も赤外線センサ部には入射しない。従って、視野以外の
赤外線を完全に遮り、被測定物からの赤外線のみを検知
し正確な測定をすることができる。また、2次曲面体の
内面は鏡面仕上げされ赤外線の反射を高くしているため
輻射率は低くなり、2次曲面体からの赤外線輻射も極め
て少ない。従って、不要な赤外線を受けず正確な測定が
できる。
【0020】本発明の請求項2にかかる赤外線検出器
は、赤外線透過孔を設け、内面を鏡面仕上げすることに
より赤外線の反射を高めた2次曲面体と、表面を鏡面に
することにより赤外線の反射を高めた平面と、前記赤外
線透過孔から入射した赤外線を検出する赤外線センサ部
とを有し、前記赤外線センサ部が前記2次曲面体の焦点
位置に設置する構成としている。
【0021】本発明の請求項3にかかる赤外線検出器
は、2次曲面体として球面体を用いたものである。
【0022】本発明の請求項4にかかる赤外線検出器
は、2次曲面体を放物面体を用いたものである。
【0023】本発明の請求項5にかかる赤外線検出器
は、2次曲面体を近似2次曲面体で構成したものであ
る。
【0024】本発明の請求項6にかかる赤外線検出器
は、共通の軸を有し、焦点位置を共有する複数の2次曲
面体で構成したものである。
【0025】そして、2次曲面とそれに対向する面によ
り作られるセンサを設置する空間の内径を、単一の2次
曲面で構成するより小さくできる。従って、小さな構成
で視野以外の赤外線を完全に遮り、被測定物からの赤外
線を正確に検知し正確な測定をすることができる。
【0026】本発明の請求項7にかかる赤外線検出器
は、2次曲面体と、前記2次曲面体と隣り合う別の2次
曲面体が、軸を共有する円筒を経て結合したものであ
る。
【0027】そして、2次曲面とそれに対向する面によ
り作られるセンサを設置する空間の内径が、単一の2次
曲面で構成するより複数の2次曲面と軸を共有する円筒
で構成する方が小さくできる。従って、小さな構成で視
野以外の赤外線を完全に遮り、被測定物からの赤外線を
正確に検知し正確な測定をすることができる。
【0028】本発明の請求項8にかかる赤外線検出器
は、赤外線センサ部は、赤外線検知素子と、前記赤外線
検知素子を収容し開口部を有する金属製の管と、前記開
口部を気密封止する窓を有し、前記管の内面を球面体と
し、前記球面体の焦点に前記赤外線センサ部素子の中心
を設置したものである。
【0029】本発明の請求項9にかかる赤外線検出器
は、赤外線センサ部が、赤外線検知素子と、前記赤外線
検知素子を収容し開口部を有する金属製の管と、前記開
口部を気密封止する窓を有し、前記管の前記開口部が配
された面が、放物面体と対向する平面となるよう構成し
たものである。
【0030】本発明の請求項10にかかる赤外線検出器
は、赤外線センサ部は、赤外線検知素子と、前記赤外線
検知素子を収容し開口部を有する金属製の管と、前記開
口部を気密封止する窓を有し、前記管の前記開口部側の
内面を放物面体とし、前記開口部と対向する側の内面
を、前記放物面体の軸に直交するような平面とし、前記
放物面体の焦点に前記赤外線センサ部素子の中心を設置
したものである。
【0031】本発明の請求項11にかかる赤外線検出器
は、2次曲面体は金属により構成され、赤外線センサ部
と前記2次曲面体とが熱結合よく設置されたものであ
る。
【0032】これにより、2次曲面体の温度変化は即座
に赤外線センサ部に伝達し、2次曲面体と赤外線センサ
部は等温となる。従って、赤外線センサ部と2次曲面体
の間の温度差による2次曲面体の内面からの不要な赤外
線輻射は発生せず、より正確な赤外線の測定が可能とな
る。
【0033】本発明の請求項12にかかる放射体温計
は、開口を有し、内面を鏡面にすることにより赤外線の
反射を高めた2次曲面体と、前記開口から入射した赤外
線を検出する赤外線センサ部とを備え、前記赤外線セン
サ部を前記2次曲面体の焦点位置に設置した赤外線検出
器と、前記赤外線検出器の温度を検知する測温素子と、
ガイドプローブと、前記赤外線検出器の出力信号と前記
測温素子の出力信号から体温を計算する信号処理手段
と、計算された体温を表示する表示手段を有したもので
ある。
【0034】そして、正確な測定の妨げとなる、被測定
部以外からの輻射される赤外線は、2次曲面体の内部に
入射して内部で反射しても、赤外線センサ部には入射す
ることがない。また、2次曲面体の内面は鏡面仕上げさ
れ赤外線の反射率を高くしており、正確な測定の妨げと
なる内面からの赤外線輻射も極めて少ない。
【0035】従って、視野以外の赤外線を完全に遮るこ
とができるため、体温を正確に測定することができる。
【0036】本発明の請求項13にかかる放射体温計
は、赤外線検出器へ赤外線を集光するレンズを有したも
のである。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0038】(実施例1)図1は本発明の実施例1の赤
外線検出器10を示す側面断面図である。図1におい
て、11は赤外線センサ部、12は2次曲面体、13は
被測定物である。14は2次曲面体12に設けられた赤
外線透過孔14である、15は2次曲面体12の軸であ
る光軸と直交し焦点Fを通る面である。また2次曲面体
12の内面は2次曲面16を形成し、赤外線の反射率を
高くするため鏡面仕上げされている。赤外線センサ部1
1は赤外線透過孔14から入射する赤外線を受けるよう
に2次曲面16の焦点位置Fに設置されている。また、
2次曲面16と、平面15とによりセンサ室17を形成
している。
【0039】次に作用について説明する。この赤外線検
出器の視野角θは、赤外線透過孔14の大きさと、赤外
線センサ部11と赤外線透過孔14の距離により決ま
る。ここで、光軸に対して視野角θより大きな角度で入
射する赤外線は2次曲面16で反射しても赤外線センサ
部11には入射しない。従って、視野角θ以外から輻射
される不要な赤外線は赤外線センサ部11に入射せず、
視野以外の赤外線を確実に遮り、被測定物3からの赤外
線を正確に測定をすることができる。
【0040】また、2次曲面体12は赤外線の反射率が
高いため、正確な測定の妨げとなる内面からの赤外線輻
射も極めて少ない。よって、被測定物3と赤外線センサ
部11の温度差を正確に検知することが可能となる。ま
た赤外線センサ部11の設置されている環境の温度が既
知のものであり、常に一定に保つよう管理されているな
らば、赤外線センサ部11の出力と既知の室温から被測
定物3の絶対温度を算出することができる。
【0041】尚、赤外線センサ部11の設置されている
環境の温度が常に一定ではない場合においても、赤外線
センサ部11の温度を測定するための測温素子、例えば
サーミスタで赤外線センサ部11の温度を測定すること
で被測定物3の絶対温度を算出することができる。
【0042】また、2次曲面体12と赤外線センサ部1
1は熱結合良く結合されていることが好ましい。例え
ば、2次曲面体12が熱伝導性の良い金属により構成さ
れ、その2次曲面体12と赤外線センサ部11が良熱伝
導物質を介して設置されるよう構成する。上記構成とす
ることにより、もともと2次曲面体12の内面の反射率
が高く赤外線輻射は極めて小さいが、さらにその悪影響
を小さく抑えることができる。それは、例えば次のよう
な状況が発生した場合に効果がある、被測定物3に2次
曲面体12の一部が接触し2次曲面体12の温度が上昇
して、赤外線センサ部11と2次曲面体12の間に温度
差が発生した場合に、測定誤差の要因である赤外線輻射
が増大する。内面の反射率が高いが反射率を理想的な1
にすることはできないので温度差が大きくなると無視で
きなくなる。そのため外部からの赤外線は遮ることがで
きても、内面からの輻射により2次曲面体12の絞りと
しての機能が損なわれる。しかしながら、赤外線センサ
部11と2次曲面体12を熱結合良く設置すれば、2次
曲面体12の温度は即座に赤外線センサ部11に伝達す
るため、2次曲面体12と赤外線センサ部11との間に
温度差は発生しない。従って不要な赤外線輻射は発生し
ないため、2次曲面体12の絞りとしての機能を損なう
ことが無く、より正確な測定が可能となる。
【0043】さらに平面15が表面を鏡面にすることに
より赤外線の反射を高めた平面であり、その平面15が
2次曲面16の焦点F側に、2次曲面16の軸に直交す
るように設置され、2次曲面16と平面15によりセン
サ室17が形成されている。
【0044】上記構成により、光軸に対して視野角θよ
り大きな角度で入射する視野範囲外の赤外線は、2次曲
面16や平面15で反射しても赤外線センサ部11には
入射しない。従って、視野以外の赤外線を完全に遮り、
正確な測定が可能となる。
【0045】(実施例2)図2および図3は本発明の実
施例2の赤外線検出器10を示す側面断面図である。図
2において、実施例1と異なる点は、2次曲面体12と
して内面を球面18とした球面体12を用い、赤外線セ
ンサ部11は球面18の中心である焦点Fに設置された
点である。尚、実施例1と同一符号のものは同一構造を
有し、同様の動作,作用の説明は省略する。
【0046】次に、球面体12により視野角θ以外の赤
外線を遮る作用について説明する。球面18の光学的特
性として、焦点Fから発した光が球面18の内面で反射
するとすべて焦点Fに戻るように反射されるという特性
がある。この特性により、球面18と面15により形成
されるセンサ室17で反射する赤外線のうち、球面18
の焦点Fに位置する赤外線センサ部11に入射する赤外
線は、球面18に垂直に入射する赤外線だけである。し
かしながら、球面18に垂直に入射する赤外線とは球面
18の焦点F、つまり赤外線センサ部11から輻射され
るものだけである。つまり、視野角θよりも大きな角度
で赤外線透過孔14から入射する赤外線は球面18や面
15で反射しても赤外線センサ部11に入射することが
ない。よって、視野以外の赤外線を完全に遮ることがで
きる。
【0047】また、球面18は鏡面仕上げされ赤外線の
反射を高くしており、球面18自身からの赤外線輻射も
極めて少ない。従って、赤外線センサ部11は視野範囲
だけの赤外線を受けるため正確な測定が可能となる。
【0048】尚、球面体は、図3に示すように、内面の
球面を近似するような平面の集合体18A,18B…1
8Nで構成されていても同様の効果が得られる。
【0049】尚、この説明では、理想的に考え赤外線セ
ンサ部11に大きさがないものとして説明したが、赤外
線センサ部11が2次曲面体12や赤外線透過孔14に
対して充分小さければ近似として本発明に記した効果が
得られる。
【0050】(実施例3)図4は本発明の実施例3の赤
外線検出器10を示す側面断面図である。本実施例3に
おいて、実施例2と異なる点は、2次曲面体12として
内面を放物面19とした放物面体12を用い、また表面
を鏡面仕上げすることにより赤外線の反射を高めた平面
20を有し、平面20が放物面体12の焦点F側に、放
物面体12の軸に直交するように設置された点である。
尚、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、同様
の動作,作用の説明は省略する。
【0051】次に、放物面体12により視野角θ以外の
赤外線を遮る作用について説明する。放物面19の光学
的特性として、焦点Fから発した光が放物面19の内面
で反射するとすべて軸に平行に反射されるという特性が
ある。この特性により、放物面19および放物面19の
焦点側にあり軸に直交する平面20により形成されるセ
ンサ室17で反射する赤外線のうち、放物面19の焦点
Fに位置する赤外線センサ部11に入射する赤外線は、
放物面19の軸に直交する平面20に垂直に入射する赤
外線だけである。しかしながら、平面20に垂直に入射
する赤外線とは放物面19の焦点F、つまり赤外線セン
サ部11から輻射され、さらに放物面19で反射するも
のだけである。つまり、視野角θよりも大きな角度で赤
外線透過孔14から入射する赤外線は放物面19や平面
20で反射しても赤外線センサ部11に入射することが
ない。よって、放物面と軸に直交する平面を組み合わせ
ることで、視野以外の赤外線を完全に遮ることができ
る。
【0052】また、放物面19は鏡面仕上げされ赤外線
の反射を高くしており、内面からの赤外線輻射も極めて
少ない。従って、赤外線センサ部11の視野を絞り、視
野範囲だけの赤外線を受けるため正確な測定が可能とな
る。
【0053】尚、放物面体12は、内面の放物面19を
近似するような平面の集合体で構成されていても同様の
効果が得られる。
【0054】(実施例4)図5および図6は本発明の実
施例4の赤外線検出器を示す側面断面図である。本実施
例4において、実施例1ないし3と異なる点は、2次曲
面体12を内面を同一の焦点を持つ複数の球面を用いた
球面体12として構成した点である。尚、実施例1ない
し3と同一符号のものは同一構造を有し、同様の動作,
作用の説明は省略する。
【0055】以下に球面体12の内面を2つの球面によ
り構成する場合を説明する。図5のように第一の球面を
18a、第一の球面18aの焦点側にあり光軸と直交す
る面を15a、第二の球面を18b、第二の球面18b
の焦点側にあり光軸と直交する面を15bとし、これら
4つの面によりセンサ室17が構成される。センサ室1
7の内部空間の形状は、球面18aと平面15a、球面
18bと平面15bがそれぞれ対となって空間を作りそ
れらが2つにくびれた空間を形成する。
【0056】また、第一の球面18aと第二の球面18
bの軸は同一で、焦点Fも共通,焦点Fに赤外線センサ
部11が設置されている。上記構成により、より小さな
構成で視野角θだけの赤外線を受ける赤外線検出器10
が可能となる。
【0057】以下に図6を用いて2つの球面を組み合わ
せることで1つの球面で構成する場合よりも小型化でき
ることについて説明する。また説明を簡単にするために
モデルも簡略化し、第二の球面18bの頂点が平面15
aに接触しているとする。また球面の軸における断面を
考え2次元的に説明を進める。またさらに簡単にするた
め、第一の球面18aと平面15aで決定される空間の
内径と第二の球面18bと平面15bで決定される空間
の内径が同じD1であると条件を加える。
【0058】ここで図6のように光軸と直交する座標を
x座標、光軸をy座標と取ると球の断面は一般に(数
2)で表すことができる。ここでrは球面の焦点と頂点
の間の距離で以下焦点距離と記述する。
【0059】
【数2】
【0060】ここで、第一の球面18aの焦点距離をr
1、第二の球面18bの焦点距離をr2とするとD1
は、(数3)の様になる。
【0061】
【数3】
【0062】次に、単一の球面で同じ焦点距離r1とな
るよう構成する場合を考える。このとき内径D0は(数
4)で表すことができる。
【0063】
【数4】
【0064】従って、2つの球面で構成する場合、単一
の球面で構成する場合に比べて約30%小型化できる。
【0065】尚、ここでは2つの球面により構成する例
を説明したが、球面は2つに限られるものではない。3
つ以上の球面で構成することによりさらに小さな構成で
視野角θだけの赤外線を受ける赤外線検出器10が可能
となる。
【0066】また尚、この実施例においては、2次曲面
体12の球面18と平面15がつくる複数の空間の内径
はすべて等しいとした。しかしながら内径が等しくなく
ても良い。
【0067】また、この2次曲面体12は多数の平面に
より近似的に構成したものでも同様の効果が得られる。
【0068】(実施例5)図7は本発明の実施例5の赤
外線検出器を示す側面断面図である。本実施例5におい
て、実施例4と異なる点は、2次曲面体12を内面を同
一の焦点を持つ複数の放物面と光軸に直交する複数の平
面で構成した点である。尚、実施例4と同一符号のもの
は同一構造を有し、同様の動作,作用の説明は省略す
る。
【0069】2次曲面体12の内面を2つの放物面によ
り構成する場合は、図7のように第一の放物面を19
a、第一の放物面19aの焦点側にあり光軸と直交する
面を20a、第二の放物面を19b、第二の球面19b
の焦点側にあり光軸と直交する面を20bとし、これら
4つの面によりセンサ室17が構成される。
【0070】以下に2つの放物面を組み合わせることで
1つの放物面で構成する場合よりも小型化できることに
ついて説明する。また説明を簡単にするためにモデルも
簡略化し、第二の放物面19bの頂点が第一の平面20
aに接触しているとする。また放物面の軸における断面
を考え2次元的に説明を進める。
【0071】ここで図8のように光軸と直交する座標を
x座標、光軸をy座標ととると放物面の断面の式は一般
に(数5)で表すことができる。ここでfは放物面の焦
点と頂点の間の距離で以下焦点距離と記述する。
【0072】
【数5】
【0073】ここで、第一の放物面19aの焦点距離を
f1、第二の放物面19bの焦点距離をf2とし、これ
らの2つの2次曲面と2つの平面により構成されるセン
サ室17の内径をD1とする。するとD1は、(数6)
で表すことができる。
【0074】
【数6】
【0075】また、これを単一の2次曲面で構成するこ
とを考える。この2次曲面の焦点距離はf2であり内径
D0は(数7)で表わすことができる。
【0076】
【数7】
【0077】従って、2つの2次曲面で構成する場合
は、単一の2次曲面で構成する場合に比べて約40%小
型化できる。
【0078】ここでは放物面体12の内面を2つの放物
面19により構成する場合を説明したが、放物面19は
2つに限られるものではない。3以上の放物面19で構
成することにより、さらに小さな構成で視野角θだけの
赤外線を受ける赤外線検出器10が可能となる。
【0079】尚、この放物面19は多数の平面により近
似的に構成したものでも同様の効果が得られる。
【0080】(実施例6)図9は本発明の実施例6の赤
外線検出器を示す側面断面図である。本実施例6におい
て、実施例4または5と異なる点は、隣り合う2次曲面
が、軸を共有し表面が鏡面の円筒を経て結合されている
点である。尚、実施例4または5と同一符号のものは同
一構造を有し、同様の動作,作用の説明は省略する。
【0081】以下に放物面体12の内面を2つの球面に
より構成する場合を説明する。第一の球面18aと第一
の球面18aの焦点側にあり光軸と直交する面を15
a、第二の球面18bと第二の球面18bの焦点側にあ
り光軸と直交する面を15bがあり、第一の球面18a
と第二の球面18bとは光軸を軸とする円筒21で接続
されており、これらの5つの面でセンサ室17が構成さ
れている。この構成で球面18a,18bと面15a,
15bおよび円筒21で構成されるセンサ室17がより
小さな構成で視野角θだけの赤外線を受ける赤外線検出
器10が可能となる。
【0082】次に、より小さな構成で視野角θ以外の赤
外線を遮る作用について説明する。第二の球面18bに
設けられた赤外線透過孔22の縁を赤外線センサ部11
がみる光軸からの角度ζとする。ηがζより大きいと
き、赤外線センサ部11からみて角度η方向は第二の球
面18bである。そのため角度η以上の角度から反射に
よる赤外線は入射しない。次に、ηがθ以上ζ未満の場
合、η方向は第一の球面18aであるため反射による赤
外線は赤外線センサ部11に入射しない。これは表現を
変えれば、円筒21が第二の球面18bの死角になって
いるため、円筒21で反射した赤外線は、赤外線センサ
部11に入射することがないということである。また円
筒21で反射した赤外線が第二の球面18bに反射して
も、また平面15bに反射してから第二の球面18bに
反射しても赤外線センサ部11に入射することはない。
従って、視野以外の赤外線を完全に遮ることができる。
【0083】そしてこのとき、第一の球面18aにおけ
る角度ζ以上の部分はなく、円筒21で構成するためセ
ンサ室17の内径を小さくすることができる。従って、
小さな構成で視野角θだけの赤外線を受ける赤外線検出
器10が可能となる。
【0084】尚、球面体18aまたは球面体18bは、
球面を近似するような平面の集合体で構成されていても
同様の効果が得られる。
【0085】また尚、本実施例で円筒21は鏡面とした
が、鏡面である必要はない。その理由は、円筒21が鏡
面でなく赤外線輻射率が大きかったとしても、その赤外
線輻射は第二の球面18bの死角になり赤外線センサ部
11に入射することがないためである。
【0086】また尚、本実施例では2次曲面体12とし
て球面体を用いたが、2次曲面体12として放物面体を
用いても同様の効果が得られる。その場合、19aは第
一の放物面、20aは放物面19aの焦点側にあり光軸
に直交する第一の平面、19bは第二の放物面体、20
bは放物面18bの焦点側にあり光軸に直交する第二の
平面となる。またこれら4つの面はすべて鏡面とする。
【0087】(実施例7)図10は本発明の実施例7の
赤外線検出器10を示す側面断面図である。本実施例7
において、実施例1ないし6と異なる点は、放物面体1
2の焦点F側にあり軸に直交する平面15の構成であ
る。これを以下に説明する。
【0088】赤外線センサ部11は、赤外線検知素子2
3と、赤外線検知素子23を収容し開口部24を有する
金属製円筒形状のカン25と、開口部24を気密封止す
る窓26を有しており、カン25の表面は鏡面仕上げさ
れている。カン25は、開口部24が配された面27
が、放物面体12の軸と直交する様に放物面体12に取
り付けられる。尚、実施例1ないし6と同一符号のもの
は同一構造を有し、同様の動作,作用の説明は省略す
る。
【0089】赤外線入射孔14から入射した赤外線はカ
ン25の窓26を介して赤外線検知素子23に入射する
ように赤外線透過孔14、窓26、赤外線検知素子23
が同軸上に配置されており、また赤外線検知素子23は
放物面体12の焦点Fに位置するように配置している。
【0090】このような構成にすることにより、視野角
θよりも大きな角度で赤外線透過孔14から入射する赤
外線は放物面16や、カン25の開口部24が配された
面27で反射しても赤外線検知素子23に入射すること
がない。よって、視野以外の赤外線を完全に遮ることが
できる。
【0091】(実施例8)図11は本発明の実施例8の
赤外線検出器10を示す側面断面図である。本実施例8
において、実施例1ないし7と異なる点は、赤外線検知
素子23を収容するカン28の形状である。本実施例は
カン28の開口部26を開設した面の内面を球面29と
し、球面29の中心である焦点Fに前記赤外線検知素子
23を設置した点である。また球面29は鏡面とする。
尚、実施例6と同一符号のものは同一構造を有し、同様
の動作,作用の説明は省略する。
【0092】カン28の内面を球面29としたためにカ
ン28の内面で反射する赤外線が赤外線検知素子23に
入射することがない。従って視野以外の赤外線を完全に
遮ることができ、正確な測定が可能となる。
【0093】尚、本実施例ではカン28の内面を球面2
9としたが、カン28の内面を放物面としても同様の効
果が得られる。その場合、29が放物面、放物面29の
焦点側で光軸に直交する平面30とし、放物面29の焦
点Fに赤外線検知素子23を設置した点とする。またこ
れら放物面29と平面30は鏡面とする。
【0094】(実施例9)図12は実施例1ないし8に
記述した赤外線検出器10を用いて構成した本実施例9
の放射体温計の要部側面断面図である。この放射体温計
は、赤外線検出器10と、赤外線検出器10の近傍の温
度を検知する測温素子31と、ガイドプローブ32と、
信号処理手段33と、液晶のような表示手段34を有し
ている。2次曲面体12であるセンサフレーム12は熱
伝導性の良い銅やアルミ等の金属製で、その内部は複数
の放物面19a,19b,19c,19dと、放物面の
焦点側に軸に直交する複数の平面20a,20b,20
c,20dと、放物面19a〜19dと軸を共有する円
筒21a,21b,21cで構成されたセンサ室17と
なっている。この放物面19a〜19dと平面20a〜
20dは鏡面となるように高精度研磨され、また表面の
酸化等による経時変化がないよう金メッキ処理されてい
る。また、センサフレーム12と赤外線センサ部11と
測温素子31はサーマルグリスを介して熱結合良く設置
されている。また、赤外線センサ部11に入射する赤外
線を断続するためのチョッパーを赤外線検出器10の赤
外線センサ部11と赤外線透過孔14の間の要所に配置
する。尚、実施例1ないし8と同一符号のものは同一構
造を有し、同様の動作,作用の説明は省略する。
【0095】まず、体温計としての動作を説明する。人
体から輻射される赤外線は赤外線センサ部11に入射す
る。そして、赤外線センサ部11の出力信号波形は、信
号処理手段33により体温に換算され、液晶表示装置3
4に体温として表示される。また、体温の測定時にはガ
イドプローブ32を耳孔35に挿入して測定する。
【0096】体温を測定するときに耳孔35を測定する
理由は、鼓膜の近くには、脳の視床下部を流れる動脈血
流があり、そのため鼓膜温度は人体の深部の体温をよく
反映しているといわれているためである。
【0097】放射体温計で体温を測定する場合に正確な
測定を妨げる要因は、赤外線センサ部11が、視野以外
の赤外線を完全に遮ることができないことである。この
ことによりガイドプローブ32内面の赤外線輻射と耳孔
35入り口からの赤外線輻射が赤外線センサ部11に入
射する。しかし、本発明の赤外線検出器10を用いて放
射体温計を構成することでこの課題を解決することがで
きる。以下に詳しく説明する。
【0098】次に、ガイドプローブ32内面の赤外線輻
射の発生過程を説明する。ガイドプローブ32は測定時
には耳孔35に挿入されるため、耳孔35からの熱によ
りガイドプローブ32は温度上昇する。従って、ガイド
プローブ32の内面から絶対温度に応じた赤外線輻射を
する。そのため、ガイドプローブ32からの赤外線輻射
が赤外線センサ部11に入射すると測定誤差となり、体
温測定値が実際の値よりも高くなり正確な測定ができな
い。
【0099】次に、耳孔35入り口からの赤外線輻射の
発生過程を説明する。ガイドプローブ32は体温測定時
に耳孔35に挿入されるため、ガイドプローブ32が耳
孔35入り口に接触せざるを得ない。そのため、耳孔3
5入り口はガイドプローブ32と接触することにより冷
やされる。冷やされた耳孔35の入り口からの赤外線が
赤外線センサ部11に入射するとそれが測定誤差とな
り、体温測定値が実際の値よりも低くなり正確な測定が
できない。
【0100】しかしながら、本発明の赤外線検出器10
を用いることで、視野以外の赤外線を完全に遮ることが
できるため、ガイドプローブ32や、耳孔35入り口か
らの赤外線輻射が赤外線センサ部11に入射することが
ない。従って、体温を正確に測定することができる。
【0101】尚、本実施例に示す放射体温計の別の構成
として図13のように、赤外線検出器10の赤外線透過
孔4に赤外線を集光するレンズ36を配置する構成とし
ても良い。
【0102】また、本実施例において赤外線検知素子2
3として焦電型検知素子を用いたため赤外線を断続する
チョッパーを必要とする構成としなったが、赤外線検知
素子23としてサーモパイルを用いれば、チョッパーは
本発明の効果を実現するために必要不可欠な構成要素で
はない。
【0103】尚、本実施例において、2次曲面体12を
放物面体としたが、球面体として、19a〜19dを球
面として構成しても同様の効果が得られる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
かかる赤外線検出器は、赤外線透過孔を設け、内面を鏡
面仕上げすることにより赤外線の反射を高めた2次曲面
体と、前記赤外線透過孔から入射した赤外線を検出する
赤外線センサ部とを有し、前記赤外線センサ部が前記2
次曲面体の焦点位置に設置する構成としているので、視
野以外の赤外線を完全に遮る。また、2次曲面体の内面
は鏡面仕上げされ赤外線の反射を高くしているため輻射
率は低くなり、2次曲面体からの赤外線輻射も極めて少
ない。従って、被測定物からの赤外線を正確に検知し正
確な測定をすることができるという効果がある。
【0105】請求項3にかかる赤外線検出器は、2次曲
面体の内面を球面とする球面体としたことにより、視野
角よりも大きな角度で赤外線透過孔から入射する赤外線
は球面で反射しても赤外線センサ部に入射することがな
いので、視野以外の赤外線を完全に遮り、正確に測定を
することができるという効果がある。
【0106】請求項4にかかる赤外線検出器は、2次曲
面体の内面を放物面とする放物面体とし、放物面の軸に
直交する平面と放物面を組み合わせたことにより、視野
角よりも大きな角度で赤外線透過孔から入射する赤外線
は、放物面や平面で反射しても赤外線センサ部に入射す
ることがないので、視野以外の赤外線を完全に遮り、正
確に測定をすることができるという効果がある。
【0107】本発明の請求項6にかかる赤外線検出器
は、共通の軸を有し、焦点位置を共有する複数の2次曲
面体で構成したものである。
【0108】そして、2次曲面とそれに対向する面によ
り作られるセンサを設置する空間の内径を、単一の2次
曲面で構成するより小さくできる。従って、小さな構成
で視野以外の赤外線を完全に遮り、被測定物からの赤外
線を正確に測定をすることができるという効果がある。
【0109】本発明の請求項10にかかる赤外線検出器
は、2次曲面体は金属により構成され、赤外線センサ部
と前記2次曲面体とが熱結合よく設置されたものであ
る。
【0110】これにより、2次曲面体の温度変化は即座
に赤外線センサ部に伝達し、2次曲面体と赤外線センサ
部は等温となる。従って、赤外線センサ部と2次曲面体
の間の温度差による2次曲面体の内面からの不要な赤外
線輻射は発生しないため、2次曲面体の絞りとしての機
能を損なうことがなく、より正確な赤外線の測定が可能
となるという効果がある。
【0111】本発明の請求項12にかかる放射体温計
は、赤外線検出器と、前記赤外線検出器の温度を検知す
る測温素子と、ガイドプローブと、前記赤外線検出器の
出力信号と前記測温素子の出力信号から体温を計算する
信号処理手段と、計算された体温を表示する表示手段を
有したものであるため、視野以外の赤外線を完全に遮る
ことができ、体温を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における赤外線検出器の側面
断面図
【図2】本発明の実施例2における赤外線検出器の側面
断面図
【図3】同赤外線検出器の別の形態の側面断面図
【図4】本発明の実施例3における赤外線検出器の側面
断面図
【図5】本発明の実施例4における赤外線検出器の側面
断面図
【図6】同赤外線検出器の要部概念図
【図7】本発明の実施例5における赤外線検出器の側面
断面図
【図8】同赤外線検出器の要部概念図
【図9】本発明の実施例6における赤外線検出器の側面
断面図
【図10】本発明の実施例7における赤外線検出器の側
面断面図
【図11】本発明の実施例8における赤外線検出器の側
面断面図
【図12】本発明の実施例9における放射体温計の要部
側面断面図
【図13】本発明の実施例9における別の形態の放射体
温計の要部側面断面図
【図14】従来例における赤外線検出器の側面断面図
【図15】従来の第2の従来例における赤外線検出器の
側面断面図
【図16】従来の第3の従来例における赤外線検出器の
側面断面図
【図17】従来の第4の従来例における赤外線検出器の
側面断面図
【符号の説明】
10 赤外線検出器 11 赤外線センサ部 12 2次曲面体 14 赤外線透過孔 15 2次曲面の焦点側にあり軸に直交する平面 16 2次曲面体の内面 18 球面(2次曲面体の内面) 18A〜18N 近似球面(近似2次曲面) 19 放物面(2次曲面体の内面) 20,30 放物面の焦点側にあり軸に直交する平面 21 円筒 23 赤外線検知素子 24 開口部 25,28 管 26 窓 27 カンの開口部が配された面 29 開口部が配された球面(放物面) 31 測温素子 32 ガイドプローブ 33 信号処理手段 34 表示手段 F 焦点

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口を有し、内面を鏡面にすることにより
    赤外線の反射を高めた2次曲面体と、前記開口から入射
    した赤外線を検出する赤外線センサ部とを備え、前記赤
    外線センサ部を前記2次曲面体の焦点位置に設置した赤
    外線検出器。
  2. 【請求項2】表面を鏡面にすることにより赤外線の反射
    を高めた平面を有し、前記平面が2次曲面体の焦点側
    で、前記2次曲面体の軸に直交するように設置された請
    求項1記載の赤外線検出器。
  3. 【請求項3】2次曲面体を球面体とした請求項1記載の
    赤外線検出器。
  4. 【請求項4】2次曲面体を放物面体とした請求項2記載
    の赤外線検出器。
  5. 【請求項5】2次曲面体を近似2次曲面体で構成した請
    求項3または4記載の赤外線検出器。
  6. 【請求項6】共通の軸を有し、焦点位置を共有する複数
    の2次曲面体を有する請求項3または4記載の赤外線検
    出器。
  7. 【請求項7】2次曲面体と、前記2次曲面体と隣り合う
    別の2次曲面体が、軸を共有する円筒を経て結合された
    請求項6記載の赤外線検出器。
  8. 【請求項8】赤外線センサ部は、赤外線検知素子と、前
    記赤外線検知素子を収容し開口部を有する金属製の管
    と、前記開口部を気密封止する窓を有し、前記管の内面
    を球面とし、前記球面の焦点に前記赤外線センサ部素子
    の中心を設置した請求項3記載の赤外線検出器。
  9. 【請求項9】赤外線センサ部は、赤外線検知素子と、前
    記赤外線検知素子を収容し開口部を有する金属製の管
    と、前記開口部を気密封止する窓を有し、前記管の前記
    開口部が配された面が、放物面体と対向する平面となる
    よう構成した請求項4記載の赤外線検出器。
  10. 【請求項10】赤外線センサ部は、赤外線検知素子と、
    前記赤外線検知素子を収容し開口部を有する金属製の管
    と、前記開口部を気密封止する窓を有し、前記管の前記
    開口部側の内面を放物面とし、前記開口部と対向する側
    の内面を、前記放物面の軸に直交するような平面とし、
    前記放物面の焦点に前記赤外線センサ部素子の中心を設
    置した請求項4記載の赤外線検出器。
  11. 【請求項11】2次曲面体は金属により構成され、赤外
    線センサ部と前記2次曲面体とが熱結合よく設置される
    請求項1ないし9のうちいずれか1項記載の赤外線検出
    器。
  12. 【請求項12】開口を有し、内面を鏡面にすることによ
    り赤外線の反射を高めた2次曲面体と、前記開口から入
    射した赤外線を検出する赤外線センサ部とを備え、前記
    赤外線センサ部を前記2次曲面体の焦点位置に設置した
    赤外線検出器と、前記赤外線検出器の温度を検知する測
    温素子と、ガイドプローブと、前記赤外線検出器の出力
    信号と前記測温素子の出力信号から体温を計算する信号
    処理手段と、計算された体温を表示する表示手段を有し
    た放射体温計。
  13. 【請求項13】赤外線検出器へ赤外線を集光するレンズ
    を有する請求項12記載の放射体温計。
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