JP2000013227A - A/d変換装置 - Google Patents

A/d変換装置

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JP2000013227A
JP2000013227A JP10176126A JP17612698A JP2000013227A JP 2000013227 A JP2000013227 A JP 2000013227A JP 10176126 A JP10176126 A JP 10176126A JP 17612698 A JP17612698 A JP 17612698A JP 2000013227 A JP2000013227 A JP 2000013227A
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Takayoshi Honda
隆芳 本多
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Abstract

(57)【要約】 【課題】A/D変換の精度を向上させつつその変換処理
を効率良く実施する。 【解決手段】第1,第2のA/D変換器11,12は共
に10ビットA/D変換器で構成され、アナログ信号を
随時デジタル信号に変換してCPU15に対して送信す
る。第1のA/D変換器11は、第1〜第2の基準電圧
(0〜5V)の間のアナログ信号をA/D変換する。同
A/D変換器11のch5には第3の基準電圧(1.25
V)が入力され、そのA/D変換値が補正値としてメモ
リに記憶される。第2のA/D変換器12は、第2〜第
3の基準電圧(0〜1.25V)の間のアナログ信号をA/
D変換する。第2〜第3の基準電圧(0〜1.25V)の範
囲では、前記第3の基準電圧をA/D変換して求めた補
正値を使い、第2のA/D変換器12によるA/D変換
値が補正される。この場合、補正に要するA/D変換は
1回のみ実施されればよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アナログ信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換器を備え、同A/D変
換器によるA/D変換の精度を向上させるためのA/D
変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、例えば特開平
3−153980号公報が開示されている。同公報で
は、低ビット(8ビット)のA/D変換器を使用したソ
レノイド駆動回路において、ハイ(High)側の基準
電圧とロー(Low)側の基準電圧とを基準電圧切替回
路で切り替えることとし、ハイ側の基準電圧を用いたA
/D変換器で所定の固定電圧をA/D変換してその値を
実測値Aとする。また、A/D変換器の基準電圧をロー
側に切り替えて前記固定電圧をA/D変換し、その値を
実測値Bとする。そして、実測値A,Bを用いて補正値
αを生成する。
【0003】その後、ロー側の基準電圧を用いてA/D
変換器によりアナログ信号をA/D変換し、前記補正値
αにより補正することで、A/D変換精度を向上させて
いた。これにより、低ビットのA/D変換器を使用した
にも拘わらず、高ビットのA/D変換器と同等の機能を
持たせることとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、ハイ側及びロー側の基準電圧を用いて実測値
A,Bを求め、実測値A,Bを用いて補正値αを作成す
る。かかる場合、1つの補正値αを作成するために2度
のA/D変換を行う必要があり、A/D変換処理が効率
良く実施できないという問題があった。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、A/D変換の精
度を向上させつつその変換処理を効率良く実施すること
ができるA/D変換装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のA/D
変換装置は、高電圧側の第1電圧と低電圧側の第2電圧
とを基準電圧として動作する第1のA/D変換器と、前
記第1電圧〜第2電圧の間の第3電圧を少なくとも片側
の基準電圧として動作する第2のA/D変換器とを備
え、外部より入力されるアナログ信号をデジタル信号に
変換することを前提とする。そして、前記第1のA/D
変換器で前記第3電圧をA/D変換してそのA/D変換
値を補正値とすると共に、前記第2のA/D変換器の基
準電圧範囲内のアナログ信号を当該第2のA/D変換器
でA/D変換し、さらにそのA/D変換の実測値を前記
補正値により補正する。
【0007】上記構成によれば、第2のA/D変換器
は、第1のA/D変換器よりも狭い電圧範囲をダイナミ
ックレンジとするため(例えば、第2電圧〜第3電
圧)、第2のA/D変換器のダイナミックレンジでアナ
ログ信号をA/D変換する際にその分解能が向上する。
このとき、低ビットのA/D変換器でそれよりも高ビッ
トのA/D変換器と同等の精度が実現できる。また、第
2のA/D変換器の動作範囲の境界点(第3電圧付近)
においてA/D変換値が不連続になることはない。さら
に、補正に必要なA/D変換は1回のみ実施されればよ
い。その結果、A/D変換の精度を向上させつつその変
換処理を効率良く実施することができる。
【0008】因みに、第1及び第2電圧の間を複数の抵
抗により分圧して第3電圧を生成する場合、個体差や温
度変化が原因で抵抗値がばらつくと、当該第3電圧が理
想値からずれる。しかしながら、上記構成によれば、常
に正確なA/D変換値が得られる。
【0009】ここで、A/D変換器の基準電圧によりA
/D変換値が補正される様子を図20を用いてより具体
的に説明する。図20において、第1,第2のA/D変
換器91,92は共に10ビットA/D変換器で構成さ
れる。第1のA/D変換器91は、第1電圧(Vcc=5
V)と第2電圧(GND=0V)とを基準電圧とし、第
2のA/D変換器92は第1,第2電圧の間の第3電圧
(実値1.1V)と第2電圧(GND=0V)とを基準
電圧とする。なお、抵抗値R1は理想値40kΩに対し
て実値39kΩ、抵抗値R2は理想値10kΩに対して
実値11kΩとなっており、こうした抵抗値R1,R2
のバラツキにより、第3電圧は理想値1Vに対して「実
値1.1V」となっている。
【0010】第3電圧(実値1.1V)は第1のA/D
変換器91にてA/D変換され、そのA/D変換値は、 1.1V/5V×2^10=225カウント となる。また、第2のA/D変換器92に対して入力さ
れるセンサ値(アナログ信号)が「0.3V」の時、同
センサ値のA/D変換値は、 0.3V/1.1V×2^10=279カウント となる。
【0011】この場合、第3電圧のA/D変換値を補正
値として使用することで、前記センサ値が、 279カウント×225カウント/2^10×{(10k+40k)/10
k}=307カウント となり、この値は抵抗値R1,R2のバラツキが無い時
の値、「307カウント(=0.3V/1V×2^10 )」に
一致する。以上の通り本発明によれば、精度の良いA/
D変換値が得られる。また、補正に要するA/D変換
は、第3電圧をA/D変換する時の1回だけでよいこと
になる。
【0012】また、請求項2に記載の発明では、アナロ
グ信号が前記第2のA/D変換器の基準電圧範囲内にあ
る場合、当該第2のA/D変換器によるA/D変換値を
前記補正値で補正した後使用し、それ以外の場合、前記
第1のA/D変換器によるA/D変換値をそのまま使用
する。上記の通り第1又は第2のA/D変換器でA/D
変換値を切り換えて使用することにより、第1電圧〜第
2電圧の全域で連続的なA/D変換値が得られる。
【0013】一方、請求項3に記載のA/D変換装置
は、高電圧側の第1電圧と低電圧側の第2電圧とを基準
電圧として動作するA/D変換器を備えると共に、前記
A/D変換器の少なくとも片側の基準電圧を第1電圧〜
第2電圧の間の第3電圧に切り替える切替手段を備え、
外部より入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換
することを前提とする。そして、前記第1,第2電圧を
基準電圧とする時に、前記第3電圧を前記A/D変換器
でA/D変換してそのA/D変換値を補正値とする一
方、前記切替手段の操作に伴い少なくとも前記第3電圧
を基準電圧とする時に、同じくA/D変換器でアナログ
信号をA/D変換し、さらにそのA/D変換の実測値を
前記補正値により補正する。
【0014】請求項3の発明は、1つのA/D変換器を
用いてA/D変換装置を具体化するものであるが、かか
る場合にも、請求項1と同様に、A/D変換の精度を向
上させつつその変換処理を効率良く実施することができ
る。
【0015】請求項4に記載の発明では、前記第3電圧
を片側の基準電圧とする時の基準電圧範囲内にアナログ
信号がある場合、前記A/D変換器によるA/D変換値
を前記補正値で補正した後使用し、それ以外の場合、同
じくA/D変換器によるA/D変換値をそのまま使用す
る。この場合、第1電圧〜第2電圧の全域で連続的なA
/D変換値が得られる。
【0016】請求項5に記載の発明では、第1電圧〜第
2電圧の間に、前記第3電圧を含む複数の基準電圧が生
成されるA/D変換装置において、前記複数の基準電圧
を個々にA/D変換してそのA/D変換値を補正値と
し、それら基準電圧の少なくとも一つをA/D変換器の
基準電圧とする場合に、その時のA/D変換の実測値を
前記補正値により補正する。
【0017】第1電圧〜第2電圧(例えば0〜5V)の
途中に高分解能の領域を設ける場合、例えば3.125
V(第3電圧),1.875V(第4電圧)を新たに基
準電圧とし、第2のA/D変換器を1.875〜3.1
25V内で動作させる。かかる場合、複数の基準電圧の
A/D変換値を補正値として用いることで、上記発明と
同様に、A/D変換の精度を向上させつつその変換処理
を効率良く実施することができる。また、第1電圧〜第
2電圧の間の複数の基準電圧を必要に応じて選択できる
ことから、基準電圧範囲が多様に設定できる。
【0018】請求項6に記載の発明では、前記補正値を
メモリに随時記憶し、同メモリの記憶データを読み出し
てその時々のA/D変換の実測値を補正する。この場
合、前記補正値をメモリに記憶することで、補正値を毎
回取り込まずに補正処理が実施でき、演算負荷を軽減す
ることが可能となる。またこの場合、書換え可能な不揮
発性メモリ(EEPROM等)に前記補正値を記憶させ
るようにすれば、電源投入直後にもその補正値を使った
A/D変換が実施できる。
【0019】請求項7に記載の発明では、第1電圧〜第
2電圧の電圧範囲を「2^n」(nは自然数)で除算し、
その除算した値を、少なくとも前記第3電圧が片側の基
準電圧である時の基準電圧範囲とする。例えば第1電圧
=5V、第2電圧=0V、n=2の場合、第3電圧が片
側の基準電圧である時の基準電圧範囲は「1.25V
(=5/2^2)」とすればよい(0〜1.25V、又は
3.75〜5V等)。この場合、異なる基準電圧で各々
A/D変換した実測値をRAMに一時的に記憶する際、
RAM内の格納ビットをnビット分ずらすだけで何れの
実測値も簡単に記憶できる。
【0020】請求項8に記載の発明では、内燃機関の振
動に応じたノック信号を逐次取り込んで該ノック信号を
デジタル信号に変換するA/D変換器を備えるA/D変
換装置において、前記ノック信号の基準電圧を、前記A
/D変換器の処理範囲内の中心値からずらし、その基準
電圧を基に当該ノック信号の振幅を算出する。つまり、
ノック信号の基準電圧をA/D変換器の中心電圧からず
らすと、その基準電圧とノック信号との差、すなわちノ
ック信号のダイナミックレンジが拡大される。このと
き、増幅回路を必要とすることもなく、ノック信号の振
幅が精度良く検出できる。その結果、構成の簡素化を図
りつつ、高精度なノック信号処理が可能となる。
【0021】またここで、請求項9に記載したように、
前記A/D変換器の電源電圧付近に前記ノック信号の基
準電圧が設定されるとよい。この場合、A/D変換器の
中心電圧(2.5V)をノック信号の基準電圧としてい
た既存の技術に比べて、約2倍のダイナミックレンジが
得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を車両用エンジンの制御装置に具体化した第1の実
施の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形
態における電子制御装置(以下、ECUという)の構成
を示す電気的構成図である。
【0023】図1において、ECU10はマルチプレク
サ(MPX)を一体化した第1,第2のA/D変換器1
1,12を備える。第1のA/D変換器11には、エン
ジン冷却水の温度に対応する水温信号、吸入空気の温度
に対応する吸気温信号、スロットル弁の開度に対応する
スロットル開度信号、エンジンに発生する振動に応じた
ノック信号など、エンジン又は車両の運転状態を表す各
種アナログ信号が入力される。これら各検出信号のう
ち、スロットル開度信号とノック信号とは第2のA/D
変換器12にも入力される。また、図示しない各種リニ
アソレノイドの動作信号は第2のA/D変換器12に入
力される。
【0024】ECU10はその他に、周知のEEPRO
M13、RAM14、CPU15、ROM16、I/O
回路17等を備え、これらは共通のバス18を介して接
続される。CPU15は、スロットル開度信号(実スロ
ットル開度)がアクセル操作量に応じた目標スロットル
開度に一致するようスロットル弁の開度をフィードバッ
ク制御する。すなわち、スロットルアクチュエータを駆
動してスロットル弁の開度を調整する。また、CPU1
5は、前記の如く入力される各種信号(水温、吸気温、
ノック信号等)に基づいて点火時期調節によりノックを
低減する等の点火制御を行う他、インジェクタへの通電
動作を制御して燃料噴射制御を行う。
【0025】次に、前記第1,第2のA/D変換器1
1,12を中心に構成されるA/D変換装置の概要につ
いて図2を用いて説明する。第1,第2のA/D変換器
11,12は共に10ビットA/D変換器で構成され、
多数のチャンネルには外部から各種アナログ信号が入力
される。そして、A/D変換器11,12は、アナログ
信号を随時デジタル信号に変換してCPU15に対して
送信する。なお、前記スロットル開度信号は第1,第2
のA/D変換器11,12の各々のチャンネルch1に
入力される。
【0026】本装置では、第1〜第3の3つの基準電圧
が設定されており、定電圧Vcc(5V)が第1の基準電
圧、GND電圧(0V)が第2の基準電圧となってい
る。また、第1,第2の基準電圧の間が抵抗21,22
により分圧され、その分圧された電圧が第3の基準電圧
となっている。本実施の形態では、抵抗21,22の抵
抗値R1,R2をそれぞれ75kΩ,25kΩとするこ
とから、第3の基準電圧は「1.25V」となる(但
し、何れも理想値である)。
【0027】第1のA/D変換器11は、第1の基準電
圧(5V)、第2の基準電圧(0V)をそれぞれ正側及
び負側の基準電圧Vref1+,Vref1-とし、0〜5Vの間
のアナログ信号をA/D変換する。同A/D変換器11
のch5には第3の基準電圧(1.25V)が入力され
る。
【0028】一方、第2のA/D変換器12は、第3の
基準電圧(1.25V)、第2の基準電圧(0V)をそ
れぞれ正側及び負側の基準電圧Vref2+,Vref2-とし、
第2〜第3の基準電圧(0〜1.25V)の間のアナロ
グ信号をA/D変換する。
【0029】上記構成のA/D変換装置において、第1
のA/D変換器11により第3の基準電圧(1.25
V)をA/D変換した実測値を「AD1」とすると、同
第1のA/D変換器11のch5の電圧Vch5 は、 Vch5 ={R2/(R1+R2)}×Vcc =(Vcc/2^10)×AD1 …(1) として求められる。
【0030】また、第2のA/D変換器12により入力
電圧(スロットル開度信号)をA/D変換した実測値を
「AD2」とすると、同第2のA/D変換器12のch
1の電圧Vch1 は、 Vch1 =(Vch5/2^10)×AD2 …(2) として求められる。そして、上記(1)式を用いて
(2)式を変形すれば、 Vch1 =(Vcc×AD1×AD2)/(2^10×2^10) …(3) となる。
【0031】上記(3)式によれば、AD1値(第3の
基準電圧の実測値)を補正値とし、そのAD1値により
AD2値(スロットル開度信号の実測値)が補正される
こととなる。この場合、第2のA/D変換器12のch
1の電圧Vch1 が正確に且つ高分解能で求められる。そ
の詳細を、具体的数値を示しながら以下に説明する。
【0032】Vcc=5000mV、R1=75kΩ、R2=
25kΩ、スロットル開度信号=625 mVの場合、第1
のA/D変換器11のch5の電圧Vch5 は、 Vch5=25k/(25k+75k)×5000mV=1250mV となり、AD1値(第3の基準電圧の実測値)は256
カウント(=1250mV×2^10 /5000mV)となる。ま
た、第2のA/D変換器12の基準電圧=1250mVに対
して入力電圧=625 mVのため、AD2値(スロットル
開度信号の実測値)は2^10 /2=512カウントとな
る。
【0033】従って、上記(3)式によれば、第2のA
/D変換器12のch1の電圧Vch1 は、 Vch1 =(5000mV×256カウント×512カウント)/2^20=625
mV となる。
【0034】また、第2のA/D変換器12で1カウン
トだけ変わった時の電圧変化量は、上記(3)式によ
り、 5000mV×256カウント×1カウント/2^20=1.22mV となる。この場合、10ビットA/D変換器での分解能
(5000mV/2^10 =4.88mV)と比較すれば、1/4
の分解能が得られる。すなわち、12ビットA/D変換
器の分解能(5000mV/2^12 =1.22mV)と同等の分
解能が得られることとなる。
【0035】なお、第3の基準電圧の実測値(前記
(3)式で使うAD1値)は補正値としてECU10内
のRAM14やEEPROM13に記憶される。そし
て、スロットル開度信号のA/D変換に際し、前記補正
値がRAM14からその都度読み出されて使用される。
【0036】図3は、0〜5V範囲のスロットル開度信
号とA/D変換後のデジタル値との関係を示す特性図で
ある。縦軸のデジタル値は左詰10ビットの値を示す
(最大値=$FFC0)。
【0037】電子スロットル制御を実施する装置では、
アイドル運転時にスロットル開度が比較的小開度で維持
され、アクセルペダルの踏込み操作に応じてスロットル
開度が増加する。ここで、前記第2のA/D変換器12
の基準電圧範囲(0〜1.25V)をISC(アイドル
スピードコントロール)領域に一致させれば、このIS
C領域では第2のA/D変換器12により1.22mV
/LSBの分解能でデジタル値が得られる。また、スロ
ットル開度信号が1.25Vを超える領域では、第1の
A/D変換器11により4.88mV/LSBの分解能
でデジタル値が得られる。
【0038】ISC領域にてスロットル開度が高分解能
で検出されるため、高精度なスロットルF/B制御が実
現できる。また、アイドル状態では目標スロットル開度
が一定であることから、A/D変換の分解能が粗くセン
サ検出結果に基づく実スロットル開度がLSB分だけば
らつくと、スロットル制御量が過補正されてしまい、ハ
ンチングの原因となる。ハンチングが生じると、センサ
摩耗等の不具合を招く。これに対して、上記のようにI
SC領域でA/D変換の分解能が細かいと、上記不具合
が解消される。
【0039】因みに、スロットル開度信号が1.25V
を超える通常の制御領域では、アクセルペダルの踏込み
操作量に応じて目標スロットル開度が設定される。この
場合、目標スロットル開度が一定でないため、制御量の
過補正によりセンサ摩耗等の不具合を招くといった問題
は生じない。そのため、A/D変換の分解能が粗くても
許容される。
【0040】図4には、スロットル開度信号のA/D変
換値が一時的に記憶される16ビットRAM14の構造
を示す。第1のA/D変換器11のA/D変換値(実測
値)は左詰10ビット分の領域に格納される。また、第
2のA/D変換器12のA/D変換値(補正後の値)は
13番目〜4番目の領域に格納される。この場合、第2
のA/D変換器12のデータ格納領域は、第1のA/D
変換器11のデータ格納領域(標準の領域)に対して2
ビット分だけずらして設定されることになる。
【0041】図5は、CPU15により実施されるA/
D変換手順を示すフローチャートであり、同処理は所定
のA/D変換周期で起動される。図5において、CPU
15は、先ずステップ101で第1及び第2のA/D変
換器11,12にてスロットル開度信号をA/D変換
し、各々のA/D変換値を「A/DS1」,「A/DS
2」とする。また、CPU15は、続くステップ102
で前記A/DS1値が第2のA/D変換器12によるA
/D変換範囲内にあるか否か、すなわち同A/DS1値
が第2〜第3の基準電圧(0〜1.25V)内にあるか
否かを判別する。なお、ステップ102の判別には、第
1のA/D変換器11にてA/D変換した第3の基準電
圧の実測値(ch5の実測値)が用いられる。
【0042】ステップ102がNOの場合、CPU15
はステップ103に進み、A/DS1値をその時のA/
D変換値として使用する旨を決める。また、ステップ1
02がYESの場合、CPU15はステップ104に進
み、A/DS2値をその時のA/D変換値として使用す
る旨を決める。A/DS2値の使用時には、RAM14
内の補正値(第3の基準電圧のA/D変換値)が読み出
され、その補正値により当該A/DS2値が補正され
る。そしてその後、本ルーチンを一旦終了する。
【0043】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、第1のA/D変換器11で第
3の基準電圧をA/D変換してそのA/D変換値を補正
値とすると共に、第2のA/D変換器12の基準電圧範
囲内のスロットル開度信号を当該第2のA/D変換器1
2でA/D変換し、さらにそのA/D変換の実測値を前
記補正値により補正するようにした。上記構成によれ
ば、第2のA/D変換器12がA/D変換する際にその
分解能が向上する。このとき、低ビットのA/D変換器
でそれよりも高ビットのA/D変換器と同等の精度が実
現できる。また、第2のA/D変換器12の動作範囲の
境界点(第3の基準電圧付近)においてA/D変換値が
不連続になることはない。さらに、補正に要するA/D
変換は1回のみ実施されればよい。その結果、A/D変
換の精度を向上させつつその変換処理が効率良く実施で
きるようになる。
【0044】また、個体差や温度変化が原因で抵抗値R
1,R2がばらつき、第3の基準電圧が変動しても、そ
れに影響されることなく常に正確なA/D変換値が得ら
れる。
【0045】(b)スロットル開度信号が第2のA/D
変換器12の基準電圧範囲内にある場合、当該第2のA
/D変換器12によるA/D変換値を補正値(第3の基
準電圧の実測値)で補正した後使用し、それ以外の場
合、第1のA/D変換器11によるA/D変換値をその
まま使用するようにした。上記の通り第1又は第2のA
/D変換器11,12でA/D変換値を切り換えて使用
することにより、第1〜第2の基準電圧(0〜5V)の
全域で連続的なA/D変換値が得られる。
【0046】(c)電子スロットル制御に際し、ISC
領域(前記図3の0〜1.25Vの領域)では高分解能
でA/D変換を行うようにした。これにより、高精度な
ISC処理が実現できる。また、アイドル状態でのスロ
ットル制御量の過補正が抑制され、センサ摩耗等の不具
合が解消される。
【0047】(d)前記補正値をROM14やEEPR
OM13に記憶し、前記ROM14の記憶データを読み
出してその時々のA/D変換の実測値を補正するように
した。この場合、補正値を毎回取り込まずに補正処理が
実施でき、演算負荷を軽減することが可能となる。ま
た、EEPROM13に前記補正値を記憶させること
で、電源投入直後にもその補正値を使ったA/D変換が
実施できる。
【0048】(e)第1〜第2の基準電圧(0〜5V)
を「4=(2^2)」で除算し、その除算した値を、第2
のA/D変換器12による基準電圧範囲(0〜1.25
V)とした。従って、第1,第2のA/D変換器11,
12で各々A/D変換した実測値をRAM14に一時的
に記憶する際、RAM14内の格納ビットを2ビット分
ずらすだけで何れの実測値も簡単に記憶できる(前記図
4参照)。
【0049】なお上記図5の処理は、以下の図6又は図
7のように変更することができる。図6では、CPU1
5は、先ずステップ201で第1のA/D変換器11に
てスロットル開度信号をA/D変換し、そのA/D変換
値を「A/DS1」とする。また、CPU15は、続く
ステップ202で前記A/DS1値が第2のA/D変換
器12によるA/D変換範囲内にあるか否か、すなわち
同A/DS1値が第2〜第3の基準電圧内にあるか否か
を判別する。
【0050】ステップ202がNOの場合、CPU15
はステップ203に進んでA/DS1値をその時のA/
D変換値として使用する旨を決め、その後、本ルーチン
を一旦終了する。
【0051】また、ステップ202がYESの場合、C
PU15はステップ204に進み、第2のA/D変換器
12でスロットル開度信号をA/D変換し、そのA/D
変換値を「A/DS2」とする。続いて、CPU15
は、ステップ205でA/DS2値をその時のA/D変
換値として使用する旨を決め、その後、本ルーチンを一
旦終了する。このとき、RAM14やEEPROM13
内の補正値(第3の基準電圧のA/D変換値)が読み出
され、その補正値により当該A/DS2値が補正され
る。
【0052】一方、図7では、CPU15は、先ずステ
ップ301で第2のA/D変換器12にてスロットル開
度信号をA/D変換し、そのA/D変換値を「A/DS
2」とする。また、CPU15は、続くステップ302
で前記A/DS2値が第2のA/D変換器12によるA
/D変換範囲を超え、オーバーフローしているか否かを
判別する。
【0053】ステップ302がNOの場合、CPU15
はステップ303に進んでA/DS2値をその時のA/
D変換値として使用する旨を決め、その後、本ルーチン
を一旦終了する。このとき、RAM14やEEPROM
13内の補正値(第3の基準電圧のA/D変換値)が読
み出され、その補正値により当該A/DS2値が補正さ
れる。
【0054】また、ステップ302がYESの場合、C
PU15はステップ304に進み、第1のA/D変換器
11でスロットル開度信号をA/D変換し、そのA/D
変換値を「A/DS1」とする。続いて、CPU15
は、ステップ305でA/DS1値をその時のA/D変
換値として使用する旨を決め、その後、本ルーチンを一
旦終了する。
【0055】以上、図6又は図7の処理によっても、最
適なるA/D変換処理が実施されて高精度なA/D変換
値が得られる。つまり、第1〜第2の基準電圧(0〜5
V)の全域で連続的なA/D変換値が得られる。
【0056】上記第2の実施の形態では、第3の基準電
圧を「1.25V(理想値)」とし、この第3の基準電
圧を境界として第1,第2のA/D変換器11,12を
切り換えたが、これを例えば「1.20V」のように少
し下げても良い。この場合、A/D変換器のフルスケー
ル誤差部分を使わせないようにすることができる。
【0057】次に、本発明における第2〜第5の実施の
形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成にお
いて、上述した第1の実施の形態と同等であるものにつ
いては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化
する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を
中心に説明する。
【0058】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では、2つのA/D変換器11,12を用いたA/D
変換装置を具体化したが、本実施の形態では1つのA/
D変換器でA/D変換装置を具体化する。図8には、本
実施の形態におけるA/D変換装置の概要を示す。A/
D変換器31は10ビットA/D変換器で構成され、c
h1にはスロットル開度信号が入力される。また、A/
D変換器31のch5には抵抗21,22にて分圧され
た第3の基準電圧が入力される(他の入力信号は図示の
通り)。
【0059】A/D変換器31のVref+端子には切替手
段としてのスイッチ32が接続され、スイッチ32は、
第1の基準電圧(Vcc=5V)をVref+電圧とする接点
Aと、第3の基準電圧(1.25V)をVref+電圧とす
る接点Bとの何れか一つに接続される。同スイッチ32
の切り替え動作はCPU15により操作される。また、
A/D変換器31のVref-端子には第2の基準電圧(G
ND=0V)が接続される。
【0060】上記構成のA/D変換装置では、仮にスイ
ッチ32がA側に切り替えられた場合、A/D変換器3
1は第1〜第2の基準電圧の範囲(0〜5V)にてA/
D変換を行う(前記図2の第1のA/D変換器11と同
じ)。このとき、第3の基準電圧(1.25V)がA/
D変換されて補正値としてRAM14やEEPROM1
3に記憶される。また、スイッチ32がB側に切り替え
られた場合、A/D変換器31は第2〜第3の基準電圧
の範囲(0〜1.25V)にてA/D変換を行う(前記
図2の第2のA/D変換器12と同じ)。第2〜第3の
基準電圧(0〜1.25V)でA/D変換を行う時、A
/D変換器31でスロットル開度信号がA/D変換され
ると共に、そのA/D変換の実測値が前記補正値により
補正される。
【0061】つまり、スロットル開度信号が第2〜第3
の基準電圧の範囲(0〜1.25V)にある場合、CP
U15は、スイッチ32をB側に切り替え、A/D変換
器31によるA/D変換値を第3の基準電圧の実測値
(RAM14やEEPROM13内の補正値)で補正し
た後使用する。また、それ以外の場合、CPU15は、
スイッチ32をA側に切り替え、A/D変換器31によ
るA/D変換値をそのまま使用する。なお、一連のA/
D変換手順は、例えば前記図6の手順に従い実施され
る。
【0062】以上第2の実施の形態によれば、上記第1
の実施の形態と同様に、A/D変換の精度を向上させつ
つその変換処理が効率良く実施できる。この場合にも、
第1〜第2の基準電圧(0〜5V)の全域で連続的なA
/D変換値が得られる。
【0063】(第3の実施の形態)第3の実施の形態に
おけるA/D変換装置では、0〜5V(第1〜第2の基
準電圧)の間に第3の基準電圧とは別の第4の基準電圧
が生成される。そして、第1〜第2の基準電圧の範囲で
通常精度のA/D変換が実施される他、第3〜第4の基
準電圧の範囲で高精度なA/D変換が実施される。
【0064】特に本実施の形態では、「デジタルKCS
(ノックコントロールシステム)」に適用されるA/D
変換装置について記述する。すなわち、同KCSではエ
ンジンの振動に応じたノック信号が逐次A/D変換さ
れ、そのA/D変換値を使ってデジタル的にピークホー
ルド(P/H)されると共にその時のピーク値から信号
振幅が求められる。なお、ノック信号は所定電圧(2.
5V)を中心に振幅する。以下に本実施の形態を図9を
用いて詳細に説明する。
【0065】図9に示されるA/D変換装置では、前記
第1,第2,第3の基準電圧に加え、第4の基準電圧が
設定される。この場合、第1〜第2の基準電圧(0V〜
5V)の間が抵抗41,42,43により分圧され、第
3の基準電圧及び第4の基準電圧が生成される。本実施
の形態では、抵抗41〜43の抵抗値(R11,R12,R
13)の調整により第3の基準電圧が「3.125V」、
第4の基準電圧が「1.875V」となっている。ま
た、第1,第2のA/D変換器11,12の各々のch
1には、前記図2のスロットル開度信号に代えてノック
信号が入力される。但し、ノック信号は周知のフィルタ
回路を介してA/D変換器11,12に入力されるもの
であるが、便宜上ここではその構成を省略する。
【0066】第1のA/D変換器11は、第1の基準電
圧(5V)、第2の基準電圧(0V)をそれぞれ正側及
び負側の基準電圧Vref1+,Vref1-とし、0〜5Vの間
のアナログ信号をA/D変換する。同A/D変換器11
のch5には第3の基準電圧(3.125V)が入力さ
れ、ch6には第4の基準電圧(1.875V)が入力
される。
【0067】一方、第2のA/D変換器12のVref2+
端子にはスイッチ44が接続されている。スイッチ44
は、第1の基準電圧(Vcc=5V)をVref2+ 電圧とす
る接点Aと、第3の基準電圧(3.125V)をVref2
+ 電圧とする接点Bと、第4の基準電圧(1.875
V)をVref2+ 電圧とする接点Cとの何れか一つに接続
される。
【0068】また、第2のA/D変換器12のVref2-
端子にはスイッチ45が接続されている。スイッチ45
は、第2の基準電圧(GND=0V)をVref2- 電圧と
する接点Dと、第4の基準電圧(1.875V)をVre
f2- 電圧とする接点Eとの何れか一つに接続される。ス
イッチ44,45の切り替え動作はCPU15により操
作される。
【0069】従って、スイッチ44,45が切り替えら
れると、第2のA/D変換器12の基準電圧が以下の通
り設定され、同A/D変換器12はその基準電圧の範囲
内でA/D変換を行う。すなわち、 (イ)A側,E側に接続される場合、1,875〜5
V。 (ロ)B側,D側に接続される場合、0〜3.125
V。 (ハ)B側,E側に接続される場合、1.875〜3.
125V。 (ニ)C側,D側に接続される場合、0〜1.875
V。 のような態様で、第2のA/D変換器12の基準電圧範
囲が設定される。
【0070】本実施の形態では、2.5V中心で振幅す
るノック信号をA/D変換することとしており、上記
(ハ)に示す「1.875〜3.125V」の範囲で第
2のA/D変換器12がノック信号をA/D変換するこ
とで、ノック検出処理の高精度要求に応えるようにして
いる。
【0071】上記図9のA/D変換装置において、第1
のA/D変換器11により第3の基準電圧(3.125
V)をA/D変換した実測値を「AD1A」とすると、
同第1のA/D変換器11のch5の電圧Vch5 は、 Vch5 ={(R12+R13)/(R11+R12+R13)}×Vcc =(Vcc/2^10)×AD1A …(4) として求められる。
【0072】また、第1のA/D変換器11により第4
の基準電圧(1.875V)をA/D変換した実測値を
「AD1B」とすると、第1のA/D変換器11のch
6の電圧Vch6 は、 Vch6 ={R13/(R11+R12+R13)}×Vcc =(Vcc/2^10)×AD1B …(5) として求められる。
【0073】さらに、第2のA/D変換器12により入
力電圧(ノック信号)をA/D変換した実測値を「AD
2」とすると、同第2のA/D変換器12のch1の電
圧Vch1 は、 Vch1 ={(Vch5−Vch6)/2^10)×AD2+Vch6 …(6) として求められる。そして、上記(4),(5)式を用
いて(6)式を変形すれば、 Vch1 =(Vcc/2^10) ×{(AD1A−AD1B)/2^10×AD2+AD1B} …(7) となる。
【0074】上記(7)式によれば、AD1A値(第3
の基準電圧の実測値)及びAD1B値(第4の基準電圧
の実測値)を補正値とし、それらAD1A値,AD1B
値によりAD2値(ノック信号の実測値)が補正される
こととなる。この場合、第2のA/D変換器12のch
1の電圧Vch1 が正確に且つ高分解能で求められる。そ
の詳細を具体的数値を示しながら以下に説明する。但
し、説明の簡略化のため、A/D変換器の微分直線性誤
差などを「0」とする。
【0075】Vcc=5V、センサ入力信号(ノック信
号)=2.25Vの場合、第3の基準電圧=3.125
V、第4の基準電圧=1.875Vであれば、AD1A
値(第3の基準電圧の実測値)及びAD1B値(第4の
基準電圧の実測値)はそれぞれ、左詰10ビットで、 AD1A=$A000 AD1B=$6000 となる。また、AD2値(センサ入力信号の実測値)
は、 AD2=$10000/(3.125−1.875)×(2.25−1.875) =$4CCC→$4CC0(左詰10ビットA/D) となる。因みに、第1のA/D変換器11でセンサ入力
信号をA/D変換すると、 $10000/5×2.25=$7333→$7300(左詰10ビット
A/D) となる。
【0076】そして、第2のA/D変換器12によるA
/D変換値を上記(7)式を用いて補正すると、 (AD1A−AD1B)×AD2/2^16+AD1B=
($A000−$6000)×$4CC0/$10000+$6000=$733
0 となる。「$7330」は12ビット精度の値であって、第
1のA/D変換器11による10ビット精度に比べてA
/D変換精度が向上することが分かる。
【0077】図10は、0〜5V範囲のセンサ入力信号
(ノック信号)とA/D変換後のデジタル値との関係を
示す特性図である。縦軸のデジタル値は左詰10ビット
の値を示す(最大値=$FFC0)。
【0078】図10において、「1.875〜3.12
5V」の領域では、第2のA/D変換器12により1.
22mV/LSBの分解能でデジタル値が得られる。ま
た、それ以外の領域では、第1のA/D変換器11によ
り4.88mV/LSBの分解能でデジタル値が得られ
る。
【0079】この場合、図11に示されるように、ノッ
ク信号が小さい時には「1.875〜3.125V」の
範囲で同ノック信号がピークホールドされ、その時のピ
ーク値を基にノック判定される。また、ノック信号が大
きい時には「0〜5V」の範囲で同ノック信号がピーク
ホールドされ、その時のピーク値を基にノック判定され
る。
【0080】以上第3の実施の形態によれば、上記第
1,第2の各実施の形態と同様に、A/D変換の精度を
向上させつつその変換処理が効率良く実施できる。ま
た、好適なノック検出処理が実現できる。加えて本実施
の形態では、入力信号の種類等に応じて、例えば上記
(イ)〜(ニ)のような基準電圧範囲が多様に設定でき
るようになる。
【0081】(第4の実施の形態)第4の実施の形態
は、上記第3の実施の形態(前記図9)の一部を変更し
たものであり、2つあったA/D変換器を1つにしてい
る。図12には、本実施の形態におけるA/D変換装置
の概要を示す。A/D変換器51は10ビットA/D変
換器で構成され、ch1にはノック信号が入力される。
また、A/D変換器51のch5には第3の基準電圧が
入力され、同ch8には第4の基準電圧が入力される
(他の入力信号は図示の通り)。
【0082】A/D変換器51のVref+端子にはスイッ
チ52が接続されている。スイッチ52は、第1の基準
電圧(Vcc)をVref+電圧とする接点Aと、第3の基準
電圧をVref+電圧とする接点Bと、第4の基準電圧をV
ref+電圧とする接点Cとの何れか一つに接続される。ま
た、A/D変換器51のVref-端子にはスイッチ53が
接続されている。スイッチ53は、第2の基準電圧(G
ND)をVref-電圧とする接点Dと、第4の基準電圧を
Vref-電圧とする接点Eとの何れか一つに接続される。
スイッチ52,53の切り替え動作はCPU15により
操作される。
【0083】従って、スイッチ52,53が切り替えら
れると、A/D変換器51の基準電圧は例えば上記
(イ)〜(ニ)の何れかに設定され、同A/D変換器5
1はその基準電圧の範囲内でA/D変換を行う。本実施
の形態では、スイッチ52,53が切替手段に相当す
る。
【0084】上記構成のA/D変換装置では、仮にスイ
ッチ52,53がそれぞれA側,D側に切り替えられた
場合、A/D変換器51は第1〜第2の基準電圧の範囲
(0〜5V)にてA/D変換を行う(前記図9の第1の
A/D変換器11と同じ)。このとき、第3の基準電圧
(3.125V)と第4の基準電圧(1.875V)と
が各々A/D変換されて補正値としてRAM14やEE
PROM13に記憶される。また、スイッチ52,53
がそれぞれB側,E側に切り替えられた場合、A/D変
換器51は第3〜第4の基準電圧の範囲(1.875〜
3.125V)にてA/D変換を行う。第3〜第4の基
準電圧の範囲(1.875〜3.125V)でA/D変
換を行う時、A/D変換器51でノック信号がA/D変
換されると共に、そのA/D変換の実測値が前記補正値
により補正される。
【0085】以上第4の実施の形態によれば、上記各実
施の形態と同様に、A/D変換の精度を向上させつつそ
の変換処理が効率良く実施できる。この場合にも、第1
〜第2の基準電圧(0〜5V)の全域で連続的なA/D
変換値が得られる。
【0086】(第5の実施の形態)第5の実施の形態で
は、ノック信号のダイナミックレンジを拡大すべく、同
ノック信号の振幅の中心(基準電圧)をA/D変換器の
処理範囲の中心値からずらし、そのノック信号と基準電
圧とを基に当該ノック信号の振幅を求めることとしてい
る。図13には、本実施の形態におけるECU10の構
成を示す。
【0087】図13に示されるように、ノック信号はフ
ィルタ回路61に入力される。フィルタ回路61は、抵
抗62a及びコンデンサ62bからなる入力保護回路6
2と、抵抗63a,63bからなるゲイン調整回路63
と、カップリングコンデンサ64と、抵抗65と、コン
デンサ66とを備える。ここで、抵抗65及びコンデン
サ66で入力波形がなまされない程度にコンデンサ66
の容量を小さくしておく。カップリングコンデンサ64
と抵抗65との間のA点には抵抗67を介して基準電圧
生成回路68が接続される。
【0088】基準電圧生成回路68は、定電圧Vcc(5
V)を分圧するための抵抗68a,68bとバッファ6
8cとを有し、抵抗68a,68bにより「4.9V」
の基準電圧を生成し出力する。これにより、ノック信号
の振幅がない時、A点の電圧は「4.9V」となる。つ
まり、ノック信号のうち、交流信号成分のみが基準電圧
(4.9V)を中心に振幅する。そしてこの信号が保護
回路70を介して第1,第2のA/D変換器11,12
に取り込まれる。
【0089】保護回路70は2つのダイオード70a,
70bを有し、一方のダイオード70aはカソードが定
電圧Vcc(5V)に接続され、他方のダイオード70b
はアノードが接地される。この場合、図のB点の電圧は
最大で「5.7V」程度に制限される。また、基準電圧
生成回路68による基準電圧(4.9V)は保護回路7
1に入力される。保護回路71は、前記保護回路70と
同様の構成を有するため、ここではその説明を省略す
る。
【0090】図のA点の電圧が5V以上となり、保護ダ
イオード70aに電流が流れる時、それが抵抗65によ
り所定の定格電流以下に抑えられる。例えばA点の電圧
の最大値(入力信号の最大値)が「9.8V」、B点で
クランプされる電圧が「5.7V」、定格電流が「10
mA」の場合、 (9.8V−5.7V)/10mA=410Ω という演算結果から、抵抗65の抵抗値は「410Ω」
以上とされる。なお、抵抗65の前段にバッファを設け
て構成することも可能である。
【0091】保護回路70,71を通過したノック信号
と基準電圧信号は、第1,第2のA/D変換器11,1
2のそれぞれ異なる入力チャンネルに入力される。因み
に、A/D変換器11,12内のMPXを切り替えた
際、ノイズが発生しうるが、その発生ノイズは前記コン
デンサ66により吸収される。
【0092】図14はノック信号波形を示すタイムチャ
ートである。同図において(a)は前記図13のA点の
電圧波形を、(b)は前記図13のB点の電圧波形を、
(c)はA/D変換後の波形を示す。(a)のA点波形
は4.9Vを基準電圧(中心電圧)として振幅し、A点
波形に対して5.7V以上の信号成分がカットされたも
のが(b)のB点波形となる。そして、B点波形をA/
D変換することで、(c)のようなデジタル信号が得ら
れる。(c)によれば、A/D変換値の最大値は5Vと
なるが、基準電圧(4.9V)より下側で0〜4.9V
のダイナミックレンジが得られる。
【0093】所定のノック判定区間(ゲートオープン区
間)内では、燃焼気筒に対応するノック信号が前記図1
4(c)の如く例えば2μs毎にA/D変換され、その
時々のA/D変換値NEWADの最小値が求められる。
また、基準電圧(4.9V)のA/D変換値がオフセッ
ト補正値OFSETとしてCPU15に読み込まれる。
そして、ノック判定区間の終了時に、前記OFSET値
とNEWAD値の最小値との差から最終的にノック信号
のピーク値Vpkが算出される。
【0094】既述のようにノック信号が電源電圧付近の
「4.9V」を中心に振幅する場合、その中心値を基準
にA/D変換特性が設定される。例えば図15に示され
るように、第1〜第2の基準電圧(0〜5V)を「0〜
3.75V」と「3.75〜5V」との2つの領域に分
け、前者の領域では通常精度のA/D変換を行うと共
に、後者の領域では高精度なA/D変換を行うこととす
る。
【0095】具体的なA/D変換装置の構成としては、
前記図2の一部を変更した図17の構成を採用する。図
17では、第3の基準電圧を「3.75V」とする。従
って、第2のA/D変換器12は、第1の基準電圧(5
V)、第3の基準電圧(3.75V)をそれぞれ正側及
び負側の基準電圧Vref2+,Vref2-とし、第1〜第3の
基準電圧(3.75〜5V)の間のアナログ信号をA/
D変換する。
【0096】この場合、前記図15に示されるように、
「3.75〜5V」の領域では、第2のA/D変換器1
2により1.22mV/LSBの分解能でデジタル値が
得られる。また、それ以外の「0〜3.75V」の領域
では、第1のA/D変換器11により4.88mV/L
SBの分解能でデジタル値が得られる。なお、入力信号
=5Vでは、12ビット相当の分解能が得られるため、
そのデジタル値は左詰「$FFF0」となる。
【0097】ここで、図19に示されるように、ノック
信号が小さい時には「3.75〜4.9V(5V)」の
範囲で同ノック信号がピークホールドされ、その時のピ
ーク値を基にノック判定される。また、ノック信号が大
きい時には「0〜4.9V(5V)」の範囲で同ノック
信号がピークホールドされ、その時のピーク値を基にノ
ック判定される。
【0098】一方、第1〜第2の基準電圧(0〜5V)
を3つ以上の領域に分け、各領域毎に3段階以上の分解
能を設定することも可能である。例えば図16に示され
るように、入力信号をA/D変換する領域を、(1)0
〜2.5V、(2)2.5〜3.75V、(3)3.7
5〜4.375V、(4)4.375〜5V、といった
4領域に区分する。そして、上記(1)領域では分解能
を4.88mV/LSB(=5000mV/2^10 )とし、
上記(2)領域では分解能を1.22mV/LSB(=
5000mV/2^12 )とし、上記(3),(4)領域では
分解能を0.61mV/LSB(=5000mV/2^13 )
とする。なお、入力信号=5Vでは、13ビット相当の
分解能が得られるため、そのデジタル値は左詰「$FF
F8」となる。この場合、A/D変換装置は図18のよ
うに構成される。
【0099】図18では、第1の基準電圧(Vcc=5
V)と第2の基準電圧(GND=0V)との間に、第3
の基準電圧=4.375V、第4の基準電圧=3.75
V、第5の基準電圧=2.5Vが設定される。これら第
3,第4,第5の基準電圧は抵抗81,82,83,8
4を分圧して生成される。そして、第3〜第5の各基準
電圧が第1のA/D変換器11のch5,ch6,ch
7にそれぞれ入力される。
【0100】第2のA/D変換器12のVref2+ 端子に
はスイッチ85が接続されている。スイッチ85は、第
1の基準電圧(Vcc=5V)をVref2+ 電圧とする接点
Aと、第3の基準電圧(4.375V)をVref2+ 電圧
とする接点Bと、第4の基準電圧(3.75V)をVre
f2+ 電圧とする接点Cとの何れか一つに接続される。
【0101】また、第2のA/D変換器12のVref2-
端子にはスイッチ86が接続されている。スイッチ86
は、第3の基準電圧(4.375V)をVref2- 電圧と
する接点Dと、第4の基準電圧(3.75V)をVref2
- 電圧とする接点Eと、第5の基準電圧(2.5V)を
Vref2- 電圧とする接点Fとの何れか一つに接続され
る。スイッチ85,86の切り替え動作はCPU15に
より操作される。
【0102】従って、スイッチ85,86が切り替えら
れると、第2のA/D変換器12の基準電圧が以下の通
り設定され、同A/D変換器12はその基準電圧の範囲
内でA/D変換を行う。ここで、第2のA/D変換器1
2にて「4.375〜5V」の範囲でA/D変換する場
合、スイッチ85,86がA側,D側に切り替えられ、
「3.75〜4.375V」の範囲でA/D変換する場
合、スイッチ85,86がB側,E側に切り替えられ、
「2.5〜3.75V」の範囲でA/D変換する場合、
スイッチ85,86がC側,F側に切り替えられる。
【0103】以上図18の構成により、前記図16に示
す特性が得られる。また、第3〜第5の各基準電圧は第
1のA/D変換器11に入力され、各々のA/D変換値
が補正値としてECU10内のRAM14やEEPRO
M13に逐次記憶される。そして、この補正値によりノ
ック信号のA/D変換値が補正される。これにより、第
3〜第5の基準電圧のバラツキが解消され、0〜5Vの
全域で連続的なA/D変換値が得られる。
【0104】以上第5の実施の形態によれば、既述の効
果に加え、新たに以下に示す効果が得られる。 (a)デジタルKCSを構成するECU10において、
ノック信号の基準電圧を、A/D変換器11,12の処
理範囲内の中心値(2.5V)からずらし、その基準電
圧を基に当該ノック信号の振幅(ピーク値Vpk)を算
出するようにした。かかる場合、ノック信号と基準電圧
との差、すなわちノック信号のダイナミックレンジが拡
大される。このとき、既存の装置のように増幅回路を必
要とすることもなく、ノック信号の振幅が精度良く検出
できる。また、ノイズが不用意に増幅されるといった不
都合が回避される。その結果、構成の簡素化を図りつ
つ、高精度なノック検出処理が実施できる。
【0105】(b)デジタルKCSを構成する上で、ノ
ック信号を逐次A/D変換した後、そのA/D変換値
(デジタル値)のピーク値から信号振幅を求めることと
した。従って、上記の如く高精度なノック検出処理が可
能になる他、ノック信号のピーク値を検出するためのピ
ークホールド回路が不要になるといった効果が得られ
る。
【0106】(c)A/D変換器11,12の電源電圧
付近(4.9V)にノック信号の基準電圧を設定した。
この場合、A/D変換器の中心電圧(2.5V)をノッ
ク信号の基準電圧とする既存の技術に比べて、約2倍の
ダイナミックレンジが得られる。また、A/D変換器1
1,12の電源電圧(Vcc=5V)に対して内側に少し
ずらした「4.9V」を基準電圧としたため、フルスケ
ール誤差と呼ばれる不具合が生じることはなく、基準電
圧の誤認識が抑制される。具体的には、入力4.98V
→5Vと誤認識したり、逆に入力5V→4.99Vと誤
認識したりすることはない。従って、ノック検出の信頼
性が向上する。
【0107】(d)ノック信号の基準電圧をA/D変換
器11,12で読み込み、その読み込み値でオフセット
補正を行ってノック信号の振幅を求めることとした。こ
の場合、基準電圧のA/D変換値によりオフセット補正
を行うことで、個体差や温度変化などが原因でノック信
号の基準電圧がばらついても、そのバラツキによるA/
D変換誤差が解消される。
【0108】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて具体化できる。上記第1,第2の実施の形
態では第3の基準電圧を「1.25V」とした具体例を
示したが、1.5Vや2Vなど、A/D変換範囲(第1
〜第2の基準電圧)内の任意の電圧としてもよい。この
場合、第1〜第2の基準電圧の電圧範囲を「2^n」(n
は自然数)で除算し、その除算した値を高精度要求時に
おけるA/D変換の基準電圧範囲とするものであれば、
RAMへの記憶が簡単に行える。つまり、前記(2)式
で示されるように(Vch1 =(Vch5 /2^10 )×AD
2)、「2^10 」で除算して入力電圧(A/D変換器1
2のch1の電圧)が求められる場合に、「2^10 」で
除算せずともシフト処理でRAMへの記憶を行うことが
できる。例えば第3の基準電圧を「2.5V(=5/
2)」又は「0.625V(=5/2^3)」とすると、
前者の場合、10ビットA/D変換器で11ビット相当
の分解能が得られ、後者の場合、13ビット相当の分解
能が得られることとなる。
【0109】第3,第4の基準電圧等をA/D変換しそ
の実測値を補正値としてRAM14やEEPROM13
に記憶する場合、数回分の前記実測値について平均値を
求め、その平均値を補正値として記憶する。実測値の平
均値を補正値とすることで、ノイズによる誤差が解消さ
れる。また、補正値として取り込んだ値が予め決まった
ある値以外(例えば理想値に対して±0.1V以外)の
場合、その値をノイズと判定し、使用せずに再度取り込
みを行うようにしてもよい。
【0110】第3,第4の基準電圧等をA/D変換して
その値を補正値とする場合、所定の演算回数又は所定時
間の周期で前記補正値を更新する。つまり、前記第3,
第4の基準電圧等は急激な温度変化等の要因がなければ
大きく変動しないことから、前記補正値を得るためのA
/D変換回数を減らし、演算負荷の軽減を図る。
【0111】上記第3〜第5の実施の形態では、いわゆ
るデジタルKSCの構成を採用し、ノック信号のA/D
変換値を用いてデジタル的にピークホールドを行った
が、アナログのピークホールド回路を設けて構成しても
よい。
【0112】上記第5の実施の形態では、Vcc=5V付
近の「4.9V」を中心電圧としてノック信号をずらし
たが、GND=0V付近の「0.1V」を中心電圧とし
て同ノック信号をずらすように構成してもよい。かかる
場合にも同様に、ノック信号のダイナミックレンジが拡
大され、ノック検出精度が向上する。
【0113】上記第1,第3の実施の形態のように複数
のA/D変換器を用いる場合、互いのビット数が異なる
複数のA/D変換器を用いる。例えば第1のA/D変換
器を12ビット構成とし、第2のA/D変換器を10ビ
ット構成とする。この場合、第2のA/D変換器は低ビ
ットで構成されるが、本発明を適用することで、両A/
D変換器とも、高ビット(12ビット)でのA/D変換
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるECUの概要を示す
構成図。
【図2】第1の実施の形態におけるA/D変換装置の概
要を示す構成図。
【図3】スロットル開度信号とA/D変換後のデジタル
値との関係を示す特性図。
【図4】A/D変換値が一時的に記憶されるRAMの構
造を示す図。
【図5】A/D変換手順を示すフローチャート。
【図6】A/D変換手順を示すフローチャート。
【図7】A/D変換手順を示すフローチャート。
【図8】第2の実施の形態におけるA/D変換装置の概
要を示す構成図。
【図9】第3の実施の形態におけるA/D変換装置の概
要を示す構成図。
【図10】入力信号とA/D変換後のデジタル値との関
係を示す特性図。
【図11】ノック信号の形態を示すタイムチャート。
【図12】第4の実施の形態におけるA/D変換装置の
概要を示す構成図。
【図13】第5の実施の形態におけるECUの概要を示
す構成図。
【図14】各種の信号波形を示すタイムチャート。
【図15】入力信号とA/D変換後のデジタル値との関
係を示す特性図。
【図16】入力信号とA/D変換後のデジタル値との関
係を示す特性図。
【図17】第5の実施の形態におけるA/D変換装置の
概要を示す構成図。
【図18】第5の実施の形態におけるA/D変換装置の
概要を示す構成図。
【図19】ノック信号の形態を示すタイムチャート。
【図20】A/D変換器の基準電圧によりA/D変換値
が補正される様子を示す説明図。
【符号の説明】
10…ECU(電子制御装置)、11…第1のA/D変
換器、12…第2のA/D変換器、13…メモリとして
のEEPROM、15…CPU、31…A/D変換器、
32…切替手段としてのスイッチ、51…A/D変換
器、52,53…切替手段としてのスイッチ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高電圧側の第1電圧と低電圧側の第2電圧
    とを基準電圧として動作する第1のA/D変換器と、前
    記第1電圧〜第2電圧の間の第3電圧を少なくとも片側
    の基準電圧として動作する第2のA/D変換器とを備
    え、外部より入力されるアナログ信号をデジタル信号に
    変換するA/D変換装置において、 前記第1のA/D変換器で前記第3電圧をA/D変換し
    てそのA/D変換値を補正値とすると共に、前記第2の
    A/D変換器の基準電圧範囲内のアナログ信号を当該第
    2のA/D変換器でA/D変換し、さらにそのA/D変
    換の実測値を前記補正値により補正することを特徴とす
    るA/D変換装置。
  2. 【請求項2】アナログ信号が前記第2のA/D変換器の
    基準電圧範囲内にある場合、当該第2のA/D変換器に
    よるA/D変換値を前記補正値で補正した後使用し、そ
    れ以外の場合、前記第1のA/D変換器によるA/D変
    換値をそのまま使用する請求項1に記載のA/D変換装
    置。
  3. 【請求項3】高電圧側の第1電圧と低電圧側の第2電圧
    とを基準電圧として動作するA/D変換器を備えると共
    に、前記A/D変換器の少なくとも片側の基準電圧を第
    1電圧〜第2電圧の間の第3電圧に切り替える切替手段
    を備え、外部より入力されるアナログ信号をデジタル信
    号に変換するA/D変換装置において、 前記第1,第2電圧を基準電圧とする時に、前記第3電
    圧を前記A/D変換器でA/D変換してそのA/D変換
    値を補正値とする一方、前記切替手段の操作に伴い少な
    くとも前記第3電圧を基準電圧とする時に、同じくA/
    D変換器でアナログ信号をA/D変換し、さらにそのA
    /D変換の実測値を前記補正値により補正することを特
    徴とするA/D変換装置。
  4. 【請求項4】前記第3電圧を片側の基準電圧とする時の
    基準電圧範囲内にアナログ信号がある場合、前記A/D
    変換器によるA/D変換値を前記補正値で補正した後使
    用し、それ以外の場合、同じくA/D変換器によるA/
    D変換値をそのまま使用する請求項3に記載のA/D変
    換装置。
  5. 【請求項5】第1電圧〜第2電圧の間に、前記第3電圧
    を含む複数の基準電圧が生成されるA/D変換装置にお
    いて、 前記複数の基準電圧を個々にA/D変換してそのA/D
    変換値を補正値とし、それら基準電圧の少なくとも一つ
    をA/D変換器の基準電圧とする場合に、その時のA/
    D変換の実測値を前記補正値により補正する請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載のA/D変換装置。
  6. 【請求項6】前記補正値をメモリに随時記憶し、同メモ
    リの記憶データを読み出してその時々のA/D変換の実
    測値を補正する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    A/D変換装置。
  7. 【請求項7】第1電圧〜第2電圧の電圧範囲を「2^n」
    (nは自然数、^はべき乗を表す)で除算し、その除算
    した値を、少なくとも前記第3電圧が片側の基準電圧で
    ある時の基準電圧範囲とする請求項1〜請求項6のいず
    れかに記載のA/D変換装置。
  8. 【請求項8】内燃機関の振動に応じたノック信号を逐次
    取り込んで該ノック信号をデジタル信号に変換するA/
    D変換器を備えるA/D変換装置において、 前記ノック信号の基準電圧を、前記A/D変換器の処理
    範囲内の中心値からずらし、その基準電圧を基に当該ノ
    ック信号の振幅を算出する請求項1〜請求項7のいずれ
    かに記載のA/D変換装置。
  9. 【請求項9】前記A/D変換器の電源電圧付近に前記ノ
    ック信号の基準電圧が設定される請求項8に記載のA/
    D変換装置。
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