JP4005070B2 - A/d変換装置 - Google Patents
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Description
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載のA/D変換装置において、前記センサは、内燃機関(1)の吸気系に設けられるスロットル弁(3)の開度を検出するスロットル弁開度センサ(8)であり、前記検出対象物理量は前記スロットル弁の開度であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、内燃機関の吸気系に設けられるスロットル弁の開度を高精度に検出することができる。
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施形態にかかるA/D変換装置を含むスロットル弁制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下「エンジン」という)1の吸気通路2には、スロットル弁3が設けられている。スロットル弁3には、該スロットル弁3を閉弁方向に付勢するリターンスプリング4と、該スロットル弁3を開弁方向に付勢する弾性部材5とが取り付けられている。またスロットル弁3は、モータ6によりギヤ(図示せず)を介して駆動できるように構成されている。モータ6による駆動力がスロットル弁3に加えられない状態では、スロットル弁3の開度THは、リターンスプリング4の付勢力と、弾性部材5の付勢力とが釣り合うデフォルト開度THDEF(例えば5度)に保持される。
ECU7は、スロットル弁開度センサ8及びアクセルセンサ9の検出信号が供給される入力回路、入力信号をディジタル値に変換するA/D変換回路、各種演算処理を実行する中央演算ユニット(CPU)、CPUが実行するプログラムやプログラムで参照されるマップやテーブルなどを格納するメモリ、及びモータ6に駆動電流を供給する出力回路を備えている。ECU7は、アクセルペダルの踏み込み量APに応じてスロットル弁3の目標開度THRを決定し、検出したスロットル弁開度THが目標開度THRと一致するようにモータ6の制御量DUTを決定し、制御量DUTに応じた電気信号をモータ6に供給する。
2)時刻ts1にアナログスイッチ21をCH1入力に切り換える。これにより、SHコンデンサ電圧VC0は、センサ出力電圧VSに向かって下降を開始する。時刻t1においてA/D変換を行う。時刻t1においては、CH0入力接続時にコンデンサC0に蓄積された電荷が僅かに残っているため、センサ出力電圧VSより第1所定量ΔVHだけ高い電圧Vt1がA/D変換され、電圧Vt1に対応するディジタル値DVt1が出力される。
4)時刻ts3においてアナログスイッチ21をCH1入力に切り換える。これにより、SHコンデンサ電圧VC0は、センサ出力電圧VSに向かって上昇を開始する。時刻t3においてA/D変換を行う。時刻t3においては、CH2入力接続時にコンデンサC0から放電された電荷の減少分の影響が僅かに残っているため、センサ出力電圧VSより第2所定量ΔVLだけ低い電圧Vt3がA/D変換され、電圧Vt3に対応するディジタル値DVt3が出力される。
TH=(DVt1+DVt3+DVt4+DVt5)/4 (1)
上述した実施形態では、アナログスイッチ21のCH0入力には、所定高電圧VHを供給し、CH2入力には、所定低電圧VLを供給するようにしたが、CH0入力及びCH2入力には、一定の電圧ではなく、センサ出力電圧VSに加算電圧VHXを加えた電圧(VS+VHX)、及びセンサ出力電圧VSから減算電圧VLXを引いた電圧(VS−VLX)を供給することが望ましい。さらには、加算電圧VHX及び減算電圧VLXは等しくすることが望ましい。これにより、上述した条件、すなわち第1所定量ΔVH及び第2所定量ΔVLを、A/D変換器23が出力するディジタル値のLSBの「1」に対応する電圧(分解能に対応する電圧)の1/2程度とするという条件を常に満たすことが可能となり、オーバサンプリング処理の効果を最大とすることができる。
また上述した実施形態では、センサ出力電圧VSに第1所定量ΔVHを加算した高め電圧VSH(=Vt1)と、センサ出力電圧VSから第2所定量ΔVLを減算した低め電圧VSL(=Vt3)と、2つのセンサ出力電圧(Vt4,Vt5)とを平均化することにより、スロットル弁開度を示すディジタル値THを算出するようにしたが、平均化するデータの数は、これに限るものではなく、種々の組み合わせが可能である。一般には、高め電圧VSHと低め電圧VSLの組をm(1以上の整数)個、A/D変換するとともに、センサ出力電圧をn(1以上の整数)個、A/D変換し、その結果得られる(2m+n)個のデータを平均化することで、検出対象物理量のディジタル値を得ることができる。データの数が増加するほど、外乱のような変動の影響を受け難くなるが、1つの平均化したディジタル値を得るために要する時間は長くなる。したがって、上述した実施形態のように、m=1、n=2程度とすることが妥当である。
図7は、本発明の第2の実施形態にかかるA/D変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
図7において、センサ出力電圧VSは、端子12に供給され、抵抗R11及びコンデンサC11からなるローパスフィルタを介して、A/D変換部20aに入力される。A/D変換部20aの入力端子は、抵抗R12を介してトランジスタQ1のコレクタに接続されるとともに、抵抗R13を介してトランジスタQ2のコレクタに接続されている。トランジスタQ1のエミッタは電源に接続され、ベースは、CPU30のポートP1に接続されている。またトランジスタQ2のエミッタはアースに接続され、ベースは、CPU30のポートP2に接続されている。
トランジスタQ1のベースには、図8(a)に示すように、時刻ts1で高レベルから低レベルに変化し、時刻ts2で低レベルから高レベルに変換する制御信号SCTL1が供給される。したがって、トランジスタQ1は、時刻ts1からts2までの期間、オンする。また、トランジスタQ2のベースには、図8(b)に示すように、時刻ts3で低レベルから高レベルに変化し、時刻ts4で高レベルから低レベルに変換する制御信号SCTL2が供給される。したがって、トランジスタQ2は、時刻ts3からts4までの期間、オンする。
TH=(DVt1+DVt3+DVt4)/3 (2)
本実施形態では、トランジスタQ1,Q2及び抵抗R12,R13が、重畳信号成分生成手段を構成する。
上述した実施形態では、センサ出力信号に重畳する信号は、増加成分1つ(所定高電圧)と、減少成分1つ(所定低電圧)とからなるが、本実施形態は、増加成分及び減少成分をそれぞれ2つずつとしたものである。本実施形態は、以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
A/D変換部20bは、5入力1出力のアナログスイッチ、該アナログスイッチの出力側に接続されたSHコンデンサ、及びSHコンデンサの両端電圧が入力されるA/D変換器を備えている。
TH=(DVt1+DVt3+DVt5+DVt7+DVt8)/5
(3)
本実施形態では、抵抗R21〜R28、A/D変換部20bに内蔵されるアナログスイッチ及びSHコンデンサが、重畳信号成分生成手段を構成する。
図12に示すように、上述したA/D変換部20bに含まれるアナログスイッチを、マルチプレクサ41とし、マルチプレクサ41により選択されるサンプリング信号VSPLを、マイクロコンピュータ42のA/D変換器に入力するようにしてもよい。この場合には、どのチャネルを選択するかを制御する制御信号SCTL11〜SCTL13が、マイクロコンピュータ42からマルチプレクサ41に供給される。
A/D変換部に供給する基準電圧の数をさらに増やす、すなわち、図13に示すように第1〜第6基準電圧Vref11〜Vref16を生成し、これらとセンサ出力電圧VSとを順次切り換えて、スロットル弁開度を示すディジタル値THを算出するようにしてもよい。
またチャネルCHSには、CRフィルタ31を介して、センサ出力電圧VSが供給される。
TH=(DVt1+DVt3+DVt5+DVt7+DVt9
+DVt11+DVt12+DVt13)/8
(4)
図15は、本発明の第4の実施形態にかかるA/D変換装置の構成を示す図である。本実施形態は、以下に説明する点以外は、第1の実施形態と同一である。
図15に示すマイクロコンピュータ15は、6個の入力チャネルCHR1,CHR2,CHS1〜CHS4を有し、チャネルCHR1には第1基準電圧Vref21が供給され、チャネルCHR2には第2基準電圧Vref22が供給される。またチャネルCHS1〜CHS4には、4つのCRフィルタ31を介して、センサ出力電圧VSが並列に供給される。
これにより、CPUがA/D変換するチャネルの選択をソフトウエアで指定する必要がなくなり、演算負荷を軽減することができる。
8 スロットル弁開度センサ
11,13 端子(重畳信号成分生成手段)
20 A/D変換部
22 バッファアンプ(物理量算出手段)
21 アナログスイッチ(重畳信号成分生成手段、物理量算出手段)
23 A/D変換器(物理量算出手段)
30 CPU(物理量算出手段)
C0 サンプルホールドコンデンサ(重畳信号成分生成手段)
Claims (5)
- センサの出力信号をディジタル値に変換することにより、前記センサの検出対象物理量のディジタル値を出力するA/D変換装置において、
前記センサ出力信号に重畳信号成分を重畳した重畳信号を生成する重畳信号生成手段と、
前記センサ出力信号、及び前記重畳信号に基づいて、前記検出対象物理量のディジタル値を算出する物理量算出手段とを備え、
前記重畳信号生成手段は、所定信号を所定時間に亘ってコンデンサに供給し、次に前記センサ出力信号を前記所定時間に亘って前記コンデンサに供給することにより前記重畳信号を生成することを特徴とするA/D変換装置。 - 前記重畳信号生成手段は、前記センサ出力信号を第1所定量高くした増加重畳信号と、前記センサ出力信号を第2所定量低くした減少重畳信号とを生成することを特徴とする請求項1に記載のA/D変換装置。
- 前記物理量算出手段は、前記センサ出力信号をA/D変換して得られるディジタル値を出力する第1変換手段と、前記増加重畳信号をA/D変換して得られるディジタル値を出力する第2変換手段と、前記減少重畳信号をA/D変換して得られるディジタル値を出力する第3変換手段とを備え、前記第1、第2、及び第3変換手段の出力を平均化することにより、前記検出対象物理量のディジタル値を算出することを特徴とする請求項2に記載のA/D変換装置。
- 前記所定信号は、定電圧信号または前記センサ出力信号に一定加算電圧を加算した信号若しくは前記センサ出力信号から一定減算電圧を減算した信号であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のA/D変換装置。
- 前記センサは、内燃機関の吸気系に設けられるスロットル弁の開度を検出するスロットル弁開度センサであり、前記検出対象物理量は前記スロットル弁の開度であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のA/D変換装置。
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