JP4006721B2 - 混晶半導体単結晶の成長方法 - Google Patents

混晶半導体単結晶の成長方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は混晶半導体単結晶の成長方法に関するものであり、特に、InGaAs等の混晶半導体のバルク単結晶を再現性良く成長させるための構成に特徴のある混晶半導体単結晶の成長方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、混晶半導体、特に、AlGaAsやInGaAs等のIII-V族化合物半導体の混晶は、半導体レーザやフォトダイオードに代表される光デバイスや、HEMT(高電子移動度トランジスタ)やHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)或いは移動体端末や衛星通信用のGaAsICに代表される高周波用電子デバイス用の材料として広く用いられている。
【0003】
これらの半導体デバイスは、基板結晶上に、MOVPE法(有機金属気相成長法)やMBE法(モレキュラ・ビーム・エピタキシャル成長法)、或いは、LPE法(液相成長法)等のエピタキシャル成長法を用いて形成されており、この場合の基板結晶としては、Si等の単体半導体、或いは、GaAs、InP等の二元化合物半導体が用いられている。
【0004】
しかし、近年の半導体デバイス技術においては、格子定数、エネルギーギャップ、屈折率、歪み等のデバイス設計パラメータに自由度を与え、さらなる高性能化を図ることが進められているが、この様な半導体デバイス用結晶は、ほとんどのものが格子整合させることが必要であるため、成長用基板として上述のSi等の単体半導体、或いは、GaAs、InP等の二元化合物半導体を用いた場合には、格子定数が一律に決まってしまい、デバイス設計上の自由度が減少してしまうという短所がある。
【0005】
この様な短所を補うために、最近、三元以上の混晶半導体による基板の採用が注目されており、例えば、低価格の光アクセス用レーザとして開発が進められている1.3μm帯の高T0 レーザにおいては、各半導体層のエネルギーバンド構造と格子定数の組合せの自由度を大きくするためにInGaAs混晶バルク基板が必須のものとなっており、さらに、計算機接続のための光インターコネクション用レーザと期待されている面発光レーザでも、同じ理由からInGaAs混晶バルク基板が必須と考えられている。
なお、T0 とは、レーザのしきい値電流密度〔Jth=J0 exp(T/T0 )〕を表す指数である。
【0006】
従来、この様なInGaAs混晶バルク基板を製造するためには、まず、ブリッジマン法の一種である垂直グラジエントフリーズ法(VGF法)を用いてInGaAs種結晶を成長させ、次いで、多元ゾーン成長法によってInGaAs種結晶上に、InGaAs成長層、即ち、InGaAsゾーン結晶を成長させ、このInGaAsゾーン結晶をInGaAs混晶バルク基板として用いている。
【0007】
ここで、図4乃至図6を参照して、InGaAs混晶バルク基板の成長方法を説明する。
なお、図4は、VGF法を用いたInGaAs種結晶の成長工程の説明図であり、また、図5はInGaAs多元ゾーン成長工程の説明図であり、さらに、図6は、従来のInGaAsゾーン結晶の組成分布図である。
図4(a)参照
まず、ルツボ21内にGaAs種結晶22とメルト用InAs結晶23を充填し、成長炉の温度を上げてGaAs種結晶22の一部とメルト用InAs結晶23の全てを溶融させる。
【0008】
図4(b)参照
GaAs種結晶22の一部と全てのメルト用InAs結晶23の溶融によりメルト24が形成されたのち、成長炉の炉温をゆっくり下げることによって、残ったGaAs種結晶22の表面にInGaAs種結晶25が成長する。
なお、26は、メルト24とInGaAs種結晶25との間の固液界面である。
【0009】
このInGaAs種結晶25における成長方向のInAs組成分布は、後述するように、GaAs種結晶22と接する部分から徐々に増加し、また、成長終了後に残ったメルト24は室温まで冷却する過程でメルト固化物としてInGaAs種結晶25の表面に付着した状態となる。
【0010】
図5(a)参照
次いで、ソース用結晶の溶け込み量を制御するための遮断板32を設けたルツボ31内にソース用GaAs結晶33と、GaAs種結晶22上に成長したInGaAs種結晶25を、メルト固化物27が付着したままの状態で充填する。
なお、このメルト固化物27が成長用メルトとなる。
【0011】
図5(b)参照
次いで、電気炉の温度をメルト固化物27が完全に溶融するまで昇温してメルト34を形成したのち、電気炉を降温することによって、形成された温度勾配によってソース用GaAs結晶33がメルト34内に溶出して、InGaAs種結晶25の表面にInGaAsゾーン結晶35が成長する。
なお、36は、メルト34とInGaAsゾーン結晶35との間の固液界面である。
【0012】
図6参照
図6は、この様にして成長させたInGaAsゾーン結晶の組成分布図であり(必要ならば、特願平9−226644号参照)、電気炉の降温速度を調整することによって、成長方向でのInAs組成の制御が可能となり、成長方向において均一組成のInGaAsゾーン結晶35を得ることができる。
【0013】
図から明らかな様に、InAs組成比xが0.28程度のかなり均一な組成が得られているのが確認され、これは、ソース用GaAs結晶33から常にGaAsが安定して供給されているためである。
なお、図6は、VGF成長工程と多元ゾーン成長工程における炉の温度勾配を急にした場合に得られたInGaAsゾーン結晶の組成分布である。
【0014】
したがって、この様な二段階の結晶成長法を用いることによって任意の組成比を有する均一な混晶半導体エピタキシャル成長層を成長させることができ、この様な任意の組成比を有する均一な混晶半導体エピタキシャル成長層を混晶バルク基板として用いることによって、高性能な半導体デバイスを実現することが可能になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の様な二段階の結晶成長により組成が均一なゾーン結晶を単結晶として得るためには、多元ゾーン成長工程における成長基板として単結晶のInGaAs種結晶を用いる必要があるが、VGF成長工程における炉の温度勾配が小さく、多元ゾーン成長工程における温度勾配が大きい場合、得られるInGaAsゾーン結晶が多結晶化するという問題がある。
【0016】
即ち、InGaAs種結晶をVGF法で成長させる場合、炉の温度勾配を小さくした方が単結晶化しやすいことが、本発明者の研究により明らかになり(必要ならば、特願平10−5272号参照)、したがって、VGF成長工程においては炉の温度勾配を小さくすることが望まれる。
【0017】
一方、多元ゾーン成長工程においては、温度傾斜部でソースを供給しながら結晶成長させるという原理から想像できるように、温度勾配が急な方が望ましく、逆に、温度勾配が小さな場合には、成長速度が遅くなったり、極端な場合には結晶成長が起こらなくなるという問題が発生するためである。
【0018】
したがって、良好な単結晶InGaAsゾーン結晶を得るためには、15℃/cm程度の低温度勾配下で成長させたInGaAs種結晶を用い、25℃/cm程度の急温度勾配下でゾーン成長させることが望まれるが、そうすると、図7に示すように、ゾーン成長開始時に組成平坦域が発生し多結晶化してしまう。
【0019】
図7参照
図から明らかなように、InGaAs種結晶の表面から約3mm程度の範囲で、InAs組成が0.22程度の組成平坦域が発生しているが、これは、ゾーン成長工程時に用いるメルト用原料として、VGF成長工程において残ったメルトが固化したメルト固化物を用いているため、ゾーン成長時に溶けたメルト中の組成勾配がVGF成長時の温度勾配に基づいた組成分布を有しており、ゾーン成長時の温度勾配と異なるために、メルト中に含まれているGaAsが急に析出してしまうためである。
【0020】
したがって、本発明は、低温度勾配下で成長させた混晶種結晶上に、急温度勾配下のゾーン成長により混晶半導体単結晶を再現性良く成長させることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図1(a)の本発明の2つの原理的構成の内の1つの原理を示す図であり、また、図1(b)は、本発明の成長原理と異なる場合を示す図である。
図1(a)参照
(1)本発明は、結晶成長炉の温度が傾斜している領域に結晶成長用容器1を設置し、結晶成長用容器1内で混晶種結晶2上に混晶半導体単結晶をゾーン成長させる混晶半導体単結晶の成長方法において、結晶成長用容器1内に、上から順に混晶種結晶2、メルト用原料、及び、結晶成長用ソース4を充填するとともに、メルト用原料として、混晶種結晶2を成長させた時に付着する残存メルトと異なったメルト用原料を用いることを特徴とする。
【0022】
この様に、メルト用原料として、混晶種結晶2を成長させた時に付着する残存メルトを混晶種結晶2から切離し、別途用意したこれとは異なったメルト用原料を用いることによって、GaAsの急速な析出を抑制することができ、良好な単結晶を成長させることができる。
例えば、メルト用原料としてInAs結晶を用いた場合、ゾーン成長開始時には、メルト3中にはGaAs成分が少ないので、GaAsが急に析出することがない。
【0023】
また、結晶成長用容器1内に、上から順に混晶種結晶2、メルト用原料、及び、結晶成長用ソース4を充填することによって、混晶種結晶2のメルトバック量dse、即ち、種結晶溶融メルト5の量を少なくすることができ、それによって、ゾーン成長開始時の混晶半導体単結晶と混晶種結晶2との組成比の差を少なくすることができるので、格子不整による多結晶化を防止して、良好な単結晶を成長させることができる。
【0024】
即ち、ゾーン成長開始時に混晶種結晶2のクリーニングのために混晶種結晶2の表面をメルトバックすることになるが、上記図6或いは図7に示しているように、一般に、混晶種結晶2の組成は成長方向に変化しており、特に、ゾーン成長開始部においては組成変化が急であるため、ロット間の変動等によりメルトバック量の変動が大きいと、ゾーン成長開始時の混晶半導体単結晶と混晶種結晶2との組成比の差が大きくなり、格子不整によって多結晶化することがある。
【0025】
この様な混晶種結晶2のメルトバック量dseを再現性良く少なくするためには、メルトバック自体を少なくすることが効果的であるが、メルトバック自体を少なくするためには、図1(a)に示す様に、結晶成長用容器1内に、上から順に混晶種結晶2、メルト用原料、及び、結晶成長用ソース4を充填することが必要となる。
【0026】
図1(a)参照
即ち、図1(a)に示す様に、ゾーン成長開始前のメルトバック時において、混晶種結晶2及び結晶成長用ソース4もメルト3に溶け込み、メルト3の両端はGaAsリッチの種結晶溶融メルト5及びソース溶融メルト6となるが、GaAsの比重がInAsの比重よりも小さいため、GaAsリッチの種結晶溶融メルト5及びソース溶融メルト6はメルト3より軽くなる。
【0027】
その結果、図において矢印で示す対流によりメルト3の下部にあるソース溶融メルト6は容易にメルト3中に攪拌されていくため結晶成長用ソース4のメルトバックが進んでメルトバック量dsoが多くなるが、メルト3の上部にある種結晶溶融メルト5は攪拌されにくいため混晶種結晶2のメルトバック量dseを少なくすることができる。
【0028】
図1(b)参照
一方、混晶種結晶2、メルト用原料、及び、結晶成長用ソース4の充填の順序を逆にすると、図において矢印で示す対流によりメルト3の下部にある種結晶溶融メルト5は容易にメルト3中に攪拌されていくため混晶種結晶2のメルトバックは進んでメルトバック量dseが多くなり、混晶種結晶2と混晶半導体単結晶の組成比の差が大きくなりやすくなる。
【0029】
(2)また、本発明は、上記(1)において、メルト用原料の構成元素数が、結晶成長時のメルト3の構成元素数より少なくとも一つ以上少ないことを特徴とする。
【0030】
この様に、メルト用原料の構成元素数を、結晶成長時のメルト3の構成元素数より少なくとも一つ以上少なくしても良い。例えば、混晶半導体単結晶としてInGaAsをゾーン成長させる場合には、メルト用原料としてInAsを用いれば良く、Gaは結晶成長用ソース4から供給される。
【0031】
(3)また、本発明は、上記(1)において、メルト用原料の構成元素数が、結晶成長時のメルト3の構成元素数と同じであることを特徴とする。
【0032】
この様に、メルト用原料の構成元素数を、結晶成長時のメルト3の構成元素数と同じにしても良い。例えば、混晶半導体単結晶としてInGaAsをゾーン成長させる場合には、メルト用原料として混晶種結晶2を成長させた時に付着する残存メルトの組成と異なったInGaAs結晶を用いても良い。
【0033】
(4)また、本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、メルト用原料として、ゾーン成長炉内で別途作製したメルトを用いることを特徴とする。
【0034】
この様に、メルト用原料は、ゾーン成長時の温度勾配と整合させるために、ゾーン成長炉内で別途作製したメルトを用いても良いものである。
なお、この場合のゾーン成長炉は、混晶半導体単結晶を成長させるゾーン成長炉とほぼ同様な温度勾配を用いる成長炉であれば良く、からなずしも、混晶半導体単結晶を成長させるゾーン成長炉自体を用いる必要はない。
【0035】
(5)また、本発明は、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、混晶種結晶2の組成が、徐々に変化していることを特徴とする。
【0036】
この様に、混晶種結晶2は、ブリッジマン法、垂直グラジエントフリーズ法、或いは、ゾーンメルト法等の方法で作製した混晶種結晶を用いることが混晶種結晶2の入手の容易性の観点から望ましく、また、この様な混晶種結晶2の組成は、成長方向に沿って徐々に変化している。
【0037】
(6)また、本発明は、上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、混晶種結晶2及び混晶半導体単結晶が、メルト3の組成を変えることによって結晶の組成を自由に変えられる全律固溶体であることを特徴とする。
【0038】
この様に、本発明の成長法によって、任意の均一な組成を有する全律固溶体からなる混晶半導体単結晶、例えば、InGaAs、InGaP、AlGaAs、GaSbAs、InGaSb、或いは、SiGeを再現性良く成長させることができ、高性能半導体デバイスを作製することが可能になる。
【0039】
【発明の実施の形態】
ここで、図2及び図3を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
なお、図2は、多元ゾーン成長法における結晶成長時のルツボ内の状態及び成長炉の温度勾配を概略的に示す図であり、また、図3は、得られたInGaAsゾーン結晶の組成分布図である。
図2(a)参照
まず、ソース用GaAs結晶15からのGaAsの溶け込み量を制御するための遮断板16が設けらたルツボ11内に、上から順にGaAs種結晶12上にVGF法によって成長させたInGaAs種結晶13、メルト用InAs結晶14、及び、ソース用GaAs結晶15を充填する。
【0040】
なお、この場合のInGaAs種結晶13は、VGF成長工程時における温度勾配を15℃/cmとし、降温速度を1℃/時として成長させたものであり、また、成長時に付着する残存メルト固化物はルツボ11に充填する前にダイヤモンドソウにより切断し、その後、InGaAs種結晶13の表面を有機洗浄するとともに、エッチング等によってクリーニングしておく。
【0041】
次いで、ルツボ11を縦型の成長炉内に挿入し、結晶成長開始位置近傍における炉の温度が1180℃(実際には、1040℃に相当する)になるまで昇温するとともに、温度勾配を、例えば、25℃/cmとし、この昇温工程においてメルト用InAs結晶14を溶融するとともに、溶融したメルト用InAs結晶14、即ち、InAsメルトに接するInGaAs種結晶13及びソース用GaAs結晶15の一部をメルトバックする。
【0042】
このメルトバック工程においては、図1(a)に関して説明したように、GaAsの比重がInAsの比重より小さいため、対流によりソース用GaAs結晶15のメルトバックは進んで、GaAsがInAsメルト中に攪拌するが、メルト用InAs結晶14より上側に配置されたInGaAs種結晶13のメルトバックはあまり進行しないことになり、InGaAs種結晶13の表面のInAsの組成変化は少ない。
【0043】
図2(b)参照
この様にしてメルト17を形成したのち、成長炉の温度を2.0℃/時の速度で降温することによって結晶成長を開始し、InGaAs種結晶13の表面にInGaAsゾーン結晶18を成長させる。
なお、19はメルト17とInGaAsゾーン結晶18との間の固液界面である。
【0044】
図3参照
この様にして得られたInGaAsゾーン結晶18の成長方向における組成分布は、図に示すようにInAs組成の平坦部が消失し、InAs組成比xが連続して増加したのち、InAs組成比xが0.28程度で安定化しており、且つ、分析の結果、単結晶が得られているのが確認された。
【0045】
この様に、本発明の実施の形態においては、第1に、メルト用原料として、VGF成長時の残留メルト固化物ではなく、別途容易したソース用InAs結晶14を用いているので、ゾーン成長開始時におけるメルト17中にはGaAs成分が少なく、したがって、GaAsの急激な析出による多結晶化が生ずることがない。
【0046】
第2に、ルツボ11内に上から順にGaAs種結晶12上にVGF法によって成長させたInGaAs種結晶13、メルト用InAs結晶14、及び、ソース用GaAs結晶15を充填しているので、メルトバック工程におけるInGaAs種結晶13のメルトバック量を少なくすることができ、それによって、InGaAs種結晶13とInGaAsゾーン結晶18のInAs組成の差を小さくすることができるので、格子不整に基づく多結晶化が生ずることがない。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明は実施の形態に記載した構成に限られるものでなく、各種の変更が可能である。
例えば、メルト用原料としては、メルト用InAs結晶14を用いているが、InAsに限られるものではなく、InGaAs結晶を用いても良いものである。
【0048】
この様なInGaAs結晶をメルト用原料として用いるためには、ゾーン成長時の温度勾配と整合させるために、ゾーン成長炉内でInAsとGaAsとを溶融固化することによってInGaAs結晶を形成することが望ましい。
【0049】
また、成長させる混晶半導体単結晶はInGaAsに限られるものではなく、各種の半導体に適用されるものであり、例えば、InGaP、AlGaAs、GaSbAs、InGaSb等の三元のIII-V族化合物半導体或いはSiGe混晶等の全律固溶体に適用されるのであり、さらには、HgCdTe等のII−VI族化合物半導体、或いは、PbSnTe等のIV−VI族化合物半導体にも適用されるものであり、それに応じて混晶種結晶を替えれば良い。
【0050】
また、混晶種結晶の成長法もVGF(垂直グラジエントフリーズ)法に限られるものでなく、ブリッジマン法、或いは、ソースを供給しながら結晶成長を行う縦型ゾーンメルト法にも適用されるものである。
【0051】
また、上記の説明においては、半導体レーザ等の化合物半導体装置を製造するために用いる混晶半導体成長基板を前提に説明しているが、この様な成長基板用に限られるものではなく、InGaAsゾーン結晶自体を能動層として各種の高速電子デバイスを形成しても良いものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、InGaAs単結晶等の混晶半導体単結晶をゾーン成長させる際に、メルト用原料として混晶種結晶成長時の残留メルト固化物とは組成の異なる原料を用いるとともに、結晶成長用容器内に上から順に混晶種結晶、メルト用原料、及び、結晶成長用ソースを充填しているので、組成均一性に優れた混晶半導体単結晶を再現性良く形成することができ、それによって、各種の化合物半導体デバイスの低価格化或いは高性能化に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の製造工程の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態により成長させたInGaAsゾーン結晶の組成分布図である。
【図4】VGF法によるInGaAs種結晶の成長工程の説明図である。
【図5】InGaAs多元ゾーン成長工程の説明図である。
【図6】従来のInGaAsゾーン結晶の組成分布図である。
【図7】従来のInGaAsゾーン結晶の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 結晶成長用容器
2 混晶種結晶
3 メルト
4 結晶成長用ソース
5 種結晶溶融メルト
6 ソース溶融メルト
11 ルツボ
12 GaAs種結晶
13 InGaAs種結晶
14 メルト用InAs結晶
15 ソース用GaAs結晶
16 遮断板
17 メルト
18 InGaAsゾーン結晶
19 固液界面
21 ルツボ
22 GaAs種結晶
23 メルト用InAs結晶
24 メルト
25 InGaAs種結晶
26 固液界面
27 メルト固化物
31 ルツボ
32 遮断板
33 ソース用GaAs結晶
34 メルト
35 InGaAsゾーン結晶
36 固液界面

Claims (6)

  1. 結晶成長炉の温度が傾斜している領域に結晶成長用容器を設置し、前記結晶成長用容器内で混晶種結晶上に混晶半導体単結晶をゾーン成長させる混晶半導体単結晶の成長方法において、前記結晶成長用容器内に、上から順に混晶種結晶、メルト用原料、及び、結晶成長用ソースを充填するとともに、前記メルト用原料として、前記混晶種結晶を成長させた時に付着する残存メルトと異なったメルト用原料を用いることを特徴とする混晶半導体単結晶の成長方法。
  2. 上記メルト用原料の構成元素数が、結晶成長時のメルトの構成元素数より少なくとも一つ以上少ないことを特徴とする請求項1記載の混晶半導体単結晶の成長方法。
  3. 上記メルト用原料の構成元素数が、結晶成長時のメルトの構成元素数と同じであることを特徴とする請求項1記載の混晶半導体単結晶の成長方法。
  4. 上記メルト用原料として、ゾーン成長炉内で別途作製したメルトを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の混晶半導体単結晶の成長方法。
  5. 上記混晶種結晶の組成が、徐々に変化していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の混晶半導体単結晶の成長方法。
  6. 上記混晶種結晶及び混晶半導体単結晶が、メルトの組成を変えることによって結晶の組成を自由に変えられる全律固溶体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の混晶半導体単結晶の成長方法。
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