JP4006076B2 - プラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック廃材の有効利用を図るようにしたプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
市場には多種のプラスチック製品が大量に供されているが、それに伴い、産業廃棄物,一般廃棄物として排出されるプラスチック廃材も大量となり、環境保護、資源確保等の観点から、その処理が大きな社会問題となってきている。近年、プラスチック製品に対する材質表示が行われ、プラスチック廃材の種類毎の分別回収が推奨されてきており、廃棄物の一部は再生材料とされて再利用(リサイクル)されている。ところが、プラスチック廃材のうち再生利用されるものは、僅か10%程度に過ぎず、残りの90%(産業廃棄物だけでも年間700万t以上)が埋立てあるいは焼却処分されているのが現状である。
【0003】
このようなプラスチック廃材の再生利用を阻害する要因としては、再生に要するコストが高いという点があげられる。即ち、プラスチック廃材(例えばPP,PE等の熱可塑性樹脂)の再生方法としては、回収された所定種類のプラスチック廃材を細片化し、その細片化された材料を押出成形機に投入し、所定の溶解温度までヒータ加熱して溶解させ、溶解したプラスチックを細紐状に押出してこれを冷却,細断(ペレット化)してペレット状のプラスチック再生原料(中間材)とすることが行われている。
【0004】
しかしながら、プラスチック材料は多種多様(例えば熱可塑性樹脂だけでも7系種16種類に大別される)であり、上記のような再生を行うにあたっては、その前段階として、プラスチック廃材を所定の種類毎に選別する仕分選別作業、異物を分離する分離作業、洗浄、乾燥等の中間工程が必要となり、大幅なコスト高を招いていたのである。これは、溶解温度(融点)がプラスチックの種類毎に異なり、熱劣化の問題があって複数種類のプラスチックを混合して溶解することが不可能であったためである。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、プラスチック廃材を有効に再利用することができるプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
従来では、熱可塑性樹脂からなるプラスチック廃材の再生は、その種類毎に行われることが通常であり、2種以上の異種プラスチックを混合して再生することは不可能と考えられていた。これに対し、本発明者は、ヒータ加熱等の外部加熱方式では、異種プラスチックを混合状態で溶融し再生することは困難であるが、摩擦熱による内部加熱方式によれば、短時間で溶融温度まで達し、熱劣化を起こさない状態で溶融状態(ゲル状)の成形材料を得ることができることを知見すると共に、そのゲル状の成形材料を短時間のうちにそのまま成形することにより、成形品とすることができることを確認し、本発明を成し遂げたのである。
【0007】
このとき、原料となるプラスチック材料が単一種類の場合は勿論、二種類以上のプラスチックが混合されている材料であっても、溶融、成形が可能であり、さらには、材料に紙,ゴム,繊維,金属粉,木粉等の異質材料を混入させても、溶融,成形が可能である。また、撹拌混合すべき材料は、摩擦熱を良好に発生させるため、細片化しておく必要がある。そして、この場合、材料を内部摩擦熱により溶融させるための装置としては、チャンバ内に複数枚の撹拌羽根を有し、それら撹拌羽根を超高速回転(羽根の先端速度が15〜40m/秒)させるようにしたミキシング機を用いることができ、これにより、熱劣化や剪断作用を起こさない状態で、短時間(数秒〜数十秒)で材料を溶融させてゲル状の成形材料を得ることができる。
【0008】
本発明のプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法は、熱可塑性樹脂からなるプラスチック廃材を細片化してチップ状のプラスチック材料とする粉砕工程と、古タイヤやゴムシート等のゴム廃材を細片状あるいはパウダー状の粉砕ゴム材料とする第2の粉砕工程と、複数本の撹拌羽根を有する横軸型の駆動軸をチャンバ内に備えて構成されるミキシング機の前記チャンバ内に、前記プラスチック材料及び粉砕ゴム材料を収容し、前記撹拌羽根を先端速度が15〜45m/秒で高速回転させることにより撹拌混合し、内部摩擦熱により溶融させてゲル状の成形材料を得る溶融工程と、前記ゲル状の成形材料を熱劣化が生じない短時間内に成形装置により所定形状に成形する成形工程とを実行するところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0009】
これによれば、上述のように、溶融工程において、プラスチック廃材を細片化したプラスチック材料及び粉砕ゴム材料を撹拌混合し内部摩擦熱により溶融したゲル状の成形材料が得られ、成形工程において、その成形材料が所定形状に成形されて製品となる。このとき、細片化したプラスチック廃材を種別なく材料として使用することができ、仕分選別作業、分離作業などの面倒な中間工程を行う必要がなくなり、しかも、溶融材料を一旦ペレット化することもなく直接成形して再生製品とすることができるので、簡単な工程でプラスチック廃材の再生が可能となる。
【0010】
尚、本発明を適用することが可能なプラスチックの種類としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ABS等の炭化水素系樹脂、PMMA等のアクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル,塩化ビニリデン,フッ素樹脂等の含ハロゲン系樹脂、ポリカーボネート,PBT等のポリエステル樹脂、6ナイロン等のポリアミド樹脂、フェニレンオキサイド,ポリアセタール等のポリエーテル樹脂など、熱可塑性樹脂全般に渡るものである。
【0011】
この場合、前記プラスチック材料として、単独種類のプラスチックが適用できることは勿論、二種類以上のプラスチックを混合することもできる(請求項2の発明)。さらには、前記粉砕ゴム材料を、60〜80重量%の配合とし、板状に成形することも可能である(請求項3の発明)。
【0012】
これによれば、複数種類のプラスチックさらには異質材料が混ざっていても撹拌混合による溶融が可能であり、成形品としての再生に支障がないので、ラミネート材等の従来では再生が困難であった廃材についても再生可能な材料として容易に使用することができ、ひいては、プラスチック廃材の再生率を飛躍的に向上させることが可能となる。それに加え、複数種類を混ぜることによって、得られる成形品の色や外観、表面状態、硬さや強度、重量等を積極的に変えることができ、従来に存在しなかったいわば新素材として提供することも可能となる。そして、粉砕ゴム材料を例えば60〜80重量%の配合とし板状に成形することにより、ゴムの特性を有した板材を製造することができ、製品を床材,防音壁,防振材等に利用することが可能となる。
【0014】
尚、成形品を様々な形状とすることにより、各種の製品を提供することができる。製品としての例をあげれば、工業用のパレット,ダネージ,バケット,バール,カート,敷き板(すのこ),箱(コンテナ)、食品用の汎用箱、農業,水産用のコンテナ、医療用の廃処理ボックス、自動車用脱出ツール、建築資材として天井板,床材や防音壁、ドアや家具の隠れ材,補強材、U字溝、ブロック、杭、埋設管などがあり、その他にも様々なものが考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。まず、図2及び図3を参照して、本実施例に係る成形品の製造方法を実施するための装置の構成について述べる。
【0016】
図3は、使用される製造設備7の概略的レイアウトを示しており、この製造設備7は、プラスチック廃材を粉砕するための粉砕装置8、材料を収容すると共に計量して供給するための材料計量混合供給装置9、供給された材料を内部摩擦熱により溶融させてゲル状の成形材料とするミキシング機10、このミキシング機10から排出された成形材料を搬送するゲル搬送ロボット11、成形材料を所定形状に成形する成型装置12、この成型装置12により成形された製品を搬出する製品搬出装置13、上記各装置を制御するための制御盤14等を備えて構成されている。
【0017】
そのうち粉砕装置8は、例えば汎用の粉砕機からなり、プラスチック廃材を粉砕して例えば1cm角程度のチップ状に細片化するようになっている。前記材料計量混合供給装置9は、例えば3個のホッパー9aを備え、それらホッパー9a内に収容された材料を、所定量ずつ計量して夫々供給路9bを通してミキシング機10に供給するように構成されている。
【0018】
そして、前記ミキシング機10は、図2に示すように構成されている。即ち、ミキシング機10のベース15上の図で右寄り部分には、モータ16が設けられ、ベース15上の図で左寄り部分には、チャンバ17が設けられている。このチャンバ17の右側には、材料供給室18が隣接して設けられ、それらは連通口18aにより連通している。また、これらチャンバ17及び材料供給室18の両室を前記連通口18a部分を通って左右方向に貫通して延びる駆動軸19が設けられている。
【0019】
この駆動軸19は、両端側が軸受20,20により回転自在に支持されると共に、その図で右端部がカップリング21を介して前記モータ16の回転軸16aに連結されている。この駆動軸19には、前記材料供給室18内に位置して、材料を連通口18aを通してチャンバ17内に送るためのスクリュー22が設けられていると共に、前記チャンバ17内に位置して、材料を混合し、内部摩擦熱により溶融させるための複数本の撹拌羽根23が設けられている。また、図示はしないが、この駆動軸19は中空状に構成されており、図で左端部に設けられる冷水循環パイプ24を通して内部に過熱防止用の冷水が循環されるようになっている。
【0020】
また、前記材料供給室18の上部には、前記材料計量混合供給装置9から供給される材料を受けるホッパー25が設けられている。そして、前記チャンバ17の下部には、溶融してゲル化した成形材料を排出するための排出口26が設けられ、この排出口26は開閉機構27により開閉されるようになっている。排出口26の外側には樋状の排出路28が設けられている。さらに、チャンバ17の上部には、内部温度を非接触で検出するための赤外線温度センサ等の温度検出器29が設けられている。この温度検出器29が、所定の設定温度(例えば120〜300℃の範囲で設定される)を検出することによって、排出口26の開放が制御されるようになっている。尚、温度検出器29の検出温度は、実際の材料の温度よりも高め(例えば30deg 程度高め)となるので、それを見込んだ温度設定が行われるようになっている。
【0021】
これにて、後の作用説明でも述べるように、ミキシング機10は、モータ16による駆動軸19の回転駆動によって、材料供給室18に供給された材料をチャンバ17内に送り、その材料を撹拌羽根23の高速回転(先端速度が15〜45m/秒)によって強く撹拌し、摩擦熱の発生によって極めて短時間(例えば数秒〜数十秒)にて溶融させ、ゲル状の成形材料とするようになっている。そして、前記温度検出器29の検出温度に基づき、開閉機構27により排出口26が開放され、ゲル状の成形材料が排出路28に排出されるのである。
【0022】
前記ゲル搬送ロボット11は、図3に示すように、前記ミキシング機10の排出路28に排出されたゲル状の成形材料を、トレイ11aなどにより受け、これを成型装置12まで搬送し、金型30に投入するようになっている。成型装置12は、金型30により成形材料を所定形状に成形するようになっている。成形された製品は、金型30から取出されて製品搬送装置13により搬送されるようになっている。尚、成型装置12及び製品搬送装置13は、必要に応じて2系統以上設けるようにしても良い。
【0023】
さて、上記製造設備7を用いて成形品を製造する工程について以下述べる。図1は、製造工程の概略を示している。ここで、成形品6は、回収された熱可塑性樹脂からなるプラスチック廃材1を原料とし、また場合によりそのプラスチック廃材1に、古紙,ゴム廃材,繊維,木粉等の異質廃材2を混入して原料とするようになっている。
【0024】
前記プラスチック廃材1の樹脂種類としては、後に掲載する表1にも示すように、主なものとして、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)等をあげることができ、その他にも、ABS,塩化ビニル,ナイロン等、熱可塑性樹脂全般を適用することができる。廃材1の時点でそれらが複数種類混ざったものでも、原料となり得るようになっている。
【0025】
また、このようなプラスチック廃材1となる物品としては、ポリタンク、各種の箱(コンテナ)、PETボトル、スーパー持帰り袋、各種ポリ袋、各種シート、食品用トレー、自動車のバンパーやインパネ,ドアトリム等の樹脂部品などがある。この場合、プラスチックの不織布や発泡製品であっても良く、さらにはプラスチックの薄膜に紙やアルミ,布,異種プラスチック等を貼合せ状としたラミネート製品も原料とすることが可能である。一方、異質廃材2となる物品としては、ゴムの場合は、自動車の古タイヤやゴムシート等があり、紙の場合は、古新聞,雑誌、ダンボール等がある。熱硬化性樹脂の廃材もパウダー状とすることにより混入可能である。
【0026】
上記したプラスチック廃材1は、粉砕工程P1の実行により細片化され、チップ状のプラスチック材料3とされる。この粉砕工程P1は、プラスチック廃材1を粉砕装置8にかけて、1cm角程度のチップ状に細片化することにより行われる。細片化されたプラスチック材料3は、前記材料計量混合供給装置9の1個のホッパー9aに収容される。このとき、複数種類のプラスチック廃材1を用いる場合には、夫々粉砕工程を実行して別々のホッパー9aに収容しても良く、あるいは、予め混合したプラスチック材料3としておくこともできる。
【0027】
また、異質材料を混合(ブレンド)する場合には、異質廃材2に対する粉砕工程P2を実行し、細片状あるいは粒子(パウダー)状の粉砕異質材料4としておく。この粉砕異質材料4も、上記プラスチック材料3とは別のホッパー9aに収容しておく。
【0028】
そして、前記材料3,4をミキシング機10によって溶融させてゲル状の成形材料5を得る溶融工程P3が実行される。この溶融工程P3を実行するにあたっては、材料計量混合供給装置9から、上記材料3,4が所定の割合でミキシング機10のホッパー25に供給される。この溶融工程P3では、材料供給室18からチャンバ17内に供給された材料3,4が、撹拌羽根23により高速で強く撹拌混合され、摩擦熱が発生するようになる。尚、具体的には、駆動軸19は例えば5000rpm の回転数にて高速回転され、撹拌羽根23は、その先端速度が例えば36〜42m/秒とされる。
【0029】
この撹拌混合により発生する内部摩擦熱により、材料中の熱可塑性樹脂(チップ状のプラスチック材料3は、速やかに温度上昇して極めて短時間(この場合28〜40秒)で溶融するようになる。このとき、材料中に異質材料4(紙やゴム,繊維、あるいはラミネート材等)が混入されていても、それらは成形材料5中に十分に混合されて均一に分散された状態となる。
【0030】
このようにしてゲル状に溶融した成形材料5が得られ、温度検出器29が、予め設定された設定温度(この場合210〜250℃)を検出すると、ゲル状(つきたての餅の如き硬さ)となった成形材料5が排出口26から排出される。このとき、撹拌混合によりプラスチック材料3が溶融するまでの時間は極めて短時間(30秒前後)であるので、熱劣化がなく、剪断作用を起こすこともないものとされている。このとき、融点の異なる複数種類のプラスチック材料(例えばPETとPP、PPとPE等)が混合されていても、熱劣化なく全て溶融するようになることが確認されている。
【0031】
図4は、本発明者が3種類のプラスチック材料3において試験した、プラスチック材料3の投入から溶融(ゲル状の成形材料5の排出)までの、モータ16の電流値の変化及び温度検出器29の検出温度の変化の様子を示している。図中、(a)はLDPEとPSとPETとを混合した材料、(b)はPPからなる材料、(c)はPPとPETとを混合した材料を夫々示している。この図4から明らかなように、いずれの材料にあっても、二十数秒間の高速撹拌にて、材料は摩擦熱により温度上昇して溶融し、その後の十秒程度にて、十分に混合され且つ適度な溶融状態となった成形材料5が得られるのである。
【0032】
引続き、排出されたゲル状の成形材料5は、ゲル搬送ロボット11により速やかにプレス成型装置12に搬送され、成形工程P4が実行される。この成形工程P4では、金型30により成型材料5が板状あるいは箱状等の所定形状に成形されて硬化され、もって成形品6が得られる。このとき、成形までに要する時間は、例えば1分30秒程度と短く、成形材料5(成形品6)に熱劣化が生ずることはない。この後、成形品6は、金型30から取出されて製品搬送装置13により搬送されるようになっている。
【0033】
以上の工程により、各種の成形品6を製造することができる。成形品6の製品としての例をあげれば、工業用のパレット,ダネージ,バケット,バール,カート,敷き板(すのこ),箱(コンテナ)、食品用の汎用箱、農業,水産用のコンテナ、医療用の廃処理ボックス、自動車用脱出ツール、建築資材として天井板,床材や防音壁、ドアや家具の隠れ材,補強材、U字溝、ブロック、杭、埋設管などがあり、その他にも様々なものが考えられる。
【0034】
次に掲示する表1は、本発明者等の試験により成形可能であることが確認された材料種類(組合せ)の一部を示している。尚、表中、「PPF」は、ポリプロピレンファイバーを示し、「TPO」は、東レ(株)製のポリオキサイドを示している。
【0035】
【表1】
【0036】
このように様々な種類のプラスチック廃材1を成形品6として成形することが可能となり、従来では不可能であると考えられていた二種類以上のプラスチックが混合されている材料3であっても、溶融、成形が可能であり、さらには、材料に紙,ゴム,繊維,金属粉,木粉等の異質材料4を混入させても、溶融,成形が可能である。
【0037】
この場合、プラスチック廃材1をブレンドした材料3から成形される成形品6の物性は、強度,曲げ,耐久性等において、新しい原料を用いて製造されたプラスチック製品とさほど遜色のないものが得られた。また、PPと異質材料としてのゴムとを混合したもの(No.13)においては、ゴムを例えば60〜80重量%の配合とし板状に成形することにより、ゴムの特性を有した板材を製造することができ、製品を床材,防音壁,防振材等に利用することが可能となる。さらに、PPと紙(古紙)とを混合したもの(No.11)においては、やはり紙を60〜80重量%の配合として板状に成形することにより、厚紙状のシートを得ることができ、ドアや家具の隠れ材、補強材、床板、壁の中間材等として利用することができる。
【0038】
ちなみに、図5ないし図7は、3種類の成形品6に関して、その断面の結晶構造を撮影した顕微鏡写真であり、図中、(b)は(a)を更に拡大したものである。このうち、図5は、紙不織布(60重量%)とPP(40重量%)とを混合したものを材料としたものであり(表1のNo.8)、繊維質が残った状態の成形品となることが理解できる。図6は、PPとTPOとPPFとPVCとを混合したものを材料としたものであり(No.4)、溶融しなかった粒子が残った状態の成形品とされることが理解できる。図7は、PVC内装材を材料としたものであり(表1には示さず)、紙の粒子が残った状態の成形品とされることが理解できる。
【0039】
このように本実施例によれば、各種のプラスチック廃材1を種別なく材料3として再利用して成形品6を得ることができ、従来のような仕分選別作業、分離作業などの面倒な中間工程を行う必要がなくなり、しかも、溶融材料を一旦ペレット状の中間材とすることもなく直接成形して再生製品とすることができる。従って、工程が簡単であると共に、使用する装置もさほど複雑でなく、短時間で再生製品の製造が可能となり、成形品6を製造するにあたっての、材料費、加工費の大幅なコストダウンを図ることができ、ひいては製品を安価に提供することができる。
【0040】
このとき、複数種類のプラスチック材料3さらには異質材料4が混ざっていても撹拌混合による溶融が可能であり、成形品6としての再生に支障がないので、ラミネート材等の従来では再生が困難であった廃材についても再生可能な材料として容易に使用することができ、しかも、古紙やゴム廃材の処理(リサイクル)も合わせて図ることができる。さらには、複数種類のプラスチック材料3及び異質材料4を混ぜることによって、従来に存在しなかったいわば新素材を提供することも可能となるものである。
【0041】
この結果、本実施例によれば、従来では処理に困っており、大部分が焼却あるいは埋立て処理されていたプラスチック廃材を、容易且つ有効に再利用(リサイクル)することができるという優れた効果を得ることができ、ひいてはプラスチック廃材の処理問題の解決に大いに寄与することができるものである。ちなみに、本発明者の試算によれば、従来では10%程度であってプラスチック廃材の再生率を、本発明により80%程度まで飛躍的に増大させることが可能となり、そのメリットは図り知れないものとなる。
【0042】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、例えば複数種類のプラスチック材料の組合せや配合としては、表1にあげたもの以外にも、様々な組合せが可能となり、また、同様に、成形品の製品としての種類についても、上記したものは一例に過ぎない。その他、装置構成や溶融条件等についても変形が可能であるなど、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明のプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法によれば、プラスチック廃材を有効に再利用することができ、ひいてはプラスチック廃材の処理問題の解決に大いに寄与することができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、製造工程を示す図
【図2】一部を縦断面して示すミキシング機の側面図
【図3】製造設備を概略的に示す平面図
【図4】3種類の材料についての溶融工程におけるモータ電流と温度との関係を示す図
【図5】成形品の断面の結晶構造を示す写真であり(b)は(a)を更に拡大したもの
【図6】異なる材料からなる成形品に関する図5相当写真
【図7】更に異なる材料からなる成形品に関する図5相当写真
【符号の説明】
図面中、1はプラスチック廃材、2は異質廃材、3はプラスチック材料、4は異質材料、5は成形材料、6は成形品、7は製造設備、8は粉砕装置、10はミキシング機、12は成型装置、17はチャンバ、23は撹拌羽根を示す。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂からなるプラスチック廃材を細片化してチップ状のプラスチック材料とする粉砕工程と、
古タイヤやゴムシート等のゴム廃材を細片状あるいはパウダー状の粉砕ゴム材料とする第2の粉砕工程と、
複数本の撹拌羽根を有する横軸型の駆動軸をチャンバ内に備えて構成されるミキシング機の前記チャンバ内に、前記プラスチック材料及び粉砕ゴム材料を収容し、前記撹拌羽根を先端速度が15〜45m/秒で高速回転させることにより撹拌混合し、内部摩擦熱により溶融させてゲル状の成形材料を得る溶融工程と、
前記ゲル状の成形材料を熱劣化が生じない短時間内に成形装置により所定形状に成形する成形工程とを実行することを特徴とするプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法。 - 前記プラスチック材料には、二種類以上のプラスチックが混合されていることを特徴とする請求項1記載のプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法。
- 前記粉砕ゴム材料を、60〜80重量%の配合とし、板状に成形することを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチック廃材を原料とする成形品の製造方法。
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