パネル形状の外装材を鉄筋コンクリート等により構築された躯体面に取り付ける工法として、従来から適宜寸法にカットされたアングル材をアンカーボルトによって躯体面に固定し、該アングル材から突出したアングル材の一片に他のアングル材を重ね合わせ、該アングル材の重合部において前記躯体面の不陸を調整して外装パネル材の取付レベル位置決めを行い、前記外装パネル材の取付を行う方法が一般的におこなわれている。
前記外装パネル材の取付に使用される取付金物は、二個のアングル材であり、該二個のアングル材は、一方のアングル材を躯体面に固定し、他方のアングル材は外装パネル材に直接取り付けるか、縦横の胴縁を介して外装パネル材を取り付けるもので、前記二個のアングル材の重合部にて片側のアングル材の出幅を調整し、躯体面の不陸調整と取付レベルの位置決めを行った後、前記重合する二個のアングル材を溶接により固着して外装パネル材を取付している。
しかしながら、上述の如くアングル材を取付金物として用いた従来の工法にあっては、躯体面にアンカーボルトにて固定されたアングル材の突出片上で他のアングル材を重合して、該部分にて躯体面の不陸調整と取付レベルを決めているため、当該外装パネル材の取付は熟練を必要としていた。
また、上記従来工法にあっては、使用できるアングル材の大きさに限度があり、外装材と躯体面間に十分な厚さの断熱材を施すために大きな間隔を設けようとすると、前記アングル材の組み合わせを吊り梯子の如く三個から四個と組み合わせて躯体面から外装材を持ち出しをするか、断面形状が大矩の如くアングル材を組み合わせてファスナー部材をそれぞれ作り、該ファスナー部材にて外装パネル材を躯体面より大きな間隔を持って取り付ける構成となる。
従って上述の従来工法では、取付金物の製造費用が高価になるばかりでなく、取付金物が邪魔になり断熱材の施工が綿密でなくなるほか、取付金物自体が熱橋となり高性能の断熱効果が得られない。
斯くして、躯体面と外装材間の間隔を大きくとり、該間隙部に断熱材を十分な厚さをもって設けることのできる外装材の支持金物及び、当該支持金物を使用した外断熱工法による建物の外壁構造に関する技術が特開2000−73515号公報にて開示されている。
特開2000−73515号公報は、コンクリート造またはALC造の建物の外装材を支持するために躯体壁面に設置される支持金物であって、基端が壁面に略垂直に取り付けられる支持ボルトと、当該支持ボルトを補強するための補強部材とから成り、前記補強部材は、前記支持ボルトを相対的に挿通させる装着部と、当該装着部から張出された複数の支持板とから構成され、前記各支持板は、その底辺先端の壁面接触部分から支持ボルト先端側に向けられた略直線的な筋交構造を備えている。
そして前記支持金物の支持ボルトの基端が躯体壁に埋没され、補強部材の装着部から突出した前記支持ボルトの先端部側に角パイプ等から成る縦胴縁(6e)が取り付けられ外装材(6)は縦胴縁(6e)に沿ってネジ止めされている。
而して、前記支持金物にあっては、基端が壁面に略垂直に取り付けられる支持ボルトと、該支持ボルトを補強するための補強部材とから成り、補強部材は前記支持ボルトを相対的に挿通させる装着部と、当該装着部から張出された複数の支持板から構成される、所謂、コンクリート躯体と外装材間の間隔を大きく設定するための一つの具現化した機構を開示している。
然しながら、前記、特開2000−73515号公報は、折角、コンクリート躯体と外装材(6)間の間隙を大きく設定することができて、該間隙部に断熱材を装着しても、補強部材の装着部から突出した支持ボルトの先端部側に角パイプ等から成る縦胴縁(6e)を取り付ける段階で、外装材取付位置の設定に大変煩雑な施工手順を余儀なくされる。
即ち、開示された従来技術では、補強部材の装着部から突出した支持ボルトの先端部に角パイプ等から成る縦胴縁を取り付けながら、該縦胴縁の取付位置において躯体面の不陸調整と取付レベルを決め固定しているため、当該縦胴縁に直接取り付けられる外装材の取付は熟練を要するばかりでなく、施工精度の良い物とならない。
また、開示された従来技術では、外装材は、該縦胴縁に沿ってネジ止めされることにより、躯体壁の壁面と外装材との離間距離を大きく取れるので、外断熱工法において、断熱材の厚さを例えば75〜300mmといった十分な厚さに設定できるとしているが、躯体壁の壁面と外装材との離間距離を大きく取ると、躯体面より外装パネル面間の距離は大きくなり、外装材の重量と風圧に耐え得るように取付金物を構成するには、縦胴縁の設定ピッチを狭める必要が生じ、前記煩雑な支持ボルトの先端部に角パイプ等から成る縦胴縁を取り付ける作業が増大する。
特開2000−73515号公報
斯くして、本発明は、コンクリート躯体と外装材(6)間の間隙を大きく設定することができて、該間隙部に断熱材を装着しても、補強部材の装着部から突出した支持ボルトの先端部側に角パイプ等から成る縦胴縁(6e)を取り付ける段階で、大変煩雑な施工手順を余儀なくされている点を解決する。
本発明は、特に安価で生産性に優れた外壁パネル材(外装材を本発明の説明では以下、外装パネル材と称する)の取付金物を提供し、該外壁パネル材の取付金物を使用すると外壁パネル材の取付位置が三次元で調整可能で、設定寸法に取付位置調整でき、施工が、簡単且つ容易にできる取付金物を提供するものである。
また、本発明が対象とする外断熱工法を用いた建物は、コンクリート躯体と外装パネル間の間隔を大きく設定することが必要で、該間隙部に十分な厚さでグラスウール系やロックウール系の断熱材を支持ボルトで保持して施工し、省エネルギー効果に優れ、耐久性の高い建物を構成するためのものである。
本発明は、前記コンクリート躯体と外装パネル材間の間隙を確保し、コンクリート躯体から外装パネルを持ち出して取付するための胴縁受け金物で、該胴縁受け金物は、熱橋作用の生じにくい最小断面形状を有する支持ボルトに簡単に固定可能であり、また、該躯体面からの持ち出し用支持ボルトは板上に成形された断熱材を当該支持ボルトにて面方向で貫通してコンクリート躯体面に保持できる。
而して、本発明は、前記支持ボルトの先端部に如何に胴縁を効率よく固着するかを工夫した胴縁受け金物で、該形状にて支障なく外装パネル材を取付可能な外断熱工法を用いた建物用の外装パネル取付金物を提供することを目的としている。
本発明は、鉄筋コンクリート造やプレキャストコンクリート造、及び軽量気泡コンクリート板等にて形成される建造物の躯体面に対して必要な間隔をもって平滑状態に外装パネル材をとりつけるために、前記躯体の前面に縦胴縁受け金物と、該受け金物に装着、固定して設けられる外壁パネル材取付金物を提供する。
而して本発明において実施されるパネル取付用胴縁の取付は、前記胴縁受け金物と躯体面に略垂直に植設される断面形状の小さい支持ボルトと、該支持ボルトの根元部補強のために支持ボルトの根元部に嵌挿されるサポート金具からなる。
そして、前記躯体面に植設した支持ボルトにサポート金具を嵌挿して固定用ナットにて躯体面にサポート金具を締着固定し、該サポート金具を締着固定した支持ボルトの先端部で新規な形状の縦胴縁受け金物を位置決めナットを介して設定位置に固設し、この取付行程で縦胴縁受け金物の躯体面の不陸並びに出幅の調整を行い、該縦胴縁受け金物に胴縁を装架せしめ、該胴縁に外装パネルを取付ていくものである。
本発明の具体的な構成は、外装パネル材の取付金具は躯体面に埋め込まれたアンカーボルトを介して略垂直に植設される支持ボルトと、該支持ボルトの根元部補強のために支持ボルトの根元部に嵌挿されるサポート金具からなり、該サポート金具は前記支持ボルトの挿入孔を中心に放射状に3〜4枚の羽根形状のリブが形成されており、該リブの先端面が躯体面に圧着されるようにサポート金物を締着固定した前記支持ボルトは該支持ボルトの先端部で胴縁受け金物を位置決めナットを介して所定位置に設定可能となし、該位置決めナットに対向して螺着される挟持ナットにて前記胴縁受け金物は設定位置に固設保持される構成有し、また、前記胴縁受け金物は平板に胴縁嵌合部を形成する挟持リブを有しており該胴縁受け金物の挟持リブが形成する胴縁嵌合部に嵌着される縦胴縁は、躯体面に対して上下方向に装架される通し材を形成し、該縦胴縁からなる通し材に外装パネルは取付可能となし、前記縦胴縁に取り付けられる外装パネルは外装パネルと前記躯体面間に所定間隙を設ける構成となし、該所定間隙内で前記支持ボルトが断熱材を保持して前記外装パネルを施工していく外壁パネル材の取付金物において実施される。
而して、本発明は、サポート金具を締着固定した支持ボルトの先端部で位置決めナットと挟持ナットにて所定位置に固設される胴縁受け金物は平板に胴縁嵌合部を形成する一対の挟持リブを有し、該挟持リブを挟んで両端に広がる支持ボルト固定部と耐風ボルト固定部を設けてなり、前記支持ボルトの先端部は胴縁受け金物の支持ボルト固定部に穿たれたルーズホールに挿着され、該ルーズホール内で胴縁受け金物を調整して所定位置に固設し、前記挟持リブの他端に設けられた耐風ボルト固定部には耐風ボルト螺着孔を穿設して、該耐風ボルト螺着孔に耐風ボルトを螺着させて当該耐風ボルトの先端部を前記躯体面に当接調整することで、
前記胴縁受け金物に係る面外に対する対応力を補強することを可能にした構成を有することを主な特徴とする外断熱工法を用いた建物の外壁パネル材取付金物である。
また、本発明において、前記胴縁受け金物は当該胴縁受け金物の長手方向に連続して押し出されるアルミ押出形材にて製作され、該胴縁受け金物の有効長さは適宜長さに切断されてピース材の胴縁受け金物となし、
該ピース材の胴縁受け金物は前記一対の挟持リブを有する胴縁嵌合部を形成して当該胴縁嵌合部で接合する一対の胴縁間に嵌合して添部材となし、該添部材をそれぞれ胴縁とビス等にて固着せしめ接合する一対の胴縁間の接合部材を構成することが好ましい。
斯くして、本発明に用いられるサポート金具は、ロストワックスによる精密鋳造製法にて製作されたステンレス部材または相当の金属部材で、該サポート金具のワックス型成型金型は設計時に最大限サポート金具の必要長さ大きく設定して製作し、該ワックス型成型金型で成型したワックス製の型から頭部を長手軸方向に対して垂直に切断することにより容易に前記サポート金具の長さを任意に設定できるサポート金具を用いている。
また、サポート金具の断面形状は中心に支持ボルト挿入孔を有した精密鋳造部品で、該支持ボルト挿入孔を中心に放射上に3枚、或いは4枚のリブ形状の羽が形成されており、前記精密鋳造部品を長手軸方向に対して垂直に切断してサポート金具の必要長さを任意に確保し、該サポート金具にて前記支持ボルトの根元補強を行い、躯体面より大きく持ち出しされた支持ボルトの先端部にに係るモーメント荷重を補強的に支持することができるように製造される新しい外装パネル材のサポート金具を採用している。
而して、本発明は上述の如く構成することにより、特に安価で生産性に優れた外壁パネル材の取付金物を提供し、該外壁パネル材の取付金物を使用すると外壁パネル材の取付位置が三次元で調整でき、簡単且つ容易に施工できる取付金物を具現化した。
また、本発明が対象とする外断熱工法を用いた建物は、コンクリート躯体と外装パネル間の間隔を大きく設定することが必要で、該間隙部に十分な厚さでグラスウール系やロックウール系の断熱材を施工し、省エネルギー効果に優れた、耐久性の高い建物を構成するものである。本発明は、前記コンクリート躯体と外装パネル材間の間隙を確保して、コンクリート躯体に外装パネルを支障なく取付可能な外装パネル取付金物を提供することができた。
更に、本発明では、前記挟持リブの他端に設けられた耐風ボルト固定部には耐風ボルト螺着孔を穿設して、該耐風ボルト螺着孔に耐風ボルトを螺着させて当該耐風ボルトの先端部を前記躯体面に当接調整することで、前記胴縁受け金物に係る面外に対する対応力を補強することを可能にすることができた。
本発明が提案する外装パネル材の取付金物は、鉄筋コンクリート造やプレキャストコンクリート造、並びに軽量気泡コンクリート板等にて形成される建造物の躯体面に対して必要な間隔をもって平滑状態に外装パネル材を取り付けるためにの施工に際して、該外装パネル材の取付金具は躯体面に埋め込まれたアンカーボルトを介して略垂直に植設される支持ボルトと、該支持ボルトの根元部補強のために支持ボルトの根元部に嵌挿されるサポート金具からなる。
サポート金具は前記支持ボルトの挿入孔を中心に放射状に3〜4枚の羽根形状のリブが形成されており、該それぞれのリブ先端部には羽根厚よりも大きな脚部構成シューが形成された形状を有し、該サポート金具の脚部構成シューが前記躯体面に圧着されるよう躯体面に植設した支持ボルトにサポート金具を嵌挿して固定用ナットにて躯体面にサポート金具を締着固定している。
而して、サポート金物を締着固定した支持ボルトは該支持ボルトの先端部で胴縁受け金物を位置決めナットと挟持ナットにて所定位置に設定し、該位置決めナットに対向して螺着される挟持ナットにて前記胴縁受け金物は設定位置に固設保持され、該胴縁受け金物の胴縁嵌合部に胴縁を嵌合当接してビスで胴縁と胴縁受け金物を締結することにより、前記躯体面と胴縁に取り付けられる外装パネル材間に所定間隙を設け、該所定間隙内で前記支持ボルトが断熱材を保持して、前記外装パネル材を施工するものである。
本発明において、前記サポート金具を締着固定した支持ボルトの先端部で位置決めナットと挟持ナットを介して所定位置に設定される胴縁受け金物は平板に胴縁嵌合部を形成する一対の挟持リブを有し、該挟持リブを挟んで両端に広がる支持ボルト固定部と耐風ボルト固定部を設けてなり、該支持ボルト固定部には長孔形状のルーズホールが穿たれており、前記位置決めナットを螺着した支持ボルトの先端部は胴縁受け金物の支持ボルト固定部に穿たれた長孔形状のルーズホールに挿着され前記位置決めナットに当接されて出幅方向を設定されている。
また、前記長孔形状のルーズホール内にて胴縁受け金物は左右方向を調整して前記位置決めナットに対向して支持ボルトに螺着される挟持ナットで挟持固着され、該胴縁受け金物の一対の挟持リブが形成する胴縁嵌合部に嵌着される縦胴縁は躯体面に対して上下方向に装架される通し材を形成し、該通し材にビス止め等にて取付される外装パネルは取付時に縦胴縁上で当該外パネルの上下調整をおこなう構成の外壁パネル材取付金物用の胴縁受け金物である。
本発明は、サポート金具を締着固定した支持ボルトの先端部で位置決めナットを介して所定位置に固設される胴縁受け金物は平板に胴縁嵌合部を形成する一対の挟持リブを有し、該挟持リブを挟んで両端に広がる支持ボルト固定部と耐風ボルト固定部を設けている。
前記支持ボルトの先端部は胴縁受け金物の支持ボルト固定部に穿たれたルーズホールに挿着され、該ルーズホールを介して胴縁受け金物を調整して所定位置に固設し、前記挟持リブの他端に設けられた耐風ボルト固定部には耐風ボルト螺着孔を穿設してなり、該耐風ボルト螺着孔に耐風ボルトを必要に応じて螺着させて当該耐風ボルトの先端部を前記躯体面に当接調整することで、前記胴縁受け金物に係る面外に対する対応力を補強することを可能にした外壁パネル材取付金物用の胴縁受け金物である。
また、本発明は、胴縁受け金物は当該胴縁受け金物の長手方向に連続して押し出されるアルミ押出形材にて製作され、該胴縁受け金物の有効長さは適宜長さに切断されてピース材の胴縁受け金物となし、該ピース材の胴縁受け金物は前記一対の挟持リブを有する胴縁嵌合部を形成して当該胴縁嵌合部で接合する一対の胴縁間に嵌合して添部材となし、該添部材をそれぞれ胴縁とビス等にて固着せしめ接合する一対の胴縁間の接合部材を構成する外壁パネル材取付金物用の胴縁接合部材である。
本発明の実施例を図1乃至図6に基づき説明する。
図1は、本発明の化粧パネル材の取付金具を部品図的に表示した斜視説明図、図2は本発明の取付金具を使用して躯体正面に外装パネルを施工した状態を示す一部詳細図、図3は図2の縦断面図、図4は取付金具を示す部分平面図、図5は図4の部分縦断面図、図6は胴縁接合部の構成を示す説明図である。
図1乃至図6において、1は鉄筋コンクリート造やプレキャストコンクリート造、並びに軽量気泡コンクリート板等にて構築された躯体、2は該躯体の躯体面、3は躯体面2の前面にある間隙を持って取り付けられる外装パネル材で、多くはタイルやアルミそしてステンレスのパネル状成形材である。4は前記化粧パネル材3を平滑状態に取り付けるための縦胴縁であり、該縦胴縁4はアルミ押出形材で形成されたパイプ形状材が使用されている。
前記、縦胴縁4と躯体面2間には、外装パネル材3の取付金物5が配置されており、該取付金物5は躯体1に埋め込まれたアンカーボルト6、該アンカーボルト6に螺合され躯体面2に略垂直に植設される支持ボルト7、該支持ボルト7に挿嵌されるボルト挿入孔8を有するサポート金具9、該サポート金具9の固定用ナット10により構成されている。
また、前記サポート金具9を締着固定した支持ボルト7先端部11には本発明の胴縁受け金物12が配置されており、該胴縁受け金物12は平板に胴縁嵌合部13を形成する一対の挟持リブ14a、14bを有し、該挟持リブ14a、14bを挟んで両端に広がる支持ボルト固定部15と耐風ボルト固定部16が設けられ、該支持ボルト固定部15にはルーズホール17、耐風ボルト固定部16には耐風ボルト螺着孔18がそれぞれ穿たれている。
而して前記支持ボルト7の先端部11は位置決めナット19a、挟持ナット19bが螺着可能であり、先端部11に位置決めナット19aを螺着し、前記胴縁受け金物12の支持ボルト固定部15に穿たれたルーズホール17に挿着して、胴縁受け金物12の躯体面2との出幅を支持ボルト7の先端部11で調整する。次ぎに胴縁受け金物12はルーズホール17内にて左右方向の位置調整を行い、既に出幅位置調整済みの位置決めナット19aと挟持ナット19bにて挟持することで前記支持ボルト7の先端部11の設定位置に固設されている。
前記先端部11設定位置とは、躯体面2と化粧パネル3間の間隙を目的に応じて設定したもので、本発明が外断熱工法用であることから、前記間隙には、グラスウールやロックウール等の断熱材20、21(図4に示す)を施すスペースとして100mmから300mmの間隙を前記支持ボルト7、サポート金具9、胴縁受け金物12、そして縦胴縁4にて構成し、前記支持ボルト7にて板材形状で供給される断熱材20、21を面方向で貫通して躯体面2上に保持する。
また、前記耐風ボルト固定部16の耐風ボルト螺着孔18には耐風ボルト22が螺着可能に構成されており、該耐風ボルト22には耐風ナット19cが螺着されるようになっている。前記、耐風ボルト22は図1の当該位置に任意に螺着して、該耐風ボルト22の先端部23を躯体面2に当接することで、胴縁受け金物12の面外の外力に対する対応力は倍増させることが可能に構成されている。
そして前記、耐風ナット19cは、耐風ボルト22の先端部23が躯体面2に当接完了後、締結して耐風ボルト22、胴縁受け金物12、支持ボルト7を一体化させるためのものである。而して、耐風ボルト22は断熱材20、21を面方向で貫通して当該断熱材20、21を躯体面2上に保持することができるので、上記面外の対応力の倍増目的に使用するだけでなく、各胴縁受け金物12の位置で断熱材20、21を二点止めすることに使用しても良い。
前記支持ボルト7の先端部11に固設される胴縁受け金物12は、アルミ押出形材にて形成され、ピース部材に適宜カットして使用されるため、表面には、ルーズホール17の穿設位置や耐風ボルト螺合孔18の穿設位置決め用に位置表示V溝24が刻設されており、同様に胴縁4を胴縁受け金物12にタッピングビス24にて固着する際に利用できる位置表示V溝25も予め刻設されている。
また、前記サポート金具9は、支持ボルト7に挿嵌され、前記固定用ナット10にて躯体面2に圧着されながら締め付け固定されており躯体面2の不陸を克服して、該締結作業により支持ボルト7の躯体面2への略垂直状態は近似的垂直状態にまで改善される。
更にサポート金具9の役割は、前記ボルト挿入孔8を中心に放射上に3枚の羽根形状のリブ27a、27b、27cが設けられており、該リブ27a、27b、27cのそれぞれの端部には、脚部構成シュー28a、28b、28cがそれぞれ設けられている。
前記、脚部構成シュー28a、28b、28cは、前記固定用ナット10の締結により躯体面2に圧着されて筋交い状に配列され、サポート金具9のボルト挿入孔8にて挿嵌されいる支持ボルト7を強固に根元から補強し、且つ躯体面2上の不陸を調整するための脚部を構成し、該支持ボルト7を大きく持ち出し可能としている。
而して、図2の外装パネル割り付け図、並びに図3の縦断面図にあっては、前記本発明の取付金物を複数本配列して躯体面2に外装パネル材3a、3b、3c・・・を施工した状態を示す部分詳細図を示すもので、外装パネル材3a、3b、3c・・・の裏面には、或るピッチ間隔を持って縦胴縁4a、4b、4c・・・が配置されている。
縦胴縁4a、4b、4c・・・は、本発明の胴縁受け金物12a、12b、12c・・・により、嵌合固着されており、予め躯体面2に植設されたアンカーボルト6a、6b、6c・・・に固着された支持ボルト7a、7b、7c・・・と前記縦胴縁4a、4b、4c・・・の位置調整は、間に介在する胴縁受け金物12a、12b、12c・・・と支持ボルト7a、7b、7c・・・がそれぞれ位置決めナット19a、挟持ナット19bにて挟持固定する時に行われる。
即ち、それぞれの縦胴縁4a、4b、4c・・・は、躯体面2に対して出幅方向を調整されており、また、縦胴縁4a、4b、4c・・・のピッチは、胴縁受け金物12a、12b、12c・・・のそれぞれのルーズホール17内で左右に調整されているから、外装パネル材3a、3b、3c・・・の取付は、縦胴縁4a、4b、4c・・・上でその上下関係位置を調整してタッピングビス30a、30b、30c・・・でビス止めして行くだけで三次元位置調整した精度の良い施工がなされる。
斯くして、前記支持ボルト7の直径は通常、8〜16mmφであり、本発明が要求する前記躯体面2と化粧パネル材3間に設けられる断熱材20、21を十分に施すための間隙が100〜300mmといった寸法であることから、前記支持ボルト7をそのまま持ち出して縦胴縁4a、4b、4c・・・及び外装パネル材3a、3b、3c・・・を装着することになると前記支持ボルト7は、縦胴縁4a、4b、4c・・・及び外装パネル材3a、3b、3c・・・の重量を受けて変形することになるために、支持ボルト7の持ち出し長さを、それぞれ前記サポート金具9で根元部から補強することによって、躯体面2と化粧パネル3間に大きな間隔を容易に設けることが可能となった。
図4は図1において説明した部品図を組み立てた状態で、取付金物5と胴縁受け金物12の関係を示す部分平面図、図5は図4の部分縦断面図である。図4並びに図5において、1は躯体、2は躯体面、20、21は断熱材、3は外装パネル材をそれぞれ示している。また、6は躯体面2に植設されたアンカーボルト、9はサポート金具、10は固定ナット、7は支持ボルト、12は胴縁受け金物、4は縦胴縁であり、該縦胴縁4に外装パネル材3a、3bは化粧目地29を介してタッピングビス30にて取付されている。
そして、支持ボルト7の先端部11は位置決めナット19a、挟持ナット19bが螺着可能であり、先端部11に位置決めナット19aを螺着し、前記胴縁受け金物12の支持ボルト固定部15に穿たれたルーズホール17に挿着して、胴縁受け金物12の躯体面2との出幅を支持ボルト7の先端部11で調整する。次ぎに胴縁受け金物12はルーズホール17内にて左右方向の位置調整を行い、既に出幅位置調整済みの位置決めナット19aと挟持ナット19bにて挟持することで前記支持ボルト7の先端部11の設定位置に固設されている。
尚、図4、図5における符号25は、胴縁4と胴縁受け金物12を嵌合固着するためのタッピングビスである。そして図4は、耐風ボルト固定部16の耐風ボルト螺着孔18に耐風ボルト22が螺着されている構成を示しており、該耐風ボルト22の先端部23を躯体面2に当接し、耐風ナット19cにて耐風ボルト22を固定することで、胴縁受け金物12の面外の外力に対する対応力を倍増させている実施例を示している。
斯くして、本発明の、外装パネル材3の取付金物は、鉄筋コンクリート造やプレキャストコンクリート造、並びに軽量気泡コンクリート板等にて形成される建造物の躯体面2に対して必要な間隔をもって平滑状態に外装パネル材3を取り付けるためにの施工に際して、該外装パネル材3の取付金具は躯体面2に埋め込まれたアンカーボルト6を介して略垂直に植設される支持ボルト7と、該支持ボルト7の根元部補強のために支持ボルト7の根元部に嵌挿されるサポート金具9からなる。
前記サポート金具9は前記支持ボルト7の挿入孔8を中心に放射状に3枚の羽根形状のリブ27a、27b、27cが形成されており、該それぞれのリブ先端部には羽根厚よりも大きな脚部構成シュー28a、28b、28cが形成された形状を有し、該サポート金具9の脚部構成シュー28a、28b、28cが前記躯体面2に圧着されるよう躯体面2に植設した支持ボルト7にサポート金具9を嵌挿して固定用ナット10にて躯体面2にサポート金具9を締着固定している。
而して、サポート金物9を締着固定した支持ボルト7は該支持ボルト7の先端部11で胴縁受け金物12を位置決めナット19aと挟持ナット19bにて所定位置に設定し、該位置決めナット19aに対向して螺着される挟持ナット19bにて前記胴縁受け金物12は設定位置に固設保持され、該胴縁受け金物12の胴縁嵌合部13に胴縁4を嵌合当接してビス25で胴縁4と胴縁受け金物12を締結することにより、前記躯体面2と胴縁4に取り付けられる外装パネル材3間に所定間隙を設け、該所定間隙内で前記支持ボルト7が断熱材を保持して、前記外装パネル材3を施工する構成を有する外断熱工法を用いた建物の外壁パネル材取付金物である。
本発明に係る前記サポート金具9を締着固定した支持ボルト7の先端部11で位置決めナット19aと挟持ナット19bにて所定位置に設定される胴縁受け金物12は、平板に胴縁嵌合部13を形成する一対の挟持リブ14a、14bを有し、該挟持リブ14a、14bを挟んで両端に広がる支持ボルト固定部15と耐風ボルト固定部16を設けてなり、該支持ボルト固定部15には長孔形状のルーズホール17が穿たれており、前記位置決めナット19aを螺着した支持ボルト7の先端部11は胴縁受け金物12の支持ボルト固定部16に穿たれた長孔形状のルーズホール17に挿着され前記位置決めナット19aに当接されて出幅方向を設定されている。
また、前記長孔形状のルーズホール17内にて胴縁受け金物12は左右方向を調整して前記位置決めナット19aに対向して支持ボルト7に螺着される挟持ナット19bで挟持固着され、該胴縁受け金物12の一対の挟持リブが14a、14b形成する胴縁嵌合部13に嵌着される縦胴縁4は躯体面2に対して上下方向に装架される通し材を形成し、該通し材にビス30止め等にて取付される外装パネル3は取付時に縦胴縁4上で当該外装パネル材30の上下調整をおこなう構成の外壁パネル材取付金物用の胴縁受け金物である。
そして、上記構成において、本発明の特筆すべき要点は、胴縁受け金物12のルーズホール17を縦胴縁4の一対の挟持リブ14a、14bの外側に配置された支持ボルト固定部15に穿設したことにある。このことにより、一端、全ての縦胴縁4a、4b、4c・・・が設置された後、万が一にも不陸の箇所が発露された場合の対処策が予め構成に組み入れられていることにある。
即ち、本発明においては、それぞれの胴縁受け金物12a、12b、12c・・・を固定するための位置決めナット19a、挟持ナット19bは側面、或いは正面から目視しながら緩め所定の位置に締め直すことで、最も容易に、且つ、確実に修正作業がおこなえる。このことは、従来の構成、施工方法では、一端取り付けた縦胴縁を取り外した上で不陸の調整を行い、再度、縦胴縁を付け直すという、多大な作業手間をなくし、外からの作業で、側面や正面から目視しながらの作業でできるため、作業性と取付精度の向上に大きく寄与している。
また、本発明に係る、サポート金具9を締着固定した支持ボルト7の先端部11で位置決めナット19aと挟持ナット19bにて所定位置に固設される胴縁受け金物12は、平板に胴縁嵌合部13を形成する一対の挟持リブ14a、14bを有し、該挟持リブ14a、14bを挟んで両端に広がる支持ボルト固定部15と耐風ボルト固定部16を設けている。
前記支持ボルト7の先端部11は胴縁受け金物12の支持ボルト固定部15に穿たれたルーズホール17に挿着され、該ルーズホール17を介して胴縁受け金物12を調整して所定位置に固設し、前記胴縁受け金物12の他端に設けられた耐風ボルト固定部16には耐風ボルト螺着孔18を穿設してなり、該耐風ボルト螺着孔18に耐風ボルト22を必要に応じて螺着させて当該耐風ボルト22の先端部23を前記躯体面2に当接調整することで、前記胴縁受け金物12に係る面外に対する対応力を補強することを可能にした外壁パネル材取付金物用の胴縁受け金物である。
更にまた、本発明に係る胴縁受け金物12は胴縁4の接合部材としても利用できる。図6は、縦胴縁4a、4bの接合一体化を胴縁受け金物12を介してタッピングビス25、25にて実施した例を縦断面図にて示している。そして、前記接合部は補強のために、支持ボルト11,サポート金物9を用いて、前記胴縁受け金物12から成る接合部を支持している。
上記胴縁受け金物12は、当該胴縁受け金物12の長手方向に連続して押し出されるアルミ押出形材にて製作され、該胴縁受け金物12の有効長さは適宜長さに切断されてピース材の胴縁受け金物12となし、該ピース材の胴縁受け金物12は前記一対の挟持リブ14a、14bを有する胴縁嵌合部13を形成して当該胴縁嵌合部13で接合する一対の胴縁4a、4b間に嵌合して添部材となし、該添部材をそれぞれの胴縁14a、14b間をビス25にて固着せしめて接合する接合部材を提供した。