JP4062630B2 - エンジンの電子式スロットル制御装置 - Google Patents
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Description
このため、エンジンの電子式スロットル制御装置(ECU)は、スロットル開度センサの出力電圧をAD変換し、スロットル開度(検出値)のAD変換値を用いて目標スロットル開度を算出し、電子式スロットルをフィードバック制御している。
エンジンへの吸気量を高精度に制御するためには、電子式スロットルを高精度に制御する必要があり、このため、スロットル開度センサの出力電圧値を高精度に検出する必要がある。
さらに、特許文献3には、トランジスタスイッチを介して変換された複数のオフセット付き電圧を、単一のAD変換器で読み取る装置も提案されている。
また、トランジスタスイッチを介して変換された複数のオフセット付き電圧を、単一のAD変換器で読み取る場合には、トランジスタスイッチの内部抵抗値によって検出値に誤差が生じる可能性があり、スロットル制御に悪影響をおよぼすという課題があった。
さらに、スロットル開度電圧を高精度に検出するために高分解能のAD変換器を用いた場合には、装置全体のコストアップを招くという課題があった。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエンジンの電子式スロットル制御装置を示すブロック図であり、エンジン100の周辺のハードウェア構成例とともに示している。
スロットルバルブ1には、スロットル開度を制御するためのスロットルアクチュエータとして、DCモータ2が設けられている。
スロットルバルブ1およびDCモータ2は、エンジン100への吸気量を制御するための電子式スロットルを構成している。
ECU(電子式制御ユニット)10は、スロットル開度センサ3からのセンサ電圧を取り込むとともに、他の各種センサ(図示せず)からの検出情報(エンジン100の運転状態情報)を取り込み、DCモータ2に対する駆動制御信号を生成する。
なお、各抵抗値R1〜R4は、任意に設定され得る。
分配回路14の切り替え信号入力端子は、CPU11内の分配切り替え手段15に接続されている。
スロットル開度検出手段は、オフセット付き電圧V1〜V4から分配(選択)された電圧値を、最終的な制御対象となる電子式スロットル(スロットルバルブ1)のスロットル開度として検出する。
すなわち、CPU11内の演算処理部16は、スロットル制御手段を含み、エンジン100の運転状態に応じてスロットル開度の目標値を演算し、スロットル開度の目標値に応じた駆動制御信号により、DCモータ2を駆動制御してスロットルバルブ1の開度を目標値に制御するようになっている。
したがって、これを回避するために、図1のように、オペアンプ(バッファ)13を挿入してインピーダンス変換が行われる。これにより、抵抗器101〜104の抵抗値R1〜R4を、AD変換器12でのAD変換に影響を与えない程度の小さい値に設定することができる。
一般に、AD変換器12の分解能aは、ビット数で表され、nビット(nは自然数)の分解能とは、AD変換器12のリファレンス電圧Vrefを用いて、以下の式(1)で与えられる。
図2においては、AD変換器12の入力電圧値が「V1[V]」から「V1+a[V]」に上昇したときのAD変換値「Z−1、Z、Z+1」を示している。
言い換えれば、「V1≦V<V1+a」の範囲内の入力電圧VがAD変換された場合に、AD変換結果として得られるAD変換値は、Z(一定値)となる。
図3においては、分解能a(nビット)のA/D変換器12を用いて、分解能a/2(n+1ビット)のAD変換器を使用した場合と同等の入力電圧検出を可能とする方法を示している。
図3において、入力電圧(オフセット付き電圧)VAのAD変換値と、入力電圧VAに対して「−a/2[V]」だけオフセットを付加した電圧VB(=VA−a/2)のAD変換値により、分解能a/2(高精度)の電圧位置検出が可能となる。
AD変換器12は、nビットの分解能aで各入力電圧VA、VBをAD変換し、演算処理部16は、AD変換された電圧値を制御演算処理に用いる。
これにより、分解能a/2(n+1ビット)のAD変換器12による変換値を用いた場合と同等の制御分解能が得られる。
また、CPU11内の演算処理部16(スロットル制御手段)は、AD変換結果の加算値を用いて、DCモータ2およびスロットルバルブ1を制御する。これにより、n+bビットのAD変換器による変換値を用いて制御する場合と同等の制御分解能が得られる。
したがって、以下、アイドル回転数付近でのスロットル開度を、たとえば「10ビット」のAD変換器12を用いて、実質的に「12ビット」の高精度で検出する場合の処理について説明する。
図4においては、分配回路14に入力された4個のオフセット付き電圧VA〜VD(V1〜V4に対応)を、10ビットのAD変換器12にそれぞれ入力した場合のAD変換結果を示している。
いま、10ビットのAD変換器12のリファレンス電圧Vrefが5[V]ならば、前述の式(1)より、AD変換器12の分解能aは、以下の式(2)で与えられる。
≒4.8[mV] ・・・(2)
=a/4
≒1.2[mV] ・・・(3)
V3≒V2−1.2[mV]
V4≒V3−1.2[mV] ・・・(4)
R4=10[kΩ] ・・・・(5)
図5は図4と同様にAD変換器12による入力電圧の検出処理の高精度化をタイミングチャートで概念的に示す説明図である。
図6において、横軸はスロットルバルブ1の実際のスロットル開度を示し、縦軸はスロットル開度センサ3から出力されるセンサ電圧を示している。
ここでは、分配回路14の入力される分圧電圧V1(センサ電圧)が、目標開度電圧Voよりも低い初期状態から目標開度電圧Voまで上昇するように制御された場合のスロットル開度検出処理を示している。
また、前述(図2〜図4参照)と同様に、分圧電圧V1をAD変換器12でAD変換した値をZとする。
このとき、入力電圧VAは、分圧電圧V1のAD変換値Zよりも小さいので、CPU11は、スロットルバルブ1を開側に動作させる。
また、スロットルバルブ1の開度を保持させた状態で、CPU11内の分配切り替え手段15からの分配切り替え信号を、入力電圧VBの選択信号に切り替える。
このとき、入力電圧VBのAD変換値は「Z−1」であり、また、センサ電圧は分圧電圧V1に到達していることが検出される。
続く期間T4においては、AD変換器12への入力電圧VBが「Z」に到達するので、スロットルバルブ1をその時点の開度で保持させる。
続いて、スロットルバルブ1の開度を保持させた状態で、分配切り替え手段15からの分配切り替え信号を入力電圧VCの選択信号に切り替える。
このとき、入力電圧VCのAD変換値は「Z−1」であり、また、センサ電圧は「V1+(a/4)」に到達していることが検出される。
続く期間T6においては、AD変換器12への入力電圧VCがAD変換値Zに到達するので、スロットルバルブ1をその時点の開度で保持させる。
続いて、スロットルバルブ1の開度を保持させた状態で、分配切り替え手段15からの分配切り替え信号を入力電圧VDの選択信号に切り替える。
このとき、入力電圧VDのAD変換値は「Z−1」であり、また、センサ電圧は「V1+(a/4)×2」に到達していることが検出される。
続く期間T8においては、AD変換器12への入力電圧VDがAD変換値Zに到達するので、スロットルバルブ1をその時点の開度で保持させる。
続いて、スロットルバルブ1の開度を保持させた状態で、分配切り替え手段15からの分配切り替え信号を入力電圧VAの選択信号に切り替える。
このとき、入力電圧VAのAD変換値は「Z−1」であり、また、センサ電圧は「V1+(a/4)×3」(=Vo)に到達していることが検出される。
すなわち、期間T8においては、センサ電圧が目標開度電圧Voと一致したことが検出される。
さらに、スロットル開度電圧が目標開度電圧Voに到達した後であっても、分配回路14への複数の入力電圧(図5の例では、VAとVD)を交互に比較するので、スロットルバルブ1に与えられる気流などの外力やスロットルバルブ1の動作時の慣性によって、スロットル開度が変動した場合であっても、開度変動状態を検出し、スロットル開度を目標値に制御することができる。
Claims (4)
- エンジンを制御するための電子式スロットルと、
前記電子式スロットルのスロットル開度を検出するためのスロットル開度検出手段と、
前記エンジンの運転状態に応じて前記スロットル開度を目標値に制御するための制御手段と
を備えたエンジンの電子式スロットル制御装置において、
前記スロットル開度検出手段は、
前記スロットル開度に対応したセンサ電圧を生成するスロットル開度センサと、
前記センサ電圧を複数のオフセット付き電圧に変換するオフセット手段と、
前記オフセット手段に並列に配置されて、前記複数のオフセット付き電圧を単一経路に分配する分配手段と、
前記単一経路に分配された電圧をAD変換するAD変換器と、
前記分配手段の分配切り替え制御を行う分配切り替え手段と
を含み、
前記分配された電圧を制御対象のスロットル開度として検出することを特徴とするエンジンの電子式スロットル制御装置。 - 前記オフセット手段はインピーダンスを含み、
前記スロットル開度検出手段は、前記スロットル開度センサと前記オフセット手段との間に挿入されたバッファを含み、
前記バッファは、前記スロットル開度センサ側と前記インピーダンスとを分離したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの電子式スロットル制御装置。 - 前記オフセット手段は、互いに異なるインピーダンス値を有する複数の抵抗器を含み、そのインピーダンス値を任意に設定できることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンの電子式スロットル制御装置。
- 前記分配切り替え手段により切り替えられた複数のオフセット付き電圧を交互に検出して、前記スロットル開度を検出することを特徴とした、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエンジンの電子式スロットル制御装置。
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