JP4005346B2 - 部品供給部一括交換用カート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路基板などの回路形成体に電子部品などの部品を実装する部品実装装置において、部品供給装置を複数装着した部品供給部を部品実装装置の取り付け部に着脱するために使用される部品供給部の一括交換用カートに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子回路基板等の回路形成体の生産において、生産設備の稼動率を向上させるために機種切替に伴う段取り替えを短時間で完了させることが望まれている。1つの回路形成体の生産から次の回路形成体の生産に移る際、部品供給装置(以下、「パーツカセット」という。)を次の生産に必要な部品に合わせて交換する段取り替えの時間を短縮するため、パーツカセットを多数装着した部品供給部を利用して複数のパーツカセットを一括交換することが知られている。
【0003】
通常、回路形成体の生産には多種類の部品が実装されており、多種類のパーツカセットを全て交換するには多くの時間を要する。前記部品供給部の一括交換方式は、この手間のかかる多種類のパーツカセットの交換を事前に部品実装装置外で終えておき、前の回路形成体の生産終了と同時に複数のパーツカセットを搭載した部品供給部ごと一括して交換し、段取り替えを短時間に行なうものである。この一括交換を円滑に行なうために、前記部品供給部を搭載して昇降、及び移動させる一括交換用カートが使用されている。
【0004】
以下、従来技術による部品実装装置、及び一括交換カート(以下、「カート」という。)について、図面を参照して説明する。図12は、従来技術による部品実装装置とカートの概要を示している。図の右側に示す部品実装装置200において、搬送部201は回路形成体(以下、「基板」という。)202を搬入・搬出すると共に、部品実装時に基板202を所定位置に規正保持する。実装ヘッド208は、部品供給部206(トレイ式)または207(パーツカセット式)から部品203を吸着して取り出し、基板202に実装する一連の動作を行なう。ロボット204は、実装ヘッド208が前記一連の動作に行う間、実装ヘッド208を所定位置にそれぞれ搬送して位置決めする。部品認識カメラ209は、実装ヘッド208で吸着保持された部品の吸着状態を撮像して認識する。
【0005】
上記のように構成された部品実装装置の動作時、基板202が搬送部201により実装位置に搬入されて規正保持される。ロボット204は実装ヘッド208を部品供給部207上に移動し、実装ヘッド208に装着された単数もしくは複数のノズルが部品供給部207から部品を吸着して取り出す。吸着された部品は、ロボット204の搬送によって部品認識カメラ209に対向する位置に移動し、部品の吸着姿勢が部品認識力メラ209によって撮像される。撮像された画像が処理され、この処理結果に基づいて実装に必要な実装ヘッド208の位置、部品の角度補正量が把握される。この補正量を折り込んだロボット204の搬送とノズルの回転により、実装ヘッド208は基板202に対向する位置まで移動し、所定の実装位置に部品203を実装する。
【0006】
図12の左側には、複数のパーツカセット212を装着した部品供給部207を搭載するカート220を示している。部品供給部207は、カート220に搭載された状態で部品実装装置200に向かって前進し、部品実装装置200の取り付け部213の一対の位置決めピン214と係合して位置決めされ、取り付け部213に取り付けられる。
【0007】
図13は、従来のカート220の1例を示している。図において、カート220は、フレーム部221と、昇降部222と、搭載部223と、操作部224とから主に構成されている。フレーム部221は、自在キャスター2輪を含む合計4輪を備えた移動・旋回自在な台車から構成されている。フレーム部221に取り付けられた昇降用ペダル226は、昇降部222内にある油圧ジャッキを作動させ、搭載部223を昇降させて図1に示すように部品供給部207を部品実装装置200の取り付け部213に取り付け可能にする。
【0008】
搭載部223は、昇降部222に支持され、略U字状に形成されたその中央部分に部品供給部207を搭載可能である。搭載部223の図のX方向両側部にはそれぞれ1対の棒状突出部である上下方向の位置決めバー227が設けられ、部品供給部207を取り付ける際にこの上下方向の位置決めバー227が部品実装装置200側にあるガイドに嵌り込む。操作部224は、一対の操作バーから構成され、オペレータがカート220全体を移動、旋回する際に利用される。
【0009】
ところで、部品実装装置200による実装動作が行われる間、パーツカセット212に取り付けられた部品が順次消費され、使用後の部品テープやこれをカバーする保護テープがパーツカセット外に大量に排出される。これらテープを回収するための回収箱や、予備のパーツ用リールなどを保管する収納箱などはカート220とは別途に設ける必要があり、このため余分なフロア・スペースを必要としていた。図13に示すような形式のカート220では、カート220の中央部分を搭載部223昇降用の油圧ジャッキなどが占めており、カート220自身に上述の回収箱や収納箱を設けるには無理があった。
【0010】
これに対して、特開2001−230589号公報では、図14に示すような、カート中央部分に多目的に利用可能なスペースを設けた改善されたカート230を開示している。この改善されたカート230では、搭載部昇降用の小型油圧ジャッキがフレーム部231の床下に収納され、この油圧ジャッキの伸縮を、同じく床下に収納されたレバー機構を利用してカートの両側部に配置した一対の昇降部232に伝達することにより、部品供給部207を搭載した搭載部233を昇降させるよう構成されている。
【0011】
この改善されたカート230では、上述のような構成とすることによって、搭載部233と、一対の昇降部232と、床下に油圧ジャッキ他の昇降駆動部を収納するフレーム部231とによって囲まれるカート中央部分に、多目的に利用可能なスペースを確保している。図示の例ではこのスペースに、パーツカセットのリール234を収める収納箱235と、テープ類を回収する回収箱236とを設け、スペースの有効活用を図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の特開2001−230589号公報に開示されたカート中央部分に多目的に利用可能なスペースを備える一括交換用カートにおいて、当該有効スペースを確保したままで、油圧ジャッキを使用することなく、昇降操作やメンテナンスがより容易となる代替の昇降駆動部を備えた一括交換用カートを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来の油圧ジャッキを利用した昇降駆動部に代え、カム機構、レバー機構を利用して、カムの回転を適切に制御しつつカムの半径の変化を揺動に変換し、部品供給部の昇降を可能とする昇降駆動部を備えることによって上記課題を解決するもので、具体的には以下の内容を含む。
【0014】
すなわち、本発明にかかる1つの態様は、複数の部品供給装置を装着した部品供給部を搭載可能な搭載部と、前記搭載部を支持して昇降させる一対の昇降部と、前記一対の昇降部を同期して昇降駆動する昇降駆動部と、前記搭載部、各昇降部、昇降駆動部の間に形成される多目的に利用可能なスペースとを備え、部品実装装置の取り付け部に接離して前記部品供給部を前記取り付け部に取り付け、もしくは前記取り付け部から取り外すために使用される一括交換用カートであって、前記昇降駆動部が、回転を揺動に変換するカム機構と、前記揺動を前記一対の昇降部に伝達してこれを昇降するレバー機構とにより構成されることを特徴とする一括交換用カートに関する。
【0015】
前記カム機構は、ペダルもしくはレバーの反復操作をカムの特定方向の回転に変換するラチェット機構を含むことができ、前記ラチェット機構は、前記カムが回転してカムの作用点が半径最大となる位置である頂点に至ると空回りして更なるカムの回転を不能とする第1のラチェット機構と、前記カムの頂点を通過させて更に回転させることが可能な第2のラチェット機構との一対のラチェット機構から構成することができる。
【0016】
前記第1のラチェット機構は、前記カムの作用点が前記頂点に至った位置でラチェット・ホイールのラチェット歯が設けられていない滑り歯部でラチェット・レバーが空回りする機構から構成可能であり、また、前記第2のラチェット機構は、前記カムの作用点が頂点にあるときに外部からの強制力によってラチェットを係合可能とし、前記カムの作用点が頂点にないときにはラチェットの係合が阻止される制御機構から構成可能である。
【0017】
本発明にかかる他の態様は、以上述べた各特性を有する一括交換用カートであって、前記昇降駆動部の昇降動作の一部が、一括交換用カートと部品実装装置との間の接近距離に応じて規制される安全機構が設けられていることを特徴とする一括交換用カートに関する。前記安全機構は、一括交換用カートが部品実装装置と完全に離れた状態にあるときには前記昇降部の下降動作を規制し、一括交換カートが部品実装装置に密着した状態にあるときには前記昇降部の上昇動作を規制し、一括交換カートが前記両状態の中間位置にあるときには前記昇降部の上昇動作及び下降動作を許容する機構にすることができる。
【0018】
また、前記安全機構は、一括交換用カートと部品実装装置との接近距離に応じて動作する制御機構から構成され、前記制御機構は、部品実装装置から完全に離れた状態にあるときには前記第2のラチェット機構の係合を強制的に解除し、部品実装装置に密着した状態にあるときには前記第1及び第2のラチェット機構の係合をいずれも強制的に解除する機構とすることができる。
【0019】
本発明のさらに他の態様は、以上述べた各特性を有する一括交換用カートであって、部品供給部を前記部品実装装置の取り付け台に取り付けた後、当該部品供給部から分離され、部品実装装置から着脱可能としたことを特徴とする一括交換用カートに関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる実施の形態のカートについて図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかるカート3を示している。図において、カート3は、フレーム部40と、一対の昇降部50と、フレーム40内に収納された昇降駆動部55と、搭載部80と、操作部90とから主に構成されている。この内、フレーム部40は、2個の自在キャスター41を含む合計4輪を備えて自在に旋回・移動が可能な台車から構成される。フレーム部40に取り付けられたリフトアップ用のペダル42は、昇降駆動部55を操作して搭載部80を昇降するために用いられる。
【0021】
昇降部50は、フレーム部40に固定された一対の固定フレーム51と、図のZ方向上下に移動可能な一対の昇降ロッド53と、昇降ロッド53の両側に互い違いに配置されて昇降ロッド53を上下移動可能に支持する、少なくとも各3個のガイドローラ52とから構成されている。
【0022】
搭載部80には、複数のパーツカセットを装着した部品供給部が搭載可能である。搭載部80は、図のY方向に沿って略水平に延びる一対の保持アーム81と、一対の昇降ロッド53を結合して保持アーム81を支持する連結バー89とから構成される。各保持アーム81の先端部には案内ガイド82が設けられ、部品供給部を部品実装装置に取り付ける際、この案内ガイド82が後述する部品実装装置の取り付け部に設けられたガイドローラに当たり、カート3を取り付け部の所定位置へガイドする。また、各保持アーム81の上面には位置決めピンもしくは位置決め穴83が設けられ、部品供給部が搭載されたときに部品供給部の下面に設けられた対応する穴もしくはピンに嵌って部品供給部を位置決めして保持する。
【0023】
操作部90は、カート3全体をオペレータが移動させたり、昇降駆動部55を操作するために設けられている。操作部90は、両固定フレーム51に固定された一対のハンドルフレーム91と、搭載部80を下降させるための操作レバー93とを備えている。操作レバー93の動作は操作ワイヤ94を介して昇降駆動部55に伝えられる。
【0024】
以上述べた構成は、特開2001−230589号公報に開示されたカートの構成とほぼ同様である。この構成によって、本実施の形態に示すカート3は、図1からも明らかなように、搭載部80、一対の昇降部50、及び昇降駆動部55に囲まれたカート中央部分に、多目的に利用可能なスペースを十分に確保することができる。
【0025】
図2は、フレーム部40に固定された昇降部50と、昇降部50を昇降駆動する昇降駆動部55との関係を示している。昇降駆動部55は、いずれもフレーム部40に支持されて動作可能なカム機構60と、カム機構60で得られる揺動を昇降部50に伝達するレバー機構70とから主に構成される。このようにカム機構60とレバー機構70とを昇降駆動部55の主要構成要素とする点において、油圧ジャッキを使用した昇降駆動部を備える特開2001−230589号公報開示のカートとは異なる。カム機構60は、カム61と、カム61を軸支して回転可能なカム軸62と、後述するラチェット機構とから構成される。カム61は、図2に示すようにカム軸62からの半径が一回転に一度、最大値から最小値の間に変化するよう構成されている。なお、本明細書において、カム61のカム軸62からの半径が最大となる位置を「頂点」、最小となる位置を「底点」と呼ぶものとする。
【0026】
レバー機構70は、カム61の外周に接して図のZ方向上下に揺動するカム・レバー56と、カム・レバー56を軸支して回動自在なシャフト57と、同じくシャフト57に軸支されて前記のカムレバー56の揺動を上下運動として昇降ロッド53に伝えるロッド側レバー58とから構成されている。カム61に接するカム・レバー56の先端部分にはカム・ローラ54が回転自在に固定されており、カム61とカムレバー56の間の摺動抵抗を低減させている。また、ロッド側レバー58の先端には昇降操作ピン59が取り付けられ、昇降ロッド53の下端がこの昇降操作ピン59に当接している。本明細書において、カム61がカムフォロアーであるカム・ローラ54と接する点をカム61の「作用点」と呼ぶものとする。
【0027】
図2に示すように、ロッド側レバー58のシャフト57からのアーム長を、同じくカム・レバー56のシャフト57からのアーム長よりも長くすることにより、ロッド側レバー58は、カム61の半径変更量を拡大して昇降ロッド53に伝達することができる。この拡大ができる分、カム61をコンパクトにすることができ、カム機構60をフレーム部40内へ収納することが可能となる。但し、使用条件によっては、このようなカム61のストローク拡大が不要な場合もあり、両レバー56、58のアーム長は必要に応じて任意に選ぶことができる。また、カム61も1回転する間に頂点と底点を2回通過するまゆ型など、他の形状にすることが可能である。
【0028】
図2において、昇降部50にはダンパ45が設けられている。ダンパ45の本体部分は固定フレーム51に固定され、伸縮部分は昇降ロッド53に溶接されたブラケット46に固定されており、これによってダンパ45は昇降ロッド53の昇降速度を減速させる機能を果たす。
【0029】
図3は、図2に示す状態にあったカム61が昇降駆動部55の動作により図の矢印49に示す方向に回転駆動されてカム・レバー56がカム61の頂点に至り、図のZ方向に押し上げられた状態を示す。このカム61駆動の結果、カム・レバー56はシャフト57を時計回りに回動し、このシャフト57の回動によってロッド側レバー58が同じく図のZ方向上側に揺動する。これによって昇降操作ピン59が上昇し、昇降操作ピン59に当接した昇降ロッド53を上昇させる。昇降ロッド53の上昇は、その上に固定された搭載部80(図1参照)、さらには搭載部80に搭載された部品供給部を上昇させる。
【0030】
昇降ロッド53を元の高さへ下降させる場合は、図3に示す状態からカム61をさらに矢印49に示す方向へ回転させることにより可能である。この回転により、カム・レバー56はカム61の頂点を越え、搭載部80他の自重がカム・レバー56を介してカム61に作用し、カム61はその半径が減少する底点に向かう方向に回転、昇降ロッド53を下降させる。この際、搭載部80に搭載された部品供給部の荷重が大きい場合には昇降ロッド53の下降が急激となって危険な事態も考えられ、このような事態を回避するために上述のダンパ45を昇降部50に設け、下降速度を減速させている。
【0031】
次に、図4及び図5を参照して本実施の形態に係るカート3の昇降駆動部55の構成を説明する。図4は、昇降駆動部55をカート3の上方から見た概要を示しており、図のY方向上側が部品実装装置の側となる。図5(a)〜(c)は、図4に示す昇降駆動部55の異なる3つの箇所、すなわち、第1のラチェット機構(a)、第2のラチェット機構(b)、カム機構(c)を、図4のX方向右側から見た部分側面断面図をそれぞれ示している。
【0032】
まず、図4において、部品供給部を昇降させるペダル42がペダル軸75に取り付けられている。ペダル軸75にはリンク用ブロック76が固定されており、リンク用ブロック76にはリンク77が回転自在に取り付けられている。このリンク77はリンク・ブロック76と揺動レバー69との間を結び、ペダル42の動きを揺動レバー69に伝える。揺動レバー69は、カム機構60を動作させる。カム機構60は、カム61及びカム軸62と、カム軸62の回転を制御するための第1のラチェット機構63、第2のラチェット機構66とから主に構成される。
【0033】
レバー機構70は、図4では一部切り欠いて描かれたカム・レバー56がカム61の外周面に図の上方から当接しており、カム・レバー56は図のX方向左右に延びるシャフト57を中心に図面に垂直な方向に揺動する。カム61の回転によるこのカム・レバー56の揺動は、シャフト57を介してロッド側レバー58に拡大して伝えられ、ロッド側レバー58の動きは昇降操作ピン59に当接する昇降ロッド53(図2参照)を図面に垂直な方向に押し上げる。なお、図4ではシャフト57のX方向左側部分を省略しているが、ロッド側レバー58は省略された左側にも設けられており、シャフト57は、この部分に位置する他方の昇降ロッド53を右側の昇降ロッド53と同期して押し上げる。また、シャフト57の軸方向両端には、シャフト57を回転自在に固定する軸受48が設けられている。
【0034】
図5(a)は、第1のラチェット機構63を、図4のX方向左側から見た状態を示す。第1のラチェット機構63では、第1のラチェット・ホイール64と第1のラチェット・レバー71とが係合している。ペダル42の反復操作によりリンク用ブロック76がペダル軸75を中心に回動し、リンク77を介して揺動レバー69をカム軸62と同心状に揺動させる。これによって揺動レバー69に取り付けられた第1のラチェット・レバー71が図の時計回りに回動し、係合する第1のラチェット・ホイール64を同じく時計回りに回転させる。ラチェットの歯一枚当たりの送りは20°であり、9回のペダル操作でカム軸62の半回転(カム61の底点から頂点までの移動に相当)が可能である。なお、第1のラチェット・ホイール64には、ラチェット歯の無い滑り歯部65が設けられている。これに関しては後述する。
【0035】
図5(b)は、第2のラチェット機構66を、同じく図4のX方向左側から見た状態を示す。第2のラチェット機構66では、第2のラチェット・ホイール67と第2のラチェット・レバー73とが係合する。第2のラチェット機構66においてはまた、第2のラチェット・レバー73に回転可能に取り付けられた制御ローラ74が、第2のラチェット・ホイール67と同軸に固定された2点鎖線で示す制御カム72に係合している。この制御カム72の回転角度に応じ、第2のラチェット・レバー73は第2のラチェット・ホイール67と係合が可能な状態、あるいは係合が阻止される状態に制御される。第2のラチェット・レバー73の背後(図の右側)には下降レバー106が配置され、2点鎖線に示すように第2のラチェット・レバー73を背後から強制的に押してこれを第2のラチェット・ホイール67に係合させるよう構成されている。なお、第2のラチェット・ホイール67には第3のラチェット・レバー68が常時係合し、第2のラチェット・ホイール67(並びに、カム軸62及びカム61)の反時計回りへの逆転を防止している。
【0036】
図5(c)は、カム機構60とレバー機構70とが係合する部位を、同じく図4のX方向左側から見た状態を示す。図5(a)に示すペダル42の操作によって生まれるカム軸62の回転がカム61の回転につながり、カム61の半径変化に応じて、カム・ローラ54を介してカム61の外周面に当接するカム・レバー56が図の上下方向に揺動する。図5(c)に示す状態ではカム・レバー56がカム61の底点に当接し、昇降部50を最も低い位置で支持している。
【0037】
図4に戻って、本実施の形態にかかるカート3には、部品実装装置とカート3との間の間隙に応じ、カート3に搭載した部品供給部の昇降動作を規制する安全機構100が設けられている。安全機構100は、カート3から部品実装装置に向けて突出し、図のY方向に沿って移動可能な安全レバー101と、安全レバー101の一端に設けられた制御片102によって図のX方向に沿って移動するロック・レバー104と、同じく安全レバー101の端末部103が当接することによって図のY方向に移動可能な上昇規制ロッド111とから主に構成される。
【0038】
安全レバー101が実線に示すY方向に完全に突出した位置にあるとき、すなわち、カート3が部品実装装置から完全に離れているとき、安全レバー101の制御片102によってロック・レバー104はX方向右側に移動し、これによってロック・レバー104は、第2のラチェット機構66にある下降レバー106を拘束して回動不能にする。
【0039】
安全レバー101が2点鎖線Aに示す位置にあるとき、すなわち、カート3が部品実装装置に接近し、安全レバー101が部品実装装置側に設けられたブラケットなどに突き当たって安全レバー101が1段押し込まれたとき、制御片102が移動してロック・レバー104はロック・レバー・スプリング105の作用で図のX方向左側へ移動する。これによって上述したロック・レバー104による下降レバー106の拘束が解除される。
【0040】
安全レバー101が2点鎖線Bに示す位置にあるとき、すなわち、カート3が部品実装装置に対して完全に押し込まれて密着し、安全レバー101が最大限(2段階)押し込まれたとき、安全レバー101の端末部103が上昇規制ロッド111を上昇規制ロッド・スプリング112の張力に抗してY方向下側へ押し込む。この上昇規制ロッド111は、上昇規制レバー113を介して上昇規制ワイヤ114につながれており、この上昇規制ワイヤ114は、破線で示すようにその他端114aが第1のラチェット・レバー71に結ばれている。
【0041】
以上の構成にかかる昇降駆動部55のより詳細な構成と動作につき、カート3と部品実装装置と間の間隙がそれぞれ異なる図6〜図8を参照して説明する。図6(a)〜(c)は、カート3が部品実装装置から完全に離れ、図6(a)に示す安全レバー101が図の左方へ突出した状態を示している。この状態で安全レバー101の制御片102は、ロック・レバー104を図の上方に押し上げている。このため、図6(c)に示すように、ロック・レバー104の端面104aが下降レバー106の端面106aに突き当たり、下降レバー106を拘束してその回動を不能にしている。この状態で操作部90にある操作レバー93(図1参照)を操作して操作ワイヤ94を図の右方へ引いても、この操作力は操作ワイヤ・スプリング95の伸張で吸収され、下降レバー106を図の反時計回りに回動させることができない。
【0042】
すなわち、図6(c)に示す状態では、第2のラチェット機構66を動作させることは出来ない。これは、カート3が部品実装装置から離れた位置にあって部品供給部を上昇させた状態にあるときに、万一誤って操作レバー93とペダル42を操作することにより、部品供給部を急激に落下させることの危険を回避するものである。また、操作ワイヤ94に設けられた上述の操作ワイヤ・スプリング95は、下降レバー106の拘束時にオペレータが操作レバー93を無理に操作した場合であっても、昇降駆動部55の損傷を回避する安全装置としての役割を果たしている。操作ワイヤ・スプリング95はゴムや他の弾性体であってもよい。
【0043】
図6(b)において、第1のラチェット機構63を構成する第1のラチェット・ホイール64と第1のラチェット・レバー71とは係合しており、したがって、この状態でペダル42を操作することによって第1のラチェット・ホイール64を回転させることが可能である。このペダル42操作によってカム61は回転し、レバー機構70を介して昇降部50を上昇させることができる。
【0044】
すなわち、図6(a)〜(c)に示すカート3が部品実装装置から完全に離れた状態において、部品供給部が下降位置にあるときにはペダル42を操作することによってこれを上昇させることができ、これによって部品供給部を部品実装装置へセットするための準備を可能にしている。また、部品供給部が上昇した位置にあるときにはこれを維持し、下降することは阻止される。
【0045】
次に、図7(a)〜(c)は、カート3が部品実装装置に一段接近し、安全レバー101が一段階押し込まれた状態を示す。この段階で安全レバー101の制御片102が図の右側へ一段移動し、ロック・レバー104はロック・レバー・スプリング105の張力で図の下方に移動する。これで先に図6(c)で示したロック・レバー104による下降レバー106の拘束状態が解除され、図7(c)に示すように操作ワイヤ94を引張ることによって下降レバー106を2点鎖線で示すように反時計回りに回動させることが可能となる。
【0046】
図7(b)において、第1のラチェット機構63を構成する第1のラチェット・ホイール64と第1のラチェット・レバー71とは係合状態にあるものの、同ラチェット・レバー71はラチェット・ホイール64のラチェット歯が設けられていない滑り歯部65に乗り上げており、ペダル42を操作してもラチェット・ホイール64が回転不能な空回り状態にある。この状態で昇降部50は最も高い位置に上昇している。すなわち、カム61の回転により一旦カム61の作用点が頂点に到達すると、更なるカム61の回転は阻止される。これは、カート3に搭載した部品供給部を最も高く上昇させた位置で維持し(すなわち、部品供給部の下降を阻止し)、そのまま部品供給部を部品実装装置に接近させることを可能にするものである。
【0047】
しかしながら、カート3を部品実装装置に一段階接近させた後には、部品供給部を部品実装装置に取り付けるために下降させる必要がある。この操作は、図7(c)に示す第2のラチェット機構66を利用することにより可能となる。具体的には、カート3の操作部90にある操作レバー93(図1参照)を握ることによって操作ワイヤ94を図の右側に引き、拘束が解除された状態の下降レバー106を2点鎖線で示す位置まで反時計回りに回動させ、下降レバー106を第2のラチェット・レバー73の背後から反時計回りに押し込む。第2のラチェット・ホイール67と同期して回転する2点鎖線で示す制御カム72は、その半径の短い部分がラチェット・レバー73に対向する位置にあることから、第2のラチェット・レバー73は回動可能な状態にある。したがって、前記下降レバー106の背後からの押し込み作用によって、第2のラチェット・レバー73は2点鎖線で示す位置まで回動し、第2のラチェット・ホイール67と係合するに至る。
【0048】
この状態でペダル42を操作すると、図7(b)に示す第1のラチェット機構63では空回り状態にあるものの、図7(c)に示す第2のラチェット機構66が第2のラチェット・ホイール67を回転させるためカム軸62は回転し、カム61もこれによって回転する。これでカム・レバー56(図5(c)参照)はカム61の頂点を越え、部品供給部他の自重によってカム・レバー56がカム61を押し下げ、カム61は底点に至るまで回転可能となる。
【0049】
すなわち、図7(a)〜(c)に示す状態では、カート3を部品実装装置に1段階接近させ、操作レバー93を操作することによって上昇位置に維持していた部品供給部を部品実装装置の取り付け部に下降させ、載置することを可能にしている。
【0050】
次に、図8(a)〜(c)は、カート3が部品実装装置に最大限押し込まれて密着した状態を示している。この状態では安全レバー101がさらに図の右方向に押し込まれ、その端末部103が上昇制御ロッド111に突き当たってこれを図の右側に押し込む。この動きが上昇制御レバー113の回転を介して上昇制御ワイヤ114を矢印116に示す方向に引張る。図8(b)に示す第1のラチェット機構63において、この上昇制御ワイヤ114の他端114aは第1のラチェット・レバー71の背後を図の右側に引き、第1のラチェット・レバー71と第1のラチェット・ホイール64との係合を強制的に解除する。また、図8(c)に示す第2のラチェット機構66では、第2のラチェット・レバー73が制御カム72と係合する制御ローラ74の作用によって第2のラチェット・ホイール67との係合が阻止される方向に押し戻されており、この段階で操作ワイヤ94を引張って下降レバー106を回動させようとしても、第2のラチェット機構を係合させることは出来ない。
【0051】
すなわち、図8(a)〜(c)に示す状態では、ペダル42の操作による部品供給部の上昇は阻止されるように規制される。これは、部品実装装置に取り付けられた後の部品供給部を誤って上昇させ、実装ノズル他の部品実装装置に装備された部材を損傷させることを回避する安全装置の役割を果たすものである。
【0052】
カート3を部品実装装置から引き離し、部品供給部を取り外す場合の動作は、基本的に以上述べた動作の逆となる。すなわち、図8に示す状態からカート3を一段階部品実装装置から後退させることによって安全レバー101が一段前進し、安全レバー101の端末部103が上昇制御ロッド111から離れる。これで上昇制御ワイヤ114による引張りがなくなって第1のラチェット・レバー71が第1のラチェット・ホイール64に係合する。ここでペダル42を操作することによって部品供給部の上昇が可能になり、この結果、図7に示す状態に戻る。
【0053】
部品供給部を上昇させたままでカート3をさらに部品実装装置から引き離すと、カート3は部品実装装置から完全に分離した図6(a)〜(c)に示す状態に戻る。この状態では図6(c)に示すようにロック・レバー104の端面104aが下降レバー106の端面106aに当接して下降レバー106の回動を規制するため、操作レバー93を操作して部品供給部を下降させることはできなくなる。すなわち、この状態で誤って部品供給部を急激に落下させることによる危険を回避する安全装置の役割を果たしている。
【0054】
なお、本実施の形態では、上述の安全機構100の動作を簡単な構造の安全レバー101の押し込みによる制御機構を用いているが、これを例えば接近センサを利用する制御方式としたり、あるいは実装装置本体とカート3との間に設けられたレバー機構やギア機構を利用して制御する方式とすることもできる。
【0055】
次に、以上のように構成されたカート3の昇降駆動部55の昇降動作と、部品実装装置の取り付け部に部品供給部を取り付ける場合の動作との関連につき図面を参照して説明する。図9は、Y方向左側に部品供給部2、右側に取り付け部4をそれぞれ示している。部品供給部2は、これまで説明したようにカート3に搭載されて矢印30に示す方向に押し込まれ、部品実装装置側に設けられた取り付け部4にセットされる。なお、本明細書では、矢印30に示す取り付け部4に向かう方向への動きを「前進」、この逆の方向への動きを「後退」と呼ぶものとする。
【0056】
まず、図9左側に示す部品供給部2は、基準水平板11と、基準水平板11の上に固定された交換プレート12と、交換プレート12に垂直に取り付けられたガイドプレート13とから主に構成されている。基準水平板11の図示のX方向両端面となる垂直面14には、それぞれ部品供給部2を取り付け台4に取り付ける際のガイドとなるストッパ・ボルト16が固着されている。
【0057】
交換プレート12には、パーツカセット取り付け用の複数のあり溝状のスロット17が設けられ、パーツカセットはそれぞれのスロット17に差し込まれて部品供給部2に装着される。したがって1つの部品供給部2には多数のパーツカセットが装着可能であり、段取り換え時の一括交換を可能にする。ガイドプレート13には、装着されたパーツカセットを位置決めする複数の位置決め溝18、その下方に各パーツカセットに空気を供給するエアジョイント19などが設けられる。
【0058】
次に、図9の右側に示す部品実装装置側の取り付け部4は、エンドプレート21と、エンドプレート21に対して図のX方向両側にある一対のアームプレート22とにより、略コの字型に形成されている。エンドプレート21には、部品供給部2へエアを供給するためのエアジョイント23、電気信号授受用のコネクタ33などが設けられ、部品供給部2が取り付けられた場合にパーツカセットを動作させるエア、電気信号をそれぞれ供給する。
【0059】
両アームプレート22は、部品供給部2が取り付け部4に取り付けられる際に部品供給部2を所定位置に位置決めする。この位置決めのため、各アームプレート22は、まず、図示のZ方向に沿った上下の位置決めおよびガイドをする水平ガイド面24及び水平ストッパ26と、図示のY方向に沿った前後の位置決め及びガイドをする垂直ストッパ28及び位置決めピン29と、そして、図示のX方向に沿った左右方向のガイドをする垂直ガイド面31及びガイドローラ32とをそれぞれ備えている。この内、水平ストッパ26、垂直ストッパ28、垂直ガイド面31、ガイドローラ32は、いずれも部品供給部2の取り付け及び取り外しの際のガイドとして使用される。
【0060】
図10(a)〜(f)は、部品供給部2の基準水平板11に設けられたストッパ・ボルト16と、取り付け台4のアームプレート22に設けられた水平ストッパ26及び垂直ストッパ28との関係を図9のX方向から見た状態で示している。各図の左側には部品供給部2の一部分を、右側には取り付け台4の一部分を示している。
【0061】
図10(a)において、図示しないカート3に搭載された部品供給部2が取り付け台4に向けて図の右側へ前進し、図10(b)に至って部品供給部2のストッパ・ボルト16が取り付け台4の垂直ストッパ28に突き当たる。この間、図面に垂直なX方向の動きは、図1に示すカート3の搭載部80にある案内ガイド82が、図9に示す取り付け部4のアームプレート22にあるガイドローラ32によってガイドされる。
【0062】
この段階で、上述したカート3の安全レバー101が一段階押しこまれた状態になり、図6(c)を参照して説明した下降レバー106の回動を規制するロック・レバー104によるロック状態が解除される結果、部品供給部2の下降が可能な状態となる。オペレータの操作レバー93操作による部品供給部2の下降で、図10(c)に示すように部品供給部2のストッパ・ボルト16が下降し、取り付け台4の両アームプレート22に設けられた水平ストッパ26のY方向右側にある溝部20に嵌り込む。このときの部品供給部2の下降により、部品供給部2の下面にある基準水平板11が、両アームプレート22に設けられた水平ガイド面24(図9参照)に載置され、部品供給部2の水平方向の位置決めがされる。
【0063】
次に、この状態から部品供給部2がもう一段前進方向に押し込まれると、図10(d)に示すように、ストッパ・ボルト16が垂直ストッパ28の下側にある溝部20内を図のY方向右側へ前進する。この部品供給部2の第2段階の前進によって、取り付け台4の水平ガイド面24に設けられた位置決めピン29(図9参照)が、部品供給部2の基準水平板11に設けられた図示しない位置決め溝に嵌り、部品供給部2の位置決めが完了する。この状態で部品供給部2は部品実装装置にクランプされ、部品供給装置であるパーツカセットの一括交換が完了する。
【0064】
部品供給部2が部品実装装置にクランプされた前記状態において、カート3に設けられた上述の安全レバー101が最大限押し込まれており、図8(a)〜(c)を参照して説明したように、上昇規制ロッド111の動作によってカム61の回転が常時下降状態となるよう制御されるため、誤って部品供給部2をリフトアップして実装装置本体側に損傷を与えることが回避される。又、同じくこのクランプ状態で、取り付け台4側のエアジョイント23、電気信号授受のコネクタ33(図9参照)がそれぞれ部品供給部2側の対応するジョイント、コネクタに接続され、部品実装装置から部品供給部2へのエアと電気信号の導通が可能となって部品実装装置による実装動作が開始される。
【0065】
実装動作の完了後、部品実装装置の取り付け台4から部品供給部2を取り外す場合の動作は、基本的に上述の取り付け時の動作と逆になる。すなわち、取り付け状態にある部品供給部2のクランプ状態を解除し、図10(e)に示すように、部品供給部2のストッパ・ボルト16が取り付け台4の水平ストッパ26に突き当たるまで、図のY方向左側に一段階後退させる。
【0066】
ここで、図7(a)を参照して説明したように、カム61の回転を制御するカート3の安全機構100の安全レバー101が一段戻るため、第1のラチェット機構63が係合してペダル42の操作によるカム61の回転が可能となる。オペレータはペダル42を操作し、図10(f)に示すようにストッパボルト16が水平ストッパ26の高さをクリアするところまで部品供給部2をリフトアップする。次にカート3を実装装置本体1からもう一段引き離すよう図のY方向左側に後退させることで、図10(a)に示す元の状態に戻り、部品供給部2の取り付け台4からの取り外しが完了する。
【0067】
すなわち、図4から図8を参照して説明したカート3の安全機構100は、以上述べた部品供給部2を部品実装装置の取り付け部4に取り付ける際における部品供給部2の位置決め動作とリンクするよう構成されている。
【0068】
図11は、本実施の形態にかかるカート3を部品実装装置に対して使用する場合の使用態様を示している。図において、部品実装装置1には、部品供給部2の取り付け部が2つ設けられ、その内、図のX方向左側の取り付け部には、本実施の形態にかかるカート3aを使用して部品供給部2aが既に取り付けられた状態となっている。図のX方向右側にある取り付け部4には、カート3に搭載された別の部品供給部2が取り付け可能な状態で対向している。部品実装装置1の構成は、先に従来技術で説明した部品実装装置の構成と同様である。部品供給部2が取り付け台4に位置決めされた後、クランプスイッチ6を押すことによって部品供給部2は部品実装装置1にクランプされる。
【0069】
図11において、パーツカセット7は、部品供給用の収納テープを巻き取ったリール部8が下方に曲がり、本実施の形態にかかるカート3の中央部にあるスペースに設けられた収納箱9に収められるよう改善されている。このような改善により、部品実装装置1に取り付けられた状態でパーツカセット7の突出量を小さく抑えることができ、また、重心も低くなるため、オペレータによるカート3の取扱いが容易となる。同じくカート3の中央部分に設けられた回収箱10は、部品供給用の部品テープ、もしくは部品テープに収まった部品をカバーする保護テープを使用後に回収するために使用可能である。
【0070】
部品実装装置1に取り付けられた状態にある部品供給部2aには、カート3aが固定されたままの状態で示されている。これは、上述のように、本実施の形態にかかるカート3が、その中央部分に収納箱8や回収箱10を設置できるようにしているため、部品実装装置1が稼動している間にもカート3aを有効活用するものである。
【0071】
しかしながら、本実施の形態にかかるカート3の別の態様では、部品実装装置1の稼動中にカート3を固定したままとせず、カート3を着脱可能としている。カート3が着脱可能となれば、当該カート3を他の部品実装装置の取り付け部に部品供給部を取り付ける際などに使用するなど、カート3の有効利用が可能となる。例えば複数の部品実装装置をシリーズで使用して稼動させる場合などにおいて、カート3のトータル台数を削減し、フロア・スペースの無駄を排除することができる。
【0072】
このように、カート3を部品実装装置1から着脱可能とするには、カート3を部品実装装置1から引き離す際に障害となり得る構成要素を移動させる必要がある。このような着脱の障害となり得る要素には、図11に示す収納箱9と回収箱10のほか、図1に示す両昇降ロッド53に固定された連結バー89、連結バー89に固定された一対の保持アーム81からなる搭載部80がある。保持アーム81は、昇降ロッド53に直接固定することにより障害要素から除くことができ、また、これによって連結バー89も不要となるため、これらの撤去は可能である。この際には固定フレーム51と昇降ロッド53がフレーム部40のみによって固定されるものとなるため、強度不足を補う対応が必要となる。例えば固定フレーム51のフレーム部40との取り付け台の強化や、昇降ロッド53の剛性アップを図るなどにより、その対応は可能である。その他の機構、構成は、先に説明したカート3の内容と同様のままし、着脱可能なカートを実現することができる。
【0073】
以上、特開2001−230589号公報に開示されたカートに使用される油圧ジャッキの代替となる昇降駆動部の構成、並びにカートの態様について説明してきたが、油圧ジャッキの代替としての構成は以上述べたものには限定されない。カム機構、レバー機構を活用しつつ、例えばラチェット機構の代りにワンウェイ・クラッチを使用し、トルク伝達のオン/オフをクラッチを用いて制御したり、あるいは安全レバーの代わりに接近センサやマニピュレータを用いて制御するなどの態様が可能である。また、カム機構の回転駆動は、ペダル操作の代りにレバー操作としてもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明にかかる一括交換用カートの実施によれば、油圧ジャッキを使用しないことに伴う操作とメンテナンスの容易化を図ることが可能となる。例えば、本発明にかかるカートによれば、油圧ジャッキ式のカートに比べて約半分のペダル操作で同程度の昇降部の上昇を得ることができる。また、油圧機器を使用しないことから万一の油洩れなどの対応が不要となるなどメンテナンスが容易となる。
【0075】
また、昇降駆動部をフレーム部内に低床に収め、カートの両縁部に一対の昇降部を設けることによってカート中央部に十分なスペースを設けることができ、このスペースを利用してパーツカセットのリール部を収納する収納箱や、部品テープ、保護テープなどを回収する回収箱などが設けられるため、フロアスペースを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる実施形態の一括交換用カートの斜視図である。
【図2】 図1に示す一括交換用カートの昇降部と昇降駆動部を示す部分側面断面図である。
【図3】 図2に示す昇降部と昇降駆動部が上昇位置にある状態を示す部分側面断面図である。
【図4】 図1に示す一括交換カートの昇降駆動部を示す要部平面図である。
【図5】 図4に示す昇降駆動部の部分側面断面図である。
【図6】 図4に示す昇降駆動部の動作を示す説明図である。
【図7】 図4に示す昇降駆動部の他の動作を示す説明図である。
【図8】 図4に示す昇降駆動部のさらに他の動作を示す説明図である。
【図9】 部品供給部を部品実装装置の取り付け部に取り付ける状態を示す斜視図である。
【図10】 部品供給部を部品実装装置の取り付け部に取り付ける際の位置決め状態を示す説明図である。
【図11】 本発明にかかる実施の形態の一括交換用カートを部品実装装置に使用する状態を示す斜視図である。
【図12】 従来技術による一括交換用カートを部品実装装置に使用する状態を示す斜視図である。
【図13】 従来技術による一括交換用カートを示す斜視図である。
【図14】 従来技術による他の一括交換用カートを示す斜視図である。
【符号の説明】
1.部品実装装置、 2.部品供給部、 3.一括交換用カート、 4.取り付け部、 9.収納箱、 10.回収箱、16.ストッパ・ボルト、 22.アームプレート、 26.水平ストッパ、 28.垂直ストッパ、 29.位置決めピン、 31.垂直ガイド面、 32.ガイドローラ、 40.フレーム部、 42.ペダル、 45.ダンパ、 50.昇降部、 53.昇降ロッド、 55.昇降駆動部、 56.カム・レバー、 57.シャフト、 58.ロッド側レバー、 59.昇降操作ピン、 60.カム機構、 61.カム、 62.カム軸、 63.第1のラチェット機構、 64.第1のラチェット・ホイール、 65.滑り歯部、 66.第2のラチェット機構、 67.第2のラチェット・ホイール、 68.第3のラチェット・レバー、 69.揺動レバー、 70.レバー機構、 71.第1のラチェット・レバー、 72.制御カム、 73.第2のラチェット・レバー、 74.制御ローラ、 77.リンク、 80.搭載部、 81.保持アーム、 82.案内ガイド、 90.操作部、 93.操作レバー、 94.操作ワイヤ、 100.安全装置、 101.安全レバー、102.制御片、 103.端末部、 104.ロック・レバー、 106.下降レバー、 111.上昇規制ロッド、 113.上昇規制レバー、 114.上昇規制ワイヤ。
Claims (1)
- 複数の部品供給装置を装着した部品供給部を搭載可能な搭載部と、
前記搭載部を支持して昇降させる一対の昇降部と、
前記一対の昇降部を同期して昇降駆動する昇降駆動部と、
前記搭載部、各昇降部、昇降駆動部の間に形成される多目的に利用可能なスペースとを備え、部品実装装置の取り付け部に接離して前記部品供給部を前記取り付け部に取り付け、もしくは前記取り付け部から取り外すために使用される一括交換用カートにおいて、
前記昇降駆動部が、回転を揺動に変換するカム機構と、前記揺動を前記一対の昇降部に伝達してこれを昇降するレバー機構とにより構成され、
前記カム機構が、ペダルもしくはレバーの反復操作をカムの特定方向の回転に変換するラチェット機構を含み、
前記ラチェット機構は、前記カムが回転してカムの作用点が半径最大となる位置である頂点に至ると空回りして更なるカムの回転を不能とする第1のラチェット機構と、前記頂点を通過させて更なるカムの回転を可能とする第2のラチェット機構との一対のラチェット機構から構成されることを特徴とする一括交換用カート。
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